第5回 栄養表示に関する調査会 議事録

日時

2014年5月29日(木)13:58~17:12

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
澁谷座長、迫座長代理、池原委員、板倉委員、河野委員
【オブザーバー】
夏目委員、池戸委員、石川委員、宇理須委員、鬼武委員、立石委員
【説明者】
消費者庁 竹田食品表示企画課長、平山企画官、船田課長補佐、塩澤食品表示調査官
【事務局】
黒木事務局長、井内審議官、大貫参事官、山岸参事官補佐

議事次第

  1. 開会
  2. 栄養成分表示の方法について
  3. 栄養表示の対象成分について
  4. 栄養表示の対象事業者について
  5. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○大貫参事官 それでは、定刻になりましたので始めさせていただきます。

本日は皆様、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから「栄養表示に関する調査会」第5回会合を開催します。

本日は、宮地委員は所用により御欠席ですが、過半数に達しており、定足数を満たしております。

なお、オブザーバーとして消費者委員会の夏目委員が出席予定ですが、少しおくれるという御連絡をいただいております。

また、食品表示部会から池戸委員、石川委員、宇理須委員、鬼武委員、立石委員が参加されております。部会においてオブザーバーも御発言いただけることが確認されておりますので、活発な御議論をお願いいたします。

議事に入る前に、配付資料の確認をさせていただきます。

現在お配りしております資料は、配付資料一覧に加えまして、鬼武委員のコメントペーパーを追加配付しております。

池原委員提出資料は参考資料3となっております。委員提出の資料についても議論にご活用いただくよう、お願いいたします。

不足の資料がございましたら事務局にお申しつけください。

本日も多くの傍聴の方がお越しいただいておりますので、御発言の際はマイクに近づいて御発言いただきますよう、お願いいたします。

それでは、澁谷座長に議事進行をお願いいたします。

○澁谷座長 それでは、本日は消費者庁から竹田食品表示企画課長に御出席をいただく予定ですが、少しおくれて到着と聞いております。なお、本日の会議は公開で行います。議事録についても後日、公開することとします。

それでは、本日の議題に入ります。本日はまず審議の議題として「栄養成分表示の方法について」を審議いたします。

続いて、今までの調査会で審議を行った「栄養表示の対象成分について」及び「栄養表示の対象事業者について」の議題を再度取り上げ、この順で議論したいと思います。

それでは、栄養成分表示の方法についての議論に入りたいと思います。こちらの資料の御説明を消費者庁からお願いいたします。

≪2.栄養成分表示の方法について≫

○塩澤食品表示調査官 消費者庁食品表示企画課の塩澤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、資料1の御説明をさせていただきます。

資料1は「栄養成分表示の方法について」という資料でございます。

2ページ目に目次をおつけしております。主な議題といたしまして「食品単位について」、「栄養素等表示基準値に占める割合の表示について」、「表示レイアウトについて」、「表示場所・表示媒体について」、以上の点につきまして御議論賜りたいと思います。

3ページ、食品単位についてから御説明させていただきます。

4ページ、まず背景でございます。現行の栄養表示基準では100gもしくは100mlまたは1食分、1包装その他の1単位当たりの栄養成分の量及び熱量を表示することとされております。なお、食品単位は商品の特性に応じて事業者が任意に設定できることになっております。

課題でございますが、栄養成分の量及び熱量は、1食分以外の食品単位で示されている場合、消費者は必要に応じて栄養成分量を計算する必要がございます。また、我が国におきましては米国のようなサービングサイズに関する知見が十分ではございませんので、現段階ではサービングサイズを規定することは困難な状況でございます。

そこで考え方(案)でございますが、1食分の量を規定することが困難な食品も多いことから、栄養成分表示における食品単位の規定については現行どおりとしたいと考えております。ただし、消費者にとってわかりやすい表示となるよう、1食分当たりで表示することが望ましいという旨は、通知等でお示ししたいと考えております。

新基準(案)でございますけれども、食品単位の基準については現行どおりとしたいとお示しをさせていただきました。

では、次に栄養素等表示基準値に占める割合の表示についてでございます。

6ページ、背景でございます。栄養強調表示は欠乏や過剰な摂取が国民の健康に影響を与える栄養成分について、含有量の多寡に係る情報を表示するものでございます。現行制度では栄養成分の含有量の多寡に係る情報といたしまして、例えば栄養素等表示基準値に対する割合について、任意で表示することができます。栄養機能食品につきましては、割合表示が義務とされております。

コーデックスガイドラインにおいては、栄養参照量が設定されている場合については、栄養参照量に対するパーセンテージで表示してもよいとされております。

参考資料1の7ページ目に3.4.4章というところがございます。ここをごらんいただくと、今、お示ししたようなパーセンテージで表示してもよいという部分が掲載されておりますので、適宜御参照いただければと思います。

課題でございますけれども、栄養強調表示を行う栄養成分の含有量の多寡に係る情報といたしまして、栄養素等表示基準値に対する割合を表示した商品、これは決して多いとは言えない状況にございます。ただ、このような割合、パーセント表示のない商品におきましては、消費者の自主的、合理的な商品選択を図る上で、以下の点が懸念されると思っております。

まず1つ目でありますが、栄養強調表示、これは補給ができる旨、適切な摂取ができる旨、両方にかかわってくるものでございますけれども、この強調表示がなされた商品を摂取することで、1日の食事に対し、それがどの程度影響があるのかということが、このパーセンテージ表示がない場合、消費者に把握は難しいであろうという点が、まず1点目でございます。

次に、補給ができる旨、これは多い方向にとらせようという強調表示でございますけれども、こういった規定がある栄養成分のうち、一部の成分、例えば脂溶性ビタミンですとかミネラルなどにつきましては、含有量が多いことを訴求した商品を消費者の方々が積極的に摂取することによって、場合によってはその栄養成分の過剰摂取につながる可能性も否定できないというのが課題としてあろうかと思っております。

7ページ、考え方の案としてお示ししております。まず第1に消費者の自主的、合理的な商品選択の機会を確保し、かつ、過剰摂取のリスクを回避する観点から、栄養素等表示基準値に対する割合の表示が有用ではないかと考えております。

しかしながら、1食分の量を設定することが困難な食品にあっては、この割合の表示が活用されにくい可能性もあろうかと思います。それで下に例マル1、例マル2としてお示ししております。

例マル1でございますけれども、これは1食分、ここは1本当たりという単位で書いてありますけれども、こちらについては例えばカルシウムたっぷりの表示がなされている商品の場合、カルシウム220mgは31%に相当するということで、これはこれで消費者の方の商品選択の際、有用な情報になるかと思います。

しかしながら例マル2でございますけれども、例えば同じカルシウムたっぷりという表示をしていますが、表示の単位が100g当たりとなっております。この食品がおおむね大体1食分当たり5g程度と推測される商品であっても、例えば100g当たりと書かれていた場合、カルシウム1,300mg、パーセンテージでいきますと186%というふうになりまして、この186%というところを見て、1食分どのぐらいかと推測するのは大変だという問題も中にはあろうかと思ってお示ししております。つまり、こういう場合は1食分で摂取できるパーセントのイメージがつきにくいかもしれないというイメージでございます。

結論でございますけれども、全ての食品に対し栄養素等表示基準値に対する割合の表示を義務とすることは困難というふうに考えられますので、新基準にこのパーセント表示の義務というのは規定しないこととしたいと思っています。ただし、1食分当たりの表示とあわせて、少なくとも栄養強調表示をしようとする栄養成分及び熱量については、積極的に割合の表示を行うよう通知等でお示ししていきたいと考えております。

次に、表示レイアウトについての御説明をさせていただきます。

9ページ、まず背景でございます。現行制度では熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム、そして表示しようとする栄養成分の順に記載することとなっております。これについての考え方(案)でありますけれども、現行の表示順は消費者、事業者ともになじみがあるものと思っておりますので、これを見直す必要性は特段ないのではないかというのがこちらの考え方でございます。

したがって、新基準(案)といたしましては、この表示順については現行どおりとしたいということをお示しさせていただきました。

10ページ、今度は内訳表示の導入についてという見出しがついていると思います。

背景ですが、内訳表示は飽和脂肪酸を表示する場合は、脂質の内訳として表示するというものでございますが、我が国ではこの内訳表示の方式を採用してはおりません。炭水化物の量につきましては表示の特例といたしまして、糖質及び食物繊維の量の表示をもって代えることができるとされております。ただし、炭水化物の内訳として書くという規定にはなっておりません。

栄養表示を義務化している主要国ですとか、コーデックスガイドラインを見てみますと、その多くは内訳表示の方式を採用しています。これは例えばこの資料の23ページ目以降をまずごらんいだきたいのですけれども、参考として諸外国の表示方法についてというページ以降に米国の例からお示ししております。

例えば24ページ目に載っております米国の例をごらんいただきますと、例えばCaloriesの後にTotal Fat、総脂質という見出しがあって、その内訳としてSaturated Fat、これは飽和脂肪酸、それからTrans Fatのように、飽和脂肪酸などが脂質に包含されるというのがわかるような形で内訳表示がされている。そのようなスタイルが米国ではとられております。

また、26ページにはオーストラリアとニュージーランドの表示例をお示ししております。こちらもやはり例えばたんぱく質のところですとか、脂質のところも同じように内訳で書くような規定となっております。

27ページ目には中国の例をお載せしております。下のほうにあるExample2というところを見ていただくと、例えば同じように脂質のところに内訳表示としてSaturated fat(飽和脂肪酸)というものが書かれているというような例でございます。

また、参考資料1のコーデックスのガイドラインの中にもこの内訳表示を紹介しておりまして、例えば9ページ目をごらんいただくと、上のほうに3.4.6章、そして真ん中あたりに3.4.7章というところがございますが、ここに内訳表示に関連するような条項の記載がございます。こちらを適宜御参照いただければと存じます。

それでは、もとの資料1の10ページ目に戻っていただけますでしょうか。以上の説明が背景でございました。

続きまして課題でございますが、消費者庁で昨年度事業で行いました消費者調査の結果を見てみますと、消費者の多くは栄養成分の包含関係、例えば飽和脂肪酸が脂質に含まれるということや、炭水化物が糖質と食物繊維から構成されるといったようなことなどを理解していないということ、また、内訳表示を望んでいるといったことがこの調査結果で示されております。

そこで考え方(案)であります。まず1つ目が消費者の意向等を踏まえ、よりわかりやすい表示とするため、内訳表示の方式を採用したいという考えでございます。

次に「なお」で示しておりますけれども、糖質や食物繊維を表示する場合は、炭水化物の量を表示した上で、その内訳として糖質と食物繊維の量、両方を表示することとしたいと考えております。

新基準案といたしましては、栄養成分に包含される成分につきましては、当該栄養成分の内訳として表示することとしてはどうかといったことをお示しいたしました。

関連する先ほどの消費者調査の結果が出てまいりましたので、これもあわせて資料をごらんいただければと思います。

21ページ目をごらんいただくとAとBという表示の例示を載せた上で、どちらの表示がいいですかということを消費者の方々にお聞きしたところ、Aの表示がいいと言った人は18.2%、片やB、これは内訳のイメージとして出しておりますけれども、内訳Bのほうがいいと言った人が62.5%という具合に、かなりの開きがあると見られたというのが結果のその1でございます。

また、内訳表示に関連するものとして、次の22ページにももう一つアンケート結果をお示ししておりますが、炭水化物の栄養成分として当てはまるものを1つ選んでくださいという問いに対して、「炭水化物」イコール「糖質」とお考えになった方が60.9%であったのに対し、「炭水化物」イコール「糖質+食物繊維」というふうにお答えになった方が23.3%であったというのが、私どもで行った調査結果でございました。

再びまたもとに戻っていただきます。10ページまで終わりましたので、次は11ページをごらんいただけますでしょうか。11ページ目は表示の様式についてでございます。背景ですが、現行制度では栄養成分の量及び熱量の表示順を規定しておりますが、様式、すなわちレイアウトについては規定しておりません。

考え方であります。消費者が商品を選択するに当たり、商品間で統一された様式により表示されていることが望ましいことから、様式を規定したいと考えております。ただし、JAS法の基準同様、別記様式による表示と同等程度にわかりやすく一括して表示されている場合は、別記様式以外の表示も可能としたいというふうに考えております。

新基準(案)といたしましては、表示は原則として次のページにお示しする様式により行うこととしたいと思っております。繰り返しになりますけれども、別記様式による表示と同等程度にわかりやすく、一括して記載する場合はこの限りではないといったただし書きもつけさせていただきました。

12ページ目に、その様式というものを2つほどお示しさせていただいております。左側の様式1は義務表示事項のみを表示する場合の例でございます。このように順番は今までどおり書いていただいて、ただ、最後、今までナトリウムであったところについては、表示としては食塩相当量として書いていただくといったものが様式1でございます。

次に様式2、これは先ほどの義務表示事項に加えまして、任意の表示事項を記載する場合の形式でございます。ごらんいただくとおわかりになるように、脂質のところですとか、炭水化物のところに、いろいろ内訳みたいなものを例示として載せてございます。なお、この様式の下に注としてつけさせていただいておりますけれども、表示しない栄養成分については、それは当然省略していいということ。それから、この様式の枠を記載することが困難な場合は、枠を省略することができるといったことを書かせていただいております。この枠を省略することができるというのは、様式1、様式2も同様として考えています。

13ページ、14ページは第6回の加工食品の表示に関する調査会でお示ししたものでございますが、新基準の考え方(案)として、栄養表示は様式1とは別面に一括して表示することができるとか、14ページについては省略規定などを載せさせていただいておりますので、適宜、御参照いただければと存じます。

15ページ目以降、表示場所、表示媒体についての御説明をさせていただきます。

16ページ、表示場所、表示媒体についてでございますけれども、背景として現行制度では、栄養成分表示は容器包装の見やすい場所または添付文書に表示することというふうにされております。課題といたしましては、現行制度では添付文書への表示も認められておりますが、容器包装に封入されているなどにより、購入時に外から見えない添付文書につきましては、消費者の商品選択に資する表示媒体とは言えないということが課題としてあろうかと思います。

考え方(案)でございますが、消費者への適切な情報提供の観点から、栄養成分表示は容器包装に行うこととし、添付文書への表示を廃止してはどうかということを1つ挙げさせていただいております。また、詰め合わせ食品は単一または複数種類の包装食品をさらに包装したものでございますけれども、こういった食品の場合は購入時の商品選択に資するという観点から、外装に表示することとするというふうに思っておりますが、ただ、中には詰め合わせ品の一つ一つに表示があって、外からその表示が見えるという場合もあろうかと思います。この場合は改めて外装に表示をする必要はないと考えております。

なお、生鮮食品の栄養成分表示、これは任意という整理でございますけれども、こちらについては容器包装された状態で販売されないものもございますので、こういったものについてはPOP等の表示も可能としたいと考えます。

新基準(案)としましては、栄養成分表示は添付文書ではなく、容器包装の見やすい場所に記載することとしたい。容器包装のない場合はPOP等の表示も可とするということを挙げさせていただきました。

17ページ、こちらは同一の食品が継続的に同一人に販売される場合の取り扱いについてというものでございます。

背景でありますが、栄養表示基準の取り扱いに関する通知というものがございますけれども、この通知におきまして宅配牛乳等、同一の食品が継続的に同一人に販売されるものであって、容器包装に表示することが困難なものにつきましては、商品の販売に伴って定期的に同一人に提供される文書に必要な栄養表示を行うことによって、これに代えることができる。そのような規定がございます。

考え方の案でありますけれども、こういった同一の食品で継続的に同一人に販売されるというようなものの場合、消費者は通例、その商品の内容を理解した上で契約なり購入なり、摂取していることが多いと思いますので、必ずしも容器包装への表示の必要性は高くないと考えられます。

また、先ほどお示ししたとおり、現行制度では通知で運用されておりますけれども、そもそもその表示は容器包装上に表示されるべきところ、こういった食品のみ例外規定となってまいりますので、これは通知での運用ということではなく、基準に引き上げることが適当ではないかと考えております。

そこで新基準(案)でございますが、同一の食品が継続的に同一人に販売されるものであって、容器包装に表示することが困難なものにつきましては、商品の販売に伴って定期的に同一人に提供される文書に必要な栄養表示を行うことによって、代えることができるということを新基準に盛り込みたいと考えております。

以上で資料1の説明を終えさせていただきます。

○澁谷座長 ありがとうございました。

それでは、進めたいと思いますが、論点が幾つか分かれておりますので、議論を整理して御審議をお願いいたします。

まず初めに、食品単位について。

2番目の論点として、栄養素等表示基準値に占める割合の表示について。

3番目の論点として、表示レイアウトについて。

そして最後に表示場所・表示媒体についての順に御審議をいただきたいと思います。

まず食品単位についての議論に入りたいと思います。委員の皆様からの御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

池原委員、いかがでしょうか。

○池原委員 現行どおりでいいと思います。

○澁谷座長 ありがとうございます。

○池原委員 今回の食品表示基準を制定するという残された時間が非常に短い中で、そういった大きな話を組み込むということは現実的には不可能だと思います。それが大きな理由だと思います。

○澁谷座長 ありがとうございました。

河野委員、いかがでしょうか。

○河野委員 私は時間的な話ではなくて、食品の単位というのは、もし可能であればもう少し整理してほしいなという希望は持っているところです。特に1食分以外の食品単位で示されている場合、かなりサービスの部分もあるのですけれども、でも頭の中でというか、ちょっとそこで計算をしなければいけない。それから、自分がもともと栄養成分について、エネルギーは概算でわかりますが、大体どのぐらいなのだろうということも知識として持っていませんから、そういった形でもう少し栄養に対する、それから、健康に対する教育が進むような形での表示というものが本当は望ましいと思っています。

ただ、短時間の中でどれだけできるのかということなので、お示しいただいているように、1食分当たりで表示することが望ましいという形で徐々に環境を整えていっていただくということで、今回はこの基準(案)でいいかなと思っております。

○澁谷座長 迫座長代理、いかがですか。

○迫座長代理 現状での表示は100g当たり、または100ml当たり、これが基本的に大体選択されているのではないか。そういう中から1食分とか1包装当たりという形に派生しているのではないかと思われます。そういう中で1包装当たりというのは非常にわかりやすいのですが、1食当たりという、その1食は誰にとって1食なのかというところが非常に規定しづらいものだと思っています。

受け取る人によってその1食分が当然違ってくるものですから、それで比較をするというのはなかなか難しい。やはり100g当たりとか100ml当たり、または1包装当たりというものを基本的な表示のパターンとして置いた上で、考え方の中で示されているように、1食当たりの基準をどういうふうに定めるか、その辺のところを見極めた上で、それを通知等で示していく。そういう中で実際にどういう基準が望ましいのかというところが、より一層見えてくるのではないかと思っております。そういう意味で提案されているような形で進めていただければと思います。

○澁谷座長 そのほかには御意見は。どうぞ。

○鬼武委員 コメントペーパーにも少し書いたのですけれども、今回、食品単位の中でも栄養素等表示基準の占める割合、それから、レイアウトという提案がされていますが、時間がないということは当然理解できますけれども、その中ではこれまで栄養成分表示については義務化に向けて数年前から議論していて、方向性としてはある程度定まってきたわけですから、それからすると今回の消費者庁の提案自体は、割と消極的だなという印象は全体として否めないと思います。

と申しますのは、栄養成分表示、ここまで義務化は来たのですけれども、具体的な中身について現行のままでいいと終わってしまうのですが、そこに食品の単位、サービングサイズについては海外で積極的にその考え方が取り入れられているわけですから、ある程度道筋なりは通知ではなくて全体的には議論した上で、それは消費者庁が示すのか、もしくは次の検討会で示すかわかりませんけれども、そういう課題等も含めて整理しておかないと、このままでいくと義務表示になるのですが、ばらばらな栄養表示がされるので、消費者から見ると横並びに見て比較することは結局は困難なことになるということなので、まずそういうところを前提として少し考えていただきたい。

そういう面では、先ほど消費者庁から説明のあった一昨年の消費者意向調査と、今回出てくる関係ももう少し丁寧な説明が必要ではないかと思っています。それが全体的なところで、まずサービングサイズなり1食量、100gとか100ml単位にすることについては、御存知のように現行の食品表示法のところでは自主的かつ合理的に選択という観点から、食品単位のあり方について私としては検討すべきであり、現行の食品単位というものがどのような地位にあるかということを、特に海外、諸外国のところを見て、日本が今どういう位置づけにあるのかというものをまず消費者庁からレビューをしていただけないかというふうに思っている次第であります。

そういう中で現行の栄養表示基準の第2条においては、どのような食品単位化ということは基本的には明示されておりませんし、そういう中ではこういう海外の食品単位というものを参考にして、日本が今後どうあるべきかということは議論をする上では必要ではないかと思っています。

2ページに書いてありますけれども、先ほど消費者庁からも説明があったように、参考資料のコーデックスの栄養表示のガイドラインでは、3.4.2、3.4.3、3.4.4にそういうことが書かれていますから、ここではコーデックスでは基本的な単位を100gもしくは100ml当たりで書いてあるということがあります。

その次にアメリカのほうですけれども、アメリカもサービングサイズが国として規定されておりますから、ここに書いてありますようにFDAでは、例えば飲料関係ではサービングサイズとして、1容量オンスが30mlですから8fluid ounce単位だと240もしくは1カップ240ということで、アメリカ国内では既にそういう形で決められているということであります。

EUではいろいろ議論になっていますが、最終的には100gもしくは100mlということを基本とされて、さらにサービングサイズは任意で表示できるということになっておりますが、そういう形では海外ではこういうサービングサイズなり1食量なりという規定を積極的に取り入れていって、そういうことからすると例えばなのですけれども、日本では基本的な食料である牛乳とか飲料とか基礎調味料というようなことからでよいのですが、サービングサイズの考え方を少しずつ手段としてはやっていくことも、ガイドラインということで整理していけるのではないかと思っている次第です。

現行、3ページを見ていただきますと飲料でいきますと100gなり100ml、これでいいとすればそれまでなのでしょうけれども、これだと結局、横並びに義務化しても、結局は消費者としては今回わかりやすい表示を目指すのだったら、そこの目標からはほど遠いのではないかと思っております。

以上であります。

○澁谷座長 ありがとうございました。

消費者庁のほうは、何か今のことについて追加の発言はございますか。

○塩澤食品表示調査官 鬼武委員がおっしゃるように、サービングサイズがあるべきというのは確かにそのとおりだろうと思います。ただ、先ほどお示ししたとおり、我が国ではそれを設定していくための知見が十分ではありません。例えばアメリカでも、10年間くらいのデータを蓄積して、ようやくサービングサイズが出てきています。つまり、1年とか2年やったので出てくるという値では必ずしもございませんので、御指摘の点は私どもの中長期的な課題として受けとめさせていただきたく思います。

○澁谷座長 ありがとうございます。

立石委員、どうぞ。

○立石委員 鬼武委員の意見と全く同感で、消費者庁は極めて消極的だと思うのです。

今、義務化にかじを切って、あるべき方向に向かうというときに、消費者にとってわかりやすい表示を目指すというときに、これは当然、行政側が誘導していくしかないのです。今は知見が十分でないからできませんばかり言ってきているのが今までの消費者庁であって、これからあるべき姿、ここに書いてあるのですから、最後のところに。消費者にとってわかりやすい表示となるよう、1食当たりで表示することが望ましい旨を通知等で示す。これがもしそういうふうに思っているのだったら、消費者にとってわかりやすい表示となるよう1食分当たりで表示することが望ましいと書いてあるとおり。サービングサイズを決めて、1食分当たりで表示することが望ましいという見解を出しているわけだから、だったらそのことに向けてきちんとかじをとるという形でやって、今までどおりというと先ほど鬼武委員が言われたように、わかりにくい表示がそのまま併存してしまうわけです。そこら辺をこういう機会でもって、時間がないとかばかり言っているけれども、そうではなしに、やはりきちんと方向性を決めて、だから少なくとも方向性を決めてやるということが大事だと思います。

以上です。

○澁谷座長 ほかにはいかがでしょうか。

○迫座長代理 1食分当たりというものが明確になれば、それは大事なことだと思いますし、それは国としての方針が定めることができれば、それはいつでもそういう方向にいけるのだろうと思っています。

ただ、現状の日本人の食事というものは性年代別、そして個人の嗜好等々で本当にサイズが違っています。それを1食分というサイズに1つのものに規定していく。これは至難の業だと思っています。これは食品ごとに、そしてそれも味つけの仕方によっても、形態、濃度、かたさなど、そういうものによっても1食分というものは違ってくる。そうすると、先ほど鬼武委員から御紹介がありましたように、特定の品目についてのみスタートさせることは可能だと思うのですが、全てをそちらに持っていくというのは非常に難しいことだと思います。

そういう意味で、基準となるのは100g当たりもしくは100ml当たり。これをまず基準に置いて、そして、そこで比較ができる。量に対しては自分に必要な量というものは、自分の目で確認をしていただいた上で比較ができる。参考情報として現段階では1食分のほうにいくのかなと思います。

1つの方向性として1食分を表示できるものは進めていく。これは消費者にとってわかりやすいものですから、いい方向だとは思いますけれども、それで全てを進めてしまっては逆に誤誘導することになると思います。

○澁谷座長 ありがとうございました。

そのほか、どうぞ。

○立石委員 米国ではサービングサイズ、1食量を決めているのです。米国というのは多民族国家なのです。日本とは違っています。日本は単一民族国家でもって、それでもって今の迫委員のお話が出るのだったら私は理解できるのだけれども、多民族国家、さまざまな人種のるつぼのアメリカが、それでも1食当たりと決めているわけです。何でもそういうふうに、やろうとすることについてできない、やれないということばかり言っていたら何もしないのと一緒なので、ではアメリカはどうやってやっているんですかとお聞きしたい。このサービングサイズを決めている、この多民族国家でいろいろな人種の方がいて、どうしてこれを決めれるかということは、そこに学ぶべきものがあると思うのです。決め方、ルール、そこが問題だと思うのです。

決められるのは当たり前だと思う。日本だって太った人から痩せた人からいろいろな人がいるわけだから、そんなこと言ったら絶対に決まりません。ですから、そういうことをきちんと学んだ上で方向性を決めていく。今のままがいいと事業者はそう言うに決まっているわけです。私も事業者でそうだけれども、そういうことを言ったら何も進まないから、やはりここにあるように消費者にとってわかりやすい表示という視点で、かじを切るという方向で動いていただきたいと思います。

○澁谷座長 ほかいかがでしょうか。どうぞ。

○池原委員 実際のきちんとしたシステムで動いているのは、米国だけであるということもお伺いしているのですけれども、実際の米国内の実態というのはどのようなものかわかりますか。要するにどの程度活用されているのか、消費者からの評価というのはどのようなものなのか、やはりこれがあってよかったなということになっているのかどうか。そのあたりいかがでしょうか。

○澁谷座長 消費者庁、いかがでしょうか。

○塩澤食品表示調査官 すみません、あいにく消費者の意向という意味での実態は、今すぐお答え差し上げられません。ただ、サービングサイズをもとにした栄養表示というのは基本それでやるという話になっていますので、それはその表示の仕方が一般的ということでございます。

○澁谷座長 先ほどの御説明では、方向性としてはこのままずっといくということではなくて、1食分当たりで表示することが望ましいということは了解できるので、そこに向けては1食分というものを決めるのに、やはりある程度プロセスというか時間もかかるし、科学的なことも段階も踏んでいかなければいけないということであろうと思いますので、決して否定をしているわけではないということです。

今回の新基準案については、そこにございますように課題や考え方ということは重視をしていただきますが、スタートとしては食品単位の規定は現行の100g、100mlでどうでしょうかという御提案だと思いますが、いかがでしょうか。

○鬼武委員 ちょっと確認していいですか。現行の食品単位の規定どおりというのは、今、座長がおっしゃった100gもしくは100mlということでいいですか。そのほか1食分、1包装もしくはその他の1単位というのは背景としては書かれていますね。それは含まないということで、基本は100gもしくは100mlという説明でいいのでしょうか。

○塩澤食品表示調査官 現行というのが正直、どういう単位かというものを示せばどれでもいいというのが今の規定でございますので、100gとか100mlが基本で、その下に来るのが例えば1食分とかそういう位置づけではございません。

○鬼武委員 ですよね。だから私はどれかを決めていないから、EUはその中でどちらかをまず決めたのです。日本は今回の提案は全く積極的でないので、そこまでするのですかということを私は聞きたかったのです。どういう単位でいくのかというのを話して決めるのですかと。それとも全く現行のままでいくのかです。これは曖昧にしていてはいけないと思っていたので聞いているのです。

○塩澤食品表示調査官 ですので、そこの4ページ目に書いてあるとおり、現行どおりとしたいと考えております。現行というのは、どれが優先というものを規定しているものではございませんので、どれでも差し支えないというルールでございます。

○鬼武委員 あと、その他の1単位というのは、どういうものを指すのですか。お尋ねします。

○塩澤食品表示調査官 例というとなかなか難しいですけれども、もしかすると例としては適切かどうかわかりませんが、1日分当たりとか、いろいろなものが考えられるかなと思います。

○迫座長代理 具体的には、1つの容器に入っている例えばチョコレートとかありますね。それの中の1山当たりとか、キャンディー1つ当たりとか、そういうそれぞれの単位をして、そのとおりに表示をしていただく。ですから通常、私たちが例えば一口に食べる量とか、そういうものも1つの単位として設定していくという形になると思います。

○澁谷座長 鬼武委員、よいでしょうか。

○鬼武委員 結局もう議論しないというので、これ以上コメントしても平行線になっても仕方がないのだけれども、でも全くこれだと進まないし、EUはこの点を議論しているのです。サービングサイズがいいのか、その点はEUコミッションと意見が違うけれども、その中で否定をしているのだけれども、日本でもそういう積極的なことまで今回考えないということです。

○塩澤食品表示調査官 そういう意味で先ほどから申し上げているとおり、サービングサイズで規定するというのは、それはとても重要なことだとは思うのですが、ただ、膨大なデータをもとに適切なサービングサイズを設定しないと、逆に消費者を誤った方向に誘導することも懸念されますので、これは科学的な観点からも相当慎重にやらないといけないと思っているのです。

ただ、そちらの方向が重要と思っておりますので、通知などで今までこういうことはお示ししていなかったですけれども、可能な限り1食分で書いてくださいなど、そちらのほうに努めてくださいというのを通知でお示しするというところで、私どもとして考え方を示させていただいております。ですので、サービングサイズを設定するというのは、先ほど申し上げたとおり中長期的な課題として重要とは思っておりますが、今すぐできるかというと、それはできない。拙速にやるのはむしろ好ましくないと考えております。

○澁谷座長 鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 私も別にサービングサイズにこだわっているわけではないのですけれども、ここに書いてあるように道筋なり中長期でも義務化に、2020年のオリンピックの年になるのだから、それまでに向けて課題があって、多分ほかの保健機能とか忙しいのはわかるのだけれども、栄養表示は私は非常に重要な案件で、そういう道筋をつけたような課題は課題として残してもらって、それを次に引き継ぐのだったら引き継ぐということでやってもらわないと、今の1食の単位についても100gか100mlもしくはサービングも今回議論できなかったのは私自身としては残念なので、ぜひその辺は議事に残すか、今後の課題としては入れておいていただきたいと思います。

○澁谷座長 ありがとうございました。

方向性として1食分当たりということであらわすのが望ましいということで、それに向けてまず段階を踏んで、1食分がどれだけかということも出していかなければいけないということですので、そういう課題があるということはテイクノートしていただいて、それはまた別途包装の検討を進めていただくということで、皆さんここの食品の規定は現行どおりということでよろしいでしょうか。

○立石委員 座長、長い時間的余裕があります。だって2020年でしょう。まだ5年、6年もあるのです。であれば事業者は何だってできますよ。準備だってできるし、きちんと方向性、じゃあサービングサイズを決めてしまえば我々は準備するし、そのことをやはりやらないというのはよくわからないのだけれども、今のままでいいということばかり決めていたら世の中にとって何もよくならないし、消費者にとってわかりづらい表示がずっと続くということを消費者庁は是認するわけでしょう。そこに強い意思で誘導していただければ、通知なんて言わずにもう少し強い書き方とかやってくれれば、事業者は準備します。当たり前のことです。

それから、アメリカがどうやっているかすぐ調べて下さいよ。アメリカはどうやって決めているのか。多民族国家のるつぼの中でサービングサイズをどうやって決めているのかということを、同じことを日本でできないかどうか考えたときに、それが決まればぱっとできてしまうではないかとか、いろいろなことを検討もしないで、考えもしないで、現行のままでいこうということを今ここでぱっと決めてしまうということは、私は非常に無責任だと思うし、私は委員である以上、私はオブザーバーで発言権はないかもしれないけれども、私はそのことについて責任を負うのです。このときにいたのは誰なんだと言われるのが私はとても嫌なのです。決めた中に私が入っていたということは非常に残念です。オブザーバーで議決権がなかったからと言いわけをしますが、だけれども、そういうことにならないようにしてもらいたいなと思っています。

○澁谷座長 ありがとうございました。

では、次に進めます。栄養表示基準値に占める割合の表示についての議論に入りたいと思います。6ページからをごらんください。ここからの議論で御意見ございますでしょうか。

○立石委員 これは非常にびっくりしたのですけれども、私がもらった資料は新基準案として割合表示を必須とするということで、いわゆる義務化に向けての提案で私はもらったのですが、きょうの資料を見たら変わっているのです。これは、義務化でないということになっているのです。こんなことがあっていいのかなと私はびっくりしたのだけれども、いろいろこれまでも消費者庁が事前に説明に来られて、私は修正したほうがいいよとかいうアドバイスをしたことはありますが、もともと出してきた案を、きょう、この基準案がひっくり返るということを私は一言もこれは聞いていません。

要はまず私が確認したいのは、誰がこういうふうにさせたのかということです。消費者庁が委員を回って説明した。委員の中から意見が出た。これは勘弁してくれ、やめてくれということで引っ込めたということしか考えられないのだけれども、そういうことがもしあったとしたら、これは本当に民主的な運営なのですか。そのことを座長も含めて知っていたのかどうか。これは密約でここの委員会の特定の委員だけがどこかこそっと話しあって、こういうふうに決めましょうと言っていたのだったら、こんなことをやる必要ないのです。こういうものは一番大事なのです。基準案として消費者庁が最初に出した義務化の案を事前にひっくり返すなんてことを平気でやるような調査会であれば、私は何回も言っているのですけれども、民主的な運営なんてとても言えないし、これは断固今回の問題についてのいきさつ、経過、きっちりと説明してもらいたいと思います。どなたに回ってこういうことになって、その上で誰が変更したのか。その判断は誰がやったのかということは非常に大きいです。私はきょう初めてこのことを知った。オブザーバーで来てびっくりしました。意見を言おうと思ったら案そのものが全く変わっているのです。案そのものが変わっているのです。

○澁谷座長 立石委員、この資料についての御意見はいかがでしょうか。

○立石委員 私は当初案でやるべきだと思います。

○澁谷座長 当初案というのは。

○立石委員 義務化についての案を示された割合表示を必須とするという方向でやるべきだということで、私は賛成意見を言おうと思っていたのが、そもそも引っ込められているわけだから賛成も言えないではないですか。私はこの義務化の方向でやるべきだというふうに強く主張しますし、なぜこのことがひっくり返ったのかということをまずお聞きしたい。ちゃんと知っていたのですかそのことをあなた、座長としては、知っていたのですか。

○澁谷座長 義務化すべきだというのが御意見なのですね。では、消費者庁のほうで何かあれば言ってください。

○塩澤食品表示調査官 今お尋ねの件は、途中でどういういきさつでこの意見が変わったのかということだと思います。これは私どもが判断しました。どなたの委員から圧力なり何なりを受けたものでは全くないということは、ここにお誓いをさせていただきます。

では、どうして考えが変わったかというところですが、確かに我々としてはこういうパーセンテージ表示が非常に望ましいと思っているのは今も変わっておりません。ただ、そこの例マル2に挙げている例があると思うのですけれども、こういった例があるというものを途中で我々として思いつきまして、例マル1みたいなものばかりであれば、それは全然当初のとおり義務の方向でというふうに考えていたのですけれども、確かに中には例マル2みたいなこともあるなということに途中で思い至りまして、例マル2みたいなものもそれなりの数があるかもしれないと思ったときに、押し並べて義務としてしまうと、逆に消費者にとってわかりやすい表示ではないかもしれないという懸念が沸き起こってきたものですから、本来的ではないかもしれませんけれども、途中で我々の案を変えさせていただきました。しかしながら、方向性としてはこういうパーセンテージ表示が望ましいと思っているので、このような表示を積極的に行うことについては通知でお示ししたいということは述べさせていただいております。

制度をつくる以上、やはりいろいろなことを勘案して、特に義務に当たってはいろいろなことを勘案して慎重にやる必要があると思っておりますので、これは私どもで判断いたしました。

○澁谷座長 池原委員、いがかでしょうか。

○池原委員 私も今、御説明いただいたとおりだと思います。例マル2に示していただいたような、こういった具体的な問題がある以上は、これをいきなり義務化しても、消費者が混乱するリスクも高いということですので、こういった具体的な通知によって助走期間を設けていただいて、事業者のほうも準備していくし、消費者のほうもこういったパーセントが具体的にどういうものなのかということをしっかり理解していただく、そういう期間も非常に重要ではないかと思います。

この栄養素等表示基準値ですか、この言葉自体なかなか消費者の方はご存じないと思いますし、それに占める割合というものが結局どういう意味なのかということをしっかり理解していただいて、この表示を活用していただく、活用していただかなければ意味がないですから。そういったことを同時に進めていく期間は必要だと思います。ですから御提案どおり義務化というのはある程度期間がたってからということで、それまでは通知ということで双方努力をしていく。そういうことが一番適当だと思います。

○澁谷座長 ありがとうございました。

河野委員、いかがでしょうか。

○河野委員 消費者庁さんが今、説明してくださった理由というのは、受け取る側から見ると特に例示で示されているマル2のほうは、非常に誤認するというふうに私自身も思います。先ほどの栄養成分表示のところの食品単位のところが、商品の特性に応じて事業者が任意に設定できるというところから、この例示マル2の不具合というものが生じていると思いまして、このあたりをどういうふうに考えるかというところがコンセンサスをいただきたいところだと思います。

それから、今、池原委員がおっしゃったように、栄養素等表示基準値というものは消費者にとってみますと、ほとんどなじみがない。ただ、これがしっかりと私たちのリテラシーが上がっていくと、ここにパーセンテージを書いていただくというのが、本当に日々の暮らしにとても有効になると思いますので、さまざまなパーセンテージを義務化して入れて、受け取る側の消費者がそれを理解できないというような双方向の不具合がないような形で、これは考えていっていただければいいと思います。

現状は食品単位が任意で決められるという前提である以上、マル2のような特に強調表示のときにこういった場合がたくさん生じてくる可能性もありますので、義務ということはやはり今の時点では困難かなと思っております。

○澁谷座長 立石委員、どうぞ。

○立石委員 先ほどのサービング単位ということの概念を入れたときに、要するに強調表示なのです。たっぷりという表現をわざわざ書きたい人が、そのことが基準よりもオーバーしているということを示すことが大事であって、そうすると例えばサービングサイズを決めて書くというルールとセットで、要は強調表示をする人はこういうことでサービング単位を決めて書いてくださいということがまず第1弾であっていいと思う。最終的にはそのサービングサイズをどうするかというのはまた後でいいのですけれども、書かない限りは、消費者は理解しない。今、言われた意味が全然わからないけれども、やはり消費者というのは教育と言ったって1億2,000万人も人はいるわけだから、その教育から始まっていたらいつまでたってもできないから、表示が何で変わったのということで気づいて初めてそのことを勉強する。そういうことでもって学んでいくのです。そうではないですか。

それから、やはり先ほどの説明ではよくわからなかったけれども、消費者庁が一存で変えたということは、これは事前に合意形成されないといけない。私はオブザーバーだから私は聞いていないが、事前に委員に変えますよということを言ったんですか。この短期の間に。要は説明に来たときには、この義務化の案で当然説明されたのでしょう。それから、直近になって多分きのう変わったのでしょう。私はきのう出張で出ていましたから全く見ていないので、多分きのう来ているメールで変わったのでしょう。そうすると、その後、変わったということをどういうプロセスで、どういうふうに委員と連絡をとって、それでもってきょうの会議の資料になったのかというのは、非常に興味深いところなのです。

○澁谷座長 立石委員、鬼武委員から御意見があるそうですので。

○立石委員 今の話を聞きたいのです。だから一体どういうふうに委員の合意をとったのですか。変更について、変更されたというのは消費者庁が変更されたのでしょう。

○澁谷座長 どうぞ。

○平山企画官 我々、部会なり調査会なりの前で、委員の皆様方から御意見を伺うということをしておりますけれども、あくまで、その時点の資料ということで御説明をさせていただいておりますので、当然、調査会や部会までには内容が変わりますということで御説明しております。我々も、資料を作成するに当たり、予め、わからない部分がありますので、そのようにさせていただいております。それで、委員の方々からいろいろな御意見を頂戴しまして、結局、議論するのはこの場ですので、この場でお出しした資料から議論をスタートしていただきたいと考えております。部会や調査会の前の資料修正につきましては、当然、我々としても、何かの圧力で変わるということはございませんし、我々もいろいろないただいた意見をもとにして判断をしておりますので、その点は責任を持ってやらせていただきたいと思っております。あくまで、今、お出ししている資料が、ここでの議論の出発点の案でございますので、この資料により、まずは御議論をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○澁谷座長 ありがとうございます。

どうぞ。

○迫座長代理 資料そのものが変わるということ自体については、これはやむを得ないことだと思っています。私自身はこの資料で説明を受けています。この資料に基づいて説明を受けて、そういう中で消費者にとってグラフとか丸とか何でもいいのですけれども、目安がわかる、自分がとるべき量に対してどの程度摂取ができるのかという目安がわかる。これは非常に重要なことだと思っていますし、特に強調表示については、それは本当に大事なことだと思っています。

その一方で1食分の基準をきちんとつくれない。つまり1食分の基準を事業者が独自でつくっていいものなのかそうでないのか。国として大まかな数字を出すのかとか、サービングサイズの規定そのものの仕方がまだ合意がとれていない中で、そこの部分まで踏み込んでしまうというのはかなり難しさがあるのではないか。それぞれの事業者がそれぞれの1食分の基準をつくって表示をしてしまっていいということであれば、それはいつでもできることだと思っています。でも、それが本当に消費者のためになるのかどうかというと、少し違うのではないか。

そういう中で栄養強調表示をされたときに、それで何パーセントとれるのかというと二重のリスクを重ねることになるのではないかと思われるわけであります。そういう意味で、全てを例えば100gでとか100mlという大きな基準に沿って表示をして、全てに対して合わせていく、割合の表示をするということであれば、それはできるかもしれませんけれども、それだと今度は1包装当たりとか、わかりやすい包装単位での表示そのものができなくなっていく、やりづらくなっていく。その辺のところを勘案していくと、なかなかこれを一本でぱっと次からやりましょうという話は難しいだろうなというところも理解できるかなと思っています。

通知等できちんと示していただく、さらにもう少し上乗せしていただいて、ガイドライン等々の中でお示しいただくような形で、基準値に占める割合が示されるような方向性を早目にスタートさせていただくというようなところが必要なのではないかと思います。

○澁谷座長 鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 事務局とやりとりする資料は、直前に来るものを私も受けたときがあります。多分、あと改善できるとすると、かなり大幅に中身が変わったものであるのだったら、事前にその前の提案した資料とここの部分が違いますというぐらいは、それこそテイクノートではないですけれども、書いていただければ、多分誤解はないと思いますので、その辺はぜひ、要するに会議の議事運営がスムーズにいくためにも、事前の資料はその辺の配慮は、当日まで変わることがありますということだけでエクスキューズするのではなくて、むしろ変わっている部分はここですということを、必ず事前に全ての参加する委員のところには説明していただくことが必要ではないかと思っています。それが1点です。

あと、中身について意見を言っていいですか。栄養素等表示基準について、これについても前回、意見を申し上げましたけれども、私はこの7ページのものを見て多いものだけかと思ったのですが、一般に消費者、我々もそうですけれども、カルシウムの量だけではなくて1つの商品、パッケージからすると、例えばこれは食塩相当量がどれぐらいになるとか、もしくはそういうことは全体、1日当たりDaily Valueとして必要ということが多分、みんなが求めているものではないでしょうか。それが例えば先ほどアメリカとか中国もそうですけれども、Daily Valueということでパーセント表示がされていましたから、それは今回できないというのは十分わかっていますけれども、その辺まで考慮しないと強調表示のところだけパーセント表示をするということであれば、それは余り消費者にとってメリットもないだろうし、それが日本版のNRVを今後普及啓発するということであれば、当然そのことを含めて検討するということだと思っています。

以上です。

○澁谷座長 ありがとうございました。

どうぞ。

○石川委員 個人的に前の栄養成分、今の任意表示の段階でびっくりしたということのお話があるのですけれども、小さいお菓子なので非常にカロリーが高くて、何でこんなに高いのだろうと思ってよく見たら、100g当たりの表示が書いてあったのです。だから300キロとか非常に大きいカロリーで、ポテトチップスに近いようなカロリーで、何でこんなに小さいのにと思ったら、実際の内容量は30gだったということで、実際上、今の段階でそういう形でちょっと見ると誤解をするような表示というものは既に流通している状況なのです。

それは原因としては、先ほどあった1食当たりなのか100mg当たりなのかというところが任意なゆえに、その製品にマッチした形での表示がされていないということに起因するものであって、今回のパーセント表示をしないことによる不合理な問題ということではない。ただ、違うルールによってこういう問題が起こっている場合に、違うルールによって起こされた問題を解決するために、この表示をしないという発想、考え方というのは論理性がないのではないか。合理性がないのではないか。ですから、ここのルールとしては割合表示を必須とする方向性はよしとすべきではないか。その結果、1食分とか、1包装とか、100mlとか、そちらのほうをきちんと整理することによって解決を図るほうが正しい考え方だと思っています。

以上です。

○澁谷座長 ありがとうございます。

板倉委員、どうぞ。

○板倉委員 すみません、声が出ないので。今の石川委員の意見に賛成です。今でもおかしな表示はあるわけで、その事業者が悪いことをするからということで、議論をやめるというほうが本末転倒な話だと私は思います。

少なくとも消費者は、カルシウムを幾らぐらいとらなければいけないのかというのを知らないわけですし、やはりパーセンテージというのはそれなりの意味があると思うのです。ですから、少なくとも強調表示するものについては義務化というのは当然のことだと思います。言わせていただければ、ほかのものも当然義務化していただいたほうが、消費者にとってはずっと役に立つことですし、栄養素等表示基準値という言葉自体は非常に難しいですけれども、一応パーセンテージで比べるということであれば、ある程度は重さとの関係で割り算もできるわけで、それよりもカルシウムが700mgというのを覚えろというほうが、逆に言ったら非常に酷な話だと思いますので、石川委員のお考えに私は賛成させていただきたいと思います。

○澁谷座長 そのほかいかがでしょうか。どうぞ。

○立石委員 何度も言いますけれども、これは5年先の話なのです。だから当然のごとく準備ができるのです。私は24ページのアメリカ型のこういったDaily Valueですか、こういう形も非常にわかりやすいし、やはりわかりやすい方向をきちんと定めて、それに向けて今から事業者を誘導していくというか、こうしてもらいたいということにならない限りは決して変わりようがないですから、今を是認してこのままでいこうというのは、これは事業者の声としては当たり前ですよ、変えたくないですからね。でも、そんなことを言っていたら、いつまでたっても日本の表示はおくれているのです。海外はどんどんこういう形でわかりやすく消費者にとって見やすい形になってきているにもかかわらず、日本は相変わらず旧態依然の表示をずっと何十年も続けていくということになることをよしとするかしないかなのです。だから本気で消費者庁はそういう面で消費者目線に沿って表示を変えていくんだという強い姿勢で誘導してもらいたいのです。我々事業者を。こうしたいのだから、こうするんだと言ってくれれば我々は頑張ってやりますよ。そういうことを私は何度も言っているのです。

○澁谷座長 どうぞ。

○迫座長代理 確認をしたいのですけれども、1包装当たりという基準であれば、これは割合の表示はできますね。100mg当たりでもできますね。1食当たりというところを出すとできにくいということですね。その1食のベースがよく見えない。基準値に対しての割合という形であれば、できない話ではないと思っているのですけれども、その辺はそういうことでよろしいですか。

○塩澤食品表示調査官 そうですね。単位がはっきりしているのは割とやりやすいと思うのですけれども、今おっしゃったように1食分というのがその都度その都度、人によっても違う、あるいは同じ人でも食べるとき食べるときで違うという食品については、なかなかそれは難しいかと思います。

あと、例マル2に挙げておりますとおり、例えば100gで示しても実際に食べる量がそれよりも格段に小さいとか、そういった食品もいろいろあるということを考えたときに、我々としては横断的なルールとして義務とするのが難しいのではないかという見解でございます。

○迫座長代理 そうしていったときに、100g当たりを必須としているわけではない。1個当たりとか、先ほどの1包装当たり、先ほど石川先生おっしゃったように30g当たりということも当然可能になっていますね。全て選択できる形になっている。そうすると一番妥当な表示が可能な方向での選択を事業者にお願いをするという形であれば、こういう例マル2というふうな実際の例というものは、そうは出てこないのではないかという気がするのですが、この辺のところが現実にどの程度の食品にあるのか、想定としてあるというのはわかります。想定としてあって、そういうものに対して義務をつけた場合に今度、罰則をかけなければいけないということで、かけづらいということもよくわかります。

そういう状況がわかった上で、こういうふうなものが一体何パーセントぐらい存在するのか。それは先ほど言ったように1包装当たりという形に表示単位を変えることで、それを免れることはできないのかというところ。特に強調表示は多いとか少ないとか、特定の栄養素について言ってるものですから、割合がわからないというのは望ましくないなと思っております。ですからそういうことで考えていくと、可能性があるのであれば猶予期間等で配慮をしながら、表示ができる方向に誘導しておくことが必要なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○澁谷座長 消費者庁のほうよろしいでしょうか。

○塩澤食品表示調査官 この場で「はい」と言うのはなかなか難しいのですが、例えば例マル2のような実態がどうだという御質問があったかと思いますが、例えば想定されるものとして、例えばですけれども、調味料類などが挙げられるかと思います。調味料というのは料理によって使う量が特に規定されていないものというのが一般的だと思うので、調味料については、もちろん調味料の中には割と単位として設けやすいものもあるかもしれませんけれども、ただ、全般的に言うと、なかなかその1食当たりというのを規定するのが難しい食品群で、かつ、食事に占める割合も決して無視できないものだと思いますので、例えば例マル2に挙がってくるような例の1つには調味料などがあるかと思っています。すみません、直接的な回答ではなかったかもしれませんが、これを義務というふうに設定することについては、なかなか判断がつきかねるところでございます。

○立石委員 強調表示を調味料なんかするのでしょうか。そんなことをまず、そういうことを例題に挙げること自体がおかしいし、そもそもは義務化にかじを切ったのでしょう。消費者庁は。まずは一旦は。私の説明のときにはそうだったのです。私の説明というか、私のところに来た文書は。そのかじを切ったものを急遽かじを切りかえたわけでしょう。直前で。迫座長代理の説明のときには既に変わっていたということは、迫座長代理と前の委員の間で変わったのかどうかわかりません。そこは。でもそういうことで、要は急遽かじを切られたわけではないですか。もとともは意思としてやろうとしたわけでしょう。だからそのときに問題なのは調味料があったらまずいねというふうに変わったのか、この感じなんかマル2なんかまさにサービングサイズとか含めて新たなルールを決めていけばいいわけで、迫座長代理が言われたように経過措置をとるとか、そういうことがあったら十分できるではないですか。

だからそこがよくわからないのです。私は義務化を掲げていて、義務化をできない理由がこれだという、これは説得力が全然ないから、私にとっては今、言ったように急遽かじを切ったという説得力が全然ないのです。もう少しわかりやすく、だからこれで私どもは義務化をやめてしまって、急遽義務化を外しましたというわかりやすい説明をしてほしいなと思います。調味料では全然理屈になりませんよ。

○澁谷座長 どうぞ。

○塩澤食品表示調査官 ただ、現行でいくとこういった考え方は何も示せないということになります。そこで今回、確かに当初は義務という方向で考えましたが、いろいろな事情なども考えなくてはいけないのが我々の立場でございますので、もろもろのことを考えて、方向性としては積極的にやってくださいということをお示ししたいところではありますが、それは基準という形では現段階では少し厳しいかなと思っておりますので、通知という形で方向性をお示ししたいと考えた次第です。つまり、積極的にやってくださいということは言うことになりますので、後退したとか、そういった言葉は当たらないと思っております。

○澁谷座長 ここのところを新基準とほかのところの様式のように囲っていなくて、結論というふうに書いてあるのですが、今の消費者庁の御説明だと、全ての食品にこの新基準を規定するということは難しい。ただ、先ほどの1食分当たりということと連動するのですけれども、少なくとも強調表示を中心として進めていかなければいけない分野がある。したがって、そういったところにはわざわざ積極的にという言葉が入っているのですが、積極的に割合の表示を行うように「通知等」と書かれておりますが、何らかの方法で進めていくという方向性は持っているという理解でよろしいでしょうか。皆さんいかがでしょうか。

では、鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 1つ確認ですけれども、そうした場合にそこに掲げられているように、例えばカルシウムたっぷりであればカルシウムのパーセントと、熱量もということなのですか。「及び熱量については」と下に書いてあるのですけれども、両方ですか。上の例では熱量のところは書いていないのですが、それはどうなのですか。

○塩澤食品表示調査官 読み方としては、強調しようと思うものについてです。

○鬼武委員 そのもののことですか。

○塩澤食品表示調査官 はい。

○迫座長代理 今の話、ちょっとわかりにくいかもしれないのですが、熱量は栄養成分には入らないので、栄養成分及び熱量になります。

○澁谷座長 河野委員、どうぞ。

○河野委員 申しわけありません。前のページに戻って確認をしたいことがあります。

日本では1食分当たりで表示するということに対して、さまざまな理由が書かれていて、なかなかこれは現在では全体に対して選択しにくい。それで考え方のところに消費者にとってわかりやすい表示となるよう、1食分当たりで表示することが望ましい旨を通知等で示すこととすると書いてありますが、例えば鬼武委員の資料を拝見すると、FDAではサービングサイズに関してはFDAがいわゆる規定をしていますね。この1食分、ここに望ましい旨を通知等で示すということは、消費者庁さんといいましょうか、行政のほうではこの1食分当たりの数値を決めるというのは民間の方に、事業者に任せるというふうにこれを読んだほうがいいのか、それとも現状ではなかなかこの選択は難しいけれども、きちんと行政のほうでコストをかけて1食分当たりというものに対して今後、食品とか食品群に対してしっかりした数値を出していくというふうに考えていらっしゃるのか、そのあたりを教えてください。

○澁谷座長 4ページのところの下の行ですね。

○塩澤食品表示調査官 現段階で国として仮置きでも、サービングサイズみたいなものを規定するというのは困難な状況でございます。したがって、今の段階ではそれぞれの事業者さんに任意に合理的な1食分を考えていただいて、それを単位として書いていただくのを積極的に行ってくださいという考えでございます。

サービングサイズというのは非常に重要だと思っておりますが、相当なボリュームの食事調査などをかけなければなりません。それも相当な年数、アメリカも延べ年数で言うと11年、12年分ぐらい膨大な量のデータを集計して、ようやくサービングサイズが出てくるような、そういう方法論でないと出てこない可能性もありますので、現段階で国としてこの値というものを仮置きでも置くのは困難と考えています。

○澁谷座長 立石委員、どうぞ。

○立石委員 サービングサイズということについてサンプル調査して考え方を統一するって、要はサービングサイズの概念、考え方はこうですよということを示せばいいのです。示してもらえばその中で選択するとか、やり方をする。だからそういうことを言えば何も決まらないというか、アメリカだってそういうかじを切ってやって今は決めているわけでしょう。日本だってできるはずなのです。サービングサイズについての考え方を規定することぐらいは。

だから先ほど塩澤さんが言われたように、さまざまな事情があってというのはこの間、説明があって、事業者の方から猛烈な反発があったのでしょう。その猛烈な反発をさまざまな事情と言われるのだけれども、そうではなしに、それはやりたくない人は幾らでもいるのだけれども、方向性さえ決まれば言っているようやるのです。事業者は。そのさまざまな事情という事情のところをよく聞きたいのだけれども、どこの業界からそういう話があったのかとか、誰がそんなことを言ってきたのかとか、そんなことで行政側としての強い意思を今のこの新しい法律に基づいて食品表示法をつくろうと。5年先の義務を決めるという、大事なものをそんなもので簡単に変えていいんですかと。義務表示でかじを切ったのを、急にぱっとそうではないということをここで言うこと自体が、私は本当にそういうことでいいのかということを何度も言いたいけれども、行政としてもっと強い意思を示していただきたいのです。

○澁谷座長 ありがとうございます。

そうしましたら、ここのところは結論のところを見ていただいて、まず新基準には規定しないけれども、1食分当たりの表示とあわせて少なくとも栄養強調表示をしようとする栄養成分及び熱量については積極的に割合の表示を行うように、数値等を示すこととするという方向性でいかがでしょうかということなのですが、板倉委員は。

○板倉委員 反対です。

○澁谷座長 では、規定をするという。

○板倉委員 そうです。

○澁谷座長 夏目委員、どうぞ。

○夏目委員 オブザーバーですけれども、今までの委員またはオブザーバーの発言を聞いていて、消費者庁のお示ししたこの結論を、この調査会で合意形成するのは非常に難しいというふうに私自身も受けとめましたので、ここは再度検討をするとか、そういう方向に、もちろん義務化すべきだという御意見があり、片方はこのままいきましょうという御意見もあったようでございますので、そこは結論を一本化しないようがよろしいのではないかと思います。

それから、消費者庁にお願いしたいのは、先ほど鬼武委員も申されていましたけれども、資料を出しますときに少なくとも結論を変えるような、そういう資料の出し方というのは丁寧ではないというふうに受けとめられます。また、立石委員がここで何度も御発言されていまして、私は実際のところよくわかりませんけれども、少なくともそういうふうに受け取られる可能性があったことにつきましては改めていただいて、誰が見ても公正で議論が進めていけるというような進行をしていただきたいと思います。

○澁谷座長 ありがとうございました。

どうぞ。

○山岸参事官補佐 消費者委員会事務局から御報告させていただきたいと思います。

鬼武委員、夏目部会長代理から御発言いただきました件につきましては、事務局としても重く受けとめまして、事前に送りました資料と大幅な変更点があったときについては、ちゃんとその旨を付記してお送りさせていただきたいと思います。

以上、御報告させていただきます。

○澁谷座長 消費者庁、どうぞ。

○塩澤食品表示調査官 その点なのですけれども、正直なところを言うと、私どもから消費者委員会には、ここが大きく変わったという旨は実は事前にお伝えしております。それが各委員に伝わっていなかったというのが真相でございます。

○澁谷座長 ありがとうございます。

それでは、ここにつきましては両方の御意見があるということでございますので、それでよろしいでしょうか。池原委員、よろしいですか。

○池原委員 はい。

○澁谷座長 それでは、進めます。

次に、表示のレイアウトについてでございますが、ここのところについての御意見はいかがでしょうか。9~11ページをごらんになって御意見をお願いしたいと思います。河野委員、いかがでしょうか。

○河野委員 9ページの栄養成分の表示順なのですけれども、今まで義務ではなかったのですが、ある程度なれてしまっているというところが実はあります。一番上がエネルギー、カロリーで、一番下がナトリウムまたはサービスとして食塩相当量が書いてあるというところにかなりなれてしまっているところがあります。ですから、どういうふうな形でこの順番が受け取り方に大きく影響するのか。それとも、例えば順番で何らかの消費者に対して意思表示をするのかということであれば、それを専門家の方に伺いたいのですが、現状で言うと非常に単純な理由で申しわけございませんけれども、見なれているという形からしますと表示順、現行どおりという御提案は理解できるところでございます。

○澁谷座長 ありがとうございます。

池原委員、いかがでしょうか。

○池原委員 9ページのところは書いていただいているとおりだと思います。我々事業者にとってもこれになじみがございますので、特段これを変更していただく理由はないと思っております。

○澁谷座長 どうぞ。

○鬼武委員 現行の強調表示した順番が今回消費者庁が提案している順番になっていると思いますけれども、数年前に行われました栄養成分表示検討会の報告書では、一応、書く順番の見直し案も含めて出されていますが、その辺についてコメントをいただけますでしょうか。そのときは多分、かなり時間をとって考え方を整理して報告書としては、その当時、私も委員として入っておりましたけれども、検討したというふうに記憶しておりますし、その提案が中身としてはナトリウムを栄養成分の一番下から上の方に持っていくこと自体の提案も、画期的な中ではいろいろ議論があったと思うのですが、その後、報告書というのは余り活用されないので、この点についてどういうふうにお考えですか。別にこれを全部使えということではなくて、今回、従前のものと見直し案、報告書案で出たのと、どうしてこちらを選んだかという理由だけを御説明いただければと思います。

○塩澤食品表示調査官 今、鬼武委員がおっしゃったように、確かに消費者庁で以前、栄養成分表示検討会というものを行っております。その中で成分の記載する優先順位といいますか、どの成分を優先して書くかというところは有識者の方々に御議論いただいて、その結果、確かに優先度としては2番目にナトリウムという結果になっております。ただ、あれは物理的な記載順として2番目にナトリウムが来るのが望ましいということではなく、記載の優先順位として2番目にナトリウムという結論だったと認識しております。結果的に今回の表示は、例えば2成分だけとなった場合にはその限りではありませんけれども、今回、義務とするのは基本5項目ということであれば、特段、物理的な表示順を変える必要はないのではないか。それを変えるよりも先ほど河野委員などもおっしゃったように、いろいろな混乱が生じるというリスクを踏まえると、順番としては今までどおりでも差し支えないのではないかと考えている次第です。

○澁谷座長 鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 8ページに書いてあるのだけれども、現行の表示順と見直し案とあるから、これはプライオリティだけではなくて表示順も一応、私はそのとき変えたというふうに理解しているのだけれども、それは違うのですか。プライオリティだけですか。本当はやはり表示順も変えるということで私は理解していたのですが、その点は私の理解が間違っていますか。

そのときには多分、塩澤さんではなくて前任の担当官なのだと思うのですけれども、そのときはたしか表示案を含めてここに書いてあるように現行の表示順と書いてあるのだから、それが変わるということになれば、その報告書の考え方は順番を変えるというふうに理解していたのです。

○塩澤食品表示調査官 一応、当時の報告書を見ても、確かに順番として2番目になってはいるのですけれども、大見出しとして優先度の見直しとなっているので、表示順の見直しというわけではないと認識しております。

○澁谷座長 迫座長代理、どうぞ。

○迫座長代理 私も栄養表示検討会に出ていたものですから、そこでの検討結果と確かにここは順番が違うなと思いつつも、ただ、現実に使う場面を考えますと、学校給食の栄養表示とか、病院の表示も全部熱量の下にナトリウムは来ないのです。食塩相当量は。全部この順番に出て来るものですから、やはり最終的に義務化という議論の中では、子供から高齢者に至るまで国民全てが見なれている順番というのが使いやすいのかなというふうなところで、ここはこれでいいのではないかと思ったところです。

以上です。

○澁谷座長 ありがとうございます。

そのほかに御意見はいいですか。よろしいでしょうか。そういたしましたら、鬼武委員はナトリウムを上げたほうがいいという意見でしょうか。

○鬼武委員 そういう意味ではなくて、せっかくそのとき議論をして、こう変わった理由をきちんと説明してもらわないと、あのときあれだけ議論したのにそのまま素通りして、優先度でというふうに言われてしまうと残念な気持ちはしましたけれども、まあいいですそのことについては結構です。

○澁谷座長 それでは、この栄養成分等の表示順については、新基準案のとおりということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

10ページ、11ページあたりはいかがでしょうか。御意見をいただけますでしょうか。河野委員、いかがでしょうか。

○河野委員 今回御提案いただいている内訳表示なのですけれども、こういうことがきちんとされることによって私たちも栄養成分について理解が進むということですので、こういった方向で考えていただければとてもありがたいなと思いました。

コレステロールだけが1つ、私の乏しい知識からすると別というか、改めて出されて、12ページの例示のところで脂質に入るのかなと単純に思っていましたが、これが出ている理由等を教えていただいて、できれば内訳表示というのは賛成したいと思います。

○澁谷座長 では、コレステロールの説明を。

○塩澤食品表示調査官 コーデックスを含めた海外の例を見ると、このコレステロールというものが脂質の内訳ではなく、独立した項目として書かれているというのが国際的な情勢であるというところでありますが、なぜ国際的にそれが脂質の内訳ではなくて並列で書かれているのかについては、正直わかりかねます。

ただ、栄養学的に考えると、もしかしたらこうかもしれないという、あくまでも推測でございますけれども、それを1つ申し上げるとすれば、確かに大きいジャンルでくくるとコレステロールは脂質の構成成分ではございますが、その他、例えば飽和脂肪酸とコレステロールとの一番の違いはエネルギーを伴うか伴わないかという点がまず大きく違います。

飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸については、その構造は各種若干違いますけれども、熱量を伴うという意味では同じような性質でございます。ただ、コレステロールは化学式というか構造が大きく違っておりまして、熱量を伴うというか、熱代謝に使われるものではございません。そういった整理から、もしかすると脂質の内訳というものではなくて、並列的に取り扱われているのかもしれません。これはあくまでも推測でございますが、栄養学的にはそうでございます。

○澁谷座長 ありがとうございます。

いかがでしょうか。

○池原委員 先ほどの御説明で確認をさせてください。

炭水化物のところなのですけれども、先ほどの御説明で糖質や食物繊維を含む内訳として表示する場合には両方書かなければならないという、わざわざ両方とおっしゃいましたね。それはどういうことでございましょうか。

○塩澤食品表示調査官 資料でも一部書かせていただいておりますが、現行の炭水化物として書くか、もしくは糖質と食物繊維をセットで書くかという規定でございます。今回、内訳という概念を取り入れましたので、炭水化物として書くか、もしくは炭水化物に包含される形として糖質、食物繊維と書くかということで、質的には現行どおりでございます。

○澁谷座長 池原委員、いかがですか。

○池原委員 これまでの特例というのは、炭水化物として書くか、炭水化物と書かないで糖質+食物繊維、どちらかを書くかということですね。

○塩澤食品表示調査官 そうです。

○池原委員 今回、この特例は廃止されて、炭水化物として書かなければならない。そこまではいいですね。炭水化物の下に例えば食物繊維を推奨で書きますとなったときに、糖質も書かなければならないということですか。

○塩澤食品表示調査官 はい。

○池原委員 それはどういう理由でしょうか。引き算すればわかるはずですが。

○塩澤食品表示調査官 確かに引き算すればわかるということもあるのですけれども、ただ、現行も糖質だけ書くとか、食物繊維として書くというだけではなくて、今はどちらか書きたいときには両方セットで書くという規定でございますから、質的には現行制度と何ら変わるものではないと思っております。

○澁谷座長 よろしいですか。

○池原委員 ただ、現行は炭水化物だけを書くのか、糖質+食物繊維を書くのか、どちらかですね。要は1つ書く場合、2つ書く場合、これからは、3つ書きましょうということになるということですね。だからそういう意味で現行とは変わるのではないかと、まずはそこはそう思うのですが。あと、食物繊維は、基本的に今、推奨という形で御提案いただいているところです。ということは、今の話ですと基本的には糖質も推奨になってしまうということですよね。

○塩澤食品表示調査官 糖質を推奨しているわけではございませんけれども、確かに食物繊維というものを書いていただくときには、セットで糖質も書いていただくということにはなります。

○池原委員 実質上、糖質も推奨になるということです。

○塩澤食品表示調査官 基本は今までどおりでございまして、新たに炭水化物というものを書いてくださいというだけでございます。ただ、これは差し引き計算とかで出てきますので、表示スペースは多少ふえるかもしれませんけれども、新たに分析しなければいけないとか、そういったことにはなりません。

○澁谷座長 鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 現行の栄養表示基準のところで、どこまで用語とかが定義されているかわかりませんけれども、やはり今回、義務表示になって、その中身についても通知等なのですが、やはり表示が義務的な栄養成分と任意の栄養成分、今、池原委員も混乱されていたと思いますけれども、その辺をもう少し明確にしていただくことと、それから、現行ではビタミンとミネラルについては定義をされておりませんので、まずその辺については考慮していただかなければいけないのではないかと思っています。それが1点。

それから、あと栄養表示のレイアウトのところで、これも従前に申し上げたと思いますけれども、12ページの様式2なのですが、本当に細かいことを言って申しわけないのですけれども、この枠組みの線とか文字サイズとか、これをどこまで義務化といいますか、それから、内訳のところの1本棒を引いて飽和脂肪酸とか、それをどこまで例示として、これはきちんと例示してやらないと、これが義務化になったときに地方の行政局などは結構このレイアウト例を用いて違反という形で取り締まってくるのです。だからそこまで規定するのか、規定しなければそういうことは規定しませんということをもう少し様式のところでは書いていただかないと、多分、事業者としてはかなり混乱するのではないかと思っていますから、以上2点、御検討いただければと思います。

○澁谷座長 消費者庁、いかがでしょうか。

○塩澤食品表示調査官 今、お手元の資料の11ページの考え方の2番目にも書かせていただいておりますが、この別記様式以外の方法でこの別記様式と同等にわかりやすく書いている場合は、それでも構わないということはお示ししております。ただ、これが何らかよりわかりやすくなるような工夫はいたします。したがって、様式に示したものがそのまま書かなければいけないという整理ではございません。

○鬼武委員 そういうふうにわかるように何かしてもらわないといけないと考えます。

○澁谷座長 多分このままだと、これでないとだめというふうにとられてしまうということですね。

○鬼武委員 そういうことがあるでしょう。保健所か何かでそういうふうに取り締まられるから、何度もやられたことありますから、痛い思いをしているのであえて言っているのです。

○澁谷座長 そのほかいかがでしょうか。

○池原委員 今後整理していただけるということなのですが、先ほどのところをもう一度といいますか、確認させていただきたいのですけれども、炭水化物の下に食物繊維を書く場合には、そこは推奨ですけれども、ある意味任意ですが、糖質もセットで書かなければいけないというのは、例えばコーデックスとかはそういうルールになっているのでしょうか。それとか、国際的にはどうでしょうか。正直、先ほど変更はないとおっしゃいましたけれども、これは大きな変更だと思います、明らかに。だからそれについて良し悪しをしっかりと検討させていただきたいなと思います。

○塩澤食品表示調査官 コーデックスについては今、確認しますので、後ほど回答します。

○澁谷座長 池原委員がおっしゃっているのは、これは例えば食物繊維を書きたいときには糖質も書かなければいけないとなると、糖質は書きたくない場合があるということですか。

○池原委員 書きたくないというよりも、実際的に書かなければならない栄養成分、要素がふえるわけです。だからそこは今後、義務化ということも当然出てくると思いますので、その必要性などについてしっかりとこれまでどおり国際基準との整合性とかいう観点も含めて確認をさせていただきたいという、そういう趣旨でございます。

○澁谷座長 1つだけ書きたいとか、そういうものがいいのかどうかということですね。

○池原委員 そうですね。今回、このお話は初めてですので。これまで散々その推奨ということで食物繊維を本当にどうするのかというのは議論させていただいていたと思うのですけれども、きょう初めて、食物繊維を表示するのであれば、セットで糖質もとなると、またその話がさらに大きくなったなというのが私の認識です。

○澁谷座長 消費者庁のほういかがでしょうか。

○塩澤食品表示調査官 先ほどのコーデックスでどうなっているかという御質問ですが、コーデックスでは例えば糖質を書いたときにプラスアルファで食物繊維を必ず書かなければいけないという規定には確かになっておりません。ただ、我々の現行の栄養表示基準は先ほどから再三申し上げているとおり、炭水化物として書くか、もしくは食物繊維+糖質、そのセットを書くかの2択でございました。したがって、質的には今までと何ら変わっておりません。今までも食物繊維としてだけ書くとか、あるいは糖質だけ書くというのは栄養表示基準に違反する形になってしまいますので2択でございました。

今回、内訳表示という概念が入りましたから、炭水化物というものを確かに一番上に書かなければいけないという規定は、確かにプラスアルファということにはなりますけれども、ただ、今までも糖質だけとか食物繊維だけという規定ではございませんでしたので、特に大きな変更ではないというふうに認識しております。

○澁谷座長 よろしいでしょうか。

そのほかはいかがでしょうか。どうぞ。

○迫座長代理 1点、参考のところなのですが、面積による省略規定が入ってきておりますが、この辺は加工食品のJAS法の30cm2以下、14ページになりますけれども、現行の省略規定の中でJAS法では面積が30cm2以下であるものは省略することができる。健康増進法ではこれは任意表示であっても必ず表示しなければならない。省略規定がもともとはないのですが、これはJAS法にそろえるという形です。これはどういう形で議論されたのか、経緯だけ教えていただきたいと思います。

○澁谷座長 消費者庁、いいでしょうか。

○船田課長補佐 加工食品の表示に関する調査会で包装された加工食品の表示ということで、様式を提示させていただいております。今回、栄養の義務化ということもありますので、当然その事項、項目がふえるということになります。

栄養成分表示のほうの様式はとりあえず栄養調査会のほうで審議するということを前々から言っていたので、その部分は置いておいて、この省略規定のところなのですけれども、要は面積の小さい30cm2以下の場合に、どこまでその表示ができるのかということを御提案させていただきました。

そのときに考え方としまして、省略できない事項は14頁の1番のところに省略できないということで御提案させていただいて、名称、保存方法、消費期限、あとは問い合わせすれば大体内容がわかるのではないかということで食品関連事業者、それと、安全面ということでアレルゲンは入れました。

それ以外の事項については右側に書いてありますけれども、優先度が低いという理由が書いてありますが、緊急を要しない事項については省略可能にしたという経緯でございます。そのときに栄養成分の表示というものも省略可能としたらどうですかということでお話させていただいて、加工調査会ではこれでよろしいのではないかという方向性を得たわけです。

○迫座長代理 30cm2ですから5cm×6cmという非常に小さなパッケージになりますので、非常に小さいものについては省略してもやむを得ないかなと。逆に書いても読めないだろうなというところもあるわけでございます。それはやむを得ないかなと思いつつも、栄養成分そのものが健康リスクに対する表示というふうなことから考えれば、できるだけ表示をする方向に持っていきたいという思いもございます。

1点確認させていただきたいのは、表示可能面積というところなのですけれども、容器包装の表示可能面積といったときに、例えばこういうものであればラベルのところが表示可能面積となってくるのか、パッケージそのもの全体を表示可能面積とするのか。つまり、5×6だったらこんな大きな容器ではないと思うのですけれども、その大きな容器の中に小さなラベルで、このサイズで省略をするということは認められないというふうに考えていいのかどうかというところでございます。

○澁谷座長 どうぞ。

○船田課長補佐 表示可能面積という言い方をしているのですけれども、従前の規定ぶりでは30cm2というのは全部の包装面積を指して30cm2と言っております。

○迫座長代理 そうしますと、これのラベルではなくて、ここの容器包装の容器の面積と考えていっていいと。これは省略しても違反になるかならないかという微妙な問題になってくるかと思います。ラベルではなくて、いわゆる斜めのところは別としても、包装できる範囲、そこのところをどういうふうに規定するか。JAS法の規定のところでは容器または包装の面積がというふうになっているのですが、栄養成分表示の下のところの新しい省略規定のところでは、わざわざ表示可能面積という言葉が入っているものですから、ここの違いが気になりましたので確認させていただいています。

○澁谷座長 よろしいでしょうか。お願いいたします。

○船田課長補佐 今までJAS法と健康増進法の規定ぶりが違うというのは確かです。今回1つのルールにしましょうということなので、従前から加工の調査会のほうではJAS法を基本にということをお話していたものですから、JAS法のほうを採用させていただいたという考え方でございます。それであくまで省略できるということであるので、実際には事業者の方の表示を見ると結構皆さんこれ以上のことを書いてあります。実際書いてあります。これしか書けないのかということではないので、省略できるものはこうですけれども、書いていただけるものは書いていただいたほうがいいというのが、こちらのスタンスでございます。

○迫座長代理 そういたしますと、JAS法に合わせるということであれば、あえてここに容器包装の表示可能面積という、この表示可能面積という言葉は削除していただいたほうがよろしいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○船田課長補佐 そこは私がいいですとも言えないので、また加工調査会のほうでレイアウトのことについては宿題が出ていますので、もう一回諮りたいなと思っています。そちらで調整させていただければと思います。加工調査会とこちらの調査会の意見が食い違うということであれば、そこは調整させていただければと思います。

○澁谷座長 よろしいでしょうか。鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 前回、加工のときにも言ったのですけれども、一旦、栄養のほうでも話してもらって、レイアウトというのは全体に関係するので、もう一度加工のほうと、最終的には部会でもそうなのですけれども、そこで確認と調整が私も必要だと思っています。この部分はこちらでこうと切り分けが今回、全体のレイアウトになって特に栄養表示の部分が義務化になって、その面積がラベル表示としてとられるわけだから、それは丁寧にやってもらったほうがいいと思いますし、机上配付では小さいものも参考集に載せていたのですが、今回の資料には入っていないみたいなので、以前お示しした資料には例示として集めたサンプル表示のどれぐらいの面積と書いてあったと思います。

○澁谷座長 そのほかにはいかがでしょうか。どうぞ。

○池原委員 レイアウトのところで確認させてください。12ページの様式2のところです。

まず1つは、含有される側の成分の書き方ですけれども、例示としては短いハイフンが入って、右側に少し寄っているのですけれども、このあたりの書き方は特にこのとおりというようなことなのでしょうか。それが1点。

もう一つ、食塩相当量に対してナトリウムを併記するということで、括弧書きで事例に入っておりますけれども、これもこの書き方がある程度指定されているという理解になるのでしょうか。要は括弧をつけて食塩相当量のそのすぐ下に書くということを示されているのでしょうか。

○塩澤食品表示調査官 お答えいたします。

1つ目の問いが、例えば今の様式2の飽和脂肪酸とかの前に書いてあるハイフンみたいなところまで指定しているのかというお尋ねだったかと思いますが、それは指定しておりません。先ほど申し上げたとおり、これはあくまでも例でございまして、同程度にわかりやすく書いてあるのであれば、別にこのとおりでなくても構いませんということでございますので、そのあたりはほかの方法で同じぐらいわかりやすい方法があれば、それでも構わないというのが1つ目の回答でございます。

2つ目は食塩相当量のところとナトリウムについての話だったと思いますが、ナトリウムについては今まではナトリウムと書いてあるものを今度は食塩相当量として書きますよということでございますので、優先されるのは食塩相当量でございます。ただ、ではナトリウムも書きたいという事業者さんがいた場合に、ナトリウムをここでは枠で示していますけれども、枠から離れたところに書くのか、あるいは食塩相当量の近くに書くのかというところについて、やはり消費者の人によりわかりやすいという観点でいくと、食塩相当量とセットのほうがわかりやすいだろうと思っておりますので、我々としてはもしナトリウムを書きたいのであれば、この食塩相当量の下あたり、近くというか下あたりに書いていただきたいと考えております。ただ、今、括弧で示していますけれども、何もこの括弧的なものがなければ食塩相当量と別物みたいに理解される可能性もありますので、この食塩相当量とナトリウムというものがセットだということがわかるような感じで今、1つの示し方の案として括弧というものをつけて例示しているものでございます。したがって、別にこれがこのとおり丸括弧でなくても、四角括弧だったり、その他何らか食塩相当量とか炭水化物などと同列でないということがわかるような記載ぶりであれば、それは特段構わないと思っております。

○澁谷座長 ありがとうございます。

池原委員、どうぞ。

○池原委員 今の御説明ですと、ナトリウムは、まず枠の中には書かなければならないということと、食塩相当量の近くに書かなければならない、そこまでは基本的なルールというか、そうするべきであるということを示していただいた。そこまではルールであると、わかりました。

○澁谷座長 ありがとうございます。

鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 多分、現行のところで見ると地方自治体が今、ナトリウムが原則になっていて、食物繊維が任意だから、その書き方も結構注意深く、食塩相当量か、書き分けて書きなさいと書いてあるから、その現状からすると結構影響が大きいかもしれないです。その点は変えるにしても、従前にきちんと説明しないと、今はそういう形で我々はそういう指導をされているので書き方を義務表示するか、それが1つ目の点であります。

それから、あともう一点はお尋ねしたいのですけれども、今回、食塩相当量を書くということだったのですが、例えば20ページで平成25年のいろいろな食品単位とか内訳のところで質問されているのですが、ここで1食かな、これで食品単位で聞いているのだけれども、ナトリウムの表示がいいか食塩相当量がいいかという、そういう質問は聞いていないのですか。それは重要だと思うのだけれども、それこそ。どちらが意味があるとか、そういう質問はしていないのですか。6,000人も聞いていての結果はどのようになっていたのでしょうか。

今回質問された回答と、余り後ろの資料が一致していないので、もしそういうものがあったらば示していただきたいと思います。

○塩澤食品表示調査官 ちょっと違うかもしれないのですけれども、関連した質問事項というものはありまして、ナトリウムで記載したパッケージをお見せして、それを見てどのぐらいの食塩相当量と思うか、すなわち、食塩にするとどのぐらいだと思いますかみたいな質問はしております。ただ、どちらがわかりやすいかという質問はしていなかったと思います。今、手元に質問票がないので全て頭の中にありませんけれども。

○鬼武委員 わかりました。健康の事業のやつの質問でも、そういう質問がむしろ我々としては期待しているべきであって、あと、20ページのものは結構、質問事項が難しいのではないですか。聞き方についてはこれでわかりますか。よくよく普通の人は、もう少し質問のところを丁寧に書かないと、回答がどちらかとも言えないというのは多分わからないから、日本人はあえてイエスかノーかの選択しない人がいるから、質問の仕方については調査をするときの聞き方として工夫したほうがいいと思います。これは参考意見としてください。

○澁谷座長 それでは、進めます。10ページ、11ページを見ていただいて、内訳表示を導入するということについては皆さん御了解をその方向でいただけるかと思います。それから、その様式、原則として12ページの様式により行うことにするというところで、特に様式2についてはもう少し細かな記入例のようなものが必要だろうということで、方向としてはこういった様式をお示ししてということで行うことにするということでよろしいでしょうか。池原委員、どうぞ。

○池原委員 先ほどから述べておりますとおり、まず1点は糖質と食物繊維を炭水化物は今回書かなければならない。その下に食物繊維を例えば書く場合には糖質を書かなければならないという部分については、保留とさせていただきたいと思います。

○澁谷座長 これは従来どおりということなので、変えるということではないのです。それを変えるわけではなくて、お示ししているのは従来どおりということなのです。池原委員の理解と消費者庁の説明がちょっと違っているかなと思います。

○池原委員 要するに単純に言うと、今までは炭水化物だけでよかった、あるいは糖質+食物繊維であったということですね。そのルールを廃して、これからは炭水化物をまず表示しなければならないとなったのですね。

○澁谷座長 様式1でもいいということですね。だから炭水化物だけでもいい。

○池原委員 それに加えて食物繊維を書く場合は、食物繊維だけは書いてはだめで、糖質も書かなければならない。要は3つ書かなければならないということになるわけですね。それは私は変更ではないかと思うのですけれども、それが変更ではないということなのですか。

○塩澤食品表示調査官 全くそう思っておりません。

○池原委員 わかりました。

○澁谷座長 それでは、様式については少し詳しい記入の仕方の例示をしていただくということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

それでは、進めます。表示場所・表示媒体について16ページからごらんください。16ページ、17ページについて御意見をいただきたいと思います。表示場所、媒体ですね。河野委員、いかがでしょうか。

○河野委員 添付文書は廃止することは賛成です。当然のことながら容器包装に書いていただきたいということは、この御提案どおりでいいと思います。

ただ、今回どこまで可能かはわからないのですけれども、その表示場所で言うとやはり例えばアメリカでの商品は、1カ所にいわゆる名称から原材料から縦列でしっかりと規定がありますね。サービス表示と分けてあって、ここさえ見れば基本的にこの商品の中身はすぐわかる。いわゆるあくまでもレイアウトのことなのですけれども、そのレイアウトに関してとにかく書いてあればいいということではなくて、消費者が商品の表は譲るとして、裏側をあけた瞬間に基本的に縦1列で書いてある。書ける書けないという状況があると思いますが、もう少しこのあたりのレイアウトに関しては今回、義務にならないにしても、もう少し余りにも任意が過ぎて、サービス表示もいっぱいあることを考えると、義務はここなんだと。少なくとも先ほども枠は省略できるとありましたが、枠は省略できないで、枠の中には必ず入れるとか、そのあたりをもう少しこの検討会で考えていただければなと思います。

○澁谷座長 池原委員、いかがでしょうか。

○池原委員 まず添付文書については廃止して、容器包装の見やすい場所に記載するという、これに統一することについてはそのとおりだと思います。実態としてこの添付文書で表示されているケースというのは、それなりにあるのでしょうか。

○塩澤食品表示調査官 世の中にどれだけあるのかはわかりません。ただ、個人的な経験で申しわけないのですけれども、私は今まで記憶がある限り、2回ぐらいこういう食品を買ったことがありました。

○澁谷座長 そのほかはよろしいでしょうか。どうぞ。

○鬼武委員 お尋ねしたいことがあります。

1つはですけれども、見やすい場所というものはどういうところかというのを特定すべきではないかというのが、意見として思っています。それから、考え方のところでは生鮮食品の栄養成分表示は容器包装に入っていないから、POP等への表示を可能とすると書いてあります。新基準のほうはこれの主語は何ですか。容器包装のない場合はPOP等の表示が可能とするという、この主語は何ですか。

○塩澤食品表示調査官 新基準案の中の括弧の主語というお話だったと思いますけれども、この主語は抜けておりますが、生鮮食品と思っていただければと思います。生鮮食品も上にも書いてありますが、栄養表示を行う場合、任意ということになって、任意のルールということになりますので、もし容器包装されていないものに何らか書くという場合には、POPなど別のもので書いていただいても構わないというふうになります。括弧の中の主語は生鮮食品と思っていただいて結構です。

○鬼武委員 では、任意のものも生鮮食品は基準になるのですか。要するに付帯事項というかQ&Aではなくて基準になるのですか。通知か何かで出すということなのですか。生鮮は基本は容器包装に入っていないのだけれども、書けているのか、何かこの部分の説明がうまく理解できないのだけれども、これは基準なのですか。基準としたら結構大きい改正点となると考えられますが、如何でしょうか。

○平山企画官 ここでいう「任意」というのは、全く何でもいい「任意」ではなくて、表示をする場合には基準に従っていただく。任意であっても、どのような様式、表示方法であってもいいのではなくて、表示をするのであれば、基準に従っていただく。ですので、今の栄養表示基準と同じように、新しい食品表示基準に表示のルールは位置付けられる。表示する、表示しないの自由はありますけれども、表示する場合は、食品表示基準のルールに従っていただくという意味で、基準に位置付けられるということでございます。

○澁谷座長 見やすい場所というのは、どういうところですかという質問があったかと思うのです。

○船田課長補佐 見やすい場所ということで明確に示されているものは、特段ないと私は認識しているのですけれども、ただ、食品衛生法で言う見やすい場所、要は表示が包装の中に入っていて見えない。これは見やすいとか見にくいという話ではないと思うのですけれども、中に入り込んでいて見えないというものは見やすいとは言えないので、あくまで消費者が裏側でも見えれば、見やすいと言うのかというのはあるのですけれども、あくまで表示が包装の表面に書かれている。そこに書かれているということを指しているようです。JAS法のほうはこれも明確に定義したものがないのですが、例えば一括表示ですと一見してというのはぱっとその商品を見たときに大体必要事項がかたまって書いてある。表と裏にばらばらになっているというものではなくて、一見してわかるというような意味合いで捉えております。

○澁谷座長 鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 それはわかりました。

それから、先ほどの生鮮食品はもう少しわからないのだけれども、生鮮で例えば食物繊維が多いとか、ビタミンCが多いレモンですということを容器包装に入っていないのだけれども、書きたい場合はPOPで書いていいという理解でいいでしょうか。ただし、その場合は栄養成分表示基準にのっとって、そのビタミンCだけではなくて、基本的な栄養成分も書きなさいということを言っているという理解でいいですか。

○塩澤食品表示調査官 そのとおりです。

○鬼武委員 それは基準なのですか。よくわからないのですが、それを基準と言うのでしょうか。

○平山企画官 ですから、まさに今の栄養表示基準でもそういうことになっているということです。

○澁谷座長 多分、可能とするという表現なので、基準かどうかという質問が出たのではないかと思うのです。

立石委員、どうぞ。

○立石委員 確認なのですけれども、ここでの質問とは違うかもわからないけれども、生鮮品であれば今、任意ですけれども、加工品になったときに今回は栄養表示については義務づけるということになると、ある面では線引きのところがはっきりしていないところがあるのだけれども、生鮮品と加工品が、例えば合挽きミンチなんかの場合は、当然これは加工品というふうに位置づけられたときは、当然この栄養表示は義務化になると理解するということでよろしいですか。この今の整理だったら。

○平山企画官 はい。結局、その点については、確か、生鮮調査会の方で、生鮮食品と加工食品の区分として議論をしておりますので、そこでの結論が、最終的には、全てに適用されるということなのです。

○澁谷座長 そのほかいかがでしょうか。

○迫座長代理 先ほどの省略規定との関係でお伺いしたい点が2~3あります。

1点は、16ページの詰め合わせ食品との関連です。小さい包装のもの、そういうものについて省略規定によって省略をされたもの、それを詰め合わせした場合については、外袋に対してきちんと表示をするべきというふうに義務がかかると考えていいかどうかというのが1点目です。

2点目なのですが、17ページのところ、同一食品が継続的に同一人に販売される場合の取り扱いについてというところで、2行目に容器包装に表示することが困難なものについてはというふうなところ。これは宅配牛乳という例示が出ていますので、そうするとパッケージのビンのふたのところみたいな、そうすると省略規定のところに絡んでくるサイズなのかなというふうにも思ってくるわけなのですけれども、そういうものについて例外規定としてわざわざ置く必要があるかどうかというところが2点目。

もう一点は、省略規定によって栄養成分表示の表示をしないケースについて、例えばPOPその他での表示を推奨するとか、そういうふうな形での消費者への情報提供のような形はどう考えるのか。

以上、3点についてお伺いしたいと思います。

○澁谷座長 お願いします。

○塩澤食品表示調査官 まず1点目のお尋ねは、たしか一つ一つが小さいというものをパッケージした場合に外の包装上に栄養表示が要るかどうかというお話ですね。これは要るという整理で考えています。

○船田課長補佐 2点目が17ページの宅配の牛乳というお話を出されていました。現行、こういった繰り返し配達されるもので省略できるという規定はJAS法にはないです。あくまで面積でしか見ていないので、毎回表示する、もしくは面積が小さいのであれば毎回省略できますという話になるということでございます。

3点目の御質問は聞き逃してしまったのですが。

○迫座長代理 3点目は、表示の義務から省略することができるとなった場合に、それ以外の方法で消費者に対する情報提供、POPにしても添付文書、それ以外のものについてホームページ等も含めてなのですが、その辺についての義務づけというか、それの推奨なり何なり、推進をしなくていいのかということです。

○船田課長補佐 おっしゃるとおり、情報提供というのは重要でございますので、そこには表示できないという話になるのでしょうけれども、何らか札をつけるとか、そういった表示までをJAS法では除外しているわけではなくて、小さいのだけれども、表示といいますか、ラップをまいて表示をわざわざしてもらうとか、いろいろな方法があると思います。そういったことは好ましいというふうにこちらは考えているということです。それを排除するというものではありません。

○迫座長代理 ありがとうございます。

○澁谷座長 排除するというより、推奨していくんですねという問いかけです。

○船田課長補佐 こちらとしては表示していただけるのであれば、ぜひやってほしい、推奨という考え方でございます。

○澁谷座長 そのほかいかがでしょうか。どうぞ。

○鬼武委員 先ほどのものでまだ引っかかっていて、ごめんなさい。生鮮食品の強調の場合はそうやって書くのだけれども、それは分析が必須になるのではないですか。強調表示した場合です。生鮮は推奨というか、いわゆるいろいろなところで参照として持ってきていただきたいというふうに私は考えているから、それだとその規定と合わないのではないでしょうか。今回の提案では生鮮食品の栄養表示が広がらないと思うのです。言っている意味わかりますか。そういうふうな考え方にならないですか。

○塩澤食品表示調査官 生鮮食品に強調表示をされたいという場合のお尋ねですか。

○鬼武委員 だからPOPでということになると、生鮮食品はそもそも必要ないのです。でも何らか表示をしたいという意図があって、それが食物繊維が入っているとか、ビタミンCが入っている。その場合は基本的な栄養表示が要ります。そうなってくると今の原則は強調表示するものは、原則は分析しなさいというふうになっている。それだと生鮮食品の栄養表示がPOP等で広がるということが狭められるのではないかと気にしているのです。

○塩澤食品表示調査官 生鮮食品の強調表示のことをおっしゃっているのですか。

○鬼武委員 強調表示でなくても書くのですか。

○塩澤食品表示調査官 容器包装に入っていない生鮮食品があったとします。それに栄養表示をつけたい、POPでもいいから栄養表示をしたいという場合、強調表示ではない、いわゆる普通の含有量表示について、その値は分析しなければいけないのかというと、その限りではございません。御存じのとおり今の基準でも合理的な推定値というものは可能ですから、普通の含有量表示をしたいという場合には、そのプラスマイナス何パーセント規定がかかるやり方か、もしくは推定値でできるというものでございます。

○鬼武委員 では強調でなくてもできるということですね。今さっきは強調でないとと聞いていたから、そこがすごく引っかかったのです。強調表示でなくてもできるわけですね。

○塩澤食品表示調査官 そうです。

○鬼武委員 わかりました。

○澁谷座長 そのほかいかがでしょうか。

そうしましたら、16ページ、17ページを見ていただいて、まず栄養成分表示は添付文書ではなく、容器包装の見やすい場所に記載することとするという方向性についてはよろしいでしょうか。ありがとうございます。

そして、その関連で17ページですが、同一の食品が継続的に同一人に販売されるものであって、容器包装に表示することが困難なものについては、商品の販売に伴って定期的に同一人に提供される文書に必要な栄養表示を行うことによって変えることができるものとする。これもよろしいでしょうか。ありがとうございました。

そういたしましたら進めさせていただきます。

次に、栄養表示の対象成分についての議論に入りたいと思います。これは12月4日の第1回の調査会において、追って検討することとされておりましたモリブデンについての議題となります。資料の説明を消費者庁からお願いいたします。

≪3.栄養表示の対象成分について≫

○塩澤食品表示調査官 それでは、資料2をごらんいただけますでしょうか。「栄養表示の対象成分について(モリブデン)」という資料でございます。

こちらは今、座長からもお話しくださったように、第1回目の栄養表示に関する調査会におきましても、こちらからお示ししております。ただ、そのときはモリブデンについては対象成分とする方向性でということは御了承いただいたと思うのですが、値を出すときの分析というのが当時は調査段階であり、標準化についてまだ確立していなかったということがございました。それが確立次第、またこの調査会に諮るということでございました。

その結果、モリブデンについては分析法が標準化されましたので、この場でその御報告をさせていただきたく思います。

2ページ、このモリブデンの標準化に当たって調査事業を行いました。その受託者は独立行政法人国立健康・栄養研究所でございます。こちらでモリブデンについて分析方法の構築、妥当性の確認を行って、標準化された分析方法マニュアルを作成するという目的のもと、いろいろな分析方法について検証を行ったものでございます。

調査方法につきましてはそちらにもお示ししておりますけれども、2つの方法による検討を行いまして、その分析方法の妥当性を単一試験室及び室間にて確認したものでございます。

結論を申し上げますと、この検討の結果、ICP-MSという方法、ICP-AESという方法の両方によって、このモリブデンというものの分析が可能であるといった結論が得られました。このため、新基準案にも書かせていただきましたが、分析方法が確立されましたので、食品表示基準に規定する栄養成分にモリブデンを追加したいと考えております。

その分析方法の具体でございますが、そこにお示ししているような方法としたいと考えております。

なお、その分析方法の詳細につきましては、別途通知にて規定していきたいと考えております。

もう一つ、前回第1回目のときに、モリブデンというのはどういう栄養成分なのかという御質問を賜ったかと思いますので、今回、皆さん方に参考資料2としてお配りしております資料、こちらも適宜御参照いただければと思うのですけれども、この資料が2015年版の日本人の食事摂取基準の報告書からそのまま抜粋してきたものでございます。詳しくは非常に学術的な話になってしまいますので省略させていただきますが、主にモリブデンは尿酸の代謝などにかかわる必須の栄養成分でございます。

以上でございます。

○澁谷座長 ありがとうございました。

所定の方法が決まったということで御報告がございました。何か御意見はございますでしょうか。鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 先に発言をします。

今回、モリブデンの資料もつけていただいて、ありがとうございました。

1点だけ気になるのは、今回、分析表について規定をするということなのですが、私のコメントペーパーの10ページをごらんいただければいいと思うのですけれども、これは多分、今後義務表示が輸入食品にも規定をされてきて、そういう中で輸出国からいろいろ事業者が来るという商品もあると思います。その場合に日本の分析法だけを規定すると、そこは非常に国際間のルールとして問題になるというケースもありますから、日本が国内でコンプライアンスなりということで分析する例については今回提案の分析方法でいいのですけれども、それと同等なりの方法がある場合は、それにもできるという規定にしておいたほうがいいと私は考える次第です。詳細はここに海外のものも一応調べて、そういうふうな規定になっているかというと、そこまでその国の規定ということになっていないので、それを今、縛ってしまうとWTOとかで結構ハードルが高いのではないかという気がしましたので、一応、懸念事項として書いております。

以上です。

○澁谷座長 消費者庁は何かお考えはありますでしょうか。

○塩澤食品表示調査官 ちなみに、このモリブデンで今回、挙げさせていただいた2つの方法、これについては国際整合性が全くないというものではございません。例えばコーデックスでもいろいろな分析法が規定されておりますけれども、この分析法は例えばインファントフォーミュラ、すなわち乳児用調整乳のスタンダードな分析法としても規定されているものでございますので、日本独自の分析法でいくというものでもないということは申し添えさせていただきます。

○鬼武委員 だから独自ではないのだけれども、同等であればほかのものでもいいと私はしたほうがいいということです。消費者庁の提案は理解しています。

○澁谷座長 そのほかには何か。どうぞ。

○立石委員 栄養素等の基準値が定められている栄養成分の中で、今回モリブデンということで分析方法が確立されたということでこういうことになったのですけれども、ほかに分析方法がいまだ確立されていなくて、こういう形の標準ということになっていないものがあるのかないのかということです。また、そういう可能性がある栄養成分があるのかというのを聞きたいです。

○澁谷座長 消費者庁お願いできますか。

○塩澤食品表示調査官 例えばn-3系脂肪酸ですとかn-6系脂肪酸については分析法が今、確立できていませんので、その分析法についても標準化を検討する方向で今、調整中でございます。

○澁谷座長 そのほかにはいかがでしょうか。池原委員、どうぞ。

○池原委員 今回、分析法が確立されたということなのですけれども、それによって今の栄養表示基準に急ぎモリブデンを追加する必要性はないのかといったら、それはどんな感じなのでしょうか。

○塩澤食品表示調査官 すみません、もう一度おっしゃってもらっていいですか。何に追加するかというところについてです。

○池原委員 今の栄養表示基準です。現行の。要するに、これが今、入っていないのは、大きな考え方として、摂取基準にあるものは入れるべきなのだけれども、分析法が確立されていないから今の栄養表示基準に入っていないという御説明だったと理解したのですが、そうであるならば、新しい食品表示基準の成立を待たず、現行の栄養表示基準に先に必要であればというか、考え方としては規定するべきではないかと思ったのですけれども。

○塩澤食品表示調査官 それについては検討させていただきます。

○澁谷座長 ありがとうございます。

そのほかいかがでしょうか。

そうしましたら、このモリブデンの件につきましては、2ページのところを見ていただいて、分析方法が確立をしたということから、食品表示基準に規定する栄養成分、任意表示にモリブデンを追加する。その分析方法としては誘導プラズマ質量分析法または誘導結合プラズマ発光分析法とするということでよろしいでしょうか。 3ページの下をごらんいただきますと、食品表示基準に規定する栄養成分には、現行の栄養表示基準第1条の2に規定する栄養成分と同じとするということでよろしゅうございますでしょうか。ありがとうございます。

そういたしましたら、次に資料3になりますが、栄養表示の対象事業者についての議論に入りたいと思います。この議題につきましては1月22日の第2回の調査会において、継続の審議とされていたものでございます。栄養表示の義務の免除規定である家族経営のような零細事業者の定義でございますが、これについて資料の御説明を消費者庁からお願いいたします。

≪4.栄養表示の対象事業者について≫

○塩澤食品表示調査官 それでは、資料3をごらんいただけますでしょうか。こちらの資料は栄養表示の対象事業者についてでございます。

2ページ目から説明をさせていただきます。第2回の栄養表示に関する調査会におきましては、以下のような整理がなされております。すなわち基本方針といたしましては、原則として全ての食品関連事業者を栄養成分表示の義務の対象とするということ。ただし、家族経営のような零細事業者については過度の負担を軽減するため、一定規模以下の事業者について表示義務を免除する規定を設けることが、基本方針として御了承いただいております。

ただし、検討課題として残されたものが大きく2点ほどございます。1つ目が表示義務を免除する従業員数に関する検討。2つ目が、従業員数以外の指標。例えば販売量などがあると思いますけれども、こういったものを考慮する必要性の検討でございます。

このたび、これらの検討課題について整理させていただきましたので、以下、順に御説明させていただきます。

それでは、資料の3ページ目にまいります。まず背景でございますけれども、諸外国を見てみますと、事業者規模で義務表示を免除している例は少ないという実情がございます。このような免除規定がある国の例というのは以下のとおりでございまして、1つはアメリカでございました。アメリカにおきましては従業員数、販売量及び売上高による規定がございます。具体的にはその下にマル1、マル2という具合でお示ししておりますけれども、1つは従業員数が正社員100人未満であり、かつ、アメリカでの販売量は10万単位未満/年、または、総売上高が50万ドル以下もしくは食品の売上高が5万ドル以下であり、かつ消費者に直売するものでございます。

これらのいろいろな数字が出てまいりましたけれども、その根拠が何かということを私どもで調べたいと思いまして、アメリカの食品医薬品局(FDA)に実際に尋ねてみました。ただし、その回答としては、このような数字についてはFDAではなくて、連邦議会がトップダウンで決めたというものでございまして、その根拠はわからないという回答でございました。

次に、この従業員規模の除外規定を設けている国として、香港がございました。こちらでは販売量による規定がございまして、包装食品の販売量が3万単位以下という規定がございます。これも同じように香港の担当行政機関にヒアリングを行ったところ、この販売量について香港は1、2、3、5、7万単位で検討を行ったという回答でございました。ただ、7万単位以下という区切りにしてしまうと、食品の90%が対象になってしまうということで、ほとんど免除対象になってしまうということでございまして、3万単位が適切と判断したという回答でございました。

ただ、なぜ5万にしなかったのかなどについて疑問に思いましたので、香港に尋ねた結果、なかなか回答が返ってこなかったというのが実情でございます。いずれにしてもヒアリング結果はこちらでお示ししたとおりであります。

4ページ、次の背景は国内についてのものでございます。我が国の消費税法第9条第1項というところを見てみますと、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万以下の事業者にあっては、小規模事業者として消費税を納める義務が免除されております。ちなみに、この全事業者に占める免税事業者の割合を見てみますと、下の表のとおりになっております。

この表をごらんいただくと課税事業者数、免税事業者数の推計となっておりまして、免税事業者数、個人、法人、これを合わせると全体に占める数からいくと、約6割でありまして、この6割の事業者が免除対象になっているというものでございます。

なお、下の備考の2というところにも書かせていただきましたが、免除法人数については、法人全体からすると3割程度に相当するというものでございます。

5ページ目以降、考え方(案)をお示ししてございます。この事業者規模を区分する指標として大きく3点、すなわち従業員数、売上高、販売量、これらが考えられるのではないかと思いました。このそれぞれについて考慮すると以下のとおりとなっております。

まず1つ目が従業員数でございます。これは正社員及び正社員に準じた労働形態である従業員の数と定義させていただきます。この従業員数を見てみますと、中小企業基本法というものがございまして、その中で小規模企業者が20人以下という定義がございますけれども、この値を基準とした場合、表示義務が免除されることになる事業者の割合というのは相当数になってくるということがあります。したがって、栄養成分表示が消費者の自主的、合理的な商品選択に資するものとはならなくなるという懸念がございます。

ここで下に表を挙げておりますが、左の表をごらんいただきますと法人企業5人以下、6~20人など並んでおります。全業種というところの累積パーセンテージというところをごらんいただくと、例えば6~20人では88.3%という値になっております。そうすると、仮に20人というところを区切りにするとした場合、大体およそ9割近くの事業者が該当してくるかもしれません。ただ、この統計の限界といたしましては、あいにく食品事業者に限った統計をなかなか入手できなかったという事情がございますので、そこはひとつ差し引いてお考えいただければと思います。いずれにしても20人以下という区切りにしてしまうと、相当な事業者数になってくる可能性はあるということが推測できるかと思います。

再び本文のほうに戻っていただきます。「また」のところからでございますが、中小企業実態基本調査というものもございます。こちらを見てみますと6~20人の事業者では売上利益が赤字となることはほとんどございません。他方、5人以下の事業者となりますと赤字を計上する年度がございます。したがって、従業員数5人以下の事業者を免除とすることが適当ではないかと考えた次第です。

この下の表のところを見ていただくと、右側の表です。上下ございますけれども、上は6~20人の従業員数の1社当たりの営業利益。これは若干赤字になっているところもございますが、それ以外については少なくとも営業利益が赤字になってはいないということがあります。ただ、5人以下のところを見ますと、ほとんどの業種、それから、多くの年度で営業利益が赤字になってしまっているという実態が読み取れるかと思います。

6ページ、今度は指標の2番目の売上高、3つ目の販売量について考え方をまとめさせていただいております。

まず売上高でございますけれども、一定規模以下の小規模事業者、こちらでは消費税を納める義務が免除されていると先ほど申したとおりでございますが、このことを踏まえまして、この消費税法第9条に規定するような事業者にあっては、栄養成分表示についても義務を免除とすることが適当ではないかと考えた次第でございます。

また、販売量についてでありますが、食品と一口に言いましても、それは多種多様でございます。したがって、一定の販売量を規定して表示義務を免除とするのは困難と考えました。

以上のことを踏まえますと、従業員数が5人以下、以下Aといたしますけれども、この5人以下というものと、消費税法第9条に該当する事業者、これはBといたしますが、この両方について検討する必要があるのではないかと考えました。

ただ、このAとBというものを表示義務免除の条件と考えるに当たっては、次のような事例も考えなくてはいけないと思った次第です。その例といたしまして2つ挙げておりますが、1つ目はこの免除規定をAかつBというふうに規定した場合、大丈夫かどうかというものを検証いたしました。例えば、従業員数が3名で年間の売上高が900万円の事業者アがあったとします。これはAかつBを満たす例でございます。もう一つ、従業員数6名、年間売上高が900万円の事業者イというものがあったといたします。これはAかつBというものは満たさない事業者の例でございます。

この両方を見てみますと、従業員1人当たりの売上高という点では、事業者アのほうが事業者イよりも大きいというふうになりますけれども、ただ、事業者アというのは免除になる一方で、事業者イが免除にならないという矛盾点が生じるものでございます。

次の例として(2)免除規定をAまたはBと置いた場合どうかというものでございますが、一つは、従業員3名、年間売上高が10億円という事業者ウをAまたはBを満たす事業者の例として挙げております。

もう一つ、従業員6名、年間売上高1,100万円の事業者エというものがあったとします。これはAまたはBを満たさない例として挙げさせていただきました。

この2つの事業者を見てみますと、1人当たりの売上高は、当然、事業者ウのほうが事業者エよりも格段に大きいということになってまいりますけれども、事業者ウは免除になる一方で、事業者エは免除にならないといったような矛盾点が生じてまいります。

それでは、次のページにまいります。今のような点を踏まえますと、AかつB、AまたはB、こういったことを表示義務の免除規定と考えるのが困難ではないかと思っています。消費税の免除が1,000万ということを考えますと、事業者の従業員数は6人以上ということはなかなか想定しにくいと思いますので、消費税法の規定であるBを免除対象としてはどうかと考えた次第です。したがって、新基準(案)に書かせていただきましたけれども、新基準においては消費税法第9条、小規模事業者に係る納税義務の免除というものに該当するような事業者については、栄養成分表示の表示義務を免除してはどうかというのがこちらの案でございます。

以上です。

○澁谷座長 ありがとうございました。

これについては池原委員が資料を出していただいておりますが、続いて説明をしていただけますでしょうか。

○池原委員 いきなり資料というよりも、少し意見を述べさせていただいた上でということでよろしいでしようか。

まず再度このように丁寧に整理して御提案いただき、ありがとうございます。ただ、前回も申しましたとおり、テーマとなっている小規模事業者にとっては、栄養表示を義務とするということは、まさに生活に直結する問題になりますので、これについては、本当に丁寧に、慎重に議論させていただきたいと思います。

まずテーマの本質みたいなところを確認させていただきたいのですが、2ページに整理いただいているとおり、過度な負担とならないようにするというところはテーマの本質でありますので、要は本来はこれを検証しなければならないと思います。その上で過度な負担とならない事業者にまずは義務を課すということではないかと当然思います。

この間の議論で、最終的には、公的データベースであったり計算ツールといった環境整備を充実していただくことによって、全ての事業者が義務として対応をするということに当然していかなければならないという整理をしたと思うのですけれども、ただ、このスタートする時点においては、これらの環境整備の状況を踏まえて、過度な負担とならないよう、適切な事業者の免除の線を引くということは、やはり必要だよね、という整理が前回されたと私は理解しております。

具体的にこの栄養表示の場合ですと、合理的な方法で表示すべき数値を算出して、実際に表示をするという作業が具体的に発生していくわけですけれども、これがどのようなものになっていくのか、公的データベースや計算ツールがどのような内容のもので、よってこれらを用いて行う作業が具体的にどのぐらいの負担になるものなのか、これを見えるようにしていただいて、初めてどこで線を引くのかが議論できるのではないかと考えています。

それで今回、本日も具体的な資料は準備していただいていないのですけれども、この環境整備の中身について、いつごろ、どのような形で示していただけるのか。まずはそれを教えていただきたいと思います。

○塩澤食品表示調査官 事業者さんの経営のデータベース的なものですとか、いろいろなガイドラインみたいなものとか、こういったものについては今、順次作業を進めているところでございます。具体的に何月何日にそれを示せるということは今この場では申し上げることはできませんが、作業としては今、進めております。

○池原委員 では、もう少々先になるということですね

○塩澤食品表示調査官 今、この場ではお示しできませんけれども、進めております。

○池原委員 ということであれば、本日の時点においては環境整備の内容だとか中身というものがなかなか見えない、よって、これらを用いて行う作業がどのくらいの負担になっていくのかということが見えない中で、この線を決めていく、このスタート時点における線を決めていくということであれば、これは前回、私から述べさせてもらったとおり、やはり中小企業基本法の定義をそのまま使っていくというのが一番いいのではないかと、個人的というか、私は思います。

今回の御提案、整理といいますか、見させていただいたところ、まず1つ目の従業員数のところですが、これは要するに利益が出ている、出ていない、これで線を引くという御提案。2つ目の売上高は、消費税の納税義務が免除されている、されていない、これで線を引くという御提案です。この2つとも、私としては根拠とするには乏しいのではないかと思います。

利益が出ていない、納税義務が免除されている事業者にとっては、これは大きく言えば過度な負担になるということはそのとおりだと思うのですけれども、逆に、利益が出ている、納税義務が免除されていない事業者にとって、栄養成分を計算したり表示したりしていくという作業が過度な負担になっていかないということを言い切るのは難しいと思います。

食品表示法、法律そのものにも、「小規模の食品関連事業者の事業活動に及ぼす影響に配慮」せよとなっていて、小規模という言葉が使用されているわけですが、それをその中でさらに絞り込んでいく根拠のある合理的な線がなかなかないということであれば、その他の法律などでさまざまな施策に使用されている唯一の小規模企業者の定義を使用するというのが合理的な判断ではないかと考えます。

やはり、何かわからない中で、えいやと決めるような問題ではないと思います。

○澁谷座長 資料の説明をしてください。

○池原委員 この20人というのを使用した場合の懸念事項というものが、先ほどの資料の5ページの真ん中のところで、「20人以下を基準とした場合、免除される事業者の割合は相当数となり、自主的かつ合理的な商品選択に資するものとはならなくなる」のところだと思うのですけれども、これは多分、言うまでもないと思いますが、自主的かつ合理的な商品選択に資するものでなくなるというのは、事業者の割合ではなく、実際に表示される、表示対象となる商品の割合が、問題になると思います。先ほどの香港の例もそうですね。例えばここで80%の商品が対象外になってしまうということであれば、これは商品選択に資するものではなくなるというのはとてもよくわかりますけれども、事業者の80%が対象外となるから、商品選択に資するものでなくなるということは、それはないのではないかと思います。

要するに、これは過度な負担となって大変になるかもしれないという小規模事業者が事実として多いということですので、事実として多いということ自体を、問題にすることはできないのではないかと思います。

参考資料3なのですけれども、この表示対象となる商品の割合がどのくらいになるのかについて参考になるのではないかということで、経済産業省の工業統計表のデータを拾ってみました。私から言うのもあれですが、この工業統計表というのは自動車や電化製品なども含んだ全ての製造業を種類別に分類して、幾つかのデータを掲載しているもので、その中に事業者の規模別に企業数と製造品出荷額等というデータがあって、この表は、それを下に書いている内容で、私が計算などをして整理したものです。

出典はここに書いてあるとおりなのですけれども、黄色いデータのところは統計表の企業統計編ということで、青いデータは1行ですがこれは同じく統計表の産業編に、厳密に言うと、なります。何でこうなっているかというところなのですが、経済産業省がこれをつくるに当たって、まず工業統計調査という調査があるそうで、これは対象が4人以上の事業者ということで行われているということで、4人以上の事業者に対して行った調査の結果が黄色いデータになっている。3人以下についてはこの調査をしていなくて、これについては経済産業省が推定をするということをやられているみたいで、この推定したデータが青になっているということのようです。

それらのデータをソースにして、※印が3つ下に書いてありますけれども、この内容で私が計算と処理をして、まとめたのがこの表であります。

このデータを見ていただくと、区切りが残念ながら従業者が19人となっていて、小規模企業者の定義20以下とぴったり合わないので、そこは残念なのですけれども、そういうことでここは括弧をわざわざつけておりますが、この従業員数19人以下で見てみると、企業の数は累計で79%。先ほどの資料で、全産業でということですが、20人以下で80.4%だったので、食品だけ切り出しても、ほぼ同じような割合であるようです。この従業者19人以下の製造品出荷額等については、これは累計で7%にしかなっていないみたいです。この製造品出荷額等というのがそのまま商品の数量をあらわすということではもちろんありませんけれども、表示対象となる商品の割合がどの程度の規模になるのかということについては、大きな傾向を示すことができるのではないかと考えます。

そう考えた場合、このデータによると、例えば20人以下を免除対象としても、90%を超える商品については表示義務の対象になると言えるのではないかと思います。

繰り返しですが、最終的には全ての事業者が義務として対応していくことに当然やっていかなければならないのですが、スタートする時点においては中小企業基本法の定義どおり20人以下を免除対象として、まずは90%を超える商品で義務化をスタートするということが理にかなっているのではないかと思います。もちろん表示義務から外れたからといって、その事業者が何もしないかというと、そういうことではなく、もちろん最終的には義務化されるわけですから、それに向けてこの期間でも、表示をどんどんしていく、そういった活動をしていく、ということは当然やっていくことになると思います。けれども、まず義務化ということでは、大きく中小企業基本法の定義どおりにしていくというのが、今のこの環境整備が全然見えていない中では、それしかないのではないかというのが私の意見でございます。

そうであったとしても、先ほどの米国の100人の基準とは規模が大きく違い、厳しいものにもなっていると思います。まずスタートとしてはこれでやっていく、ある程度時間が経過した後、これについてまた見直していくというやり方で、ステップ・バイ・ステップで進めていくことが、今の選択としては一番いいのではないかと思います。

以上です。

○澁谷座長 ありがとうございました。

これについて、立石委員、どうぞ。

○立石委員 今の話を聞いて情けないというか、日本の事業者というのはそのレベルなのかなと思うのが1つ残念です。なぜかというと、諸外国において事業者に義務表示を免除している例は少ないのです。ほとんど義務表示を免除しているところはないのです。中国だって台湾だって韓国だって、多分表示なんか免除していないでしょう。にもかかわらず、今の池原委員の発言だと、日本はもうついていけません。だから今まで甘やかしの行政がまさにそこに出ているのではないですか。アメリカは14義務表示されているわけですよ。韓国は9です。EUは7、今回日本は5ですよ。今、話を進めているのは。5以上ふえると思いますけれども、たった5をやるに当たってできません、できませんなんて言っていたら、食品なんか扱う資格はないと思っています。基本的には。

だからどこかで切るということになったときに、一番わかりやすいのは消費税というのは一番無難だろうと思います。私は何かで切るわけだから、そんなことを言ったら日本の食品事業者というのは極めてレベルが低くて、諸外国と比べて情けないレベルだから何とか勘弁してくださいというふうにしか私は聞こえないのです。私はそんな事業者ではないと自負しています。私は事業者として胸を張って世界に冠たる品質を、安全と、誇っていきたい、輸出をしていきたいと思っている矢先に今みたいな情けない話をされたら、これ本当に消費者に対して申しわけないと思います。

○澁谷座長 御意見をいただきたいと思いますが、河野委員、いかがでしょうか。

○河野委員 今、池原委員がお示しいただいたのは、日本の食品製造は2割の事業者がほとんど95%の製品を世に出しているという、そちらのほうに私は、そういう実態なんだなというふうに思いましたが、今回、確かに前回5人以下という御提案で、なかなかなぜその5人の根拠というものが納得できなかったところなのですが、今回の消費者庁さんの御提案の御説明でどこかで線を引く、かつ、やはり当然のことながら義務化に対して配慮が必要だということで考えたときに、みんなが納得するという、このくらいは仕方がないだろうというと、私も消費者庁さんの今回の検証の結果の消費税の納税義務の免除というところで、この御提案で私は理解をしたところです。どこかで引かなければいけないのだったら、これは前回よりははるかに説得力があるのだろうと思いました。

○澁谷座長 板倉委員、どうでしょう。いいですか。

迫座長代理、どうぞ。

○迫座長代理 この問題は本当に懸案事項だと思っております。先ほど池原委員は環境整備の部分が進んでいないということをおっしゃっていましたが、既に現行基準を合理的な推計値で表示をしていいという形で大きな変更をしております。これは食品成分表に基づいて計算値で表示ができるという形でありますので、従前から見たら大幅に表示がしやすい形になっている。これだけでも環境整備は既に終わっていると言ってもいいかもしれない。表示の仕方に関しては。

必要なのは、それを今度はどういうふうに取り組んでいくかという事業者に対する働きかけであったり、利用する側の選択に資する形での利用の仕方に対する教育であったりと、そういうところが環境整備としてこれから重要になってくるだろうとまず1点思っております。

そういう意味で、従前から進められていた任意表示の中でも、大規模事業者また中規模程度までは、かなりのところが既に栄養成分表示に取り組んでいらっしゃる。栄養成分表示については原則、全ての事業者にやっていただく、義務として行っていただく。その中で一部除外する方をぎりぎりのところでラインを引こう。緩いところでラインを引くわけではなく、ぎりぎりのところでラインを引こうというふうな取り組みの仕方だったと思っております。

そうしていったときに、5人という数字は先ほど河野委員もおっしゃったように曖昧な根拠だということですけれども、消費税免除という明確に法で保護されていると言ったらいいのでしょうか、免除されている事業者をその対象として充てるということは非常に合理的な表現ではないか。そういう意味で今回の提案について賛同いたします。

○澁谷座長 そのほかいかがでしょうか。どうぞ。

○石川委員 質問ですけれども、消費税で課税事業者で免除というのは1,000万を基準にして動くわけですが、往々にして900万の売り上げだったものが来年になったら1,100万円になって、また再来年は800万になってという形で、課税の単位が年度ごとに変わる。特に1,000万というのは結構微妙なところで、3,000万になったらほとんどみんな非課税だったのに、1,000万になったおかげで年度ごとに事業者になったり非課税になったりする。そうすると、この基準を使う場合に一旦なったらそのままずっと続くのか、それともなったけれども、非課税の事業者になった場合は栄養表示義務が免除されるのかという継続性の問題で、日々毎年変わるということについての対応をどうされるのかというのを聞きたいと思います。

○澁谷座長 消費者庁、お願いします。

○塩澤食品表示調査官 確かに売上高というのは変動があるとは思います。ただ、先ほどの御質問に対してですけれども、売上高に応じて例えば1,000万を超えてしまったという場合には、表示義務の対象になります。ただ、その後で仮に売り上げががくんと減ってしまったということになった場合には、もちろん免除の対象になろうかと思います。

ただ、消費税の1,000万ぐらいの事業者さんについては、小規模事業者ということでそれなりに消費税の免除対象になるならないというのは結構大きい問題だと思いますので、通常はきちんと事前に販売計画というか事業計画みたいなものを立てて、1,000万円を行ったり来たりとかしないような計画を立ててやっているのではないかと推測されますので、さほど毎年毎年神経を使うようなことはないのではないかと推測しております。

○澁谷座長 石川委員、いいですか。

○石川委員 予測はいいのですけれども、結果として変動する人に対してどういうルールを考えますかという御質問なのです。一旦取得した事業者になった以上は、免除させないというのか、少なくとも5年ぐらいとか、そのあたりどういうルールにするのかということです。

○塩澤食品表示調査官 例えば先ほど米国とか香港の例をお示しいたしました。ちなみにの御紹介なのですけれども、アメリカの場合、あるときから小規模事業者ではなくなった。つまり免除対象でなくなったという場合には経過期間が18カ月、1年半ほど猶予期間というものがございます。その間に栄養表示の準備をしなさいということになっております。

一方、香港の場合を見てみますと、もっと厳しい規定になっておりまして、義務の対象になってしまったという場合には、30日以内に表示をしなければなりません。一応、アメリカと香港の例というのはそのとおりでございます。長さはいろいろありますけれども、いずれにしても経過措置みたいなものが設けられておりますので、当然、我々としても何らかの経過措置を考える必要があると思っております。

○澁谷座長 一旦認めてしまったら、ずっとそのままでいくのか、例えば何年かごとにその資格の見直しをするのかというのはどうなのですか。

○塩澤食品表示調査官 それは当然、見直しが必要かと思います。

○澁谷座長 そのほか御意見は。池原委員、どうぞ。

○池原委員 いろいろ御意見いただき、ありがとうございます。

先ほど迫座長代理からお話をいただきましたけれども、やはり鍵は環境整備だと思います。確かに今回、計算値による表示をできるというルールをつくっていただいたというのは、小さな事業者にとってありがたいことだと思います。ただ、それをやっていくに当たっても、計算はしていかなければならないということで、要はどうやって計算をしていくのか。データベースがどういうふうなものであって、どういうふうに自分の商品を計算していくのかというのが全く見えない。どのぐらいの作業負荷になるのか見えない。そういった中でどういうふうにこれを決めていったらいいのかというのがポイントではないかと思います。

先ほどの消費税の免除事業者という御提案ですけれども、実際にこういった事業者の方の従業員の数というのが何人ぐらいなのかというのを考えたときに、1,000万円の売り上げで得られた利益で生活をしていくということですので、人数としては5人というよりも、もっともっと多分少ないのではないかと思います。そういった少ない、本当に小さい事業者の方が、多分利益を出すためにぎりぎりの事業活動をされているのではないかと思うのですけれども、そういった方が、新しく栄養表示というものが、何ものかということを理解した上で、具体的にそういったものを、たくさんある商品について、一つ一つ計算していく、新しい商品もどんどんつくっていくでしょう、それをどんどんやり続けることが、どういうふうな負荷になっていくのかということを考えたときに、なかなかそういったものが見えない中で決めていくというのは難しいのではないかと思います。

前回の議論は、5人以下という御提案があって、逆に言えば6人以上には義務化するんだよね、それって本当にできるのか、大きく言えばそんな話だったというふうに私は理解したのですけれども、今回さらにそれが少ない人数になると思うのです。これが例えば3人以上にしましょう。3人以上の、本当に家族で経営されている方に、こういった新しいものを理解していただいて、作業としてやり続けていただくことが本当に可能なのかどうなのか、もう少しそこはやはり丁寧に、時間をかけて検証していただく必要があるのではないかと思います。

確かに5年間あると思いますけれども、これが5年の中でやり切ることができるのか。そこについては、私は大変厳しいのではないかと思います。大きくそういったものが見えない中ですので、小規模事業者というふうに法律も書かれているので、いろいろな施策で用いられている定義でまずはスタートしていって、やっていく中でいろいろなレビューをして見えるようにして、これだとできるよねだとか、これだとまだまだ環境整備をこういった状態にしてもらわないとさすがにこれは負荷が大き過ぎるよねとか、そういうことが見えてくると思うのです。そういうものが見えてきた上でそれを決めていくというのが私は合理的ではないかと思います。だから本当に小さいところに、こういった見えない中で、義務化をしてしまえばなんとか済むのではないか、というのは少し違うのではないかと思います。本当に彼らはこれで生活をしているわけですから。そういったところはぜひ配慮をして、まずは緩やかに立ち上げていく、というのが大事ではないかと思います。それについて御意見いただきたいです。

○澁谷座長 ありがとうございます。

立石委員、どうぞ。

○立石委員 池原委員、ありがとうございます。私どもが、最もその厳しいところにいると思います。直売所なんかを運営していまして、その生産者、加工者、本当に1人、2人でつくっている商品がいっぱいあります。だから最も私どもが厳しい、池原委員が最も気をつかっていただいている事業者の1人だと思っています。

ただ、私はそういった中でも、そういった人たちは大体単品なのです。余りいっぱいの品目をつくっていたら、そんなものはすぐ1,000万を超えてしまいますから、大体1つ、2つをつくって、それでもってずっと延々とやり続けるから、最初につくるかどうかというときにきちんと仕事をすればできると思っていますし、今、最も私が懸念しているのはアレルギー表示についてで、物すごく注意深くやってもらわなければいけないわけです。義務なのですから、そういうことを考えたときにバランスからいってアレルギーのところにかけるエネルギーと栄養成分表示にかけるエネルギーどちらが重たいかというと、私は圧倒的にアレルギーだと思っています。いろいろチェックだとか含めて言えば。それは小さいから少人数だからできませんということは許されないのです。だから私は言ってられることは全然理解できなくて、私どもは最も小さいところで毎日のようにやってきていますから、その実態を一番わかっているところが言っているのです。そこをよく考えていただきたい。だから何でもできないできないと言ってオーバーに言ってしまえば、全てができないという典型的な例なのです。

○澁谷座長 よろしいでしょうか。免除する基準についての御議論をお願いしたいと思います。

○立石委員 だから十分何かで切るのであれば1,000万、これでいろいろ言ったら切りがないですけれども。

○澁谷座長 立石委員は、この案で賛成ということですか。

○立石委員 賛成です。

○澁谷座長 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。そうしましたら、今、2つの意見が出ているかと思いますが、中小企業基本法の20名ということで池原委員が提案されているという理解でよろしいでしょうか。消費者庁は納税義務の免除の基準ということで、おおむねこれは5人ということで前回の裏づけになる資料という形で御説明をいただいたと思います。

池原委員以外の委員の皆さんはいかがでしょうか。一応、消費者庁の案でいいということでよろしいでしょうか。それで池原委員の御提案があったということでございます。

消費者庁から何か補足することはございますでしょうか。池原委員以外は皆さん消費者庁の案でいいということでございますけれども。

○塩澤食品表示調査官 特段意見はございません。

○澁谷座長 池原委員、どうぞ。

○池原委員 消費税の納税を免除するということは、栄養表示をやっていくということとつながりが見えないというか、薄いと思うのです。消費税の納税を免除するということの目的は、当然、事務作業の軽減だと思うのですけれども、その事務作業が具体的に見えているから1,000万円という線を引かれたと思うのです。今回、繰り返しになりますけれども、どういったことをやっていくのか見えない中で、消費税はきちんと見えた上でここで線を引こうねという判断だと思うのですけれども、そういったものが見えない中で、そこに線を引ける根拠というものが私には理解できないです。それでよしとするのが。前回5人以下、それがさらに今回の御提案で数は減るだろう。それについて、そこを合理的な根拠とするその理由は私にはわからないです。それだけは、意見として申します。

○澁谷座長 ありがとうございました。

以上で本日の資料に基づいて審議の事項は終わりということでございますけれども、もう一度本日の内容について再度確認をしておきたいと思いますので、お手数ですけれども、資料1から皆さんごらんいただけますでしょうか。

まず4ページでございます。食品の単位については現行どおりとするということでお願いをしたいと思います。

7ページ、これは四角く囲ってございませんが、ここのところについては義務化をするという意見と規定をしないという意見と、両方の意見があったということでまとめておきたいと思います。

次に9ページから12ページをごらんください。栄養成分等のレイアウトです。表示のレイアウトでございますが、栄養成分等の表示順は現行のとおりとするということ。それから、栄養成分に包含される成分については、該当栄養成分の内訳として表示をするということ。原則としてその様式については12ページにお示しをしてある様式をということですが、これについては様式の詳細な説明をお願いしたいということが出ておりました。

少し飛んでいただいて、今度は16ページ、17ページです。表示場所・表示媒体についてでございます。16ページを見ていただいて表示場所・表示媒体の新基準として、栄養成分表示は添付文書ではなく、容器包装の見やすい場所に記載をすることとするということで、括弧内はこれは生鮮食品ということが主語になるということですけれども、容器包装のない場合にはPOP等への表示を可能とするということで、消費者庁案のとおりまとまっております。

次の17ページのところで、ただ同一の食品が継続的に同一人に販売される場合は、容器包装に表示することが困難なものについては、定期的に同一人に提供される文書に必要な表示を行うことによって代えることができるということで、これも御了解ということでございます。

次に資料2をごらんください。資料2はモリブデンのことでございますが、2ページをごらんいただいて、今回宿題になっておりましたが、分析方法が確立されたことから食品表示基準に規定する栄養成分任意表示にモリブデンを追加する。モリブデンの分析方法については、誘導プラズマ質量分析法または誘導結合プラズマ発光分析法とするということでお願いをしたいと思います。

次に資料3の7ページをごらんください。これは最後に議論いたしました対象事業者についてでございますが、新基準案は消費税法第9条、小規模事業者に係る納税義務の免除に該当する事業者については、栄養成分表示の表示義務を免除するという案で、お一人以外はこれで委員は御了解ということです。

もう一つの意見としては、中小企業基本法の20名以下ということでの御提案があったということでまとめさせていただきたいと思います。

では、最後に次回の日程について事務局から説明をお願いします。

○大貫参事官 長時間の御審議ありがとうございました。

次回の日程につきましては、改めて御連絡させていただきます。

○澁谷座長 鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 今まで5回してきましたので、特にまだ1回目のところとかで義務と推奨のところとか、意見が分かれていて決まっていない部分もあるので、ぜひもう一度全体的な今までの議論した点についてまとめていただいて、それを次回、調査会としての1回のまとめの会議を私はしていただきたいように要望します。それが1点。

あと、前回の資料で1つ、前回の4回目の4月24日の資料1の栄養強調表示のところでコーデックスの基準でゼロというもの、カロリーのところ5キロカロリーになっていますが、4キロカロリーの誤植だと思うので、これは前回、私は気づかなかったので、後で資料を見返して気がつきましたので、修正していただくようお願いします。

以上、2つです。

○澁谷座長 事務局から何かございますか。

○山岸参事官補佐 消費者委員会事務局です。

次回の調査会の議題につきましては、こちらのほうで報告書案を提示させていただいて、その内容について確認させていただいて。

○澁谷座長 全体をもう一度報告書としてまとめるということですね。ありがとうございました。

それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。お忙しいところ長時間にわたりましてありがとうございました。

≪5.閉会≫

(以上)