第29回 食品表示部会 議事録

日時

2014年6月25日(水)9:58~14:30

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
阿久澤部会長、夏目部会長代理、安達委員、池戸委員、池原委員、石川委員、板倉委員、宇理須委員、鬼武委員、春日委員、栗山委員、河野委員、迫委員、立石委員、宮地委員
【説明者】
消費者庁 岡田審議官、竹田食品表示企画課長、平山企画官、石丸課長補佐、船田課長補佐、岩城課長補佐、塩澤食品表示調査官
【事務局】
黒木事務局長、井内審議官、大貫参事官、山岸参事官補佐

議事次第

  1. 開会
  2. 栄養表示に関する調査会、生鮮食品・業務用食品の表示に関する調査会及び加工食品の表示に関する調査会の報告について
  3. 食品表示基準案のパブリックコメントについて
  4. その他
  5. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○大貫参事官 多少早いですけれども、始めさせていただきます。

本日は、皆様お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会食品表示部会」第29回会合を開催します。

本日は、澁谷委員は所用により御欠席ですが、過半数に達しており、定足数を満たしております。

議事に入る前に、配布資料の確認をさせていただきます。

お配りしております資料でございますけれども、議事次第の下に書いてあります配布資料に書いてございます資料1から資料6、これに加えまして立石委員と鬼武委員からの意見書を追加配布資料1と2という形でお配りしております。委員提出の資料についても議論に御活用いただきますようお願いいたします。

不足の資料がありましたらば、事務局のほうにお申しつけください。

本日も多くの傍聴の方がお越しいただいておりますので、御発言の際はマイクに近づいて御発言いただきますようお願いいたします。

それでは、阿久澤部会長に議事進行をお願いいたします。

○阿久澤部会長 皆さん、おはようございます。

本日は、消費者庁から岡田審議官、竹田食品表示企画課長に御出席いただいております。

なお、本日の会議は公開で行います。議事録についても、後日公開することといたします。

それでは、本日の議題に入ります。本日は、各調査会の報告について、及び食品表示基準案のパブリックコメントについてを議題として取り上げ、この順で議論したいと思います。

それでは、各調査会の報告について、議論に入りたいと思います。昨年12月から栄養表示、生鮮食品・業務用食品の表示、加工食品の表示と3つの調査会に分かれて審議していただきましたが、今月、最終報告として、各調査会の審議結果をまとめていただきました。本日は、それぞれの調査会の座長、または座長代理から審議結果について御報告いただき、食品表示部会として各調査会のとりまとめの状況について、各委員間で共有したいと考えております。

報告書の内容については、既に各調査会の最終回で御議論いただき、座長一任とされたものとなります。したがいまして、本日配布しています資料2、資料3、資料4の各調査会の報告書は、最終の議論を踏まえて修正されたものです。なお、調査会のとりまとめの概要として資料1を配布しております。

まず、栄養表示に関する調査会の報告について、迫座長代理よりお願いします。

≪2.栄養表示に関する調査会、生鮮食品・業務用食品の表示に関する調査会及び加工食品の表示に関する調査会の報告について≫

○迫委員 それでは、澁谷座長が公務により御欠席ということでございますので、私、迫から報告させていただきます。資料2「食品表示部会栄養表示に関する調査会報告書」のほうをお開きください。目次の後ろのところから具体的に説明させていただきます。限られた時間でございますので、急いだ表現になろうかと思いますが、御容赦いただきたいと存じます。

栄養表示の対象成分につきまして、1ページから記載してございます。これは、前回の食品表示部会でも、この報告書の前半につきましてはある程度御説明させていただいているところですので、若干重複があろうかと思います。

1-1 食品表示基準に規定する「栄養成分」について。これにつきましては、現行の栄養成分の規定が、熱量とたんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムを含む12種類のミネラル及び13種類のビタミンとなってございます。新しい基準におきましても、規定する「栄養成分」については、従前と同じとする方向性でとりまとめがされているところでございます。

また、2つ目の段落でモリブデンについて触れてあります。食事摂取基準において基準値が策定されてはいるのですが、従前、「栄養成分」として規定されていなかったということですが、分析方法等も確立できたということで、新たにここで「栄養成分」に追加するという方向性でとりまとめたところでございます。

義務化の対象成分につきまして、前半のほうは従前の議論を記載してございます。最後のブロックですが、新基準案における栄養成分の表示の在り方について、マル1消費者における表示の必要性、マル2事業者における実行可能性、マル3国際整合性という3点を勘案した上で、マル1からマル3の全てを満たす場合には「義務」、それ以外には「任意」とし、その「任意」の中でもマル1の観点、消費者における表示の必要性を満たす場合には「推奨」とすることが示されているところでございます。

そういう中で、「推奨」というカテゴリーにつきましては、2ページになりますが、飽和脂肪酸と食物繊維、そして「任意」でその他ということで、従前のものが含まれるという形でございます。義務表示といたしましては、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムとし、推奨で飽和脂肪酸、食物繊維、それ以外のものを任意として表示するという形でとりまとめがされたところございます。

これに対しまして、真ん中あたりに記載してございますが、「推奨」というのは、事業者にとって実質的に「義務」と同じであるから、やめるべきであるという御意見。

さらに、その「推奨」の必要性が認められないという御意見も出されているところでございます。

さらに、附帯事項ということで、義務化に向けた環境整備への施策も進めていくことも出されているところでございます。

1-3のナトリウムについて触れさせていただきます。3行目になりますが、我が国では、食塩相当量を用いた栄養指導が一般的に行われており、消費者にはナトリウムよりも食塩相当量の方がなじみが深いということで、ナトリウム表示を食塩相当量に変えるという方向性がとりまとめられております。

なお、その次の行に記載してございますが、任意でナトリウムを併記するということは問題ないということでございます。

食塩を添加していない食品に食塩相当量という表示をするのは、混乱するのではないかという御意見。また、どちらかを選択できるようにするべきではないかという御意見も出ていたところでございます。

次のページ、4ページになりますが、2番目の栄養表示の対象食品について。これは上から3行目になりますが、原則として予め包装された全ての加工食品と添加物について、栄養成分の量及び熱量の表示を義務とするという方向性がまとめられているところでございます。

さらに、「設備を設けてその場で飲食させる食品」については、任意で表示する場合でも、一定のルールに従うべきではないかという意見もいただいたところでございます。

そういう原則として表示するべき食品に対しまして、義務表示の免除対象食品について、その下の2-2に記載してございます。消費者における表示の必要性と事業者の実行可能性、国際整合性等を勘案した上で、免除してよい食品を規定し、具体には栄養の供給源としての寄与が小さいと考えられる食品、加工食品の原材料として使用される食品、酒類、小包装食品、極短期間でレシピが変更される食品、製造場所で直接販売される食品、学校給食・病院給食等への販売に供する食品ということでございます。

この免除対象食品につきまして、さまざまな意見が出されまして、そこにマル1からマル3まで記載しているとおりでございます。先ほど栄養の供給源としての寄与が小さいと考えられる食品というところは、当初、「栄養上、意味のない食品」という表現でございましたけれども、それについては、報告書記載のとおり、「栄養供給源としての寄与が小さいと考えられる」という表現にするべきであるというとりまとめに沿って記載を修正してございます。

それから、マル2加工食品の原材料として使用される業務用の食品につきましては、義務化はしないけれども、情報伝達は重要だということで、必要であるということ。

製造所で直接販売される食品については、今後義務化も目指して検討していくことも必要じゃないかという意見等々が出されたところでございます。

2-3 栄養表示の対象事業者についてということでございますが、これも原則としてということで2つ目の段落に記載してございますが、全ての食品関連事業者を表示義務の適用対象とする。その一方で、食品関連事業者以外の販売者、バザー等々でございますけれども、そういう食品関連事業者でない販売者につきましては、義務化の対象外とするということ。それから、業務用加工食品については表示義務を課さないということ。

さらに、家族経営のような零細な事業者として、消費税法第9条に該当する場合には、表示義務を免除するという方向性でとりまとめたところでございます。

この表示義務免除の事業者につきましては、その次のブロックに記載してございますが、環境整備の状況が不十分な中では、中小企業基本法における定義に基づいて免除対象としたほうがいいのではないかという御意見も出ているところでございます。

続きまして、3.各栄養成分の分析方法及び「許容差の範囲」についてということで、3-1、分析方法、表示単位につきましての2つ目のブロックになりますが、分析方法について、新基準案では、従前の分析方法を維持し、さらに通知によって運用されている栄養成分についてを追加するという形になりまして、モリブデンについても追加する方向性がとりまとめられております。この詳細につきましては、後ろに別表2を挟んでありますので、そちらを後ほど御参照ください。

それから、栄養成分の表示単位についてということでございます。これも、従前の規定を維持するということ。それから、新たに分析方法を記載する栄養成分につきましては、食事摂取基準の基準値を参考にしながら規定していくということがとりまとめられました。さらに、「食塩相当量」の表示につきましては、「g(グラム)」という方向性でとりまとめられたところでございます。

最小表示の位につきましては、別紙3にその位取りについては記載しているところでございます。

その基準でございますけれども、6ページのマル1からマル3までございます。栄養表示基準で記載されているものは、それに準じること。それから、そこに設定されていない栄養素については、食事摂取基準に準じること。それ以外については、その栄養素が包含される栄養成分の最小表示単位に準じるということでございます。

最後のブロックに記載されているとおり、必要な場合については最小表示の位を下げることを妨げるものではないということでございますので、必要な場合には、より下位の位まで記載していただくことは可能でございます。「食塩相当量」につきましては、グラム単位ということをお示ししたところですけれども、0.1g未満の場合に、小数第2位まで表示するということでとりまとめられております。

続きまして、7ページ、「許容差の範囲」についてでございます。これにつきましては、既に昨年9月に栄養表示基準の改正を行っておりまして、これは表示の義務化に向けた環境整備の一環として行われたものですので、それを今後も維持するということでとりまとめがされております。

表示値の許容差の範囲の基準をどこにするかというところでございますが、表示値に対して許容差の範囲が設定されているほうがわかりやすい。そして、事業者にとっても、それを基準とするほうが合理的で製品管理がしやすいということで、表示値を基準として許容差の範囲を規定することがとりまとめられております。

続きまして、強調表示につきまして4で記載してございます。さまざまな表示方法がありますが、まず絶対表示でございます。

4-1、栄養表示基準における強調表示につきましては、新基準でも現行のものを維持するということでとりまとめがされているところでございます。ただし、現行の基準値につきましては大分時代がたっておりますので、2015年版の食事摂取基準を踏まえて、今年中に別の場面で改定を検討することが報告されているところでございます。

4-2の相対表示は、強化された旨、低減された旨の表示ということでございますが、これにつきましてはコーデックスのガイドラインに準ずるということで、表4-1の新基準案のところをごらんいただければと思いますけれども、低減された旨、強化された旨、それぞれ従前の基準値以上の絶対差につけ加えて、25%以上の相対差というものを基準としているところでございます。ナトリウム等につきましては、10%以上の絶対差という形になります。この辺の内容が若干変わってくるところでございます。

次の9ページ、無添加強調表示についてということで、従前は「不使用」、「無添加」という表示ですけれども、通知で「砂糖不使用」、「食塩無添加」ということで示されておりました。これにつきまして、新基準におきましては、新たに「無添加強調表示」に係る規定を定めることにしまして、コーデックスガイドラインにのっとった形での基準を適用することになりましたが、これにつきましては、単に邦訳するだけではなく、分かり易いものにする必要があるという意見がとりまとめの中であったところでございます。

続きまして10ページ、一番下になりますが、含有量を「0(ゼロ)」とすることができる規定についてでございます。

中身は次のページになりますが、「0(ゼロ)」とすることができる規定は表にあるとおりでございます。これにつきましては、現行栄養表示基準と同じとするということでとりまとめがされたところでございます。

4-5 新たに強調表示とみなす事項の検討についてということで、強調表示基準では、何々が「たっぷり」、何々「入り」という文言は当然強調表示になってくるわけですけれども、文字が大きかったり、色によって目立たせた表示も強調表示とみなされているという、消費者庁が行った調査結果が示されたところでございまして、これについて検討させていただきました。

しかしながら、容器包装の形態が問題であるとか、文字の大きさや色を一律に規定していくことは非常に困難であるということから、強調表示の基準の中に文字の大きさとか色による基準は設けない。

ただし、それについて消費者に強調表示と理解される可能性があるということで、このような表示をすることは望ましくない旨。また、商品名で誤認を招くような表現についても望ましくない旨をQ&A等で示すという方向性がとりまとめられているところでございます。

12ページ、5.表示方法について。 食品単位は、従前から100g当たり、若しくは100ml又は1食分(当該1食分の量)、また1包装その他の1単位という食品単位を、それぞれの事業者が規定し、それに基づいて栄養成分表示がされているところでございます。サービングサイズという1食分の量を規定していくことがなかなか困難な食品も多いということで、食品単位の規定につきましては現行と同じということでとりまとめておりますが、その一方で、消費者にとって分かりやすい表示になるように、1食分当たりで表示することが望ましい旨を通知等で示すということでとりまとめがされたところでございます。

次の5-2 栄養素等表示基準値に占める割合の表示。基準値に対して、何%含有しているのかという表示でございます。これにつきましては真ん中あたりになりますが、栄養素等表示基準値に対する割合の表示は非常に有用であると。しかしながら、1食分の設定をすることが困難な食品にあっては、そういう割合の表示が活用されにくい、実施しにくい可能性もあるということで、全ての食品に対して、これを義務化することは困難であろうということでございます。

そこで、新基準案では、栄養素等表示基準値に対する割合の表示については規定しないということでありますが、その一方で、「1食分当たり」の表示とあわせて、少なくとも栄養強調表示をしようとする栄養成分・熱量については、積極的に割合の表示を行うよう通知等で示すという方向性が示されております。

ただし、食品単位につきましては、現在の食品単位が任意で設定できる現状では、義務化は難しい。強調表示するものについては、今後も義務化を目指して検討するべきだという意見がとりまとめられているところでございます。そういう意味で、通知でお示しし、今後義務化を目指していくという方向性でございます。

さらに、サービングサイズを整備した上で、強調表示以外のものについても基準値に対する割合の表示を検討するべきだという意見も出されているところでございます。

表示レイアウトにつきましてが、次のページからになります。表示レイアウトにつきまして、表示の順番が従前どおり記載されているところでございます。これもなじみが深いということもありまして、栄養成分表示の表示順は現行どおり。ただし、表示の実際の方法の中で、内訳表示の方式を採用するということがまとめられたところでございます。とりまとめの方向性、栄養成分に包含される成分については、当該栄養成分の内訳として表示するという方向性でございます。

その具体的な中身でございますけれども、図5-1が義務表示事項のみを表示する場合の例でございます。それから、図5-2につきましては、内訳表示を行う値ということで、こういう形で例示されております。

そして、御意見のところに戻ります。13ページの後半の段落になりますけれども、炭水化物の量につきまして、新基準で糖質と食物繊維を表示する場合、これは図5-2にあるように、炭水化物のところに糖質があって、食物繊維がその内訳として記載されるわけですけれども、食物繊維を推奨として表示する場合には、当然ながら糖質も併せて表示するということで、実質的には糖質も推奨になるのではないかという御意見。

それ以外に、表示順について規定しているが、様式は規定されていないということがありましたので、そこに記載のとおり、このような例示がされているところでございます。また、分かりやすく一括表示されている場合には、別記様式以外の表示も可能とするという方向性でございますので、様式として示しているという形で御報告させていただきます。

15ページ、5-4 表示場所・表示媒体について。従前の栄養表示基準におきましては、容器包装の見やすい場所又は添付文書に表示することになっておりますけれども、容器包装に封入されている場合、つまり添付文書の場合には、外から見えないので、適切ではないのではないかということで、とりまとめといたしましては、添付文書ではなく、容器包装の見やすい場所に記載すること。さらに、容器包装のない生鮮食品等の栄養成分について、これは当然任意でございますけれども、POP等への表示も可能とする方向性がとりまとめられたところでございます。

宅配牛乳については、特殊な事例でございますので、これについては従前と変えることは特別規定してございませんが、当該食品についてのみ例外規定なので、基準の中にそれを例外として規定していくという方向性がとりまとめられたところでございます。

以上、駆け足でございましたけれども、栄養表示に関する調査会の報告について説明させていただきました。ありがとうございました。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それでは、ただいま報告いただきました栄養表示に関する調査会の報告書について、補足することがございましたらお願いいたします。鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 この栄養調査会にオブザーバーで出ていまして、3つの調査会の報告で、私も最終的にどういう案がいいかわからないのですけれども、あと2つの調査会は、最初のところに加工食品も生鮮食品も方針があるのです。この部分については、「はじめに」ということで、今回、懸案となっている5項目について検討したいという中身の調査報告になっているのですが、できたら方針といいますか、義務化は一元化検討会なり、その前の栄養成分表示検討会で方向性が示されているわけですし、それと含めて言うと、国際的にも栄養表示が多くの国でされていることや、非感染性疾患予防の観点からも、栄養表示の重要性がかなり言われていて、もう義務化されることが方向としては、この間の検討会報告書では確認されています。

あわせて、日本の中では、これまで任意だったものについて、義務化に大きくかじを切った中で、事業者と消費者、消費者にとっては重要な課題であると理解できて、事業者にとってはデータベースの構築なり、そういう方針があったと私は思うので、そういう簡略なところが前提として方針のところで書かれているべきではないかと思った次第です。これは、前回意見を申し上げて、私も案をつくるまで至っていないので、この辺は座長なり座長代理のほうが詳しくおわかりでしょうし見識もあると思いますので、ぜひ書いていただければどうかと意見を申し上げます。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。前回、栄養調査会のとりまとめが終わった後の生鮮の調査会ですか、そこで3つの調査会の体裁を統一したほうがいいだろうという御意見をいただいたかと思いますが、いかがでしょうか。

○迫委員 このつくりにつきましては事務局のほうとまた相談させていただきながら、表現等を検討させていただきたいと思います。栄養表示調査会の委員の先生方、それでよろしゅうございましょうか。このとりまとめの前段に、趣旨、今までの経緯と目指していたもの、方向性というところを明確に記載するべきではないかという御意見をいただきました。一存で答えられませんので、そういう方向でよろしいでしょうか。では、事務局と相談させていただきます。ありがとうございます。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

どうぞ、立石委員。

○立石委員 今回の報告書については、座長と座長代理一任ということで、最後の栄養調査会の中でも私は相当強く不満を申し上げましたけれども、幾つか問題があると思っています。

まず1点は、細かい点で1つだけ言わせていただきますと、私の意見書に書きましたけれども、例えば11ページの「0(ゼロ)」とすることができる規定というので、脂質が0.5gとなったのですけれども、今回、含まないということで、ノイオイルドレッシングについては3gを特例として認めるということが、基準案のほうもそういうふうになっているので、特例ということについて、非常に問題があると思っています。今回、食品表示法ができた中で、施策をつくるときにこう書いてあるのです。食品関連事業者間の公正な競争の確保に配慮して講じなければならない。

要は、特例というのは事業者間の公正な競争という面では非常におかしい。それから、消費者から見ても全然納得できないということについては、やめるべきだと私は強く主張しまして、この食品表示部会でもやるべきだと言ったのですけれども、きょうがその場であったら、そのことを議論すべきだと。特例というのはなくすべきだということを、きょう幾つか書いていますけれども、これは公正な競争という面で、食品事業者間の基本理念に書かれている点から言ってもおかしいことと、最もおかしいのは消費者から見てわかりづらい。なぜあそこだけ違うのということが理解できないものはやめるということを、まず申し述べたい。

もう一点は、私が出しましたペーパーの3ページ目です。何度も申し上げたトランス脂肪酸の表示です。これは、十分な検討をやっていません。私は意見も述べさせていただけなかった、意見書も取り上げていただけなかったといった非常に問題のある検討内容だったと思っています。これは、情報をきちんと開示して、広く多くの方の意見を尊重した上で決めていくべきだ。これは大事なことです。5年先、やっと義務化になったのです。ほかの国々はとうに義務化になって、我が国はやっと義務化の方向が決まり、その義務化の項目を決めるという中で、日本は極めて出おくれている中で、今回義務化になった。

トランス脂肪酸については、私はコーデックスは、余り好きじゃないのだけれども、コーデックスが盛んにいろいろなところで使われていますから、コーデックスのガイドラインにどう書いてあるかというと、こう書いてあるのです。「熱量、たんぱく質、糖質、脂質、飽和脂質、ナトリウム及び総糖類の量とされ」て、その後、ずっとあって、「栄養又は健康強調表示を行う栄養素の量と各国の法令又は食事指針による求めに応じ※」とあって、下に「トランス脂肪酸の摂取量の水準が公衆衛生上の懸念となっている国は、栄養表示においてトランス脂肪酸の表示を考慮するべきである」と。ここまで書かれている。だけれども、このことについては、議論していないのです。

コーデックスはこういう考え方でもって、トランス脂肪酸に対する考えを持っていますよということについて、調査会で一つも出てこない。

次に、栄養成分表示に関する見解ならびに要望。この公衆衛生上の懸念というコーデックスの見解をよく覚えておいていただきたい。この後に別紙2をつけています。動脈硬化学会が昨年4月15日に出している文書。これをよく読んでいただきたい。このことを公衆衛生上の懸念と呼ばないのかどうか。これだけの学会が8つも連名で出されているのです。日本高血圧学会、循環器学会、小児科学会、日本腎臓学会、糖尿病学会、肥満学会、ここではたばこと同じリスクですよということまで書かれている。全部読みませんけれども、食品ワーキング・グループで私、説明いたしましたから、ぜひ読んでいただきたい。こういったことを公衆衛生上の懸念と読み込まないのかどうかです。こういった観点で十分な議論がなされていない中で、今回決められたということは極めて不本意です。

それから、食品安全委員会での食品評価書の要約も別紙3につけています。私が出したものについて、食品安全委員会は非常に厳しい意見を出されています。しかし、私が言いたかったことは、要約版でも十分読み取れます。「脂質に偏った食事をしている個人においては、トランス脂肪酸摂取量のエネルギー比が1%を超えていることがあると考えられるため、留意する必要がある」。何を言いたいかというと、この留意する必要があるという実態を公衆衛生上の懸念ではないのかということです。こういうことを踏まえていくと、今、トランス脂肪酸に関してはほとんど表示されていません。健康リスクを考慮して商品を選択したくてもできないのです。ということは、自主的な選択の機会が確保され、必要な情報が提供される消費者の権利を行使できないということで、権利を奪っていることにつながっていくのではないかということです。

もう一つ、下に書いてあります。周辺国。韓国、中国、台湾、香港は、既に「トランス脂肪酸」の表示が義務化になっています。これらの国へ輸出するときは、食品メーカーの皆さんは、表示されているのです。ところが、我が国で販売する商品については表示しないという片手落ちをどう見るかです。韓国、台湾、中国、香港から来る商品については、日本では一切表示されない中で、知らず知らずに食べてしまうということです。

次のページにつけていますけれども、これは滅多にないのですけれども、実際にトランス脂肪酸が記載された商品例です。これは、この指針が出されたのは23年2月ですけれども、この指針どおり書いているような商品は滅多にありません。極めてまれな例ですけれども、こういったことが結局、指針でガイドラインを示したところで、事業者の方はやらない。やりたくないものは、海外に向けて輸出するものについてはトランス脂肪酸を書いても、国内で販売するものについては書かない。

こういうことは非常に片手落ちじゃないかということで、トランス脂肪酸については今回、パブリックコメントの中で、多くの皆さんの意見を踏まえた上で、それから消費者委員会のワーキング・グループがありますから、それを踏まえた上で最終決定をしていくということでお願いしたいと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 立石委員のほうから2点、含まない旨の表示の件について特例にするのはどうかということ、トランス脂肪酸について取り上げられていないとおっしゃっておりますけれども、これについては栄養調査会のほうで部会長預かり、また立石委員の発言の中にありましたように、食品ワーキング・グループのほうで粛々と勉強・検討しておるところですので、これについても立石委員のほうから言われましたように、諮問が上がってきた後、あるいは今後、検討させていただければと思っております。

どうぞ、迫委員のほうから。

○迫委員 ちょっと栄養学的な観点からきちんとお話させていただきたいと思います。先ほど公衆衛生上の懸念ということを非常に重要なキーワードとしておっしゃいました。公衆衛生法の懸念となっているか否かという問題が論点の分かれ道だろうと思っております。

まず、国として、食品安全委員会の評価書、それから食事摂取基準等々で直ちに公衆衛生上の懸念として認められているものではないということを申し上げたい。そういう中で、実際にトランス脂肪酸が何%とられているかというところで、95パーセンタイル値で総エネルギーの0.7%である。つまり、トランス脂肪酸については1%を超えると公衆衛生上の懸念が出てくるのではないかと示されておりまして、95パーセンタイルということは、95%の人は総エネルギーの0.7%以下でございますので、実質的には99%ぐらいの方は基準を超えるような摂取の仕方はしていないと想定されること。

なおかつ、トランス脂肪酸につきましては、この表示が義務づけられる、または非常に高い関心が持たれることによって、いろいろな製品を製造される途上で飽和脂肪酸に切りかえていくことが行われます。実際に現在、飽和脂肪酸の摂取量がふえてきております。飽和脂肪酸の50パーセンタイル値は食事摂取基準の上限を超えております。つまり、50%以上の方々が飽和脂肪酸については既に上限を超えているという状態です。1%未満の方々に問題があると考えられるトランス脂肪酸と、50%以上の方に問題があると考えられている飽和脂肪酸。

この表示について、どちらを優先するべきかという論点の中で、飽和脂肪酸が推奨の位置づけになったということを申し上げさせていただきますし、学術的にといいますか、公衆衛生上の懸念といたしましては、飽和脂肪酸について、より強いものがあるということでございますので、その辺が栄養調査会報告書で、トランス脂肪酸が任意であり、飽和脂肪酸が推奨であるとまとめさせていただいたところでございます。

以上でございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。本日はトランス脂肪酸の議論は、ここまでとさせていただければ。では、一言。

○立石委員 今、迫委員がおっしゃった1%の方はどうなってもいいのですかということを言っているのです。

もう一つ、飽和脂肪酸とトランス脂肪酸とコレステロール、これは全部コーデックスが基準をつけています。見てください。ほかの国は全て書かれています。だから、飽和脂肪酸との関係も含めて、全て書かれた上で、トランス脂肪酸が幾らあるかということを諸外国の消費者の方はわかるという点、この点は違います。

○阿久澤部会長 関連ですか。はい。

○石川委員 同じことですけれども、100分の1の確率で懸念があるというのは、リスク上、極めて大きな問題だと思います。一般的に無視していいと言われるリスクは、100万人に1人か、せいぜい10万人に1人ぐらいだと思うので、100人に1人というのは極めて大きなリスクだと思います。

その視点からすると、飽和脂肪酸のほうがより問題があるとすれば、それはそれとして、さらにもっと安全規制としてトランス脂肪酸に注意して、表示だけではなくて、厚生労働省の対策として考えるべき時期に来ているのだろうと、今のお話を聞いてかえって思いましたので、その点については、この報告書の訂正とか部会で議論する余裕がないとしたら、とりあえずは検討事項として速やかに次のステップで議論してもらいたいと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

どうぞ、池原委員。

○池原委員 1点確認させてください。立石委員の意見書の3ページの一番上で、トランス脂肪酸のコメントを書かれておりますけれども、この中に消費者基本計画の具体的施策73に何々がありながら、これまで十分な議論を行っていないと書かれていますけれども、消費者基本計画の施策No.73は現在どうなっていますでしょうか。消費者庁なり消費者委員会事務局から正式に御答弁いただきたいのですが。こういうことに今、なっているのでしょうか。

○平山企画官 消費者基本計画でございますけれども、昨年6月末に一部改定しておりまして、食品表示法ができたことで全体をかなり見直しております。今、従来の施策番号73につきましてはその他の施策と統合されておりまして、トランス脂肪酸につきましては具体的な施策の中には出てまいりません。注というところで書かれております。

かいつまんで御説明しますと、先ほど、御紹介があった「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針について、とりまとめて公表した」という話について書いております。繰り返しになりますけれども、具体的施策の中では、統合などの関係がありますので、明示的な表記はされておりませんということを御報告申し上げます。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

池原委員。

○池原委員 ありがとうございます。

私も、ここについて、ちょっと調べてみたのですけれども、この施策番号73につきましては、3年前の改定において、トランス脂肪酸については、実施済みということで、注釈に、どういう理由で実施済みなのかということが、今まさに御説明いただいた、そういった書き方になっているということが1点。

また、昨年の改定において、今おっしゃったとおり、全てが実施済みということで、削除されており、それが現在の状態だということです。ですから、ここにあるような、具体的施策73にありながら、これまで十分な議論を行っていない、ここで十分な議論を行っていないということは、正しくないのではないかと思います。要は、トランス脂肪酸については実施済みということで、消費者基本計画からは明解に削除されているというのが現在の状態だと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 はい。

○立石委員 私は、消費者委員会食品表示部会に1回目から、きょう、29回ですけれども、全て出席しています。一回も欠席していません。その中でまともに議論していない。当初、最初の頃は、当然、消費者基本計画が生きているわけですから、一度もまともに議論していない中で消えたということです。それは、誰がどこでやったのかというプロセスを、マスコミの方も含めて追求してもらいたいですね。一度やると決めて、一度も検討もしないで闇に消していくことがこの国で行われているということを、よく考えていただきたい。池原さんが言っていることが事実であれば、そんなことが本当に行われているのかということですよ。

○阿久澤部会長 はい。

○石川委員 消費者基本計画について、最近の動きなのですけれども、原料原産地の拡大とかトランス脂肪酸も含めて、数年前には課題として掲げていたものが最近消えていっているのです。改定するごとにハードルが下がっていて、目標がどんどん下がっていて、あたかも実施されたかのような形になっているという印象を持っております。

ですから、ここの部会議論以外の問題として、消費者基本計画そのものの掲げる目標が実現可能性にシフトして、落としていっているという嫌いがあります。それはちょっと問題だろうということで、消費者庁はもう少し高いところを目指して、よりすばらしい商品・サービスを提供するための、消費者に役に立つようなサービスに役立つような規制を発展させるという方向性を持ってやってもらいたいと思っています。

○阿久澤部会長 御意見として承ります。

板倉委員、よろしいですか。

○板倉委員 トランス脂肪酸については、前から言われていましたように、飽和脂肪酸と拮抗という部分がありますので、食品安全委員会の話を中心に考えるのか、あるいは動脈硬化学会の情報も含めて判断するものかというのについては、検討していただく場があっていいのではないかと思います。

特に、最近、トランス脂肪酸を減らしているといううたい文句の商品も出ているのですけれども、その場合、どこまでか知らないのですけれども、表示自体でどの程度減っているのかというのが把握できなかったりするようなものもあるものですから。飽和脂肪酸とトランス脂肪酸については、トランス脂肪酸を表示するときには飽和脂肪酸も表示するように、ガイドライン的なところで指導されているように聞いているのですけれども、全体像として私たちが把握してからじゃないと、この問題については判断できないので、今後も検討するということでおさめていただけるとありがたいです。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。トランス脂肪酸の件につきまして御意見をいただいておりますが、これは先ほど申し上げましたように、委員会が預かり、食品ワーキング・グループを立てて検討しています。事務局より、簡単で結構ですので、食品ワーキング・グループの進捗、検討の内容について御説明いただけますか。

○大貫参事官 それでは、消費者委員会事務局のほうから食品ワーキング・グループにおける検討状況について御説明させていただきます。

食品ワーキング・グループのほうで、最初の回、立石委員を初め3名の方に来ていただいて、提言の御趣旨についてのヒアリングをさせていただいております。第2回を7月1日に予定しておりますけれども、日本人の食事摂取基準2015にかかわられていた東大の佐々木先生からヒアリングするということで、その趣旨は、この食品摂取基準の中で文献レビューの最新バージョンを行っておられるということで、新たな科学的知見が食品安全委員会の評価の後にあったのかどうかについて、確認させていただくという予定になっております。

その後の予定については、まだ具体的には決まっておりませんけれども、委員の希望としては、先ほどお話に出ました日本動脈硬化学会の意見書のヒアリング等を含めて行っていきたいということでございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それでは、鬼武委員。

○鬼武委員 トランス脂肪酸の件については、今回いろいろ意見が出たと思いますけれども、本質的には議論がペンディングになっていたところで、食品ワーキング・グループが立ち上がったなら、そこで一定の議論をしてもらうことも重要だと思いますし、この部会で議論してもらうときには、委員間で議論になっていて、結構拮抗していろいろな意見が出ている。結局、準備が悪いと思います。消費者庁側が準備するのだったら、摂取状況が今どうなっていて、どのぐらいの公衆衛生上の問題がある。もし、そのことについてコメントできないのであれば、適切な専門家の方を呼んでヒアリングするなりということで、もう少しトランス脂肪酸についての全体的な議論が必要ではないでしょうか。

それがないので中途半端な意見交換になっているので、どうしても皆さんの腑に落ちない。結局はペンディングになっているということで、今後もこれが続くと思うので、トランス脂肪酸、私は、ほかの栄養成分についても実はやってほしいと思います。後で意見を申し上げます推奨のことも含めて言うと、個別の栄養摂取状況が現状どうなっていて、どういうふうにしたいというのをある程度議論した上で方向を定めて、それら総合的な観点から表示に決められるというのが理想だと思いますので、トランス脂肪酸についても、先ほど多食をしていることで懸念があるという意見もありますし、公衆衛生上の懸念をどの辺で判断するかというのも、これは人によって意見が違うかもしれませんから。

その点も含めて言うと、会議を始める前に包括的ないろいろな準備をした上でディスカッションするというのが私は必要だと思っていまして、そうすると、最終的にコンセンサスもその中で出てくると思っています。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

トランス脂肪酸の件ですか。どうぞ。

○池原委員 消費者基本計画に対するスタンスみたいな話がちょっとあって、私、驚いたところがあるのですけれども、消費者基本計画は閣議決定された非常に重いものだという受けとめをしております。我々が消費者委員会の任務を遂行するに当たっては、これはきっちりそこで示されたものについては、それを尊重してやっていくのが基本中の基本だと認識しておりました。これまでも、立石委員からも、消費者基本計画に書いてあるのだから、これをやらなければいけないということをずっと主張されていたと思うのです。

それが、ここになって、消費者基本計画自体の改定が何かおかしいのではないかとか、もっとそれを超えて考えていかなければならないのではないか、みたいなお話が出てくると、我々は何を基本にして仕事をしていったらいいのかというのが見えなくなってしまうと思います。そういうところをきっちりと確認していただきたいと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

どうぞ。

○板倉委員 それ以外のことで、4ページの2-2の免除対象の食品についてのところで、酒類についてはなぜ免除の対象になったかということで、今の日本の酒類の状況を見た場合には、アルコール度数だけではわからない、カロリーの多い商品もいろいろあるので問題があるということについては、ほかの反論もあってなくなったという部分について、私のほうから、報告書には書いてほしいとお願いして、書くことについて私は了解されたと思うのですが、それが今、抜けている理由について御説明いただければと思います。

○阿久澤部会長 それでは、事務局。

○山岸参事官補佐 事務局がかわって御回答いたします。申しわけないのですけれども、報告書全体のバランスを考えまして、栄養表示義務の免除対象食品について、初め、全てについてどういうふうに免除対象になったかを記載させていただいたのですけれども、ここだけが目立ってしまって、お酒だけを特出しして書くべきか悩みまして、それでしたら原案どおりの形にさせていただいたところでございます。今、委員から御意見がありましたので、そこも踏まえて座長と御相談の上、報告書を考えさせていただきたいと思います。

○阿久澤部会長 それでは、ただいま板倉委員の御指摘、補足する件、付記するという方向ですかね。座長と検討。よろしいでしょうか。

そのほかよろしいでしょうか。はい。

○石川委員 消費者委員会というのは、消費者庁の行政的な動きに対して意見を申し述べる機関でして、消費者委員会として消費者基本計画に対して、その計画内容の実証・検証して、その内容について意見を提言する機関ということですから、消費者基本計画に束縛される存在の組織ではないということです。だから、次世代の新しい消費者基本計画をこの方向に持っていきなさいよという意見を提言すべき機関ですので、今の基本計画を守っていればいいという発想でこの委員会に参加する必要はない。むしろ、そのような人は要らないと思います。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございます。

では、鬼武委員。

○鬼武委員 栄養調査会は私、オブザーバーなので、報告書には書いていただけないと思いますけれども、部会に上がってきたとして1つ意見を述べさせてください。

2ページ目で事務局の方がまとめてくれていて、もう少しクリアになっていないのは、任意のところに推奨とその他が、この報告書に書かれてあるのはすごくすっきりとまとめられているのですけれども、推奨という言葉については、飽和脂肪酸と食物繊維が国民栄養調査として問題があるという理解を皆さんされたと思うのですけれども、任意の中の推奨というカテゴリーについては、どちらかというとコンセンサスを余り得ていないようなニュアンスを私は持っています。

と申しますのは、ここの下に書いてあります推奨という意味が、もう既に義務と思われている方もいますし、いや、待ってくれ。まず、今の5項目の義務化をやって、それができた段階で任意だから、その先にあるものという形で、どちらかというとこの辺のコンセンサスは、調査会の方々がまとめるからあれですけれども、表示部会に上がってきた私としては、その辺がちょっとクリアになっていないのではないかという印象は持っています。

ですから、飽和脂肪酸、食物繊維ということを書くのであれば、まず事業者にガイドラインみたいなことで、日本人として飽和脂肪酸はふえてきて問題だ、食物繊維は逆に少なくて問題だと、業界の団体のほうにガイドラインじゃないですけれども、こういうものについて、次のスパンとして申し入れるとかのロードマップが必要。

それから、食物繊維について言えば、私、加工食品より生鮮なので、生鮮とかにどういう表示をするかということも必要だと思いますので、この2ページの書き方からすると、推奨がその次に来ているというのは、ここでは何となくクリアに書かれて、その上に意見が分かれていますけれども、これがパブリックコメントに出されたときにどうなるのかと思っています。繰り返しになりますけれども、推奨は委員の中ではクリアになっていないのではないかという認識をしています。

以上です。

○阿久澤部会長 いかがですか、この点について。迫座長代理。

○迫委員 ここの区分につきましては、栄養成分表示のあり方という1ページの3つの議論の中で、特に消費者における表示の必要性ということを勘案して推奨に置いているところでありまして、先ほど板倉委員からもありましたように、国民の摂取状況の中にかなり大きな問題があって、これはこのまま放置すると、本当に直近の問題として出てくる。そういうことが、先ほど来使っておりますけれども、公衆衛生上の課題として、食事摂取基準等々で明確に既に示されているところから、義務ではない。義務にするには、幾ら何でもまだ早過ぎるのではないか。

でも、任意で置くには余りに課題が大き過ぎるというところで、中間の推奨で、そういう意味でクリアでないという言い方をすればクリアでないかもしれませんけれども、考え方としては、義務にも、それから、全くの任意で書いても書かなくてもいいというには、ちょっと課題が大き過ぎるのではないかということで、推奨にまとまったと考えております。御意見はいろいろありました。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

池原委員。

○池原委員 先ほどの消費者基本計画についての消費者委員会としてのスタンスを事務局のほうに確認していただきたいのですが。

○阿久澤部会長 どうぞ、大貫参事官。

○大貫参事官 先ほど石川委員のほうからお話がありましたけれども、消費者委員会の機能としては、石川委員からおっしゃられましたように、消費者基本計画の案について意見を申し述べるという機能があるというのは、確かにそのとおりでございます。

○阿久澤部会長 池原委員、よろしいですか。鬼武委員には、今の迫委員の回答でよろしいですか、同時に2つ振っての話題が進行していますが、まず池原委員、よろしいですか。

○池原委員 ということは、消費者基本計画に、いろいろ定めがあって、これに従った形で、我々は議論していこうね、ということを、この部会の中でも、11月にも確認したかと記憶しているのですけれども、基本的には、我々はそれ自体を直していくということで、それをベースにして考えていかなくもいい、という理解になるのですか。そこだけお願いします。

○阿久澤部会長 お願いします。

○黒木事務局長 先ほどの説明を少し補足させていただきますが、消費者委員会が基本計画の案について検証したり、意見を言う機能を持っていることはたしかでございますけれども、委員会の意見等も踏まえて基本計画がつくられ、あるいは毎年見直されているというのが現状だと思っておりますので、それを全て無視していいということではないと承知しております。

○阿久澤部会長 それでは、鬼武委員、よろしいですか。

○鬼武委員 わかりました。ただ、私が思うのは、飽和脂肪酸、食物繊維のほかに、栄養成分の調査会のときに、国民栄養調査の再解析ですと、ほかにカリウムとか、いろいろなものも挙がっていたような気がしまして、私はむしろカリウムみたいなものは生活習慣病の予防のためには、WHOもさらなる量が必要だということで推奨していることをかんがみると、ほかのも推奨に上げるべきものがあるような気がしております。ただ、ここで今、議論できませんので、いずれ栄養成分の中の必要な、国民栄養調査としての再解析、もしくは消費者として知りたいこととか、あわせて実行可能性を含めて、トータルして議論できる場に委ねたいと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。今の点をテークノートしていただいて、今後の課題とさせていただければと思います。

そのほか、よろしいでしょうか。鬼武委員。

○鬼武委員 あと、これは意見です。5ページの栄養表示義務の免除対象食品ということで、これは調査会でオブザーバーで意見を言ったと思いますが、全体的にはいろいろな形で義務化をする栄養表示が対象食品のどういう範疇にあるかを考えたときに、今回、添加物が入っていますが、添加物は寄与も少ないし、一部、例えば加工でん粉みたいな、今まで食品であって、添加物に変更になったものもあると、その中のたんぱく質の量かわかりませんが、何かの量がある程度必要かもしれませんけれども、海外で見ても添加物の栄養成分がどれだけ意味があるのかというのは、私は余り意味がないと思っている次第です。

逆に、4ページの下に書いてある。これを言うと、また怒られるかもしれませんけれども、業務用加工食品で、加工食品の原材料とされる食品というのは、むしろいろいろな形で、それを引き継いで加工食品にするということであれば、こちらに栄養表示があったほうが、レシピとか参照値にできるのではないでしょうか。栄養表示をどこまでの範疇で義務化にするかという全体のバランスからすると、添加物の優先順位は低くて、むしろ業務用加工食品のほうが大きいと私は思っています。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

関連ですか。

○立石委員 関連です。今の鬼武委員の意見に全く賛成です。私もそのとおり申し述べましたけれども、報告書に全く反映していただけませんでしたから、業務用食品というのは同じ位置づけであるべきだと思います。

○阿久澤部会長 では、この点につきましても御意見があったことをテークノートをお願いしたいと思います。

どうぞ。

○春日委員 先ほどから議論になっているトランス脂肪酸とかですけれども、動脈硬化学会の声明等にあるように、食品ワーキング・グループで今、検討されているということですけれども、このトランス脂肪酸とかコレステロールを推奨に入れない理由をよく検討していただきたいなと思います。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

鬼武委員。

○鬼武委員 すみません、もう一つ、これは消費者庁のほうに聞いたほうがいいのですかね。ナトリウムと食塩相当量の表記のところで、具体的には今回、基本的には食塩相当量がわかりやすいだろうということで、書くような判断になったと思います。それに加えて、ナトリウムも任意というか、同じ情報として加えるということも、調査会のほうでは方向性としてまとめられたと理解しているのですけれども、例えば実際には加工食品に食塩を添加していない場合には、食塩相当量としてはゼロみたいな形になって、ナトリウムとしてのことが下の括弧で何mgとかという形で書かれるようになるのですか。その辺は具体的にはどう考えられているか、消費者庁でわかれば教えてくれますか。

○阿久澤部会長 消費者庁からお願いいたします。

○塩澤食品表示調査官 すみません、もう一度御質問の趣旨を確認させて下さい。

○鬼武委員 どういう表示か。

○塩澤食品表示調査官 添加している、していないに関係なく、栄養表示というのは、基本的にその食品中にどれだけ入っているかというものですから、その入っているナトリウム量に応じた「食塩相当量」を書いていただくことになります。「ナトリウム」を、任意に併記していただくことは可能であるという整理でございます。

○鬼武委員 実際に外から添加していなくても、原料にわかりませんけれども、6mg入っていれば、それに2.54倍して1,000で割ったものを食塩相当量として、それがゼロという書き方もあるということですね。

○塩澤食品表示調査官 はい


1食塩相当量として0.1g未満の場合、最小表示の位は小数第2位とする(第3回栄養表示に関する調査会 資料2-1(7頁)参照)。ナトリウム6mgは食塩相当量0.015gのため、ゼロと表示することは出来ない。

○鬼武委員 そこの点を確認だったので、そういうことですね。その部分はわかりました。それが1つと。

もう一つは、12ページもパーセント表示についてもいろいろ意見があったと思います。それで1つには、強調された表示だけをパーセントで書くということもあったのですけれども、私、オブザーバーでそこまで意見を言えるかどうかわかりませんけれども、例えば米国はデイリーバリューみたいな形で、全ての項目についてどれぐらいのパーセントという表示をしています。ですから、今後あるかもしれないのですけれども、例えばニュートリション・リファレンス・バリューをそういう形で流用できるのかとか、そういうことも含めて、まずはそういうことについてもわかりやすい栄養表示だったら求められるべきではないかというのが、1点、意見としてはあります。

もう一点は、前回も議論になりましたけれども、サービングサイズはどうするかということで、これは国でもないし、業界でもないと前回意見は様々出されていたのですけれども、国がどういう食品群ということである程度イニシアチブをとってくれないと、多分民間では難しいと私は思っています。実際に私どもが栄養表示を1982年から加工食品にしておりまして、その中でサービングサイズを自分たちで決めていたのです。例えば、大袋に入ったレトルトカレーがあった場合に、1食が80gですと書いた場合に、消費者の方から、いや、そんな勝手に1食を決めてくれるなと怒られるわけです。ほかの商品、同じレトルトカレーには書いていなくて、うちの商品だけには1食量単位で書いてあるということです。

ですから、民間の1つのところが1食量を決めるということは基本的には絶対できません。ですから、そういう1食量なり、それが基本とならないときには、100gでも100mlでも、基本単位としてある程度決められると思います。ですから、そういうことについては、事務局である程度栄養表示の義務化の中で決めてもらわないと、1食量のほうでも、それはわかりやすいのではないかと意見としては思っています。

以上2点です。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございます。

河野委員、どうぞ。

○河野委員 私も栄養表示調査会の委員として出ていまして、概要は了解しているところですが、12ページの今、鬼武委員が発言されたことに関しては、ぜひ行政で責任を持って、今後サービングサイズの検討を鋭意進めていただきたいと思います。今、食品単位は事業者さんが任意で決められるということで、いろいろ不都合も起きているわけですので、基本的にはこのやり方で進めていくのですけれども、ぜひ国のほうでしっかりとデータベースといいましょうか、その検討をしていただきたいということをお願いしておきます。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

はい、板倉委員。

○板倉委員 私も鬼武委員と全く同じ意見です。結局、使える表示ということを考えますと、パーセント表示がなければ実際には使い物にならないと思います。

それと、強調表示だけはせめてきちんと表示義務にしてほしいという意見も出したのですけれども、今のところはそれが保留になっているというのも非常に問題だと考えております。

また、1食分という言葉ですけれども、実は定義がないものですから、私たち委員の中では1食分というイメージ、何を1食分ということになるかわかると思うのですが、今、実際に表示を見てみますと、その1食分というのは企業が勝手に設定したものであって、例えばぎょうざが3個で1食分ということもあったりするわけです。それがこれからも通用すると思われると、非常に問題があると思います。ですから、1食当たりの議論については、もう少し何かの形で、1食分という意味合いが、単に企業の都合で小さいサイズでもいいということではないのだということがわかるような形で情報を提供していただけるとありがたいと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

どうぞ。

○迫委員 サービングサイズにつきましての情報、国としての調査結果等々のまとまったものがほとんどないというのが現状でございます。そういう意味で、事業者が決める1食分でパーセント表示をするのであれば、非常に簡易にできるのですけれども、それは余り望ましいものではないだろう。やるのであれば、パーセント表示であれば、100gとか100mlという基準にのっとった形しか考えられない。

サービングサイズについては、これから先、情報を集める、調査結果等をまとめていくという作業が必要になってくるのではないかと思いますので、現段階での書きぶりとしては、通知の中にそれをきちんと書き込んでいって、そして今後対応していくという方向性で、そういう意味でサービングサイズの問題も、パーセント表示、割合表示の問題も、どちらについても通知の中に書き込んでいきながら、それが望ましいという方向性で進めていく。

その一方で、消費者庁としてというよりも、国としてと言ったほうがいいかもしれません。こういう情報を、日本人の1食分とは一体何なのか、食べ物について1食分とはどういうものなのか。エネルギー、たんぱく質等食事摂取基準はありますが、それを食事、さらに食品に置きかえなければならない。しかもそれが組み合わせで食べられるということがあって、1食分というものを捉えるのは非常に難しいということで、とりあえず、現段階でのサービングサイズの議論をまとめさせていただいたところでございます。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それでは、意見は出尽くしたようですので、時間もかかっておりますので、このぐらいにさせていただきます。この栄養調査会の報告書につきましては、修正については1点、まとめの体裁を他の調査会と同様にするというところで御了承いただいていると思います。そのほか、意見として多くいただいております。含有量ゼロの件、トランス脂肪酸の件、酒類の件、推奨の意味するものが明確になっていないということ、あるいは添加物の栄養表示、あるいはパーセント表示、そして最後のサービングサイズの件ということで、これについては、部会でこういった意見があったということを報告書に付記する形をとらせていただくことでよろしいでしょうか。はい。

それでは、今、私が整理しましたが、抜けているところがありましたら、事務局のほうにお伝えいただければと思います。よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

それでは、大分時間が押していますので、続いて「生鮮食品・業務用食品の表示に関する調査会の報告について」、池戸座長よりお願いいたします。

○池戸委員 それでは、資料3を見ていただきたいと思います。

「はじめに」の一番下のところに、この報告書は、5回にわたりまして審議させていただきまとめました。8名の委員とオブザーバーの委員の方々から熱心な御意見をいただいて、まとめさせていただいております。

それで、目次の次の1ページから御説明をさせていただきます。

まず、表示方法等の作成方針でございます。ここには、現行では食品衛生法の内閣府令、あとJAS法の品質表示基準といった基準があるわけです。真ん中辺に書いてございますが、これらの基準を用語の定義を統一した上で、新しい食品表示基準案として統合することがとりまとめられたということでございます。

とりまとめの基本的な考え方としては、共通的な要素を持つものは、可能な限り横断的事項とするということで、あとは個別のものとして対応すること。あと、食品表示法の第4条に基づきまして、食品関係事業者等の区分というマトリックスに従うということです。

イメージは、その次のページの図1-1に書いてございます。横断的事項と個別的事項の考え方も表に示したとおりでございます。

3ページに移っていただきまして、生鮮食品の個別の品質表示基準についても、横断的事項と個別的事項に整理して規定するという方向性でとりまとめさせていただきました。

次の4ページ、「生鮮食品」と「加工食品」の整理についてです。

2-1 「生鮮食品」と「加工食品」の区分でございます。これは、前々回の表示部会で、JAS法の品質表示基準における定義を引き継ぐということで、規定の仕方としては、別に定める規定で、「加工食品」、「生鮮食品」という形でいくという方向性がまとめられたわけですけれども、さらに調査会としては、「加工食品」と「生鮮食品」の概念を整理することになりました。

下の2-1に書いてございますような用語の定義、製造、加工、調整、選別というものに基づきまして、製造と加工に該当するものが加工食品、調整、選別に該当するものが生鮮食品という考え方であります。ただし、下の4行に書いてございますように、「製造」と「加工」該当する行為の例とか、「加工」に至らない行為の例が具体的にどうなっているかという議論になりまして、行為の実例を示していただいた結果、きちんと定義で分類できればよかったのですけれども、なかなか難しいということになりました。具体的にどのような行為が製造、加工、調整、選別に当てはまるかにつきましては、Q&A等で説明すべきとする方向性という形でとりまとめられました。

ただ、「新しい属性の付加」という概念が明確でない中で、行政の裁量に任せるようなことはないようにすべきという意見も出されておるところでございます。

あと、「加工食品」あるいは「生鮮食品」、どちらに整理された場合であっても、現行の食品衛生法で規定している衛生上の危害発生防止の観点から必要な事項については、引き続き義務とするという方向性でとりまとめられました。

あと、ドライマンゴーの例が出たのですけれども、今、対象になっていないような加工食品で整理するような食品については、新たに衛生上の危害発生防止の観点の事項も記載する形の方向性もとりまとめられております。

それから、添加物が使用された生鮮食品は新しい属性が付加されたと考えられるので、「加工食品」に区分されるのではないかという御意見。あるいは、「生鮮食品」と「加工食品」に二分するのではなくて、加工の程度に応じて表示事項が整理されるべきという御意見も出されました。

次に、異種混合の食品の取扱いでございます。これについては、現行のJAS法において、複数の種類の生鮮食品を混ぜ合わせたものは「加工食品」とされているところでございますけれども、異種混合の食品につきましては、1つは、一部の消費者の方から見ると感覚がずれているのではないか。あるいは、食品の多様化によって、食品本来の特性になじまない食品区分となっているものもあるということで、この考え方について見直すことが示されました。

この整理については、次の6ページの表2-2の考え方の案が出されまして、単に生鮮食品の組合せとか盛り合わせをしたものは生鮮食品で、混合されて、一体として商品化して摂取することに該当するものは加工食品でどうかという案でございました。

これについては、6ページの一番上の「しかしながら」のところにいろいろ意見が出ております。1つは、新基準で加工食品から生鮮食品に変更されるものについて、カットフルーツが一つの例ですけれども、消費期限とか保存方法など食品を摂取する際の安全性に関する情報の表示が義務でなくなることを懸念する御意見。あと、生鮮食品の組合せに一部、ほんの少しでも加工食品が入ったものでも加工食品とするというのは、一般的な消費者の感覚に合うかという御意見。また、刺身の盛り合わせの例では、インストア加工において原産地表示の正確性を確保するのは、スーパーなどで午後に最終的に残ったものを組み合わせる行為もされている。そういったところでは実行可能性が難しいという懸念の御意見も出されておるところでございます。

このため、この分野については何回か議論させていただいたわけでございますけれども、異種混合の食品の取扱いについては、摂取する際の安全性の観点、あるいは事業者の実行可能性を踏まえて、さらなる商品実態や、どこで線を引くかということが結構難しいところもある。あと、消費者が選ぶときの意識というのも再度調査した上で、検討する必要があるのではないかということで、これは要検討事項とされた形になっております。

それから、7ページ、業務用食品の表示についてでございます。

まず、業務用加工食品でございますけれども、これは基本的には、現行と同様に、安全性に関する情報、例示としてアレルゲンが出ております。それから、選択の機会の確保に資する情報、これは原料原産地の例が出ておりますけれども、そういった形で、次の8ページの表について義務付ける方向性でとりまとめさせていただいております。

ただし、業務用加工食品の場合は、原材料の配合割合が記載されているものは、重量順がわかるようになっていれば、必ずしも重量順に表示しなくてもよいという形になっております。それは、引き続きそのままということです。

なお書きで、原材料の情報を正しく一般消費者に伝えるためには、業者間取引において一部の表示事項が義務対象外となっているということで、外食とかインストア加工向け食品についても情報伝達を義務化することが必要であるという御意見も出されたところでございます。

次が業務用生鮮食品でございます。これも先ほどの加工食品と同様な考え方で、9ページの表のような項目に整理してございます。これも現行どおりの形になっているかと思います。

あと、業務用食品の表示の媒体については、現行、安全性に関する情報については、原則として容器包装の見やすい場所に記載しなければならないことになっておりますし、それから、一部例外もございますが、これも含めて現行と同様とする方向でとりまとめられました。

それから、選択の機会の確保に資するものも、現行のJAS法で言っている、容器や包装以外でも、送り状とかいったものの表示が認められている。ただし、製品に添付されていないものについて、当該製品を識別できるものに限られているということで、これについても、現行と同様とする方向性がとりまとめられました。

次の10ページ、添加物の表示でございます。これは、添加物のみ販売する場合でございます。添加物の表示につきましては、現行は府令で、主に食品衛生法の規定として示されていますけれども、一部、JAS法の対象になっているものがあるということでございますので、今回、両方の基準を新基準案という形で整理することになります。したがいまして、現行の府令どおり表示する。さらに、JAS法の一部の食品として対象となっている項目も一部加えるという形でとりまとめをさせていただいております。

ただし、一般消費者向けの添加物と業務用添加物を明確に区別することが可能かどうかという実態を踏まえた上で、義務付ける表示事項について議論すべきという御意見も出されております。

11ページ、用語の統一でございます。これについては、今、3つの法律に基づいて用語を整理しますと、表5-1に書いてございますように、3つの分け方がある。1つは、異なる用語が類似の意味を表している場合、例えば「水域」と言ったり、「海域」と言うもの。これらは、使い分けを含めて検討すべきだ。

2番目の異なる用語が同じ範囲の意味を表している場合。例えば、「容器包装」という言い方と、「容器または包装」といったものは、用語をどちらかに統一する。

あと、同一の用語が異なる範囲の意味を表しているということで、例えば食品衛生法は「送り状」で、JAS法は「送り状」の他に「規格書」等で、これはどちらかに統一して整理するという方向性がとりまとめられております。

その際、なるべく多く事例が出されるべきだという御意見や、消費者にとってわかりやすいものであるべきという御意見も出されております。

12ページは、現行の表示基準に係る通知等のうち、基準のほうに規定するものの議論をさせていただきました。考え方は、ポツが2つございまして、通知で課しているものの中で、安全性の確保の観点から、指導ではなくて、表示義務を課すべき表示ルール。もう一つは、基準と通知にまたがって表示ルールが規定されていて、ちぐはぐなもので、基準にまとめるという2つの考え方で、表6-1にございますように、安全性に関連したものですと、フグ中毒とかボツリヌス食中毒は基準に持っていくという方針です。

あと、ポイント数も通知の基準に持っていくという考え方でまとめております。

ただ、ここも一部の例示しか示されていないということで、新基準案に規定する通知等は全て示されるべきという御意見も出されております。

ということで、最後の「おわりに」では、今、申し上げたような方向性がとりまとめられましたけれども、特に異種混合についてはさらなる検討が必要ということで、上部組織である部会に報告させていただくということでとりまとめさせていただいた次第でございます。

以上でございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それでは、生鮮食品・業務用食品の表示に関する調査会の報告書について、補足することはございませんでしょうか。立石委員、どうぞ。

○立石委員 補足というか、6ページの6行目、「インストア加工における原産地表示の正確性を確保することの難しさや実行可能性を懸念する意見も出された」となっているのですけれども、結局、異種混合について、従来加工食品だったのが生鮮食品になってしまうということの整理です。そうすると、生鮮食品になった途端に原産地表示の義務がかかっていますから、そこがネックになってくるのですね。

この場合、インストア加工については、実はそれほど難しくないのです。ホワイトボードか何かに書けばいい話で、それは何とかなります。問題は、センターパッケージなどの場合、容器包装に詰めてくる場合に、例えば10種盛り合わせなどをつくった場合、全部書かなきゃいけないということのほうがよっぽど厳しいわけであります。結果的に何が問題になるかというと、原産地表示が生鮮食品には全部かかっているということと、加工食品だったらかからないという1点だけなのです。だから、何らかのルールがここで必要だろう。全部書く必要があるのか。重量順に3つぐらいまで書くとか、そういうことも含めてやらない限り、この問題というのは残るのです。

ですから、ここで書いてあるインストア加工におけるというよりは、私はそうじゃなしに、インストア加工だったら黒板とかホワイトボードに書けばいい話なのだけれども、問題は容器包装されたものについて全部書くということが、私は事業者の実行可能性と余り言いたくないけれども、最も厳しいところですね。ですから、こういったところがややニュアンス的には抜け落ちているというところを補足させていただきたいと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。そうしますと、6ページの書きぶりは正確ではない。「インストア加工における原産地表示の正確性を確保する」という部分なのか、あるいはこの書きぶりに対しての問題点の御説明をいただいたのか、どちらでしょう。

○立石委員 言いたかったことの1つは、つまるところは、今回、先送りになった原料原産地を避けては通れない議論の1つがここにありますよということと。

私のペーパーを出していますけれども、結局は一般消費者の自主的かつ合理的な食品選択の機会の確保の権利でいくと、原産地という、生鮮食品においてはきちんと行使できる消費者の権利が、加工食品になった途端に行使できないということについて、どう見るか。ここは、権利の侵害だということで、新たな検討の場をつくってくれと書いていますけれども、こういうところを詰め切れないわけです。原産地表示を抜きに議論しようとしたのですけれども、結局原産地表示にかかわってくるという典型的な例だということを申し述べたいことと、一刻も早く原産地表示についての議論をしていただきたいということです。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

どうぞ、石川委員。

○石川委員 生鮮と加工の区別の際に、生鮮食品に添加物を添加した場合に、これは加工食品になるのではないかと調査会で話をしたわけですけれども、加工の概念としては、この新しい属性を付加するということで、添加物をわざわざ生鮮に入れるということは、何らかの機能を付加させるわけでして、何らかの属性を付加されることは間違いないので、加工と扱わざるを得ないのではないかという話をしたのです。

ただ、見た目はほとんど生鮮で、加工に持っていくと保存の方法とか消費期限とか、さまざまな表示義務が一遍にくっついてくる。それはちょっと過分ではないかということで、生鮮に添加物を添加した場合については表示すべき必要性があって、生鮮ではあるけれども、一定の加工を施した場合については、それを現在の表示基準府令のように、放射線を照射した場合には放射線照射食品という形で表示するとか、添加した場合に添加物の表示をするとか、そういった個別的な表示義務を入れるべきではないかと思いまして、その点については報告書の中にないようですので、そういう意見をつけ足していただくか、この部会で報告書を踏まえた上で意見が出たという形で指摘させてもらいたいと思います。

○阿久澤部会長 どうぞ、事務局。

○山岸参事官補佐 今の石川委員の御指摘は、5ページの中段の「なお」以下に記載させていただいているところです。

○石川委員 すみません、見えてなかったです。結構です。

○阿久澤部会長 鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 前回、石川委員から、こういう形で意見が出たのはわかります。ただ、難しいのは、例えばかんきつに防カビ剤を使っています。これが生鮮食品じゃなくて加工食品となること。現場(店舗)ではばらで売られているから容器包装に入っていません。近くにポップで書きますということで、消費者から見れば、書いてあることがあれで、別に生鮮と加工をそこで無理やり法律上で分ける必要は、私は最初から言っているのですけれども、容器包装に入っていないのだったら表示のところでできるのですけれども、実際的には私、難しいと思います。

だから、それを法律的に、添加物を使ったから生鮮じゃなくて加工になりますという言い方は、これは果たして妥当なのかなという気はします。消費者はますます混乱します。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。では、御意見ということで。

そのほかございますか。板倉委員。

○板倉委員 私も最初から鬼武委員に賛成しておりまして、生鮮食品という概念が、人によってこれだけ多様にもかかわらず、それを無理に法律で決める意味があるのかというのは、最初から指摘したところです。今までの議論をずっと踏まえても、考え方としては同じでして、加工度の違いでそれぞれの表示義務の中身が変わってくるという考え方のほうがいいと思いますし、海外ではあえてそういうふうに無理に分けているということではないわけですから、そういうところも踏まえて見直しをすることがあっていいのではないかと思います。

最初にそう鬼武委員がおっしゃったときに私も賛成したのですけれども、ともかく消費者庁のほうからこういう案が出ているから、それでやりましょうということで話が進んできたわけですが、どうしても分けられないというか、混乱してしまう部分は残ってしまうわけです。ですから、ここまでを踏まえて、もう一度どういう組み方がいいのかということは、パブリックコメントの後でもいいですけれども、議論していくということもあっていいと思っております。

○阿久澤部会長 御意見ありがとうございます。

そのほかございますか。続いて。

○板倉委員 3ページの表1-2の食品衛生法で、個別の義務表示事項となっているところで、新基準案における考え方ということで、今の対象のものについては区別して、一定の要件を満たしたものに義務付ける横断的事項と対象食品に限定して義務付ける個別的事項に整理ということですけれども、これの細かい部分については、パブリックコメントでいただいた御意見も踏まえて、再度議論をさせていただけるということでよろしいでしょうか。

○阿久澤部会長 これはよろしいですか。

○池戸委員 私はそういう考えです。

○阿久澤部会長 はい。ということで、後で議論できるということでよろしいでしょうか。

そのほかございますか。よろしいですか。どうもありがとうございました。

それでは、この生鮮食品・業務用食品の表示に関する調査会の内容につきましても、今、生鮮食品への添加物に関する件で、生鮮・加工の定義とか、ちょっと無理があるのではないかという御意見がありました。もう一点、3ページの表1-2についての御意見。これを付記することでよろしいでしょうか。はい。

それでは、最後になりますが、「加工食品の表示に関する調査会の報告について」、宇理須座長よりお願いいたします。

○宇理須委員 わかりました。資料4を見てください。

まず1ページに、加工食品の表示方法等の作成方針について書いてございます。JAS法に基づく加工食品品質表示基準、これにおいては、名称、原材料名、内容量等の表示が義務付けられており、ちょっと字が小さくて見にくいですけれども、図1-1に示される46本の個別品目ごとの品質表示基準によって個別の表示義務が課せられているわけであります。

これらの基準を、用語の定義を整理・統一した上で、食品表示基準案という格好で統合していこうということが今回検討されてきたわけであります。

さらに、現行の食品衛生法、JAS法等の各表示基準を横断的事項と個別的事項に再整理するといった考えのもと、表1-1のように2つに分類して検討し、名称、アレルゲン、保存の方法、消費期限又は賞味期限、原材料名、内容量、製造業者等の氏名又は名称及び住所等の表示、原料原産地名、遺伝子組換え食品などを横断的事項とする。そして、食品別に定められた事項などは個別的事項とするといった方向性のもとにとりまとめてきたわけでございます。

ページをめくっていただきまして、4ページ、加工食品の横断的事項の表示でございます。

まず、名称の表示の方法ですけれども、これは現行のJAS法に基づく加工食品品質表示基準の「その内容を表す一般的な名称を記載すること」という共通ルールがあるわけですけれども、これに基づいて新基準も現行どおりに規定して、原則として品目ごとに整理するという方向性でまとめられてきたわけでございます。

次の原材料名の表示の順序でございますけれども、JAS法に規定されておりますように、「使用した原材料を、食品添加物以外の原材料及び食品添加物」と2つに区分して、原材料に占める重量の割合の多いものから順に記載する」という基本ルールがございますけれども、これに基づいていこうということでございます。

ただ、パン類、食用植物油脂、ドレッシング及びドレッシングタイプ調味料、風味調味料の4品目に関しましては、これまで原材料の添加物と区別されずになされていたのですけれども、今後は原材料に占める重量の割合の多いものから順に、食品添加物以外の原材料と食品添加物の区分をして、重量の多いものからとする基本案に統一しようということになりました。

続きまして、(2)の複合原材料でございますけれども、「複合原材料の名称の次に括弧を付して、当該複合原材料の原材料を当該複合原材料の原材料に占める重量の割合の多いものから順に、その最も一般的な名称をもって記載すること」が基本となっておったわけですけれども、例外といたしまして、分割する場合を2つ挙げております。中間加工原料を使用した場合であって、消費者がその内容を理解できない複合原材料の名称の場合。そして、ページ5、マル2中間加工原料を使用した場合であって、複数の原材料を単に混合しただけなど、消費者に対して中間加工原料に関する情報を提供するメリットが少ないと考えられる場合においては、分割することを認めようということになりました。

ただ、この複合原材料の表示に関しましては、国際基準や過去の経緯を参照しながら、まだ十分な討論をしなければいけないという意見もございました。

また、複合原材料による表示か、分割して表示するかというのを事業者が判断する。これは非常に難しいだろうという御意見がありまして、分割表示できる場合の条件の詳細をQ&A等で示してほしいという御意見もございました。

そして、その下の(3)原材料名の一部まとめ書きに関しましては、6ページの表2-1です。これも字が小さくて見にくいわけですけれども、こういった方向でやっていこうということになりました。

(4)簡略表記に関しましても、現行の基準のまま、横断的事項に規定するという方向性でまとめられたわけでございます。

次の(5)中間加工原料を使用した場合の原材料名の記載方法ですけれども、これは現行の加工食品品質表示基準Q&A(分かりやすい表示等)問46に、「加工食品の原材料は、最終製品を製造する事業者が使用する状態の原材料を、一般的名称で記載することを基本とする。」と記載されているわけですけれども、この考え方を横断的事項として新基準案にも取り入れようということになりました。

(6)品目ごとに定める原材料名の表示の方法でございますけれども、品目ごとに原材料名の表示の方法を定めるものについては、8ページの表2-2、これも字が小さくて見にくいと思いますけれども、現行基準のまま品目ごとに整理するという方向性でまとめられたわけであります。ただ、「砂糖類について『砂糖類』とのまとめ書き」、「栄養強化目的の添加物を記載させるもの」、「食用植物油脂の名称と原材料の同一表記」といったものについては、今後、共通ルールを前提として検討していかなければいけないという御意見もございました。

ページをめくっていただきまして、ページ8、2-3 内容量の表示の方法についてでございます。現行のJAS法に基づく加工食品品質表示基準に規定される表示の方法を共通ルールとしてとりまとめられてございます。

ただし、横断的事項に加えて、製品の一部の構成等について付加的に重量を記載するなど、計量法によらない個別の品質表示基準のルールについては品目ごとに、これは次のページの表2-3でございます。現行基準のままということになりました。

ページをめくっていただきまして、10ページ、3.加工食品の個別的事項の表示について説明をいたします。

まず、3-1の定義でございますけれども、JAS法において、名称、形状、大きさ、色、使用される原材料等について定義がされておるわけでございます。定義については、原則変更せず、新基準案においても名称、形状、大きさ等、品目ごとにまとめて規定することになったわけでございます。

ただし、名称の定義の範囲でございますけれども、その品目の実態に合わず実態と齟齬のあるものについては、その定義を修正する、または削除するといったこともまとめられております。

また、現状と実態に合っていない表示の定義が他にもないか、さらに精査してほしいという御意見も出されたわけであります。

3-2の義務表示事項でございますけれども、現行の表示基準府令等に規定されている食品については、「加工食品」と「生鮮食品」のどちらに整理された場合であっても、衛生上の危害発生防止の観点から必要とされていた表示事項を、これは表3-2に載っておりますけれども、引き続き義務付けることとなったわけであります。

また、簡易な調理、加工のみが施された食品に関しましては、現行のJAS法に基づく表示事項に加えて、新たに、衛生上の危害発生防止の観点から必要とされる事項、例えばアレルギー表示、製造所(加工所)の所在地及び製造者の氏名等を記載することとまとめられたわけでございます。

また、JAS法に基づく個別の品質表示基準に規定される義務表示事項とは、消費者への情報提供の観点からこれまで義務とされている事項であることから、新基準案においても引き続き品目別に規定していこうとなったわけであります。

また、プレスハム、混合プレスハムにおいては、ソーセージなどの表示の方法に統一する。原材料に併記して「でん粉含有率」の表示事項の項目を立てて表示することになったわけでございます。

ページ11の3-3 一括表示枠外の表示事項であります。一括表示枠外の表示事項は、新基準案においても引き続き品目ごとに規定するとなったわけであります。

3-4の表示禁止事項ですけれども、ページ12に移ってください。食品表示基準においても引き続き規定することになったわけです。品目ごとに定められている表示禁止事項のうち、マル1商品特性によらないものについては、横断的な表示禁止事項として規定し、マル2商品特性を考慮すべきものは、可能な限り品目を整理した上で、個別的事項として規定し、マル3品目独自のものは、品目ごとに個別的事項として定めるとまとまったわけであります。

また、実態と齟齬のあるものに関しましては、現行の表示禁止事項を削除するという方向性が表3-2にまとめられてございます。

また、対象となる成分を特定せず「無添加」といった表示をすることに関しましては、禁止事項にしていただきたいという御意見も出たわけであります。

13ページの4.表示責任を有する者等の整理でございます。

表示責任を有する者に関しましては、JAS法と同様に、表示責任者の欄に「製造者」、「加工者」、「販売者」又は「輸入者」という表示をするという新基準案の方向性が表4-1にまとめられております。

そのとき議論がございましたけれども、「製造者」、「加工者」の定義を明確にすべきではないか。定義が明確にできないのであれば、Q&Aの整理が必要じゃないかといういろいろな意見が出たわけでございます。

次に、4-2 実際に製造や加工を行う場所については、「製造所」、「加工所」(輸入の場合は「輸入元」又は輸入者の営業所所在地)といったことを記載することが定められたわけであります。これは表4-2に示されていて、現行どおりということでございます。表4-2は14ページにございます。

引き続き、4-3 製造所固有記号について御説明いたします。新基準案では、製造所固有記号による表示を認めるという方向性が示されております。

(1)包材の共通化という事業者のメリットを維持する観点から、原則、2カ所以上の製造所において同一商品を製造・販売する場合のみ、固有記号の利用を認める。

(2)固有記号を利用する事業者には、消費者からの問合せに応答する義務を課す。

(3)一定の猶予期間を設けて、現在届出がなされている固有記号を全廃して新固有記号制度へ移行し、マル1固有記号に有効期限を設けて更新制とする、マル2届出内容の変更・廃止届出を新たに義務付ける。

(4)消費者庁に新固有記号データベースを構築し、消費者からの検索が可能となる一般開放及び事業者からの電子申請手続について検討する。

このような基本的な考え方が提出されたわけでございますけれども、(2)~(4)の応答義務あるいは更新制あるいはデータベースの構築といったことは、おおまか認められたわけでございますけれども、意見といたしまして、電話による応答はトラブルが起きやすいということから、努力規定としてほしいという意見もございました。また、固有記号を認めることはまだまだ十分議論がされていないということから、継続審議としてほしいという御意見もございました。

ページをめくっていただきまして、マル1からマル4にさまざまな固有記号に関する御意見を整理してございます。

例えば、マル1は、例外規定である製造所固有記号は、原則廃止すべきだという御意見でございました。

また、マル2の例外規定を認める条件を明確化し、表示面積により記載が難しいなど、定められた条件を満たした場合のみ製造所固有記号による表示を可能としたらいいのではないか。

あるいは、マル3の自社の複数の工場で生産している場合のみ製造所固有記号による表示を可能としたらいいのではないか。

マル4の現行制度の問題点が整理されていない段階で実態を踏まえずに大きな改正をすべきではなく、現時点においては明らかに問題となっているデータベースの構築、(2)~(4)に取り組むに留めるべきだろうという、種々御意見がございました。

そして、原則、2カ所以上の製造所において同一商品を製造・販売する場合のみにおける「同一商品」といった言葉の定義を明確にすべきだろうという御意見もありました。

また、製造所固有記号そのものの考え方に関しまして、冷凍商品の農薬混入事件は食品リコールの問題として捉えるべきであり、これに対処する方法といたしまして、固有記号だけで解決するわけではなくて、もっと総合的な方策を検討すべきだという御意見もございました。

そして、事業者、消費者の意見を聴取し、その結果を踏まえて、さらなる検討が必要ではないかという御意見、いろいろ出たわけでございます。

ページをめくっていただきまして、16ページの5.販売形態ごとの適用範囲でございます。販売形態ごとに適用対象にするかどうかの検討に当たりましては、現行と同様の適用範囲とするという新基準案、表5-1と、17ページの表5-2といった案が認められたわけでございます。

しかし、例えばインストア販売というような、あらかじめ容器包装されて販売されるような場合には、あらかじめ容器包装された商品をショーケースの中に入れて販売するケースなどの販売形態など個別の事例について、現行基準の確認が必要であるとの意見とか、表示内容の情報伝達がなされていなければ、店員が消費者に聞かれても答えきれないだろうから、原材料に関する情報伝達は義務化すべきだ。あるいは、店員による消費者への応対については努力義務とすべきだ。しかし、アレルゲンに関しては、これはリスクがあるということなので、情報提供は義務化だろうといったさまざまな御意見も出たわけでございます。

ページをめくっていただきまして、18ページ、6.レイアウト、文字の大きさについてでございます。

まず、6-1の文字の大きさですけれども、容器包装の面積が30cm2以下の場合は、文字の大きさを5.5ポイント以上、容器包装の面積が30cm2より大きく、かつ、表示可能面積が150cm2以下の場合は文字の大きさを6.5ポイント以上とすることが示されたわけですけれども、これに関しましてもいろいろ意見が出たわけでございます。

(1)容器包装の面積が30cm2より大きく、かつ、表示可能面積が150cm2以下の食品が、実際市販されている食品の何割ぐらいを占めているのかとか、事業者に対してどれくらいの影響が出てくるかといった実態調査をすべきではないかという御意見もございました。また、実行可能性という点からしますと、本当に必要な面積はどの程度なのか。あるいは、8ポイントの文字の大きさの拡大について検討を行う必要があるのではないかといった意見が出て、文字の大きさについては、当面、現行基準の150cm2以下の場合、5.5ポイント以上とするような方向性でとりまとめられたわけでございます。

ページをめくっていただきまして、19ページの6-2.容器包装の面積に係る省略規定についてでございますけれども、省略規定を可能とする面積を30cm2以下のままとして、「名称」、「アレルゲン」、「消費期限又は賞味期限」、「保存方法」、「表示責任者」を義務表示とするという方向性でまとめられたわけでございます。

しかし、栄養表示が義務化となる方向で進んでいるわけですけれども、文字数が増加するため、省略規定を可能とする面積の拡大が必要ではないかという意見が出されましたし、表示事項と実行可能な面積についての検証をさらに行う必要があるという御意見もございました。

6-3の表示のレイアウトに関しましては、様式1及び様式2を別々に規定する。これは、20ページに様式1、様式2が記載されてございます。

そして、様式1と様式2は別面に表示してもよいとか、食品添加物以外の原材料と食品添加物は、違いを明確にするために区別できるような表示をすべきだろう。

あるいは、附帯事項といたしまして、原材料と食品添加物の違いを明確にするために区別できるようにすることについては、新基準案に盛り込もうとなったわけですけれども、消費者のニーズ、行政側の判断について考えを示した上で、原材料と食品添加物の違いを明確に区別できるための表示方法をQ&A等で示すべきじゃないかという御意見もございました。

また、可能な限り義務表示事項を枠内に表示しようとか、弁当等のように裏返して表示を確認することが困難な商品につきましては、アレルギー表示などの食品を摂取する際の安全性に関する表示事項は裏面に表示してほしくないといった意見もあったわけであります。

ページをめくっていただきまして、7.食品表示基準におけるアレルゲンを含む食品の表示についてでございます。

7-1.アレルゲンの代替表記につきましては、アレルゲンを単に平仮名、片仮名、漢字等に変えたものについては、あらためて「原材料名(○○)を含む」、「添加物名(○○由来)」と表示する必要性は低いのではないか。これらについては、引き続き、代替表記として存在させる。認めていこう。しかし、マヨネーズのような特定加工食品とか、からしマヨネーズのような拡大表記は廃止していこうということになったわけです。

ページをめくっていただいて、22ページでございます。代替表記の拡大表記のうち、卵の「卵白」、「卵黄」は廃止しようとなりました。

そして、「乳」でございますけれども、「乳」以外のアレルゲンに準じた見直しを行うという方向性でまとめられております。23ページの表7-3に載っております。そして、「バター」、「チーズ」といったアレルゲンを含む原材料と同一であるということが理解できる表記とは言えないので、特定加工食品等として扱うべきだという御意見もあったわけであります。

7-2.アレルゲンの個別表示と一括表示でございます。個別表示を原則とするということですけれども、例外的に一括表示を可能とすることになったわけであります。一括表示につきましては、アレルゲンそのものが原材料に使用されている場合や、代替表記等で表示されているものも含めて、一括表示に記載する場合には全て表示することになりました。

個別表示の繰り返しになるアレルゲンの省略につきましては、最新の知見を踏まえて、仕組みを一部改善していこうということになりました。

そして、食品関連事業者以外の販売者についても、アレルゲンを含む食品の表示の対象になる場合もありますので、普及啓発をしっかり行っていくべきだろうという御意見もございました。

また、個別表示におきまして、アレルゲンの繰り返し表示が省略となった経緯の説明が求められておりまして、アレルゲンの最新の知見についても、さらなる収集をしていき、エビデンスを蓄積していくべきだという御意見がありました。

ページをめくっていただきまして、26ページの8.加工食品関係の用語の統一でございますけれども、現行の食品衛生法、JAS法、健康増進法に基づく表示の基準におきまして、それぞれ用語が必ずしも統一されているとは言えないことから、新基準案におきましては、用語の使い方が異なる点の整理・検討を行っていこうということでございます。異なる用語につきましては、その下にあります表8の3つのパターンに分けて整理し、これに従っていこう、これを基本方針としようということが認められたわけであります。最終的な新基準案に使用される全ての用語の個別、具体的な一覧表を整理していただきたいという御意見もありました。

これで報告書の本文が終わったわけですけれども、最後の27ページに「おわりに」という部分がございます。これに関しましては、本文に載っていることは繰り返さないという趣旨で、非常に簡単になっております。読ませていただきますと、本調査会では、上記のとおり検討、整理をおこなったが、以下のとおり課題が残ったので、上部組織である食品表示部会に申し送ることになったわけです。

(1)製造所固有記号につきましては、事業者、消費者の意見の結果を踏まえ、製造所固有記号の在り方について検討しよう。例えば、製造所固有記号の使用は認めないという御意見。表示可能面積に制約がある場合にのみ、製造所固有記号の使用を認める。自社の複数の工場で製造する場合のみ製造所固有記号の使用を認める。消費者庁のデータベースの改善措置のみで十分じゃないかという御意見があったわけであります。

そして、(2)表示のレイアウトに関しましても、栄養表示が義務化されれば書くことがたくさんになってしまう。30cm2以上の表示事項の省略規定についても検討してほしいという御意見もあり、ここに記させていただいたわけでございます。

以上であります。どうもありがとうございました。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

それでは、加工食品の表示に関する調査会の報告書について補足することはございませんでしょうか。立石委員。

○立石委員 この報告書が来るのを待っていたのですが、来たのはきのう夜中の1時ですか。ですから、実はきょう、朝しか見られなかったので、細かい点では十分な検証ができていないですけれども、まず1つは、今回、共通ルールでいこうということで、これまでJAS規格から始まって個別品質表示基準ということで、それぞれ業界とかなり細かく決めてきた。これは、横並びで非常におかしなところもあるから1つにしましょうよというのが基本だと思います。ですから、そのことがなぜできないかということを幾つか私、書いた。冒頭の今回の調査会の1回目に書いた問題が、結局最後まで何も答えがない中で終わってしまったということで、私はそこに何か問題があるのではないかと思っているのです。

その1つが、私のペーパーの中で、共通ルール・原則とは異なる整理事項ということで、まず添加物表示の問題を書いています。原則は、全て当該添加物の物質名を表示するというのが原則なのです。この原則がありながら、さまざまな課題があるのです。一括表示とか簡略表示ということで出てこない。これは、次のテーマとして置いておくとして。

L-アスコルビン酸については、酸化防止剤として使用された場合は、「酸化防止剤(ビタミンシC)」と記載されますが、栄養強化目的で使用される場合は、22の特定の品目。この22の特定品目については、栄養強化で使った場合は表示を省略することができない。何を言いたいかというと、今回の新しい法律においても、栄養強化の目的で使われた添加物については、表示しなくていいというルールが明確に書き込まれている。ということは、L-アスコルビン酸の例をとれば、これは事業者の判断。酸化防止剤を使っていても、栄養強化で使っているのですよと言ってしまえば表示されないことがあるのです。

こんなことが果たしていいのかということを私は問題があると思っています。消費者から見て情報がきちんと開示されないことを見直すべきじゃないかということを、1回目の調査会で文書を出したのですけれども、このことも全然議論されないうちに、ここの基準案に書き込まれている。ですから、こういったことについてなぜできないのかということは明確にすべきだと思います。できない理由は何なのですか。この業界においては、こういうことでと理由があって、消費者が納得できる答えがあればいいと思う。

次のページの糖類も、簡略表示できるというのが、畜産物缶詰、乾めん類、パン類、レトルトパウチ、チルドぎょうざ類、調理冷凍食品となって、ほかのものは全部細かく書かない。ということで、なぜこの品目だけ特別扱いするのですかというのが、どうもはっきりした答えがないように思っています。ですから、今回この基準案で残っているのです。残す以上は、明確にこういうことで残すのですよということを書くべきだと。そうじゃないと消費者から見てわからない。糖類について、なぜこの品目とこの品目の書き方が違うのかということです。

それから、食用油脂は冒頭から申しましたけれども、明らかに他の食品と原材料の書き方が違うわけです。日本の食用油の表示例ということで、品名が食用大豆油、原材料名も食用大豆油です。韓国は、違うのです。きちんと大豆油と書いて、大豆100%(輸入産)まで書き込んでいるということで、消費者から見てどちらがわかりやすいのですかという視点です。なぜここだけ特別ルールにするのですかということを明確にした上で、今回、基準案を示すべきだと思います。

それをまず言いたい。ほかにもいっぱいあるのですけれども、ここで1回とめます。

○阿久澤部会長 御意見ということです。

そのほかございますか。どうぞ。

○石川委員 1点、今の添加物の栄養強化目的の例外というのが、現行、加工助剤とキャリーオーバーと栄養強化の3つがあって、2つはそれなりに意味がわかるのですけれども、これだけなぜこのように例外的に表示しなくてよいのかという根拠がはっきりしないので、はっきりしない例外ルールは新しい食品表示基準に移行させないという基本的なスタンスでいいのだろうと思っているのですが、そういうスタンスで考えると、この例外規定は外していいのではないですかということを言いたいと思います。

○阿久澤部会長 同様の意見ということです。

鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 栄養強化を外す理由について、今までどうだったかという経過をまず聞いた上で判断したいのですけれども、消費者庁のほうで説明してくれますか。

○阿久澤部会長 それでは、消費者庁のほうから。

○船田課長補佐 栄養強化のための添加物ですけれども、今、例外規定といいますか、JAS法の品質表示基準のほうで、あえて表示することが一部の品目だけ定まっているということです。今回、個別のルールについてはそのまま移行しますという話なので、栄養強化の目的で添加物を表示すべきとなっている事項については、そのままその品目については、今、義務となっていますので、その義務をそのまま移行したということでございます。食品衛生法のほうでは、あくまでも書かなくてよいという横断ルールになっているところを、あえてJAS法のほうでは書きましょうという話になっているというのが現状でございます。

JAS法のほうですと、従来、JASの規格がございますので、JASの規格のほうでは使える原材料とか添加物を定めてきた経緯がありますので、そこで表示すべきという考え方のもとに添加物も表示させてきたということでございます。食品衛生法とJAS法の考え方が違うところがあって、現状のあくまで義務となっているところをそのままスライドさせております。今後、食品衛生法で義務となっていないところを、品目を拡大して全部書きなさいとした場合には、これは義務の拡大になってしまいますので、これは慎重な検討が必要ですということを調査会の中でも一応説明したという記憶がございますが、ここで改めて説明させていただきます。

○阿久澤部会長 今の件。はい。

○立石委員 食品衛生法では、添加物を含む食品にあっては、当該添加物の物質名を表示するというのが大原則じゃないですか。食品衛生法上、添加物は物質名で表示することが大原則としてあるわけです。そのことを今、船田補佐は否定しているのですよ。大原則は、そういうことです。

それから、JAS法上でということでいくと、22の特定品目は栄養強化で使われても表示することが書かれているのです。だから、天秤をかけたらどうなのですかということです。今、個別品質表示基準が47でしたか。そのうち22は書かなきゃいけないというルールがあって、ほかのものは書かなくていいというルールが混在しているのです。今の答えは、そこについての説明には全然なっていませんよ。

○阿久澤部会長 いかがですか。

○立石委員 まず、物質名というのは書かれているでしょう。食品衛生法の原則。

○岩城課長補佐 食品衛生法では、添加物は原則物質名で書くことになっております。それで、補足ですけれども、食品衛生法で栄養目的の添加物は省略が認められることになっていますけれど、これにつきましてはコーデックスの中で、栄養強化目的で添加物が使われて、品質の維持若しくは、改善のため食品に添加される物質は含まないとされている。日本も国際整合性の観点から、表示を免除している。

○阿久澤部会長 はい。

○立石委員 食品衛生法で、原則として物質名を表示するというのがあって、なぜ外したかというと、安全衛生の観点の法律だから、栄養強化に使うものについては、食品衛生法上の観点から必要はないと判断されたと思います。一方、JAS法の観点、選択とか情報開示とか、消費者の目線から見た場合に、これはちょっとおかしいですね。特定の22品目だけは表示を書かなきゃいけない。残りは書かなくていいというのが混在しているということは、ある面では消費者の選択の権利を侵しているのです。片方は書かれて、片方は書かれていない。

それから、最も問題は、先ほど言いましたとおり、酸化防止剤が使われているわけです。主に酸化防止剤が使われているにもかかわらず、栄養強化と判断されてしまったら出てこないということは、事業者が恣意的にその情報をコントロールできることを許しているということですよ。そんなことで、いいのですかということを申し上げている。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○板倉委員 食品添加物については、別に機会を求めて議論すると聞いていたので、私は特に発言してきませんでした。このままで、変えるのは大変だから前のとおりに切り張りしたままで通していくということであれば、やはり問題があると思います。

実際に、かなり前なので、今は商品が違うかもしれませんが、ハムの場合に酸化防止剤が使われていても、ビタミンCが供給源になるぐらい出てきたというテスト結果もありましたし、それから国民生活センターがちょっと前に情報提供された、葉酸を含むサプリメント等の商品の場合ですけれども、葉酸を食品添加物として加えているにもかかわらず、ほうれん草とか食材から葉酸が供給されているように見えるように、あえて表示していなかったと疑われるような商品もあったということがございました。

食品添加物はその国によっても違うと思いますけれども、日本の国にあって、どういう表示が妥当かということについては別の機会に議論していただきたいということで、そういう意見があったということを付していただいて、まとめていただければと思っております。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

そうしましたら、立石委員からの意見をはじめ、いくつかが、共通ルールを原則として異なる整理事項の中に、省略と簡略記号とか特例など、この加工食品ではなぜ残すかという理由を書くべきという御意見だったと思います。それと、皆さん関連したもので、ぜひこういったことについて意見があったことを付記させていただきますと同時に、それぞれの食品の整合性がとれる形での諮問となってくることを期待しております。どうぞ。

○石川委員 すみません、製造所固有記号も例外規定だという認識で、原則ルールがあって例外規定を移行するに当たって、その合理性をきちんと考えるべきであるという視点でつながる話として、今、させてもらいますけれども、食品衛生法上は、製造所等を表示すべき義務があって、製造所が2つある、販売者がいて製造者があるとか、複数の住所・氏名を表示しなければならない場合に、こういう記号を使って表示を省略できるという例外規定があったと思いますけれども、今回、食品表示法では、JAS法の表示責任を有する者の表示と製造所等の表示という形で、法制度上、2つのルールを統合するので、2つの住所・氏名をもともと記載しましょうというルールに変わります。

ということは、2カ所あろうが、もともと2カ所表示しましょうというルールになっているので、例外的に固有記号にするという根拠がなくなってしまうだろうと思います。それと、輸入者の場合、表示責任者として製造者・加工者が結果的に2つのルールで重なりますからいいのですけれども、販売者と製造者、販売者と加工者、販売者と輸入者の場合は、これは2つ書かざるを得ないですね。その場合に、加工者と輸入者については固有記号制度がないので、販売者・加工者、販売者・輸入者は住所と名前を書かざるを得ないのです。制度上、そうなってしまっています。

そうすると、製造者の部分だけ製造所固有記号で代用できるというルールが、ほかの制度と全く整合しない形になってしまっています。2つの表示をしなければならない中で、加工者と輸入者をきちんと表示するのです。販売者・輸入者、販売者・加工者。ところが、販売者・製造者だけ表示しなくていいというルールになってしまうというのは、新しいルールで考えた場合に、理論的にきちんとした説明ができないのではないか。

あくまで慣例上やっているから、それを使わせてくれというだけの惰性の話でしかなくて、新しい制度をつくるに当たって、そういう形でいいのかという点が前回の議論の後、もう一度考えなければと思った次第ですので、この表示責任者ルールと製造所ルールという2つのルールを導入するという大きな前提を考えた場合は、固有記号制度だけ浮き彫りになって、はっきり言って導入できないだろう。ですから、いろいろな提案をしましたけれども、表示面積の問題も言いましたけれども、そもそも論として、原則というよりも、成り立たない制度ではないか。

これは、制度上の話としてですね。実際上の話はしていません。実際上の必要性が事業者の方にあるというのはわからないではないという前提ではありますけれども、そのあたりで無理からに導入するのはかなり難しいのではないかと今、思っています。

○阿久澤部会長 今の石川委員からの御意見ですが、これは今回の加工調査会の報告案の範囲内の御意見ということでよろしいでしょうか。

○石川委員 前回説明した内容よりも、ちょっと踏み込んでいます。制度論的に、2つの制度を導入した以上、片方だけ簡略的に固有記号にして表示面積を省略できるというルールが成り立たないのではないかという指摘はこれまでしていなかったものですから、指摘させていただきました。

○阿久澤部会長 その部分を付記させていただきます。

はい。

○立石委員 今の指摘は、とてつもなく大きい指摘で、実は議論の中で出ていないのです。私は本当にそのとおりだなと思ったのですが、法律のたてつけ上の問題で、今回一本化するに当たって、今、石川委員の言われた点は消費者庁はどういうふうに考えられていますか。要は、石川委員の解釈で本当にいいのかどうかという。私は、販売者を書く場合製造者が出てこない、今の問題を書いたのですが、製造者が出てこないということで、選択の権利を侵しているのではないかということまで言っているのです。今の話だったら、出てくる前提であれば、それは話としては違ってくるのです。

だから、そこの解釈のところ、法律上、2段になっている。食品関連事業者等の氏名又は名称・住所を表示する。その下に製造所という2段書きになっている。この辺が実はあいまいなところであって、私がわからなかったのは、その後にまた出てくるのです。本体-29かな。いわば、食品関連事業者の氏名又は名称及び住所を表示しなくていいというルールが出てくるのです。そうすると、どういうことを言っているのか。加工者だと、こちらを書くという前提としていいのかなと。

そうすると、今の石川委員の言われた話と符合するわけです。書かなきゃいけないというルールがもしあるのであれば、製造所又は加工所の所在地を絶対書かなきゃいけないというルールがあるのであれば、固有記号自体のそもそも論で始まったときに認められないわけです。販売者と製造者の今の様式2というのは認められないという整理なのかどうかというのは、これはちょっと大きな議論ですね。

○阿久澤部会長 石川委員と同様の意見ということで。

はい、鬼武委員。

○鬼武委員 現行がどうなって、多分まだ十分な議論ができていないのですけれども、今、新しく3つの法律が合わさったときに、原則、表示責任者と製品を持っている2カ所書かないといけないルールには変わっていない。だから、輸入者であれば輸入者だけであって、そこに販売者とか何か2つの住所と氏名を書かないといけないということはないですね。だから、現行のルールで、多分石川委員の言われているのは、統合したときに理想形としては、製造所固有記号という以上に、販売しているところと製造者とかをきちんと書くようなことは原則じゃないかと、おっしゃっている意味は私もわかります。

ただ、それを十分に議論するのだったら、私は前から言っているように時間が足りないのではないでしょうか。今回のことで2カ所書かせることになって、輸入者の問題については輸入者の、例えば中国何とか省何とか製造所でつくられていると書かないといけなくなるのですかということになるのです。現在の法律はそうなっていないでしょう。輸入者だけでいいのでしょう。だから、その辺のところは消費者庁がきちんと資料を出して説明してくれないと、いつも蒸し返しになっていると私は思います。今後の課題であるのだったら、それを整理してもらうことが大切。

それを翻して言うと、今回の製造所固有記号の根っこはもう少し議論すべきだと私は思っているのです。これはリコールの問題と分けて考えるべきだから、そこだけを少し私は慎重にしてほしいということがあったから、それをあえてここで議論されるか、そこも含めて大きな議論になっていると思うから、もしその議論があるとすると、製造所固有記号の話に戻すと、私は現行の製造所固有記号について消費者庁が持っているデータベースに欠陥があったので、まずそこを是正して、その関係のことを是正した上で、製造所固有記号の全体的な見直しをもう一度きっちり議論すべきだという意見がありますので、それは必ず付記してほしいと思います。今の報告書には、そういう書き方になっていません。

ちょっと拡大しましたけれども、そういう意見です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

池原委員、どうぞ。

○池原委員 まさにこれは、昭和34年に施行規則が改定されたときに、販売者を表示する場合には製造所固有記号を使うことができるということが、初めて明確に規定されたと理解しておりますけれども、そのときの考え方をもう一回きっちりとレビューしていただく、まず、食品衛生法の世界で、どういうことで、これを例外として認めたのか、をきっちりと明らかにしていただく、それが必須ではないかと思います。

そのときの一つの考え方に多分なると思われることが、当時の日本食品衛生協会の資料の中に解説がありまして、そこにはどういったことが書かれているかというと、「これまで、食品衛生法の中では製造者を書かなければいけない。それは、商品に対する、食品に対する、安全性の責任は製造者が負っているからだという考え方だった」のですけれども、その当時、「いろいろ物のつくり方が変わってきて、どうも販売者こそが食品の安全性に対して責任を負っていると解釈したほうがふさわしい場合が非常に多く出てきた。だから、食品衛生法として書かせるべき事業者は、製造者ではなく、販売者こそ、書かせるべきだ」、という議論があったみたいです。

そのときに、「では、製造所の情報というのを書かなくていいのかというと、それはそうではなく、何かあったときに、行政・保健所が直ちに現場に行けるように、それは必要ですね。だから、それは記号で書きましょうね。」という整理がされているみたいです。で、その本質は何かというと、「販売者と製造者、製造所情報と言ったほうがいいですが、それを2つ書くことは、消費者にとって、責任の所在が不明確になる。それは避けなければならない。その食品に対する責任者は唯一にするべきである」という考え方がまずあって、それに加えて、先ほどの「製造所の情報については、行政にとって必要なので、なくすことはなく、これを記号で表示しましょう」ということで、要するに、消費者の混乱を防ぐためにそういったものを導入したという、そういう考え方があるのではないかと思います。

そして、この考え方が、この間から述べておりますとおり、平成16年の共同会議の中でも、こういった理由でこれを認めているのだという資料が明確にあります。これは政府の公式見解だと私は思います。ですから、こういった例外規定として認めてきた理由、背景、目的というものを、もっときっちりとレビューしていただいて、それをもとに、今後統合していくに当たって、ではどうしていくべきなのかという議論をきっちり組み立てた上で、決めていかなければならない、大きな問題だと私は思っています。

それで、今回、案という形でマル1からマル4まで書いていただいているのですが、前回の調査会において、私は、これを加えてくださいとお願いして、それについてはオーケーをいただいたと認識しております。それは何かというと、今、まさに言ったところで、例外規定として使用を認めている条件といたしまして、消費者庁に1つ提案いただいていますが、それに加えて、「表示可能面積に制約がある場合」と、「販売者が安全性の責任を有するため、販売者を表示する場合については、固有記号による表示を可能とする」、これは私の意見ですので、まず、それはそれできっちりと、例えばマル5でもいいですので、書いていただきたいと、これは重ねてお願いいたします。

○阿久澤部会長 どうぞ、石川委員。

○石川委員 池原委員は、基本的に重大な問題を指摘されて、非常に問題だと思っています。というのは、食品を製造・販売する全ての人に責任があるべきであって、責任を単一化せよというのは余りにも暴力的な議論だと思っています。零細な販売者が巨大なメーカーによって作成された場合、製品をつくったメーカーが責任を負わないとか、その反対はあり得ない。両者がともに責任を負うべきであって、責任者を明示せよというのでしたら、販売者・製造者を明確に出していかなければいけない。

それは、PL責任の話とこの表示とはちょっと次元が違いますけれども、請求する場合、表示が必要ですけれども、販売者のみで製造者がいない場合、販売者が倒産していなくなった場合に、製造者はどこにいるのですかという場合に製造者に対して請求追及できるというのは非常に重要な話です。

製造者だけじゃなくて販売者も必要であるというのであれば、併記するのが原則だと、安全に関する責任に関しては、むしろそのほうが正しいのだと。販売者こそが責任者だという発想は、製造者だけが責任者だとは思っていないけれども、販売者も製造に関して責任を持つような立場に過去なったから、販売者の責任も必要だということで、責任が加重される意味合いでの議論だと思います。ですから、販売者だけに責任を負わせればいいのだという発想で単一責任者という議論で、表示の問題も含めて議論するのは極めて問題だと。むしろ反対のほうがいいと思います。

○阿久澤部会長 立石委員、どうぞ。

○立石委員 まさに今、石川委員のおっしゃるとおりですよ。食品衛生法でも、そもそも販売者という概念はないのです。たまたまこういう記号が出たとしても。

それから、最も欠けているのは、今回の新しい食品表示法における消費者の自主的かつ合理的な食品選択の機会の確保の権利を侵しているということですよ。製造者は書かない。原則書くことになっているにもかかわらず、書かないということは、これは隠れみのに使っているわけです。何度も申し上げているけれども、その実態を私は一番よくわかっているから言うわけでありまして、石川委員のおっしゃるとおりで、ここは見直すべきです。

○阿久澤部会長 池原委員、どうそ。

○池原委員 私が、先ほど申しましたのは、昭和34年とかに、過去、どういった考え方で例外規定を認めてきたのかというところを明確にしてもらった上で、今、まさに言われたような議論をこれからやっていきましょうということを申しただけです。だから、まずはどういったことが過去議論されてきたのか、考え方があったのか、というのをぜひ整理していただきたいというのが1点です。

もう一点は、今後の議論ですけれども、国際基準との整合という観点で考えたときに、まさに、コーデックス、EU、アメリカはその考え方で整理しております。今後の議論においても、ぜひそういったところを踏まえて、我々の評価軸として、きっちりと整理していただいた上で、議論していきたいと思っております。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。製造所固有記号あるいは表示責任者ルールにつきまして。どうぞ。

○河野委員 製造所固有記号に関しては、今回、加工食品調査会でもかなりいろいろな意見が出て、現在でも御意見といいましょうか、皆さんのコンセンサスがなかなか得られないところかと私自身も思っています。最終的にいろいろな議論をここに書いていただいて、パブコメにかけていただく、広くいろいろな方の御意見を伺うことが、国民全員消費者ですから、皆さんそれぞれがどう考えるかというところは、ぜひ伺いたい。それが申し上げたい1点目です。

2点目は、15ページに、最初から私はこの件に関して、これが取り出されて検討に付されることになった大きなきっかけというのは、昨年末の冷凍食品農薬混入の回収がスムーズに進まなかったことが一つの要因であると思っておりますし、そのことがここに書かれています。ただ、その対策として、これが見直され、しかも見直しの中身が非常に議論を呼ぶような形であるところに、私自身は納得できないものを感じています。消費者の権利として、製造場所を知りたいとか製造者を知りたいというのは当然あると思いますし、それに答えていただければ、それに答えていただきたいというのは大前提です。

ただ、選択のときに、今回これが書かれることに関して、ぜひ選びたいというときの積極的選択と、それからぜひ除外したい消極的選択、両方に使われると思っています。それはそれで、消費者側がどういうふうな目的で選択に使うかというのは、個々の自由だと思います。

もう一つ、先ほどから申し上げているように、ここに書かれることのデメリットとして広く考えると、何か事件・事故が起こった場合、書いてあるだろうという形で、逆に事業者側の責任転嫁になると、消費者もここに書いてあるのだから、ちゃんと自分で注意しなさいという形で見られる可能性もあると、ちょっと考えられます。ですから、どういう形でという落ち着きどころはなかなか難しいと思いますけれども、いろいろな方の御意見を伺いたいなと思っています。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 調査報告書自体、私もきょう見ましたので、この間、議論がいろいろ沸騰したことがあって、それでまとまるのも結構時間がかかったと思います。最後の「おわりに」のところにも製造所固有記号について書かれた。座長に我々は一任しましたし、かなり簡略化されているので、私自身も、もし書くのだったら議論の経過を書いて、それを付した形でパブリックコメントに求めるべきだと思って、この辺の書き方についても、例えば4番のデータベースの改善のみにということではなくて、まずは1番の製造所固有記号の全体的な見直しは、まず慎重にやりましょう。それは座長から言われたと思います。

どれを選択しますか、鬼武さんと言われたので、私はそれではなくて、まずデータベースに欠陥があるということだったら、その改善を求める。これは、反対意見もありましたよ。データベースはお金がかかるからという石川委員の意見もありましたけれども、私はむしろデータベースが今、欠陥があるということだったら、それは可及速やかにやるべきで、その成果の上に立って、1番目のことについてはその後慎重に考えたらいいというスタンスを持っていますので、それについてはそういう形でぜひ付記していただければと思いますし、その上でパブリックコメントに出していただければと思っています。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

はい。

○立石委員 情報開示として、つくられた場所を知りたいというのは当たり前なのに、私は河野さんの意見が全然理解できなかった。これが本当に消費者の意見かなと思ったのですけれども、そのことがわからないほうがいいということを考えている人は、これは事業者しかいませんよ。隠れたほうがいいと思っている。ここが明らかになると困る人たちが言っているだけです。困る理由があるのですか。困る理由があるからこそ隠したいという、そこだけですよ。情報開示できるのです。製造者は書かなきゃいかないわけです。

つくられた場所、誰がつくったか、責任を持って書くべきですし、販売者はそのことの責任をきちんと担保できる保障はどこにもない。私は、販売者の立場も製造者も両方やっていますから、よくわかります。だから、そこには本当の消費者という観点が抜け落ちているのです。そういったことが消費者の意見として出てくること自体、私は非常に驚いてしまうのだけれども、事業者寄りのことばかり言われる。

それから、これまでは事業者で全部決めてきたことなのです。池原委員の言われたことは、私も共同会議に出ましたけれども、あのときは事業者寄りの視点しかないのです。今、初めて新しい法律ができて、これから消費者としての権利なり、こういった新しい法律のもとでやっていこうという時代に、昔のことを言い出したら切りがない。新しい法律に基づいて、もう一回ここでかじを切り直すのです。そのことを何度も申し上げていますけれどもね。

○阿久澤部会長 どうぞ、宮地委員。

○宮地委員 80万という数の製造所固有記号が使われているという話について、消費者庁さんが実態を把握されていない。現実はどんなものかという話をされていない中でいろいろなことが議論されています。ですから、各委員がおっしゃることがいろいろなパターンで想定される中で、それぞれの思いで言っていらっしゃるので、結果として意見がすれ違ってしまう。そこは、80万の把握ができないという部分については、きちんと把握してどうするか。あるいは実態としてこういう使い方がある、あるいは違う使い方があるということを踏まえて議論を進めるべきだと思います。

先ほどの石川委員の話を借りれば、販売者が最もよく知っている実態というのがあるわけですから、そういうそれぞれの実態についてきちんと把握して、それを消費者庁さんから意見をいただく。今回の場合であれば、パブリックコメントから意見をいただくという話になろうかと思っています。その実態を把握する中で議論を進めなければならないと思っています。

それから、鬼武委員がおっしゃったように、まず製造所固有記号について整備すれば、1番の2カ所以上にという話は矛盾した話になるわけでして、矛盾した提案を消費者庁さんがされていて、その議論が整わないうちに次のステップに進んでいく。これは、私も非常に不思議なのですが、そこは本来きちんと議論すべきだろうと思っています。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

先ほどの鬼武委員の件は、付記ということで、特に修正は。

○鬼武委員 「おわりに」のところが、宇理須座長もかなり簡略化していますとおっしゃっていたので、それは調査会の中で出た意見で少し修飾語なりを入れたりしてもらって、私は、4番目はデータベースのみではなくて、前提としては、今、データベースの欠陥があるという前提であれば、まずはそこについてきちんと管理してくださいと。製造所固有記号については、これまで使われてきていろいろあるので、きちんと現行のレビューといいますか、どういう見直しが必要なのか。その上でやることは、私は否定しないということですから、4番目のところはそういう意味合いです。

その前の2つは、ほかの方がおっしゃっていますので、それはそれなりに前後の言葉があると思いますので、1番目の使用は認めないと言われても、パブリックコメントで、えっ、どうしてという話になると私は思っています。だから、報告書の書き方と、これからの次回の議論になるかもしれませんが、パブリックコメントに出す資料をどうつくるかにもよると私は思います。そういうことも連携する。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

はい。

○立石委員 80万件は、今、既に破綻しているわけです。80万件のどれが生きているか、さっぱりわからない。こういうことをきちんと情報開示した上でパブリックコメントすべきです。今、製造所固有記号を消費者庁に問い合わせしても誰もわからない。それから、製造所固有記号をメーカーに問い合わせても答えてくれないという実態がある。そういった今の実態をつまびらかにした上でやるべきだし、もう既にこれは破綻しているのです。破綻している制度を一生懸命守ろうとしていること自体がおかしいし、正直に今、破綻していますということを竹田課長、何回もおっしゃられているじゃないですか。これ自体は、今、追跡できないのです。何件生きているか、ひもづけもできない。

だから、消費者庁に電話して、今、自分の持っている食品の製造所固有記号を聞いて、これはどこが製造所ですかとわかりますか。わからないから教えてくれませんかと問合せしても3日か4日かかって、ひょっとしたらわかるかもしれない。その程度ですから、そういった事実を明らかにした上でやるべきですよ。守りたいのはわかりますよ。私は、事業者の立場から、これは死守したいという気持ちはよくわかります。そういう時代はもう終わったのです。だから、時代は変わったということを事業者の皆さんも認識すべきです。

○阿久澤部会長 鬼武委員。

○鬼武委員 そういう点からすると、我々の議論ではなくて、消費者庁がそもそもきちんとしたレビューできるような資料を提供していただいていないから、我々の中で議論がすれ違うというのは、さっき宮地委員もおっしゃったとおりだと思うのです。ですから、今回の製造所固有記号の見直し自体は、私は中途半端な消費者庁の提案だったことこそが問題だったと思いますし、そこについて、まだ答えていないところもあるわけです。食品衛生法のこと、この前、課長が私に返答していただきましたけれども、その経過についても私は理解も納得もしていませんし、そういう疑義に対して回答する資料として出してもらわないと、これは多分議論にならないと私も思います。

それは、我々委員間の議論だけでは済まない、もっと真剣に考えていただかないといけないのは提案する消費者庁側だと思っています。

以上です。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

○池原委員 先ほど、前の前の発言ですか、立石委員の御発言で、消費者のこれに対する必要性というのですか、それは河野委員の意見とかなり違うというお話をされましたけれども、まさに、これこそがこの議論をスタートする上での一番大切なところではないかと思います。

これは、1回目に、この議論をさせていただいたときに、私、繰り返しお願いしたのですけれども、消費者のニーズというものを具体的な形で示していただきたいと。これは何回も言っていますけれども、我々がこれを議論するに当たって、まず一番必要なのは消費者のニーズ、消費者の利活用の実態で、これを詳しく調べた上で、それをベースにして我々は議論していかなければならないと。それは、附帯決議でも、我々に明解に指示されていることですので、それは行政としてきっちりやっていただきたいと思います。

消費者のニーズについて、立石委員は、先ほど立石委員の御意見を述べられましたけれども、私はそうは思っていなくて、過去のデータを見ておりますと、過去のデータというのは、例えば消費者庁が3年ぐらい前に行われたウェブの調査のデータを見ておりますと、少なくとも優先順位は高くないのではないか。必要としている情報の中で、消費者が求めている情報の中で、製造所の所在地がどのぐらい必要性が高いのかといったときに、優先順位はそんなに高くないのではないか。これを必要としている消費者というのは、そんなに多くないのではないか。

また、これを必要としている消費者の理由、それを知りたい目的は何ですかというときに、どうも安全性とか、誤解されているのではないか、という議論もあったと思います。

もう一回、そこのところをきっちりとレビューしていただく。これは必須だと思います。ぜひお願いしたいです。鬼武委員が、先ほど、いろいろなものをきっちりと形にして示してほしいという要望を出されましたけれども、まさにそのとおりで、その中の一つとして、消費者のニーズ、必須だと思いますので、ぜひきっちりと形にして示していただきたい。まずは、そこがスタートだと思います。

以上です。

○阿久澤部会長 本件につきましては、新たな御意見を多くいただいております。そんな中、池原委員、鬼武委員のほうから、消費者庁がまず明確に把握をすべきだろうということですが、最後に消費者庁のほうから、今、新たな御意見等を伺ったことに対してお考えをいただければと思います。

○竹田食品表示企画課長 調査会では何度も申し上げましたけれども、今回、見直しを行う必要性というのは、昨年の法案審議で成立の際に衆参の附帯決議で、具体的に消費者の知りたいという要望も踏まえて制度を見直しなさいという指摘がございました。これは、立法府から行政に対する指摘でございますので、その時点で我々は、言ってみれば一番重い宿題を抱えたということになります。

2つ目としましては、これも何度も申し上げていますけれども、昨年末の農薬混入事件の際に製造所固有記号が記されていて、製造者が記されていない製品があって、メーカーの自主回収の範囲がどこまでなのか、よくわからない。もちろん、自主回収の方法について、後から見れば不十分な点はあったのだろうと思いますけれども、現に冷凍庫の中にある製品の裏側を見たときにわからない。この固有記号については、そういう要望に応えられないものだから、厳しいものですと廃止すべきではないか、あるいは見直しをすべきではないかといった御批判、御指摘がございました。

こうした点をあわせて踏まえまして、消費者担当の森大臣からは、廃止を含めて制度の見直しをいたします。その見直しについては、食品表示部会並びに下部組織である調査会でこれから審議いたしますから、そこで議論していただくことになっていますということで、今回の運びになっている。

るる御指摘ございましたけれども、これまでそういう見直しの動きというのでしょうか、そういうものが上がってこなかったということをもって、この制度に欠陥がなかったということではないと我々は思っています。繰り返しになりますけれども、原則と例外の運用があいまいになってきていた。記号を使ったものについては、企業にお問い合わせをしてもお答えいただけないものもあるといったことは、これまでずっと続いてきている。制度の抱えた問題だと。

さらに、我々が記号を管理する上で、データベースについては、これまでも申し上げましたけれども、一旦届け出をすれば未来永劫有効であるということで、言葉はよくないですけれども、あえて言いますけれども、どれが生き番か死に番かすら、我々は直ちにはわからないという、行政の取り締まりデータとして極めて不完全な状態にある。こういうことを今回、表示の基準を見直す際に全部セットで見直しをして、各方面の御要望に応えられるようにしたい。メーカーの方の包材共用化のメリットについては、全面的に残したい。消費者の方が固有記号の裏にある所番地が知りたいのであれば、それはきちんと到達するようにしたいということで、今回の御提案をしているということでございます。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

どうぞ、鬼武委員。

○鬼武委員 今のは、回答になっていないと思うのです。我々は、そのことをもって、この議論が例えば事業者に対するメリット、それから消費者に対する答えと言っても、それを具体的にどういう形で、口頭で言っても現行のところがレビューできていないでしょう。私はこれまでの調査会で、その経過なり、できていないと思うと発言していました。食品衛生法の解釈にしても例外と原則が違うということについても、前回、私、聞きましたけれども、それについては今日も同じようなお答えがされただけで、答えられていません。

それから、附帯決議がそんなに立法府から行政府に対して重い決議であるとすれば、11本なり12本、全部やらないといけないということでしょう。優先順位がその中で、なぜ製造所固有記号が最初に出てきたかという説明も、我々はすとんと落ちないわけです。だから、その辺の資料を出して、議論しないということではなくて、こういう形で拙速に決めていいのですかということに対する、そちらに対する資料や情報が余りにも偏ったり、少しの情報しかないからやりとりできないということを私は何度も申し上げているのです。それは、繰り返し申し上げます。多分、そちらからの回答は、今まで議論して、何度も課長が答えられても、私は全然答えていないと認識しています。

以上です。

○阿久澤部会長 立石委員。

○立石委員 私、竹田課長、言われたとおりだと思います。ただ、1点気になったのは、竹田課長の発言の中で、包材の共通化という事業者のメリットを維持する観点というのを全面に押し出しているわけです。事業者のメリットを維持する観点、メリットということですよ。これは、消費者庁として問われているのは、今回の新しい法律の消費者の権利と天秤にかけるのですかということです。重さはどちらにあるのですか。事業者のメリットなのですか。知る権利を侵害していますよと。

知りたい情報に対して、答え切れていない製造所固有記号の今の実態に対して、今回どういうふうに修正するのかということです。そこに事業者のメリットということがあったときに、私は消費者という言葉がどこにもないということじゃないかと思います。そこだけちょっと気になったので。

○阿久澤部会長 どうぞ、石川委員。

○石川委員 別のテーマで、アレルゲンの表示に関して特定原材料の表示義務というのは、府令の中にきちんと入っていて、それで今回の表示基準の中にもそのまま移行して入っていると。それ以外の推奨の20品目については、現行、通知レベルで示されていて、府令の中に入っていないですが、これを食品表示基準の中に推奨表示という形で府令レベルに上がるべきではないかと思いますけれども、栄養表示の推奨表示は表示基準の中に義務表示以外の推奨表示として条文化されていると思います。アレルギーの特定原材料以外の推奨表示についても、通知レベルではなくて、食品表示基準の中に書き込むべきではないかと思いますけれども、この点について消費者庁は何か意見はありますか。

○阿久澤部会長 どうしましょうか。アレルゲンについての通知から基準レベルにという御指摘です。

○岩城課長補佐 アレルギーの推奨表示につきましては、現行同様、通知で示すこととしています。栄養成分は、そもそも任意の表示がありまして、表示する場合には義務と同様のルールが適用というものがありまして、その中で推奨の成分があるという点が、アレルギーの推奨表示とは異なっていますので、アレルギーについては通知で対応したいと考えております。

○阿久澤部会長 石川委員、これは新たな提案ですか。

○石川委員 御提案ということで。というのは、今回の食品表示基準をつくる場合には、58本をまとめて、それを見ればわかるという主眼でしたね。いろいろな通知もできるだけ基準の中に盛り込んで、これを1本見ればわかる形というのが事業者にとってもわかりやすいし、調べる消費者にとってもわかりやすいという面で言うと、通知を全部網羅しなければわからないようなルールというのはできるだけ少なくして、一本化していく。これぐらいは、もう既に大分定着していると思いますので、義務表示ではないレベルで推奨なので、これでいいのではないかと思っているのです。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。では、これは意見として付記するという形でよろしいでしょうか。

栗山委員、どうぞ。

○栗山委員 石川委員、ありがとうございます。法律家ではない人間から区別がなかなかつかないというか、順位がわからない者から見ますと、今の法律家としての石川委員の御発言に、ありがとうございます、よろしくお願いしますということが1つと。

あと、この資料5-1まで行けば、そこでお話しようかと思ったのですが、今の時点でどうなるかわからないので、アレルギーの酒類に関しては、アレルギー表示の対象としない義務表示の特例として除外されています。なぜ除外されているのかというのを伺ったときに、医師に聞いてみたら、アルコールによる症状なのか、原材料による症状なのかわからないのでというお返事だったのですが、本当にそれが理由であれば、除外するのではなく、ほかの表示と同じようにただ単に粛々と表示していただければいいと思っています。5-1まで行くのなら、そこで発言するのですが、行きそうもないので、表示の中で今の時点で発言させていただきました。

○阿久澤部会長 はい、事務局。

○山岸参事官補佐 大分お時間が過ぎていまして、椅子を他の部局からお借りしている状態で、返却しなければならない状況になっておりまして、まことに申しわけないのですけれども、7分ほどブレークの時間をいただけますでしょうか。

○阿久澤部会長 そのこと、先ほどからの伝言で承知しています。議論の途中ですので、切りのいいところと考えておりました。それで、実際、何時までここを使えるのですか。

○山岸参事官補佐 これから交渉ですけれども、14時めどでここが使えなくなるということで、交渉次第ですけれどもね。

○阿久澤部会長 それまでには終わらせたいと思いますけれどもね。

○夏目部会長代理 とりあえず資料4について。

○山岸参事官補佐 とりあえずはブレークをさせていただいて。

○阿久澤部会長 今の加工食品のところについては、恐らく切りがつくだろうと思いますので、そういうふうにさせていただけますか。椅子を撤去するのは、15分か20分ぐらいまでは可能ということですね。

○山岸参事官補佐 大丈夫です。

○阿久澤部会長 伝言をいただいておりましたので、その辺を配慮しながら進行させていただいております。

どうぞ、立石委員。

○立石委員 13ページの表示責任を有する者等の整理についてのことですけれども、これで「附帯事項として」ということで、「製造者」、「加工者」の定義を明確にすべきであると書かれていますけれども、製造者・加工者の定義は、下に書いてあるとおり明確になっているはずじゃないですか。これが整理されたわけですね。これが十分じゃないということなのか。

それから、かねがね申し上げていますけれども、結局、製造者・加工者と表示とどういうふうに連動させるのですか、どちらを書くのですかということが全然整理されていない。製造者と書いたときは、さっきの固有記号がとれるけれども、加工者と書いたらとれないということも含めて、製造者と加工者はどういうふうに書くのですか。これは、保健所によって見解がばらばらなのです。ですから、今、言ったようなことを整理すべきだということを書いていただきたいのです。結局、何も決まっていない、何も整理できていないというのが今の実態ですよということで、そういうことがこの中で読み取れない。

定義を明確にすべきというのは、下に定義があるじゃないですか。表4-1に書いてあるのではないですか。どういう場面に書くのか、どういう場面が製造者と書いていいのか、加工者と書いていいのか。また、温度帯変更とか小分けということなったときに、わけがわからなくなる。それから、さっき言った生鮮から加工のところで、全く整理できていないですよということを何回も言っているわけです。

○阿久澤部会長 ですから、これは調査会の議論の内容がこのように書かれているということでよろしいですね。

どうぞ。

○板倉委員 7ページから8ページにかけての表2-2のことですけれども、例外規定については、その理由も含めて説明なしにそのままで品質表示基準に移すという話で出ております。これについては、気がついて、その中身について議論したものがわずかであるということについては明記しておいていただきたいと思います。

私自身が問題提起しているようなものについても、実際にはきちんとした説明もしていただけませんでしたし、以前から調理冷凍食品とチルドの関係等も整理してほしいということについても、何ら取り上げられることなく、例外規定という形でチルドぎょうざが出てきている状況ですので、それについては今後の課題として議論していただけるということで、ここで議論するつもりはありませんけれども、ぜひ明記していただければと思っております。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

そのほかございますか。それでは、ある1つのテーマで多くの意見をいただいたわけですが、そのほかにも新たな意見として幾つかいただいております。その意見を付記した上と、今回の加工調査会の報告書については、一部修正も必要ではないかなと感じているのですが、その辺につきましては事務局と座長との調整ということでよろしいでしょうか。では、そのようにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

先ほど申しましたように、椅子がどうも必要ということです。この会場は2時ぐらいまでは可能ということですので、傍聴の方は本当に申しわけないのですが、一度お立ちいただきまして椅子を撤去させていただきます。それで、その間を休憩ということで、何分ぐらいで椅子の移動ができますでしょうか。

○山岸参事官補佐 5分程度いただきます。

○阿久澤部会長 5分程度ということで、15分から再開ということでよろしいでしょうか。それでは、大変申しわけございませんが、一旦休憩させていただきます。

(休憩)

○阿久澤部会長 いるべき委員は、多分皆さんお座りかと思いますので、再開させていただきます。傍聴席も椅子があってよかったと思います。

次は、資料1というのがあるかと思いますが、それに基づいて、各調査会のとりまとめの概要を説明することになっておるのですけれども、それぞれの調査会でまとめてありますし、また時間の関係もということで、内容としては繰り返しのことになりますので、ここは省略させていただくことでよろしいでしょうか。よろしいという反応かと思いますので、その先に進めさせていただきます。

次に、「食品表示基準案のパブリックコメントについて」、議論に入りたいと思います。各調査会の座長、座長代理より報告いただきましたように、調査会としての審議が終了しております。本日は、消費者庁よりパブリックコメントを実施する内容について御報告いただきたいと思います。報告書に記載されていますように、限られた時間の中で調査会としてとりまとめに至らなかった課題もあります。食品表示部会としては、消費者、事業者、さまざまな方から御意見を伺った上で、内閣総理大臣から食品表示基準案について正式な諮問がありましたら、このことを改めて十分な審議をする予定としております。

消費者庁におかれましても、このことを改めて十分な審議をすることについて御了承いただけますでしょうか。御了承いただいておりますので、諮問が上がってきましたら、また改めて十分な審議をすることにさせていただきます。

それでは、こちらの資料の御説明を消費者庁からお願いいたします。余り時間のことを言うのもあれですけれども、先ほど言いましたように、2時ということで、その後の都合で、できれば45分ぐらいまでに何とか終われればと考えております。それで、今回のパブリックコメント案の位置づけ等も踏まえて説明していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

≪3.食品表示基準案のパブリックコメントについて≫

○平山企画官 私のほうから、資料5-1、5-2、6について。主に5-1と6を使って御説明したいと思います。時間の関係がございますので、コンパクトに説明したいと思っております。

まず、資料5-1をごらんください。左側にページ数を振っております。

まず、1ページでございますけれども、これは昨年の部会の中で表示基準案をつくる際の策定方針ということでお示ししたものでございまして、基本的に内容は変わってございません。若干、時点修正をしたものでございます。まず、一番上の太字にございますように、58本の基準を1本に統合しようということ。あと、青字で書いておりますように、消費者の方の求める情報提供と、片や事業者の方の実行可能性とのバランスを図った上で、双方にとって分かりやすい表示基準をつくろうということで進めてまいったということでございます。

1から5については、詳しい説明は省略させていただきたいと存じます。

次に、2ページでございますけれども、新しい食品表示基準案のイメージでございます。これも御案内のことかと存じますけれども、左側のかなりの部分を占めておりますのがJAS法に基づく品質表示基準でございます。横断的なものから個別的なものまでを含めて、52の基準がございます。右側、食品衛生法の基準につきましては、5つの基準、府令が2本と告示が3本。それから、右下、健康増進法関係につきましては、栄養表示基準、1本でございます。都合58本の基準を中央の食品表示基準(案)にまとめていきたいということでございます。

大きな構成といたしましては、加工食品、生鮮食品、添加物という順番になる。それぞれの中で、横断的な義務表示の内容、個別的な義務表示の内容、表示の方式、表示の禁止事項といった内容がそれぞれ位置付けられるというのが大まかなイメージでございます。

3ページをごらんいただきますと、細かい条文ごとの構成をお示ししております。これが見出しになろうかと思いますけれども、大体、このような構成になっているということでございます。

左上から参りますけれども、第一章 総則という章がございます。これは、全体を通じるルールということでございまして、第一条 適用範囲、第二条 定義ということでございます。

それから、第二章以下が個別の食品になりますけれども、まず、第二章が加工食品でございます。その中で、冒頭に食品関連事業者、事業者の方に関する基準が登場いたします。そのうち、一般用加工食品とありますのは、一般消費者向けに販売される加工食品、これが一番ノーマルな食品かと思います。その下に枠囲みがございますけれども、業務用加工食品ということで、事業者に関する基準を2つに分けてございます。その下に、詳細は書いておりませんけれども、事業者以外の販売者に関する基準が来るという項立てになっております。

一般用加工食品に関する基準の内容を簡単に御紹介しますと、第三条から第九条までの6条ほどを割いております。

第三条は横断的な義務表示ということで、品目に共通するようなルール、名称や期限表示といったもののルールが書かれている。

第四条は、個別の食品ごとに求められている義務の内容が書かれているということでございます。

第五条は特例ということで、アルコールや現地販売。現地販売というのは、いわゆるインストア販売、つくったところで販売されるもの。あと、無償譲渡などに関する規定が書かれております。

第六条は、栄養成分の関係の推奨表示でございまして、具体的には、飽和脂肪酸と食物繊維。

それから、第七条は任意表示ということで、特色のある原材料や強調表示などのルールが入っているということでございます。

第八条は表示の方式ということでございまして、様式や文字のサイズについての原則ルールを定めた上で、その例外を定めるということでございます。

それから、第九条は表示の禁止事項ということで、これも横断的、品目共通に適用されるルールと、個別の食品に関するものと大きく2つに分かれているということでございます。

業務用加工食品、それから事業者以外の販売者に関する基準も、基本的に同じような構成となっているということでございます。

右側、第三章は生鮮食品でございまして、ここも基本的に事業者に関する基準と事業者以外の販売者に関する基準となっておりまして、事業者に関する基準が一般用生鮮食品、それから業務用生鮮食品ということで2つに分かれております。

一般用生鮮食品だけ御紹介しますと、第十八条で横断的な義務表示に関してのルールが出てくる。

それから、第十九条で個別的に定められているルールが出てくるということでございます。

第二十条で、そういったものの特例を定めているということでございます。

第二十一条は任意表示ということで、栄養成分表示などが出てまいります。

第二十二条は表示の方式など。

第二十三条は表示の禁止事項が出てまいります。

同じようなことが業務用生鮮食品にも書かれておりまして、その後に、事業者以外の販売者に関する基準が出てくるということでございます。

右のほうに進んでいただきますと、第四章は添加物でございまして、ここも基本的に事業者に関する基準と事業者以外の販売者に関する基準が出てまいります。

最後、第五章に雑則というものを設けておりまして、2条ほど規定を置いてございます。1つは、いわゆる生食用牛肉の注意喚起表示に関する規定。

それから、第四十一条は努力義務でございまして、一般用加工食品の表示に関する努力義務や、書類の整備・保存に関する努力義務というものを置いております。

最後、附則でございます。本体の付録のようなものでございますけれども、このルールの適用がいつになるのかという施行期日や、従来のルールの廃止、あと、施行後の経過措置、猶予期間についての規定が出てくるということでございます。

全体像を眺めていただいた上で、4ページ、5ページに、現行制度からの主な変更点を書いております。主な変更点でございますので、これに書き切れていないものがございますけれども、大きく変わった点を整理させていただいております。1から9までございます。

まず、1はいろいろ御議論いただきましたけれども、加工食品と生鮮食品の区分の統一ということでございます。基本的にJAS法の考え方でいこうということになっているわけでございますけれども、その中で、座長のほうから御紹介いただきましたドライマンゴーのような例、食品衛生法において、軽度の調理など、手を加えたものにつきましては、これから加工食品として取り扱う。そして、アレルゲンなどの表示をすることにしたいということでございます。

右の吹き出しに書いてございますけれども、異種混合の食品のうち、刺身の盛り合わせのようなものにつきましては、生鮮調査会のとりまとめの中でも、さらなる検討を要する旨、とりまとめられたということでございますので、ここに書かせていただいております。

それから、2の製造所固有記号制度につきましては、左側の黒字のところに我々の提案を書いてございます。そして、右の吹き出しに、左の消費者庁案に加え、加工食品の調査会で各委員から提案された案について付記した上で、パブリックコメントに付すとされておりますので、その旨、書いてございます。

それから、3はアレルギー表示でございまして、これも全てを書いておりませんけれども、主なものとして3点ほど書かせていただいております。

ポツの1つ目は、マヨネーズなどの特定加工用食品については、表示をきちんとしていこうという方向性。

2つ目のポツは、いわゆる個別表示と一括表示の関係でいきますと、個別表示が原則で、例外的に一括表示を可能とするという方向になったかと思っております。

それから、一括表示につきましても、今までだと、一部、省略が可能になる部分があるわけでございますけれども、それをなくして、一括表示欄に全て表示する。すなわち、一括表示の場合には、そこを見れば全てが表示されていることにすべしとなったかと思っております。それ以外の細かい点は、「等」ということでまとめさせていただいております。

それから、4の栄養成分表示の義務化でございますけれども、基本的にはそこにございますように、5成分が義務の対象。ナトリウムにつきましては、「食塩相当量」で表示する。任意表示の中の推奨表示というものにつきましては、飽和脂肪酸、食物繊維。それから、その他につきましては、糖類、糖質、コレステロールなどということで整理されたかと思っております。

注を下に書いておりますけれども、小規模の事業者、具体的には、消費税の納税が免除される事業者などにつきましては、栄養成分を表示しなくてもよいという方向性がまとまったかと思ってございます。

5ページに参りますと、5ということで、ちょっと細かい話ですが、栄養成分強調表示の関係でございます。

大きく2つございまして、相対表示につきましては、コーデックスの考え方を踏まえて、絶対差に加えて、新しく相対差に関する基準を入れるということや、絶対差の中でも計算方法を変えるということで見直しをしているということでございます。

それから、無添加の強調表示、糖類、ナトリウム塩につきましても、新しくルールをつくって、一定の条件が満たされた場合にのみ行うことができるとしたところでございます。

それから、6は原材料名表示などのルールの変更ということでございまして、例えば、パン、食用植物油脂などでございますけれども、基本的に他の加工食品同様、原材料または添加物を区分した上で、それぞれに占める重量の割合の多いものから順に表示するということで、これは基本的に原則のルールにそろえたということでございます。

それから、複合原材料表示につきましても、そこにありますように、分割して表示することを可能とするという方向性も出たところでございます。

それから、7は販売の用に供する添加物でございますけれども、JAS法の考え方を踏まえて、内容量や表示責任者についての表示を新たにしていただくことになったということでございます。

それから、8は通知などで定まっていたルールにつきましても、この機に必要なものにつきましては基準のほうに引き上げるということで、例えば、先ほど、御紹介がございましたけれども、フグの食中毒やボツリヌス食中毒の対策の関係につきましてもここに位置づけてございます。

それから、9 表示レイアウトの改善でございます。

ここには2つございまして、まず、表示面積が小さい場合、具体的には、30cm2以下の場合につきまして、いろいろとルールがありましたけれども、今回、安全性に関する表示事項は省略できないことにさせていただいてはどうかとなっております。

それから、添加物以外の原材料と添加物につきましても、区分を明確に表示するということにしたらどうかと思っております。

欄外に※が書いてございますけれども、経過措置期間、この新しいルールが施行された、適用された後、しばらくの間、新しいルールでもいいですし、従来のルールでもいい。いわば、新旧が混在する期間ということでございますけれども、加工食品の表示が一番変わりますので、過去の例を見ますと2年くらいかなと思っております。添加物は表示の内容がそれほど変わりませんので1年。いずれも栄養成分の表示につきましては、義務化されるということでございますので、5年でどうかと提案しているところでございます。なお、生鮮食品は表示の内容が変わる点がほとんどないと思っておりますので、経過措置期間なしにしたらどうかと御提案したところでございます。

ここまでで既に30分経過しておりますので、資料6につきましても、本来であれば条文に即して御説明したかったところでございますけれども、構成を簡単に御説明したところで、詳細につきましては時間の関係がございますので割愛させていただきたいと存じます。

○阿久澤部会長 平山さん、時間に若干余裕ができたようですので、もうちょっと大丈夫です。

○平山企画官 わかりました。では、やや詳細に御説明をしたいと思います。

資料6という、かなり大量な資料がお手元にあるかと思いますけれども、まず、一番左側にアラビア数字で通し番号を振っております。1ページから一番最後は169ページかと思いますけれども、約170ページあるということでございます。さらに、それぞれのページの下に、例えば、1ページですと、本体-1、以下、本体-2という2種類のページを振っておりますので、それぞれページ数を組み合わせながら御説明をしたいと思っております。

では、食品表示基準(案)でございますけれども、通しページの1ページ、第一章ということで、まず、総則が出てまいります。

先ほども御紹介いたしましたけれども、第一条は適用範囲でございます。このルールは府令でございますけれども、事業者等が、加工食品等を販売する場合について適用するということでございます。ただし、加工食品などを設備を設けて飲食させる場合、これはいわゆる外食をイメージしておりまして、その場合につきましては、後ほど、出てまいります生食用牛肉の注意喚起表示の規定を除き、適用しないということです。裏返せば、その規定のみ適用することになっているということでございます。

それから、同じページの第二条 定義というところで、例えば、一の加工食品、二の生鮮食品ということで、共通する定義をここに置いて定めております。

右のページ、本体-2ページに参りますと、同じ第二条の中で2というのがあるかと思います、これが第2項でございます。これは個別の定義に関する規定でございまして、具体的な内容につきましては、後ほど、別表第三に出てくるということでございます。ですので、共通ルールは基本的に本体のほうにありますけれども、個別のルールにつきましては、適宜、別表のほうに整理されているという構造になっているということで御理解いただければと思っております。

それから、本体-2ページ、途中から第二章が始まります。加工食品でございます。

まず、第一節で食品関連事業者に関する基準、事業者に関する基準が登場いたします。第一款ということで、一般用加工食品でございます。

第三条 横断的義務表示ということで、以下、表形式で整理しております。本体-2ページのところでは、名称、保存の方法、期限表示。

通しページの2ページ、本体-3ページに参りますと原材料名が出てまいります。

それから、本体-5ページに参りますと、添加物に関するルール。その一番末尾には内容量などの規定。

本体-6ページ、右側に参りますと、義務の対象になっている栄養成分と熱量の規定がここに登場してまいります。

通しページ4ページの左側、本体-7ページの途中から表示責任者に関するルール。

それから、その下に現行の食品衛生法に基づく製造者、どこでつくったかということに関する規定が登場いたします。

本体-8ページ、右側でございますけれども、3というところに製造所固有記号制度に関する規定を入れております。ここには、基本的に我々の御提案を入れておりまして、先ほど、報告書でおまとめいただいた、それ以外の意見につきましては、食品表示基準案のほかに我々が整理させていただいて、パブリックコメントに意見として付すことを考えてございます。

本体-8ページの途中から、2というところは第三条の第2項でございます。ここからは、横断的表示事項なのですけれども、一定の食品を対象にしているもの。例えばということで、その下のアレルゲンや、通しページ5ページの左側、本体-9ページに行きますとアスパルテームを含む食品、その下の特定保健用食品。

さらに、本体-10ページ、右側の途中から遺伝子組換え食品に関する事項が出てまいります。

それがしばらく続きまして、通しページ7ページの左側、本体-13ページでは、途中から乳児用規格適用食品に関するルールが出てまいります。

同じページの右側、本体-14ページになりますと、原料原産地名に関するルールが出てまいります。

これが通しページ10ページまで続きまして、輸入品の欄でその表は終わってございます。それが本体-20ページでございます。

本体-20ページの途中から3ということで、第3項。ここは省略できる規定が登場してまいります。冒頭、保存の方法ということでございます。そこに例示がございますように、砂糖とかアイスクリーム、食塩については保存の方法が省略できる。

その下の期限表示につきましても、砂糖やアイスクリーム、食塩などについては省略できるという規定。

それから、通しページ11ページの左側、本体-21ページになりますと、原材料名というものが出てまいります。1にありますように、パッケージが小さい場合には省略できるということでございます。

それから、添加物、内容量などにつきましても、基本的にパッケージが小さい場合の省略規定を置いております。

それから、本体-21の末尾、栄養成分の関係でございます。ここに省略規定を置いておりまして、例えば、パッケージが小さい場合やアルコール、酒類、栄養の供給源としての寄与の程度が少ないもの。

あと、五として、消費税法関係の規定を入れておりまして、免税事業者に係る規定がここに出てまいります。

それから、右側、本体-22ページに参りますと、製造所などの情報につきましては、パッケージが小さい場合は省略できるという規定でございます。

それから、同じ本体-22ページの第四条は個別的義務表示ということでございまして、ここはかなりボリュームがありますので、後ほど、別表第18ということで登場いたします。後ほど、簡単に触れたいと思います。

それから、本体-22ページの末尾、第五条が義務表示の特例でございます。ここにつきましては表にまとめてございますけれども、左に特例になる場合をまとめております。例えば、アルコールを販売する場合や、食品を製造し、加工した場所で販売する場合、いわゆるインストア加工のように、つくったところで売るというもの。それから、不特定又は多数の者に対して譲渡(販売を除く。)する場合というのは、試供品みたいなものを無償で譲渡する場合でございまして、以上のような場合につきましては、右の事項については表示を要しないという形で整理しているということでございます。

本体-23ページ、通しページ12ページの左側でございますけれども、いわゆる推奨表示でございます。飽和脂肪酸の量、食物繊維の量につきましては推奨表示ということでお願いしているということでございます。

それから、第七条は任意表示、通しページ12ページの左側、本体-23ページでございますけれども、ここも表で整理してございます。まず、特色のある原材料等に関する事項。栄養成分につきましては、義務以外のものを入れております。それから、栄養関係が続きますけれども、強調表示などの任意規定となるものが出てまいります。

それから、本体-26ページに進みまして、右側でございますけれども、表示の方式等が出てまいります。これは第八条でございまして、第一号から第九号まで、表示の方式に関するルールが書いてあります。例えば、一でございますけれども、邦文をもって、食品を一般に購入し、使用する者が読みやすく、理解しやすいような用語により正確に行う。二は、容器包装を開かないでも容易に見ることができるように容器包装の見やすい箇所に表示するといった基本ルールが書いてございます。

通しページ14ページ、本体-27ページ、左側でございますけれども、九に文字のポイント数の規定が出てまいります。基本的に8ポイント以上で、表示する面積が小さい場合は5.5ポイント以上で可という規定がここに登場するということでございます。

その次、第九条が表示の禁止事項ということで、例えば、一は、実際のものより著しく優良、有利であると誤認させる用語。二は、表示すべき事項の内容と矛盾する用語を使ってはいけないという共通ルールがございます。その一方で、本体-28ページ、2とあります。第九条の第2項ですけれども、表示の禁止事項につきましても個別のものがございますので、後ほど、別表第二十一で表形式で出てまいります。

そこまでが、第一款 一般用加工食品でございまして、その後、第二款 業務用加工食品が始まります。

冒頭、第十条が義務表示ということで、一の名称、二の保存の方法、以下、本体-29ページにかけまして29項目、表示の事項を掲げてございます。

それから、同じ条文の中で、第2項は特例規定。

第3項は、省略することができるということで、一定の品目については、保存の方法などを省略できるという規定をここに入れているということでございます。

それから、末尾の第十一条義務表示の特例でございます。ここも業務用の酒類とか、容器包装に入れないで販売する場合に、表示を要しない事項を右側に整理してございます。

右側、本体-30ページの第十二条では任意表示。具体的には、特色ある原材料と栄養表示の関係。

それから、末尾は、第十三条 表示の方式でございます。ここは、調査会でも御議論いただきましたけれども、基本的に安全に関するような表示についてはパッケージに書いていただく。それ以外の事項につきましては、パッケージ以外の送り状などで表示が可能と整理されたと思っておりますので、その内容を表現しているということでございます。

それから、本体-32ページ、右側に第十四条ということで、表示禁止事項が出てまいります。

以上が第一節でございまして、続いて、第二節ということで、事業者以外の販売者に関する基準でございます。ここは、第十五条で義務表示の内容を書いた上で、通しページ17ページの左側、本体-33ページの冒頭、第十六条は表示の方式。

それから、第十七条は表示の禁止事項ということでございます。

そこまでが、第二章 加工食品でございまして、第三章は生鮮食品でございます。

冒頭、事業者に関する基準ということで、第一款 一般用生鮮食品が出てまいります。

第十八条が横断的な義務表示ということでございまして、基本的には名称と原産地という2つが主な表示事項でございます。

それから、本体-34ページ、通しページ17ページの右側でございますけれども、2ということで、一定の品目を対象とするものということで、例えば、放射線を照射した食品や特定保健用食品。

それから、本体-35ページになりますと、遺伝子組換え農産物が出てまいります。

それから、本体-37ページに参りますと、乳児用規格適用食品などが出てまいります。

通しページ19ページの右側、本体-38ページでございますけれども、第十九条 個別的な義務表示事項がございます。これも別表第二十三で整理されておりますので、後ほど、簡単に御紹介いたします。

第二十条は義務表示の特例ということで、生産した場所で販売する場合や容器包装に入れないで販売する場合に、それぞれ表示を要しない事項を右に定めているということでございます。

その後、末尾の第二十一条は任意表示。

それから、通しページ20ページの左側、第二十二条は表示の方式。

本体-40ページ、右側の第二十三条は表示の禁止事項が続くということでございます。

同じページの下から、第二款が始まります。業務用生鮮食品でございます。

本体-41ページにありますように、義務表示事項、それから、義務表示の特例。任意表示。表示の方式と続きます。

それから、本体-42ページに移りまして、表示の禁止事項ということで、ここまでとほぼ同じ構成で業務用生鮮食品に関する規定が定められているということでございます。

本体-42ページの途中から、第二節 事業者以外の販売者に関する基準、これは生鮮でございますけれども、第二十九条で義務表示に関する規定、それから表示の方式、表示の禁止事項と続くということでございます。

本体-42ページ、末尾の第四章 添加物でございますけれども、かなり繰り返しが続きますので、添加物は省略させていただきまして、先に進みたいと思います。通しページ24ページの左側、本体-47ページに第五章 雑則が出てまいります。ここに第四十条という規定がございまして、生食用牛肉の注意喚起表示が出てまいります。

それから、右側、本体-48ページ、第四十一条 努力義務というところで、義務付けられている表示事項以外についても、できるだけ、この基準に沿って表示するように努めるということとか、先ほど、御紹介した書類の整備、保存についての努力義務がここに位置づけられているということでございます。

以上が本体でございまして、本体の附則が途中から始まります。本体-48ページ、通しページ24ページの右側でございますけれども、附則の第一条は施行期日。このルールの適用の日でございますけれども、食品表示法の施行の日から施行するということでございますので、法律と同時にこのルールがスタートするということでございます。

それから、第二条はかなり長いのですけれども、この府令の施行によって廃止される現行の告示などを書いております。第一号から第五十八号までございます。

本体-51ページ、通しページ26ページの左側は、途中から、第三条 経過措置でございます。経過措置も先ほど簡単に御紹介しましたけれども、ここは加工食品の規定でございまして、2年ということを置いておりますけれども、ここについては御議論があると思いますので、御意見をお聞きしたいと思っております。

同じ条の2は第2項で栄養表示に関する規定でございますので、5年。

第四条は添加物でございますので、1年。

添加物につきましても、栄養表示については経過期間を5年としてございますので、第2項に、その規定を置いております。

以上が本体でございまして、通しページ27ページ以下は別表でございます。これらにつきましては時間の関係がありますので、それぞれの別表が何かということを御紹介しながらいきたいと思います。別表第一が加工食品の一覧でございます。

通しページ28ページ、別表第二が生鮮食品の一覧でございます。

通しページ29ページ、別表第三が始まりますけれども、個別食品の定義です。これが3-1から3-57まで続きます。

通しページ57ページの右側が別表第四で、ここで個別食品ごとの表示の方法が出てまいります。これが一番長くて、4-1から4-96まで参ります。通しページですと105ページまで参ります。

それから、同じ105ページの右側、別表第五が名称規制に関する表でございます。

通しページ107ページの右側、別表第六以下が添加物に関する表でございます。別表第七、第八までが添加物に関する表でございます。

通しページ109ページの右側から栄養成分に関する別表第九が始まりまして、通しページ111ページの右側、別表第十は、報告書にございますように、別途検討とされておりまして、ペンディングという意味で「P」としております。ここはわかりやすく表現を見直したいと思っております。

栄養表示関係が別表第十二まで続きまして、通しページ113ページの左側がアレルギー表示です。

それから、その右側は別表十四で、原料原産地が義務付けられている加工食品の一覧でございます。

それから、通しページ114ページ、左側が別表第十五ということで、これは遺伝子組換え食品、農産物に関する表。

それから、別表第十六、第十七が遺伝子組換えに関する表でございます。

別表第十八は、個別的な事項ということで、食品ごとの個別的事項の表示方法に関するルールでございます。JAS法の関係と食品衛生法の関係をここで整理してございます。これも長うございまして、18-1から18-42まで続きます。通しページだと136ページまででございます。

それから、通しページ137ページから別表第十九ということで、ここは個別食品ごとの様式を書いてございます。若干違いがありますので、そこがわかるようにしたということでございます。これも19-1から19-17まで参ります。

通しページ145ページの右側が別表第二十ということで、牛乳などの切欠き表示の様式が出てまいります。

それから、通しページ146ページからが別表二十一で、個別食品ごとの禁止事項が出てまいります。これも21-1から21-21まで、通しページ156ページの左側までございます。

同じページの右側が、業務用加工食品でパッケージに書いていただく事項がここに並んでございます。

それから、通しページ157ページ、別表第二十三は生鮮食品に関する食品ごとの表示の方法が整理されているところでございます。前半にJAS法の個別品質表示基準、後半に食品衛生法関係のルールをまとめて書いてございます。これも23-1から23-19まで参ります。これが通しページの166ページ。

同じページの右側に、業務用生鮮食品のパッケージに書いていただく事項が出てまいります。

以上が別表でございます。24までございます。

それから、通しページ167ページからが別記様式でございまして、一がいわゆる一括表示欄の基本的な様式。

通しページ168ページ左側の別記様式二が、最小限の義務表示事項を書いた場合の栄養関係の表示。

右側がそれ以外の任意の表示を加えた場合の表示ということで、別記様式三でございます。

それから、別記様式四ということで、169ページはお米の関係の表示でございます。

これをパブリックコメントということで、広く、皆様の御意見を伺いたいと存じております。こちらで内容を精査しているのですけれども、引き続き、精査いたしまして、技術的な修正などを加えた上で公開したいと思っております。

さらに、今日の御議論を踏まえ、報告書をいろいろと修正されることとなると思いますので、付記するものにつきましては、修正後の報告書を踏まえ、我々のほうでわかりやすいような形にして、委員の皆さんの御意見が漏れないような形にして、あわせてパブリックコメントに付したいと思っておりますので、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

大変、駆け足でございましたけれども、説明は以上でございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。せかせた形での報告ということで大変恐縮しております。

ただいま御説明いただきました資料につきまして、委員の皆様から御質問などございましたらお願いします。鬼武委員。

○鬼武委員 事前の説明に来ていただいたときに意見を申し上げたのですけれども、多分パブリックコメントをこれだけの資料で一般の人に求めても、どういう形で上がってくるか、難しいと思います。それで、普通、法律が変わるときにパブリックコメントを求めるときには、前文なり考え方があって、新旧対照表があって、どういうことについて論点として求めるのか、それが原則だと思っています。

それを全部やれというのは無理があるかもしれないですけれども、例えば現行制度の主な変更点ということで10点ぐらい、このパワーポイントの4ページから5ページに掲げられていますね。それを1項目ずつ、このような形ではなくて、文章として、例えば1つ目の加工食品と生鮮食品の区分の統一ということについて、バックグラウンドとして、今回、3法の法律の統一の中で、なぜこれが出てきたかという背景の文章があって、その次に2項目として、調査会及び部会でどういう審議がされてきたか。3項目として、論点としてどういうものが求められるのかという区分を文章で付記してパブリックコメントを求めるべきではないかと思っています。

本来ならば新旧対照表が全てあって、それに対して意見を求めるのが一番理想的と思いますけれども、法律自体がふくそう化していて新旧対照表が難しいという事前の説明も受けましたので、私としては、それにかわるものとして、最低限でもそれぐらいのレベルのものは統一的なものをつくっていただかないと、このままパブリックコメントを求めても無理だと思っていますから、ぜひその点は御検討いただければと思います。

これは私の意見でございます。以上でございます。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございます。

栗山委員、お願いします。

○栗山委員 私などは、これを読ませていただいて、先ほど御説明の中にここからはアレルギー表示ですと説明していただきましたね。そういうものがなくて、何条の何でどんなことが書かれているかを読み取ることは、市民でしかない私にとってはものすごく大変なことで、これに求められたときに、どこをどう見て、どうすればいいのだろうとすごく難しいと思うのですが、これだけではなくて、ここに書かれている条文がこんなことだという自分の見たいところ、関心があるところを探せるような方法というのは何か用意されるのでしょうか。

○阿久澤部会長 今の御質問ですけれども、先ほどの鬼武委員の意見内容と似たような内容で、この形では読み方、理解するのが非常に難しいということで、現行の制度での変更点を中心にもう少しわかりやすい形での提示の仕方が考えられるかということですが、その辺いかがでしょうか。

○平山企画官 資料5-1、私から簡単に御説明申し上げましたけれども、例えば、鬼武委員の御発言を踏まえますと、例えば、4ページや5ページの内容にいろいろと肉づけをしていくということになろうと思いますし、栗山委員の御指摘を踏まえますと、3ページの構成のところに、もう少し具体的に書き込む、例えば、第4条のここにアレルゲンの表示があるという工夫などがあろうかと思います。いずれにしましても、この資料を充実させていけば、両委員の御指摘を反映できるのではないかと思います。ちょっと工夫をしてみたいと思っております。

○阿久澤部会長 ぜひお願いしたいと思います。

どうぞ。

○池原委員 まず、今後の進め方ですけれども、パワーポイントの資料の3ページで、初めて構成という形でお示しいただいているのですけれども、この内容そのものについて意見があって、こういうふうに直してもらいたい、とか、あと、具体的に、それを案という形で書いていただいたのが、この太いものですけれども、この中身についても、ここは今までの調査会での審議内容と違うとか、ここはこうあるべきだ、という意見を多分皆さんお持ちだと思うのですけれども、それについては、今後、どういった形で修正というか、手を入れていくのでしょうか。

○阿久澤部会長 いかがでしょう、今の質問に対して。お願いします。

○平山企画官 逆に、こういう点がというものがあれば、具体的に御指摘いただければと思うのですが。

○池原委員 きょうこれから、どんどんそれをやっていくということでよろしいのですか。そうですか。それでは、例えばパワーポイントの3ページの資料で、第六条と第七条のところ、今回こういった章立て、条立てになっていますけれども、これはこれまで消費者庁から御提案いただいた内容や、調査会で審議した内容と、書き方が変わっていると思います。

先ほど御説明あったとおり、4ページの4番ですね。先ほどの御説明でも、推奨というのは、あくまで任意の中の推奨であると今まで整理してきておりますので、ここの章立て、条立てといたしましては、あくまで1つの条で任意表示であるとして、任意表示の中に、次は第1項、第2項という形で推奨、その他という表現にしていただかないと、それは我々、今まで調査会で議論して審議してきた内容と違うと思いますので、それはぜひその形にしていただきたいというのが1点です。

例えば、そんなことを、きょうざっと御説明いただきましたけれども、それはかなりきっちりと見ていかないと、気がつかない、漏れてしまうこともあると思います。そういったことをきちんとやっていかないと、我々が今までやってきたことが形になっていかないのではないかと思います。

○阿久澤部会長 参事官、どうぞ。

○大貫参事官 消費者委員会事務局のほうから御説明させていただきます。

本日のパブリックコメント案については、消費者庁のほうからの報告事項ということになっております。従来は、最初に企画をしていた時点では、今ぐらいの時期に部会としての方向のとりまとめがかなりかっちりとした形でできて、それを受けた上でパブリックコメントを出されるという構想を持っていたわけでございます。

ところが、実際に審議を進めてみると、部会の中でも意見が多様であって、まとまり切れない部分がたくさんございますものですから、あくまで消費者庁のほうでは、これまでの部会ないし調査会の審議の結果を参考にしていただいて、消費者庁としてパブリックコメントの案を責任持ってつくっていただく。要は、必ずしも部会や調査会の意見を全て反映するという形にはならない形で、本日の案は出ているものと認識しております。

今後どのようにされるか。きょう、例えば委員の皆様から御意見をいただいて、消費者庁のほうで御判断いただき、どのようなパブリックコメント案にされるかというのは消費者庁が決められることであって、特にそれがこれまでの調査会あるいは部会の審議の内容とずれていることがあったとしても、それは時間的な関係でやむを得ないのではないかと事務局としては考えているところでございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

栗山委員。

○栗山委員 今のお話がよくわからなかったので確認させていただきたいのですけれども、そうすると市民がパブリックコメントをするときには、何を見て意見を言うことになるのですか。どれを見て意見を言うことになるのでしょう。

○大貫参事官 申しわけございません。パブリックコメントの話なので、本来、消費者庁からお答えいただくべきかと思いますけれども、パブリックコメントはパブリックコメントの案がホームページ上に出まして、それに対して御意見をいただく形になる。これは、国民の皆様と消費者庁との間のプロセスという形になりまして、今回はあくまで部会のほうにこのようなパブリックコメントをかけますよという御報告をいただいているという扱いでございます。

○栗山委員 そのパブリックコメントの中身は。

○阿久澤部会長 どれがかかるか。お願いいたします。

○竹田食品表示企画課長 パブリックコメントにおかけする対象というのは、今ごらんいただいている内閣府令の案ということになります。

先ほど鬼武委員から御指摘ございましたけれども、府令の案についての御理解を深めていただくために、その余の付記といいましょうか、添付資料が何点か出てくるということになる。それは、そのものがパブリックコメントの対象ということではなくて、それもあわせ読んでいただいた上で内閣府令の案について御意見をいただくということでございます。

先ほどの参事官の発言を若干補足させていただきますと、これまでの審議経過を踏まえて、我々として法技術的に内閣府令を整理すると、こういうものになりますということでございます。もちろん調査会、部会で意見が収れんしていなかった部分も当然ございますので、そういうものについては、例えば固有記号のところですと、我々の案を書いた上で、その余の代案が幾つかあったものもあわせて吊るさせていただいて、真ん中を挟んで右左の意見があったわけですけれども、こういうことも踏まえて御意見を頂戴したいですという形で御意見をいただくことを考えております。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。

はい。

○栗山委員 ごめんなさい、よくわからない。今おっしゃったことはわかりました。そうすると、例えばこの案に対して意見を言うとしたときに、調査会があって、いろいろな意見が出ましたというのは、どういうふうに参照できるような形をつくっていただけるのですか。別途、加工調査会だったらこんな意見が出ましたというのは、別々の紙に添付資料として出されるだけですか。それとも、これを読んでいて、これと連動させて、それが参照できるような形にはなるのでしょうか。ならない。

○阿久澤部会長 きょう、今まで議論した調査会の報告の内容がどう反映されるかということですか。

○栗山委員 この中には全く反映されていないわけですね。全くとは言いませんが。それで、例えば違う意見もあったわけですね。そうすると、反映されていない部分、こういう違う意見もあったというところは、連動して確認できるようになる仕組みとかはあるのでしょうか。

○阿久澤部会長 どうぞ。

○竹田食品表示企画課長 基本的には、パブリックコメントということでございますので、まさに府令の案、本来は1本の姿になって、これについてぜひお伺いしたい、あるいは建設的な御提案があればお聞きしたいということで出すものでございます。ただ、先ほど述べたように、調査会の中で必ずしも収れんせずに、我々の案に加えて代案が複数出てきたものがありますので、そういうものについてはあわせ提示して御意見を賜るべきだという御指摘がありましたので、当然きちんと付記をする。

さらに、調査会、表示部会でどんな御議論があったのかというのは、まさに先ほど阿久澤先生から御指摘ございましたけれども、きょうの調査会の3本の報告書をあわせてお読みいただくことで、こういう議論があったのだと、これまでの半年間の議論のサマライズになると思いますので、そういうものを踏まえて意見を出していただきたい。意見については、この条文をこう直してくれというものでなくても当然いいわけでございますので、こういう表示になるようにしてほしいとか、そういうことでも一向構わないということでございます。

そういう意味では、繰り返しになりますけれども、先ほど御議論があった調査会の3本の報告書、それから我々として、先ほどのパワーポイントの資料を充実しろということでございましたが、そういうものも吊るした上であわせ読んでいただいて、御意見をいただきたいと考えております。

○阿久澤部会長 ありがとうございます。よろしいですか。

はい。

○鬼武委員 お願いですけれども、この府令の本文そのもの、資料6は、誰が見ても、このままパンと出されて、これでパブリックコメントを求めます。それは親切じゃないと思います。

それで、先ほども言いましたように、パワーポイントを充実されるのと、文章できちんと丁寧な説明と、いろいろな資料、調査会の報告書を読んで、それから論点と、これまでのバックグラウンドとセットで見て、意見を言う人は言うと思うのです。ですから、それも含めて言うと、なるべくそれが一つの資料でまとまったものでないと、別々のPDFがホームページに張られていても、それを読み込んでパブリックコメントを求めるのは無理だと思いますので、重ねて少し丁寧な資料のつくり方。最終的には消費者庁が判断して、法令も含めてというのはわかりますけれども、その点はお願いしたいと思っています。

以上です。

○阿久澤部会長 重ね重ねのお願いということで、ぜひお願いしたいと思います。

どうぞ、池原委員。

○池原委員 先ほどの第六条、第七条のところですけれども、これは、これまでの調査会での消費者庁の御提案とは違う形ということですね。これについては、少なくとも御提案していただいたとおりに直していただくのは必須ではないかと思います。

また、ちょっと気がついたところで、資料6の2ページ、「原材料名」と書かれているのですが、これは単なる誤植ではないかとも思いますが、この四角の中を読んでみますと、これは添加物以外の原材料のことしか書いておりませんので、「原材料名」ではなく「添加物以外の原材料」だと思います。

もしかしたら、ここの「原材料名」の誤植というのですか、ミスが、ほかのところにもあるのかもしれませんので、それについてはしっかりと精査していただいて、正しく「添加物以外の原材料」と書きかえていただかないと、今まで全く議論していないというか、「添加物以外の原材料」と「添加物」という形でこれまでずっと整理してきておりますので、変えることなく、きっちりとここに書いていただきたいと思います。

○阿久澤部会長 これは御質問ということでしょうか。

○池原委員 質問ではなく、直していただきたいという要望です。

○阿久澤部会長 消費者庁のほうから今の内容につきまして御回答、お願いします。

○平山企画官 2点ございましたけれども、まず、推奨表示か任意表示かということでございます。推奨表示とあっても、あくまで、これは任意表示の一部です。確かに条立ては変えておりますけれども、報告書といいますか、栄養調査会の議論に沿っていると考えてございますので、案としてはこれでいきたいなと思っております。見せ方として、任意表示の条に入れるべきという御意見はあると思いますけれども、我々の案としては1段上のものとして、推奨表示と任意表示とを分けたいと思っております。それが1点。

それから、原材料名と添加物でございますけれども、食品表示法の世界では原材料と添加物は違うものとして位置づけられております。以前、石川委員からも御提案がございましたけれども、今回、両者は違うものとして位置づけられておりますので、それを忠実に書くとこうなるということでございます。ただ、この点に関しましてはて、そういう整理がいいかどうかということにつきましては御意見があると思いますので、それはパブリックコメントの中でいろいろと御意見を伺いたいと思っております。いずれにしましても、我々の考えとしては、こうだと思っているということでございます。

○池原委員 2つあって、まず、最初の任意と推奨のところですけれども、今まさに新しい考え方を述べられましたよね。推奨は任意より格上げすべきだ、という御説明をされたのですけれども、それは、調査会での議論では、やっていないですし、そういうことは言われてもいないです。調査会の報告書に書いてあるとおり、まず義務があって、義務以外は任意だと、そして任意の中をさらに推奨とその他に分けると、報告書にそう明記しているわけです。それで議論してきたわけです。それについて、新しく、先ほどの御説明ですと、推奨は任意より格上げして書きたいという、それは、消費者庁としての意見ですので、そうであれば、もう一回、調査会か部会なりにしっかりとかけていただいて審議した上で決めるべきことだと思います。

2つ目の原材料のところですけれども、これは全くこれまで議論していないところです。原材料については明確に定義があって、繰り返しですけれども、添加物以外の原材料と添加物という形でずっと整理しておりますし、報告書にもきっちりとそういった形で書いているわけですから。今、理由を少し述べられましたけれども、消費者庁の判断で、そういった大きなところを変えることは、あってはならないと思います。テーマとして必要であれば、しっかりと掲げていただいて、ここで議論した上で結論を出す、という手続については、これまでどおりきっちりやっていただきたいと思います。

だから、あくまでパブリックコメントに出す基準案としては、これまでどおりの定義できっちりと書かないといけないと思います。

○阿久澤部会長 竹田課長。

○竹田食品表示企画課長 平山が言ったことの繰り返しになりますけれども、義務表示以外は任意表示でございますので、その中でプライオリティーという、先ほど調査会の報告書の中でも言及がございましたけれども、そういうものを法技術的に反映すると、我々の原案としてはこうなるということでございます。

それから、原材料のことを重ねて申し上げますけれども、食品表示法の中では、法律上、まさに別のものとして規定されてございますので、そういった法律上の整理も踏まえて、それからこれまでの御意見も踏まえて、技術的に書くとこういうことになると我々は整理した上で、パブリックコメントにおかけしたいということでございます。

○池原委員 法律の中で原材料と添加物が別のものとして定義されているというお話がありましたけれども、それは本当にそうなのでしょうか。そういったことであれば、それも踏まえて、この部会でしっかりと議論する必要があると思います。なぜ議論なくして、そういったことで一方的に変えることができるのか、それは不思議といいますか、あってはならないことだと思います。

○阿久澤部会長 はい。

○石川委員 これは当然の前提の話で、JAS法の発想ばかりで考えるから、池原さんのような発想になってしまうのです。前も言いましたけれども、JAS法は表示事項として添加物は書いていないのです。表示方法の中に原材料と添加物を重量順にと位置づけられている。ところが、食品衛生法は添加物が表示事項になっています。表示方法の一つとして添加物を捉えているJAS法とは違う次元の法律とJAS法をくっつけてやる以上は、表示事項に挙がっているものを表示方法の中に落とし込むような話は、立法技術としてはあり得ないのです。

ですから、当然添加物と原材料は表示事項そのものだから、資料6の2ページ、3ページの形で、左側に表示事項として、このように独立して表示せざるを得ないです。これは立法上、当たり前の話で、説明するまでもないレベルの話で、ただ、それをちゃんと説明しなかったということでおしかりを受けるのは仕方ないと思いますけれども、これを変更する必要性は全くない。

調査会でこれを議論してくれと言われても、法律の建前でそうなっているので、そうであれば、調査会で改めて添加物を別項、原材料の中に落とし込んで、表示事項ではない、表示方法の一つであるとランクを下げて議論せよという新しい提案になるのですが、そんな議論はこれまでしていないですね。

添加物は、あくまで安全に関する表示。確保に関するかどうかについて議論はありましたけれども、安全に関する食品衛生法由来の表示として独立した表示事項である以上は、このような形にならざるを得ないということは、共通理解であったと思います。池原委員がそれは違うというのであれば、池原委員個人の意見として調査会で御発言されている意見として承っておけばいいのだろうと思います。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

大貫参事官。

○大貫参事官 昼食も抜きで大分時間を超過しておりますし、またこのパブリックコメントについてはあくまで報告ということで、部会で今いただいた御意見についてどのように扱うかというのは、消費者庁のほうで御判断いただく。特に部会で何か認めなければパブリックコメントができないという性質のものではないということでございますので、また御質問の内容がパブリックコメントの中身にかかわることになっておりまして、まさにパブリックコメントで御提出いただいたらよろしいような議論になっているようにも感じられます。つきましては、部会長のほうで議事を整理していただければと思います。

○阿久澤部会長 わかりました。

どうぞ。

○立石委員 1点だけ。本当にお疲れのところ申しわけないけれども、どうしても気になったものですから。本体-30の15ページの第十一条。「表示事項の表示は要しない」という中に、最初に業務用酒類があって、次に設備を設けて云々と書いてあります。この中で、「食品を製造し、若しくは加工した場所における販売に供する場合」は、これまで言っていたことだと思いますが、それが右側に書いてある食品関連事業者の氏名又は名称及び住所を書かないでいい、表示を要しないに入ってしまっているのです。

これは、食品衛生法上で、これまでは製造所名を書かなきゃいけないという整理からいくと、4ページのさっき石川委員が言われた、2段書きしている、「食品関連事業者の氏名又は名称及び住所」、下の「製造所」の上のところだけが書かなくていいですよ。ただ、下は書きますということであれば、ほかも全部かかわってくるのではないか。食品衛生法上のこれまでの整理と、これが整合性をもって読み取れるのかという点が、さっき石川委員が言われた点と物すごくダブってくるわけです。

法律の建前上、関連事業者の氏名と、製造所又は加工所の所在地というのは別々に書かれていて、上のほうだけは書かなくていいですよ、下は書かなきゃいけないですよという整理で書いてあれば理解するのです。

そうすると、ほかのものにもかかわってくるのではないか。要は、食品衛生法の書き方がほかで省いているということであれば、どこか読み取れていないところもあるのだけれども、その辺が非常に見えづらいけれども、ここはいかがですか。食品を製造し、若しくは加工した場所における販売に供する場合というところで、右側に書いているとおり、食品関連事業者の氏名又は名称・住所の表示を要しない、書かなくていいですよということを言っているのですね。

○阿久澤部会長 消費者庁。

○平山企画官 立石委員の御指摘の点につきましては、販売形態ごとの適用範囲として御議論をいただきました。調査会での議論では、御指摘のような場面については、基本的には、安全に関する事項を書くということとされ、基準案に列記しているものについては表示を要しないということで整理されていると思います。ですので、立石委員の御理解でいいのかなと思っております。

○立石委員 だったら、インストアの場合、名前は書かなくていいのですかということです。インストアだって、食品衛生法上の表示義務が添加物にかかってくるわけじゃないですか。だから、加工者を書いているわけです。書かなくていいと言い切っているのですかということです。違うのですか。

○平山企画官 今、おっしゃっている加工者というのは、食品衛生法で表示を求められたものだと思います。ここで、表示を要しないこととされているのは、あくまで表示責任者に関する表示ですので、それとは違うと思います。いずれにしましても、今までどおりということですね。

○立石委員 そうすると、ほかのものもそういう整理だったら、インストア加工はどこかにかかわることについて、どこか書いてあるのであれば理解できるけれども、製造所、加工所の所在地、住所、氏名を書かなきゃいかぬということがどこかにかかわっているのですか。

○平山企画官 安全に関する事項については、基本的に書かれるということであって、それ以外の事項は表示を要しない。裏返せば、それ以外は表示する。通しページ14ページの右側、第十条に義務表示の規定があります。ここが大原則となっており、七 製造所又は加工所の所在地及び製造者又は加工者の氏名、名称を書くとなっております。このことは、今のルールでも同じですので、立石委員がおっしゃるように、従来どおり、加工者の表示はされるということですね。

○立石委員 はい。すみません、申しわけない。

○阿久澤部会長 はい。

○池原委員 先ほどの原材料のところですけれども、意見として申し上げます。食品表示法の中で、原材料と添加物は、第4条では併記されていますが、あくまで原材料はこれまでどおりの言葉で、添加物を含む、と理解すべきだと思っております。

その理由は2つあって、1つは、原材料の定義というのを、新しく法律の中でしているわけでないということ。

もう一つは、第8条に立入検査等があるのですが、この中でも原材料という言葉が使われておりまして、ここをちょっと読みますと、「表示の状況若しくは食品、その原材料、帳簿、書類その他の物件を検査させ」というのが、まずあります。もう一つは、「食品若しくは原材料を無償で収去させることができる」という定めがあります。ここの原材料には添加物が入っていないのかというと、当然入らなければならないですね。ですから、法律の中では添加物が原材料に入っていないということはどこにも書いていないと思います。

○石川委員 法律の規定がある。

○池原委員 そこは第4条です。

○石川委員 法律第4条以下の規則が、第4条の規定を超えた書きぶりができるはずがないです。

○池原委員 そうだとすると、アレルゲンなども別立てで書かなきゃいけないですね。

○石川委員 書いています。

○池原委員 違います、表示項目として。第4条は、あくまで表示されるべき事項の基準を定めなければならないという規定の中で、例示として挙げられているだけですので、ここに例示として挙げられているからといって、それだけで原材料と添加物が別のものである、原材料の中には添加物を含まないと解釈しなければならないという理由はどこにもないと思います。第8条とは矛盾すると思います。

○阿久澤部会長 池原委員の意見ということで賜りました。

いかがでしょうか。どうぞ。

○池戸委員 お願いみたいな話ですけれども、きょう、調査会の報告の段階なので、部会でまだ本格的に議論が十分進んでいない。多分、パブリックコメントの反応を見て議論を進めるという話になると思います。そういう点では、今の時点でパブリックコメントを求めるというのは仕方ないかなという感じがしますけれども、先ほど御意見出ましたように、今回、これまでの基準の記載方式ががらりと変わっている。今後説明会というのは必要に応じてやられるのですね。特に、業界の方は自分のところの品目で見ますから。

ただ、今までの品質表示基準と違って項目ごとになっているので、非常にわかりづらい部分もありますね。だから、さっき鬼武委員が言われたように、説明のペーパーというのでしょうか、特に5-1と5-2だけを見てもわかるような感じで。あと、この部会でも議論が中途半端なものがまだいっぱいあるので、そういうところにも反映できるような意見が出てくるように努めていただきたい。特に消費者の方に対しては、かなりわかりやすく説明しないと、本当にわかりやすい制度にならないと思いますので、時間も限られてはいるかと思いますけれども、十分な意見聴取をお願いしたいなと思っております。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

ほか、よろしいでしょうか。それでは、いろいろと意見をいただきましたが、どうもありがとうございました。

≪4.その他≫

○鬼武委員 今後のスケジュールを教えてください。

○阿久澤部会長 今後のスケジュール。

○竹田食品表示企画課長 まだ全体のスケジュールは申し上げられませんけれども、7月に入りましたらパブリックコメント、資料を公表して、これに御意見を頂戴することを始めます。それから、今、御指摘ございましたけれども、説明会を開催したいと思っています。それが終わりましたら、多分必要な見直しが出てくると思われますので、そういったものを整理した上で、こちらのほうにまた御議論が戻ってくる。大まかなところは以上でございます。

○阿久澤部会長 ありがとうございました。

それでは、どうもありがとうございました。今後、消費者庁にて実施されるパブリックコメントで、多分たくさんの御意見をいただくかと思います。その御意見を踏まえ、また私どもの調査会の、あるいは部会の御意見、きょうもたくさん新たなものも出ましたが、その辺も踏まえまして、内閣総理大臣から食品表示基準案について正式な諮問がありましたら、食品表示部会において審議した後、答申を実施したいと思います。

冒頭にも確認させていただきました。また、委員の中からもさらに審議する場がという意見も多くありますように、諮問につきましてはできるだけ早い時期にいただけると非常に助かるということで、ぜひこのことにつきましてはお願いしておきたいと思います。また、おしりの期限が決まっているから、1回の議論にというような、1回で決まるような内容の諮問であれば、それはよろしいのですけれども、余裕をもった会議日程が組めるように、ぜひ作業のほうを進めていただければと思います。

それと、これは非常に大事だと思います。今、パブリックコメントをかけることに当たって、皆さんにわかりやすいパブリックコメントという意見、これは総意だと思いますので、ぜひその辺を工夫していただければと考えております。

それと、1つ、先ほど省略させていただいた資料1の件ですが、これは調査会の報告書の変更もあるということで、全体の報告案のとりまとめ案も若干変わる可能性があるのですが、それにつきましては部会長、部会長代理と事務局との調整ということで、委員の皆さん、御了承いただけますでしょうか。はい。では、そのようにさせていただきたいと思います。

本日は、本当に長時間、昼食もとらずということで、議事に御協力いただきましてありがとうございました。本日の議事は以上です。

最後に、次回日程について事務局から説明をお願いしたいと思います。

○大貫参事官 どうもありがとうございました。

次回の日程については、改めて御連絡させていただくことになります。

○阿久澤部会長 どうもありがとうございました。

それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

≪5.閉会≫

(以上)