第9回 公共料金等専門調査会 議事録
日時
2014年2月14日(金)16:58~18:59
場所
消費者委員会大会議室1
出席者
- 【委員】
- 古城座長、井手座長代理、古賀委員、陶山委員、松村委員、矢野委員、山内委員
- 【消費者委員会担当委員】
- 岩田委員、山本委員
- 【説明者】
- 財務省理財局総務課たばこ塩事業室 矢花室長
- 国土交通省総合政策局安心生活政策課 岩月課長、波々伯部企画官
- 国土交通省総合政策局安心生活政策課
- 国土交通省鉄道局鉄道サービス政策室 五十嵐室長
- 国土交通省鉄道局旅客輸送業務監理室 越智室長
- 国土交通省自動車局旅客課 瓦林課長、高橋課長補佐、坂田タクシー事業活性化調整官
- 【事務局】
- 消費者委員会 大貫参事官
- 消費者庁 河津審議官、片山消費生活情報課長、谷本企画官
議事次第
- 開会
- 消費税率の引上げに伴う公共料金等の改定について
- (1) JTのたばこ小売価格の改定について
- (2) 鉄道運賃、バス運賃、タクシー運賃の改定について
- 閉会
配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)
- <財務省提出資料>
- <国土交通省提出資料>
- 【資料1】 消費税率引上げに伴う公共交通運賃の改定について
- 表紙~8ページ(PDF形式:391KB)
/9ページ~12ページ(PDF形式:617KB)
- 【資料2】 運賃改定申請内容(PDF形式:65KB)
- 【参考資料】 1.各社の収支状況、2.各社の運賃改定状況、3.運賃に関する制度(PDF形式:318KB)
- 【参考資料】 消費税率引上げに伴う公共交通運賃等の改定案について(消費者庁付議文書)(PDF形式:64KB)
- 【追加資料1】 消費税率の引上げに伴うJTのたばこ小売価格の改定案に関する公共料金等専門調査会意見について(案)(PDF形式:9KB)
- 【追加資料2】 消費税率の引上げに伴う鉄道運賃の改定案に関する公共料金等専門調査会意見について(案)(PDF形式:10KB)
- 【追加資料3】 消費税率の引上げに伴うバス運賃の改定案に関する公共料金等専門調査会意見について(案)(PDF形式:9KB)
- 【追加資料4】 消費税率の引上げに伴う東京都特別区に係るタクシー運賃の改定案に関する公共料金等専門調査会意見について(案)(PDF形式:9KB)
≪1.開会≫
○大貫参事官 本日は、皆様、天候の悪いところをお集まりいただき、ありがとうございます。
ただいまから「消費者委員会公共料金等専門調査会」の第9回会合を開催します。
本日は、所用により蟹瀬委員、白山委員、消費者委員会担当委員の橋本委員が御欠席という御連絡をいただいております。岩田委員と矢野委員は、おくれて到着される予定になっております。
それでは、議事に入る前に、配付資料の確認をさせていただきます。
今、お配りしております資料は、議事次第の下にございます配付資料一覧、財務省と国交省に分かれておりまして、財務省のほうが資料1から資料4、国交省の方が資料1、資料2、参考資料。そのほかに、参考資料として消費者庁からの付議の文書がございます。不足の資料がございましたらば、事務局のほうに御連絡をお願いいたします。
なお、本日の会議につきましては、公開で行います。議事録についても、後日公開することといたします。
それでは、古城座長に議事進行をよろしくお願いいたします。
≪2.消費税率の引上げに伴う公共料金等の改定について≫
(1) JTのたばこ小売価格の改定について
○古城座長 それでは、議事に入らせていただきます。
本日の議題は、「消費税率の引上げに伴う公共料金等の改定について」です。
消費税率の引き上げに伴い、先般、JTのたばこ小売価格、鉄道運賃、バス運賃、タクシー運賃の改定申請がなされたところですが、物価問題に関する関係閣僚会議に付議するに当たり、消費者庁より消費者委員会の意見を求められております。
本日は、料金改定の概要について所管省庁から御報告をいただいた上で、公共料金等専門調査会としての意見を取りまとめたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず初めに、消費税率の引上げに伴うたばこの小売価格の改定について、財務省より御説明をお願いいたします。
○財務省矢花たばこ塩事業室長 財務省のたばこ塩事業室矢花でございます。よろしくお願いいたします。
まず、お手元の資料1、横長の紙でございますけれども、具体の価格改定案に先立ちまして、昨年3月に主な公共料金とたばこの価格の相違につきまして説明申し上げた点について、再度簡潔に御説明させていただきたいと思います。
一番上の財・サービスの特性でございますが、主な公共料金につきましては、他に代替性のない生活必需品であるのに対しまして、たばこは多数の銘柄間での代替性のある嗜好品でございます。
また、次の市場の形態につきましては、公共料金は独占的な供給体制になっておりますが、たばこにつきましては国内外の多数の銘柄による競争状態になってございます。本日御説明いたしますJTの製品は、市場の60%のシェアを占めているものでございます。
こういった相違がございまして、一番下になるのですけれども、コスト削減のインセンティブにつきましては、公共料金、総括原価方式ではなかなかこれが働きにくいという性格、指摘がございますけれども、たばこにつきましては、基本的には競争を通じてコスト削減のインセンティブが働く点は、一般の財・サービスと同様ということでございます。定価認可に当たりましては、消費者の利益を不当に害するものではないということをしっかりチェックしているところでございます。
次に、資料を1枚飛ばしまして、資料3、縦長の紙の説明に移らせていただきたいと思います。今回、JTから申請のありました価格改定の案でございます。「消費税率引上げに伴うJTのたばこ小売価格の改定案」について御説明したいと思います。
日本たばこ産業株式会社(JT)としましては、政府の基本方針、公共料金の改定についての8月1日の申し合わせにございます、「公共料金等の改定申請がなされる場合には、税負担の円滑かつ適正な転嫁を基本として対処する」との方針に沿って、以下の内容による改定としたいという申請を上げてきております。
具体的には、マル1たばこは自動販売機が主要な流通形態の一つであることを踏まえまして、10円単位での改定とする。
マル2端数処理につきましては、同一のブランドについては基本的に同一価格とし、利用者負担の公平を図る。後ろにもつけておりますけれども、例えばメビウスという主要銘柄がございますが、これにはボックスやライトなどいろいろな種類の銘柄がございます。こういったものにつきましては、基本的には同じ価格で統一するということでございます。
マル3銘柄全体の加重平均値上げ率は、消費税率引上げに相当するものであり、事業全体で適正な価格転嫁を実施するということでございます。具体的には、この加重平均値上げ率の算定に当たりまして、銘柄間の転移というものを勘案してございます。例えば電気・ガス等でございますと、値段が上がっても供給先を変えるというのはなかなか難しいわけでございますが、たばこの場合、20円上げたもの、10円上げたものがございますと、どちらかといいますと20円上げたもののシェアが減りまして、10円上げたもののシェアが増える。より安いものにお客様が移るという銘柄間の転移がございます。この転移を過去の実績に基づいて勘案いたしまして、銘柄全体の加重平均値上げ率が四捨五入で2.86%という案になってございます。
マル4ですが、これらを踏まえまして、全商品116銘柄のうち、107銘柄につきまして10円又は20円の値上げを行う。内訳としましては、20円上げるものが68銘柄、10円上げるものは39銘柄、据置のもの9銘柄となってございまして、参考としては、主な代表銘柄の値上げの申請例を掲げております。
こうしたJTの考え方につきましては、私ども、審査中ではございますが、政府方針を踏まえた合理的なものであると考えてございます。
以下、細かい個別銘柄の値上げの数字が掲げてございますが、割愛させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○古城座長 ありがとうございました。
御説明いただいた内容についての御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。いつものとおり、机の上の名札を立てていただきます。いかがでしょうか。松村委員、どうぞ。
○松村委員 質問じゃなくて、お願いとコメントです。他の委員も含めて妥当だと考えているとしても、この理由で納得したわけではないということは一応確認させて下さい。
多数の銘柄間で代替関係があるから特別だというのは、受け入れかねます。仮に独占企業が10個の銘柄を出しているか、100個の銘柄を出しているかを比較して、100個の銘柄を出しているからより競争的だとはもちろん考えていない。ただ、JTが独占ではなく競争している、ライバルも多くの銘柄を出しているし、そちらに移ることもある、そういう競争的な市場だという説明は受け入れます。銘柄がたくさんあって、だからある程度の競争市場だという説明を受け入れたのではないことは一応確認させてください。
それから、需要の代替性があるというのも、たばこ特有のことではありません。電力にしても、仮にオール電化料金とそうでないところの料金の上げが違っていれば、需要が移ることがあり、その場合、どれぐらい移るのかということは推計していたりします。ガスでも、もし申請があれば同じことです。
ただ、電力の消費税の場合に問題にならない。基本的に全て同じ率で上げるから。これに対して、たばこの場合には10円単位にせざるを得ないという制約が有り、その点で値上げ率にばらつきが出てくる。だから問題が発生する、それだけのこと。代替性自体はたばこ特有のことではない。
もう一つ。需要全体、加重平均して大幅な値上げになっていない。それから、需要が変動するということもきちんと考慮したのだということは、説明として説得力があったと思いますので、私は受け入れています。しかし、事後的に、もともと予想していた需要の変動が正しかったかは検証していただきたい。必ず正しい推計ができるわけではないということは十分わかっているので、間違っていたからといって直ちに責めるということではないのですが、どれぐらい信憑性のある需要予測なのかということは後々のためにも必要なことだと思います。もし次のラウンドがあったとすれば、そのときには前のラウンドのときの需要の推計がどれぐらい正しかったのかを報告してください。
以上です。
○古城座長 そのほかいかがでしょうか。陶山委員、どうぞ。
○陶山委員 加重平均で2.86とおっしゃいましたけれども、細かいことなのですけれども、105分の108で、ほかは2.857という数字を使われているのですけれども、この辺は。105分の108を超えていませんか。
○財務省矢花たばこ塩事業室長 四捨五入しますと2.86ということでございますので、正確には108割る105ということでございます。
○古城座長 あと、よろしいでしょうか。
それでは、ほかの案件もありますので、これで結構ですので、財務省にはここで退席していただきます。どうもありがとうございました。
(財務省退席)
○古城座長 それでは、ただいまの議論を踏まえて、本件に関する当専門委員会の意見を取りまとめたいと思います。
意見案をお配りいたしますので、その内容について事務局から説明をお願いします。
○大貫参事官 今、お配りをしているところでございますが、説明させていただきます。「消費税率の引上げに伴うJTのたばこ小売価格の改定案に関する公共料金等専門調査会意見について(案)」というタイトルになってございます。
上のほうは、郵便料金の引上げのときと同じフォーマットでございます。
前文のところで、消費者委員会公共料金等専門調査会は、平成26年4月1日から消費税率を5%から8%に引き上げることに伴うJTのたばこ小売価格の改定案について検討した。改定案の内容は以下の通りということで、先ほどの財務省の資料をそのまま引いてございます。
その後のところに、審議の経緯を書いてございます。
平成26年2月14日に財務省へのヒアリングを行い、調査審議した結果、上記改定案に関する公共料金等専門調査会の意見は以下の通りであるということです。
四角囲みで1.結論と書いてございます。これは重要ですので、読み上げさせていただきます。
1.結論
○改定案の内容は、消費税の円滑かつ適正な転嫁の観点から妥当であると認められる。消費者への分かりやすく丁寧な説明に努められたい。
2.理由
○消費税率を5%から8%に引き上げることによる公共料金等の改定に関する審査は、短期間に多くの改定に関する審査を行う必要があることから、改定前の料金水準及び料金体系に著しい問題が認められない場合には、105分の108を乗じた料金の設定が行われているか、並びに端数処理が合理的かつ明確な方法により行われているかについて検証することにより行うことが適切である。
○財務省からの説明により以上が確認されたため、1.の結論とするものである。
審議のほど、よろしくお願いいたします。
○古城座長 今の案につきまして、御意見ございますでしょうか。御発言をお願いいたします。
特に意見がないようなので、これで承認されたということにさせていただきます。
(2)鉄道運賃、バス運賃、タクシー運賃の改定について
○古城座長 次に、消費税率の引上げに伴う「鉄道運賃、バス運賃、タクシー運賃の改定について」、国土交通省より御説明をお願いいたします。
(国土交通省着席)
○国土交通省岩月安心生活政策課長 それでは、御説明させていただきます。国土交通省の岩月と申します。3分野ございますが、3分野まとめて私のほうから説明はさせていただきますので、よろしくお願いいたします。お手元の資料1、資料2と参考資料という3分冊でございます。説明は、資料1に基づいてさせていただきます。
まず、1ページめくっていただきまして1ページ目でございますが、消費税率の引上げに伴う公共交通運賃の改定について。
1段落目でございます。私ども国土交通省では、昨年10月1日、総理の消費税率引上げの判断を受けまして、公共料金等の改定に係る政府全体の基本的な考え方が夏に出されておりますので、これを踏まえまして公共交通運賃の改定について、当省の基本的な考え方をまとめて関係者に通知いたしました。
ちょっと別添をごらんいただきたいのですけれども、1枚めくっていただいて3ページになります。先生方、もう御存じかもしれませんが、簡単に触れさせていただきますと、「消費税率引上げに伴う公共料金等の改定について」、物価担当官会議の夏になされた申合せでございます。ここに政府の全体の基本方針が示されております。
まず、1ポツですけれども、公共料金等の改定申請がなされる場合には、税負担の円滑かつ適正な転嫁を基本として対処するということでございます。
2つ目でございますが、消費税率引上げに伴う税負担の転嫁と併せて、税負担以外の費用の変化等による公共料金等の改定申請がなされる場合には、個別案件ごとに厳正に対処するということでございます。
3.端数処理でございますが、これは合理的かつ明確な方法により行うということです。そして、事業全体又は料金体系全体で消費税率引上げに伴う税負担の適正な転嫁を行うということでございます。
4ポツ目ですが、消費税率引上げの適用日前に実施することは認められないということでございます。
5番目ですけれども、改定申請に係る手続は、その運用をできる限り簡素化するなど、事業者の負担軽減を図る。
以上のような5つの基本的な考え方が示されました。
それを受けまして、1ページ戻っていただきまして、国交省としての基本的な考え方を10月29日に定めまして関係者に通知いたしました。
1番は、消費税は、消費一般に負担を求める間接税であり、これを円滑かつ適正に転嫁し、利用者が公平に負担することが基本だということでございます。
2ポツ目で、先ほど読み上げました25年8月1日の物価担当官会議申合せに基づき、原則下記により適切に対応するということでございます。
そして、記で5つの基本方針を挙げていまして、(1)は物価担当官会議申合せと基本的にはパラレルでございますが、事業者の改定申請がなされた場合には、運賃・料金への転嫁を基本として対処するということでございます。
(2)は、消費税率引上げに併せて通常改定の申請が行われる場合には、個別案件ごとに厳正に対処するということでございます。
そして、(3)端数処理ですが、合理的かつ明確な方法により行う。また、現行の運賃・料金体系を踏まえつつ、事業全体として108/105以内の増収となるように調整するということでございます。
(4)、後で少し詳しく説明しますが、ICカード利用について、いろいろな議論もございました。ICカード利用の普及を踏まえまして、同一区間において、10円単位と1円単位の異なる運賃を設定する場合には、利用者にとって分かりやすいものとして、理解が得られるよう周知を徹底するということでございます。
最後に(5)ですが、申請手続については、その運用をできる限り簡素化するなど、事業者の負担軽減を図る。
以上のような5つの基本方針を定めまして、関係者に通知をしたということでございます。
1ページに戻っていただきまして、これを踏まえまして2段落目でございますが、首都圏の鉄道事業者、バス事業者はICカードの利用率が高うございまして、8割程度という数字がございます。そういう首都圏の鉄道事業者、バス事業者の中には、今年4月の消費税率引上げの際に、ICカードを利用した「1円単位運賃」を導入したいとしているところがありましたので、消費税率の引上げ分をより正確に転嫁する観点から認めることとした。先ほどの基本方針でも、より正確に転嫁するという観点から認めたということでございます。
他方で、現金運賃ですが、これは自動券売機の改修などに非常に多額な費用がかかりますので、引き続き10円単位となります。そうなりますと、ICカードの運賃と現金運賃、2つの運賃が併存することになりますけれども、いずれにしても事業全体で105分の108以内の増収となることを前提に認めることといたしました。
そして、具体的な端数処理の方法ですが、基本的な考え方を国交省として関係者に通知いたしました。少し御説明させていただければと思いますが、4ページでございます。4ページ以降に鉄道、バス、タクシーとございますが、まず鉄道からでございます。(1)が1円単位運賃導入事業者、(2)がこれまでどおり10円単位の運賃事業者でございます。
(1)の1円単位のほうからでございますが、繰り返しになりますけれども、1円単位運賃を定期外運賃に導入する場合、正確に転嫁できるということですので、これは認めます。認めますが、ICカード運賃と現金運賃、それぞれ四捨五入で処理すると、ICカード運賃が現金運賃より高くなったり安くなったりして、利用者に混乱をもたらしかねないのではないかという懸念がございました。
そこで、何らかの端数処理についての工夫が必要だろうということになりまして、ここには「ICカード運賃の方が現金運賃より安くて然るべきという消費者感覚」と書いてございますが、すなわち、ICカード運賃のほうが現金運賃より高いということは、ちょっと抵抗感が強いのではないか、利用者に抵抗感があるのではないかということから、利用者にわかりやすい体系にするためにも、ICカード1円単位運賃が常に「現金運賃以下」となることを基本とするということにいたしました。
2段落目ですけれども、このため、ICカード運賃が現金運賃より高くならないよう現金運賃の「切り上げ」を認めるということでございます。いずれにしても、事業全体では108/105以内の増収におさまるように調整する。定期運賃等他の券種で調整するということでございます。あわせてICカードのほうをより利用しやすい環境整備を工夫するようにということも、事業者のほうに通知しております。
口で説明していてもわかりにくいですので、表を参照いただきまして、もう一度繰り返しになりますが、説明します。150円と200円の例を掲げてございます。150円のほう、ICカードですと1円単位ですから3%を転嫁しますと154円になります。200円のほうは、206円になります。現金は150円のほうは一旦154円になりますが、もし四捨五入しますと、ここは150円になります。そうすると、ICカードのほうが高くなってしまいます。これを避けるために、現金のほうは160円に切り上げをするということでございます。200円のほうは、現金206円になりますが、これはもともと四捨五入でも210円になりますので、切り上げで210円になるということでございます。
右のほうに、現金利用が8%、定期利用60%とございますけれども、現金で切り上げた部分、当然取り過ぎになってはいけませんので、事業全体で105分の108にしないといけないということですので、これは現金の部分は定期利用等でしっかり調整することにしております。
(2)は10円単位運賃の事業者でございまして、これは首都圏以外のところからこのような申請が上がってきておりますけれども、これは従来どおり四捨五入で端数処理を行い、いずれにしても事業全体で105分の108以内の増収におさまるように調整するということでございます。
以上が鉄道でございます。
次のページがバスでございますが、バスも基本的には同じ考え方です。
まず、(1)1円単位運賃導入事業者でございます。これは、先ほど説明いたしましたように、基本的に1円単位、正確に転嫁できるということで認めるわけでございますが、ICカード運賃と現金運賃と、高くなったり、安くなったりするというのは混乱をもたらしますので、ここはICカード1円単位運賃が常に現金運賃以下となることを基本とすることにいたしました。ただし、鉄道みたいな方式で端数処理をすると、これがなかなかうまくいかないということで、さらに一工夫しております。
2段落目に書いてありますが、表の右側をごらんください。先ほどの鉄道のほうは、現金利用で切り上げて取り過ぎた分を定期券等で調整することにしておりました。ところが、バスの場合は定期利用が20%しかない。定期券を持たない方の利用が非常に多うございまして、もし現金利用で取り過ぎた部分を定期利用の方に還元していくことになりますと、定期がかなり安くなってしまって運賃体系がゆがんでしまう。消費税は、公平に転嫁することが基本ですので、余りゆがむのはいかがなものかということで、これで一工夫必要だということになりました。
その工夫の仕方ですが、表を見ていただきますと、まず150円と200円という例で申し上げますと、まず現金のほうは四捨五入を原則とすることにいたしました。150円の場合は154円になりますが、四捨五入ですので150円に切り下げるということです。あと、200円のほうは206円になりますが、これは四捨五入で210円になるということでございます。ICカードは、1円単位で正確に転嫁するということですので、150円のものは154円なのですが、そのままですと現金よりも高くなってしまうと。バスの場合は、特に降りるときに支払ったりするようなバスもございますけれども、そこでどちらが高い、安いということで混乱が生じるのは望ましくないということがございまして、この場合はICカードを150円まで切り下げるということで、現金と同額以下にするという処理をすることにしております。
あと、200円のほうは、ICカードは206円になります。これは、このようなことをしなくてもICカードのほうが安くなっておりますので、このままでございます。
以上のような鉄道の変形型で処理をいたしまして、いずれにしても利用者の混乱が生じないような形を基本としたいと考え、通知いたしました。
(2)は10円単位運賃事業者ですので、これはこれまでと同様、四捨五入が原則で、事業全体で108/105以内に収まるように調整するということでございます。
次に、6ページに参りまして、タクシーです。これは、対象は東京都特別区になっております。
表をごらんください。現行では、初乗り運賃が2km710円になっています。改定では、105分の108を掛けまして、右の数式のように730.285になりますが、切り捨てて730円にするということでございます。
あと、加算運賃につきましては、現在288mで90円ですが、ここは金額のほうで調整しますと、仮に100円にいたしますと3%をかなり上回ってしまいますので、加算運賃については距離のほうで調整いたしまして、3%相当に当たります8mを短縮し、280mにすることにしております。
以上が端数処理の具体的な方法についての説明を申し上げました。
恐縮ですが、また1ページに戻っていただきまして、これまで上から4段落目までを御説明いたしました。今、御説明いたしましたように、今回、1円単位を導入する事業者が出てくるということで、一種複雑になります。したがって、なお書きにございますように、消費税率の引上げに伴う運賃等への円滑かつ適正な転嫁について利用者の十分な理解を得ることが必要だと。そのために、各社において、パンフレット、ホームページ等、各種媒体による広報をしっかり行うということ。あと、利用者からの問い合わせに対応する体制を整えて、適切に対処するということをあわせて通知しております。
別添3とございますが、例えばということで例を幾つかつけてございます。
7ページは、東京メトロの例を挙げてございます。これはまだ申請段階でございますが、広く利用者に周知することが重要だろうということで、このようなお知らせをし始めているところでございます。真ん中に太字で書いてありますように、「今回の運賃改定では、消費税をより適正に転嫁できることから、ICカードでご乗車いただく場合の普通旅客運賃を1円単位として申請いたしました」ということ。
あと、具体的に運賃がどうなるかということで、真ん中の表の左側ですが、ICカードで乗車した場合ときっぷを購入して乗車した場合、どういう運賃になるか、具体的な申請した運賃の金額を掲げて周知を開始しておるところでございます。なお書きにございますように、わかりやすい案内に努めるとか、よりICカードを利用いただきやすい環境の整備を進めてまいるということも、私どもの指導に沿って周知しておるところでございます。
次に、8ページは、4月1日以降にもし認められましたら、こういう形でしっかりとお客様に周知していきたいというイメージでございます。東京メトロの運賃表の真ん中にちょっと拡大して書いてございますが、「きっぷとICカードの運賃比較表」ということで、きっぷの場合とICカードの場合、どういう金額になるのかというのを具体的にしっかり、わかりやすく明示していくことを予定してございます。
次に、9ページは、これまでは東京メトロの例でございましたが、JR東日本の例を掲げてございます。これも申請段階ではございますけれども、真ん中のところ、「1円単位運賃の導入について」というところがございます。「消費税率引上げ分をより正確に反映させるため、交通系ICカードご利用時の運賃については1円単位運賃を導入する予定です」ということを、お客様に周知を開始しております。
その下の表ですが、左側に交通系ICカードの普通運賃、SuicaとかモバイルSuicaといったものは1円単位になるということ。そして、右側ですが、定期券も含めて、きっぷの運賃につきましては10円単位になるということをお客様に知らせ始めているということでございます。
次の10ページは、もし認められましたらどういう形でお客様に4月1日以降、お知らせするのかというイメージでございます。きっぷ売り場の運賃表のところに、上の段の左側にありますような「ICカードご利用時の運賃対応表」ということで、きっぷの運賃とICカードご利用時の運賃というのをはっきりと明示して、お客様に知らせすることを予定しているとのことです。
下の段ですけれども、東京の一定の電車特定区間としているエリアにつきましては、常にICカード御利用時に現金よりも安くなるということですので、これをしっかりと明示して案内をするということでございます。
以上がお客様への周知ということで、当然ですが、他社もいろいろ工夫してしっかりと周知して、混乱なきようにということで私どもも指導しておりますし、取り組む予定にしておるという御紹介でございました。
最後に、11ページ以降でございますが、運賃改定がどういう状況になっているのか、どういう申請が上がってきているのかというところでございます。
まず鉄道ですが、対象となるところは、まず民営ではJR6社、民鉄大手15社と東京メトロになります。改定率につきましては、105分の108の2.8571以内におさまるように、ごらんのような改定率の申請が上がってきておるところでございます。実施予定日は、いずれも4月1日。あと、ICカード1円単位運賃を導入予定している事業者につきましては、ここに書いてございますように首都圏の事業者でございまして、JR東日本、関東大手民鉄8社、東京メトロから申請が上がってきております。
右側、公営でございますが、6大都市の公営地下鉄が対象になっております。改定率につきましては、それぞれここにごらんのとおりの申請が上がってきております。あと、実施予定日につきましては、議会等々の関係もございまして、26年6月1日に都営地下鉄、横浜市営地下鉄。名古屋市営地下鉄につきましては、9月1日。それ以外につきましては4月1日ということでございます。ICカード1円単位運賃導入予定事業者につきましては、首都圏の東京都交通局と横浜市交通局が申請してきております。
最後に12ページでございますが、バスにつきましては、対象となりますのは、まず民営は、東京都特別区内に路線を有する大手民営9社でございます。改定率は、ここに掲げてございますような改定率で申請が上がってきており、実施予定日は4月1日。そして、東京都内ということでございまして、9社ともにICカード1円単位運賃導入をしたいということで申請が上がってきております。
次に、公営ですが、6大都市の公営バスが対象になっておりまして、改定率はここに書いてあるとおりの申請が上がってきております。名古屋交通局は9月1日の実施、それ以外については4月1日の実施を予定しております。ICカード1円単位運賃の導入予定事業者は、やはり首都圏の東京と横浜でございます。
最後にタクシーですが、東京都特別区に係るタクシー事業者は、先ほどの初乗りと距離の引上げをいたしますと、改定率といたしましては2.723%ということになります。実施予定日は4月1日を予定しております。
以上が資料1の御説明でした。
資料2と参考資料を簡単に構成だけ御説明させていただきます。
資料2は、運賃改定の具体的な申請内容をつけさせていただいております。改定率の合計のところは先ほど御説明したとおりなのですが、具体的にそれぞれの会社ごとに、現行収入額、改定後の見込額、増収額、改定率が定期外、定期、料金と券種ごとにどういう率になるのか、どういう率で申請が上がってきているのかということを、もう少し詳細に個別の会社ごとに掲げさせていただきました。
1ページ目がJR6社でございます。めくっていただきまして、2ページ目は民鉄の15社と東京メトロ。3ページも引き続いて。4ページが公営地下鉄、5ページが合計15社のバスについての改定率でございます。
これが資料2でございます。
最後に参考資料につけてございますのは、まず1つは、各社の収支の状況でございます。直近の24年度と、その前の23年度、各社ごとに収支状況を、1ページはJR、2ページ、3ページが大手民鉄、4ページに公営地下鉄、5ページにバス事業者、6ページにタクシーということで、収支の状況を御参考までにつけてございます。
あと、7ページからは、運賃改定を前回、いつやったのか、御参考までにつけてございまして、7ページの表をごらんいただきますと、一番上は事業者名、2段目、3段目が改定実施年月日と今回の改定率でございます。その下に、直近いつ実施したのかという前回改定実施年月日と、前回改定率。そして、改定理由をごく簡単に書いてございます。例えばJRでございますと、1段落目に6社ございますけれども、前回改定は、3%から5%に消費税を上げた平成9年4月1日に1.94%の改定をしております。
その下に大手民鉄が続きまして、次のページに公営地下鉄。そして、9ページに乗合バス事業者についても、前回改定がいつだったのかということを書いてございます。
あと、10ページがタクシーについてでございます。
11ページ以降は、鉄道とバスとタクシーにつきまして、そもそも運賃の制度がどういう制度になっているかということが御議論になる可能性もあるかと思い、御参考までにつけさせていただきました。
以上が私ども国土交通省からの説明になります。大変雑駁な説明だったかもしれませんけれども、以上のとおりでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○古城座長 ありがとうございました。
御説明いただいた内容について、御質問、御意見のある方は御発言をお願いいたします。矢野委員、どうぞ。
○矢野委員 おくれて申しわけありませんでした。大きく2点ほど質問させていただきます。
1つ目は、2ページの基本的な考え方についてです。1番で、消費税は利用者が公平に負担することが基本である。そのことで、次の下記の(1)ですが、運賃・料金への転嫁を基本とするということが基本的な考え方とされていますが、先ほどの参考資料のところでも、前回の平成9年の消費税5%引き上げ時に全てが対応していたのかというと、その後の改定もあったりするので、よくわからないのですが。
事業者の側で財務状況といいますか、過剰な利益を上げていたり、過剰な利益剰余金が生じていないとか、事業推移の見通しが適正であるといったところがチェックされた上で、適正な価格として、それから消費税が転嫁されることが基本となると思うのですが、例えば東京都の運賃に関しては、既に東京都議会の委員会、本会議もそうですけれども、都民の代表として議員が事業状況についてもチェックを行っているわけですね。そういったことで、今回、東京都の運賃に関しては申請がされたということなのですけれども、民間事業者に対しては、その辺は国交省のほうでチェックされていると受けとめていいのか、その辺についてお聞きしたいのが1点目です。
2点目は、利用者についての説明です。例えば4ページでは、IC運賃が現金運賃よりも高くならないように現金運賃の切り上げを認めることが基本になっていますが、10ページを見ると、JR東日本では一部そうでない、逆転している状況が出ています。こういったことや、また事業全体では3%以下になるわけですけれども、一つ一つを見れば、大きく括って参考資料で見ただけでも、例えば普通運賃が3%を超えるとか、事業形態によってはあるわけです。公平感というところでは、そのあたりを利用者にどういうふうに説明されるのか、その点をお聞きしたいということです。
○古城座長 よろしくお願いします。
○国土交通省岩月安心生活政策課長 まず、1点目で、現行の運賃水準が適正であることをしっかりチェックした上でやっているのかということでございます。先ほど物価担当官会議の申し合わせでありましたように、私ども、消費税の転嫁に当たりましては、3ページの1ポツにございますように、まず税負担の円滑かつ適正な転嫁を基本として対処するということだと考えております。
政府としてもさまざまな対策を行っていて、例えば消費税の転嫁対策特別措置法というのを制定して、消費税の転嫁に向けた環境整備を行うということをしっかりやってきておるところです。したがって、国土交通省もその政府全体の方針にのっとりまして、基本的には消費税の円滑かつ適正な転嫁を実施するための環境を整えるということで、この基本的な考え方をお示しいたしました。経営状況云々によって転嫁の是非云々を基本的に判断するものではなくて、政府全体の方針にのっとって適正な転嫁を行うことが、まずは基本だと思っております。
ただ、もしかして御質問の趣旨は、現在の運賃水準がどうなっているのか、妥当だと考えているのかということだとすれば、そこの部分については、運賃については、法律の中で、例えば特定の旅客に対して不等な差別的な取り扱いをしているとか、不等な競争を引き起こすおそれがあるといった場合、あるいは、利用者の利便その他公共の利益を阻害している事実があるといった場合には、例えば事業改善命令とか変更命令などをかけることもございますけれども、それほどの妥当性を欠くような水準ではないと判断した上で、消費税の転嫁を認めているということでございます。
○古城座長 今の御説明は、国土交通省としては現行運賃が妥当であることを確認したと、これでよろしいのでしょうか。
○国土交通省岩月安心生活政策課長 一言で言えば、おっしゃるとおりです。
○古城座長 2点目はどうでしょうか。
○国土交通省越智旅客輸送業務監理室長 2つ目の御質問でございますけれども、利用者への説明ということで、例えば資料10ページを見ていただきますと、右上のICカードときっぷの運賃について逆転しているところがあります。しっかり御案内していかなきゃいけないところですけれども、これについてはJR東日本の運賃体系が大きく4つございまして、私どもの方針としてお示ししたICカードが現金運賃と同額ないしそれより安いということを基本にするという考え方に従ってはいるのですが、先ほど申しました4つの運賃体系の中で、ICカードを利用できるエリアの運賃体系が、ここにあります電車特定区間という、下に書いてありますエリアマップがございます。北は大宮から、南は大船というようなエリアでございます。
○古城座長 何ページですか。
○国土交通省越智旅客輸送業務監理室長 10ページでございます。この資料で見ていただきますと、電車特定区間エリアにつきましては、10円単位運賃を切り上げ処理するということで、ICカード利用のほうを安くするということが可能になってございます。
一方、それ以外の幹線運賃あるいは地方交通線運賃といった体系もJRは持ってございまして、これらにつきましてはICカードエリアを飛び出るといった地域にかかわるものでございます。また、他の会社とのまたがるJR共通の運賃ということもございまして、こういったところにつきましては従来の四捨五入という処理を行うということでございます。そういった事柄を御利用者の方にもご理解いただくために説明していくことは重要だと考えております。
それから、先ほど個別の運賃なり定期とか定期外とかでバランスがとれているのか、公平感があるのかということでございます。資料2の1ページでございます。例えばJR東日本を見ていただきますと、定期外が2.96、定期が2.676で、確かに種別ごとにばらつきがございます。しかしながら、事業全体で2.857の中でおさめる調整がされているところでございます。これにつきましては、合理的な端数処理の中で行われているものでございます。
ちなみにJR九州を見ていただきますと、1円単位を導入しませんので、従来どおりの四捨五入という処理がされてございます。そういったところでも、定期外で3%を超えるものになってございます。これは、端数処理の関係でどうしてもばらつきが出るものでございまして、これを事業全体で改定率の範囲内でおさめる処理をしているものでございますので、御理解いただきたいところでございます。
○古城座長 よろしいですか。
あと、いかがでしょうか。陶山さん、どうぞ。
○陶山委員 わかりにくさという点では、今、矢野委員がおっしゃった鉄道の料金の中だけでも違いがあるのと、バス料金の端数処理は四捨五入でやるという両方があるということで、消費者にとっては非常にわかりにくい処理の仕方じゃないかなと思っています。基本的にはICカードのほうが低額になるという原則を入れつつも、現金で支払う部分も四捨五入処理をして、それを超えないか、あるいは同額という方式が、鉄道のほうにも持ち込まれるのであれば、両方が一貫して説明できるだろうし、鉄道1つの中においても、このようなわかりにくい料金体系はひょっとしたら避けられるのではないかと、私は、今お聞きした中では考えるのですけれども、その辺は御検討になられたのでしょうか。
○国土交通省岩月安心生活政策課長 もちろん、消費者にとってわかりやすいということが一番大事ですので、そこは十分私ども悩んで、検討いたしました。1つには、1円単位運賃が出てきて、それはまさに公平に正確に引き上げるという利点がございますので、それをやりたいという事業者に対して、それは認めることが適当だろうということがまず1つ。他方で、10円単位は、券売機での販売ということになりますとどうしても残ってしまうということでございます。そこで生じるのが四捨五入の関係で、高くなったり、安くなったりということなので、これはいろいろ工夫しないとわかりにくくなってしまうだろうということで、まずは鉄道のような、片方は切り上げを認めるというやり方を考えたわけでございます。
といって、バスのほうでそれができるかというと、それを追求すれば、かえって定期のほうが非常に安くなってしまうとか、ゆがみが大きくなってしまうので、わかりやすさと運賃体系のゆがみをできるだけ小さくするということを両立させるために、バスのような方式を考えたということでございます。
結果として、いろいろなやり方になっているということでわかりにくいという御指摘かもしれませんけれども、それぞれモードごとにも、あるいは地域によってもそうなのですけれども、現金利用とか定期利用の割合とかICカードの利用の割合とか、利用状況が違いますので、そういったものを踏まえて最適な方法、しかも利用者にとって結果としてわかりやすいやり方が何なのかということを考えたときに、やり方は違うのですけれども、結論は利用者にとっても非常にわかりやすい仕組みになっているものと考えておる次第です。
○古城座長 井手委員、どうぞ。
○井手座長代理 タクシーの6ページで質問があるのですけれども、1つは、標準的な事業者の事業収入の増収率が105分の108という部分ですけれども、標準的でない、非常に効率的にやっている事業者の場合に、これは公定幅の運賃ですから、上限以下の料金を設定する事業者も出てくる。その場合は、105分の108というのが、消費税が確実に転嫁されない事業者も出てきて、多種多様な料金が出てくる可能性があるのかどうかというのが1点と。
もう一つは、個人タクシーも全部同じように標準的なあれに合わせて、730円と280mとするのかどうか。
それから、タクシーはよく近距離で乗るお年寄りとか、非常にメリットがあると言われていたときに、2kmと285m乗るときに、現行では800円が910円になるわけで、110円も上がる。これを消費者に消費税転嫁分ですと受け入れられるかというと、私は非常に難しいと思うのですけれども、その点、どういうふうに消費者に理解を広めていくのか、この点を教えていただきたい。
○国土交通省瓦林旅客課長 自動車局旅客課の瓦林と申します。どうぞよろしくお願いします。今、いただきましたタクシーの運賃に関する御質問でございます。
まず1点目の、標準的な事業者というのは、例えば事故が多く起きていない会社とか、3年以上休業していない事業者とか、特に小規模でスケールメリットが発生しない事業者等を除きまして選定しております。実は、今回、上限運賃だけをお示ししておりますが、タクシーの場合は幅運賃でございます。下限というものがございます。今回、上のほうだけごらんに入れていますけれども、現行は初乗りでございますと、上限が710円に対して下限は680円でございます。これが同じように105分の108で四捨五入しますと700円になります。これは、特に効率のいい会社のコストを基準として算出したものです。この下限につきましても同じように上げますので、700円から730円の間になります。したがいまして、そういった幅の中でというのは引き続き維持されていきます。
それから、個人タクシーの関係でございます。個人タクシーにつきましては、コストが法人タクシーと違います。これは今、コストが違うにもかかわらず、同じ運賃の幅を適用しているのですけれども、例えば初乗りで申しますと、法人タクシーのコストというのは燃料費、車両費が中心でございますけれども、この辺のコストが個人タクシーとの間で56円ほど違います。そうしますと、この56円の差というものは、個人タクシーの場合は法人タクシーの人件費に相当する部分を削ることによって、この運賃で行っております。
これを8%に想定しますと、今まで消費税が710円のうち34円相当だったのですが、これが54円相当になりますが、依然としてコスト差、個人タクシーのコストのほうが、仕入れのコストの増加分も含めてでございますけれども、8%の時点で私ども計算しておりますのが、このコスト差が57円ございます。それに対して消費税は54円です。そうしますと、引き続き、人件費がわずかながら個人タクシーのほうが削られる形になります。そういう意味で、同じ運賃を適用するという考え方をとらせていただいております。
それから、近距離の関係でございます。これは、御案内のとおり、タクシー運賃は初乗りがあって、その上で階段状になります。これをどう転嫁するか。今回、御説明申し上げましたとおり、初乗りについては金額ベースで105分の108、また距離の部分について、今はごらんのとおり上限の場合、288mでございます。これを105分の108の部分だけ縮める形で280mになります。こうしますと、御指摘のとおり、どうしても幅が生じます。具体的に申しますと、0kmから2km280mまでは20円上がるだけです。ただ、2km280mから2km288mの8mの距離だけは110円上がります。また、2km288mからkm560mまで、計270mは20円です。したがって、280mは20円、どうしても8mの端数は110円になります。ただ、そこは全体の中で105分の108を確保するという意味では許容できる範囲。
逆に、今回加算部分につきまして、先ほど説明の中でもございましたが、加算の運賃を上げようとしますと非常に大きな額の値上げになってしまいますので、これは距離で適用するのが妥当であると考えておりまして、距離ということでは、このような8mの部分が出てくるのはいたし方がないと考えてございます。
○古城座長 これは、今の計算で上限運賃を上げるのですけれども、下限運賃も転嫁を考えて上げるのですか。
○国土交通省瓦林旅客課長 下限も同様に並行移動する形になります。
○古城座長 下限も上げる。
○国土交通省瓦林旅客課長 はい。
○古城座長 下限を上げるというのは、どういう考え方ですかね。
○国土交通省瓦林旅客課長 全体の適正かつ円滑な転嫁という前提でございます。
○古城座長 転嫁できるようにしてあげるということだと、上限だけでいいわけですね。転嫁させるということをやると、下限も上げるということですか。
○国土交通省瓦林旅客課長 そうです。下限についても適正な税率引上げ分が反映されるようにするために引き上げるというものでございます。
○古城座長 私はちょっと意見が違いますけれども、そういう考えでおやりになっているというのはわかりました。
古賀委員、どうぞ。
○古賀委員 済みません、1点お伺いしたいのですけれども、今、座長がおっしゃられた転嫁させるのか、転嫁できるのかというところなのですが、基本的な考え方としてお尋ねしたいのですが、2ページに今回の消費税の引き上げについての基本的な考え方をお示しいただいているのですけれども、記の(2)です。この「消費税率引上げに併せて、通常改定の申請が行われる場合には、個別案件ごとに厳正に対処する」というところをもう少し詳しく説明していただきたいのです。
それから、私どもは、11月に郵便料金についての消費税転嫁の議論をさせていただいたときに、過大な営業利益とか剰余金が生じていないことや、業績の推移が妥当かどうかということについて、料金の内容的なことについては、総務省さんからご報告を受けた上で、消費税の転嫁についての調査会の議論はこうだという結論を出したのですが、先ほどの御説明で、現行運賃については基本的には妥当であるという御判断の上で、今回は消費税については、あまねく転嫁させることが基本的な方針だと考えておられるのか、それとも転嫁できるということを考えておられるのか、そこのところとお聞きしたく思います。
それから、いただいた資料の中で、前回の消費税の改定の平成9年4月1日のときに、実質的にはこれを拝見しますと、転嫁していない業者もたくさんいるわけですね。そうしますと、その後、通常改定とか値上がりしていることがあったりもしているわけですけれども、今回の消費税の転嫁についての基本的な考え方としては、業績とか、いろいろなところについて、それが吸収できるところについては、あくまでも政府の消費税の転嫁についての申し合わせや方針がどうであろうと、国交省としては業者に任せた料金申請についてのそれぞれの査定について、消費税を必ず転嫁しなければいけないことはないと考えていらっしゃるのかどうか、そこのところをちょっとお聞かせください。
○国土交通省岩月安心生活政策課長 まず1点目ですが、2ページの(2)の詳しい御説明をということでございます。基本的には政府の方針をそのままなぞらえているつもりでございまして、3ページと同じなのですが、3ページのほうがやや詳しく書いてございます。「消費税率引上げに伴う税負担の転嫁と併せて、税負担以外の費用の変化等による公共料金等の改定申請がなされる場合には、個別案件ごとに厳正に対処」。通常の改定を行うのであれば消費税率改定ではありませんので、それはしっかり厳正に対処する。だめというわけではもちろんないのですが、厳正に対処するということに尽きるわけでございます。1点目は以上のような形になります。
2点目ですが、利益剰余金云々について、郵便のときの事情は必ずしも存じ上げませんが、もしかして受けとめが違っていたら恐縮なのですが、3ページにありますような政府の方針、物価担当官会議の申合せと全く同じことを考えていて、国土交通省として、それより一歩進んで、例えば転嫁させるとかいうことをしているのかということは全くございませんで、まさに文字どおりでございまして、改定申請がなされた場合には、転嫁を基本として対処するということでございます。政府全体では、公共料金に限らず、全般的に円滑かつ適正な転嫁がなされるようにいろいろな取り組みが行われていますけれども、転嫁しやすいような環境整備というのは政府全体でやっておるところで、それは国交省も同様の方針で臨んでいるということです。
改定申請を無理やり出させるということはございませんので、させるのかといったら、そうではないのですが、転嫁しやすい環境を整備するというのは政府全体の方針でございます。
もう一つ、参考資料のところで、平成9年のときには転嫁していないのもたくさんあったのではないかということですけれども、基本は、前回改定のものを全部掲げてございまして、直近のものだけですので、例えば平成14年とか17年というものもございますが、これらも平成9年も基本的には全て転嫁の申請は上がってきておりまして、認可してございます。
○古城座長 古賀さん、追加でありますか。
○古賀委員 ちょっと確認させてください。消費者にとっては、消費税の値上げに伴って便乗値上げをされるのではないかというのが非常に大きな心配事なものですから、便乗値上げはないこと、あわせて消費税の転嫁以外に本当に適正に値上げがされているかどうかということについては、国交省さんのほうで厳密に対処していただけるということを確認させていただきたいと思います。
それから、前回のときには消費税を転嫁しなかった業者はいなかった。全業界団体としてすべての業者は上げたと理解してよろしいのでしょうか。
○国土交通省岩月安心生活政策課長 1点目ですけれども、おっしゃるとおりでございまして、便乗値上げというのは絶対あってはいけないことでございます。消費税率の改定の部分が本当に2.857以下におさまっているかどうか、これはしっかりと私どもで審査させていただいて、曲がりなりにも105分の108以上になることのないようにということは、まさに厳正に審査し、取り扱っておりますということが1点。
あと、2点目ですが、全てなのかといいますと。
○国土交通省越智旅客輸送業務監理室長 参考資料2のところで前回の改定を記載させていただいておりますが、これは前回も消費税改定を基本的に全部やってございます。その上で、その後の運賃改定があったものについて、直近のもので書かせていただいております。
○古城座長 岩田委員、どうぞ。
○岩田委員 今と同じ質問なのですけれども、参考2で、前回改定実施年月日が平成9年4月1日。これは、消費税が上がったときに改定したということだと思うのですが、例えば8ページの名古屋市、前回の改定が平成8年4月1日ということは、1年前に通常の料金改定があったので、平成9年のときには上げなかった。あるいは次のページを見ますと、乗合バスですと、京王バスとか東京都、名古屋、京都、神戸市。要は、平成9年よりも前に直近の改定があるところというのは、消費税と同時に上げていないのではないでしょうか。
○国土交通省越智旅客輸送業務監理室長 失礼いたしました。おっしゃるとおり、8ページの公営のところでございますけれども、名古屋市、京都市、神戸市につきましては、平成9年に消費税としての改定は実施しておりません。
○古城座長 はい。
○国土交通省瓦林旅客課長 バスの関係も、御指摘のとおり、民間事業者では京王バスのみ。あと、公営では地下鉄と同じでございますけれども、東京都、名古屋市、神戸市がございます。
○古城座長 とりあえずは見送り事業者もいるということですかね。
どうぞ、岩田委員。
○岩田委員 今回は申請が出ていない会社はあるのですか。
○国土交通省岩月安心生活政策課長 全て出てきております。
○古城座長 松村委員。
○松村委員 また大半がコメントで、私の理解が正しいかどうかを確認するのだけが質問ですので、理解が間違っている点のみ御指摘ください。そうじゃなければ、御回答不要です。
先ほど座長とのやりとりで、現行の運賃あるいは運賃体系の議論があったと思います。あのやりとりに完全に満足しているのですが、私の理解では、基本的に現行のルールを前提として、変更命令を出すほどの著しい不合理性はなかったと国交省は認識している、ということだけだと理解しています。何が言いたいのかというと、例えば電力料金などで言えば、震災前からずっと値下げ届け出制のもとで値下げの届け出が出てきていて、それに対して一度も変更命令は出さなかったわけです。でも、そこで出てきたある種の費用の積算は、経産省がオーソライズしているということではない。例えば役員報酬が幾らとなっているが、これが適正だとお墨付きを与えたわけではない。それが変更命令を出すほどの著しい不公正ではなかったと言うだけのこと。
もし仮に、これが消費税と全く無関係に値上げ申請が出てきたときに、このコストは以前と同じなのだから問題ないとはならない。消費税以外の原因での値上げの局面でも正当化される程にオーソライズしているでは、決してないということだと思います。それで間違いないと思いますが、もし違っていたら御指摘ください。
次に、鉄道の運賃のことで確認したい。私の理解では、まず、全体として105分の108の値上げになるようにする。便乗値上げととられないようにするのが大前提。その範囲内で、全部でまとめて丼勘定ではなく、できるだけ個々の運賃ごとに正確に転嫁できるようにしたい。しかし、券売機のようなたぐいのもの、バスの料金で現金を入れるというのでも同じだと思いますが、こういうもので1円単位の料金を導入するとコストが非常にかかってしまう。だから、それはできるだけ避けたい。
さらに、ICと券売機の間で高低がまちまちになったりすると消費者が混乱するので、できれば統一したい。もし統一するなら、ICのほうが統一的に高いというのは消費者の公平感から理解を得られないだろうから、もしやるとすれば逆しかないだろうという発想。
それから、既存の運賃体系はできるだけ変えない。変えると効果がごちゃごちゃになって便乗値上げととられかねないから。こういう原則でやられたと理解しています。
その理解が正しいとすると、私はその理解から外れているものが3つあると思っています。
1つは、定期に関して105分の108よりも値上げを抑制するということですが、これに関しては、大前提の全体として転嫁率というのを過剰にしないようにする。この制約のためにやむなくやったということなので、ある意味でやむを得ない。後から言いますが、若干私は不満はあるのですけれども、ある意味でやむを得ない。一番の原則を守るためだった。
もう一つは、JR東の料金体系に関して、先ほども御指摘がありましたが、ICのほうがむしろ高くなってしまうところが少し出てくる。この原則から外れるのだけれども、JR東の膨大な領域があるところの全てでICカードが使えるようになっていない、投資がまだ終わっていないという特殊要因がある。それから、国鉄時代からの運賃体系を引き継いでいる側面もあるというか、距離に応じてつける料金体系が残っていて、ぶつ切りで足す形になっていないので、自社だけで決められるわけではない、自由度に相当限りがある。こういう例外的な事情があるので、これはやむを得ない。本音を言えば、ICの方を下げることを最後までやってくれないかな、バスのようなことができないかなと思うのですが、そういう特殊事情があるというのはよくわかりました。
最後。私がそれに反していると思っているのは回数券の扱いです。今でも時差券とか休日回数券を入れて、ある種混雑料金としても望ましい料金体系だと思うのですが、これに関しては1円単位の改修をしなくても、ICカードの10倍という形で今と同じ料金体系を維持したままでできるはずなのですが、今回の申請は現金料金掛ける10でやるということですから、3%分よりももっと高く転嫁することをしているわけで、先ほどの原則から明らかに反していると私は思います。
明らかに反しているというのは、現金掛ける10というのがおかしいとは言わないですが、IC掛ける10というのも、今言った条件を全て満たしていて、どうしてこれがだめなのか。実際にICカードを使ったら1回当たり幾らというのは、きちんと料金表で明示するということをおっしゃっているわけですから、これ掛ける10というので混乱するように見えない。もし混乱するとすれば、ICカードなら幾らですかという情報が足りないのではないかという気がして、私はこの点、不満です。
不満ですが、恐らくほかに考えることが山のようにあって、この短い期間でICと券売機で料金が違うなどという難しい問題に比べれば、優先度の劣るものをうっかりきちんと考えるのを忘れてしまったのではないかと私は疑っています。つまり、回数券に関して他の選択肢があるということをちゃんと考えなかったのではないかと疑っています。しかし、そういう点でほかに難しい問題がいっぱいあったから、今回はしようがないと私は思っています。
しかし、これは山内委員が御指摘になっていることですが、例えば定期というのはある種需要の価格弾力性が非常に低いものなので、本来効率的な料金だとすれば、ここを上げることのほうが相対的に経済厚生上の損失が小さいのではないか。あるいは、ICカードというものを使えば、もっと上手に料金体系、混雑料金のようなものも効率的に入れられるのではないかということに対して、今回はその料金体系を変えない。変えると便乗値上げととられかねないから。これは正しいと思うのですが、逆の方向に動くような、定期の値上げを抑えて、時差回数券のようなものの値上げを3%分より高くするというのは、非常に筋が悪いやり方をしている。
これに関しては、次の消費税の導入でないタイミングでICの利点をフルに生かして、今のバスカードがやっているような、例えばもともとのバスカードの回数券の割り引きに対応するようなものを、パケットとしてICカードに取り込んでしまうとか、あるいは関西の私鉄がやっているように、ある種の回数券、ある種の定期券の効果をICカードに取り込むとか、そういうたぐいの工夫をこれからするので、今回の料金改定の弊害は相対的に小さくなります、という事情だと、納得できるのですが、今後、同じことが繰り返されると、納得しかねます。今回、よしと言ったのだから、次も全く同じやり方でよしと素直に納得するかどうかは、全く別の問題だということはぜひ認識していただきたい。これは、質問ではなくコメントです。
以上です。
○古城座長 コメントでございますが、事実誤認があるとか意見が違うというものがありましたら、どうぞ。
○国土交通省岩月安心生活政策課長 全般的な先生の御指摘というか、解説と言っていいのかもしれませんが、そのとおりでございまして、私どもの考えている考え方そのものを順序立てて御説明いただいたと思っていまして、全く違和感がございません。いろいろなことを考えましたけれども、何を優先するかということを考えていった中で、先生のおっしゃるとおりのような考え方をしてきたということでございます。
最後に、回数券の話ございましたけれども、それは何かコメントありますか。
○国土交通省五十嵐鉄道サービス政策室長 鉄道局でございますが、先生の御指摘をまつまでもなく、ICで1円単位でやるという今回新しい取り組みになります。そういう意味で、事業者にとっては、制度設計して、それがシステムとしてワークするのか、システムにどれぐらい負荷を与えるのかということの検証等に時間的余裕が当然必要になります。事業者の要望としては、準備期間は1年以上は欲しいということでした。
本日も、フライングで認可申請中の運賃処理をしてしまったという事件が出て御迷惑をおかけしておりますけれども、時間的制約がある中で、4.1にいかに混乱がないようにするかということからしますと、大変残念なことではありますけれども、先生から御指摘があったような時間的な制約と優先順位という形で、今回間に合うものがこういう申請になったと私ども、認識しています。
ただ、次のタイミングが一体いつ来るかという事柄について、私ども、今、何とも申し上げられませんので、それがどれぐらいの時間的余裕とか検討とか、ICというシステムを使ったいろいろな運賃体系、価格弾力性も含めた問題について、どれぐらい事業者がある意味新しいことに挑戦する気があるのか。それから、そういうものについて、制度面として我々はどういうことがサポートできるのか。それから、技術的にどういうことができるのかということを、あわせて引き続き検討していきたいと思っているところでございます。
以上です。
○古城座長 山内委員、どうぞ。
○山内委員 今の松村さんのコメントと、国交省の回答の話が実はコメントしようと思っていたことですけれども、ICを使って円単位の運賃にするというのは、基本的に私はいいことだと思っていて、その中でいろいろな運賃体系をどういうふうに考えていくのか。まさに今、松村さんが問題指摘されたことはとても重要なことで。今回は、さっき松村さんが解説したように、そこまで行かないのだけれども、将来的にどういうふうにするのかということについて、やはり真剣に考えていくべきだと思います。
ただ、私も前にも申し上げたのですけれども、ICを使って1円単位のところとそうじゃないところがあって、それが現実的対応としてそうだという、しようがないところであるのだけれども、さっき松村さんが言った、我々の言葉で言うと経済効率の話として料金体系をということなのだけれども、もう一つ分配面の話があって、得する人と損する人がいて、そういうことを考えると、1円単位のICを使ったこっちのグループと、そうじゃないグループの間で違いが出てくるので、かなりの程度説明する必要があって、この説明はなかなか難しいと思うのです。そこのところをもう少し消費者の方にわかるように、わかりやすく説明できる体制が整わないといけないなと思います。
先ほどの話でも、改定率が大きいところと小さいところが出てくるということは、得する人と損する人が必ずいる。だから、そこをきちんと説明できるようにしておかなきゃいけないと思います。私からのコメントは以上です。
○古城座長 山本委員、どうぞ。
○山本委員 関係することなのですけれども、資料1の4ページとか5ページの(1)でICカード利用者の運賃が現金運賃以下になるようにというところの理由として、「ICカード運賃の方が現金運賃より安くて然るべきという消費者感覚を前提に」してというのがあるのですけれども、これが消費者に対する説明になっているかというと、恐らくはなっていなくて、あなたたちがそういうふうに考えているのでしょうから、こうしますというだけですので、本来であれば、これはもっとはっきりと、ICカードを利用するほうがきめ細かい、利用者にとって利便になるようなサービスができるということを言うべきであったのではないかと思います。
ただ、これは今のお話ともかかわりますけれども、将来的にどういうふうにICカードの利用を持っていくかという大きな話ともかかわってくることなので、今回はそこまで踏み込まなかったのではないかと理解していますけれども、そこは将来的になお検討していただきたいと思いますし、それからそこまで言わないにしても、今の4ページ、5ページの説明を前提にするにしても、JRの場合、ICカードを使った場合と券売機を使った場合とで、得になるゾーンと損になるゾーンが出てくるというのは、消費者にとっては選択に非常に迷うところではないか。
一々、どこに行くときにはどっちを使うということをやればいいわけですけれども、消費者にとっては非常にわかりにいということは明らかであって、本来であれば、先ほども陶山委員等も問題提起されたことかと思いますけれども、バスのような、少なくともICと券売機をそろえるという措置ぐらいできないかと私も思うのですけれども、この辺も含めて将来的になお検討していただきたいと思います。
○古城座長 要望ですね。
どうぞ。
○国土交通省五十嵐鉄道サービス政策室長 1点だけ補足というか、説明申し上げたいのは、私ども、1円単位でつくったときに、ICを利用される人からすると、どの料金区分でも正確に転嫁されているという公平感というのもあるだろうと考えておりました。もちろんバスのような処理の方法もアイデアとしてあり得るので、将来の課題として御指摘いただいたと認識しております。
ICの利用者間での税負担の公平感については、現行の申請案ではその点は出てきていると考えておりますので、その点だけ一回も説明しておりませんので、ちょっと補足させていただければと思いました。
以上です。
○古城座長 矢野委員、どうぞ。
○矢野委員 いろいろ状況はつかめてきたのですが、時間的な制約があったりした中で優先順位的にこういった対応をとられたということですが、ややもすると、消費者側からすれば事業者サイドの決め方を国交省はするのだなという受けとめというか、悪くいけば行政に対する不信感につながるのです。であれば、松村先生からも指摘がありましたけれども、こういった検討課題があるのだということを何らかの形で事業者にも示しながら、そこに行政側が努力していくのだ、対応していくのだということが、そういう先の見える状況があれば、今回の状況に消費者も少し納得しながら、より利用しやすいとか、より公平性を持つ料金体系になっていくのだという中で、行政への信頼感を少し前進させることもできると思うのです。
ですから、きょうのところで、こちら側の意見書にそれを入れていくことで対応になるのか、それとも国交省のほうがみずから今後のこういった説明文書の中で、消費者に丁寧に説明というときに、ただ単純に現行の状況がどうこうというだけではなくて、先の見通しに対してもこういった課題を持っているといったところまで、少し示していただけると大変ありがたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○古城座長 よろしいでしょうか。古賀委員、どうぞ。
○古賀委員 ICと現金の問題というのは非常に関心の高いところなので、税負担の公平感ということでは、1円単位で転嫁できるというのは説明としては非常に説得力があると思うのですけれども、二重価格になることで、現金の人が消費税分を余分に転嫁させられているという感覚は、どうしても拭い切れないと思います。
それから、ICの場合には、新しく1,000円単位の低いものも出すという話も出ていますけれども、基本的に500円ぐらいデポジット料として、保証金を最初に取られているわけですね。そのあたりの保証金を取っているので、ICのほうがその分安くなるとか、そういうきめ細かな説明をしていただきたいと思います。
それから、この調査会のミッションではないのであれなのですけれども、国交省として事業者がICによって非常に合理的な料金を徴収できる方法を支援することの合理性の説明とともに、そういう方法の採用に対して、料金の公平な透明性を確保するために、ぜひ消費者の意見もきちんと入れていくということを要望として申し上げさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○古城座長 あと、いかがでしょうか。
最後にちょっと伺っておきたいのですけれども、国土交通省とは私、事前打ち合わせをしたのですけれども、ちょっと意見が食い違っている部分がありますので、それについて確認しておきたいのです。
1つは、政府原案についての読み方なのですけれども、3ページです。物価担当官会議の申合せで1のところですけれども、円滑かつ適正な転嫁を基本として対処するということで、基本的には消費税分だけの転嫁になっているかどうか。なっていれば、これでオーケーする。これが原則だと。その際には、公共料金等が物価及び国民生活に大きな影響を及ぼすことに鑑み、厳正に取り扱うというのが書いてありまして、厳正に取り扱うという意味は、前の郵便料金のケースがございましたけれども、郵便料金を大幅に上げて、郵政省のほうに非常にもうけがあった場合は、適正な料金を前提にして、その部分は現行の料金に転嫁しなくてももうけ分で吸収できるという発想で処理したわけですから、そういう事例があれば転嫁は認めない。
これが先例だという解釈で、規制官庁のほうには、現行料金が著しく妥当性を欠くということはないことを確認した上で転嫁を認めていただきたいという理解だったのですけれども、それはそれでよろしいのでしょうか。国土交通省もそういうふうに理解していただけるのでしょうか。
○国土交通省岩月安心生活政策課長 まず、今の1ポツのところの円滑かつ適正な転嫁ということは、まさに消費税分が曲がりなりにも便乗になっていない、2.857を超えていないということをしっかりとチェックするということをうたっていると思っています。また、そこで厳正に取り扱うというところも、ほかの料金であれば3%を超えるような値上げ、通常の値上げと同時にやるようなことが世の中にはあるのかもしれませんけれども、公共料金なのだから、ここはしっかりと3%以内におさまっているかどうか、きっちりと調べるのだということを言っているのではないかと考えておる次第です。逆に言うと、3%の範囲内であるかどうか、そこはしっかりチェックすれば、あとはまさに転嫁が基本であると。
ただ、先生おっしゃったように、そもそも改善の命令をかけないといけないほど、妥当性を著しく欠いているという状況であったら、それは論外だと思いますけれども、そういう状況にはない。そういうチェックは、私どもは別にこの消費税のときというわけではなくて、日ごろからしっかりチェックしているつもりですし、そこまでの著しい妥当性を欠く状態にはないと。そこは確認をしっかりしておるということでございます。
○古城座長 そこは、まず第1点で大変適切なお答えをいただいたと思います。
2点目で、本当は妥当性を欠くわけではないというのを、ざっとした資料で説明いただければ一番よかったのですけれども、それはしていただけないのですが、今回についてはそれはやりたくないということですね。やる必要はないというお考えなのですね。
○国土交通省岩月安心生活政策課長 消費税を機会にして、この場で御審査いただく事項ではないと。
○古城座長 いや、我々は審査しなくて、説明をしていただいて、なるほどということを。
○国土交通省岩月安心生活政策課長 なるほど。事業者がたくさんありますので、どれを例にとるかというところもございますけれども、例えばJRの料金などを見ても、これまで3%、5%、今回の8%の消費税については運賃改定しておりますけれども、それ以外は民営化後、一度も運賃改定もしていないという状況なのです。他方で、消費者物価指数などを見ても、JR発足時を100としましたら、直近の24年度では111.5ということで、デフレとは言われますが、上がっているという状況もございます。
その中で運賃値上げは基本的にはやっていないわけでありまして、そういう状態を捉えて、著しく妥当性を欠いているのかどうかといえば、命令をかけるほどの妥当性を欠いた状態にはないと思っておるということでございます。
○古城座長 これは要望なのですけれども、値上げ認可制のもとで、いろいろな事情でもっと値下げができるような状態というのは強制できないわけですから、実は割高になっている可能性もあるわけですね。したがって、料金の妥当性をずっと監督官庁にはモニターしていただくということが、国民としては希望することだと思うのですけれども、それが今の御説明だと、国土交通省はどうおやりになっているのかというのは、皆さん関心があるところなのですけれども、今回の機会では結構ですけれども、今後はそういうことをもう少し説明していただきたいなと、こういうことを要望として私は。
○国土交通省岩月安心生活政策課長 要望として承りましたが、料金の妥当性についての検証というのは、これまでも消費者委員会のほうからるる御指摘いただいておりますが、そういう妥当性の継続的な検証については、この今の3ページの物価担当官会議の申合せの一番最後になお書きで、別途、引き続き検討していくということが書いてございます。それにあわせまして、昨年7月のこの調査会の報告の中でも、いろいろな検討をする課題がある、例えば料金妥当性の継続的な検証のあり方とか、総括原価方式における事業報酬算出のあり方とか、現世の世代消費者と将来世代消費者間の費用負担のあり方とか、公共料金政策の国際比較とか、いろいろなことを中長期的な課題として検討を行っていく、消費者委員会が事実関係をいろいろ整理していくとなっているのだと認識しております。
私どもは、それにしっかりと答えていかないといけないと思っておりますけれども、これは中長期的な課題として、消費者委員会さんのいろいろなお知恵、整理もいただきながら、キャッチボールしていく課題ではないかと思っております。
○古城座長 井手委員、どうぞ。
○井手座長代理 最後、1点だけですけれども、先ほどのタクシーにこだわるわけではないのですけれども、タクシーの改定率が2.723%。ただ、これは資料2に鉄道とかバスは増収率の表が出ていますけれども、タクシーの場合、標準的な事業者の増収率というのが出ていないので、これは意図的に出ていないのか、つくれないのか、よくわかりませんけれども、2.723と出ているので、これもきちんと増収率等で示していただきたい。
それから、個人的には先ほど座長が言われた下限を規制するということ。これは、事業者の中ではワンコインタクシーがなくなるとか、消費者にとっては非常に影響のある法改正が行われたわけですから、それに伴って、またこういう消費税、何となく説明がつかないようなことが行われているというのはただしていかないといけないので、次回、10%というときがありますので、そういうときにまた議論させていただきたい。
以上です。
○古城座長 タクシーの値上げの資料は、上限だけじゃなくて、下限のところも入れておかないと。下限も上がるということ。
○国土交通省瓦林旅客課長 承知しました。改定率の計算方法の考え方としまして、初乗りの改定率ですが、今回、上限で計算してございますけれども、710円が730円ということで、これは詳細に申しますと2.817%であります。また、加算距離の部分が288mが280mとなっている。これら両者を収入ベースで案分して全体の改定率を算出したもので、初乗りの収入は大体40.9%でございます。また、加算部分での収入は59.1%です。これを掛け合わせて算出したものです。なお、下限につきましては、今回は従前通り上限のみをお示ししておりますが、ご指摘を踏まえ、今後、資料として充実いたします。
○古城座長 それでは、ほかによろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○古城座長 国土交通省には、長い間、どうもありがとうございました。ここで退席していただきます。
(国土交通省退席)
○古城座長 それでは、ただいまの議論を踏まえて、本件に関する当専門委員会の意見を取りまとめたいと思います。意見案をお配りいたしますので、その内容について事務局から説明をお願いいたします。
○大貫参事官 ただいま追加資料2、3、4というのをお配りしております。追加資料2が鉄道運賃の改定案に関する意見、追加資料3がバス運賃の改定案に関する意見、追加資料4がタクシー運賃の改定案に関する意見でございます。
フォーミュラは先ほどのたばこと同じでございまして、前文に主な改定の内容と経緯を記述してございます。
次の結論のところでございます。これは重要ですので、一つずつ読み上げたいと思いますが、鉄道、バスについては、全く同じ表現になっております。「改定案の内容は、消費税の円滑かつ適正な転嫁の観点から妥当であると認められる。消費者への分かりやすく丁寧な説明に努められたい」としております。
タクシーの説明が少し違う部分がございます。「改定案の内容は、消費税の円滑かつ適正な転嫁の観点から妥当であると認められる。なお、当該区域における各事業者の運賃申請の結果によるタクシー運賃の引上げ状況については、国土交通省において把握されたい。消費者への分かりやすく丁寧を説明に努められたい」。
この2つ目の文章が、タクシーだけ少し違うということでございます。
理由の欄の一番最初の○については、先ほどのたばこの文章と全く同じでございます。これは、鉄道、バス、タクシーとも全く同じ表現になってございます。
この後、鉄道について、まず御説明させていただきますけれども、鉄道の追加資料2の裏側を見ていただきますと、案1と案2と分かれているところがございます。本日の審議の前の状況で、国土交通省のほうからどのような御説明があるのかという状況が流動的でございましたので、事務局のほうでは、その状況に応じて案1と案2を準備させていただきました。
後半部分、「事業全体として105分の108を乗じた料金の設定が行われていることについては、国土交通省の説明で確認された」という趣旨については、案1、案2とも同じでございます。違うところは、案1では、「改定前の料金水準及び料金体系に著しい問題が認められないことについては、国土交通省の説明により確認された」というケースでございます。
案2のほうは、もしもこのような明示的な確認がされなかった場合には、「改定前の料金水準及び料金体系に著しい問題が認められないことについては、国土交通省より、消費者基本計画」、具体的には、施策番号67-2マル3:料金の妥当性の継続的な検証に基づいて検討していくことが確認されたということで、これは先ほどの座長とのやりとりの中で、これも御確認いただけたのですけれども、そもそも案1のほうで大丈夫なだけの御確認がいただけたのではないかと事務局としては考えております。
鉄道の端数処理についてでございますけれども、「1円単位運賃導入予定事業者において、ICカード1円単位運賃が常に『現金運賃以下』となることを基本としているため」。これは、首都圏でございますけれども、「現金運賃の『切上げ』を認めつつ、事業全体で105分の108以内の増収に収まるよう、定期運賃等他の券種により調整している。このため、現金運賃利用者と定期運賃等他の券種の利用者の間の公平性が問題となる。一方、現金運賃を利用する場合のICカード利用との差額は少額であり、ICカードをより利用しやすくするための発売単価の引き上げ等の措置が行われること、が国土交通省の説明により確認された」としてございます。
これは、具体的にJR東日本のホームページで確認いただきますと、今、Suicaが2,000円、そのうち500円がデポジットなのですけれども、それが1,000円で買えるようになる。なおかつ、チャージの金額も今はある程度のロットでなければいけないものが、精算機では10円単位でチャージができるようになるということが確認できるところでございます。
以上の審議結果により、3つの条件が満たされたので、1.の結論とするとしております。
ただし、鉄道についてはいろいろ議論がございましたので、留意事項として、「以下の点について、次回の料金改定までに見直しを検討すべきである」。今回は、もう2月に入っておりまして、4月1日に向けて準備期間がないので、恐らく間に合わないだろうけれども、その次に料金改定をするときまでに見直しを検討すべきであるといたしまして、(1)が先ほども出てまいりましたが、利用者間の公平性等の観点も踏まえた、現金運賃と定期運賃等他の券種の料金バランスの問題でございます。
(2)が現金運賃回数券の消費税転嫁による料金引上げ幅の問題。
(3)が1円単位運賃事業者について、ICカード運賃が現金運賃よりも高くなる場合の端数処理のあり方でございます。
あわせて、バスとタクシーについても御説明させていただきますが、バスにつきましては、1ページ目の理由の2つ目のところをごらんいただきたいと思います。「改定前の料金水準及び料金体系に著しい問題が認められないこと、事業全体として105分の108を乗じた料金の設定が行われていることについては、国土交通省の説明により確認された」としてございます。本日の参考資料の中で、バス事業者の財務資料も出ておりましたので、それを含めてということでございます。
裏側に参りまして、バス事業についての端数処理については、「10円単位運賃事業者においては四捨五入を基本」とする。「1円単位運賃事業者においては現金運賃について四捨五入を基本としつつ、1円単位運賃を導入するICカード運賃が現金運賃より高くならないよう調整することが国土交通省の説明により確認された」。
以上の審議結果により、1.の結論とするとしております。
最後、タクシーについても理由の1つ目の○まで先ほど御説明いたしましたけれども、これも国土交通省の説明がどのようになるかということで、事務局案としては案1と案2と、鉄道と同じように準備させていただいたところでございます。
裏側に参りまして、案2の場合は、この2つの項目を述べる必要があるので、案1と同じ文面、便乗値上げがないことについて四角で書いてございます。
その次でございますけれども、タクシーだけ結論の文章の2文目がございました。この理由を書いてございます。今回の審議対象は、これは正確な表現ではないかもしれないですけれども、「自動認可となるゾーン運賃に関するものである。当該区域における事業者からの申請によるタクシー運賃の動向は国土交通省が把握することが必要である」。この理由があるので、結論の部分の第2文を書いているということでございます。
以上のような内容でございますが、御審議のほどよろしくお願いいたします。
済みません、国交省のほうから、この自動認可ということについて御説明をしたいということです。
○国土交通省瓦林旅客課長 場外から申しわけありません。1点だけ補足でございます。
きょうお配りしている参考資料の20ページと21ページをごらんいただきますと、タクシーに関しましては、先ほど先生からの御発言にもございましたが、昨年、臨時国会で議員立法によりまして法律改正が行われました。その法律が1月27日に施行されてございます。これに伴いまして、東京地域の場合は、これは東京武三と言っております武蔵野・三鷹でございますけれども、ここは新しい改正後の法律に基づく準特定地域に指定されました。こうなりますと、ここでは従来の自動認可運賃から公定幅運賃になります。したがって、ここでは届け出になります。申請という言葉が届け出、あるいは自動認可になるというのは公定幅となるゾーン運賃と記載を正確化していただければよろしいかと思います。
恐れ入ります。
○古城座長 ありがとうございます。
御意見いかがでしょうか。
案1なのですけれども、これは国土交通省の説明により確認されたというのは、当調査会で確認したということでしょう。そうではなくて、郵政省の郵便料金については、説明資料があって、こちらも確認したのです。今回は、国土交通省がそういうふうに確認したというので、それでオーケーです。当方は実際は確認できませんから、これはちょっと差をつけて、こうしたらどうかと思います。「国土交通省より確認したとの説明があった」と、これで了承したということでよろしいのではないでしょうか。場合が2つあるから、ちょっと差をつけたほうがいいと思うのです。いかがでしょうか。それでよろしいのではないかと思います。当方は確認できなくても、監督官庁が確認したなら、それで責任を持って転嫁していただくということで、認めたということでよろしいのではないでしょうか。
どうぞ。
○陶山委員 読み方の問題なのですけれども、2ページの案2の下の○、最後の「以上の」より上の端数処理の説明のところなのですが、下から4行目から始まるセンテンスで「一方、現金運賃を利用する場合のICカード利用との差額は少額であり」と言っているわけですけれども、これは高く払う側からしたらちょっと引っ掛かりそうなところです。少しであっても余計に負担しているという気持ちの人に対して、それは少額だからいいじゃないのみたいな文章にならないように、ちょっと配慮していただきたいと思います。
○古城座長 工夫できるのだったらしていきます。
では、お天気も悪いようなので、これでまとめさせていただきたいと思います。
今後の進め方について、消費者委員会事務局から御説明をお願いいたします。
○大貫参事官 熱心な御審議ありがとうございました。
当専門調査会の意見につきましては、修正が確定しました後、ホームページにて公開いたします。
また、本意見につきましては、2月18日火曜日17時に臨時で消費者委員会本会議を開催し、井手座長代理に御出席いただきまして、その内容を御報告いただきます。本意見が了承されれば、消費者委員会の意見として消費者庁に提出することになります。
以上です。
○古城座長 それでは、議論は以上といたします。
事務局から連絡事項等はございますか。矢野委員。
○矢野委員 きょうの議題以外のことで公共料金に関してなのですけれども、2点ほど要望させてください。
1点目は、たばこ料金自体が公共料金なのかということは非常に疑問があります。財務省自体も自問自答されていますから、改めて、今後、自由料金とするのかどうか、公共料金としてどう位置づけるのか、その辺は検討できれば検討をお願いしたいなというのが1点と。
○古城座長 外したらどうかという意見なのですね。
○矢野委員 そうです。
2点目は、灯油料金です。地域性があって、特に北海道・東北にとっては非常に切実な、まさに生活必需品になっている状況がある中で、全国的な課題にはなりにくい部分もありますけれども、地域住民にとって生活必需品になっており、特に生活へのしわ寄せが非常に大きい料金に関して、灯油料金の公正さとか安定供給も含めてですけれども、そのあたりについて何らかのコメントができないものかどうか。それは無理であれば無理であるということの説明をしたほうがいいと思うのですけれども、大きな課題であるということを受けとめていただきたいなと思います。これは投げかけなので、検討いただけたら。
○古城座長 2点要望がありました。ちょっと検討してみたいと思います。
○河津審議官 きょう議論する話ではないと思います。検討課題として。
○古城座長 あと、よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
≪3.閉会≫
○古城座長 事務局から何かございますか。
○大貫参事官 今後の日程の連絡でございます。次回については、確定次第、御連絡ということでございます。
○古城座長 本日は、熱心な御議論をどうもありがとうございました。
これにて閉会とさせていただきます。お忙しいところ、しかもお天気の悪いところ、お集まりいただきましてありがとうございました。
(以上)