第7回 公共料金等専門調査会 議事録

日時

2013年11月14日(木)17:57~19:35

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
古城座長、井手座長代理、蟹瀬委員、古賀委員、白山委員、陶山委員、松村委員、矢野委員、山内委員
【消費者委員会担当委員】
岩田委員、橋本委員
【説明者】
総務省岡崎郵便課長、総務省郵便課
【事務局】
消費者委員会 小田事務局長、大貫参事官
消費者庁 河津審議官、片山消費生活情報課長、谷本企画官

議事次第

  1. 開会
  2. 公共料金等専門調査会における当面の検討課題について
  3. 消費税率の引上げに伴う定形郵便物の上限料金の改定等について
  4. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○大貫参事官 少し早いですが、予定の方は皆さんがお集まりになっておられますので、始めさせていただきます。
本日は皆様お忙しいところお集まりいだきまして、ありがとうございます。
ただいまから「消費者委員会第7回公共料金等専門調査会」を始めさせていただきます。
議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。
議事次第に配付資料一覧がございますが、このとおりお手元にございますか御確認いただきまして、もし不足がございましたら事務局に御連絡お願いします。
公共料金等専門調査会は、第3次の委員会としては本日が初めての会合となります。
本日は山本委員が所用により御欠席です。
それでは、資料1-1をごらんいただきたいと思います。当専門調査会の設置・運営規程でございます。
去る9月20日付で改定いたしておりまして、以前との変更点ですけれども、テレビ会議システムによる出席を、出席として認めますということを明示したということです。
次に、資料1-2をごらんください。公共料金等専門調査会の委員名簿です。去る10月11日に消費者委員会の河上委員長より指名されております。座長は同日付で河上委員長から古城誠専門委員に努めていただくように指名がされておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
なお、消費者委員会からは担当委員として岩田委員、橋本委員、山本委員がオブザーバー参加という形になっております。
それでは、議事進行を古城座長にお願いいたします。

○古城座長 公共料金等専門調査会の座長を務めることになりました古城です。どうぞよろしくお願いいたします。
公共料金等専門調査会では、前期ですけれども、公共料金の改定における決定過程の透明性、消費者参画の機会、料金の適正性を確保するための課題や論点を取りまとめました。今期の課題としては当面は2つございます。
1つは、来年4月1日からの消費税率引上げに伴う公共料金等の改定。もう1つは、家庭用電気料金の値上げ認可申請への対応を中心に調査審議を進めるという、この2つの課題です。このうち、家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する検証については、前期と同様、専門調査会の下に「家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会」を設置して、調査審議を進めたいと思っています。
それから、長期的な課題としましては、公共料金の妥当性の検証など、前期の報告で取りまとめられた課題についても、今後検討していく必要があると考えております。委員各位におかれましては前期同様、当専門調査会の円滑な運営、調査審議に御協力くださるようお願い申し上げます。
第1回目ですので、座長代理を指名する必要がございます。設置・運営規程により座長が指名することになっておりますので、去る10月29日に井手秀樹専門委員を指名いたしましたので、御報告いたします。
それでは、専門調査会委員の皆様に自己紹介をお願いしたいと思います。
まずは井手座長代理からお願いいたします。

○井手座長代理 慶応大学の井手と申します。よろしくお願いいたします。

○古城座長 次は、蟹瀬委員から順にお願いいたします。

○蟹瀬委員 レナ・ジャポン・インスティチュートというスキンケアの会社をやっております蟹瀬と申します。よろしくお願いいたします。

○古賀委員 特定非営利活動法人日本消費者連盟の古賀と申します。よろしくお願いいたします。

○白山委員 公認会計士の白山と申します。よろしくお願いいたします。

○陶山委員 北九州市消団連からまいりました陶山惠子と申します。今回初めて参加をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○松村委員 東京大学社会科学研究所の松村と申します。よろしくお願いいたします。

○山内委員 一橋大学大学院商学研究科の山内でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○矢野委員 東京消費者団体連絡センターの矢野でございます。よろしくお願いいたします。

○古城座長 ありがとうございました。
続いて、消費者委員会の委員であります岩田委員、橋本委員からお願いいたします。

○岩田委員 岩田と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
公益財団法人21世紀職業財団という、働く女性の活躍を支援するような団体の会長をしております。よろしくお願いいたします。

○橋本委員 橋本でございます。
前回は公共料金等専門調査会の委員をさせていただきましたが、今回は消費者委員会の委員としてオブザーバー参加させていただきます。よろしくお願いいたします。

○古城座長 ありがとうございました。
本日は消費者庁から河津審議官、消費生活情報課から片山消費生活情報課長と谷本企画官に御出席いただいております。
それから、本日の会議は公開で行います。議事録についても、後日公開することにいたしますので、よろしくお願いいたします。

≪2.公共料金等専門調査会における当面の検討課題について≫

○古城座長 それでは、本日の議題に入りたいと思います。
まず公共料金等専門調査会における当面の検討課題について、事務局より御説明をお願いいたします。

○大貫参事官 先ほど古城座長の御挨拶にありましたとおり、当面、来年4月1日からの消費税率の引き上げに伴う公共料金等の改定、及び、家庭用電気料金の値上げ認可申請への対応を行う必要があります。
消費税率の引き上げに伴う公共料金等の改定につきましては、この後、消費者庁から公共料金等所管省庁との申し合わせの内容等について。また、総務省のほうから定形郵便物の上限料金等の改定等についてそれぞれ御説明をいただきました後、質疑応答をいただきたいと思います。
家庭用電気料金の値上げ認可申請の対応につきましては、当専門調査会の松村専門委員と山内専門委員が、経済産業省総合資源エネルギー調査会総合部会電気料金審査専門小委員会の委員も務められております。このため、中立性の観点から個別の電気料金値上げ認可申請の調査審議に当たっては、お二人を除く専門委員で構成する「家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会」を専門調査会の下に設置いたしまして、そこで調査審議をすることとなりました。10月29日に開催されました第134回の消費者委員会におきまして、古城座長からこの旨、御提案いただいておりまして、消費者委員会の同意を得る手続が既に終了いたしております。
調査会の所掌等につきましては資料2-1をお配りしておりますので、そちらを御参照いただければと思います。
調査会の構成員と座長につきましては、消費者委員会の委員長が指名することになっております。構成員については資料2-2に示しました名簿のとおりでございます。また、座長は河上委員長から古城専門委員が指名されております。
資料2-3でございますけれども、こちらは調査会の公開についてで、2次のときと同じ内容になっております。
今後ですけれども、来る18日月曜日に第12回家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会を開催いたしまして、家庭用電気料金の値上げ認可申請について中部電力からのヒアリングを行う予定になっております。
以上でございます。

○古城座長 ありがとうございました。
続いて、早速ですけれども、消費税率引き上げに伴う公共料金の改定について、消費者庁消費生活情報課より御説明をお願いいたします。

○消費者庁谷本企画官 改めまして、消費者庁の消費生活情報課の谷本でございます。
私からは公共料金等関係の当面の課題について説明をさせていただきます。
資料3をご覧ください。公共料金等関係の当面の課題につきまして、先ほど古城座長からも触れていただきましたが、こちらとしてまず大きく2つあるのかなと思っています。
1つは本来の値上げ申請がされた場合の公共料金改定の対応。もう1つは、消費税率引上げに伴う公共料金等の改定への対応ということでございます。
まず、重要な公共料金等について事業者からいわば本来の値上げ申請がされた場合につきまして、1ページをご覧いただければと思いますが、事業者から値上げ申請があった場合に、所管省庁のほうで査定されますが、その際には、所管省庁は調査会に諮問をして、その答申を受けたところで所管省庁としての方針を決める。それが終わったところで重要な公共料金の改定案については消費者庁のほうに来ますので、それに対して消費者委員会に御議論いただいて、御意見を賜る。その結果を踏まえて最終的には物価問題に関する関係閣僚会議というところで、閣僚級の会議でございますが、そちらで改定案を御了承いただく。こういう大きな流れでございます。
最終的なところの閣僚会議の設置については2ページにあるとおりで、こちらはごらんいただければと思います。
最近の実績でございますが、前体制の専門調査会で御議論いただきましたけれども、いずれも電力料金の改定でございますが、東京電力の料金改定が昨年7月にかけられて、同年9月から値上げ。それから、本年に入りまして関西電力及び九州電力の料金改定、それから、東北電力、四国電力、北海道電力の料金改定。これについてこの専門調査会で御議論いただいたところでございます。
その際の認可申請のフローにつきまして、参考ですが、4ページにつけております。
こちらの調査会で御議論いただく公共料金の範囲について、5ページにございますけれども、こちらに掲げる郵便、電話料金、たばこ、括弧のところは予算で決まりますので必ずしもというところではないので飛ばしまして、電気料金、ガス料金、国交省の鉄道、バス、タクシーの重要なものの改定につきまして物閣にかけますので、こちら消費者委員会の専門調査会でも御議論をいただくことになります。
続きまして消費税率引上げに伴う改定についてでございますが、こちらの専門調査会に御議論いただく範囲は5ページにあるところになるのですが、1つ例外がございまして、経産省の電気とガスにつきましては、消費税率の引上げにつきましては、いわゆる本来の料金改定とは扱いが法律上異なっておりまして、届出でできることになってございますので、消費税率引上げに係る改定の場合は、物閣にかけないという整理になってございます。それ以外につきましては、消費税率引上げに係る改定で、もし値上げ申請がありましたら御議論をいただくことになります。
その際の政府としての改定の基準といいますか、チェックすべきポイントということで6ページでございますけれども、消費税率引上げに伴う公共料金等の改定についてというところで、これは本年8月に政府内で決めておりますが、それについて簡単に御説明申し上げます。
一応、観点としまして1~5で挙げております。
まず1番目でございますが、消費税率引上げに伴い、公共料金等の改定申請がなされる場合は、税負担のかつ適正な転嫁を基本として対処する。その際には、公共料金等が物価及び国民生活に大きな影響を及ぼすことに鑑み、厳正に取り扱うということでございます。
2番目、消費税率引上げに伴う税負担の転嫁とあわせて、もし根っこの部分、税負担以外の費用の変化等による改定申請がなされる場合には、個別案件ごとに厳正に対処するというところでございます。
3番目、端数処理につきましては合理的かつ明確な方法により行う。また、事業全体または料金体系全体で消費税率引上げに伴う税負担の適正な転嫁を行うことを前提として、利用者負担の公平及び原価主義の観点から、合理的な範囲を超えない範囲で調整するということです。
4番目は消費税率の引上げを前提とした公共料金の改定。今回の消費税率は5~8%は来年の4月1日からということになりますが、それより前に消費税率の引上げという理由で、例えば1月とかに料金改定をするというのは認めませんということでございます。
5番目は、消費税率引上げに伴う税負担の転嫁のための改定申請の手続については、適切な情報を広く一般に提供するよう努めつつ、申請審査基準についてはできる限り簡素化するなど、事業者の負担軽減を図るということでございます。これらおおむね前回の消費税率引き上げ、平成9年の際の政府としての考え方をほぼ踏襲しているものでございます。
私からの説明は以上でございます。

○古城座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明について御質問、御意見をお願いします。御自由にどうぞ。
矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 最後に説明いただいた公共料金の改定についての物価担当会議の申し合わせについては、公共料金の値上げが生活に及ぼす影響に厳正に取り扱うというところが大事だと思います。特に消費者庁と消費者委員会ができ上がってから最初に説明のあったフローといいますか、その部分が国民のところに、ただ審査を厳正に行うということだけではなく、さまざまな機関がかかわりながら、丁寧に何重にもチェックを行うことが知らされていくことが非常に重要かなと思います。
今回の消費税率3%につきましても、その金額とか率だけでなく、常にチェックを多くの関わりの中で働かせながら、生活に及ぼす影響を十分配慮しているんだというところを消費者庁等で積極的に広報していただきたいと思います。

○古城座長 ほかいかがでしょうか。山内委員、どうぞ。

○山内委員 今の改定についての物価担当官会議申し合わせなのですけれども、3番の端数処理。端数処理というのは、要するに例えば10円単位の料金とか、そういうものについては引き上げ、引下げということがあって、全体として整合がとれていればいいと書いてあるわけです。事前にも申し上げたのですけれども、例えば端数処理するものとしないものが両方あるような料金のケースだと、どういうふうに負担がなされるかというのは実は細かく言うと、負担するほうと負担が軽くなるものと出てくる可能性があるのです。
個人的にはこの3はそれでいいと思うのですけれども、料金負担といいますか、料金を支払う方々のセグメント別に見るということで言うと、その辺の公平、不公平というのは実はあって、細かく見なければ本当はいけないのかなと思いますが、申し合わせでこういうふうになったので、そういうことかなと思いますけれども、その辺は注意しておく必要があるのかなと思います。
もう少し具体的に言うと、鉄道運賃なんかの話なんかがそうなのですけれども、10円単位のものとスイカ、割引、定期割引といろいろあるのです。これは定期とかスイカが8%というのはそのままいける可能性もあるのですが、今はスイカは10円単位でやっているけれども、もしかしたら円単位で上げることも可能なのだけれども、それから、定期について割引があるので、それで8%云々どうするんだということがあって、その間の多く負担する人と少なく負担する人というのがもしかしたら出るかもわからない。全体を8%で整合していればいいということだとすると。ただ、細かく言い出すと切りがないのであれなのですけれども、そういうこともあり得べしだということは頭に置いておいてもいいのかなと思います。

○松村委員 今の点がよく理解できないのですが、ここには全体として8%になっていれば何をしてもいいとは書いていなくて、利用者負担の公平及び原価主義の観点から合理的な限度を超えない範囲で調整するですから、もし山内先生がごらんになって、これが合理的と言える範囲をはるかに超えていると思えば、意見を言うことは可能だと思いますので。

○山内委員 事前にあれしたのだけれども、では誰が合理的と見るかということなのですが、合理的かどうかと見るには物すごく細かく精査しないとわからない。要するに個別原価みたいなものがちゃんと分かれているのか本当は見なければいけない。要するにこの委員会でどこまで見られるのかという話をしたのですが、やはり限界があるだろうという話なのです。

○松村委員 細かな原価を見るというのは、公平性のために重要な点だとは思うのですが、これは税の転嫁の公平性のことだけ言っているので、もとの値段が原価から大きく乖離しているとかではなく、税の分だけ転嫁するということなら、そこだけ切り離して見るということですから、特定のものだけ極端に転嫁がなく、つまり前と同じ料金で、特定のものだけ極端に値上げしているということがあったとしてそれが本当に合理的かを見るだけで、私は十分だと思います。

○山内委員 わかりました。とにかく事前にお話したときに、ここの公平性みたいなものの主体がここにあるのではないということだったので、その点は皆さんの頭に置いておいてくださいというのが私の意見です。

○古城座長 ほかにいかがでしょうか。古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 事前の説明でもしていただいたかもしれないのですけれども、今回、転嫁する場合に平成9年の申し合わせを踏襲するということで、今回8%になりますので105分の108というかけ率の範囲では、一応それは合理的だということを前提として算定されるという、そこのところはいいのでしょうか。25年8月1日の申し合わせの中に、105分の108を転嫁することについては前提とされているということで理解するべきなのでしょうか。

○消費者庁谷本企画官 改定申請がなされる場合には、税負担の円滑かつ適正な転嫁を基本として対処するとなっていますので、必ずそうしなさいという御判断は事業者としてあると思いますけれども、その場合、そういう形で転嫁されているという説明がされるというのが基本かなと思います。

○古城委員 ほかにいかがでしょうか。

○蟹瀬委員 つまらないことを聞いていいですか。合理的という言葉の意味合いが、一般の方が聞いてもよくわからないかもしれないなと思うのです。ですから、切り上げる、切り下げるというものをどういうふうに考えて決めていきますよということが、合理的という言葉で言われた瞬間によくわからなくなってきて、どちらの立場に立って合理的なのかというようなことに、もちろん消費者の立場に立てば切り下げてもらえれば合理的かもしれないけれども、運営する側からすれば原価ミックス的なところで上げたり下げたりして、合理的に値段を決めていきますよという言い方が成り立つと思うのですが、それが必ずしも消費者に言葉として伝わるかというと、私は3回これを見せていただいたときに、この言葉だけが引っかかってきているので、もう少し厳正にとか、言葉で表現されたほうがいいかなと思っています。

○消費者庁片山消費生活情報課長 要するに端数処理というのは何があるのかというのが、この時点でいろいろわからないというか、どうなるかわからないということで、多分ケース・バイ・ケースだと思うのです。何か処理しなければいけない。そのときに合理的な観点というのは前に書いていますように利用者負担の公平及び原価主義という観点からおかしくないというか、それほど一般常識に照らしたらおかしくないということで、具体的に切り下げがいい、切り上げがいいとかそういうことがなかなか言えない。むしろケース・バイ・ケースでそのときに、問題が起こったときに対処しましょうという趣旨で書いているということです。

○蟹瀬委員 ですから、意味としては適正かつということですね。

○消費者庁片山消費生活情報課長 いろんな場で皆さんに御審議いただくなり御意見いただくなりして、適正というか合理的、それをもっていいという判断をいただく。少なくとも事前に何か基準を示してできるのが一番いいと思うのですが、それがなかなかできないということでございます。

○蟹瀬委員 そういうことを私が言っているわけではなくて、それは十分にわかっておりますので、合理的という言葉のニュアンスは人のとり方によって随分違います。ここにこうやって書かれているのは、むしろ皆さんがなさろうとしているのは適正かつ明確な方法でやろうとしています。それを適正と言うには消費者が困らないようなやり方でやりますよとおっしゃっているのですかねと聞いているのです。
ですので、言葉のコノテーションのつまらないところですと、最初に申し上げたのはそういうことで、言葉が全然違う意味でとられていますよということを申し上げているわけで、状況的には大変よくわかります。切り下げたり切り上げなければいけないというのは全体的なことなので、全体を見ながらそれをやっていくということはわかりますが、それを合理的という表現にした途端に、消費者の方は誤解をしますよということを申し上げているわけです。

○消費者庁片山消費生活情報課長 わかりました。

○古城座長 端数処理を全部適正に転嫁できれば一番いいのですが、先ほど言いましたように1円単位というものが出ますとSuicaは処理できるけれども、自販機では処理できないということになると、それはどうするかというのが出てくるので、どうしても完全で適正な転嫁はできない。それで端数処理というものが出てきて、端数処理というのは厳密に言うと適正でないかもしれませんね。だからそれが範囲とその理由がそこそこ妥当であるならば仕方がないという意味で、合理性で使っているのだと思います。
あといかがでしょうか。井手座長代理、どうぞ。

○井手座長代理 先ほどの消費税率引き上げに伴う公共料金等の改定についてという、その前のページの公共料金等の新規設定及び変更の取り扱いというので、物価担当の申し合わせというものがありますけれども、先ほどの説明で経済産業省の電気料金については、消費税についてはこういった消費者委員会にかけない。後でやる総務省の場合は省令で書いているので、こういう場で議論をして、同じ届出制ですけれども、違いがあるというのは公共料金という性格でするとみんな同じようなレベルで、やらないなら全部やらないとか、やるのだったら全部やるとか、それはやはり統一しておいたほうがいいのではないでしょうか。

○消費者庁谷本企画官 総務省からの今回の郵便料金改定につきましても、実は今回省令を改正して、その後、事業会社から届出というステップということで私は理解しています。我々がここで審議いただきたいのは、省令を改正するところのみということになります。その後、届出が出た際には審議はしないということになります。

○井手座長代理 だから、そういう省令で書いているというもので、電気の場合はそういう省令がない。

○山内委員 電気はあれなのです。総括原価から抜いてしまっていて、でもあれは省令ですか。

○消費者庁谷本企画官 あれも法律で届出となっています。消費税率の改定の場合は。

○井手座長代理 それをだから法律で、消費税については全部届出とか統一をしておいたほうが、それは総務省の判断。

○消費者庁谷本企画官 そこは各事業法の考え方でありますので、ちょっと。

○消費者庁河津審議官 多分、料金の中身といいますか、計算の問題だと思います。条文を確認しているわけではありませんが、電力の場合、現在は本体価格に100分の105を乗じているということだと思います。引き上げ時にはそれにまた105分の108を乗じることになる。電力の場合、端数が出ても最後の1円のところでの調節となりますが、本件ですと切手100枚買っても8,000円に105分の108を乗じることにはなりません。電力の場合はそれが起こりますので、まさに計算上本体価格に税率を乗じて徴収できる電力・ガスと、切手1枚という単位で料金を決めなければいけないという物の違いが、先ほどの制度上の違いにつながっているのではないかと思っておりますのですけれども。

○井手座長代理 これはあれでしょう。封書の80円だけの問題ですから。

○消費者庁河津審議官 80円を82円にするときと電力では、端数の程度の違いではないかと思います。

○山内委員 電力は個別消費税分、全て総括原価があるのを見て、公共料金と別扱いにしているので、ここで議論にならないという扱いですね。

○井手座長代理 だからみんな総務省の判断。

○山内委員 逆に言うと、だからほかは総括原価に入れている。例えば鉄道なんかはそうなのだけれども、そうなってくるとここで議論。

○井手座長代理 全部やらないといけない。

○山内委員 入れるのがいいのかという問題はあると思います。

○古城座長 それは立法論で、よろしいでしょうか。
それでは、ここの議論は、あとは消費者庁、今のことについて何かございますか。

○消費者庁河津審議官 先ほど蟹瀬委員からのお話は、合理性という言葉の問題も確かにありますが、要は結果をきちんと消費者、利用者に伝えるという努力のところにつながっていくのではないかと思っております。そういう意味では協議をする立場もありますけれども、消費者へのきっちりとした説明を求める立場でもございますので、そこはしっかり認識をしていきたいと思っております。

○古城座長 いろいろ御議論いただきました。ここに書いてありますことは、1のところで基本として対処するということで、基本的には消費税値上げのときに非常にたくさんの公共料金が一遍に上がるわけです。それは多様ですので、そのときに円滑に転嫁するというものがあるので、簡易な審査で転嫁を認める。これが原則だということなのですが、基本として対処する、厳正に取り扱うというのはこれまでありましたけれども、実は非常に料金値下げできるのに値下げしなくて、非常に内部留保として利益がたまっている場合には、むしろ料金値下げのかわりに消費税を転嫁しないでくれということができる余地もある。これまでもやったことがあるという趣旨を言っているのです。
あと、端数処理のときは今、言ったように端数処理の問題がなかったら全部きちんと転嫁してもらうのがいいのですけれども、端数処理というものがあって、端数処理でやむなく何らかのことをしなければいけないので、それが合理的だったら認めるけれども、むしろ端数処理にかこつけて料金体系を変えようとかそういうことがあったら、それは合理的ではないという形でチェックをしたいということだと思います。
消費者庁のほうで公共料金が物価及び国民生活に大きな影響を及ぼすことに鑑みまして、所管官庁との協議において物価担当官会議申し合わせに沿って厳正に取り扱うとともに、係る取り扱いについて消費者への周知が図れるよう御確認いただきたいと思います。

≪3.消費税率の引上げに伴う定形郵便物の上限料金の改定等について≫

○古城座長 それでは、早速第1弾で定形郵便物の上限料金の改定等について、総務省から今日御説明を伺う予定になっておりますので、説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。それで、本日いらっしゃっていただいているのは、総務省から岡崎毅郵便課長、渡部祐太同課長補佐です。よろしくお願いいたします。

○総務省岡崎郵便課長 よろしくお願いいたします。岡崎でございます。
本日は総務省の郵便料金と信書便事業の中の一部なのですけれども、それの上限料金の省令の改定についてお諮りしたいということで本日、説明に来ております。
まず、表紙に簡単な概要を書いておりますけれども、来年4月から今、御説明がありましたように5%から8%に消費税率が引き上げられます。先ほどの申し合わせに従いますと、基本的に税負担の円滑かつ適正な転嫁を基本として対処することになっておりますので、総務省としては郵便を提供しております日本郵便が適正かつ円滑に郵便料金に転嫁できるように制度を整える必要がある。その制度を整える一環として総務省令を改正するものでございます。
郵便料金は基本的には届出と認可になっております。いわゆる皆さんがよくお使いになる一種の封筒とはがきは届出料金になっております。と申しますのは、これは省令で上限料金が決まっておりまして、全国一律にサービスを提供することが法律で決まっておりますので、その範囲内であれば届出で十分であるというふうになっております。
ちなみに決まり方はかなりアバウトでございまして、封筒に関しましては省令の額が上限なのですけれども、はがきと郵便書簡、最近使う方が少ないのですけれども、郵便局でよく折りたたんで送るものです。これについては封筒のものよりも安ければよいと決まっております。
信書便事業のほうなのですけれども、これは信書便事業のうち一般信書便事業と申しまして、一度ここで御説明させていただきましたが、ほぼ郵便と同じ形で全国津々浦々、均一の料金でサービスを提供する場合の上限料金でございます。これは基本的に現在は郵便の定形郵便物の一番安い料金、この80円の料金に連動しておりますので、それに合せて省令を改正するということが概要でございます。
これまでの検討経過を簡単に申し上げますと、10月1日に政府で発表しましたので、それから、事前準備を進めておりましたので、5日には省令改正のためのパブリックコメントをしまして、1カ月間十分時間をとって意見を招請しております。意見が9件出てきておりますけれども、参考資料で後ろのほうにつけてございます。
先日11月12日、今週の火曜日になりますけれども、情報通信行政・郵政行政審議会で審議も行いまして、適切であるという答申をいただいております。本日の資料はそのときに使いました資料に多分、この会議は郵政行政審議会と少し異なりまして、郵便の基本的な制度について少しわかりにくい面がございますので、それについての解説を加えた資料を追加して持ってきております。それでは、中身のほうに進めさせていただきます。
1ページ、改正の背景です。(1)に書いておりますけれども、これは今、申し上げたとおりでございます。今回の観点はまさに物価担当官会議申し合わせに基づいたものです。
この消費税の引き上げの先ほど厳正に対処するという観点からということでございましたが、単純に今回の消費税率引き上げをしますと、日本郵便は郵便サービスの売り上げからすると平成24年度の通数でいいますと、約380億円単純に税負担がふえます。ところが、平成25年度の同社全体の営業利益、これは郵便だけではなくてそのほかにもいろんなサービスを含んでおるのですけれども、見通しとして営業利益220億円しかございません。したがって、郵便料金についての消費税負担増分、ほかのサービスを除いたその分だけでも既に赤字になる可能性があるということで、転嫁しないわけにはいかないという状況にあると総務省としては認識しております。したがって、この転嫁を円滑にする必要がある。
その前提としまして、先ほど申しましたように郵便料金は一種、二種については届出、三種、四種については認可になっています。三種、四種というのは例えば定期刊行物であるとか、特別なもので障害者、これは盲人用の郵便物といったものに対処するものなのですけれども、通常の料金よりも特に安くしなさいということが郵便法に書いてありますので、基本的には赤字が原則になっている料金です。これらについて認可制となっています。こういったサービスの前提としまして、最も基準となるのが一種郵便物の定形郵便物のうち、25g以下のものについての上限料金80円です。これが省令で決まっておりまして、これが動かないと全ての料金が動かないということになりますので、これを変える必要があるということになっております。
改正の概要ですけれども、これは繰り返しになりますが、単純に105分の108をかけて、切り下げております。後のほうで数字が出ますけれども、計算しますと大体82.29円になります。この0.29円を切り下げますので、このままでは相当な額の消費税の単純な負担増が出ます。これについては私どもは一応ほかにも届出料金、一種と二種の料金がありますし、三種の料金がありますので、その中で先ほど少し出ましたけれども、合理的な範囲内で調整をしていただいて、全体で5%から8%という値上げ幅におさまるように届出、認可をしていただけるのではないかと期待しております。現在、日本郵便でもそのような方向で検討中と聞いております。
改正の概要の(2)ですけれども、民間事業者による信書の送達に関する法律の施行規則ですが、こちらのほうは一応法律で決まっておりまして、省令も定まっておりますけれども、現段階では参入事業者はおりません。したがって、適用される事業者はございませんけれども、郵便料金と連動するというふうに考えておりますので、今回も連動させようと考えております。
つきましては、今の御説明の内容を少し参考資料に沿って説明させていただければと思います。
まずめくっていただきまして3ページなのですけれども、これは先ほどの消費者庁から御説明がありましたので割愛させていただきますが、ポイントは我々は先ほどありました、円滑かつ適正な転嫁を基本として対処するということであろうかなと思っておりましたが、まずそこを基本に対処したいと考えております。
まずその前提として、そもそも郵便というのはどういうサービスであるかということの御説明をさせていただきます。
郵便は、郵便法に基づいて日本郵便株式会社が行う信書とか、小さなものの送達をする業務と考えられております。サービス内容としては法律上、あまねく公平に、なるべく安い料金で、これがいわゆるユニバーサルサービスと呼ばれるものです。日本全国津々浦々均一料金でサービスを提供するというふうに理解しております。それから、検閲の禁止、秘密の確保、これは憲法上の通信の秘密から来ております。
サービスとして大きく内国郵便と国際郵便がございます。内国郵便のほうは郵便法に基づいてやっておりますけれども、国際郵便のほうは法律上、条約に基づいてやりなさいと書いておりまして、実は昨年10月に条約が大改正されたのですけれども、万国郵便連合というところの条約で、国際郵便は世界的に連携してサービスを提供することになっております。
一方、国内のほうは先ほどから既に何度も説明して恐縮ですけれども、一種から四種まで分かれておりまして、それぞれ一種と二種が届出制、三種と四種が認可制になっています。それから、よくある付加価値サービス。付加価値サービスの中でも書留あるいは内容証明などは全国やりなさいということになっていますけれども、こういった特殊なサービス、プラスアルファのサービスを提供しております。
サービス水準としては一般的に今、日本郵便のほうではポストを週7日間取り集めております。窓口は郵便局です。大きさによって週5日あいているところと、1週間ずっとあいているところがあります。配達は原則日曜日以外の週6日間配達しております。速度は通常郵便物ですと島嶼部を除いて本州4島の中であれば、原則として出してから3日で届くということを法律と省令で書かれております。現実にこういったことをチェックしておりまして、大体98~99%程度の割合でもって届けられております。配達地域は原則として全国あまねく戸別で、軒先まで持ってきていただけるのですけれども、一部、例えば山の上のてっぺんにあって車で行けないようなところもございますので、そういったところは申しわけないですが、運べませんということで日本郵便が個別に場所を指定して、宛先というか軒先の玄関まで運ばないということがあるようです。料金については基本的に内国郵便物は全国均一です。後で具体的な料金表は御説明したいと思います。
それから、今回省令が2つ改正されますけれども、もう一方の信書便と郵便法の関係がどのようになっているかということです。もともと日本におきましては、諸外国も大体そういうところが多いのですが、信書の送達は郵便事業体が独占的に国営でやっている例が多うございました。しかし、最近になって一部の国、特にヨーロッパの国は民間参入を認めるということでやっております。現時点では進んでおらないようですけれども、認めることになっています。日本でも平成15年4月に信書便法、正確な名前は長いのですが、民間事業者による信書の送達に関する法律というのが正式な名称ですけれども、長いので我々は信書便法と呼びならわしておりますが、その信書便法の施行によりまして、郵便の信書の送達の独占が解除されております。競争が導入されております。
そのときに2つの形態の信書の送達に対する競争導入が認められました。1つは一般信書便というものでございまして、これは全国においてほぼ郵便と似たような形でサービスを提供する一般信書便と、特に先ほどの郵便の例で言いますと、特殊取り扱いに相当するようなものについて提供できるという特定信書便というものが認められております。そのうち今回問題になっておりますのは、一般信書便の中の最も郵便に近い、通常の25g以下の封書の送達についての料金の上限は80円であるという省令を82円にするというのが今回の省令でございます。
ちなみに、荷物のほうはまた別でございまして、貨物自動車運送事業法というもので基本的には規律されておりますので、日本郵便が提供しているサービスでいいますと、ゆうパックというのがこの辺のサービスになりますので、こちらは今回ここにかかりませんが、それも多分転嫁されることになると思います。
信書便の概要を次の6ページにつけております。一般信書便と特定信書便がついておりますけれども、これは先ほど説明したことと重なりますし、基本的な内容は今回と余り関係ございませんので、載せておりますけれども、もし何かありましたら御質問にお答えしたいと思います。
7ページ、郵便料金の改定の手続と適合条件なのですけれども、これは今回の省令改正自体とは直接は関係しませんが、この省令が改正された後に日本郵便から届出される、あるいは認可申請されるときの審査基準になるものがここに書いてございます。基本的には一種の郵便物であれば、届出されれば額がきちんと決まっていれば通常大丈夫です。それから、はがきであれば定形郵便物よりも低いものである。三種であれば非常に料金が安いのです。なのでそれについてはそこまで下げることは合理的なのかどうかという観点からチェックが入るように考えております。
8ページ、今回の省令の対象となる具体的な大きさのイメージを持ちいただければと思いまして、実物大で定形郵便物の封筒の大きさというのはどこからどこまでかというのを絵に描いてみました。実は最小から最大がありまして、この最少、最大はなぜ決まっているかというといろんな理由で決まっているのですけれども、古くは郵便局にありました区分函といいまして、区分けをする函の大きさがあるのですけれども、その函の大きさに大体問題なくおさまるというか、あと、小さいほうですと持ちやすい、処理しやすいということが基準で、それだと人間ですと、人間がやっていた時代は人間がやる分に早くできるので、効率がいいので安くしていたわけです。現在ではこの大きさに従って機械で処理しておりますので、この大きさですと通常の機械で処理できるので割と早く安く処理できるのです。ですので定形郵便物を定めております。
逆にこの大きさを超えたり厚さを超えますと機械処理ができなかったりしますので、あるいは特別な区分函などを使うことになって途端にコストが上がりますので、定形外ということで料金が少し跳ね上がっております。
これまでの郵便料金の歴史を9ページに書いております。主な郵便料金の推移ですけれども、実は来年80円が82円になりますと20年ぶりの値上げとなります。値上げと申し上げても税金分だけの転嫁なので、郵便事業としての取り分はまったくふえないわけですが、形だけ、形式を言いますと80円を82円に上げることになりますと、平成6年以来の値上げとなります。この平成6年の値上げというのは、実は平成元年のときに消費税を3%導入して端数を導入したのですけれども、その後、バブルが御存じのように崩壊しまして、実はバブルを見越して相当程度、設備を拡充したら、それほど通数が伸びなかったので、この6年の段階で大赤字が出たのです。この何年かなのですけれども。それで慌てて、少し見たらわかりますが、相当大幅に引き上げております。
ところが、大幅に引き上げた結果、少し余裕ができてしまいまして、平成9年の消費税5%のときは多少余裕がありました。累積利益が約1,000億程度あったというのと、もう一つは、このときに少し郵便システムをいじる計画がありまして、郵便番号の7けた化をするということがあって、それによる効果も多少あって、そういったさまざまな理由があってこのときはこれを転嫁しなくてもいいということが想定されたのですけれども、今回全くどちらの理由もないので、淡々としないとまた赤字に転落することになっております。
その次のページを見ていきますと、当時もそうですけれども、特に最近は日本経済がそれほど調子がよくないというのと、もう一つは人口動態の変遷です。どうしても手紙を出す人たちがだんだん第一線から退いていく。あるいはもう一つは皆さん御存じかと思いますけれども、電気通信の発達です。特に携帯メール、今ですと携帯メールですら使わずに、LINEとかSNSといったものを若い人たちは使っておりまして、どんどん郵便の物数は減っております。去年は1.3%なのですけれども、ならしますと平均3%の勢いで物数が減っております。
11ページ、したがいまして郵便収入もそれの見合いでどんどん下がっております。しかし、費用のほうを見ていただくとわかりますように、その費用のほうも通常はなかなかこれだけのペースで収入が下がっていきますと対応が難しいのですけれども、何とか郵便だけ見た段階では多少の黒字をずっと確保してきております。ただ、これは会社としての収支ではなくて、たまたまこの郵便のセグメントについての部分ですので、郵便セグメントのうちの郵便についてのものだけですので、ぎりぎりですね。しかもこれの中には単純な合理化の中には、ものすごく単純なボーナスカットみたいなものも含まれておりますので、なかなか難しい状況になっております。
12ページ、先ほどのものは郵便セグメント、いわゆる昔ですと郵便事業会社、今ですと日本郵便株式会社の中の郵便事業セグメントのうちの郵便に関するものだけだったのですけれども、郵便事業会社は郵便事業のほかにもいわゆるゆうパックとかゆうメールのようなものをしておりますので、会社全体で見ると赤字になっております。これを見ただけだと21年、22年、23年度は3年続けて赤字です。24年度はかろうじて郵便事業セグメントは311億円の黒字になっておりますけれども、これは累積で見れば例えば直近過去5年で見ると、累積赤字のような感じです。それから、平成25年度で見ましても郵便事業セグメントでは35億円の黒字しか出ておりません。このような状況ではなかなか転嫁をしないという選択はとりにくいだろうと思っておりますので、その前提としての省令を改正することを提案しておるわけです。
13ページ、郵便料金は今どのようになっておりますかというのが次のページに出ております。13ページと14ページ両方一種、二種、三種、四種と出ておりまして、これはあくまで参考でございますけれども、このうち参考の中で最も関係があるのは13ページの一番上、定形郵便物の25g以下、現行料金の80円のところです。ここは単純に転嫁をすると82.29円になってしまいますが、我々の理解では82.3を四捨五入すれば82なので切り捨てでいいだろうということで切り捨てております。これですと先ほども少し申し上げましたが、この定形郵便物の部分だけでは相当な持ち出しになるわけです。消費税の持ち出しになりますので、多分ほかのところで必要な微調整を行うことになるかと思います。それについては今後ということになると思います。
15ページ、現在発行されている切手がこのような種類になっています。1、3、5、10、20なのですけれども、この中で最も喫緊なのは、例えば80円切手は今、2種類ございますが、これは多分新しい、仮に82円に上げるということで日本郵便が決定をして届出してくれば、この80円は使いにくいので、当然82円という切手が発行されることになると思います。また、郵便の場合は切手、はがきをあらかじめ買っておられる方が多数おられると思うのです。そういった方の切手やはがきが使えるように差額、この場合で言うと多分1円と3円の間に2円切手というものがつくられることになって、それが発行されて、1枚でそれを貼れば使えるようになるということが想定されます。実際にこういうことが起こったのは先ほど見ていただきました3%のときに、それに近いようなことを行っておりますので、そういったことが起こると思います。
それでは、最後になりますけれども、具体的な総務省令は役所言葉というか、官報に載るものが16ページに載っておりまして、条文自体は郵便法施行規則23条中「八十円」を「八十二円」に改めるというのが条文なのですが、これではわかりにくいと思いますので、19ページにこれをするとどうなるかということが書いてあります。単純に下が80円で現行でございまして、上が82円ということで、こういうふうに省令を変えるというのが今回の省令の内容になります。
ちなみに、20ページと21ページにつきましては、総務省に寄せられましたパブリックコメントを載せてございます。もちろん反対、賛成両方ございますし、また逆に賛成とも反対とも全然関係ない意見もございますが、そこについても一応御回答させていただいて、提出しておりまして、その件については今回のものとは多少異なるかとは思いますので、割愛させていただきます。
御説明のほうは以上でございます。ありがとうございました。

○古城座長 ありがとうございました。
御説明いただいた内容について御質問、御意見のある方は御発言お願いします。時間が余り残っておりませんので、少し終わりの時間が延びるかと思いますけれども、適宜、手短に御質問、御発言をお願いします。よろしくお願いいたします。

○蟹瀬委員 80円が82円になるという前提は、3%上がるわけですから否めないものがあるかなと思いますが、説明をしていただいた数字が余りにもよくわからないので説明をいただければ一番最初に説明をいただいた、増加額が380億と見込まれますというのは、何をベースにした増加額。要するに増加額というのは、これは増加した全体の数が380億なのか、今、ベースにしているものにプラス380億重ねるのかというのが、ちょっとこの表現では私が理解できないということと、25年度の通期見通しが220億であるという営業利益と、後ろのページに書いております11、12で説明をしていただいている数字が、どこも私の頭で当てはまらないのですけれども、その辺のところを少し詳しく説明をしていただきたいのが1点。
もう一点ですが、24年度と25年度の見通しでこれだけの格差が出てしまう理由というのが見えないのです。例えば、普通ビジネスをやっていますと営業利益713億あった去年が、220億に落ちてしまうというのはよほど世の中が変わらない限りないと思うのですけれども、この辺の見通しを最終利益が当期利益、純利益35億、その前の年は311億あったという、この数字説明していただければと思います。

○古城座長 2点質問がありましたので、よろしくお願いします。

○総務省岡崎郵便課長 まず380億ですけれども、すごく単純な計算をしておりまして、郵便料金の収入です。これは11ページの平成24年度の数字です。これが単純に売り上げで郵便事業だけですと1兆3,000億円ございます。これに単純に105分の108をかけて、アバウトに端数を切ると大体380億円になるというのが380億円の案件。

○蟹瀬委員 これは営業収益ですね。

○総務省岡崎郵便課長 そうです。

○蟹瀬委員 税負担増加額はというのは。

○総務省岡崎郵便課長 税負担増加額ですので、消費税は基本的に売り上げにかかります。ですから1兆3,000億円は収入ですので、これは売上です。

○蟹瀬委員 それに380億を払わなければならない。

○総務省岡崎郵便課長 これではなくて、1兆3,131億円は消費税込みです。ですから今このうちの1兆3,131億円のうちの5%は消費税なわけです。ですから、この消費税が仮に8%になったとすると、105分の108をかけなければいけないわけですね。この105分の108をかけたものと1兆3,131億円の差額が大体380億円であるということです。

○蟹瀬委員 きっと一般の方はわからないと思います。私はよく理解できていないので。

○総務省岡崎郵便課長 では、もう一度ゆっくり御説明しますと、この1兆3,000億円のうちの5%。

○蟹瀬委員 105で割りますね。105で割って108をかけたら380億の差額がある。

○総務省岡崎郵便課長 そうです。

○蟹瀬委員 今度の25年度の見通し220億は何をおっしゃっているのですか。

○総務省岡崎郵便課長 それは12ページの、先ほどの最初のページは営業利益でございます。ですから平成25年度の見通しの一番左の欄、最初のページはセグメントではなくて会社単位で見ておりますので、一番上が2兆7,290億円という営業収益の欄がございます。その下の営業利益が220億円。

○蟹瀬委員 これに対してですね。そうすると、この前の年に713億という営業利益を出しているのに、ことし突然220億になる理由を説明しなければ、一般の方はよくわからなくなってしまうのではないですかということです。要するにこの急激な見通し額の差というのは3倍違うので。

○総務省岡崎郵便課長 まず第一に申し上げますと、この25年度の見通しは事業計画の数字ですので、既にこれは認可が出ている数字です。去年の段階で既に出しているわけなのですけれども、この内訳は、細かいお話はここではさせていただけませんが、基本的には24年度の713億円のうちのほとんどの部分、かなり大きな部分が単純なボーナスカットです。かなりの部分がボーナスカットです。
ことしはいろんな事情があって、いろんな事情というのは要するにそれまで3年間の赤字が黒字化したのは理由があって、ボーナスのカット幅を減らすと聞いておりますので、その分だけでも相当程度の見通し段階では額が減ることになっています。
それから、私どもが聞いている範囲では、もう一つは平成24年度については過去3年間の赤字があったので、特に郵便セグメントなのですけれども、赤字を3年以上続けてしまうと、経常利益段階で赤字を3年以上続けてしまうと、会計処理上、資産の洗い替えなどいろいろな手間がかかるということで、24年度についてはいろんな費用について相当程度抑えたと聞いております。
したがって、25年度については24年度に行わなかった例えば局舎の修繕であるとか、あるいはいろんな機械が壊れたものを直すといったようなものを25年度から再開すると聞いております。したがって、24年度はそういった節約策の結果、結果的に見ると予想以上に黒字が出たのですが、25年度は主にはその2つです。ほかにも幾つか理由はあると思うのですけれども、細かいところはいろいろあると思いますが、そういった理由でこういう数字が出ております。
ちなみに、この数字については、この料金改定のときに初めて出た数字ではなくて、事業計画のときに認可されている。また、もう一つこれは25年度の数字ですので、来年の26年度の数字ではございません。つまり、上げた後の数字ではないのです。これは現在進行中の年度の当初の見込みの数字です。今、中間決算がきょう発表されたと思いますけれども、大体この数字で進んでいると聞いております。

○岩田委員 同じような質問なのですけれども、今、御説明の中で郵便事業セグメントは3年間赤字で、2004年度に黒字化したというお話があったのですが、その前の11ページを見せていただいているのですけれども、これは郵便事業の収支の推移と書いてありますが、これは郵便事業セグメントだと理解してよろしいですか。

○総務省岡崎郵便課長 郵便事業と郵便セグメントは少し違いまして、11ページに出ているのは全く郵便法に基づいた郵便サービスについての収入です。一方、郵便セグメントで行っているのは郵便法に基づくもののほかに印紙税法に基づく印紙の販売であるとか、貨物自動車運送事業法にもとづくゆうパックとかゆうメールとか、そういったものもやっております。ですので少し額がふえているかと思います。見ていただくと、郵便事業株式会社の例えば23年度で見ていただくと、郵便事業収入は1兆3,343億円ですけれども、23年度を見ていただくと郵便事業株式会社ですと1兆7,648億円になっておりますね。この差額は単純にいいますと貨物事業と印紙販売事業がほとんどですが、そういったいわゆる純粋な郵便以外の事業を含んでおります。

○岩田委員 なるほど。引き続きよろしいですか。
大変御苦労なさって3年間の赤字が黒字に転嫁されて、経営が少し安定してきていることはとてもいいということだとは思うのですが、重ねて聞きたいと思いましたのは、9ページの御説明のときに前回、消費税が3%から5%に引き上げになったときに、それはスライド的に郵便料金の値上げはしなかった。その時点で累積利益という言葉が使われましたでしょうか。累積利益が1,000億円程度あったという御説明をされたのですが、先ほどの質問とつながるのですけれども、3年程度赤字があって、今は黒字化して、多分ことしも黒字になるだろうという見通しだと思うのですが、その累積利益ということで見ると、ですから平成9年時点で料金値上げはしないといったときの判断ベースになった累積利益1,000億に相当する数字というのは、今日ではどのくらいになっているのでしょうか。

○総務省岡崎郵便課長 お答えしますけれども、まず前提が当時と異なっておりまして、まず当時は国営なのです。したがって、利益を出す必要がないのです。収支相償でいいです。それから、法人税を払う必要がないということで、前提がかなり違います。今は一応、政府とは切り離された株式会社になっていまして、利益を出して法人税を払うことが期待されておりますので、多少違います。したがいまして、全く同じベースで相当する数字というのはないのですけれども、それに一番近い数字は多分、純資産の部の利益剰余金という数字ではないかと思います。その数字で言いますと、25年の3月時点で180億しかないと聞いておりますので、当時のあれからすると全く、しかも利益の傾向から言っても、単年度の利益の傾向から言っても余裕がないと理解しております。

○岩田委員 よくわかりました。ありがとうございます。

○古城座長 ほかいかがでしようか。白山委員、お願いします。

○白山委員 郵便事業というのは人件費など固定費が非常に高いので、売り上げがぶれるとすぐ損益がかなりぶれるという特質を持っている事業です。そのため、損益のぶれというのは非常によくわかるので、固定費削減を怠るとすぐ赤字に転落するという財務上の特色を持っているということで、これだけ利益がばらつくという点は理解はしております。
お聞きしたいのは、消費税の転嫁のところで「円滑な転嫁」という問題と、「適正な転嫁」という点です。この「円滑な転嫁」のほうは消費税増税に伴う郵便料金値上げについて、事前にその枠を法的に確保することで準備をしておこうということと理解しております。「適正な転嫁」という、今ここでまさに議論がされているような点でございますが、これは消費税増税分が適正に100%最終消費者に転嫁されていくという説明について負担者である最終消費者が、その適正性を判断していくときに必要な情報が開示されるのかという点です。通常、消費税増税に伴う料金値上げをするときには、日本郵便株式会社のほうでも当然にそれを最終消費者に転嫁していくための収支予測計算をするわけでございまして、それが及ぼすインパクトがどうなのかとか、これを転嫁しなかった場合にどうなるのかを考えるはずです。その辺りの転嫁の適正性について、総務省に料金の届出が出てきた際にきちんと確認していただきたいということです。また、先ほどの380億円というのはもし転嫁しなければ失うであろう収益ということですね。3%分を売り上げにかけるということは。

○総務省岡崎郵便課長 失うではなくて、まさに支払い増です。税として持っていかれますので。逸失利益ではなくて、現金として国庫におさめなければいけないものです。

○白山委員 ですから国庫に最終的にはおさめなければならないということだと思いますけれども、お聞きしたかったのはそこのところではなくて、総務省の審議会のほう、情報通信行政・郵政行政審議会で御議論を11月12日にされているということでございますが、この辺りの転嫁の適正性についてどうなのかという御議論は、どの辺りまで議論をされて御判断されたのか。消費税増税に伴う損益インパクトということですね。もし消費税増税分の適正な転嫁をしなければ経営に非常に大きな圧迫要因がありますよということを定量的に検討したりすると思うのですが、どの程度まで御議論がされているのかどうかを確認したいのです。

○総務省岡崎郵便課長 基本的に議論はまさにこの場で行われているものとほぼ同じレベルだと思います。というのは、お出ししている資料は基本的に最初に説明しました簡単な郵便の概要以外は、同じ説明資料でもって御説明しておりますので、まさに皆さん方が今、御疑問を思ったようなことについて御質問があって、それについてお答えしております。
あともう一つ、総務省の審議会の場合は、これはあくまでも上限料金を定めるためだけの省令でございまして、細かい具体的な届出については後日報告をすることになっておりますし、また、実際に認可申請された料金については、まさに認可の過程で諮問が行われることもありますので、そういう意味ではその段階でもう一度、まさに適正かどうかということは審査されると理解しております。

○古城座長 井手座長代理、どうぞ。

○井手座長代理 先ほど座長が言われたときに、非常に内部留保とか利益が出ているようなときに、消費税を転嫁するという場合、それは認めないということもあり得ると座長はおっしゃったと思うのですけれども、そうなると次に8%から10%に値上げをするときに、この郵便セグメントのところでえらく利益が出ているような状態のときには、その2%をさらに転嫁することは認めないこともあり得るということなのですか。その辺のことを教えてください。

○総務省岡崎郵便課長 そうですね。単純に申し上げますとまさにそのとおりだと思います。というか、もっと言うと法律のつくり自体がそもそも過大な利益が出ているということになれば、料金改善命令をかけることが前提になっておりますので、もしそういうことがあれば可能性としては法律上許されていると思いますが、ただ、今の日本郵便のこの状況のもとで、郵便収入の低下傾向がそう簡単に逆転するとはなかなか思いにくいので、多分そういう事情にはならなくて、むしろ次にもし本当にやらなければいけないとなると逆方向かもしれないですけれども、可能性としてはあります。
先ほど厳正にというお話がありましたけれども、前回の平成9年のとき、これは当時は郵政省ですので審査するとかしないということではないのですが、まさにこの方針を受けて当時の郵政省がみずからこれは厳正に対処すれば上げられないということで上げなかったという例ですので、そのときに照らしますと仮に過大な利益が出れば多分きちんとチェックしなければいけないのでしょうけれども、今のタイムスパンですと1年半とか2年ぐらいの間しかないので、この傾向がそれほど変わるとはなかなか思いにくいので、現実的にはなかなかそういうことは起こらないかもしれないです。いずれにしてもそれは経済の状況とか、現実の経営状況などに関係しますので、それを見てからということになるかと思います。

○古城座長 橋本委員、どうぞ。

○橋本委員 今のところこれは日本郵便だけというところで、ほかのライバル会社がないということなので、今後も新しい参入がない場合、10%になったときに日本郵便の経営状態というのがかなりクローズアップされて諮られると思うのですけれども、先ほど白山委員がおっしゃっていましたが、結構収益の増減というのは固定費をどうするかでかなり変わってくるということなのですけれども、今回の資料は平成20年から24年の5年間のものが出されましたが、例えば仮にその前に余り企業努力をせずに、赤字状態であるので転嫁しても仕方ないなという議論になったりとかすることがないように、これは意見なのですけれども、過去にかなりさかのぼってきちんとそういう経営状態をにらんで考えていただかないと、先ほどのように恣意的に赤字が続いて仕方ないねという論議にならないようにしていただきたいと、先ほどの話を聞いて感じたところです。

○古城座長 陶山委員、どうぞ。

○陶山委員 当初ここにかかっているのが総務省から出てきている部分だけだと思っていたのですけれども、座長がおっしゃるように転嫁しないこともあるというようなお話であれば、ここに出されている資料では、今後のことになるかもしれないのですが、営業利益が幾らということだけではなく、その事業構造がどうなっているかだとかいう話まで見なければいけないのかなと思うのですが、私も初めて参加した中で、ここにかけられている課題と、それを判断するに当たってここに出されている資料で十分かどうかというところがまだ判断がつかないので、その点、御教示いただければと思います。

○古城座長 それは大事な問題点なので後で議論したいのですが、山内委員、どうぞ。

○山内委員 これで説明いただいたのか記憶がないのですけれども、正確に言うとここで80円を82円にするのはどうするかという、そういう議論をするということが先ほどの資料にもあるのですが、その80円のセグメントというか、個別原価というのはどういうふうに出しているのかとこの間説明いただきましたか。どう出すのですか。

○総務省岡崎郵便課長 この料金は20年以上変えていませんので、今となってはどうやって出したかがわからないのです。かつ、そもそもこの20年前の料金自体がそれまでの歴史的な経緯を引きずってつくってありますので、厳密に原価を出したかというと、なかなか難しいと思います。
ただ、今の総務省では一種、二種、三種、四種ということについて区分経理をするようにというお話はしてありまして、現実にやっておりますので、ある程度のところはできております。そもそも条文の書き方自体からわかるとおり、三種と四種というのは構造的に絶対赤字になりますので、そういったことははっきりしているわけですけれども、現実問題として一つ一つのものが黒字か赤字かというのはわかりにくいと思います。
もう一つ、まさに郵便サービスに限らず、公共料金全ての特色だと思うのですが、もともと厳密に個別料金をやるとなると、例えば東京ですごく端的な例なのですけれども、前回たしかちらっとお話をしたかと思うのですが、東京で手紙1通配るのは、配達員の方というのは数十メートルか数百メートルあるのです。1通当たり。ところが、田舎に持っていくと7キロとか10キロとか数キロ単位です。しかも東京は道が整備されていますけれども、田舎の7キロというのは例えばこの時期ですと、そろそろ北海道や東北は雪が降りますが、その7キロで、それを郵便の場合は全国一律料金80円にしなさいということが決まっておりますので、なかなか個々の全てのサービスについて、個々に厳密に料金を、費用を反映させなさいということが、そもそも法律の概念になっておりませんね。なので、そういった中で可能な限り妥当な線でということではやっています。
したがって、お答えになっているかどうかはっきりわからないのですけれども、ただ、会計的に検査した段階では一種と二種は多少黒字で、三種と四種は予想どおり赤字ということですので、それほど理念から外れて、しかも全体はほぼ何とか黒字になったり赤字になったりということで、ほぼとんとんなのではないかと理解しております。

○山内委員 一言だけですけれども、もしそうだとすると、ここでやるというのは80円を82円にするのがいいかどうかということだから、5%が8%になったときに8円が82.何円になりますという計算をするしかないことになりますかね。

○古城座長 松村委員、どうぞ。

○松村委員 まさに今、山内委員がおっしゃったとおりで、ここでやることというのはほとんどないということだと思うのですが、しかし、私は先ほど岡崎さんの発言で若干聞き捨てならないことがあったので、これについて聞き流すわけにいかないので申し上げます。
先ほど5%から8%になって、では次8%が10%になったというときに、利益が上がっていれば上げないということがあるのかという指摘に対するお答えに関して、逆の可能性が高くて、むしろ次回以降は税率以上に料金を上げることをお願いせざるを得ないということもあり得るということを御発言になったわけです。それはあり得るということは事実だと思うのですけれども、その言い方があまりに安易に聞こえたので、念のために申し上げます。もし万が一税率上昇以上の料金値上げをするときには今回のように80円が82円に上がるケースのような機械的なもの全く違うレベルで厳格に査定することが必要になると思います。
申しわけないですが、20年前も含めて私は郵政省あるいは総務省は、一度たりとも厳格な査定などしたことがないと私は思っています。もちろん事実でなければこの場で猛烈に反論していただいても結構です。例えば今、電気の料金査定でやっているのでは、コストを本当にぎりぎりと詰めて、本当に合理的で効率的な経営をしているのかどうかというのを見ているわけです。山内委員はセグメントのことにこだわっておられますが、私はほとんどこだわりがなく、電気料金だって第1段階、第2段階、第3段階の料金設定をする際に、第1段階のコスト、第2段階のコスト、第3段階のコストを厳格に区分して査定することはしていない。しかし全体としてのコストと収支が合っているのかというのを厳格にみている。セグメントのことはともかく、そもそもコストが本当に効率的な経営をしていてもやむをえずかかるものなのかどうかを見ることが、一番重要なことだと思います。
将来利益が少なくなって、利益が少なくなったのは郵便物が少なくなったから当然です。だから以前、62円から82円に上げたときのように上げてしまうというようなことは簡単には認められないと思います。今回お出しいただいた雑駁な資料、現状の収支とその背景の説明だけでなく、少なくとも電力料金査定並みの厳格で透明な、もちろんそれより更に透明で厳しい査定であればさらに歓迎しますが、少なくともあの程度の厳格な査定をきちんとし、その資料を出していただかなければ簡単に納得することできません。当然既に電力の前例があるわけですから、あれぐらいの覚悟を持って、本当に消費税以上の値上げをするというようなもし局面になったとすれば、あそこまでちゃんと査定してほしい。
これは何のために言っているのかというと、郵便量が減っているから値上げする、やむを得ないという雰囲気が安直に出てこないようにというために言っているのであって、8%から10%に上がったときにも、きっと消費税分以上のことを上げるということは出てこないと思いますが、これだけ量が減っているのだから消費税上げ以上の値上げも当然という雰囲気が醸成されると困るので、余計なことですが、発言させていただきました。いずれにせよ今回レベルの雑駁な説明では、量の減少という逆風の中で効率化に努力している点はある程度示しているとは思いますが、とても納得できるレベルの資料ではありません。将来の値上げに関して安易に考えられては困ります。安易に考えてはいないと思いますが、念のため申し上げました。
以上です。

○総務省岡崎郵便課長 私も今、言葉が足らなかったのかなと反省しておりますけれども、この20年前の料金値上げがきちんと検証されたものであったかどうかということは、確かに私もわからないのですが、その後、この郵便物の数が平成13年以来、一直線に下がってきているわけですけれども、その中で収入もどんどん下がってきておりますが、その中でずっと値段を上げずに総務省も当事者である郵政公社、郵便事業会社、日本郵便会社、少しずつ変わっておりますが、いずれも上げなかったということを考えますと、そもそも安易に上げるという発想は全然ないわけです。
私が先ほどここで申し上げたのも、8%から10%に上げるときに上げるということではなくて、8%から10%のときはそれはそれとして仮に料金が動くとすれば、どちらに動くかと言えば今の情勢ではそういう可能性もあるということですけれども、その際には一般のそういった料金は届出と認可申請になっております。かつ、上限料金を変えるときにはこの省令自体も触ることになりまして、そのときはこの省令はここで当然議論されるわけですね。したがって、そのときには当然総務省としても、または郵便会社としても十分な資料を持って世の中に説明することが必要だというのは重々理解しておりますし、そのことを何かここで自動的に認めるということで言ったのではなくて、それはそれとして可能性としてはどうしても今の状況ではどちらが多いかと言えば、なかなか自明なところがあるのではないかということに尽きております。
繰り返しになりますけれども、総務省のほうは法律に基づいてきちんと査定をして、届出料金であっても問題があれば料金改善命令ができることになっておりますので、そこについては仮に値上げあるいは値下げであってもそうなのですが、きちんと審査していくことはしていきたいと考えております。

○松村委員 しつこくて申しわけないのですけれども、今、岡崎さんが言ったことが正しければ、電力料金並みにぎりぎりと査定したとしても、これだけ量が減っている中でこんなにやっているのだからコストは十分に低くなっているという結果が出てきて、値上げの正当性が消費者、国民に示されるだけのことですから、それが真実ならきちんと調べても全く問題ないはずです。しかしそれが正しいと決めつけないで、既に電力の前例があるわけですから、もし万が一、将来消費税分以上の値上げが出てくる際には、電力並みにきちんと査定し、消費者に示してくれと言っているだけのことです。

○古城座長 あといかがでしょうか。

○山内委員 あえて言うと、この間、説明して聞いた限りでは郵便関係の料金はほとんど届出になってしまっているので、査定という概念はないのです。それで80円にこだわっているのですけれども、届出ですね。事後審査で事後変更命令だから査定という概念は余りない。それは携帯もそうだし航空運賃もそうだけれども、事後変更命令がついているけれども、事前に何か査定するということはない。

○松村委員 したがって、私は事前のと言っているのではなくて、今回82円に仮に上がったとして、また、消費税が将来上がればまた上がるというのが出てくるでしょう。そのときに消費税以上に上限価格を上げるというのがもし万が一出てきたときには、きちんとした査定なしに出てきても、今回のような雑駁な資料だけ出てきても、根っこの費用の厳格な査定を伴わない収益と取扱量の変遷のデータだけが出てきても、取扱量が減っているからもっともですねと簡単には言えない、とても納得できないということを言っただけのことです。

○古城座長 あと、いかがでしょうか。矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 素人にはこの公共料金への消費税の転嫁のところが割と単純に捉えられていたので、消費税が上がれば、そのまま公共料金等さまざまな商品の価格が値上がりすると、恐らく多くの消費者というか、国民がそう捉えていると思うのです。
ところが、きょうさまざまな資料説明をいただきながら、それから、特に9ページのところでこれまでの郵便料金の経緯を見れば、消費税は引き上げられたけれども、その前に値上げしていることで一定カバーできながら経営努力で吸収して、そのときには値上げをしなかったという事実もあるわけですから、今回の3%の根拠ですね、2円を上限とするということの根拠が十分ないといけないと考えます。先ほどの税負担増加見込み額の380億円が、25年度見通しの営業利益の220億円を超える規模であることが、単純に言えばその説明にはなると思います。そういったことで公共料金が全て同じように今回の3%アップで上がるということではないことを私たちは捉えていかなければいけないかなというか、それぞれの事情の中で転嫁できるのかどうかというところをまさに消費者委員会でも意見書として出し、消費者庁と物価関係閣僚会議で最終的にきちんと判断してもらうというところを広く伝えていかなければいけないなと思います。本日最初に言いましたが、消費税率のアップに対してその辺が価格にどういうふうに転嫁されるか。そのことの審査なり関わっていくところの意見が、十分審議をしたんだというところを伝えていかなければいけないかなと思っています。

○古城座長 あといかがでしょうか。

○古賀委員 今度、改定後の料金に対応する切手を発行されると思うのですけれども、その予算というのは大体どれぐらいを見込んでいらっしゃいますか。

○岡崎郵便課長 改定後の切手の印刷ですけれども、いずれにしても枚数は刷らなければいけないものなので、変えることによって追加的にかかる費用というのはデザインと在庫を少し刷るぐらいなので、それほどかからないと思います。基本的には枚数はいずれにしても必要になるものですから、そのくらいです。一般的に言うと1枚当たり0.1円とか0.2円とか、そのくらいでしたでしょうか。物によるのですけれども、こういう通常使うものはです。ただ、ものすごく発行枚数が少ない特殊な切手がありますと、結局発行枚数で割りますので、割れば割るほど、枚数が多ければ多いほど、通常のものはすごく安いのですけれども、発行枚数が少ないものは結構高かったです。2円とか3円とかそのぐらいになるものもあります。

○古城座長 それでは、そろそろまとめてもよろしいですか。
どうもありがとうございました。御説明も、皆さんの御議論もありがとうございました。
本日議論いただいた内容を踏まえて、消費税率の引き上げに伴う定形郵便物の上限料金の改定について、当専門委員会としての意見を作成し、消費者委員会に報告したいと考えます。本日の御意見に基づいて事務局と座長で案を整理し、委員の皆様にはメールで修正案をいただきたいと思います。専門調査会としての意見は来週18日、18時から次回の専門調査会で決定いたします。18日は専門調査会終了後、引き続き家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会を開催予定です。
そこで最後にいろいろ議論が出たので、いきなり座長案と言ってもいろいろもめると困りますので、一応確認しておきたいのですけれども、今、言いましたように公共料金制度というのは料金値上げのときに出てきて、実は随分事情が変わって値下げ余地がある料金も大分あるかもしれません。そうしますと、理論上はその部分は消費税を転嫁せずに、利益のところで賄ってくれという形で、要するに値下げをさせるというのもこの機会にやるということは、理屈上は可能なのですけれども、御存じのようにたくさんの値上げが一気に来まして処理するわけですから、審査の方式として要するにいわゆる簡易方式というので、今の個別案件は一応妥当なものとして、さらに消費税の分の転嫁を認めるというやり方と、それともう一つは原価を洗い直して本当に個別に妥当なのかというやり方はあるのですけれども、これは一応基準がありまして、それは無限に時間があるわけではなくて、この機会に全部深掘りするのは無理だから、基本は簡易方式で円滑な転嫁を認めると言うのですが、ただし、それで全くノーチェックでは困るので、前回の郵便料金のように仮に利益が上がっているとか、大変合理化が不十分だとか、そういう目についたものに限って転嫁は認めないという、こういうことができるという姿勢でまとめていきたいと思いますので、それでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○古城座長 では、そういう姿勢で今回の問題も座長案をまとめさせていただきます。
それでは、御多忙な専門委員もいらっしゃると思いますので、今、申しましたような座長案を出しますので、メールでのやりとりでできる限りの内容を反映させた上で来週決めたいと思います。
それでは、本日の議論は以上といたします。

≪4.閉会≫

○古城座長 事務局から連絡事項はございますか。

○大貫参事官 本日は熱心な御議論をどうもありがとうございました。
次回の日程につきましては座長御説明のとおり18日月曜日18時から、次回の公共料金等専門調査会を開催し、消費税率の引き上げに伴う定形郵便物の上限料金の改定に係る委員意見案について議論をいただき、その後、引き続き家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会を開催し、電気料金値上げ認可申請について中部電力からヒアリングを行うこととなっております。

○古城座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところ、長い間どうもありがとうございました。

(以上)