第20回 家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会 議事録
日時
2015年2月20日(金)10:28~12:22
場所
消費者委員会大会議室1
出席者
- 【委員】
- 古城座長、井手座長代理、古賀委員、白山委員、矢野委員
- 【消費者委員会担当委員】
- 岩田委員、橋本委員、山本委員
- 【説明者】
- 関西電力株式会社 森本本部事務局長
- 関西電力株式会社 彌園副本部長
- 関西電力株式会社 谷原チーフマネジャー
- 関西電力株式会社 山下チーフマネジャー
- 【事務局】
- 消費者委員会 黒木事務局長、大貫参事官
- 消費者庁 河津審議官、岡田消費者調査課長、石井企画官
議事次第
- 開会
- 電気料金値上げ認可申請に関する意見交換会について
- 関西電力へのヒアリング(委員からの質問事項への回答)
- 消費者庁作成「チェックポイント(案)」の検討
- 閉会
配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)
- 議事次第(PDF形式:7KB)
- 【資料1】 関西電力株式会社による電気料金値上げ認可申請に関する意見交換会意見概要(消費者庁資料)(PDF形式:12KB)
- 【資料2-1】 関西電力の電気料金値上げ認可申請に関する質問事項(PDF形式:424KB)
- 【資料2-2】 関西電力の電気料金値上げ認可申請に関する追加質問事項(PDF形式:106KB)
- 【資料3-1】 ご質問への回答について(関西電力資料)
- 【資料3-2】 追加のご質問への回答について(関西電力資料)(PDF形式:456KB)
- 【資料4】 関西電力の家庭用電気料金値上げ認可申請に関するチェックポイント(案)(消費者庁資料)(PDF形式:131KB)
≪1.開会≫
○大貫参事官 本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。
ただいまから「消費者委員会公共料金等専門調査会家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会」の第20回会合を開催いたします。
本日は、所用により蟹瀬委員、陶山委員が御欠席ということで御連絡いただいております。岩田委員につきましては、電車がおくれているという御連絡がございました。
それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
お配りしております資料は、配付資料一覧のものと、関西電力から追加資料がございます。
不足の資料がございましたらば、事務局のほうにお願いいたします。
本日欠席されております陶山委員より、本日の調査会の審議等に関する意見を参考資料として配付しております。委員におかれましては、御確認いただきますようにお願いいたします。
なお、この議事については録画をいたしまして、翌日から議事録ができるまでの間、消費者委員会のホームページで動画を配信いたします。
それでは、古城座長、議事進行をよろしくお願いいたします。
≪2.電気料金値上げ認可申請に関する意見交換会について≫
○古城座長 それでは、議事に入らせていただきます。
消費者庁は、電気料金値上げ認可申請に関する意見交換会を2月10日に大阪で開催いたしました。その内容について御報告をお願いいたします。
○消費者庁岡田消費者調査課長 それでは、報告させていただきます。資料1をごらんくださいませ。
私ども消費者庁では、2月10日、意見交換会を大阪で実施いたしました。1月16日から2月3日まで、意見表明者の方を募集いたしましたところ、16名の申し出がございまして、当日はその16名からの御意見を伺ったところでございます。白山委員、陶山委員、矢野委員も出席していただきました。ありがとうございました。
資料1は、意見の概要を整理してまとめたものでございます。意見の概要、4ポツにございますけれども、全般的なもの、経営効率化に関するもの、次のページに行っていただきまして、燃料費、原発のコストなどにかかわるもの、その他に分けて整理いたしております。
1枚目に戻っていただきまして全般的な意見でございますけれども、関西電力による値上げの経緯あるいは責任問題についての説明内容には、説得力がないのではないかという御意見がありました。
また、これは電源構成変分認可制度を使っているということではあるのですけれども、全ての原価を見直さなくて、他社との違いも説明していない。消費者の方々にとっては、この電変制度を使っての値上げ申請というのは安易ではないかという意見もありました。
経営効率化につきましては、1ページの下のほうでございますけれども、人件費につきまして、役員の報酬の削減をすべきではないか。
次のページに行っていただきまして、資産売却でありますが、グループ全体で資産を見直していくべきといった意見もありました。
2ページ目の真ん中あたりですけれども、燃料費、購入電力料につきましては、省令に基づいているといいましても、燃料費計算の前提として、最近の円安や原油価格が下がっているという状況を踏まえますと、納得がいかないといった意見がありました。
また、原油の備蓄の状況とか購入時期などについても、消費者に説明すべきではないかといった意見がございました。
2ページ目の下のほうでは、原発についての御意見もありました。原発の再稼働につきまして、将来にわたるリスクとかコストを消費者に説明すべきではないか。
また、原発は稼働していなくてもコストがかかるのですけれども、その情報が関西電力さんが提供される資料には不足しているのではないか。
3ページ目に移っていただきまして、今度稼働すれば、また費用がかかる。後々の電気料金として負担することになるのではないかといった意見もございました。
3ページ目、真ん中あたりですけれども、関西電力さんの姿勢あるいは情報公開につきましての意見もございました。経営効率化の内容、設備投資の中長期的な合理化目標など、国民の理解を得るためにわかりやすく伝えてほしいといった意見もございました。
今回の電気料金値上げとは直接かかわらないわけでございますけれども、電力システム改革を見据えた意見もございました。3ページ目の下のほうにございます。
先ほど申し上げましたが、今回は電源構成変分認可制度、電変制度についての意見もありました。冒頭、紹介させていただきました意見のほか、電変で使用される前提の数値が現状と余りにもかけ離れており、説明不足ではないかといった意見がございました。
4ページ目に移っていただきますと、エネルギー政策にかかわるものとしましては、再生可能エネルギーへの転換を図るべきではないか。
また、中長期的にどのように電力を確保するか、見通しを示すべきではないかといった意見も出されました。
そのほか、電気料金の値上げによって家計の負担が重くなる。
また、中小企業も多いわけですけれども、中小企業においては電気料金値上げ分の価格転嫁は難しい。
所得が低い世帯への配慮が必要ではないか。
また、ピークカットを後押しするような料金メニューの提供を望みますとか、経営陣の処遇はカットするべきですけれども、一般の従業員の処遇は守るべきではないかといった幅広い点についての意見が出されております。
簡単ですけれども、以上でございます。
○古城座長 どうもありがとうございました。この意見交換会の内容等についての御意見については、これ以降の質疑の中でお願いいたします。
≪3.関西電力へのヒアリング(委員からの質問事項への回答)≫
○古城座長 続きまして、電気料金値上げ認可申請の内容に係る質問事項についてです。
前回の調査会の終了後、委員の皆様から寄せていただいた質問を取りまとめ、今回の調査会で関西電力から回答いただくこととしてまいりました。これを受け、取りまとめた質問事項が資料2-1、消費者庁の意見交換会等を取りまとめた追加資料事項が資料2-2です。両方の質問事項につきましては、事前に関西電力に示し、回答を準備いただきました。
本日は、質問事項への回答について御説明いただき、その後質疑応答をしたいと思います。関西電力におかれましては、お忙しいところ御出席いただき、まことにありがとうございます。
それでは、説明のほうに入りたいと思います。30分程度でよろしくお願いします。
○関西電力・森本本部事務局長 それでは、早速ですが、お手元の資料の3-1から御説明させていただきたいと思います。
はじめに、1ページでございますけれども、これまで消費者委員会における本調査会、それから電気料金審査専門小委員会においてさまざまな御指摘を受けてまいりました。こうした御指摘につきましては真摯に受けとめ、現在、27年度の効率化について、これまでの実績にとらわれず、さらなるコスト削減に挑戦し、もう一段の経営効率化の深掘りの検討を進めております。本日御回答させていただく内容につきましては、今、申し上げました状況のもとでの説明となることについては、御理解賜りますようお願い申し上げます。
具体的な御質問に対する回答は、まず2ページをごらんいただきたいと思います。
当社はこれまで、現行の電気料金に反映しております効率化計画は費目別に達成し、査定額は経営全般にわたる効率化により全体で達成するよう取り組んでまいりました。
その結果、25年、26年度とも、一部の費目につきましては、査定後の水準には至らなかったものの、他の費目も含めた経営全般にわたる効率化により、25年度、26年度、ごらんのとおり、効率化計画を上回るとともに、査定額についても達成することができました。
なお、27年度につきましては、これまでの実績にとらわれず、さらなるコスト削減に挑戦し、もう一段の経営効率化の深掘りに取り組む検討を進めております。査定額についても、費目別に達成する努力を行ってまいります。
続いて、3ページをごらんいただきたいと思います。
今回の値上げによりまして、競合他社様との価格競争力は低下いたしますが、一層の経営効率化を徹底していくとともに、サービスの向上に努めるなど、引き続き、最大限の努力を行ってまいります。
なお、今回は電源構成変分認可制度に基づき値上げ申請を行っておりますが、原子力プラントが今回申請した電気料金の前提よりも早期に再稼働した場合は、電気料金の引き下げを行いたいと考えております。
4ページをごらんください。
役員報酬につきましては、平成25年4月から、社内役員で平均60%、平成27年1月からはさらに5%程度減額幅を深掘りし、平均65%減額いたしております。査定後の1人当たりの平均1,800万円とのこれまでの差額分については、平成27年度の効率化に織り込み、経営全般で達成したいと考えております。
なお、兼務する関係会社からの報酬につきましては、各社ごとの契約内容にかかわる事項でございますので、回答は御容赦いただきたいと考えております。
続いて、5ページ、退職給付金に関しての御質問でございます。
ごらんいただきますように、当社は満60歳で定年退職する者の退職金は約2,900万円でございます。
前回の料金改定時に示された査定方針に沿って、退職金にかかる人件費を約12億円削減したいと考えており、退職金の引き下げにつきましては、現在、労働組合と協議を進めております。
次に、6ページ、健康保険料でございます。
健康保険料の平成25年、26年度の事業主負担割合は63.3%です。
現在、事業主の負担割合のみならず、納付金負担による財政悪化の課題も踏まえた検討を行っているところでございます。
これにつきましては、可能な限り早期に改定していきたいと考えております。
7ページをごらんください。人員計画についてでございます。
平成26年度の採用数は、前年度に比べて170人減の388人でございます。27年度は、さらにこれを250人まで抑制しております。
この結果、前回改定のとき、在籍人員は平成24年度末から27年度末にかけて約500人削減する計画でございましたが、約750人の削減となる見通しでございます。
次に、8ページをごらんいただきたいと思います。
顧問は、経営全般や専門的立場から意見・助言をもらう等、必要に応じて委嘱をしております。
顧問報酬につきましては、年間で1億4,000万円から4,000万円程度に減少しており、今後も削減に努めてまいります。原価との差額につきましては、経営全般の効率化の中で達成したいと考えております。
顧問の関連費用につきましては、役員や他の経営幹部と同じく、業務遂行上必要に応じて支出してございます。なお、今後につきましては、委嘱に当たって、その必要性を十分吟味し、継続的に削減する努力をしてまいりたいと考えております。
9ページをごらんいただきたいと思います。これは、修繕費の関係の御質問でございます。
持続可能な効率化の取り組みに加えまして、修繕工事などについては、安定供給に支障のない範囲で緊急避難的な繰り延べを実施しておりまして、平成25年度はそれが822億円、26年度は1,021億円となっております。
この間実施しました緊急避難的な繰り延べにより、一定程度の収支改善効果があったものと考えておりますが、今後は収支の状況に応じて、繰り延べた費用を支出してまいりたいと考えております。
御指摘の工事実施時期・内容の見直しにつきましては、持続可能な効率化の取り組みとして整理しております。
10ページをごらんいただきたいと思います。
スマートメーターの単価低減につきましては、26年度下期から27年度上期分の調達におきまして一般競争入札に切りかえました結果、メーカー単価を引き下げることができ、今後も同様の取り組みを継続することで、単価低減を実現してまいります。
11ページをごらんいただきたいと思います。これは、特別監査の査定への対応でございます。
特別監査によりまして、地中送電線の空管路などの先行投資設備や予備品等にかかる費用について、料金原価への算入を認められませんでしたが、こうした設備は、現に電気事業固定資産に計上されており、設備投資関連費用、修繕費、諸経費等において、特別監査分については未達となっております。
続いて、12ページをごらんいただきたいと思います。資産売却に関する御質問です。
不動産につきましては、事業所の統廃合や社宅・寮の廃止により生み出された土地など、電気事業並びに当社グループの成長に資することが見込まれない資産は、積極的に売却してまいります。
なお、昨年12月の申請時に、26年11月末累計売却実績をお示ししておりましたが、12月以降、さらに10億円程度の追加売却を実施しており、今後も着実に実績を積み上げてまいります。
有価証券につきましては、金融機関、株式、取引関係の維持発展等を目的として保有する株式も含めて、引き続き保有意義が乏しいと判断した株式については、市場動向も勘案の上、売却を進めてまいります。
13ページをごらんください。
寄附金の支出につきましては、公益事業者としての立場を踏まえ、公益への寄与、地域社会への貢献等の観点から、当該寄附の趣旨を慎重に考慮した上で対処しております。平成25年度、26年度につきましては、総額で4億円となる見通しでございます。
諸会費・団体費の支出につきましては、これも各種団体へは当社事業への有益性等を十分検討した上で入会・支出してございます。平成25年度につきましては、19億円となりました。平成26年度につきましては、支出の削減に努めてございますが、原子力安全推進協会等において会費の増加があったことなどから、総額で20億円となる見通しでございます。
続いて、14ページでございます。
普及開発関係費につきましては、原子力プラントの再稼働が実現していない現状において、安全性向上対策などの再稼働に向けた取り組みに関する情報とともに、一般電気事業者として、お客様に大変大きな影響、御協力をいただいております節電・省エネといった電力需給の安定化に資する情報発信や、お客様対応が必要不可欠であると考えております。
記載のとおり、販売促進に関連する電化ショールームを中心にPR施設の閉館等を行い、運営費を大幅に削減するなど効率化に取り組んでございます。
続いて、15ページをごらんいただきたいと思います。
研究費の関係でございますが、これは研究成果活用による費用対効果といった観点から実施の優先度を考慮し、研究件名を厳選しております。記載しておりますが、電化促進など需要開拓の研究は取りやめてございます。
また、電力中央研究所や外部研究機関を活用することにより、研究実施の効率性を高めることで、研究費総額の効率化に取り組んでおります。
なお、電中研は、研究課題の厳選、研究実施方法の効率化に加え、役員報酬の30%削減、役員数の削減、年俸及び給与の約10%減額などによる人件費の削減、外部委託の仕様見直しと競争入札の徹底などによる運営経費の削減の効率化に努めていただいております。
次に、大きくは燃料費、購入電力料の関係で、16ページをごらんいただきたいと思います。
今回の制度における変動額の考え方でございます。図表を載せておりますが、今回の電変制度は、原価算定期間の残存期間、今回、当社の申請の場合は平成27年度でございますが、この27年度で原価と収入が一致するように料金レートに反映することとなっております。
資料の中ほどにイメージ図が出ておりますが、現行の料金収入は、前回認可原価の3カ年平均の70としてございまして、3年目の27年度の原価が80で値上げをお願いする場合、27年度で費用と収入を一致させるために、80から現行の収入分70を引いた10が新たにお願いする部分になります。
17ページに移らせていただきます。日本原電の関係です。
日本原電の敦賀原子力発電所については、受電会社が全量受電することを前提とした共同開発に近い発電所であり、発電所を安全に維持管理する費用等については、自社電源と同様、事業上必要な費用であると考えております。
詳細については、個別契約に関わることでございますので、回答を差し控えさせていただきますが、日本原電に対しては当社並みの効率化を求めるべきと考えておりまして、費用のさらなるコスト削減を要請し、その要請内容を踏まえた契約としております。
なお、日本原電の25年度の有価証券報告書では、前年比で役員給与は27%の減、給料手当は14%の減となってございます。
18ページをごらんいただきたいと思います。
これは燃調の料金への反映ですけれども、今回の申請におきましては、燃料費調整制度の基準となる原油価格や為替レートについて、現行料金の値を適用する旨、省令で定められておりますので、当社の申請においてもこれを適用してございます。
ごらんのイメージ図のように、一定のタイムラグはありますけれども、毎月の燃料費調整を通じて自動的にお客様にお返しすることになります。
次に、19ページで、その燃料費変動の反映に関するものですが、20ページの図をごらんいただきながらのほうがよろしいかと思います。
今回の料金値上げは、電源構成変分制度に基づくものでございますが、原子力の再稼働遅延に伴う増分燃料費等の値上げをお願いしてございます。20ページでいきますと、燃料費増分原価の算定の左の図のマル1の3,240億円でございます。これは、右の図でいきますとCとDを足したもの、月当たりで見ると744円というものに相当いたします。
原油価格の下落は一定のタイムラグがありますが、毎月の燃料費調整を通じて自動的にお客様にお返しすることになりますので、これは今回、前提を置いた下表のような状況のもとでは、A+Cに相当いたしまして、具体的な金額は、Aの部分が459円、Cの部分が102円となりますので、合わせて1カ月当たり561円の軽減となります。
したがいまして、最初に申し上げました1カ月当たり744円の値上げをお願いしておりますが、下図のような前提のもとで反映した場合には、お客様の自主的な御負担は744円から561円を差し引いた、1カ月当たりで申し上げますと183円程度に抑制されることになります。
次に、21ページと22ページ、これも22ページの図をごらんいただいたほうがよろしいかと思いますが、燃調の前提となる通関価格は、今の前提から変更しないと御説明申し上げましたが、仮にこれが変更になった場合、どのような問題があるのかを示してございます。
22ページの上の部分は、増分の前提となる通関価格について、至近の通関価格70を反映した場合のイメージ図を示しております。このように原価を算定した後、通関価格が50に低下した場合、費用は当然50となりますが、基準70からの低下分、すなわち燃料費の減少分はマル1の20となります。
一方、収入につきましては、制度上、現行料金の前提諸元を適用する旨、省令上、決められておりますので、燃料調整の基準である100から50までの減少分、50を反映されることとなります。つまり、増分部分の収入は70から20となり、低下分、すなわち燃調によるお返し部分はマル2の50となります。したがいまして、マル1の費用の減少とマル2のお返しする部分が一致しない状況になり、これですと適正な電気料金を維持できないということになります。
それから、23ページ、LNGの関係ですが、原子力の再稼働遅延の供給力減少分を、災害規定の適用を初め、定期点検を繰り延べしてございますが、この適用が2年を超えますユニット、それから部品の寿命が到達するといったことから、設備保安上、どうしても補修が必要なユニットがございます。
こうしたことがあるにしても、工程短縮には最大限努力しておりまして、補修日数はLNGの従来型では増加いたしますが、効率の高いLNGコンバインドでは、それを削減しており、LNG火力全体では補修日数を削減してございます。
石油系の火力の発電電力量が大幅に増加しておりますので、火力全体に占めるLNG火力の割合は相対的に低下しておりますが、さまざまな取り組みによって、LNG火力の発電電力量自身は増加させ、燃料費の削減に努めてございます。
24ページは原子力の関係でございます。
原子力の不稼働により、核燃料費や使用済燃料再処理等の発電費、特定放射性廃棄物処分費、定期検査に伴う修繕費、廃棄物処理費等の支出は、ごらんのとおり減少いたします。
一方で、原子力の代替のための火力燃料費等が大幅に増加してございます。火力発電所の修繕費につきましては、先ほど申し上げました災害規定を適用し、あるいは定期検査の繰り延べを行ったことにより、前回の認可値を下回る実績となってございます。
次に、25ページに移らせていただきます。再稼働後の料金値下げについてでございますが、非常に長文にわたりますけれども、北海道電力さんの査定方針を入れさせていただいております。
これは、電気料金の前提よりも早期に再稼働が実現して燃料費等が削減できる場合は、燃料費削減分を値下げしたいと考えておりますが、具体的な方法につきましては、長文になりますけれども、ここに示された条件等を踏まえて、現在、検討しているところでございます。
かいつまんで一例を申し上げますと、北海道さんの場合には、原価算定期間内に料金の前提よりも早く再稼働した場合は、営業運転復帰後、これはおおむね2カ月程度と示されておりますが、速やかに値下げを実施する。これをいろいろなケースごとに書かれておりますので、これらを参考にしていくことになろうかと思います。
次に、27ページに移らせていただきます。
具体的な値下げ幅は、状況、算定期間を踏まえて対応してまいりますが、原子力発電所が再稼働しなかったときの再々値上げにつきましては、前提より、これはすなわち再稼働がおくれた場合になるわけですが、27年度中につきましては申請している料金を何とか維持したいと考えております。しかし、長期にわたって、この状況が続くといった場合には、総合的な判断が必要になると考えております。
28ページは、冒頭にもおっしゃっていただいたように、あらゆる場で今回の値上げに至った経緯につきましては、丁寧に御説明させていただくよう、努力してございます。
また、29ページでございますけれども、短期的に需要が減少した場合、発電所等の設備形成に係る固定費の削減は困難でございます。一方で、電気料金収入は減少いたしますので、費用の減少より収入の減少のほうが大きくなり、必要な上げ幅は大きくなるといったことを示してございます。
ただ、長期的には、省エネ、それからピーク電力の抑制といった負荷平準化の取り組みは、設備投資の抑制、電気料金の低減につながると考えられますので、引き続き取り組んでまいります。
○関西電力・彌園副本部長 続きまして、30ページは具体的なお客様への御説明の実績でございます。
当社値上げ申請以降、各種団体様に対しまして、御訪問により、あるいは意見交換会等の場を通じて御説明を実施するとともに、御意見を伺ってまいりました。また、下にも記載がございますが、値上げのお問い合わせの専用ダイヤルを開設いたしまして、お問い合わせいただきましたお客様への御説明を行っております。
今後とも引き続き丁寧な御説明に努めてまいりたいと考えてございます。
31ページ以降が、選択約款メニューの設定状況でございます。
ごらんのように、従来より選択約款を拡充し、選択肢の拡大に努めてまいりました。負荷移行の促進等を目的としたさまざまな料金メニューをお選びいただき、電気の使い方を工夫いただくことで、お客様の負担軽減にもつなげていくことができると考えてございます。
32ページ以降は、主な選択約款の具体的な概要でございまして、32ページが時間帯別電灯、33ページがはぴeタイム、34ページが季時別電灯PSでございます。34ページの季時別電灯PSは、今回新たに設定したメニューではございませんけれども、夏のピーク時の負荷平準化を図るとともに、お客様の電気料金の削減につながるメニューといたしまして、平成24年7月に設定したものでございます。
○関西電力・森本本部事務局長 それでは、35ページをごらんいただきたいと思います。引当金および準備金の一覧は、ここに記載のとおりでございます。いずれも記載の目的で積み立てているものでございますので、取り崩しを行うことは考えておりません。
続いて、36ページをごらんいただきたいと思います。
平成26年7月に公表した経営概況での効率化額は、25年度、2,533億円であり、今回公表した1,833億円とは異なっておりますが、今回は持続可能な効率化額に限定しているということ。
それで、9ページの繰延額822億円も当然除いているわけですけれども、前回、料金認可原価のときの平仄をとりまして、私どもの効率化計画にはなかった項目、比較していなかった項目として、LNGとか石炭の単価査定といった査定項目がございまして、これらは効率化の実績は現実にはありますもので、その122億円を追加して、従いまして700億円と822億円の差、122億円は、そういった従来の我々の項目になかった効率化項目に対する実績を入れさせていただいた。その差が、同じ資料の中で誤解を生みかねない部分となっておりました。説明不足で大変申しわけございませんでした。
追加につきましても、かいつまんで続けさせていただいてよろしいでしょうか。
○古城座長 はい。
○関西電力・森本本部事務局長 資料の3-2でございます。
これは、当社の料金収入単価を東京電力さんと比較したものでございます。当社の値上げ前の収入単価と東京電力さんの比較がこの図でございますので、東京電力さんのほうが1割程度高い水準となってございます。
続いて、2ページですが、ごらんいただきますように、電気料金の前提となる供給電力量の原子力比率は、私どもに比べて東京電力さんのほうが低い状況でございます。したがいまして、右のほうにありますように、原子力プラントの不稼働に伴う燃料費等の増加影響が小さくとどまっていらっしゃるものと思われます。
3ページでございます。
競争発注比率、こちらは26年度上期、28%でございます。平成23年度の15%からは大きく増加しておりますが、競争がなかなか難しいと考えておりました件名につきましても、分離発注や部分発注などのさまざまな工夫を行い、平成27年度、30%の達成はもちろんですが、さらなる向上・努力に努めてまいりたいと考えます。
次に、4ページでございますが、こちらは発受電電力量の構成変化に伴う燃料消費数量の変動を反映して算定しております。
火力燃料費は、前回に比べて1,579億円の増加です。
他方、核燃料につきましては、159億円の減少。
燃料費全体では1,420億円の増加でございます。
なお、これら個別銘柄の単価につきましては、契約に関する情報でございまして、今後の契約交渉に悪影響を及ぼすおそれがあるため、回答は差し控えさせていただきたいと思います。
続いて、5ページですが、購入電力料の内訳です。
卸電力取引所や自家発等からの購入は増加してございます。
新エネルギーにつきましては、至近の状況を踏まえた電力量を織り込んでおります。新エネルギーを買い取ることにより、予定していた火力燃料費などの支出を免れますので、回避可能単価という単価を用いております。この回避可能単価は、全ての電源の平均可変費などから計算いたしますので、供給力確保のために他電力や自家発などから購入する他社の短期調達よりも、安価な水準になっております。
なお、この算定に当たりましては、マッチングシミュレーションといった、これまでの査定方針を踏まえて行ってございます。マッチングシミュレーションというのは、今まで出てこない言葉ですが、お配りした資料の枠内下に書いてございますように、発電所ごとの限界費用を算定して、過去の取引所で約定した実績を30分ごとに突き合わせて、売り買いの約定額を想定して織り込んでいるものでございます。
6ページですが、新電力などに電力を販売する常時バックアップにつきましては、量の拡大を織り込むべく、至近実績に基づいて算定してございます。また、販売単価については、今回の値上げを反映してございます。
算定に当たりましては、購入電力量と同じく、これまでの査定方針を踏まえて算定を行ってございます。
7ページは、新エネルギーに関してですが、接続可能量につきましては、当社の場合、現時点で設備認定量は昼間の最低需要を超過するおそれがございませんので、接続申し込みにつきましては受け付けを行ってございます。こうした状況につきましては、適宜情報提供を行い、導入促進が図れるよう、今後も取り組んでまいります。
8ページは、私どもは、再生可能エネルギーの電気の受け入れ拡大にも取り組みますとともに、ここに書かれている幾つかにございますように、グループを挙げて、太陽光・風力等再生可能エネルギーの開発に取り組んでおります。今後とも、この姿勢は変わりません。
○関西電力・彌園副本部長 9ページは、電気料金のお支払いについてでございます。
表にございますように、電気料金は検針日に確定いたしまして、その翌日から30日目をお支払い期限日といたしております。お支払い期限日を経過してお支払いいただけない場合には、延滞利息が発生いたします。ただし、規制分野のお客様につきましては、お支払い期限日から10日以内にお支払いいただいた場合には、延滞利息を申し受けておりません。
なお、この延滞利息制度でございますけれども、これは前回の料金改定におきまして、お客様の御要望を踏まえて導入いたしたものでございます。
お支払いの方法につきましては、口座振替につきましては、お客様の御希望により振替日の指定を可能といたしております。そのほかクレジットカードあるいは振込用紙によるお支払いも可能といたしてございます。
今、申しました内容につきましては、当社のホームページや検針票などを用いて、お客様に情報提供を行ってございます。
○関西電力・森本本部事務局長 10ページに移らせていただきます。
原子力の関係ですが、私ども、東京電力福島第1原子力発電所の事故を踏まえ、さまざまな安全対策の強化を実施しておりますとともに、規制の枠組みにとどまることなく、安全性向上対策を自主的かつ継続的に進めていくことが不可欠であると考えております。今後も、世界最高水準の安全性を目指して努力してまいります。
原子力の発電コストは、至近で見直しの検討が始められたところでありますけれども、現在あります国の報告書によりますと、仮に事故費用の増加を考慮したとしても、他の電源に比べて遜色がないとされております。
また、原子力の活用は、長年にわたる低廉な料金を実現し、CO2排出量の低減など、地球規模の環境問題にも大きく貢献してまいりました。
したがいまして、火力や再生可能エネルギーとともに、原子力は今後も重要な電源として活用していく必要があると考えており、国のエネルギー基本計画にも示されておりますが、重要なベースロード電源として位置づけられており、安全確保を大前提に、引き続き国の原子力政策にも貢献してまいりたいと思います。
なお、こうした状況につきましては、立地地域の皆様方はもちろんですが、広く社会の皆様にも安全性について丁寧に御説明させていただきたいと考えております。
最後でございますが、グループ会社の財務状況に関して追加資料を加えさせていただいて、追加した中でまことに申しわけないですが、誤字がございました。タイトルは正しいのですが、枠内に「平成25年度末の利益準備金」と書いていますけれども、これはタイトルと同じ「剰余金」で、誤っておりまして、まことに申しわけございませんでした。
グループの利益剰余金は、別紙でお示ししたような状況でございます。昨年度から子会社の配当性向を上積みして配当を受け取るなどの取り組みは実施しておりまして、今後も可能な範囲で、子会社のこうした利益剰余金の取り崩し等による配当の増加についても検討していきたいと考えております。
最後になりますが、12ページです。
万が一、これができなかった場合の繰延税金資産の取崩しの影響ですが、これは質問いただいた最後の部分に記載いただいているとおりの状況になるということで、お考えのとおりでございます。
御説明は以上でございます。
○古城座長 ありがとうございました。
ただいまの御説明について、御意見、御質問をお願いしたいと思います。いつもどおり、発言を希望なさる方は目の前の名札を立ててください。矢野委員、どうぞ。
○矢野委員 それでは、少し数が多いのですが、順に質問させていただきます。
最初に、資料3-1の9ページですが、持続可能な効率化の金額が、この間効率化の金額として挙げられていて、今回、繰り延べが示されたことで、新たにこういう金額があったのかと、素人的に見たのです。持続可能と繰り延べを合計すると、単純にこれだけ余裕があると捉えてしまうのですけれども、そのことについて、どう考えていらっしゃるのか。繰り延べができるということについて、それが緊急避難的で非常に必要だということではありますけれども、合計金額からすればかなりの金額になりますので、今回の値上げと関連して、余裕的な捉え方をどう捉えていらっしゃるのか、ちょっと御説明願いたいと思います。
それから、11の修繕費の特別監査による査定への対応は、結果として100%未達ということですけれども、このことは今後どうされるのか。固定資産に計上されていると書かれていますけれども、この辺がちょっとよくわからないので、御説明願いたいと思います。
それから、13ページの諸経費のところです。査定においても、寄附金は基本的には原価に算入しないという考え方だと思いますけれども、結果としては、寄附金が4億円、それから諸会費等が総額で20億円となっていますけれども、このことを限りなく、さらにゼロに近づけるというお考えはおありなのかどうか。査定で示された方針との関連から、どう考えていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
それから、資料3-2の追加の質問に関してですが、5ページの購入電力料の算定概要についてです。どこから購入するかによって、単価がみんな違いますから購入電力料の総額は変わると思います。結果として、他社購入電力は卸電力取引所等が一番多いわけですけれども、この辺は全体としての購入電力料をさらに引き下げるという意味では、それぞれ一定の、ここからこのぐらい買わなきゃいけないという義務があるのか、それとも、あくまでも単価を参考にしながら、限りなく購入電力料を引き下げると努力されるのか、そのあたりの状況をお聞きしたいと思います。
以上です。
○関西電力・森本本部事務局長 まず、3-1の9ページ、繰り延べにつきましては、それを繰り延べることによって、安全性とか供給信頼度にどの程度問題が生ずるリスクがあるのかどうか、こういったものを各分野、相当きめ細かく評価して、許容できるものを繰り延べさせていただいております。しかし、いずれ供給信頼度に問題が生じる事態に直面するリスクは高まりますので、短期的には翌期に回す、翌年度に回すことができたとしても、いずれ実施しなければいけないものでございます。
それから、もう一つ大きいのは、原子力の不稼働に伴いまして火力発電所をフル稼働させてございます。本来、法令で定められた定期点検を特例で延期させていただいて、フル稼働させていただいております。したがって、やるべきことを免除していただきながら、ある意味ではこれもいずれやらなければいけないことなのですが、必ず出てくる修繕等々、費用がございますので、これは余裕では全くございません。
次に、特別監査のこれは、例えば新しく住宅開発されたところ、確実に将来需要が出てくるときに、地中線工事などをやって道路を掘削して準備いたしますが、その何年か先にわたって開発されるものの準備として入れている設備でございます。現実には使っていないのですが、では、これをまた道路を掘り返して除却していくのか。それから、ぎりぎりのところでとどめて、また新たに供給工事をやるのかと考えた場合には、あらかじめ可能な範囲でやるべきことをやっていくというのは、合理性は私ども、十分あると思っています。しかしながら、料金の査定の中では、短期的には使っていないものを除くということで、正直言いまして、これはどうしようもない対象ではないかと思います。
それから、寄附金、団体費等につきましては、御説明したとおり、各地域のいろいろな御事情とか御期待、それが本当に公益的にプラスになるのか、できる限り精査して、これからもやってまいりますが、可能な限り必要最小限にとどまるよう、これからも取り組んでまいります。諸会費・団体費等につきましても同様で、できる限り必要最小限になるように進めてまいりたいと思います。
最後に、購入電力料の関係ですけれども、これは現実に原子力が動かない状況のもとで、供給力を確保するために調達しておりますので、その調達をする限りにおいては、個別の事業者さん、それから電力取引所の単価の状況といったものを見ながら、足りない部分は調達せざるを得ない部分なのですけれども、それをできるだけコストの安いものに、可能な限りの選択肢の中でやっているという状況でございます。
○古城座長 最後のところ、追加資料の5ですけれども、新エネの購入単価のほうが卸取引所の購入単価より安く出ているので、普通言われているのと違った状態なのですが、これをちょっと説明していただけますか。
○関西電力・森本本部事務局長 新エネは、FITの制度で結構高い単価の御負担を皆様方にもしていただいているのですが、私たちが新エネから購入するとき、そのサーチャージの部分というのは、我々にとっては当然ニュートラルになるのです。一旦いただいて、そのまま料金と一緒に回収したものを渡す格好になるのですが、ここは他社の購入というものと違って、ちょっと難しい言葉で書いていますけれども、回避可能単価というものを適用することになってございます。
つまり、私たちがそれを得ることによって、発電しなくて済んだ火力発電所とか、いろいろな発電所での発電が免れたというものですので、供給力を確保するために購入する調達とは違って、ある意味で決められたルールに基づいた、私たちの発電にかかわる費用が免れたものの評価と御理解いただければいいかと思うのです。
○古城座長 ちょっとよくわからないのですけれども、例えば太陽光を40円で購入しますね。だけれども、そのおかげで御社が発電に8円かかっていたのが、8円使わずに済んだというとき、この数字はどっちが購入単価になるのですか。
○関西電力・谷原チーフマネジャー 申し上げましたのは、例えば太陽光とかで40円とか、そういうものをよくごらんになられているかと思うのですけれども、これは先ほど申しましたとおり、一旦いただく形にはなります。
○古城座長 一旦いただく形とは、何をいただくのですか。電気をもらう。
○関西電力・森本本部事務局長 電気料金としていただく形になります。
○関西電力・谷原チーフマネジャー ただ、これはそのままお国の制度であります自然エネルギーの助成として、我が社は通り過ぎるだけの形になってまいりますので、収入でとどまるものではございません。ですので、料金原価の算定としては、今、座長から御質問ありましたところにつきましては、これを購入することによって免れることができた燃料費なりの部分、これを計上するという考え方でございます。そこで適用しております回避することができた、免れることができた燃料費の部分というのは、火力なりの平均的なところでやっているものでございますので、そこの部分は非常に安くなっているという形でございます。
○古城座長 おっしゃりたいことが理解できないのです。40円払っているのは関西電力じゃないということですか。要するに、購入するのにかかったお金として購入原価というのは上がってくるわけですけれども、関電が負担している費用じゃないのですか。
○関西電力・山下チーフマネジャー 40円で購入させていただいています。例えば御家庭の屋根とかについている太陽光から、我々は仮に40円で購入させていただいたと。ただ、料金原価として40円で買いましたと乗せるわけではなくて、仮に8円だとすると、40円から8円を差し引いた32円は太陽光のサーチャージという形で、皆様からいただきますので、その32円は差し引いて8円だけを料金原価として乗せているということになっています。
○古城座長 そういうことですか。
卸電力取引所は、実際購入価格を上げているのですね。原価じゃなくて。
○関西電力・山下チーフマネジャー じゃないです。
○古城座長 わかりました。
済みません、私ばかり聞いて悪いのですが、先ほど9の繰り延べというのがありました。修繕で、繰り延べとそうじゃないものというのは、どういう基準で分けられて、明確になっているのですか。これは本来やるべきだけれども、繰り延べだという繰り延べリストみたいなものがあるのですか。
○関西電力・谷原チーフマネジャー いわゆる会計データなど、そういう形で明確に分けられているものではさすがにございませんが、弊社の中におきまして、それにつきましては管理を行って計算をしているということでございます。
○古城座長 すごい頑張っているときは繰延額が100で出たり、次の機会のときは繰り延べを50にしたり、御都合に応じていろいろ変えることは起きませんね。大丈夫ですか。どういうふうにして出すわけですか。
○関西電力・谷原チーフマネジャー どういったものが繰り延べに当たるかというのは、これは社内でのルールになりますけれども、基づきまして整理いたしておりますので、恣意的にやっているということではもちろんございません。
○古城座長 繰り延べますと修繕費を節約できますね。
○関西電力・谷原チーフマネジャー 一時的な節約にはなります。
○古城座長 節約は、当面は何に使っていらっしゃるのですか。原発が動いていないために支出が多い。そこの穴埋めにとりあえずは使っている。要するに、繰り延べしたお金を節約して。
○関西電力・森本本部事務局長 一番大きいところでは、燃料費の負担が巨額になっておりますので、収支の中で言えばそういうことになろうかと思います。
○古城座長 今後、回収しなきゃいけないのですけれども、それはどこで回収しますか。これだけ節約して、本当は要るのだからと、次のときの原価として出てくるのでしょうか。それとも、それを前は原価としてちゃんと見たのだから、勝手にほかの穴埋めに使ったのだから、それもなかったことにしてくださいよということになる。その取り扱いははっきりしていない。
○関西電力・森本本部事務局長 そういう局面が来たときに、また議論されることになろうかと思いますが、特に火力発電所の、先ほど申し上げました本来やるべき定期点検を異例の対応で飛ばさせていただいている、フル稼働させているということが現実にございますので、こういったものについては、できたのだからいいということには決してならないと思いますので、適正にごらんいただく必要はあろうかと思います。
○古城座長 それはわかっているのですけれども、節約していただいたのですけれども、原価査定のときにちゃんと修繕費を見ているわけですね。それをどこかに使ってしまっているのだから、御社が勝手にやったことという整理もできますし、いや、これは穴埋めに使うのはやむないのだから、節約してもやむなかったね。だから、今度また新しい原価として認めてあげて、料金で回収することを認めるかという、その辺の整理は御社はどう考えている。はっきりしていない。
○関西電力・谷原チーフマネジャー 次回なりの料金の申請をする際に、しっかり工事内容、修繕の計画の内容を御審査いただくというのはもちろんですけれども、まず繰り延べ分につきましては、これは当然、今後も効率化の取り組みというのは行ってまいりますので、効率化を行って生まれた原資というのを、繰り延べの部分に可能な限り充てていくというのは、一つの考え方として持ってございます。
○古城座長 では、次に原価検討するときは、繰り延べ分が幾ら入っていますというのは、また説明していただく必要がありますね。
○関西電力・森本本部事務局長 今の話の中では必要かと思います。
○古城座長 済みません、私ばかり話しまして。
あと、いかがでしょうか。白山委員、どうぞ。
○白山委員 ちょっと重なる部分があるかもしれませんが、資料3-1の36ページの経営効率化に関する情報で、今回公表値と平成26年7月の公表値の差分のものと、それから、今、御議論ございました9ページの修繕費、効率化の内訳というところで、人件費以下、具体的な費目も書いてございますが、持続可能と繰り延べ分との効率化を、36ページだと総額だけ書いてあるのですけれども、もうちょっと内訳をきちんと示して、どれが持続可能で、どれが繰り延べで、それぞれの差額がどうで、その要因がどうでというものの御説明をいただきたいのですがというのが1点目です。
2点目、資料3-2の11ページでございますが、連結ベースの利益剰余金の内訳もお示しいただきましたけれども、大阪の現地の消費者の方々の御意見をいろいろお伺いしますと、これは一般的な感覚という意味でおっしゃっているのですが、グループ会社にお金がたまっているのではないかという御意見が結構あるわけです。御回答のとおり、「子会社の配当性向を上積みして配当を受け取るなどの取り組みを実施しており」と書いてございますが、これはこれでわかるのですが、配当性向を一体どのぐらいにして、どのぐらい上積みしているのか、ちゃんと経営努力しているのかというところを、もっときちんと具体的に示していただかないと、これではわかりません。
それと、資産売却のところで有価証券についていろいろと資料を御提示いただきました有価証券報告書として一般にディスクローズされている内容ではございますが、内訳が添付されておりますが、これは本体のほうで保有している株式ですか。有価証券の売却のことについておっしゃっていますが、例えば東京電力と比較しても、東京電力は相当売却されていらっしゃいますので、相互保有持株関係とか、様々な関係があるかと思いますが、ちゃんとその辺りを検討して売却の促進などをされているのかどうかということを確認いたしたく思います。
あと、グループ会社の子会社が保有している株式の売却とか、きちんととやっているのですかというところを、グループ全体の経営効率化という意味合いの中でどの程度踏み込まれてやられていらっしゃるのかというのを、具体的に示していただかないと、お聞きしてもよくわからないのです。これらの点を確認させていただきたいと思います。
○関西電力・森本本部事務局長 最初の比較に関する費目別につきましては、後ほどお出しできると思いますので、そこをごらんいただければと思います。
それから、配当性向でございますが、具体的に申し上げますと100%でございます。
それから、グループ全体でどういった有価証券とか不動産について考えているかということですが、その前提に、調達などいろいろな面でも私どもと同じように取り組んでいただいておるのですけれども、関係会社もグループ会社も含めまして、私どもと同様に売却を進めてまいります。それから、資産についても同様でございます。ただ、銘柄とか、個別の問題については、それぞれのグループ会社、さまざまな事業形態があるのですけれども、各分野での営業戦略上の問題もありますので、具体的な回答についてはお示しできませんけれども、基本的には同様に取り組んでございます。
○古城座長 はい。
○白山委員 そうしますと、今の御発言を確認する意味でいいますと、今年度の期末の有価証券報告書、あるいは来年度の有価証券報告書を見れば、有価証券等はかなり減っている。それから、グループ会社の利益剰余金もそれなりに減っているということが事後的に確認できるということですね。
○関西電力・森本本部事務局長 今回申し上げたような状況に向かって最大限やってまいりますので、おっしゃるとおりかと存じます。
○古城座長 よろしいですか。
では、古賀委員、どうぞ。
○古賀委員 御説明ありがとうございました。3点質問と1つ意見を申し上げさせていただきます。
1つは、資料3-1の9、10、11、12ですが、ここに26年度のまでのものをいただいているのですけれども、今後、27年度の資産の売却の予定というのは今あるのか、もしくはどの時期になると、そうした資産売却の見込みがわかるのかということと。
それから、10のスライドのスマートメーターの単価低減による効率化ですが、これは27年度は当然もっと設置等がふえると思うのですけれども、この効率化について、27年度はどのような計画をされていらっしゃるのかということ。
それから、スライド12の不動産・株式の売却ですけれども、これは子会社の関連ではどのような売却の御計画があるかということをお尋ねしたいと思います。
それから、2番目として、いろいろな諸経費、研究費や、先ほども質問が出た寄附金の件ですけれども、これらの研究費等も、どういったものが研究費なのかというのが非常に抽象的なご説明で、中身がよくわからないので、もう少し御社の今後のいろいろな電力システム改革等を見据えた経営方針等を含めて、これらの研究費がなぜどういう見通しから必要なのかということを概略的にでも御説明いただきたいと思います。
それから、先ほどの御説明資料の3-2の、先ほどから問題になっている5番のスライドのところですけれども、ここも新エネルギーというのは、将来的には電気料金価格を低減させる方向に向いていくと思いますので、これを電力量として今後ふやすような御予定はないのかということもあわせてお聞きしたいと思います。
以上です。お願いします。
○関西電力・森本本部事務局長 まず、資料3-1の資産売却等につきましては、確実にやってまいりますが、当然ながら、物件ごとにどういう形で売却していくのか、都度判断しながらやっていきますので、少なくとも今日御説明しましたように、今年度におきましても、資産売却については11月以降、上積みが実行できましたので、これを積み上げていくという形になろうかと思います。
それから、スマートメーターにつきましては、当然、引き続きここに記載しているような入札ということは努めてまいります。したがいまして、今後とも競争入札の導入拡大などを含めて単価低減に努力していきたいと思います。
それから、子会社につきましては、先ほど少し申し上げたように、私たちと同様、同じ視点で取り組んでまいります。
それから、特に研究費、諸経費の中の具体的な件名、必要であればどういったことをというのはあるのですが、今までも継続して取り組んでおりますのは、安定供給に必要な送配電設備とか材料の評価などであり、こういったものは当然やってまいります。それから、原子力の安全性の向上に対するような研究も、絶えずやってまいります。したがいまして、専門分野で件名自身もなかなかわかりにくい場合もあるかもしれませんが、何かこういったことをやっているというものをお示しできれば、これは後ほど少し御提示させていただこうと思います。
それから、新エネルギーですが、私たちも太陽光、風力、自社のみならず、地域の皆様方が取り組んでいただける環境には、できる限りの協力をしてまいりますが、先ほどおっしゃった、これでコストが下がるかどうかという点については、今まさにコスト検証が新たに進められております。例えば新エネルギーも物によっては変動対応策とか、いろいろな費目もかかってくることもありますので、そういった全電源のコストの検証・評価といったものを踏まえて、日本全体でどう選択していくのかということになろうかと思いますし、私たちもその中で、この再生可能エネルギーについてはできるだけ積極的に開発や導入にも取り組んでまいりたいと思っております。
○古城座長 それでは、橋本さん。
○橋本委員 御説明ありがとうございます。今回、電変ということですけれども、先ほどの消費者庁の方の報告を聞いても、それ以外のところでもきちんと御社が努力しているということが見えないと、消費者がなかなか納得できないというのは、これは全体を通しての感想ですけれども、きょう説明していただいた中で、2点、さらに御説明いただければと思います。
3-1の7の人員計画のところですけれども、先ほどの御説明の中では採用数を減らすというお話があったのですけれども、そのほかに500削減する計画でしたら、さらに750人削減する見通しとなっておりますと言いますが、これは具体的にどのような削減方法をとられるのかということが1点です。
それと、同じく資料3-1の35ページの財務状況のところですけれども、この中でいろいろな引当金等の御説明があったのですが、全て取り崩しはできないということだったのですけれども、一番最後の渇水準備引当金に関しましては、北海道電力のときに担当大臣の許可を得て取り崩すことになったと記憶しているのですけれども、北海道電力と御社でその考え方というのがどのように違って、これはできないとなっているのかというのが質問です。
それと、もう一点ですが、これはアンケート等をとっていらっしゃらないので、感触だけでいいのですが、30ページのお客様への説明実績というところで、かなり多くのところで丁寧な説明を行ってきたと書いているのですが、数だけではなくて、きょうおいでの中に実際にこういった説明会、出席なさった方もいらっしゃると思うのですけれども、そのときの感想でよろしいのですが、説明して、きちんと納得していただけたという感触をお持ちなのかどうか。ただ丁寧に説明しましたということですが、消費者の方が納得できなければ、これはただ一方通行ということです。
ただ、これはアンケート等をとっていなければ、正確な数字というのがきっとわからないので、これについては個人的な感想ということでお聞きしたいのですけれども、正式には前の2点が質問で、後のものは会社としてだけではなくて、個人的な感想でもよろしいので、お聞きしたいなと思います。
以上でございます。
○関西電力・森本本部事務局長 まず、1点目の7ページですけれども、定年退職なさる方というのは把握できますので、当然ながら各年度、定年の方はいる。その方々が退職された後、新たにどれぐらいを雇用するのかということで、その差し引きが在籍人員の結果になっていく状況ですけれども、今のレベルというのは、退職者の数、毎年500名を超える退職を迎える方々がいるのですけれども、そういった方々がいる一方で、新規の雇用を申し上げたようなレベルに抑えておりますので、したがって在籍人員が減っていくという状況でございます。
それから、2番目、確かに北海道電力さんは異例の措置として渇水準備金の取り崩しをなさったのは承知しております。私たちは、それぞれの引当金は記載のとおり健全に使うべきだと基本的には思う一方で、仮に一部取り崩しを行ったとしても、極めて一時的な対策になりますので、後ろに出てきますように、私たちの財務状況とか支出状況がこれだけ改善していくためには、それはなかなか効果が持続しないと判断しておりますので、現段階では目的外の取り崩しを行うことは、私どもは考えておりません。
次は、関西でも今週も一度やらせていただいたのですが、双方で今までの議論を整理したペーパーも出ており、今日御説明した燃料調整制度とか、それが将来、仮に原油価格が低下した場合にはどうなるのかというのは、お互いが何回か資料を持ち寄ったりしながら、わかりやすく説明するとともに、この点をもっと教えてくれとやり取りするプロセスをやっているところが幾つもありますので、徐々におわかりいただける部分もふえているのかなと思うのですが、御指摘のとおり、その結果を把握できる客観的なものはございません。
○古城座長 はい。
○橋本委員 人員計画ですけれども、自然の退職の方と新規採用を抑えるということで、例えば早期退職を募るといったことは全くなさっていないということですね。
○関西電力・森本本部事務局長 そうでございます。
○橋本委員 一般的には、今時点で必要な人員を見て、自然の退職者と、それから新規採用の人を抑えることで、どうしても賄えない部分というのはそういった対応をすることが多いと思うのですけれども、そういったことは全く考えていらっしゃらないということで、それは確認でございます。
それと、お客様に幾ら説明しても納得していただけなければ、これは消費者としては不満が残るわけですので、ぜひその辺、納得できる内容をお示ししていただきたいなと思いますし、あと、渇水準備引当金に関しましては、今回はこのようにお出しになったけれども、さらなる何か財政的なもので大変になったときは、その引当金の取り崩しというものも考えていくということでよろしいのでしょうか。
○関西電力・森本本部事務局長 厳しい状況がどういう状況に本当になっていくかにもよるかと思いますが、当然ながら、あらゆる時点であらゆる可能性を考えていくというのは、我々も必要だと思っております。
それから、申し上げたとおりですが、こうした中で電気事業も、もちろん御負担をかけてしまうということに大変お詫びを申し上げなければいけないのですが、これは重々申し訳なく思っております。一方、供給力を確保して供給支障を起こさないために、多くの社員がフル稼働で頑張っておりますので、安定供給を果たしていくためにも、またそれを担う技術力を持った人たちに、必要なときに早期に入っていただけるかどうかというのは相当難しい面がございます。したがいまして、私たちは世間で言うようなリストラといったことは、現段階では考えておりません。
○古城座長 岩田委員、どうぞ。
○岩田委員 2つございます。
1つは、経営効率化全体についてですが、25年度、26年度については、一部の費目で未達成もありましたけれども、全体としては査定額を大きく吸収して、経営効率化の努力をされていらっしゃること、それを私は一定の評価をしたいと思っています。
問題は、27年度についてですけれども、これは1月30日の御社が作成された資料の一番最後のところですけれども、燃料費と購入電力料についてはさらなる深掘りして、130億円のコスト削減を見込んでいるということをお書きになった後、それ以外の費目についてもさらに効率化の努力をすると方針を明確に述べておられるのですけれども、具体的な内容については、後日改めてお知らせしますとなっています。
そして、きょうの御説明をお伺いしますと、各項目ごとの方針はお書きになっておられますし、検討中とあるのですけれども、後日お知らせしますというのは、どういうタイミングで、どういうレベルの情報提供を、どの場でされるおつもりだったのかとお尋ねしたいと思います。
というのは、どの会社も新年度の事業計画というのは、今の時期は社内的にはもうあるはずです。事業計画の中に費用計画ももちろん組まれておりますので、実質的には検討されていらっしゃると想像するのですね。もちろん、例えば不動産の売却について見れば、売るときの市況がどうなっているかということで、金額が確定できないということは理解できますけれども、今年度中にどの不動産を売るかということについては、会社の方針は既にあるはずだと私は思うわけです。
そういう意味で、不動産というのは一例ですけれども、全部の項目について検討中であるとか、労働組合と協議中であるという定性的な方向性は非常にはっきりしているのですけれども、それが金額的に果たしてどのくらいの規模の努力をなさろうとしているのかということが、私たち、全く情報をいただいていない。こういう段階で査定をするというのは難しいかなと思いますので、後日改めてというのはどういうことかという、これが1点目です。
それから、2点目は、高浜原発の3、4号基がことしの11月に再稼働しなかった、おくれた場合の再々値上げについてですが、27年度、現在の査定期間中には再々値上げはしないとお書きいただいています。これは、残る期間がもう4カ月ですから、その間は大変なことだと思いますけれども、努力をしていただいて、再々値上げをしないとおっしゃっていただいたと、それは評価したいと思うのですが、きょうの資料3-1の27ページに、「しかしながら」というのがあって、この2行の文章が何を言っていらっしゃるのかというのがよくわかりません。
長期に不稼働となった場合について、総合的な判断が必要と考えておりますというのは、今査定期間についてのことを言っていらっしゃるのか、それ以降のことを言っていらっしゃるのか、何をここでおっしゃりたいのか、そのあたりの御説明をいただきたいと思います。
以上です。
○関西電力・森本本部事務局長 まず最初の御質問は、冒頭も申し上げたとおり、今もやっているのですが、今、委員の方のご指摘がございましたように、この中には労働協議、組合交渉を進めていくべきものが幾つかございます。これらを取りまとめていく、了解をいただくという時間ももちろん必要でございます。したがって、私どもは今回、27年4月1日を実施の希望として出させていただいておりますので、当然ながら3月中には何らかの形でまとめてお示しできることになろうかと思いますが、そこは今、申し上げたような例も含めると、公表できる時期については、しばらく時間がかかるかもしれません。その出し方も含めて、もう少しお時間をいただければと思います。
それから、2番目は、あくまで27年度については、どういう事情があったとしても頑張るということを申し上げています。したがって、28年度以降、今回の対象期間を超えて、現在申請している料金が維持できるかどうかという観点では、少なくとも27年度については、何としてでも現在申請している料金を維持してまいりたいと思っております。
○古城座長 矢野委員。
○矢野委員 時間が押しているのに済みません。
資料3-2の10について、お聞きします。2月10日の意見交換会でも原発についてはいろいろ意見が出て、特に関電さんは原発依存度が非常に高いということで、今回の値上げの要因にもなっているわけですけれども、その上で原発関係コストについて。平成23年度のコスト等の検証委員会報告を示してありますけれども、新たに現在でも経産省のほうで検討は進んでおりますので、今後の新たな知見とかが出る中では、それをきちんと出しながら加えて、原発の依存度について方向性を変えられることはあるのでしょうか。
先ほど、全体的な電源コストを考えて、どこから電源を得るかということはおっしゃっていましたけれども、今の依存度の高さについては多くの方たちが疑問を持っていらっしゃいますので、そのことと新エネを含めた再エネをさらに採用していくということも重要になると思います。
先日、水力の宇治発電所のことを聞く機会があったのですが、非常に歴史が古い中で高い発電量を持っているということで、こういった貴重な水力発電所も持ちながら、今後も水力発電を伸ばすとか、そういった再エネ全体を伸ばしていくことも考慮に入れながら、今後の情報提供のことと、それから依存度のことについて、少しお示しできるのならば、お聞きしたいと思います。
○関西電力・森本本部事務局長 まず、私たちの中での電源構成を含めて、先ほども申し上げましたように、再生可能エネルギーの活用については、できる限り取り組んでいきたいと思っています。水力発電所もなかなか大規模に開発できる地点はないわけですけれども、今後の電源構成を考える場合に、我々としての競争力というのももちろんございます。
一方で、これも今、議論がスタートいたしました、いわゆるエネルギーミックスで、日本全体のエネルギー、電源構成を、今後それぞれの特徴を生かしてどうしていくのかという議論が進められていきますので、そこで示されているように、安全性というものが最優先であることは間違いございませんが、エネルギーセキュリティーについて、エネルギーの海外依存度が大変高いです。
あるいは、コスト、環境問題への対応というバランスを考えた場合に、原子力発電の果たす役割も大きいと思っておりますが、具体的には安定的にお届けさせていただくための電源構成を、先ほどのエネルギーセキュリティーとか経済性とか環境問題、それと我々の競争力ということを含めて、エネルギー政策の今の議論を十分踏まえながら進めていきたいと思っております。
○古城座長 御質問は今、札を立てている井手委員までで締め切らせていただきます。
古賀委員、どうぞ。
○古賀委員 細かな質問で恐縮ですけれども、1つは、3-1の資料の20のスライドで、一番下の為替レートのところですけれども、今回、申請原価が1ドル78.9円になっていまして、これは負担軽減された場合は120円という換算になっているのですけれども、どうして今回の申請原価が78.9円になっているのかという理由をちょっと教えていただきたいと思います。
それから、これもまた細かなことで恐縮ですが、スライド6で、健康保険料の事業主負担を査定のときに53%に引き下げということだったはずですが、これは現在も63.3%ですということですが、これは27年度についてはどのようになるのか。これも労働組合さんとの交渉次第ということになるのかどうかということを教えてください。
○関西電力・森本本部事務局長 最初の今回の申請の為替レートは、基本的にこういった諸元を含めて、前回申請させていただいたときのレートを使うというのが、今の制度になっておりますので、そのまま用いているということでございます。
それから、2番目の健康保険料については、これは十分認識しておりまして、先ほども可能な限り早期に改定をと申し上げましたが、こういったレベル感になるように、27年度も含めて早期に改定していきたい。取り組んでまいります。
○関西電力・谷原チーフマネジャー 1点だけ前段のところで補足でございますけれども、燃料費のそこの部分につきましては、一方で申しましたように燃料費調整制度というものがございます。今回の電変制度につきましても、制度上、そちらのほうでお返しすることがはっきり決まっておりますもので、算定のほうでもこちらのレートを変えてしまいますと二重でお返しすることになるという事情がございます。したがいまして、そこの平仄を合わせる形でやっているということでございます。
○古城座長 井手委員、どうぞ。
○井手座長代理 時間も押しておりますので、簡単な質問ですけれども、資料3-1で選択約款というメニューが示されていますけれども、これを見ると、基本料金はみんな今回の値上げのときに全く触っていませんけれども、基本料金は変動部分が含まれているので、今回、電源構成が変分認可制度ということですけれども、当然、ここにも変動費分というのが入っているので、ここをいじらないというのが料金のときの基本的な考え方だったのでしょうか。
○関西電力・彌園副本部長 基本料金は基本的に固定費のみでございますので、変動費部分は基本料金には入ってございませんので、今回、基本料金は変更しておりません。
○井手座長代理 だけれども、基本料金は変動費部分も入っていますね。
○関西電力・彌園副本部長 逆に、電力量料金に一部の固定費を乗せている部分がございますけれども、基本料金には変動費分は入れてございません。
○井手座長代理 基本料金は固定費だけですね。わかりました。
○古城座長 もう少し時間が欲しいという感じもいたしますけれども、時間がもうございませんので、これで終わりたいと思います。いろいろ貴重な御説明、御意見をいただきまして、どうもありがとうございました。
関西電力にはここで退席していただきます。どうもありがとうございました。
(関西電力退席)
≪4.消費者庁作成「チェックポイント(案)」の検討≫
○古城座長 続きまして、消費者庁のチェックポイント案についてです。
消費者庁では、過去の他電力の値上げ申請の際の経験や、当調査会委員の関心事項等をもとに、今後、経済産業省と査定方針案について協議を行う際に参照するチェックポイントの案を資料4のとおり取りまとめました。消費者庁消費者調査課から御説明いただきたいと思います。お願いいたします。
○消費者庁岡田消費者調査課長 資料4をごらんいただければと思います。これは、北海道電力の再値上げのときにもつくっておりました。それと同じような構成になってございます。今、先生からお話ありましたけれども、北海道電力のときの経験、それ以前の値上げのときの経験、また調査会での御議論、意見交換会での消費者の意見を踏まえまして作成しております。
1ページ目、前文でございますけれども、3段落目に今回のチェックポイントでの指摘事項の考え方を整理しております。関西電力に対しては、3点求めるということでございます。
1点目ですけれども、今回は電変制度に基づく申請で、直接の査定対象項目は限られるわけですけれども、前回の関西電力の査定を踏まえまして、効率化の進捗状況などを消費者に説明する責任があるということを言っております。
第2点でございます。1枚めくっていただきまして1行目ですけれども、前回の認可以降、他社並みの基準、または再値上げであることから、それ以上の基準を達成するように努力すべきであるということ。
第3番目としまして、先ほども既に御説明がありましたけれども、電源構成の変更により費用削減が可能となった場合、速やかに料金値下げを行うことを明確にすべきということを挙げております。
経産省に対しては、2点述べております。
査定項目に関しては、厳格な審査を行って、その結果を広く明らかにすること。
直接の査定対象以外の項目につきましても、効率化努力を厳しく検証して、その結果を広く公表する。関西電力に対しては、効率化の進捗状況について、これまで以上に丁寧に消費者に説明するように促すという点を指摘しております。
具体的なポイントとしては、2ページの下のほうから載せております。
総論として、原子力発電が停止した以降、前回の値上げ以降の経営努力をちゃんと説明しているかとありますけれども、それ以降、各論になっております。
各論は、査定対象項目とそれ以外に分けております。直接の査定対象項目でないものにつきましても、事業者による積極的な取り組み、消費者への丁寧な情報提供、説明が求められると指摘しております。
2ページ目、査定対象項目を下から載せておりますけれども、燃料費につきましては、メリットオーダーは徹底されているかということから、購入電力料についても指摘しております。
北海道電力値上げ申請の際にはチェックポイントに盛り込まなかった点としましては、3ページに2点ほどございます。
まず、マル6で、最近の原油価格下落による費用削減効果がきちんと原価に適切に織り込まれているかという点。
マル7ですけれども、消費者からもこの関係がわかりづらいといった指摘もありましたので、今回の値上げ申請の中身、燃料費調整制度に基づく料金の調整額の関係について明確に説明しているかということを記載しております。
次に、直接の査定対象項目ではないですけれども、積極的な取り組み、消費者への丁寧な情報提供・説明が求められるものとしまして、経営効率化を挙げております。経営効率化につきましては、消費者に大幅な負担増を求めることの前提としまして、項目ごとに査定ベースの効率化を達成するにとどまらず、最大限の企業努力を真摯に行っているかどうか。
費用項目別に見て、査定ベースの効率化が未達成のものについて、その理由が明確に説明されているかといったことを挙げております。
具体的には、人件費につきまして、過去2年度、効率化目標が未達成、査定額の水準まで達成していないわけですけれども、27年度にさらに削減に取り組むための計画を明確に説明しているかということを挙げております。
その他具体的な項目としまして、今、申し上げた役員報酬の顧問関連の経費とか、競争入札比率、1枚めくっていただきまして、修繕費などについて挙げております。
資産売却についても、さらなる取り組みの余地はないかと指摘しております。
4ページ目の真ん中あたりから料金体系を書いておりますけれども、今回の関西電力による値上げというのは大幅なものであることを踏まえまして、消費者のための激変緩和措置の方策というのが具体的に検討されているかということについても指摘しております。
4ページ目の下のほうからは、今後の料金値下げにつきまして。ここは、北海道電力のときに同じような指摘をしておりますが、早く解消された場合、想定どおりの時期以降であっても算定期間内に解消された場合、また期間後に解消された場合、それぞれについて値下げが行われることを確保される措置がとられているかということを指摘しております。
最後に、5ページ目でありますが、中長期的に取り組むべき事項としまして、再生エネルギー、再生可能エネルギーの拡大使用など、エネルギーの多様化について消費者の関心が高いということもありまして、こうしたことにつきまして十分な検討、説明や情報提供をすることにしているかといったことを指摘するということで、案を作成いたしました。
よろしくお願いいたします。
○古城座長 ありがとうございました。
御説明いただいた内容について、御質問、御意見のある方は御発言をお願いいたします。矢野委員、どうぞ。
○矢野委員 2点ほどあります。
1つは、マル12。先ほどの資料3-1の9ページであった、いわゆる繰り延べによって修繕費が過大になるかにしていますけれども、そもそも繰り延べの妥当性というか、繰り延べを入れ込むこと、繰り延べ自体を本来だったら修繕費に計上すべきではないかと思いますし、その辺のチェックを少し補足したほうがいいのではないかと思います。
それから、新たに諸経費で寄附金と団体費等が一定計上されていましたので、これについては限りなく削減すること。そもそも査定方針では、寄附金は原価に算入しないということでしたので、原価に算入されていないにしても、結果としては支出しているわけですから、この経営効率という点では諸経費のさらなる削減について徹底するということを、新たに入れたいと思います。
以上です。
○古城座長 ありがとうございます。
あと、いかがですか。岩田委員、どうぞ。
○岩田委員 私の理解が悪いのかもしれないのですけれども、3ページの上のほうのマル6です。原油価格の下落による費用削減効果というのは、その下のマル7の燃料費調整制度への影響以外に何かあるのでしょうか。マル6は何を念頭に置いた項目かというのがわからないので、これは消費者庁に御説明いただきたいと思います。
それから、今、矢野さんがおっしゃったところですけれども、4ページのマル12については、座長のほうとやりとりをされていた、あの経緯ですね。今期にはプラスに働いているかもしれないけれども、それが来期以降の料金査定にどんな影響になるのか。それが明確に判断できるように将来的に計上していただかないといけないというやりとりがあったかと思いますので、それも書き込んでいただいたらどうかと思います。
それから、きょうの委員の皆さんの御発言を聞いて、1つは、従来になかった視点で、先生がおっしゃったグループ全体の経営努力をきっちり吸い上げているか。配当性向、今、100%となっていましたから、それを今は吸い上げているのだと思いますけれども、きょう初めて確認できたことなので、グループ全体の経営効率とその成果を吸い上げるという言葉は適当じゃないかもしれませんが、それは追加されたらいいと思います。
それから、健保組合の事業主負担についてもやりとりをされて、組合と今、調整中と思うのですけれども、それの交渉を後押しする意味でも、こちらの健保の今の事業主負担率は非常に高いです。それも項目として挙げていただいたらいいのではないかと思いました。
以上です。
○古城座長 ありがとうございました。
白山委員、どうぞ。
○白山委員 今の岩田委員のお話とほぼ重なるのですが、チェックリストのマル14をもう少し突っ込んだほうがいいのではないかという気がしております。先ほど配当性向100%という御回答ございましたが、それはフローのベースの発生の利益に対する配当性向であって、ため込んだ分の利益剰余金の話は一切ないわけですね。関電不動産のホームページ等を見ますと、大規模なマンション開発とか関西最大のマンション開発とか、こういうものが堂々と出ております。そうしますと、一般の消費者の方々の感情論の話でもありますけれども、一体関電グループ全体の経営の観点からして、本当に値上げをしなければならないのかどうなのだろうかというのは、お気持ちとしては非常に一般的な感覚としてあるわけです。
しかも、グループ別の利益剰余金が関電不動産759億円、これは持ち株比率を乗じたベースでございますけれども、これだけあるということになりますと、この辺りを電力料金の値上げとの関係でどう考えていらっしゃるのですかというのは、どうしても確認したくなるわけです。今回の場合には電変制度ではございますけれども、突っ込んで確認したほうがいいのではないかという気がしておりますので、このマル14の表現ぶりについて、私自身もいろいろ考えたいと思いますが、もう少し突っ込んだ形の表現ぶりにしたほうがいいのではないかと思いました。
○古城座長 いかがでしょうか。
あと、岩田委員からの質問に消費者庁から簡単に答えてください。
○消費者庁岡田消費者調査課長 先ほど岩田先生からマル7とマル6についての違いをお話になりました。マル6の購入電力料は、燃料費の査定にかかるものでして、燃料費の中には、火力燃料費、自分のところでたくものと、自分のところでたけないので買ってくるものがあるわけですけれども、今回の査定として、申請のベースで、購入電力料について最近の原油価格の低下を反映させているものかということです。それとは別に燃料費調整制度との関係がどうなっているかということでございます。
○古城座長 あと、いかがでしょうか。古賀委員、どうぞ。
○古賀委員 先ほど橋本委員が質問してくださった件、渇水準備引当金の取り崩しのことについても1項目、関西電力さんはかなりかたくなな御回答でしたけれども、検討する余地があるのではないかと思いますので、入れていただきたいと思います。
○岩田委員 ちょっと言い忘れました。
○古城座長 どうぞ。
○岩田委員 今期は再々値上げがないというのも確認がとれましたので、これは料金の値下げだけしか書いていませんけれども、再々値上げがないということについても確認していただきたいと思います。
○古城座長 橋本委員の質問は言うとおりだと思うのです。だけれども、そういうふうに取り崩しができるのだけれども、したくはないという。
あと、いかがでしょうか。
それでは、議論は以上といたします。
≪5.閉会≫
○古城座長 事務局から連絡事項はございますか。
○大貫参事官 本日は、熱心な御議論をどうもありがとうございました。
今後、関西電力への査定方針案について御検討いただくこととなります。
次回の日程につきましては、調整をさせていただいた上で御連絡させていただきます。
○古城座長 本日は、寒い中、お集まりいただきまして、ありがとうございました。
これにて本会議は閉会とさせていただきます。
(以上)