第14回 家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会 議事録
日時
2014年3月31日(月)12:59~14:52
場所
消費者委員会大会議室1
出席者
- 【委員】
- 古城座長、井手座長代理、古賀委員、白山委員、陶山委員、矢野委員
- 【消費者委員会担当委員】
- 岩田委員、橋本委員
- 【説明者】
- 資源エネルギー庁 高橋部長
- 資源エネルギー庁 片岡電力市場整備課長
- 資源エネルギー庁 下世古電力・ガス市場監視調整官
- 【事務局】
- 消費者委員会 大貫参事官
- 消費者庁 河津審議官、片山消費生活情報課長、谷本企画官
議事次第
- 開会
- 査定方針案の経済産業省ヒアリングについて
- 電気料金値上げ認可申請に関する意見交換会(名古屋)の報告について
- 質疑応答
- 閉会
配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)
- 議事次第(PDF形式:8KB)
- 【資料1‐1】 中部電力の認可申請に係る電気料金審査専門委員会の査定方針案について(査定方針案概要版)
【資料1‐2】 中部電力株式会社の供給約款変更認可申請に係る査定方針案- ※資料1-1、1-2は、国立国会図書館インターネット資料収集保存事業WARP(http://warp.da.ndl.go.jp/)に掲載されております。https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11223892/www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/denryoku_gas/denkiryokin/report_003.html(国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)の保存ページ)の【中部電力株式会社の供給約款変更認可申請に係る査定方針案(概要)(PDF形式:557KB)】【中部電力株式会社の供給約款変更認可申請に係る査定方針案(PDF形式:4,167KB)】を御参照ください
- 【資料2】 チェックポイントへの回答
- 【資料3】 中部電力株式会社による電気料金値上げ認可申請に関する意見交換会(結果の概要)(PDF形式:173KB)
≪1.開会≫
○大貫参事官 本日は、皆様お忙しいところをお集まりいただきありがとうございます。ただいまから、「消費者委員会公共料金等専門調査会家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会」の第14回会合を開催します。
本日は、所用により専門委員の蟹瀬委員、消費者委員会担当委員の山本委員が御欠席ということで御連絡をいただいております。
配付資料を確認させていただきます。今、配付しております資料は、配付資料一覧のとおり、資料1-1、1-2、資料2、資料3という4つの資料でございます。不足がございましたら、事務局のほうにお申し出ください。
なお、この議事については録画をし、翌日から議事録ができるまでの間、消費者委員会のホームページで動画を配信いたします。
それでは、古城座長、議事進行をよろしくお願いいたします。
≪2.査定方針案の経済産業省ヒアリングについて≫
○古城座長 本日は、経済産業省資源エネルギー庁から、中部電力株式会社の供給約款変更認可申請に係る査定方針案について御説明をいただき、続いて、事務局及び参加された委員から3月27日(木曜日)に名古屋で開催された電気料金値上げ認可申請に関する意見交換会の報告を受けた上で議論を行いたいと思います。
それでは、議事に入らせていただきます。
消費者委員会公共料金等専門調査会家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会では、中部電力の家庭用電気料金値上げ申請に関して、これまで11月18日及び1月8日の2回にわたって議論を行ってまいりました。また、去る3月14日の経済産業省における電気料金審査専門小委員会で示されました中部電力株式会社の供給約款変更認可申請に係る査定方針案について消費者庁で協議が行われ、さらに3月17日付で消費者庁長官から消費者委員会に対して、これに対する意見を求める付議が行われました。
本日は、この付議を受け、査定方針案の概要や消費者庁によるチェックポイントを踏まえて、どのように査定したのかを中心に御説明いただきたいと思います。
資源エネルギー庁におかれましては、お忙しいところ御出席いただき、まことにありがとうございます。
説明時間につきましては30分程度でお願いいたします。
それでは、よろしくお願いいたします。
○資源エネルギー庁高橋部長 資源エネルギー庁電力・ガス事業部、高橋でございます。本日は、お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
今、古城座長からもお話がありましたように、中部電力の料金値上げ申請に係ります査定方針案につきまして、まずは私のほうから資料1-1に基づいて概要を御説明いたしまして、その後、具体的な内容につきましては消費者庁からいただいておりますチェックポイントの内容に沿いまして片岡のほうから御説明させていただきたいと思います。
資料1-1でございますけれども、左下の四角で囲ってあるところに中部電力の申請概要がございます。昨年の10月29日に中部電力から経済産業大臣宛ての認可申請が来ております。原価全体額として2兆4,935億円、それに対して料金収入が2兆3,309億円ということで、規制部門におきまして4.95%の値上げの申請がございました。
今回申請の原価につきましては黄色で書いてありますけれども、ポイントとしては、燃料費が前回改定の算定、これは値下げの改定ですけれども、そのときに比べて4,900億ぐらい燃料費の原価が上がっているという中での改定ということでございます。
この申請につきましては、電気料金審査専門小委員会におきまして、公開のもと9回の御審議を経ております。メンバーは右の上の箱にあるとおりでございます。
また、12月26日に名古屋におきまして公聴会を開催してございます。また、申請後、国民の声の受け付けも行ってきてございます。それぞれの委員の先生方が御担当を決めていただきまして、直接資料を確認しながら内容についての精査を行ってございます。私ども事務局に対するヒアリングなども含めますと延べ101回126時間の御審議をいただいているものでございます。
査定方針案の概要につきましては、その裏面にポイントが書いてございますけれども、この御説明は消費者庁様からいただいてあるチェックポイントに沿って御説明をしたいと思いますので、電力市場整備課長の片岡のほうから資料2に基づいて御説明をさせていただきたいと思います。
○資源エネルギー庁片岡課長 お手元の資料2がチェックポイントの回答になってございます。査定方針案そのものにつきましては資料1-2という形で分厚いものがついてございます。
1-2をごらんいただければと思います。これまでの電力会社の査定と異なるところを中心に御説明したいと思います。
まず最初に、財務の状況についての御指摘でありまして、他の電力会社に比べまして剰余金の水準が高い中での値上げの必要性を合理的に説明しているかということであります。
この調査会でも何度か議論があったというふうに承知しておりますけれども、中部電力からの説明によりますれば、余剰金そのものは設備に形を変えているということで手元に現金があるわけではないということが1つ、それから、借り入れも含めまして資金が必要でありまして、これは借りかえたり新しい設備投資に対してもまた資金が必要になってきますけれども、この金融機関の借り入れが今期で3期連続の赤字となるわけですけれども、さらにそれが続きますと不良債権と判断される蓋然性が高まるということで資金調達に支障が生じるのではないかということであります。こういう観点から、そうした信用力の低下、あるいは自己資本の減少に歯どめをかけるということを説明しております。
査定といたしましては、この財務の状況いかんにかかわらず、2ページでありますけれども、法律に基づきまして能率的な経営のもとにおける適正な原価に基づくものであるということを確認してまいったということでございます。
具体的にどのような形で原価の適切性を見ていったかということは3ページ以降にございます。
まず、人件費でありますけれども、役員報酬につきまして、3つ目の○に書いていますけれども、査定方針案におきましては、前回改定よりも常勤の役員が2名、監査役も常勤の方が1名、3名減になっているということ。それから、1人当たりの単価でございますけれども、審査要領にあります国家公務員指定職の平均的な水準(1,800万)となっているということで妥当であるという判断をしております。
また、従業員の年収につきましては、これも審査要領におきまして算定式が定められておりまして、3ページの下のほうの○にありますけれども、マル1賃金構造基本統計調査における1,000人以上(正社員)の企業平均値、マル2ガス・水道・鉄道の公益企業3業種に当該企業(中部電力)の年齢・勤続年数・学歴を補正したもの、このマル1とマル2を足して2で割ったものに、その地域の補正を行っている。中部の場合におきましては、これも賃金構造基本統計調査でありますけれども、地域補正を行っているということであります。
その結果、5ページでありますけれども、棒グラフがありまして、624万円の申請でありましたところ、査定といたしましては623万円となったということであります。
右のほうに東京以下、先行他社の査定後の水準が書いてございます。
6ページ、厚生費であります。これも関西電力、九州電力の議論のときに大きな議論になりましたけれども、法定厚生費につきまして50%を目指して削減しているということで、26年度から徐々に引き下げて28年度末には53.49%となっているということで、これは妥当であるという判断をしております。
また、一般厚生費がその下にありますけれども、これにつきましては全体といたしまして経団連が調査しております福利厚生費調査結果報告の1,000人以上の企業の平均を下回るかどうかということが査定のメルクマールになってございます。申請におきましては、これを下回っているということであります。
その上で、なお不要な費用については削除していくということでありまして、6ページの一番下になお書きでございますけれども、社員の社宅や独身寮に係る清掃とか賄いとか貯水槽の点検等の費用につきまして効率化努力を求め、10.31%の削減を行うという査定方針になってございます。
7ページでありますが、相談役、顧問等につきましては、従来の電力会社とほぼ同様でありますけれども、今回は原価には算入されていないということであります。
出向者につきましては、寄付講座に係る出向者の合計3名につきまして原価算入を認めないということになってございます。
続きまして、8ページ、調達等についてであります。
競争入札比率につきまして高い水準を目指していくということが求められております。中部電力におきましては、これまでの先行他社約3割の調達比率を目指すということでございましたけれども、28年度までに35%を目指すというふうになってございます。
今後の結果といいますか、このコミットメントの状況につきましては、2つ目の○の最後のほうに書いてございますけれども、今、東京電力でも必要な努力をされてございますので、そうしたものの事例も踏まえまして、さらなる拡大を促すことを含め、当省において具体的な対応策を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
8ページでありますけれども、その入札の結果いかんにかかわらず、どのように調達費を削減しているかということでございまして、10%を目標にしているかということでございます。
従来の先行の会社におきましては、東京電力以外は7%の削減を織り込んだ申請がありましたけれども、これにつきまして、例えば委託先の人件費水準等を見まして、東電と同様の努力を求めるということで原則10%の削減を7から10に引き上げて求めてきたところでございます。
今回、中部電力におきましては10.31%という形で申請がなされております。これにつきまして、9ページの右の上のほうにありますけれども、中部電力と東京電力の委託人件費などを比較したところ、中部のほうが低い水準にあるということもありまして、この10.31%の効率化の織り込みについては適当であると考えられるというふうに結論づけております。
7番につきましては5番と同じなので飛ばさせていただきます。
8番目、10ページでありますけれども、広告宣伝費等でございます。
そもそも相当自主的にカットして申請されていまして、最初の○にありますように、前回の80億円から61億円減の19億円になってございました。それにつきまして中身を事細かに見ていった結果でありますけれども、10ページの一番下で発電施設の施設見学会という費用が、これも公聴会等でも若干問題になりましたけれども、値上げを行う状況下における費用の優先度の観点から、電源立地地域を主な対象とするもの以外は原価算入を認めないという結論にしたところでございます。
その他につきましては、基本的に先行他社と同じとなってございます。
9番の寄附金、団体費、交際費につきましても同様でございます。
また、12ページ、電中研への分担金につきましても、内訳が13ページにありますが、これも先行他社と同様の査定を行ってございます。
14ページでありますけれども、子会社・関連会社の経営努力ということでありまして、これにつきましては、従来から査定方針案におきまして子会社・関連会社の契約取引にかかわる費用のうち、一般管理費等のコスト削減可能な部分についても出資比率に応じ10%の価格の低減を求めるということにしておりまして、中部電力におきましては、この計算の結果、プラス0.31%というカットがされております。これにつきましては、東電あるいは関電等の先行他社の水準と同レベルにあるということでございます。
12番、13番等につきましては、他社と同じなので飛ばさせていただきます。
16ページ、事業報酬であります。
事業報酬につきましては、電気事業者が設備投資を行うための資金調達に要するコストであるということでございますけれども、算定規則あるいは審査要領におきまして算定方法が定められております。その中で電気事業をめぐる経営リスクが他の一般的な事業会社の経営リスクと比較してどのような位置にあるかという点(β値)を勘案して決定するというふうになってございまして、このβ値をどのようにとるかということが論点でございました。
これにつきまして、長くとるとだんだん下がっていくといいますか、例えば震災直後の大きく変動したとき、リスクが上がったときの状況などの影響が小さくなっていきますので、どれだけ長くとるか、あるいは短くとるかということが論点でございました。
これにつきまして、下のほうのパラグラフの下から6行目、7行目あたりにありますけれども、査定方針案取りまとめの日までの震災直後は除く直近2年間をとるのが妥当であるというふうに結論づけられております。その結果、β値は1.04になりまして、事業報酬はこれで計算しますと実は3.0%になるわけでございますけれども、申請にあった2.9%はそれを下回っておりますので妥当である、3.0にする必要はないというふうな結論にしております。
17ページの減価償却につきましては、先行他社と同じでございます。
18ページ、稼働の見込まれない原子力発電設備がレートベースに入っているかということでございますけれども、これにつきましては中部電力の3基の原子力発電所、浜岡3、4、5号のうち、3号、4号は再稼働を織り込んでおります。5号につきましては、海水が流入したという事象を踏まえまして、現在、点検及び健全性の評価を進めているということで、今後、新安全基準への適合についても検討を進めるということでレートベースには入れているということでございます。
19ページでありますけれども、火力の増に対します燃料費の抑制策ということでありますが、3つ目の○のなお書きにございます。これも公聴会等でも議論がございましたけれども、水力発電の量をどのように見込むかということにつきまして、中部電力では過去3か年のデータをもって計算をしておりました。これにつきましては過去3か年にしますと集中豪雨とかがあった影響で水力の発電量が少なくなっていたのですけれども、過去10年をとりますと、より水力の量がふえる、その分、火力燃料を使う量が少なくて済むということで、過去10年でとるべきであるという査定方針になってございます。
21ページでありますけれども、燃料費の増につきまして、燃料費調整制度における単価の上昇なのか、あるいは原子力発電所の停止に伴う量の上昇なのか、わかりやすく説明すべきであるということは、この調査会でも御議論があったというふうに承知しておりますが、22ページの絵のように単価の影響と量の影響、それぞれ計算をしております。結果としましては単価の影響が大きいということになってございます。
それから、22ページの下のほうからですけれども、燃料費の低廉化に向けた査定をどのように行ったかということでありますけれども、23ページにLNGについて書いてございます。これは、基本的には先行の関西、九州等で行ったことと同じことをやってございまして、具体的には24ページの一番上のほう、「具体的には」という黒ポツがありますけれども、3年間の原価算定期間がございますが、最初の1年目、26年度につきましては他の電力会社を含めましたトップランナーの価格を原価の織り込み価格とする。27年度以降につきましては、米国からシェールガスが入ってくるような影響も勘案しまして、天然ガスの連動価格を一部反映した原価織り込み価格とする。これは、関西、九州等におきましては原価算定期間がもう1年早かったものですから、トップランナーが2年間、シェールガスの影響が1年間ございましたけれども、中部電力につきましては原価算定期間が1年後ろにおくれておりますので、トップランナーが1年間、シェールガスの影響が2年間という形で後ろのほうに行くほど大きく削減をされていくわけですけれども、そういった形の査定になってございます。
25ページでありますけれども、他の電力会社に支払う購入電力料等につきまして、特に日本原電及び北陸電力志賀原子力発電所からの購入電力料についての御指摘をいただいてございます。
これにつきましてはデータが並んでいまして、ちょっと飛びますけれども、28ページのほうで2つ目の○の「また」以下に書いてございます。基本的な考え方は東京電力以降と同じでございますけれども、購入電力料につきましては、基本料金的な部分とキロワットアワーといいますか、電気の量に応じて支払う電力量料金の部分、その2つの組み合わせで設定されております。今回、中部電力が買う日本原電及び北陸電力はいずれも受電量ゼロと見込んでおりますので、電力量料金は原価に算入されておりません。他方で維持管理費用、安全対策費用等の基本料金につきましては原価に算入されております。
この妥当性でございますけれども、契約の原本等を確認した結果、マル1、マル2がございますけれども、全量を供給するという意味での共同開発だと認められる。このために、維持管理費用あるいは稼働に向けた投資に要する費用につきましては、自社であってもその費用は負担しているわけでございますので、自社電源同様に負担する義務があるというふうに考えるという結論になってございます。
他方で、下のほうのパラグラフにありますけれども、契約相手に効率化を求めていくということで、自社と同様の効率化努力を求めるという査定内容になってございます。これにつきましても先行他社と同様でございます。
29ページでありますが、バックエンドの費用につきまして、今般、昨年の10月から廃炉にかかわる会計制度の変更が行われております。これにつきましての説明も記入すべきということで、30ページでありますけれども、下のほうに原子力発電施設解体引当金に関する省令の見直しということで生産高比例法、つまり運転すれば運転しただけ費用がかかるという方法から、定額法という運転状況に左右されず毎年定額で引き当てていくという形に費用の計上方法を変えてございます。この適用の第1号になるわけですけれども、こうした形で算定がされているということでございますが、きちんと稼働されますればトータルの費用としては変わらないということになってございます。
続きまして32ページでありますが、浜岡の再稼働に向けての安全対策の費用がどのように入っているかということにつきましては、ここに書いてございますように、原価算定期間の平均で1,511億円の工事が計画されております。これが工事の結果としまして、減価償却費でありますとかレートベースに入ってくるということでございます。
32ページの下のほうでありますけれども、原子力発電所の再稼働を織り込んだ理由、あるいは再稼働しない場合の電気料金の影響が説明されているかということで、ここに書いてあるとおりでありますけれども、仮に再稼働を織り込まないという場合には、下から2つ目の○になりますけれども、値上げ幅が4分の1程度増加するということが回答としてございます。
34ページでありますけれども、規制部門と自由化部門の関係ということでございまして、これも他社と同じように、これまでの従来の赤字の結果、規制部門が自由化部門に比べて収益が比較的よい、自由化部門のほうが赤字が大きいというふうになっていたわけでございますけれども、改定を行いますと、これは仮に事業報酬というのを利益に代替するものだというふうに考えますと収益構造が改善されるということで、その設備の量に応じまして規制と自由の比率がここに書いていますような5.2と4.1%といった形になります。
その後、料金をつくってから、また当然、燃料費も変わったり、あるいは需要量も変わったりしますのでその後ずれていくわけですけれども、仮に収益構造のゆがみが著しいということであって、また構造的であると認められる場合には、料金の申請命令を出すということも検討してまいりたいと、これは従来から申し上げておりますし、そのための客観的な基準もつくったところでございますけれども、こうした対応をしていきたいということでございます。
35ページ以降は需要の推計でございますとか、あるいは37ページ、新料金への移行に向けた情報提供、これにつきましては先行他社とほぼ同じになってございます。
また、40ページの資産の売却、41ページの電灯需要の伸び予測、あるいはその需要の想定、節電予測、これにつきましても先行他社と同様になってございます。
最後に43ページでございますけれども、適切な審査等ということでありまして、これにつきましては、従来から随時見直しを行ってきたところでございます。今回につきましても消費者団体等を通じまして、公聴会につきましては633の団体に周知の依頼を行いました。その結果、20名に御参加いただきました。また、専門委員会の先生方、あるいはここにいらっしゃる先生方にもオブザーバーとして御参加いただいたところでございます。
今後とも料金の適正性につきまして御理解を得るために徹底した情報公開、あるいは透明性の高いプロセスが重要と考えておりますので、御意見を頂戴しながら改善に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
最後に、44ページ、中長期的に取り組むべき課題ということがございます。エネルギー全体の原子力を含めた御意見もいただいてございます。現在、エネルギー基本計画の策定の途上にございまして、与党で御議論いただいておりますけれども、丁寧なプロセスを経た上で閣議決定をしていきたいというふうに考えてございます。
また、ここには書いてございませんけれども、電気事業法の改正法案につきましても、この国会に提出をいたしております。いわゆる総括原価方式の見直しも含めまして電力システム改革の中でしっかり取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
私からは、とりあえず以上でございます。
○古城座長 ありがとうございました。
≪3.電気料金値上げ認可申請に関する意見交換会(名古屋)の報告について≫
○古城座長 続きまして、消費者委員会公共料金等専門調査会家庭用電気料金値上げ認可申請に関する調査会では、電気料金値上げ認可申請に関する意見交換会を3月27日に名古屋で開催いたしました。その模様につきまして消費者委員会事務局及び出席された古賀委員、陶山委員、矢野委員から御報告をお願いいたします。
○大貫参事官 それでは、最初に事務局から簡単に御説明いたします。
27日14時から名古屋市におきまして、参加者ですけれども、古賀委員、陶山委員、矢野委員のほか、地元の消費者団体としては愛知県と長野県の消費者団体2つに御出席いただきました。
席上で出された主な意見のポイントですけれども、まず、エネ庁の査定方針案について、全般に専門的な記述でもう少しわかりやすくならないか。消費者委員会には、一般消費者はなかなか読み切れないようなところの妥当性をぜひ見ていただきたいということでした。
剰余金については、原価の低減努力をさらに行って企業努力をしていただきたい。
人件費につきましては、妥当性がどういう根拠に基づくものか、あるいは、従業員1人当たりの年間給与水準623万円が地域の状況としては高いのではないか。役員の給与についても1,800万円は高いという御意見でした。
経営効率化等、競争入札について、次のページに出ておりますが、競争入札比率を100%にしていただきたいというふうな御意見が出ました。
資材や役務の調達の実質90%弱が特命発注されているのが原価を高どまりさせているのではないか。経営責任を厳しく問いただしたい。競争入札比率35%は余りにも低過ぎる。
次に、総括原価方式について、コスト削減の努力がされにくいという問題を抱えた仕組みなのでということでした。
原発につきましては、安心してこの地域に住むことができない。日本原電からの電気購入についても、何も買っていないものにお金を支払うことは説明いただけても納得できない部分がある。
オール電化について、消費税値上げとあわせて負担が大きい。
料金体系につきましては、値上げ幅が小さい第1段階の料金なのですけれども、これが120キロワットアワーということで、今の生活の現状からすると設定が低過ぎるのではないか、ここをもう少し見直していただけないかということでした。
3ページ目に参りまして、フォローアップ(事後検証)についてですけれども、電気料金の妥当性を今回の査定だけでなくて、事後的・継続的に検討・評価する仕組みをつくってほしい。
その他ですが、消費者団体だけが集まって御意見を伺ったのですけれども、中小、下請け企業への影響も大きいので、こういう方々からも御意見を聞くべきだったのではないか。
赤字の原因の9割が自由化部門である。資産売却について、遊休資産をかなり持っているのではないか、もう一度御説明いただきたいということでした。
一方で水力発電について、10年に延ばして算定すべきと査定したことは評価したいということでした。
これは事務的な話なのですけれども、意見交換会の開催日程についてもう少し時間を配慮して早目に知らせてくれなかったのか。
最後に、また再び原発についてなのですが、危険なものはやめてほしい、地域の人たちの生活を大切にするような企業になってほしい。
以上の内容でございました。
○古城座長 それでは、古賀委員、お願いいたします。
○古賀委員 3月27日の意見交換のときには、地元の消費者団体の方は2名しか出席されていなかったのですけれども、お二人とも大変よく電気料金のことや仕組み、今回の値上げの中身、中部の状況等をよく理解されていた方でして、非常に多くの意見を述べていただきました。
今、チェックポイントについての御説明があったので、それに沿って出た意見の中から少し御紹介してもよろしいですか。
○古城座長 はい。
○古賀委員 やはり、この1,800万円の役員報酬というのは、中部地域の現状からしても高いというような御意見が最初にありました。あと、厚生費の中で、細かいお話なのですけれども、社員の社宅や独身寮の清掃や賄い費、そういったものが原価として認められてに算定されるということは、たとえ縮減されるとしても非常に納得はできないというご指摘がありました。
それから、競争入札比率については、先ほど事務局の方から御説明がありましたように、やはり100%を目指してほしいという意見がありまして、東電のときの経緯があるにしても、やはり競争入札の比率、調達価格についてはちゃんと競争のもとに原価をなるべく下げるように努力してほしいという御意見がありました。
あと、電源立地地域を対象とする例のバスツアーの件なのですけれども、やはりその電源立地地域というのは一体どこまでの範囲を出すのだというようなことで、これに莫大なお金がつぎ込まれていますので、非常に納得できないという御意見がありました。
そのほか、事業方針については、やはりこのβ値のとり方も含めて全体的に問題があるのではないかということと、それから、やはり浜岡原発を背後に抱えている関係で、この危険な原発の再稼働はやめてほしいということが、これは料金のお話ではないのですけれども、地元の意見としては非常に強いということを強調されていらっしゃいました。
それから、水力については10年にしていただいたことは本当によかったというような御意見がありました。
あとは、やはり燃料費のことについても御意見等はありました。購入電力料については、発電していない、購入していないものについてお金を払うこと、原価に算定することについては消費者としては納得できないというような御意見がありました。
その場で出た意見はそのようなものですが、あと、エネルギーの基本計画について今後どうなるかというようなことについても非常に不安を持っている方もいらっしゃいました。
以上です。
○古城座長 続いて、陶山委員、お願いいたします。
○陶山委員 私も参加させていただきまして、内容につきましては、今、大貫さん、古賀さんがお話になった内容でございますので、私のほうからは受けた印象、あるいは、この消費者委員会のほうに求められている内容について少しお伝えできればというふうに思います。
今回、ひとつの東電以後の値上げの中で一定のメルクマールが定められた中で6社目になりますか、その値上げの中でこの枠組み自体について消費者のところから疑問を持つのだけれどもどうにもならないというような歯がゆさというか、そういうものも感じたところであります。
消費者委員会として、もっとそのところをわかりやすく、あるいは納得性の高いものにできないだろうかという、そういった要望も含めて、今後のことに対してフォローアップをきちんと消費者委員会として主体的に情報提供の枠組みをつくってほしいという要望が出されましたし、それから、今後、現在の規制部門の自由化に向けてさらに透明性あるいはチェック機能をきちんとしていくことが本当に重要なのだということがわかったということで、そのことについてしっかりやってほしいという消費者委員会に対しての要望が出されています。
また、意見交換会なのですけれども、スケジュールの窮屈さというのがありまして、それであれば、委員会のほうから各消費者団体等への聞き取りもしてほしいというようなことがありましたので、今後の消費者委員会としての動き方についてさらに検討をし、要望をくみ取る、消費者の声をしっかり受けとめて反映していくという枠組み、あるいは活動、取り組みというものをしっかりしていかなければならないのではないかなというふうに感じました。
以上です。
○古城座長 最後に矢野委員、お願いします。
○矢野委員 幾つか重なってしまいますが、改めて私のほうから参加させていただいた感想なり取りまとめたものを御報告します。
既に言われていますけれども、やはり難しいという印象が非常に強くありました。例えば、査定方針案の概要版としてA4両面で出されているわけですけれども、一般消費者にとっては、まず概要版で全体をつかめるということが大切ではないかなと思います。しかし、残念ながら査定方針案のポイントは専門用語がかなりあって、なかなか精通していないとこれがつかめないというところで、もっとこういった査定方針案のポイント、概要版のところで、特に値上げを受ける利用者側にとってわかりやすい方針案を示すことが大きな課題ではないかなと思いました。
それから、意見交換会は実質2団体だけだったのですけれども、経産省の審査の小委員会のところでは、商工会議所のオブザーバーの方から、中小企業への影響が非常に大きいという御意見もありました。そういった意味では、今回の消費者委員会が行ったこの意見交換会も呼びかけ対象をもっと広めて、ホームページで知らされてはいますけれども、改めて中小企業の方とか、そういった実際に影響が及ぶ人たちの意見をもっと聞き取れる状況づくりが必要なのではないかなというふうに思いました。
それから、剰余金についてですけれども、既に何回も説明はされているのですけれども、いわゆる内部留保があることでの今回の値上げに対しては、現金ではないという説明はされていますが、なかなかそこが一般消費者にはわかりづらい。今回の意見でも、やはり剰余金を取り崩して値上げの申請をすべきではないかというような声が改めて出ておりますから、そのあたりをどう今後のところで説明をしていくかというのが大きな課題だなと思っております。
それから、競争入札についてですが、比率もさることながら、やはり事後チェックを大事にしてほしいということがありました。今回、事後チェックについては、いわゆる査定方針案の中で、今回のチェックポイントの回答の8ページのマル5番の最後のところで、競争入札比率のさらなる拡大を促すことを含めて経産省において具体的な対応策を検討してまいりたいということが出ておりますので、こういう前進面を受けとめながら、こういった経産省の今後の取り組みを期待したいところです。
それから、自由化部門と規制化部門のバランスというところでは、今回もやはり赤字の原因の9割が自由化部門を規制化部門に押しつけられているという受けとめがまだある中で、この辺をどう説明していくかも課題ですし、遊休資産のことについても指摘がありましたので、そのあたりは消費者委員会のほうで受けとめながら、どういうふうに今後の意見を出していくかにつなげていきたいと思っております。
以上です。
○古城座長 ありがとうございました。
≪4.質疑応答≫
○古城座長 査定方針案及び意見交換会について御説明いただいた内容について、御質問、御意見のある方は御発言をお願いします。内容が多岐にわたりますので、チェックポイントの項目ごとに議論を行いたいと思います。本日の議論を取りまとめて調査会の意見にしていきたいと考えており、この場で疑問点等については漏れなく確認していきたいと考えております。委員の皆様、御協力をお願いいたします。
それでは、まず、人件費等について御議論をお願いいたします。いつものとおり、御発言のある方は目の前の名札をお立てください。
矢野委員、どうぞ。
○矢野委員 7ページの。
○古城座長 どこの7ページですか。
○矢野委員 回答の。
○古城座長 チェックポイントへの回答の7ページですね。
○矢野委員 はい。マル4に関連して最後の7ページ、いわゆる出向者の部分なのですけれども、原価算入を認める出向者数が結果として3名を除いて710名として、中部電力自体が出向者数が非常に多いのかどうか、正規の職員をだんだん減らしている状況ではあったのですが、この辺の妥当性というのはどうであったのか、数的な部分について数を云々するというより妥当であるかどうかに尽きるとは思いますが、しかし、それにしても印象としては非常に多いということなので、この辺についての妥当性はどのように審査されたのかお聞きしたいと思います。
○資源エネルギー庁片岡課長 結論から申し上げますと、他社に比べては余り多くはないと思います。トータルとしましては、こうした出向者で原価に入っている方々も含めて、人員数を例えば販売電力量で割り戻す、そうすると1キロワットアワー当たり何人かかっているかというのは、よく生産性と言いますけれども、それが出てくるわけであります。
御参考に査定方針案、1-2という分厚い方のパワーポイントの資料をごらんいただきますと、15ページの右下に人員数については生産性の比較ということを10社で行っております。これで計算しますと、若干口数とか売上高というのはバイアスが入るというか、例えば売上高で言えば、値段が高ければよくなってしまうので、販売電力量で見ますと10社の平均に比べますと中部電力はより生産性が高いということで、トータルとして見て人数は妥当ではないかというふうに判断した次第です。ただ、その中でも適当でないものについては除くべきだということで、この3人についてはカットしたということであります。
○古城座長 ありがとうございます。
陶山委員、どうぞ。
○陶山委員 厚生費のところも、今、この人件費の中でやってよろしいですか。
○古城座長 そうです。
○陶山委員 先ほど、古賀委員のほうから意見交換会で紹介された部分ですが、独身寮にかかわる清掃、賄いといった費用について、これまでも他社でこういったものについて原価算入してきたというような事実があるのでしょうか。それから、その妥当性について、消費者のほうからはここは納得できないという御意見が出ていますが、いかがでしょうか。
○資源エネルギー庁片岡課長 若干御説明が足らないところがあるのかなと思ったのですけれども、この賄いとか清掃費用も含めて社宅という費用がかかっているのですが、これは誤解があったらあれなのですが、全額面倒見ているというわけではなくて、当然、入っている方が寮費とか社宅使用料とか、御飯を食べていれば賄いの費用とかということでお金を払っているのです。その払っている費用というのは、別途控除収益といいますか、要は電力会社がお金をもらう分というので、これは項目としてはまとまって後ろのほうに入ってしまうのですけれども、差っ引かれます。この原価に入っている分から、当然、入っている方からもらう分を除いた分が実際持ち出しのものになります。これについては他社も同様であります。
次に、この額の妥当性なのですけれども、これにつきましては、福利厚生と一くくりで言いましてもいろいろな福利厚生がありまして、社宅とか寮にお金をかけたいとか、あるいはもっと違う健康対策にお金をかけたいとか、あるいは財形貯蓄とか資産形成にお金をかけたい、そういういろいろな経営方針があろうかと思います。これにつきましては、この委員会の議論では、チェックポイントの回答の最初のところ、6ページの一番上の○に書いていますけれども、一般厚生費の一番上の○ですけれども、1,000人以上の企業の平均値を下回っているかどうかということで見ています。これが下回っているということであれば、モチベーションの維持も含めてどうやっていくかというのは一番下の○の鍵括弧の中に書いていますけれども、申請の内容が1,000人以上の企業の平均値を下回っている。この範囲においては、どのような福利厚生策に重点を置くかは経営者の経営判断であるという判断をしております。
○古城座長 陶山委員、どうぞ。
○陶山委員 考え方についてはわかりました。もしわかれば、具体的にどの程度が原価算入されているのかわかりますでしょうか。
○資源エネルギー庁片岡課長 額ですか。
○陶山委員 はい。
○資源エネルギー庁片岡課長 額は手元にないので、また調べて御説明申し上げます。
○矢野委員 何ページまでですか。
○古城座長 人件費ですか。次は調達のところまでですから、この調達はもう次の項目です。人件費だけです。
よろしいですか。では、次に移ります。
人件費は、さかのぼって御質問がございましたら含めて構いません。
続いて調達費、事業報酬、減価償却費、レートベースまでを含めて御意見はあるでしょうか。御発言をお願いします。
矢野委員、どうぞ。
○矢野委員 チェックポイントの回答の10ページです。先ほど、意見交換会の報告で古賀委員からも出されたのですが、一番下の○のいわゆる団体活動費用等です。発電施設等の施設見学会に係る費用なのですが、ここに主に電源立地地域を対象とするので、これをどの範囲とするかというのはありますが、この方針はほかの電力会社のときも同様であったのかどうかが1つと、もしそうでないのであれば、そういった個別の判断がされた理由をお聞かせ願いたいと思います。
以上です。
○資源エネルギー庁片岡課長 これは、実を申しますと、今回絞ったのは初めてであります。公聴会でも御議論いただいたり、幾つか審査説明会の場でも委員から御議論いただいたというのもありますし、そのきっかけとなったのは、件数が年間1,000件とか出ていましたけれども、他社に比べて額としても多かったということもありまして、今回絞るべきではないかという議論になりました。
これは、例えば名古屋支店とか静岡支店とか主に支店単位で管理しているのですが、電源立地地域ということで原発立地のある地域に御理解いただくのがメーンの主眼であろうということで、主に静岡支店の管理しているところに限定したということで、ほかの長野とか愛知とかは除いているということであります。
○古城座長 橋本委員、どうぞ。
○橋本委員 8ページの調達についてなのですけれども、先ほども名古屋における聞き取りの中で調達の内容が35%と低いということもあるのですけれども、ただ、これもまだ目標値ということで、最後のところで今後とも経済産業省において具体的な対応策を検討してまいりたいという一文があるのですが、もし具体的にどのような検討をしているのかがあれば教えていただきたいのですけれども。
○資源エネルギー庁片岡課長 まず、これは審査専門委員会でも御議論が結構あったのですけれども、入札のやり方によっては逆に高くなってしまったり、品質が悪かったりということもありますので、全てが入札になるということは多分ないのだろうと。例えば、既存の設備で契約によってこの会社しかメンテナンスしない、逆に違う会社がメンテナンスすると品質が担保できないとかいろいろな契約があったりするとできないというのはあると思うのです。
他方で、御存じのとおり、東京電力が当然、賠償をしっかりやっていくという関連もありまして徹底的な効率化を進めています。外部の第三者の方々に入っていただいて、1件1件本当に安くならないかということを相当細かくやっておられます。目標自体もたしか5年後に6割だったと思うのですけれども、非常に大きな目標になっているということもございますので、これはまだ緒についたばかりでありますので、それがどううまくワークするかというのも見る必要があると思いますけれども、こういうものが横展開できないかでありますとか、あるいは各電力会社の方々、一応35%ありますけれども、それをさらに伸ばしていきたいであるとか、あるいは、自らも第三者を入れた形でやりたいというふうに、それぞれ委員会の場で表明されておりますので、そういった内容について事後的にそれはどう進んだのか、つまり、これまで料金の場でコミットされたようなことがどのように進捗しているのかといったことを並べてみられるといいますか、一覧性をもって見られるようにしていくでありますとか、そういうことを具体的には考えていきたいなと思ってございます。
実際、原価算定期間におきましては、東京は2年目がちょうど終わるところでありますけれども、関西とか九州はちょうど1年ということでありますので、この夏以降、費用の結果が出てきますので、そういうことをとらまえてそういうことを考えていきたいと思っています。
○古城座長 陶山委員、どうぞ。
○陶山委員 先ほどのバス見学会のことにもう一度戻らせていただきますが、原価算入を認めなかった金額がどれくらいで、全体の何%ぐらいになったのか。それから、ここの書かれ方だと、御説明もそうなのですが、電源立地地域を対象にしているものについては認めたということなのですが、ひょっとしたら立地地域に対しては同様の取り組みがほかの枠組みの中で行われているのではないかというふうにも想像するのですが、もしダブっていたら、まさにここは本当に必要なのかという項目になってくるかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○資源エネルギー庁片岡課長 額は手元にないので済みません。当然、たくさんあった中部電力の管内全体から見ますと静岡は一部ですので、相当切れていると思います。
それから、他の自治体、例えば自治体特有の取り組みとかがあるかと思います。ただ、こうした地元の方々にどんな安全対策を実際にとっているのかといったことを見ていただくというのは事業者としても必要な対応なのだろうということで、この地元立地地域に限定したものにつきましては、これも最低限必要だろうというふうに認めた次第です。
ほかに、例えば自治体でどういうことをやられているかとかというのは全体にわからないところがありますけれども、これについては最低限必要ではないかと思ったという次第です。
○陶山委員 そこは点検されませんでしたか。ほかに立地地域の取り組みとしてダブっていないかということで、本当にこの立地地域が対象であったとしても必要なのかどうかという点からチェックをいただけませんでしたでしょうか。
○資源エネルギー庁片岡課長 基本的には、例えば発電所の中に入ったりしてやっている取り組みというのは、自治体でやっているケースというのはまれだと思うのです。やはり中に入って実際に発電所のプラントの中でどういう取り組みをやっているかというのは、事業者がやることのほうが相当細かくやっていると思います。済みません、詳細については、そこまでは把握しておりません。
○古城座長 古賀委員、どうぞ。
○古賀委員 今回、査定案をいただいて見ておりますと、調達についての独立した項目というのが、私の探し方が悪いのか見当たらなくて、7番というのでしょうか、基本的な考え方のところに「基本的な考え方」としてお示しいただいていると思うのですけれども、調達とか今後の査定方針についての基本的な考え方をお尋ねしたいのですけれども、資材調達とか例えば委託人件費の単価の比較とか、いろいろ緻密にしていただいていると思うのですけれども、あくまでも東電の場合と比較した率で比較されたり、震災前との単価との水準でされているのですが、やはり中部電力の場合、東京電力の場合とは非常に状況が違っていると思いますので、今後、例えばほかの電力会社がこの査定の認可の申請をされてきた場合などについても、東電のところがベースになってこういう査定案をされるのかどうか、その調達についての考え方もこの路線で行くのかということをお尋ねしたいと思います。
○資源エネルギー庁片岡課長 基本的には、何で東電をメルクマールにしているかということなのですけれども、分厚い査定方針案の資料1-2の基本的考え方というところの7ページに書いてございます。
基本的考え方マル2の(3)、この1ページは全部そういうことなのですけれども、ここで書いておりますのは、東京電力と比較して10%に足りているか足りていないかという査定をしました。過去の会社、関西電力ほかにつきましては7%だったものを10%だったり、あるいは四国については10.5%だったのですけれども査定をしております。
その理由なのですけれども、東京電力は御承知のとおり、2つ目のパラグラフに書いてございますけれども、東京電力に関する経営財務調査委員会という委員会が政府・内閣官房に設置されまして、徹底的ないわゆるデューデリジェンスというか、中に入っていって、コストの余っているところといいますか、余分なところがないかどうかということを外部の目を入れてやったケースです。そのケースで震災前から比べると10%の削減が可能であるというふうに、そういった外部の専門家が入った形で結論づけていますので、最低この10%というのは外から見ても確かな数字だろうと。
次に、では、他の各社がみずから10%ですとか、あるいは7%です、15%ですなんてことを言ったとしても、もともとの水準として東電より高ければ、当然もっと深堀りすべきですし、もともと東電よりも実は安ければ10をやってしまうとやり過ぎかもしれないということがございました。
したがいまして、発射台の水準がもともと東電と比較してどうだったのかということを比較するために、委託人件費という、これは細かいのですけれども、例えば工事を発注したり作業を発注するときに、当然、発注先に幾らで発注するかというのを交渉するのですが、その前提として入れている人件費なのですけれども、その単価というのは人数掛ける日数で決まってくるものですから大きなものなのですが、それについて比較をしていくのが比べやすいだろうということで、これまでは比較をしてきております。
これで中部電力を含めて、東電を含め7社、こういう形で査定したわけでありますけれども、今後につきましては、先ほど申し上げましたが、東電はさらに先を行ってみずから深堀りしようという動きもありますので、それについては、これで未来永劫というわけではなくて、随時その取り組み状況を見ながら、その時々で判断していくべきではないかなというふうに思っております。
○古城座長 あと、いかがでしょうか。
白山委員、どうぞ。
○白山委員 8ページのマル5のところでございますが、消費者の方々からの御意見で競争入札100%というのはよく言われるのですが、これは無理だというのは私も認識しておりまして、こういった設備型産業の場合にはなかなかそういうのは現実問題として無理ということはきちんと私たちは消費者の方々に説明していかなければいけないと思っています。その中で5番目の質問のところでございますが、質問の最後の部分で関連会社との間の特命発注等の割合ですが、これが質問のほうを読み上げますと、「関連会社とそれ以外の会社とが占める割合及びその理由を公表しているか」となっていますが、この理由のところが、つまり関連会社との間で特命発注が多いのは具体的にどういうことで、どういう理由でこれが多くなるのかというのがこの質問の回答を見ただけではよくわからず、大体推測はできるのですが、そのあたりはきちんと説明をしなければいけないと思っております。もし電気料金審査専門委員会のほうでそのあたりが具体的に検討されているならば説明をいただきたいと思います。
○資源エネルギー庁片岡課長 済みません、それは説明が足らなかったと思います。
典型的な例として、これは審査専門委員会でも議論があったのは、もともと自社であった業務が効率化の観点から外に出ていったというようなケースというのは結構ございます。今回、若干不適切な請求があったというふうにしてプレイアップもされていましたけれども、そのケースももともとは自社の配電工事等をしていた部分が外に出ていく、つまり、例えば子会社として出したほうが人件費の水準なんかも安かったりするものですから、そのほうがコストダウンになるだろうということで多分出したケースがあるのだと思います。そういうところが関連会社として受注しているケースは結構多うございます。
ただ問題は、それはもともとコストダウンのためにそうしたはずであるのにもかかわらず、必ずそこが発注を受けるとなってしまうと本末転倒になってしまいますので、下の鍵括弧のところで書いていますけれども、市場の簡素化とか共通化、あるいは他の関係者以外でもできる可能性があるのであれば、そういうところを発掘して、より競争的にやっていくべきだということを書いてございますので、こういう形でより広げていきたいと思います。もともとはそういう自社から切り出したとかいうのが多いと思います。
○古城座長 あと、いかがですか。
それでは、さらに新しい項目をつけ加えたいと思います。燃料費、購入電力料等、また、規制部門と自由化部門との関係、需要の推計、見込みと実績の乖離、これらにつきまして御議論をお願いいたします。さかのぼっての御議論も構いません。どうぞ御自由に御発言ください。
どうぞ。
○井手座長代理 燃料費のところなのですけれども、冒頭のチェックポイントでもありましたけれども、剰余金という話で、以前、原価変動調整金という、それを原料が上がったときに取り崩して、その上で対処するという、これは原価変動調整金であって現金であるわけではなくて、実際にはないわけですよね。それと同じで、剰余金というのは現金でないというのはわかるのですけれども、これは取り崩さないで値上げをするというのは、現金でないのだから仕方ないというふうには、なかなか消費者には説得できないと思うのですけれども、その点についてどういうふうにお考えでしょうか。
○資源エネルギー庁片岡課長 まず、御指摘のとおり、原価変動の積立金制度というのが過去にございました。これはオイルショック以降で大幅な電気料金の値上げがあった以降に、原油価格が下がったり、あるいは円高が進行したりして出た剰余金、これは値下げに使わなかった分がずっとたまっていまして、その後、平成8年に例の燃料費調整制度が入って自動変動になりましたので、それ以前に積み上がった剰余金というのはございました。ただ、これにつきましては、ずっと赤字の過程で全部なくなってございまして、今ある剰余金というのは基本的にそれ以降の、要は、自由化もありますけれども、いろいろなコストダウンとか利益で得たものが積み上がっているということであります。それがまず1つ。
2つ目に、剰余金を取り崩してという考え方でありますけれども、これは御説明にもありましたけれども、バランスシートでいいますと左側は資産になってございまして、右側の負債と資本、その右側と左側がバランスをしているわけですけれども、その剰余金がなくなると、資産は売却しないとすれば維持する必要はありますので、結局借入金がふえていく、つまり、お金を借りないといかぬことになっていくと思います。
そういう意味では、お金を借りるためには、今の繰り返しになっていますけれども、やはり財務がある程度しっかりしていないとお金を借りるコストも上がってしまいますし、ひいては、最終的にはお金を借りられないということになりかねないので、そういう意味では、剰余金を取り崩して借入金がふえることが長期的には場合によってはコストに回ってくるといいますか、資金調達コストが上がってしまうということがあり得ますので、そういう意味では、取り崩しを求めて、あるいは条件にするという必要はないのではないかというふうに思っている次第であります。
○古城座長 あと、いかがでしょうか。
○矢野委員 次で最後ですか。
○古城座長 いいえ、まだ最後はまだあれがあります。大体、新料金体系の移行に向けた情報提供等はまた後ですけれども、その前まで全て結構です。
矢野委員、どうぞ。
○矢野委員 名古屋での意見交換会のところでも出ていたのですけれども、現行の3段階設定の特に第1段階の120キロワットアワーというこのこと自体が、現実の生活状況からはもうふさわしくないのではないかということが出ています。このこと自体が査定にどう影響するのかは全体で見直しがされない限りはなかなか難しいとは思うのですけれども、その辺については恐らく審査の中では妥当だというふうにとらえられたと思うのですけれども、その辺、経産省で何かとらえていらっしゃることがあれば教えてください。
○資源エネルギー庁片岡課長 確かに第1段は120キロワットアワーだったと思いますけれども、これは世帯における80%ぐらいの普及率のあるもの、例えば冷蔵庫でありますとかテレビでありますとか、そういうものを積み上げていくと大体120キロワットアワーなのです。当然、世帯普及率80%のものだけではなくて、いろいろなものをほかにも使いますので、実際問題として120キロワットアワーで済んでいる方というのは極めて少ないだろうと思います。ただ、その考え方としましては、2段階まで使っているとしても、1段階目にはそういう普及率80%とかという、やや生活必需的な財に対する電気の部分なので、その部分については一定程度料金を抑えていこうという考え方であります。
他方で、3段階はより上げることで、むしろ省エネといいますか、電気の使用を抑制することで設備形成も抑えていこうという考え方になってございます。
これまでオイルショックのときに格差が大分大きく開いたのですけれども、だんだんその傾きが小さくなっていく方向だったのですが、今回、震災後の値上げにおいてはそれぞれまた拡大をさせています。
オイルショックのときまでというほどの上がり方はしていませんけれども、ナショナルミニマムという考え方で1段階抑えるとともに、3段階目は省エネの観点で上げるということで、これまでもそういう申請もありましたし、さらにそれを深堀りした査定も行っているところであります。今回どうするかというのは、また今後の話だと思います。
○古城座長 あと、いかがでしょうか。
どうぞ、陶山委員。
○陶山委員 先ほど井手先生がおっしゃったことにも関連するのですが、納得性ということで、人件費で役員報酬とかは1,800万を原価算入します、それから、相談役、顧問については原価算入しません、そしてスタッフの賃金水準はこれこれですということなのですが、実質に払われる報酬なり賃金というのはまた別物であって、そこは労使交渉の中で決まりますよといって書いてある。その差というものは公開されていくものでしょうか。そこは見なさいよ、調べなさいよということになるのでしょうか。そこら辺が、資産として内部留保の数字はあっても、建物になっていますから、借りなければいけないのですよ、借り入れをしなければいけないのですよとおっしゃりながらも、原価算入しないでも役員報酬や1,800万を超えるもの、あるいは顧問、相談役への報酬等も払われている状況があるという、ここが非常に納得性につながらないというのはおわかりになると思いますので、そこら辺をどんなふうに説明すればいいのかなというふうには思います。
○資源エネルギー庁片岡課長 まず、電気料金規制の中で自由と規制の問題もございます。つまり、自由料金のほうはある意味で自由に設定できるわけなので、そこで利益を出すということもございますし、それから、電力会社は、最近、震災後は余りやっていませんけれども、海外事業でありますとか附帯事業といいますけれども、ほかの通信なんかとのサービスの兼業、そういうような形で利益を出すことも可能だとは思います。その結果として原価と実績がずれてくることはあろうかと思います。
役員の報酬などにつきましては、有価証券報告書が毎年公表されます。したがいまして、原価で1,800万掛ける何人というのが出ていますので、それと見比べると、それよりも多いねとか少ないねとかいうことは毎年明らかになってくるということではないかと思います。
これも委員会でも皆さんのほうから議論がありましたけれども、こういう状況で値上げをお願いしているわけですので、効率化の成果が出れば、それはまさに電気本体、必要なものに使うべきだし、場合によっては、それで出た利益は値下げにも使えるのではないかという御指摘もありましたので、そういうことも見ながら経営判断としてきちんとやっていくと思いますけれども、先ほど申しましたとおり、有価証券報告書等で公表されるということで、そういう牽制といいますか、緊張感はあるのだろうというふうには思います。
○古城座長 あと、いかがでしょうか。
古賀委員、どうぞ。
○古賀委員 2点お尋ねしたいのですが、1つは、もともとの査定案の資料のほうの26ページのところなのですけれども、メリットオーダー等の関係等で水力発電についてなのですが、「純国産の再生可能エネルギーで環境性にすぐれた一般水力や新エネルギー等を優先的に配分」というのが一つの方針としてあると思うのですけれども、中部電力さんの場合には、前回申請に比べて水力の割合が減っているというのが、この原発も動いていない状況で、それは会社さんの方針なのかもわからないのですけれども、私たちにとっては非常に納得がしがたい数字だったのですけれども、ここのところは経産省さんのほうでいろいろな監査等をされて、どのように御判断いただいたのかという点と、もう一つは、33ページ、34ページあたりのLNG等の価格についてなのですけれども、基準トップランナー価格とか27年度以降についてはシェールガス等を組み入れた価格という査定をすることが適当であるという考え方をお示しされていらっしゃるのですけれども、この織り込み額の具体的な算定は非公表を条件に報告・聴取を行うべきであるということなのですが、査定によって今回織り込みとしてどれくらい下がったかということは、実際中身の問題ではなくて、査定額としてどれぐらい下がったかということはお示しいただきたいと思いますので教えてください。
○資源エネルギー庁片岡課長 まず後者のほうですけれども、これは事後的にといいますか、査定が固まったタイミングで公表します。したがいまして、この燃料費の部分でどれだけの査定額が出たか、何億円だったかということは毎回公表していますし、今回も公表するつもりでいます。
ただ、このトップランナーが幾らかでありますとか、あるいは26、27年度はそれぞれ幾らで査定をしたか、つまり1トン当たり何円とかいう額を示すことは、まさに相手方といいますか、逆に交渉の足かせになる可能性がある。つまり、もしもっと安く買えるかもしれないのに、そこで公表されていると相手の産油国等の関係でもうそこでいいのではないか、これで査定されているのだからいいでしょうというふうになっても困りますので、幾らかというのは非公表にしています。ただし、中部電力はこの結果として原価が何億円減額になったのかということについては公表するつもりでいます。
それから、水力につきましては御指摘のとおりでありまして、こういう原子力がとまっている状況ですので、なるべく安いものから動いていくべきであろうという際に、前回に比べて水力が減っていることは非常に不思議な状況だったということであります。それにつきましては詳細に見た結果、原価の織り込みの考え方が異なっていた。従来は過去10年間の水力の発電量をもとに計算をしていたのですけれども、今回の申請では過去3年間のデータでとっていた。この3年間については非常に停止が多かったといいますか、水力発電所が余り動かなかった。それは、集中豪雨なんかがありますと水を流さなければならないので、逆に発電をとめてしまうのです。そういうことがあったので水力の発電量は少なく見積もりましたという説明だったのですが、特にそういう集中豪雨等の影響というのは必ず今後もそうかというのはよくわからないところがございますので、これについては従来と同様の考え方で10年にすべきであるということで、そうしますと水力の発電量がふえます。水力発電量がふえる結果としまして火力発電量が減りますので、その分が原価から減額になるという考え方をとったわけであります。
○古城座長 井手委員、どうぞ。
○井手座長代理 先ほど矢野委員からも質問がありましたけれども、資料1-2の122ページと123ページのところです。
2つ質問があって、1つは、基本料金と従量料金の話で、経済産業省は基本料金と従量料金の割合がどのくらいが適正であるというふうに考えているのかというのが1つ目の質問。
2番目の質問は、先ほどの3段階の話で、1段階というのはナショナルミニマムの観点で低廉な水準にするということと、値上げ幅を抑制して生活に必要な不可欠な電気の使用料の影響を軽減することというふうに書かれていますけれども、これは経済産業省もそういうふうにお考えなのかということ。これは、これから平成28年には電気の自由化というのが、法案はまだ通っていませんけれども出てくる可能性が高いわけで、そのときにこういう考え方をずっと踏襲していくのかどうかという、これは手をつけるのであれば、今、手をつけておくということが必要だし、将来に向けてここの自由化したときに、ここの第1段階目の料金が物すごく上がるということもあり得るわけで、その辺は経済産業省はどういうふうに現時点でお考えなのか、この2つを。
○資源エネルギー庁片岡課長 前段につきまして、基本料金は本来固定費といいますか、固定的な費用を賄うのが本来の基本料金で、燃料費等の可変的な費用を賄うのが従量料金、これが基本的な考え方だと思います。ただ、厳密にそうしてしまいますと基本料金が多分すごく高くなってしまうと思うのです。これは過去からそういう経緯もありまして、基本料金は使っても使わなくても払うという面がありますので、そういう意味で、より量を少なくお使いになる方々には影響が大きいわけであります。3段階料金の考え方は、そういう意味では似通っているわけですけれども、そういう使用量の少ない方々の負担を比較的軽減しておくという観点から、従来から基本料金で全額固定費が回収できていなくて、従量料金でも回収しているという形で低く抑えられていると思っています。
その考え方自体は我々としても一定理屈はあると思っていまして、今回の値上げの理由が主に燃料費でございますので、そういう意味では燃料費の部分が乗ってくるということで、そういう意味では、基本料金は今回いじらずに従量料金の部分が値上がりになっているということになっています。これまでの考え方を一定程度認めた上で、今回の値上がりの理由が燃料費なので従量料金を乗っけたというのが今回の考え方です。
それから、2つ目の御指摘でありますけれども、電力システム改革の中で法案を提出させていただいていますけれども、その中でも経過措置料金ということで一定期間は電気料金規制は残すことになってございます。これはどういうときに解除するかと申しますと、きちんと競争が働いているということを確認した上で解除していくというふうに思っておりまして、要は、競争が働いていないときに自由にしてしまうと、おっしゃったように突然上がってしまったりということがあり得るわけなので、そうならないように競争が働くことを確認してから規制料金は経過措置でありますけれども撤廃することにしております。
経過措置料金は、当然、このような形で審査をしますので上げられないわけではないのですが、そういう突然制度が変わったから上げるということは経過措置料金においてはできないと思いますので、そこは競争が働くまでの間は今の考え方が維持されていくということではないかと思っています。
○古城座長 あと、いかがでしょうか。
ちょっと私から短く。御回答の34ページなのですけれども、これは今の時期ですから特に大きく問題にしないということをやっていたのですけれども、固定費の配分比率は、今、算定規則を前提にしてやっておりますから、それは手をつけないということで暗黙の前提に今は進んでいるのですが、各配分率は2:1:1法というのでやっているのですけれども、単純にピーク時のウエートで配賦するよりも家庭用料金は不利になりますよね。家庭の最大時というのはピーク時ではないときに来ますので、ピーク時に配賦してもらったほうが家庭のウエートは小さくなって、この2:1:1法だと家庭用の負担が8ぐらいのが、こちらの2:1:1法にすると10になるというふうになっていまして、系統的に家庭用需要家に不利に固定費が配賦されているのですけれども、これが本来どれぐらい合理性があるのか私はよくわからないと思っているのですが、将来的にもうちょっと検討していただけるのでしょうか。それとも、今の時点で割と合理性があるという御意見をお持ちなのですか。
○資源エネルギー庁片岡課長 これは、まさに審議会で結構大きな議論があって、こういう形で決まっていまして、省令がこういう形で決まっていますものですから、それをもとに出してきたものについてもこれで見ているということだと思います。
おっしゃるとおり、家庭のピークは多分夕方ですし、全体のピークは3時とか2時とかに出ていますので、そういう意味では若干ずれがあるのは確かだと思います。
今後、まさに法律が変わっていく中で、経過措置料金と申し上げましたけれども、その規制においてはどういう形で規制していくかというのはまだ議論はあるのだと思います。当然、ある部分では今よりは自由にしないといけないと思いますし、ある部分ではもう少しきつくしないといけない部分もあると思いますので、それについてはまた検討していきたいと思います。
○古城座長 ありがとうございました。
あと、いかがでしょうか。
それでは、ちょっと進みます。最後にまだ残っているのが、新料金体系への移行に向けた情報提供等、資産売却等、その他とありますので、ここまでを含めて議論したいと思います。さかのぼってこれまで取り扱ってきたものを質問するか御議論なさっても構いませんので、よろしくお願いいたします。
○古賀委員 済みません、細かいことでもいいですか。
○古城座長 細かいことでも結構ですよ。古賀委員、どうぞ。
○古賀委員 チェックポイントの御回答の24番のところなのですけれども、2つ目の○のところで、原子力発電電力量を想定しない場合、燃料費・原子力バックエンド費用の合計は、申請原価から440億円程度増加し、改定影響は1.89%程度となり、申請に比べ値上げ幅は4分の1程度増加するという御回答があるのですが、ここを少し詳しく御説明いただけますでしょうか。
○資源エネルギー庁片岡課長 32ページの下から2つ目ですかね。
○古賀委員 はい。
○資源エネルギー庁片岡課長 今、原子力発電所の再稼働を33ページの上のグラフのように、原価上、浜岡3号機と4号機を織り込んでいます。これがもし稼働しないというふうに仮定しますと、当然また火力燃料費等がふえてしまうということになります。その場合、改定率の影響といいますか、今、例えば規制であれば4.95%の値上がり幅だということで申請されていますけれども、これが規制当時より合計だと多分6%ぐらいですかね、プラスして1.89%が上がってしまう。今の申請された数字よりもそのぐらいのより高い値上がり幅になりますよということを言っているということです。
○古城座長 あと、いかがでしょうか。
どうぞ、矢野委員。
○矢野委員 直接査定には関係しなくなるかもしれませんが、事後評価について確認をしておきたいと思います。
経産省のほうで事後評価については、原価算定期間内の3年間に対応するものと、いわゆる終了した後への対応と2つの対応の仕方があると思うのですが、値上げされる側からすれば算定期間内の3年間においても、やはり算定が終わった後、翌年、算出された数値、金額と実績がどうだったかと、この間、値上げに対しては特にその辺の乖離のことが意見として間々出ていたわけですが、その辺のチェックについてはどのように算定期間内においても行われているのか。
実は、経産省のホームページを見ても、部門別というところでは規制部門と自由化部門はあるのですが、私たちが知りたいのは、いわゆる人件費とか費目別に実績等どうであったか。これは電力会社のほうでは少しホームページにもアップされているのですが、行政側からその辺をわかりやすく、算定期間内のものをどういうふうにチェックをし、どういう結果であったということを伝えていただくことがより行政としての役割ではないかなと思うのですが、そのあたりの算定期間内の事後評価についてお知らせください。
○資源エネルギー庁片岡課長 この場でも何度か御議論があったと思うのですが、算定期間が終わった後には部門別収支で一定の客観的な基準を設けていまして、数字的に基準に該当すれば認可申請命令等を発動することも検討するということは明確にしております。
他方で原価算定期間内なのですけれども、出し方はまた工夫して検討したいと思うのですけれども、考え方としましては、算定期間内に余りに原価と実績を一致させようということをぎりぎりと求めてしまうと、逆に効率化の観点からはもったいないことになる可能性もあり得る。例えば、この原価なので本当はもっと安く済むのだけれども、使ってしまったほうがいいのではないかというふうになってもよろしくないと思いますので、一定、やはり効率化のインセンティブということはあったほうがいいのかなというふうに思っています。
ただ、まさに効率化のインセンティブと原価をどれだけ維持していくか、適正性を維持していくかということとのバランスが非常に大事な問題だと思いますので、今、御指摘のあったような公表の仕方も含めて検討していきたいとは思います。
○古城座長 陶山委員、どうぞ。
○陶山委員 公表にも関連しますが、34の質問に対する40ページのところですが、資産売却等についての項です。保有する不動産や子会社等の株式、子会社が所有する資産の売却について積極的に行っているか、その進捗の公表を行っているかということで、ここでも中部電力さんが来られたときに遊休資産の売却について公聴会等でも意見が出ていた芦浜の原発用地は売却しないのかということで御質問を差し上げましたが、それは保有するという方向でお答えをいただきました。その物件も含めて、値上げをしなければいけない状況の中で、合わせて10.3%程度の経営効率化の中で語られているのですが、さらにここら辺はどのように経産省としては見て、査定の部分に加えられていっているのか。
それから、その進捗を公表できているかということは、このお答えの中に読み取れないので、それについても今後どうしていくかということは、今後の情報提供についてを含めて教えていただければと思います。
○資源エネルギー庁片岡課長 進捗の公表はまだこれからだということだと思うのですけれども、こういう形で各電力会社が料金審査の過程でいろいろコミットした、先ほどの競争入札比率もそうかもしれませんし、こういう遊休資産の売却もそうかもしれませんし、そういう効率化のいろいろなコミットメントがあるのだと思うのです。そういうものを例えば事後的に毎年、みずからコミットしたものがどういうふうになされていったのかといったようなことは検証をできるようにしていきたいなというふうに、公表も含めて検証できるようにしていきたいなというふうに思っています。
料金との関係でいいますと、資産のうち、当然、使われていないもの、あるいは使う予定のないものについては料金の原価から除く、つまりレートベースといいますけれども、料金の原価の対象になるような資産からは除くというふうになっていますので、そこは、今、御指摘のあったような話は除かれているのではないかと思います。
○陶山委員 ただ、売却すれば売却益が入ってくるので、バランスシートがよくなるのではないかなというのが、消費者からの御意見ですよね。そこをしてほしいということを言っているのだと思います。
それから、希望として一つ一つ読んでいって、実質的には幾ら減額されたのかというのが非常にわかりにくくなっていますので、取りまとめて一覧的にできるような、この項目においてこれだけ減額して査定はこれだけしたというのが最終的にわかれば非常にいいかなというふうに思います。
○古城座長 白山委員、どうぞ。
○白山委員 今の陶山委員のご意見に関連いたしまして、ちょっと筋がずれるかもしれませんがコメントいたします。平成24年度の会計検査院の国会からの検査要請事項に関する報告で、東京電力株式会社に係る原子力損害の賠償に係る国の支援等の実施状況についてというのが公表されております。その中で、今の資産の売却のところに関するする点でございますが、あれだけいろいろやった東電の電気料金審査であるにもかかわらず、会計検査院の指摘の中で、総合特別事業計画で売却の対象としていない不動産の中に発電所と一体不可分とは言えないことから今後の売却可能性を検討する必要がある不動産が見受けられた、こういうような言葉があります。ここから推測するに、実際上の手続としてはなかなか中部電力に対しては難しいのですが、例えば会計検査院のような第三者が入って検査をしますと、保有不動産のうち遊休不動産等の売却が可能な資産というのはまだまだ幅があるのではないかというふうに考えられます。
したがいまして、これは質問といいますか意見というふうに受けとめていただきたいのですが、消費者委員会からの34番の質問の「積極的に行っているか」という非常に抽象的な表現になっておりますが、やはりここらあたりにつきましては経済産業省のほうでより一層きちんとした積極的な審査の度合いといいますか、本当にぎりぎりまできちんと審査をやっているのかという点につきましては、中部電力の経営上の守秘事項とのバランスの観点を踏まえたうえで、ぜひより有効に効果的にチェックをしていただきたいというのが希望でございます。
○古城座長 今のは御意見ですね。
岩田委員、どうぞ。
○岩田委員 全体的なことでもよろしいでしょうか。
○古城座長 はい。
○岩田委員 今回の査定方針案の特徴をしっかり理解したいと思いますので、全体的に3つお尋ねしたいと思います。
まず1点は、きょうの御説明を伺っておりますと先行事例の積み重なりがあって、その枠の中で御判断されたということだと思いますが、冒頭、片岡課長の御説明の中で、これは先行事例になかったことですというようなことがちらちらあったと思うのですが、ちょっと早口でおっしゃったので、もう一度全体の40項目のポイントへの回答の中でどの部分は先行事例になく今回新たに判断したものかというのを、もう一度おさらいしていただきたいというのが1点です。
2点目は、電力料金審査専門小委員会でこの査定方針案を議論する過程で、特にホットイシューといいましょうか、非常に時間をかけてしっかり議論なさったポイントはどこだったかというのを2点目にお尋ねしたいと思います。
そして3点目は、最終的に今、経済産業省のほうで査定方針案をつくっておられるわけですが、経済産業省として、ちょっと言いにくいかもしれませんけれども、判断が難しかったところ、判断に苦慮されたところというのはどういうところであったかという、この3点について御説明いただきたいと思います。
○資源エネルギー庁片岡課長 網羅的に御説明できるかどうかあれなのですけれども、最初の3ページ以下の人件費のところですけれども、人件費そのものにつきましては役員報酬も従業員のところも基本的に先行他社と同じ。
○岩田委員 同じところはもうよろしいので、先行事例になかったところだけ挙げていただければと思います。
○資源エネルギー庁片岡課長 わかりました。そういう意味では、このチェックポイントの回答の6ページでいいますと、先ほどもおっしゃいました社員の清掃とか賄いとか点検のところです。ここは新しく入っております。
それから、広告宣伝費の中で10ページの一番下のところ、先ほどの施設見学会のところは新しく査定をしています。
それから、11ページの真ん中あたりに「諸費」というところがありますけれども、これはほかにはなかったのでやっていないだけですけれども、「EV・PHVタウン構想に沿って導入した電気自動車」云々かんぬんとありますけれども、こういう附帯サービス的なといいますか、兼業的なものについて査定したのはこれが初めてだと思います。
あとは、19ページのところで水力の査定がありますけれども、3年のやつを10年にしたというのは19ページの下のところにありますけれども、他社はそういうことがなかったので、そういう意味では初めてやっています。
原価にかかわるところでは、ここに御説明している中では以上だと思いますが、細かいことはもっとほかにもあったかもしれません。
それから、専門委員会でも大きな議論があったのは、先ほどの水力発電の3年で見るか、10年で見るかとかというあたりは大きな論点になっておりました。
それから、今回、御質問が特になかったので、経産省としても若干、3つ目の質問ともかぶりますけれども、悩ましかったといいますか、専門委員会の判断が出たわけですけれども、修繕費といって送電線とか古いのを張りかえていくという費用があるのですが、他社に比べると非常にたくさん原価に乗っておりました。もう40年たつとかいうことで張りかえないと供給に支障がある可能性があるという説明だったのですけれども、これについては専門委の判断としては、例えば取りかえがもう少し前からできたのではないか、つまり、料金改定をする前からできた部分があったのではないか、それがちょっと後送りになって、今回の電気料金の改定の中で原価の中にたくさん入っていたというのは、もともとやるべきだったところは除くべきであるという判断があったのですけれども、これは、そういう意味では、説明としてはそれをやらないと供給の支障や安全にかかわる可能性がありますという御説明だったので、そのバランスといいますか、それを判断するのに専門委でも非常に大きな議論になりましたし、なかなか悩ましいところだったと思います。ただ、今回そういうことで先にやっておくべきだったところはカットする、認めないということにしました。
○岩田委員 小委員会での大きい議論のあったところは、その2点だと思えばいいですか。
○資源エネルギー庁片岡課長 そうですね。
○古城座長 井手委員、どうぞ。
○井手座長代理 燃料費のところで少し質問したいのですけれども、チェックポイントですと23ページで、資料の1-2だと32ページですけれども、ここにアメリカの燃料調達にかけてコスト削減努力をしているというフリーポートとかイクシスプロジェクトとか上流権益の取得であるとかKOGASとのLNG共同調達とかという項目が挙げられていますけれども、こういった上流権益を得るための費用とかフリーポートへの参画の費用というのは電気料金から捻出しているのでしょうか。
というのは、昨年末にエネルギー会社が300億円の海外投資で特別損失を出していますよね。あの300億というのは料金から出ているはずですよね。こういうプロジェクトへの参画の費用というのは、今回の料金算定ではどこに費用として計上しているのでしょうか。
○資源エネルギー庁片岡課長 まず、ガス会社だと思いますけれども、300億の特別損失は料金からは出ないです。これはバランスシートの問題で、資産価値がなくなったということなので、特別損失で、要は最後の純損益には響きますけれども、電気料金ではなくて、要は株主が負担したということになっていると思います。
○井手座長代理 それは事後的ですよね。特別損失として資産を売却したり等々で。
○資源エネルギー庁片岡課長 そうです。
○井手座長代理 もともと300億というのはどこから出てきているのですか。
○資源エネルギー庁片岡課長 出資したお金のうちで、そういう資源の獲得でありますとか技術開発にかかわるものというのはレートベースに入ります。要は資産です。レートベースの中に入りますので、そういう意味では料金との関係では全額ではなくて、今回であれば例えば2.9%、つまり資金調達分といいますか、2.9%分だけが電気料金にかかってくるということになります。
ただ、どんな出資でも必ずレートベースに入るかというとそんなことはなくて、これは1件1件厳格に見ているのですけれども、特定投資という名前がついていまして、レートベースの中で規制をしています。1-2をごらんいただきますと、51ページに全体のレートベースの内訳ということで表がありますけれども、これは事業報酬のもとになる資産です。この資産は、大半は一番上の特定固定資産という発電所とか送電線とかそういうものなのですけれども、この中で特定投資というのがあります。この51ページの表でいきますと719億ですけれども、その内訳が57ページになっていまして、例えば石油資源開発とか日本原電とかありますけれども、中部で言えば石炭とかウラン鉱山プロジェクトとありますが、こういう出資金、つまり株式の取得金についてはレートベースに入ってくる。あくまでレートベースですので、これ全額が電気料金に乗ってくるわけではなくて、これに3%を掛けた金額が原価に入ってくるということであります。
したがって、この57ページの表で言えば、719億の投資をしていますが、それに2.9%を掛けまして21億円が全体の料金に入っているということになります。
○古城座長 そうすると、LNGプロジェクトは燃料を確保するための投資だからレートベースというふうに入るのですね。
○資源エネルギー庁片岡課長 今回、この料金上はまだ入っていないというか入れていませんけれども、もしそういう形で出資するようなプロジェクトがあれば入り得るということです。ただ、これは1件1件チェックしていくので、むだな投資というと変ですけれども、直接安定供給に資するものがなければ当然カットされるおそれはあると思います。
○古城座長 そうすると、プロジェクトからの配当とかそういうものは電気事業にかかわる収入になるのですね。
○資源エネルギー庁片岡課長 そういうことです。レートベースからの配当があるものについては、その分減額するというふうにしています。
○井手座長代理 今の特定投資のあれは、ほかの電力会社の場合もそうですけれども、ほとんどが日本原電の増資でこれだけ今回ふえているわけで、プロジェクトに積極的に個別にチェックして、それが妥当かどうかというのは、経済産業省がそれをチェックしているという理解でよろしいのですか。
○資源エネルギー庁片岡課長 料金の査定の過程でチェックをするということなので、当然、料金の申請がなければこういう査定は行わないということになります。あくまで、これも投資したとしても、結局、料金に入るかどうかの原価の査定をしているということであります。
○古城座長 岩田委員、どうぞ。
○岩田委員 先ほど御回答いただいたことについて追加の質問で恐縮なのですが、専門小委員会でも議論になったという2点目の修繕費の関係なのですが、経済産業省も判断に苦慮なさったというコメントもありましたけれども、修繕関係については査定対象期間よりも前にもっと早くやるべきところについては削減したという御説明だったでしょうか。
○資源エネルギー庁片岡課長 はい。
○岩田委員 そうですよね。それとの関連で、人員数の説明をいただいたときに、ずっと人員削減の努力をされていたのが、これでは上がっていく計画になっていて、その理由をお尋ねしたときに、たしか修繕関係の工程がふえるのだという御説明があったように記憶しています。そうすると、その修繕費の関係で、いわゆる物的な費用だけではなくて人件費分についても査定されているのでしょうか。
○資源エネルギー庁片岡課長 そこも議論がありまして、より詳細に見まして、人員数については、これは他社とも比べたのですけれども、今、中部電力は物すごく残業時間が多いのです。なぜそうなっているかというと、こういう修繕にかかっている面があるということでございました。
人員が多少、毎年500人だったと思いますけれどもふえていって、先ほどのとおり、それでもなお全体の生産性といいますか、他の電力会社と比べて人員数は多くないというのがありますし、それによって残業代が減っていく、つまり人数がふえるとその分一人当たりの負担は減りますので、その分が残業代の減ということで原価には反映されているので、人件費については特段、この修繕費のカットとあわせて、その意味では切っていないです。一応そこも関連してチェックをしています。
○古城座長 あと、いかがでしょうか。
古賀委員、どうぞ。
○古賀委員 細かなことで申しわけないのですが、先ほど井手委員がおっしゃったところなのですが、レートベースの中にいろいろな特定投資のものが反映されていくということはわかったのですが、燃料費に関しては運転資本の営業資本貯蔵品というのがあるのですが、そこのところになるのですか、そことは関係ないのですか。
○資源エネルギー庁片岡課長 ちょっと違っていて、運転資本の貯蔵品とかというのは、ある意味で在庫といいますか、一定程度の運転のための設備をつくるための長期的な資金というよりは、短期的に資金繰りを回すための費用に該当する分という理解なのですけれども、ちょっとわかりづらいのですが、ある意味、在庫だと思っていただければいいと思います。要は、燃料についてもタンクにたまっていて、例えば一月分の在庫があって、それが燃えていくわけなのですけれども、その在庫を持っておくためにはお金がかかっているわけです。その在庫を維持するための資金の調達コストという観点でここに運転資本が入っているというふうに思っていただければいいかと思います。燃料費そのものは別途、燃料費そのものの値段としてありますので、これはあくまで資金の調達コストですので、貯蔵品といいますか、在庫を持っておくための資金調達コストだと思っていただければいいと思います。
○古城座長 あと、いかがでしょうか。
○古賀委員 スマートメーターのことなのですが、今回、スマートメーターについての原価算入のところの査定については、基本的には取りかえについてのはがき代だけが減額になったという理解でよろしいのでしょうか。
○資源エネルギー庁片岡課長 関連する費用としてはそういうことです。
○古城座長 あと、大ざっぱな感じですけれども、今、原発がとまっていまして、安全にするためにいろいろな設備投資をしていますし、古い原発を動かしているから修繕費も減価償却費も非常に膨れ上がるのが普通なのですけれども、それを減額して厳しくやっているわけですよね。そうしますと、今、原発が動き出しますと、古い火力発電所はまた休止してもらって修繕費が減る、原発を安全にするためにやっていた減価償却費もかなり減るのではないか、こういう可能性もあるのですけれども、そうすると、電力会社の経営は楽になるし、値下げの原資も出るというふうに楽観的に思うとそうなのですけれども、感じはあれなのですか、これから3年間はそれに集中してほかのことは棚上げにしているから、3年後も棚上げにしていたところにいろいろ手当てしなければいけないから、償却費とか修繕費を減らす余力は出てこないという感じですか。
○資源エネルギー庁片岡課長 まず、原発の再稼働との関係でいいますと、一定程度、各社ともに再稼働を織り込んで算定してしまっていますので、今、それが若干皆さんおくれているという状況なので、稼働したから直ちに下がるかというと、それはわからないという気はします。
それから、おっしゃったいろいろな設備投資については、注力もされていますけれども、先ほどの修繕費もそうですけれども、必要最低限のそういうものはきちんと入っているとは思います。済みません、お答えになっていないと思うのですけれども。
○古城座長 将来像で、今、値上げしているので、原発がとまっているのだから値上げするという、燃料費もたくさんかかっているからと。原発が動いたら燃料費は節減できますから、その分は下げることはできるということになりますし、また、今、古い火力発電所とかをだましだまし動かしているので修繕費なんかがすごくかかっていると思いますが、そういう部分は要らなくなるのだからいろいろ余裕ができて、今は苦しいけれども我慢してくださいねという話で済むのかということなのですね。燃料費のほうは多分すごく好転するということですけれども、修繕費なんかは好転するという感じなのですか、それとも、今、大事なことは繰り延べにしているのだから、あと3年たって原発が動いても先延ばしにしたところを手当てしなければいけないから、余り修繕費は減らないというイメージなのですか、この査定は。
○資源エネルギー庁高橋部長 一般論ということになりますが、例えば資料1-1で、きょう、左下に中部電力の申請概要があるのですけれども、まず、各社これまで値上げをさせていただいておりますけれども、ある程度の原子力発電所の稼働を前提としているということですので、それが想定どおり稼働すれば、当初想定している原価に着地するということですけれども、それが今、不透明な状況になっているということです。
例えば、今回の中部でおりますと燃料費が1兆2,400億で、前回の値下げの改定の想定から比べると5,000億ぐらい燃料費がふえているという状況です。一方で減価償却費は2,600億ということですので、そういう意味では、もちろん燃料費は減ってくるのですけれども、償却費のほうが桁がまだ小さいので、燃料費の効き方のほうが大きく出てくるのではないかというふうに想定されます。
○古城座長 念のためですが、料金査定期間は3年だから、3年でつじつまを合わせることになっているのでしょう。原発が動くと、次の3年はかなりバラ色になるわけですね、燃料費が非常に減る。
○資源エネルギー庁片岡課長 そういうことですね。
○古城座長 あと、いかがでしょうか。ほかにございませんか。
それでは、長い間どうもありがとうございました。経済産業省資源エネルギー庁の皆様につきましては、長時間にわたって詳細な説明をいただきましてありがとうございました。ここで御退席いただきます。
(資源エネルギー庁関係者 退室)
○古城座長 本日の議論を踏まえ、次回の家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会において、中部電力株式会社の供給約款変更認可申請に係る査定方針案に対する調査会としての意見の取りまとめを行います。
≪5.閉会≫
○古城座長 今後の進め方について、消費者委員会事務局から御説明をお願いいたします。
○大貫参事官 これまでの議論及び各電力会社の査定の経験を踏まえまして、今週金曜日ですけれども、4月4日、第15回の家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会を開催しまして、ここで当調査会としての意見を取りまとめたいと思っております。そして、当該意見について、翌週4月8日(火曜日)に消費者委員会の本会議に提案して承認いただくことができれば、即日、消費者委員会の意見として消費者庁に伝達し、これをもとに消費者庁において経済産業省との折衝を行う、このようなスケジュールで進めたいと思っております。
○古城座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。
委員の皆様、これまでありがとうございました。この場にはおられませんが、審議に協力していただいた資源エネルギー庁、中部電力の方々、また、名古屋で御意見をいただいた消費者団体の皆様方にもこの場をかりてお礼申し上げます。
お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございました。
それでは、議論は以上といたします。
事務局から連絡事項などはございますか。
○大貫参事官 本日は、熱心な御議論をどうもありがとうございました。
調査会の委員の皆様へのお願いなのですが、これから打ち合わせを行いたいと思いますので、隣の委員室のほうに御移動をお願いいたします。
どうもありがとうございました。
(以上)