第17回 食品表示部会 議事録

日時

2012年3月28日(水)10:00~12:15

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 田島部会長、夏目部会長代理、青柳委員、阿南委員、鬼武委員、春日委員、
 川戸委員、栗山委員、迫委員、澁谷委員、立石委員、手島委員、中下委員、
 森( 修三) 委員、山浦委員、山根委員
【説明者】
 消費者庁  神宮司審議官、増田食品表示課長、谷口課長補佐、中村課長補佐、
今川課長補佐
【消費者委員会事務局】
 消費者委員会  原事務局長、小田審議官

議事次第

1.開会
2.食品表示府令(平成23年内閣府令第45号)の一部改正案(乳児用食品に係る表示基準)に関するパブリックコメント等の募集結果について
3.玄米及び精米品質表示基準の見直しの論点整理について
4.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第 (PDF形式:70KB)
【資料1】 乳児用食品に係る表示基準(案)について (PDF形式:22KB)
【資料2】 乳児用食品の表示基準に係るパブリックコメントの結果について (PDF形式:398KB)
【資料3】 玄米及び精米品質表示基準の見直しの論点整理について (PDF形式:201KB)
【参考資料1-1】 諮問書 (PDF形式:481KB)
【参考資料1-2】 食品衛生法第十九条第一項の規定に基づく表示の基準に関する内閣府令(平成二十三年内閣府令第四十五号)一部改正(案) 新旧対照表 (PDF形式:45KB)
【参考資料1-3】 食品衛生法第十九条第一項の規定に基づく乳及び乳製品並びにこれらを主要原料とする食品の表示の基準に関する内閣府令(平成二十三年内閣府令第四十六号)一部改正(案) 新旧対照表 (PDF形式:45KB)
【参考資料2】 乳児用食品に係る表示基準の設定に関する御意見募集 (PDF形式:782KB)
【参考資料3】 食品中の放射性物質の規格基準の設定に係る官報告示 (PDF形式:516KB)
【参考資料4】 食品中の放射性物質の規格基準の設定に係る施行通知 (PDF形式:214KB)
【参考資料5-1】 食品中の放射性物質の試験法について (PDF形式:509KB)
【参考資料5-2】 食品中の放射性物質の試験法の取扱いについて (PDF形式:216KB)
【参考資料6-1】 食品衛生法第19条第1項の規定に基づく表示の基準に関する内閣府令 (PDF形式:60KB)
【参考資料6-2】 食品衛生法第19条第1項の規定に基づく乳及び乳製品並びにこれらを主要原料とする食品の表示の基準に関する内閣府令 (PDF形式:45KB)
【参考資料7】 ふるい下米とは (PDF形式:119KB)
【参考資料8】 平成17年産米農産物検査のDNA分析による品種判別調査結果について (PDF形式:139KB)
【参考資料9】 DNA品種判別検査の料金について (PDF形式:22KB)
【参考資料10】 食品表示一元化検討会の概要 (PDF形式:213KB)

≪1.開会≫

○原事務局長 おはようございます。時間になりましたので、始めさせていただきたいと思います。
 まだお見えになっていない委員がいらっしゃいますけれども、少し遅れるという御連絡が入ってきていますので、始めさせていただきたいと思います。
 ただいまから、「消費者委員会食品表示部会」第17回会合を開催いたします。
 本日は、阿久澤委員、海老澤委員、森康益委員から、所用により御欠席との御連絡をいただいておりますけれども、過半数に達しておりますので、本日の部会は成立しております。
 続いて、配付資料の確認をさせていただきます。
 今、議事次第と書かれた後ろに配付資料の一覧を載せておりますけれども、資料1といたしまして、「乳児用食品に係る表示基準(案)について」。
 資料2といたしまして、「乳児用食品の表示基準に係るパブリックコメントの結果について」。
 資料3といたしまして、「玄米及び精米品質表示基準の見直しの論点整理について」。
 参考資料は、一覧を載せておりますけれども、随時、審議の途中で参考にさせていただければと思います。
 追加の資料といたしまして、席上に、「砕粒とは」という図をつけたものですけれども、これも提供しております。
 資料の不足がございましたら、審議の途中でもお申し出いただければと思います。
 それでは、田島部会長、どうぞよろしくお願いいたします。

○田島部会長 本日は、消費者委員会事務局から原事務局長、小田審議官、消費者庁からも、神宮司審議官、増田食品表示課長に御出席いただいております。
 なお、本日の会議につきましては公開で行います。議事録についても、後日、公開することにいたします。
 それでは、本日の議題に入ります。
 本日は、「食品表示府令(平成23年内閣府令第45号)の一部改正案(乳児用食品に係る表示基準)に関するパブリックコメント等の募集結果について」、「玄米及び精米品質表示基準の見直しの論点整理について」を議題として取り上げます。また、その他として、「食品表示一元化検討会」の中間論点整理について、御報告いただきます。
 それでは、議事次第の第2、食品表示府令(平成23年内閣府令第45号)の一部改正案(乳児用食品に係る表示基準)に関するパブリックコメント等の募集結果について、議論に入りたいと思います。
 まず、消費者庁から御説明をお願いいたします。

≪2.食品表示府令(平成23年内閣府令第45号)の一部改正案(乳児用食品に係る表示基準)に関するパブリックコメント等の募集結果について≫

○増田食品表示課長 食品表示課の増田でございます。おはようございます。
 乳児用食品の表示基準の関係ですが、前々回の部会で表示基準について御審議いただき、パブリックコメントを行ったところでございます。詳細等は担当から説明させますが、概要として、パブリックコメントの概要と、もう一つ、乳児用食品の範囲について、ある程度厚労省の方から明らかになったものをいただいておりますので、それを踏まえて、省略できる規定で省略させる範囲を少し見直しております。
 詳細は、担当から御説明いたします。

○今川課長補佐 それでは、資料1と資料2でございます。
 まず、資料2のパブリックコメントの方から簡単に御説明申し上げたいと思います。申し遅れました、私、食品表示課の今川と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 資料2、パブリックコメントの結果でございますけれども、1ページ目、結果の概要といたしましては計69通でございました。一つの御意見で複数の部分にわたって御意見をされている方も当然いらっしゃいますので、延べとしては132件でございます。
 132件につきまして、それぞれ大まかな項目ごとに分けてございます。1ページの真ん中より下に項目1から6までございます。
 ごく簡単に申し上げますと、1番は、乳児用食品の規格基準が適用される食品に対する表示に関する全般的な御意見。これは、「乳児用規格適用」と表示するに当たっての御意見でございます。これが11件です。省略規定に関する御意見が13件、紛らわしい表示の禁止に関する御意見が7件、経過措置に関する御意見が5件でございます。この1~4までが、今回の乳児用食品の表示基準に係る直接的な部分の御意見になるかと思います。1~4番は、また後ほど御説明申し上げます。
 5番は、乳児用食品の定義や対象範囲に関する御意見です。この定義や対象範囲につきましては、一義的には厚生労働省の話かもしれませんけれども、定義や対象範囲につきましても、それを表示するという観点では消費者庁ということだと思いますので、消費者庁も関連しているということで5番という項目をつけてございます。主な御意見としては、定義をできるだけ明確に、あるいはQ&Aなどでも、どんどん明確にしていっていただきたいという御意見でございます。
 6番、その他の御意見として82件いただいてございます。これが、全体132件のうちの6割ぐらいになろうかと思いますけれども、主に6パターンに場合分けしてございます。1つは、乳児用食品に係る表示以外の表示に関する御意見が24件ございます。これは主に、例えばベクレル表示もしていってもらいたいといった御意見になります。
 次に、放射性物質の基準値や検査体制等に関する御意見、これが半数ぐらい、43件ございました。ちょうど時期的に文科省の放射線審議会の時期とも重なったこともあるのかもしれませんけれども、基準値については、これ以上緩和という方向では行かないで、できるだけ厳しく、厳しくという方向で行って欲しいといった御意見になります。
 次に、生産・流通規制、賠償、補償に関する御意見。これは、政府は安全なものをできるだけ生産・流通して、補償もしていくべきではないかといった御意見になります。
 次に、放射性物質の規制に関するその他の御意見。これは、例えばがれき処理のお話ですとか、そういった御意見になります。
 次に、国の情報提供に関する御意見は4件いただいていますけれども、国は、誤解のないように正確な情報を国民に提供すべきではないかといった御意見になります。
 最後、乳児用食品の規格基準に関する御意見を1件いただいています。数値の規制だけではなくて、乳児用の食品に対する、そのかたさの規定とかそういうものを含めて乳児用の食品の規格をつくるべきではないかといった御意見でございます。
 それでは、はじめに戻りまして1番から4番に関しまして御説明申し上げたいと思います。
 まず、2ページ、3ページ目と、乳児用食品の規格基準が適用される食品に対する表示に関する全般的な御意見ということでいただいております。主に、食品には乳児用の規格が適用される食品で、乳児用規格適用食品という言葉、その言葉についての御意見ですけれども、食品の容器包装のわかりやすい場所に誰もが見てわかるように表示してもらいたいといった御意見。あるいは、表示するパターンとして「本品は乳児用食品の規格基準が適用される食品です。」又は「乳児用規格適用食品」又は「乳児用規格適用」のどれかの表示が必要というが、3つもあると、なかなかわかりづらいので、一つに統一すべきではないかといった御意見が主なものでございます。
 それに対しまして、できるだけわかりやすいように心がけてまいりますということと、表示の面積などの関係もございますので、必ずしも文言は一つに縛らずに、それがわかるものであれば、乳児用規格適用といった言葉でも問題ないのではないかと考えていますという御回答を差し上げているところでございます。
 次に、省略規定に関する御意見が5ページ、6ページ目でございます。反対・賛成御意見ございます。反対意見が多うございます。主な反対意見としては、省略規定があると、消費者はどれが省略規定なのかというのが選びづらい。記載するのであれば、やはり乳児用規格適用というのが必要な表示として決まるのであれば、やはりそれを記載すべきであり、省略規定は設けるべきではないのではないかといった御意見でございます。
 それに関しましての回答ですけれども、パブリックコメントの前は、1番から4番まで省略規定を設ける予定にして意見を募集していたところでございます。1番目としては、「(特別用途食品の)乳児用調整粉乳」、いわゆる粉ミルクになります。2番目は「○ケ月齢から」という表示。3番目は「ベビーフード」との表示、4番目は「その他、乳児向けというのが判別できる表示が付されている食品」。例えばフォローアップミルクなり、特別用途食品のアレルゲン除去食品や無乳糖食品が該当しますが、これは実質的には全部粉ミルクになりますが、そういったものが省略規定に適用できるのではないかというふうに考えていたところでございます。
 その後、厚生労働省で、「乳児」は1歳未満ということが明確に通知でも示されたところでございます。したがいまして、1歳未満というのがわかることが大前提になろうかと思われます。そうした中で、できるだけ省略規定はない方がいいというパブリックコメントでの御意見も踏まえますと、やはり少しでも絞れるものがあれば絞るという観点かなというふうに考えてございます。
 そうした中で、1歳未満というのがはっきりわかるものというと、御説明申し上げた中では1番と2番と4番になろうかと考えております。1番と4番につきましては、現在、実質的にはすべて粉ミルクです。ですから、基本的には見た目で、粉ミルクということで乳児に適用することは明らかに判別が可能ということ。もう一つ、月齢が、1歳未満ということであれば、「7か月から」と書いてあれば、当然、「1歳未満」であることが明らかにわかるというふうに考えております。
 一方で、ベビーフードにつきましては、範囲が広うございます。1歳未満だけでなく、1歳半、あるいはもう少し先の部分もあろうかと思いますけれども、そうした中で、例えば14か月から対象にしていたベビーフードなども場合によってはあろうかと思います。そういった場合、1歳未満というのは必ずしも含まれてこないことになりますので、ベビーフードという言葉、表示が付されているだけでは、この省略規定に直ちに適用させるのは難しいのではないかということで、「1歳未満」という年齢規定がはっきりしたことと、パブリックコメントの御意見なども踏まえまして、ベビーフードは除くべきというふうに考えてございます。
 したがって、3パターン、粉ミルクと月齢ということに整理させていただくと、実質2パターンということで現在考えております。
 続きまして、8ページ、9ページ目で、紛らわしい表示の禁止に関する御意見でございます。これは、どういったものが紛らわしい表示に当たるのかというのを明確にしてくださいという御意見です。例えばベビーチーズ、「ベビー」という言葉が入ったらだめなのか、赤ちゃんというのがだめなのかということでございます。
 回答の例示としては、例えばベビーチーズと書いてあるだけで、直ちにそれが紛らわしいということではないというふうに考えております。先ほども御説明申し上げましたけれども、年齢規定、「7か月から」とかを省略規定にするということでもございますので、ベビーフードと書いただけでは、それだけで紛らわしい表示に当たるということではございません。年齢規定で、例えば14か月からのベビーフードというのもあろうかと思いますので、「14か月から」と書いてあれば、それは1歳未満ではないというふうに判断できると考えております。
 ただ、具体的にはどういったものが紛らわしい表示に当たるのかということは、Q&Aで一つひとつ明確にしていきたいと考えてございます。
 10ページ目でございますけれども、経過措置に関する御意見でございます。多くの御意見としましては、包装材の関係があるので、できる限り、例えば1年間とか設けてもらいたい。御意見によっては2年間というのもございます。そういった御意見も踏まえまして、あるいは現場なども確認してまいりましたけれども、包装材、これは一度に多く数か月分、1年分と包装材の印刷をしてしまう実態からも、今回は1年間と考えてございます。なお、こういった放射性物質という状況を考えますと、1年間以上とるのは適切ではないのではないかと考えて、そういったことからも今回は1年間とすることが適切ではないかというふうに考えてございます。
 11ページ目以降は、冒頭で若干御説明申し上げたようなことでございますので、省略させていただきたいと思います。
 以上が、パブリックコメントの結果及び概要の回答でございます。WTO通報につきましては、0件でございました。
 こういったことを踏まえまして、次に、資料1、「乳児用食品に係る表示基準(案)について」でございます。
 背景としましては、御存じのとおりでございます。
 2番目、「乳児用食品」の対象範囲でございますけれども、厚生労働省で3月15日に施行通知が発出されまして、その中では乳児用食品の範囲は、「児童福祉法等に準じて『1歳未満』をその範囲の対象とする」、それから、「一般消費者がその表示内容等により乳児(1歳未満)向けの食品であると認識する可能性が高いものとする」ということでございます。
 一般消費者がその表示内容等により乳児(1歳未満)向けの食品であると認識する可能性の高いものにつきましては、その判断に当たりまして、パッケージの表示内容や広告媒体の標榜内容、製品の意匠や仕様、製品の説明書、店頭での掲示や販売方法、そういったものも総合的にとらえて考慮されるべきと考えてございます。
 具体的には、乳児用という許可を受けている特別用途食品の乳児用調整粉乳、乳児の飲食に供することを目的として販売するものとして、ごく簡単な例示ではございますけれども、それぞれ、乳児(1歳未満)を対象とした調整粉乳、フォローアップミルクなど、ベビーフード、菓子や飲料、それらに当てはまらない、ただし1歳未満を想定している飲食物が対象になろうかと思います。従いまして、販売する形態、販売者側が1歳未満を対象にしているかどうかということが基本になろうかとは思いますけれども、ただ、販売者側の意図がはっきりしない場合もあろうかと思います。そういった場合、消費者がそれを見てどう思うか。基本は販売者側ですけれども、販売者側だけの視点ではなく、消費者側からも、ごくごく一般的な社会的常識に照らして1歳未満に当たるかどうかということも考慮に入れていくということで考えてございます。
 3番の実際の表示基準(案)でございます。主に3つの規定、(1)としては、「乳児用食品の規格基準が適用される食品には、その旨を表示することとする」ということで、具体的には3つございます。「本品は(食品衛生法に基づく)乳児用食品の規格基準が適用される食品です」、それを単純に短縮したものとして「乳児用規格適用食品」、食品ということが明らかにわかりますので、「乳児用規格適用」という3つを考えてございます。
 乳児用食品の規格基準が適用される食品にはこの3つのどれかを表示していただくことになろうかと思いますけれども、(2)として省略規定でございますが、先ほど御説明いたしましたように、ベビーフードを除く3つ、乳児用調整粉乳、それから「○ケ月齢から」というものと、さらに、明らかに乳児と判別できる粉ミルクの関係、そういったものを省略規定の適用食品にしたいと考えております。
 (3)は、紛らわしい表示の禁止規定でございますけれども、「乳児用規格適用食品以外の食品には、乳児用規格適用食品である旨の表示を付し、又はこれと紛らわしい表示を付してはならない」ということで考えてございます。
 ただ、先ほども御説明申し上げましたとおり、単純にベビーチーズと書いたから直ちに当たるということではないと考えております。
 4番目として、経過措置でございますけれども、先ほど御説明申し上げましたとおり、パブリックコメントの結果なども踏まえますと、1年間が適当ではないかと考えているところでございます。
 5番、今後の主なスケジュールでございますけれども、本日、3月28日、この食品表示部会により御審議いただいているところでございます。今回、御審議をいただきまして、もし御了承をいただけた場合ではございますけれども、その場合には官報の掲示の手続に入っていくということで、それらをすべて完了するのは最短でも4月中ですけれども、なるべく4月中に公布、施行できるように作業していきたいと考えております。
 私からは以上でございます。

○田島部会長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明で、本日、新しく御提案するものは、ベビーフードを省略規定の中から除いたということで、4ページに書いてありますマル1、マル2、マル3だけにとどめたということ。あとは、前回に御対応のものと変わらないものと認識しております。
 では、御意見をよろしくお願いいたします。
 山浦委員。

○山浦委員 資料2の10ページ、経過措置のところですけれども、施行後1年ということが記載されておりますけれども、私はこれは長いと思います。やはり乳児においてはその影響が非常に心配されるところですので、ほかの食品などにおいても、1年ではなく、この秋からとか、そういったものもあるわけでして、やはりここはもう一度再考する必要があるのではないか。できるだけ経過措置は短く、あるいは、ない方がいいというようなことも考えておりますけれども、そういった措置をとる必要があるのではないかと思います。500ベクレルが50になる、あるいは200が10になるということですけれども、高いままのものが市場に出回ってしまっているということは、施策としてもまずいのではないかというふうに思います。
 そして、それに加えて考えられる対応としては、新基準に基づく商品がこれである、ということが消費者にすぐわかるような、そういったことも是非検討した方がいいのではないかと思います。

○田島部会長 経過措置でございますが、1年間では長いのではないか。半年とかそのぐらいのものにすべきであるということと、新基準が適用された食品については、新基準によるものですというふうに併記すること、そういった御意見でございます。
 ほかの委員の方はどうですか。
 中下委員、どうぞ。

○中下委員 省略表示ですけれども、少し変えられた部分、ベビーフードなどは外されたということですが、やはり消費者にとっては紛らわしいのではないかと思うのです。乳児用規格適用ということだけ全部表示させれば、今の山浦委員の御懸念も、新基準を適用するということも、表示の中にみんな含まれてくるかと思いますので、省略規定をどうしても設ける必要があるのでしょうか。特に、形態として粉ミルクのものはいいかなと私も思いますけれども、その他の月齢何か月くらいからというものは、お菓子だとか、一般的な食品と類似のものも形態として含まれてしまいますので、それは外した方がいいのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。そもそも、なぜこの省略規定を設けなければいけないのかというのも、いま一つ理解していないものですから、併せてそこも御説明いただければと思います。

○田島部会長 今の中下委員の御発言ですと、乳児用規格適用という表示があれば、それは新基準に従っているものということで自明であるといったお話でございますね。先ほどの山浦委員の、経過措置1年間は長すぎるということと、中下委員の御発言の、省略規定は廃止して、すべて乳児用規格適用と表示すべきであると。この2つの御意見につきまして、ほかの委員からの御発言はございますでしょうか。
 森委員、どうぞ。

○森(修三)委員 経過措置について、先ほど山浦委員から御意見がございましたが、事業者サイドとして見てみますと、本日の部会でいろいろ議論がされて、それが実際に告示されて、それから必要であれば表示のところを直していくという作業が実際に発生します。その際には、今回のパブコメの結果(資料2)の中で、先ほども御紹介ございましたが、その中にも、実際の表示を変えるという作業は、基本的にデザイン等の見直しをしまして、それで印刷に入る。それだけではないのです。その後、流通の事業者の皆さんに、今までの商品はこういうふうに変わりますという通知、その他、もろもろのことをやっていきますと、これは結構な時間がかかるものなのです。
 最近では、昨年の震災の直後に、被災地だけではなくて、国内に向けて、事業者は食品を安定的に供給することに努めたわけでございますが、そのときにも、印刷あるいは改版をするということが包材を含めて不足しておりまして、非常に苦労したことがございます。現在は、包材が不足するという事態はないのだろうとは思っておりますけれども、今回お示しいただいた経過措置の案は妥当なものであると。少なくともこのくらいの期間はとっていただかないと、事業者としても、できるだけ努力はいたしますが、それを超えて短くするというのは、やはり混乱を来すのではないかというふうに考えております。

○田島部会長 ありがとうございました。
 迫委員、どうぞ。

○迫委員 参考資料3、官報の2ページですけれども、厚生労働省の告示の中で、食品衛生法の規格基準については「24年4月1日から適用する」となってございます。ということで、放射性物質の基準については24年の4月1日から適用されるもの。ただし、それを表示に反映するためにさまざまな作業が必要であることから、経過措置の期間を設けるということでございますので、4月1日以降に不適格なものが流通するということではまずあり得ない。そして、その表示を事業者ができる範囲で適正に変更していく、その最終期限が1年ということでございますので、この経過期間というのは一定程度設ける必要があるということで、1年は適正であろうと思います。

○田島部会長 ありがとうございました。表示についての経過措置であって、基準そのものの経過措置ではないということの御説明でした。
 鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 鬼武です。遅れて来て申し訳ありませんでした。
 経過措置の件について、今、数名の委員の方からの御意見がありました。私も、経過措置は1年が妥当であると考えています。その理由は、新基準値そのものも4月1日から適用されますけれども、たしか準備期間が必要な食品2つぐらい除外されていたと思います。

○田島部会長 大豆と米と牛肉ですね。

○鬼武委員 あったと思いますので、それも含めると、やはり経過措置期間が必要であり、直ちに表示するというよりも、移行期間があって然るべきだというふうに考えております。

○田島部会長 青柳委員。

○青柳委員 先ほどの省略規定のお話で、この法律の趣旨が書いてありますけれども、消費者がわかるかどうかということが大きな趣旨だというふうに思います。そういった意味でいくと、粉ミルクと月齢表示というのは、私は十分わかるというふうに思いますので、あえてダブルで書く必要はない。それを義務化する必要はないというふうに思います。

○田島部会長 ありがとうございました。
 山根委員。

○山根委員 省略規定のことですけれども、私が心配するのは、これは省略してもよいという決まりですので、するところとしないところが出てくるだろうと。当然、できる力のあるところは、これはこういう基準値の中ですから安心です、というふうな言葉をつけて売ると思います。そうすると、同じものでも、それがあるものとないものとあって、消費者は混乱するというか、ある方が安心のように思ったりかえって心配だったり、そういうことが起きるのではないか。それがちょっと心配なのですが、その辺りは消費者庁の方はどうお考えでしょうか。

○田島部会長 山浦委員、どうぞ。

○山浦委員 経過措置ですけれども、今、いろいろ御意見をいただいたところによると、4月1日から新しい規格で商品をつくることになるということなので、表示についての経過措置であるということなのでしょうか。実際に市場に出回るもので、高い値のものが出ることはないと理解してよろしいのでしょうか。そういったことがもしあった場合には、これは違法な状況というふうになるのかどうか。経過措置がとられるということは、そこをどういうふうに理解したらいいのでしょうか。

○田島部会長 厚生労働省で策定する新しい基準値は4月1日から施行で、それは厚生労働省の食品衛生法に基づく規格基準ですので、罰則規定もあります。基準を超えたものを流通させたならば、当然、回収命令など下されるというふうに理解しております。
 それでは、今までのところの御意見をまとめて、消費者庁の方でどういうふうに見解をお持ちか。

○増田食品表示課長 まず、経過措置の関係ですけれども、私どもの考えは、迫委員から御発言があったとおり、放射性物質の基準値そのものの規制の在り方は厚労省の規格基準の中で決まっていて、勿論、その中には所要の経過措置はありますけれども、その中で中身は決まる。新しい基準値で製造・流通させなければいけない部分は、その中で担保されていく。本件で経過措置を議論していただきたいのは、そのもとで、表示についてどの程度の期間が必要で表示させられるかということですので、表示がないと、規格基準については旧基準だということではないことは理解いただきたいと思います。あくまで表示だけの問題だということでございます。
 もう一つ、省略規定の関係については、パブリックコメントでもいろいろ御意見をいただきました。私どもとしては、粉ミルクとか、月齢が書いてあるものは、省略できるという規定によって書いてないものがあるということを広く周知することは、非常に大事だと思っております。一方で、今回の表示をさせる趣旨、青柳委員からも御説明をいただきましたけれども、まさに消費者に識別してもらうために表示をするというところから出ておりますので、識別できるものについて、義務をかけて表示をさせることは、ちょっとやり方としてはちゅうちょがあり、そこは省略できるという形で、あとは事業者にいわば任意の方でつけていただくというのが、制度としては妥当なのかなというふうに思っております。

○田島部会長 ということで、消費者庁としては原案どおりで御提案したいということでございます。
 阿南委員、どうぞ。

○阿南委員 今の経過措置のところですけれども、消費者庁の資料1の4ページ、4番の表現が紛らわしいのです。「現在の暫定規制値に適合する食品でも」とありますけれども、新基準値は4月1日から施行されますので、これに適合していなければ違反になるわけです。ですので、ここの表現を正確にして、そして、表示については1年間の経過措置をとりますというふうに言わないと、誤解を生みますし、わけがわからなくなると思います。

○田島部会長 確かにそうですね。4の表現は少し紛らわしいような感じがいたしますが、消費者庁。

○増田食品表示課長 大変申し訳ございません。ここは書き直します。

○田島部会長 鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 最初の方に説明があったかもしれないのですが、私は今回の案を出された消費者庁の提案文書は、前回の食品表示部会での資料の内容と大幅に違うという理解をしています。前回の1月18日の資料では、私は何度も乳児・幼児についてお尋ねしたのですけれども、乳児ですか、乳幼児ですかということになると、「乳幼児用」ということがあちらこちらの資料に散見されます。それに対して、消費者庁はそのままの形でパブリックコメントを聞いているわけです。消費者なり事業者団体などの関係者は乳幼児の範囲で聞かれていることで意見を出したのではないでしょうか。しかし、消費者庁は今回の適用範囲は乳児に絞りましたということで、要するに順番が逆ではないかと思うのです。前回は乳幼児ということを言っていますので、変えた理由をもう一回説明してください。厚労省に合わせたということだけですか。それとも、もっとほかの理由があるのですか。まず、その前提のところをもう一度正確に聞きたいと思います。

○田島部会長 消費者庁、よろしくお願いします。

○今川課長補佐 これは単純に、前回までは年齢規定などがまだはっきりしなかった中で、例えばベビーフードなどは1歳未満、1歳半ぐらいまで入ってくるものです。そうした中では、そういった食品も対象になってきますという趣旨で、乳児用ということではなくて、乳幼児用として販売されるような食品でも乳児というカテゴリーが少しでも入るので、そういった食品は今度の規定の対象になってまいりますという趣旨でございます。今回は、厚生労働省も1歳未満ということをはっきり示しておりますので、確実に対象となる部分としては、1歳未満を対象にした部分ですということでお示ししているものでございます。
 従いまして、例えば1歳半まで対象にしているものがあっても、それは1歳未満のものも対象になるということで、当然入ってくる。そういう意味では、今も乳幼児用食品として販売される食品があっても、それは1歳未満も対象になりますので、それも入る。そういう意味では乳幼児用食品は入ってくる。ただ、規定がかかるのは、やはり1歳未満ということを規定として考えていますということでございます。

○鬼武委員 よくわからないのですけれども、そうすると、だぶるのではないですか。今回の規定は、乳児の範囲でするのでしょう。表示もそれですね。それだと、乳幼児の範囲もかかるのですか。今の説明だと、かかりますという前回と同じ説明ですね。乳児ではないのですか。1歳未満の摂る食品ではないのですか。もっぱら1歳未満だけではないんですか。そこがはっきりしないと事業者・製造者は困るのではないですか。今回は、1歳未満という規定を設けてそれでやると言っているのではないですか。乳幼児も表示の対象になりますか。

○今川課長補佐 1歳以上は対象になりません。

○鬼武委員 ならないですね。

○増田食品表示課長 確かに前回のときは、月齢が必ずしも明確になっていない中でお話をさせていただき、ここでお見せした厚生労働省で出された資料にもいろいろな書き方をしていたということがあって、そういう点で混乱があったことは大変申し訳ないと思っています。その後、現段階では、1歳未満のものを主として対象としていると、これは厚生労働省の通知等で明らかになっております。
 このときに何が対象になるかというのは、もっぱら1歳未満ではない。例えば「6か月から2歳まで」と書いてあるのは対象です。1歳未満が明示的に入っていることが書いてあるので。つまり、6か月から1歳までというわけではない。ただ、1歳から2歳までは対象ではない。そういう意味で、乳幼児用という言葉はその辺は不明確。乳児または幼児なので、ちょっと不明確です。これはどちらかというと規格基準が適用される範囲の話ですけれども、6か月以上2歳未満であれば、入る。勿論6か月以上、1歳未満も入りますけれども、1歳以上2歳未満みたいな形のものは入らないというのが、この基準値の適用の考え方です。それを、乳児用とか乳幼児用という言葉だけ当てはめると、むしろ混乱するので、少なくとも適用の考え方についてははっきり月齢で考えた方がわかりやすいのかもしれません。

○田島部会長 鬼武委員。

○鬼武委員 前回もこの点は申し上げたのですけれども、例えば国際的には、コーデックスでも海外でも、乳児は1歳未満という規定はあります。日本はこの前の話だと、児童福祉法かその他法律2つでは1歳未満と定義されているけれど、食品衛生法では規定はないということでした。それだったら私が思うのは、食品衛生法でも乳児とは1歳未満を指しますと、まず定義をしないといけないと思います。その上で、今回の表示規制の範囲でおっしゃっている幼児というのが、適用範囲であることを明確にすべき。もし対象の範囲が幼児までを含むのであれば、幼児というのは例えば1歳から3歳であると範囲を示すべきです。海外ではヤングチルドレンと言っていますけれども、そういうものを対象にするのだったら、まず、月齢で規定できるのであれば規定すること。その説明をするなり、表示の規定がここまで及ぶか、及ばないかということをQ&Aか何かで出さないと、今の説明だと、どの範囲に入るかというのが明確ではなく、事業者・製造者は混乱してわからないのではないですか。わかると思いますか。表示の対象の範囲が。私にはわからないです。

○増田食品表示課長 資料1の2のところに、「乳児用食品の対象範囲」というのを説明させていただいていて、現時点で、厚生労働省から今回の基準値にかかる通知が出されていて、その中で、「法に基づく規格基準において規定された『乳児用食品』の対象となる『乳児』の年齢については、児童福祉法等に準じて『1歳未満』をその対象とすること」ということで、まず1歳未満ということが今回、通知で明らかにされている。これに関するQ&Aは厚生労働省で作成中ということで、厚生労働省から聞く範囲では今月中に明らかになるということです。そういった意味で、規格基準の対象が1歳未満だというのは通知で示されているという状況です。

○田島部会長 中下委員。

○中下委員 今のお話と省略規定のところと関連するかなと思いますけれども、事業者の方も混乱してわからないようなものを、消費者が一々、乳児は何歳ですということを知っている人もそんなにたくさんおいでにならないと思いますし、ベビーフードというのは、6か月から1歳半とかそういう形で売っているものですから、これが果たして適用になる食品かどうかというのは、「6か月から」というのが入っているだけで、わかる人というのはここの委員会の先生ぐらいではないかと思います。そこは混乱を招かないように、そのために義務づけるわけですから、省略規定というのはもういっぺん考え直していただいた方がいいのではないかというふうに、今のお話を聞いていても思いました。

○田島部会長 森委員。

○森(修三)委員 先ほどからのお話の中で、乳児の定義、これが厚生労働省から1歳未満ということで示されたことは、当初の表示基準案のパブコメがかかった段階に比べると、定義がなかった段階から比べると、はっきりしてきたなというふうに思っております。
 ただ、乳児用食品のそもそもの定義というか、新しい区分が今まで全くなかったわけです。そういった中で新たに始まるという制度になりますので、かなり丁寧な御説明、Q&Aの作成等をいただいて、パブコメの御回答の中に示されていましたけれども、事業者だけではなく、消費者の皆さんも含めて十分な説明をしていただきたい。今後の表示のこともいろいろ考えますと、今までなかったものをやるのはかなり力の要る仕事になると思っております。是非そのことに関しましては、当然、お考えになっていただいていると思いますけれども、十分な御説明、御回答を含めて、できるだけ早く、Q&Aにおいて、消費者庁の今のお考えを、文章にしていただくなどしていただいて、事業者にも十分説明をしていただきたい。
 乳児は1歳未満ということが定義ではっきりしましたけれども、幼児も含めてという話になってくると、その線引きの考え方が、当初のパブコメのところではまだはっきりしていなかった。今回、やっといくらか出てきたわけですから、そこのところは混乱のないやり方をしていただく必要があるのではないかというふうに考えております。

○田島部会長 ありがとうございました。
 消費者側の委員からの御発言は、省略規定につきましては原案はなかなか認めがたいということでございますが、例えば、省略規定の中の特別用途食品は、乳児用調整粉乳と「乳児用」という言葉が出てきます。

○中下委員 それはいいかなと思います。

○田島部会長 これなんかは省略しても当然だと思いますが、ほかのものについては、ベビーフードがパブリックコメント後の段階で適用除外にしてはどうかということになっていることがありますから、食品表示全般でながめても、こういった省略規定というものはどこかにありますか。原産地表示で都道府県名を省略できるとか、そういった規定はありますけれども、そのほかに何か省略規定がある表示制度というのは、現在、ありますか。

○今川課長補佐 一例としては、資料1の5ページになりますけれども、食品衛生法19条、これは表示の規定ですが、それに関連する省略規定としまして、真ん中の「アレルギー表示の省略規定」というものを設けてございます。特定原材料は7品目、えび、かに、卵、乳、小麦、そば、落花生ですけれども、そういった7品目は基本的に表示していただく。ただ、それが含まれることが容易に判別できるもの、例えば卵というときに、マヨネーズは卵が含まれることがわかるということであれば、卵と書かなくてもマヨネーズと書いてあればいいという規定になります。そういった省略規定を、アレルギーの部分では設けているという例示でございます。

○田島部会長 そういった省略規定がありますが、どうでしょうか。
 手島委員。

○手島委員 中下委員がおっしゃっているように、例えば特別用途食品の乳児用調整粉乳としている場合は、明らかにわかるということでよろしいかと思います。アレルギー表示の場合は、材料からわかりやすいというふうなイメージが来るとは思いますが、今回の場合の乳児用というのは、定義が少しわかりにくいということですと、明らかにそういう表示がされているものだけというふうにした方が、混乱は少ないかなというふうに思います。

○田島部会長 ほかに御意見は。
 栗山委員、どうぞ。

○栗山委員 今、例示にアレルギー表示の省略規定が出されたことは、そうであるのは現状の事実としては理解するのですが、アレルギーの分野では、こう書いていないけれども、これはこれよみたいな、例えば、マヨネーズというのは当たり前に卵というふうな常識、と言ったらおかしいですが、そういう知識を持っている人だけではないということが現実にあるわけです。
 私たちの情報提供としても、書いていないけれども、マヨネーズと書いてあったらこれも入るということを付け足さなければいけないというのが、アレルギーの中でもやはり問題としてあるわけです。アレルギーも、表示の省略規定なしにしてくださいということに私はちゅうちょないですけれども、ただ、それを書くと、書く面積の問題とか、それをより見やすく表示できないという部分でも問題になった点であって、ここにもあるからこっちも省略しようということに活用されるところは、正直言ってちょっと違和感がございます。ここで審議される常識と、若いお母さんたちが、「食物アレルギーです、卵抜いてください」と言われたときに、表示で混乱するのとはだいぶ課題が違いますので。

○田島部会長 ありがとうございました。
 ほかに御意見ございますか。
 鬼武委員。

○鬼武委員 2ページ目に表示の案があります。これも前回申し上げたのですけれども、乳児用規格適用食品とか乳児用規格適用という表現、このものの表示自体、今回の目的としては放射性物質のレベルが低い値である、乳児の基準値を守っているということを意味するだけのことですね。しかし、一般的に乳児用規格適用食品というのは、総合的に見て、物理的なり添加物の使用なり、もっと広い概念でとらえる方も一方ではいらっしゃると思います。その点からすると、この乳児用規格適用食品などの表現自体が一般の人に果たして伝わるのかどうかということも考えていただかないといけないでしょうし、それでしたら、またQ&Aで説明する必要があるでしょう。
 要するに、今、食品表示の一元化検討会においていろいろな課題を整理して検討している中で、表示がわかりにくい、理解し難いと言っているのに、また一つ、わかりにくい義務表示を増やしているような気がしています。もし今回の措置を決定されるのであれば、もう少し熟考された上で、それにふさわしい表現方法を考えないといけないのではないかと思っています。

○田島部会長 ありがとうございました。
 ほかに御意見はございますか。
 山浦委員。

○山浦委員 事業者の方にちょっと確認したいのですけれども、今年の4月以降、新基準値が適用されることになりますので、実際の問題として、今年の3月までに製造したものは市場には出さないと理解してよろしいのでしょうか。それから、今年4月1日以降に製造されたものについて、旧表示がまだ使われているけれども、旧表示ではあるが、中身は新基準であって全く新しいものであると、そういうことでよろしいのですか。
 もしそうであれば、これまでの表示をまだ1年ほど使う場合にも、何か新ラベルを張り付けるとか、そういう形で、これは4月以降につくられた新しい基準のものですということを、消費者に是非伝えていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○田島部会長 事業者の方に対する御質問でございますので、事業者の委員、お願いいたします。

○森(修三)委員 先ほどから、省略規定のところでいろいろ御意見が出ていたと思います。もう一回、確認ということで申し上げておきたいと思いますけれども、表示と厚労省で決めている規格基準というのは、基本的にはリンクはしていますが、制度として始まる時期が少し変わりますということです。ですから、4月1日からは規格基準上の新基準に移行することになります。表示基準上の省略規定があってもなくても中身は規格基準の新基準値を遵守することになります。ただ、それをわかりやすくということですが、明らかに特別用途食品みたいなものであれば、これは国が認定してきているということであって、そこに改めて乳児用食品ですということを書くまでのことがあるのかどうか。これは、一般の消費者の方にも御認識いただける程度のものであるのかなというふうに考えているところでございます。
 一方、ラベルの改版には、これから表示基準の告示がされて施行されることになりますので、実際の改版には相当時間がかかる。当然、事業者としてはQ&A等を踏まえて、どうラベル全体の表示をしていこうかということを考えて決めていくことになります。御指摘いただいた、簡単にシールか何かを張ってわかるようにしてくれというお話もありますが、中身は4月1日から変わっていますということですので、そういった対応については、消費者庁さんのできるだけスピーディーな御対応をいただいた中で、事業者がどこまで努力をしていくかということになるのかなと思います。

○田島部会長 ありがとうございました。
 ほかに御意見ございますでしょうか。
 鬼武委員。

○鬼武委員 一つ、お尋ねしたいことは、今回の措置についてはWTOにも通報していますね。それに対する各国のコメントについてどのようなものが出たのか、さらにWTO通報されたときはどういう説明、文章でパブリックコメントされたのでしょうか。言い換えるとWTOか加盟国から返事があったかということと、および具体的にWTOへは英文はどんな文章に表現されているのかということ。以上、2つお願いします。

○田島部会長 WTO通報は、何も返事がなかったということを先ほど御報告を受けました。では、後半の御質問につきまして、どのような言葉でWTO通報をしたのか。

○鬼武委員 前回の部会で発言したように、海外だと、適用範囲とかそういうものを示さないと、これで表示の必要性の是非が判断できないのではないかと思います。乳児なのか、乳幼児なのか。少しあいまいな表現の中で消費者庁はパブリックコメントを出されています。WTOに出された通知の文章は、どういうふうになっているかということを聞きたいと思います。例えば、インファントフードとかいう表現ですか。

○今川課長補佐 乳児用の食品につきましては、インファントフーズ(infant foods)として出しております。

○鬼武委員 月齢は書いていないのですか。

○今川課長補佐 月齢は書いていないです。

○鬼武委員 わかりました。

○田島部会長 ほかに、御意見ございますでしょうか。

○鬼武委員 もう一つ、パブリックコメントで皆さんから出されている意見というのは重要だと思っています。消費者庁からある程度基本的な回答は書かれており、今後、Q&Aとかで補足されるということで私は理解をしていますが、例えば、資料2の8ページの下の方に、これは事業者か消費者かわかりませんけれども、具体的なことでお知らせしてほしいということで、例えば、(1)の「対象者の年齢区分などを明記していない一般食品において、『赤ちゃんにも安心』『お子さまでも食べられます』などと表示している食品」、(2)の「商品表示にはあたらない広告や店頭販促物において、『赤ちゃんにも安心』『お子さまでも食べられます』などと記載している商品」と。要するに今回の義務表示を規定すると、その周りの表示も、任意というか、影響してくると思うのですけれども、この辺の基本的な考え方についてはどういうふうにお考えでしょうか。

○田島部会長 消費者庁、よろしくお願いいたします。

○増田食品表示課長 この問題は、例えば「赤ちゃんにも安心」と書いたときに、そもそもそれが、規格基準上の乳児用食品に当たるかどうかという判断がなされるのが先で、そこは今、厚労省でもQ&Aをつくっているということですが、その中では「パッケージの意匠等なども踏まえて総合的に判断する」と書いてあります。そういう意味では、規格基準に仮に当たるとすれば表示は必要と。

○鬼武委員 任意で、こういうふうな例示された表現をしてもいいわけですか。

○増田食品表示課長 規格基準上の乳児用食品に当たらないと判断されれば特に問題はないです。当たると判断されれば、乳児用規格適用食品等の表示が必要になってくるということでございます。

○鬼武委員 こういう形で書くと、非常に混乱するのではないかというふうに私は思います。いわゆる健康食品のときもそうですけれども、こういう表現は乳児用食品であることを暗示させますね。商品の規格上は、事業者が本当に努力をしてベクレルを下げているものもあるかもしれないし、そうではなくて、事業者サイドがいわゆるセールスポイントとして書いていて、本当はその中身も検証していないものが出ても、それは取り締りの対象にはならないでしょうけれども、今回の乳児用食品の規格という新しい義務表示を課すと、今回は、任意表示として紛らわしいというか、それに付随する表示が出てくるので、これについてはある程度ブレーキをかける方法なりが、私は必要ではないかと逆に思っているわけです。任意でやっていいということであれば、それは事業者・製造者がやるでしょうけれども、それが消費者の混乱につながりませんか、というふうに私は懸念しています。

○田島部会長 ほかに、御意見ございますでしょうか。
 山浦委員、どうぞ。

○山浦委員 前回から乳幼児の定義等も問題となっているわけですけれども、今回、基準値を厳しくした目的をしっかり考えていく必要があると思っています。乳幼児と言った場合、特に1歳未満が一番センシティブであるということだけではなくて、学童あるいは妊婦さんにおいても、食べ物というのは内部被ばくの原因になるわけです。なるべく慎重に考えるという方向を社会的にもつくっていくような、そういうルールをこれからつくっていかなくてはいけないというふうに思いますので、是非、そういう精神でこの表示も議論をしていただきたいと思います。

○田島部会長 ありがとうございました。
 どうぞ、青柳委員。

○青柳委員 紛らわしい表示について、かなり具体的に細かくQ&Aで書いていただかないと、なかなか事業者としては動けないなというのが私の印象です。

○田島部会長 規格基準につきまして、乳児用は厚労省の方でもただいまQ&Aをつくっていると伺っております。
 森委員、どうぞ。

○森(修三)委員 表示だけではなくて、厚労省でもQ&Aをつくっていると聞いております。表示の考え方、ここで実際に議論をしておりますけれども、そこも踏まえて、実際に厚労省のQ&Aとも整合性をとっていただくように是非していただきたい。当然、表示の方ではこう考えていますということをしっかりお伝えいただいて、規格基準のQ&Aの中でも、乳児用食品とはこうであるといったところで混乱がないように、是非お願いしたいと考えております。

○田島部会長 ありがとうございました。
 そろそろ、この辺で意見を集約したいのでございますが、よろしゅうございますか。
 山浦委員から提起されました問題点は2つありました。一つは経過措置の問題、もう一つは省略規定の問題。委員の方々の御意見を伺いますと、経過措置につきましては、規格基準そのものがしっかり守られることを担保していただければ、表示については経過措置があってもやむを得ないのではないかという意見だと思います。省略規定につきましては、特別用途食品の乳児用調整粉乳という表示があれば、これは省略してもよろしいという意見がだいぶ強かったと思います。
 ただ、何か月とか、年齢だけで省略させるのは非常に紛らわしいと。表示がわかりにくいということがよく言われますが、その原因の一番多くは、表示の規定に例外が非常に多いのでわかりにくいというのが私の印象なので、できるだけ例外は設けない方がいいと思うので、省略規定は特別用途食品の乳児用調製粉乳のみにして、あとは省略規定はない、省略はさせないということで意見集約をしたいのでございますが、よろしゅうございますか。
 山浦委員。

○山浦委員 今、おっしゃった言葉の中で、省略規定の問題提起をされたのは中下委員ですので、改めていただければと思います。

○田島部会長 すみません。
 どうぞ、森委員。

○森(修三)委員 今の座長のとりまとめの中で省略規定の部分ですけれども、先ほど、消費者庁にもお願いをしましたが、厚労省の規格基準としっかりリンクしていかないといけない部分というのがございます。その意味で省略規定も含めてきちんとリンクしていただかないと、表示の方だけで一方的にこうしますということでは、事業者としては非常に混乱してしまいますので、そういった意味で十分調整をしていただきたいと考えております。

○田島部会長 その調整は消費者庁にお任せするとして、消費者庁から、御発言をお願いします。

○増田食品表示課長 今、部会長から特別用途食品の乳児用調整粉乳だけというお話をいただきましたが、粉ミルクのうち特別用途食品の乳児用調製粉乳だけというのは、またそれも消費者がそれと識別するための範囲が難しいと思われますので、できれば普通の粉ミルクも含めて、「粉ミルクは」というカテゴリーにさせていただいた方が、周知徹底するという意味でもわかりやすいのかなと思います。
 そこは御検討いただきたいというのと、もう一つ、月齢について、月齢は食品表示部会で表示すべきということであれば、それを考えたいと思います。ただ、施行の猶予期間というか経過措置期間につきましては、1年間という案を御提示させていただいているのは、月齢を書いているのは基本的に省略規定の対象としていいだろうということを前提に考えていますので、月齢は省略規定を置かないということであれば、施行期間、経過措置期間はもう一度検討させていただくということを御了解いただきたいと思います。

○田島部会長 ただいまの御提案で、確かに粉ミルクは、特別用途食品である乳児用調整粉乳と、そうでないものというのが市場に出回っている。見かけ上は少し見ただけでは全くわからないわけです。消費者が特別用途食品のマークなどを確認しない限りわからない。となると、粉ミルクについても、例外規定に入れてもよろしいのではないかという提案でございますが、いかがでしょうか。
 それでは、粉ミルクは例外に入れるということで、御了承をお願いいたします。
 鬼武委員。

○鬼武委員 もう一つ、確認ですけれども、今日、議論をしてある程度案を決めなければ絶対にいけないということでしょうか。私は、今回の中で、かなり多くの委員からいろいろな懸念される事項等を含めて意見が出されています。もう少し消費者庁で整理していただいて、Q&Aも含めてもう一度出していただいて、表示の規格案についての適正さについて、次回の会合でするということは可能ですか。それはもうできないでしょうか。その点についてお伺いします。

○田島部会長 スケジュール的に4月1日から新基準値がスタートするので、表示につきましても、それから余り遅れないようにという大命題はございますが、消費者庁はいかがお考えでしょうか。

○増田食品表示課長 私どもの希望を申し上げれば、新しい規制値が4月から始まるということですので、今日、御了解をいただければ、これが最も望ましいというのは私たちの考えですけれども、これはむしろ消費者委員会で御決定いただく事項なので、それは委員会の決定を尊重したいと思います。

○田島部会長 例外規定について、修正案をお示しして御了解を得られましたので、その修正案に基づいて厚労省の規格基準とすり合わせをして、新しい案が消費者庁から提案されると思います。
 そういたしましたならば、それを一度私が受け取って、あとは消費者委員会の事務局から先生方にメールで配信して御意見を伺って、その結果を得て、最終判断は私に一任させていただくということでよろしいのではないかと思いますが、鬼武委員、いかがでしょうか。

○鬼武委員 部会長がそうおっしゃるならそれは仕方ないですけれども、私が懸念しているのは、パブリックコメントにこれだけ関心のあることとして意見が出ており、それで求めている消費者サイドなり事業者が出している意見と、今回決めようとされている措置との間には、かなりギャップがあるように見えます。その説明がうまくできていないような気がします。前回と今回の部会では大きく異なる提案をしているのです。消費者庁の提案の仕方自体が不明確で、前回は乳幼児と説明しており、年齢などという範囲も示されておらず、今回は、いろいろ意見を聞いて乳児にしますということで、厚労省の案に沿ってやるということで決めたということでしょう。その点はかなりのギャップがありますね。
 意見の中には、消費者サイドでも、もっと高い月齢というか、子どもが心配だから、そういうものにも表示をすべきではないですかと、いろいろ意見が出されています。結果としては1歳未満ですということになると、我々が部会の審議をして決めていいのかということです。消費者サイドの方も含めて言うと、パブリックコメントをこれだけ出したのに違う回答ではないか、それがすり替えたような形で、今回は厚生労働省の適用範囲にあわせるという説明はありましたけれども、Q&Aで回答に窮するのではないかと思っているわけです。
 このような点を総合的に考えると、まずきちんとしたQ&Aをつくることと、その前提としては、消費者庁が新表示基準案を熟考すること、それを部会長に一任されていくのでしたらいいでしょうけれども、そのステップは最低必要であると私は思っています。厳しい言い方かもしれませんけれども、これまで見たパブリックコメントでこんな大ざっぱな出し方はなかったと思います。さらに、こんなに新しい案が出て変わった内容もなかったと思います。前回と内容が全然違うでしょう。そういうふうに私は思います。ちょっと厳しい意見になりましたけれども、是非今申し上げた手順に沿ってやっていただければと思います。

○田島部会長 今回のパブリックコメントは、前回のときは、厚生労働省で定義というものがはっきりしていない段階でつくったので、消費者庁の方もある意味で気の毒だと思って、それでぼやっとした感じのパブリックコメントになったというのは、そういういきさつがあったという事情も斟酌していただきたいと思います。
 それでは、座長一任ということでよろしゅうございますか。

(「はい」と声あり)

○田島部会長 ありがとうございました。
 経過措置のところの確認でございますが、1年間の経過措置ということを確認したいと思います。

○夏目部会長代理 先ほど消費者庁の説明では、適用除外のところのマル2の月齢を外すことを前提にして、1か年という御回答がございました。今の座長のお考えとちょっと違いますので、もう一度確認していただきたいと思います。

○増田食品表示課長 先ほど私が申し上げましたのは、月齢を書いているものは、書かなくてもよいという想定で1年間と置きましたので、月齢が書いてあるものもすべて新たな表示基準に基づく表示を書くという、この部会での集約がそういうことであれば、もう一度事業者なりに状況を聞いて、包材の手当等どのくらいかかるかというのを再度いろいろ聞いた上で、施行等の期間を決める必要があると思います。1年間ということは、場合によっては延びることもあり得るということで御理解いただければと思います。

○田島部会長 わかりました。それを受けまして、再度消費者庁から御提案いただいて、メールで配信して委員の御意見を聞いて、その後の最終的な確認は私に一任させていただきたいと思います。
 では、長時間にわたりまして恐縮でございます。次の議題にいきたいと思います。
 次は、議事3、「玄米及び精米品質表示基準の見直しの論点整理について」。これは、何を決めるということではございません。論点整理についてでございます。
 消費者庁から、御説明をお願いいたします。

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≪3.玄米及び精米品質表示基準の見直しの論点整理について≫

○増田食品表示課長 玄米及び精米品質表示基準の見直しにつきましては、前回の表示部会で、その前のときに御議論いただいた際のパブリックコメント等で出ていたものについて、実態調査等を御説明し、第1回目の議論をいただいたところでございます。今回はその続きになるわけですが、当方で、前回の議論を踏まえて、議論の焦点はこういったところではないかということをお示ししたものでございます。まず、その点について担当から説明いたします。

○中村課長補佐 消費者庁食品表示課の中村でございます。では、これから御説明させていただきます。
 関連の資料は、資料3と、参考資料7から9、それから、追加でお配りしました「砕粒とは」という資料に基づきまして、これから説明したいと思います。よろしくお願いいたします。
 資料3、「玄米及び精米品質表示基準の見直しの論点整理について」、今、課長からも説明したとおり、前回、調査結果などを御説明した上で皆さんの御意見を伺った中で、ポイントがどこかというのがありまして、それを踏まえて、論点の幾つかをこのようなペーパーで整理させていただきました。
 1番として、「品位の表示に関する論点について」。前回、砕粒の分析調査結果、ふるい下米というのがあるというお話をさせていただきました。その際、説明ぶりも悪かったと反省していますが、ふるい下米と砕粒の違いについて余り細かい説明ができなかった面がありまして、今回は改めて「ふるい下米とは」という資料をつけさせていただいております。それが参考資料7でございますので、ごらんいただきたいと思います。
 一部、資料には書かせていただいていますけれども、ふるい下米というのはそもそも玄米です。砕粒といってこの前調査したのは、精米の品質のものです。間にふるいを入れる、入れないということを御説明したこともあって、議論がちょっとこんがらがってしまったのではないかと反省しております。
 参考資料7のふるい下米のところを見ていただくとわかりますが、産地でもみの段階、それを玄米にするのですが、出荷する際にふるいにかけます。そのふるいは、地域や品種、いろいろな条件、販売の条件なども含めて、各地各農家が違います。目が粗いふるいでふるえば、出荷される玄米は大きい粒の玄米が出荷されます。ふるいの下には以下の米が出る。それが、ここに図表をつけていますように、品種の差もあるとは思いますが、北海道などは2mm以上のふるいでふるって、その下がふるい下として集荷されていく。西の方に行きますと、もっと細かい目でふるって、主食用に出荷されて、それ以下のものがふるい下となっていく。
 右の方に、集荷されたのがどうなるかというと、ここには1.7mmとそれ以上で2つに分けていますが、実際、1.8とか1.9というところも、実際には2mmのふるいでふるった下のものも入っているのですが、そういうものが更に細かくふるわれます。私どもが実地調査したところは、0.05mmずつで区切ってふるって、それが主食用になったり、せんべいなどの原料になったりいたします。そういう形で、一部、ここは業務用と書いていますけれども、主食に回る、主食用にまた戻ってくるというのが、ふるい下米の基本的な流れになっております。
 御意見の中に出てきているのは、ふるい下米が主食に戻るときに、それについて表示が必要と。資料3に戻って恐縮ですが、ふるい下米と砕粒。ふるい下米が入ることによって品質、食味が悪くなる。そういう問題もあるし、粗悪品であることを理由に、表示が必要だということが意見として挙がっていたので、当方としてはいろいろ調べてきたということになっております。
 ふるい下米については、括弧の中に書かれているように、相当量という御意見もあったので、どのくらいかということを農水省にもお聞きしますと、主食用に回っているものの3%~4%。(1)の真ん中辺のところに書かれていますが、主食用になる「中米」と言われるものは、主食用に回るお米が全体的に850~860万トンと言われていますが、そのうちの3%から4%の40万トンくらい。ただ、後ろの資料にあるように、これが全部主食用になるかどうかは余りはっきりしない。主食用になっても、玄米が安いということで、外食産業やお弁当という形で、業務用として売られているというお話もお聞きしてきたところです。そういう面では、当方の品質表示基準として対象にしているものに、どのぐらいいくかというのは、残念ながらちょっとわからなかったというのが実態でございます。
 1.7mm以下、農水省でも主食用として調査の対象外になっているものは、私どもが聞いている範囲では、ビールのアルコールの醗酵原料に使われるという形で、主食には回らないとお聞きしています。ただ、それがどういうふうに流通しているかということは、その辺が本当にそうなのかという実態は確かにわからない部分がございます。
 一方、追加した資料を改めてお配りしましたが、砕粒というのは、精米の品位の一つの指標として使われているものです。前回説明したように、農産物検査の中の品位の規格の一つであったり、「米穀の品質表示ガイドライン」の中にも出てくる品位の基準として使われているものです。これは、明確な定義があることも前回説明しまして、測定方法についてもかなり明確になっているものです。こちらの方は、精米する際に割れたりすることで、粒の大きさ、こういうものを測定しています。
 従来どうだったかという形で、資料3の1ページ、下の方に書いてありますが、従来は品位基準があって適合するものまで販売されていた。食糧法の中では精米の表示基準というものがあって、幾つかの基準を設けて表示する。表示の基準の方は玄米及び精米品質表示基準が適用されて、品位基準というのはその後廃止されたのですが、それと併せてという形で、米の粗悪なものが出てきたという形で、業界団体や消費者団体、関係者が協議して米穀品質表示ガイドラインというものをつくって、品質向上に取り組んでいる。
 前回のときに、どういうことをやっているんですかというお問い合わせを受けました。業界にどういうことをやっているか確認したところ、精米工場の団体である日本精米工業会というところがございます。そちらが毎年研修をやって、研修の中でこういうのを周知徹底させるということと、精米工業会の方で精米工場品質システムというのをつくっています。これは、よりいい品質の精米を販売するための基準という形で、原料の受け入れ基準、製品の品質基準、その他、品質管理の工程についての基準を明確化して、水準に合致する工場を認定工場という形でマークをつけて識別する仕組みを、自主的なものをつくっておられます。その際にも、工場に毎年1回、監査といいますか、審査に伺うので、そのときに品質管理上でどういうふうになっているか、管理が徹底されているかというのを確認する形で、ガイドラインも使った品質向上の取組をしているというふうにお聞きしました。
 そういう中で、関係業界、消費者団体も入って皆さんで決めた基準を、したがって品質向上をしているという事実があるのですが、今回調べたところ、砕粒に関して、基準である8%を大きく超えるものが何点もありましたということです。
 (3)は、過去出た御意見をこちらの思いの中で少し分類分けをしたものです。ふるい下米の流通に関してどうですかということで、一つは、ふるい下米の流通が品質や食味の低下を招いている。当初の御意見があって、この議論を開始したもとになっていますけれども、この中では、ふるい下米が流通して、それが品質・食味の低下を招いているのではないか。そこも含めて明確にすることは商品選択になるのではないか。
 下の幾つかの案も、品位の悪い米が入って食味が劣るということ。それから、品質の悪い米が知らないところでブレンドされているのではないか。ふるい下米が入ることによって食味が落ちているという御意見。それから、ふるい下米の表示よりも、品位に関する表示が必要ではないかという御意見を登録検査機関からいただいております。同じような御意見として、商品選択に資する情報としては、原料米穀の品位の情報ではなくて、商品そのものの品質について表示をすべきではないか、という御意見もちょうだいしております。
 3ページには、砕粒についてという形で砕粒の表示が必要。それから、食味に関係するから、入っていない方がいいのではないかという御意見も、砕粒についてもらっております。反対に、ふるい下米についてどうなのかという御意見だと、ふるい下米に表示をするというのは実質的にはなかなか難しいのではないか。
 食味は、ふるい目の差の問題だけではない。先ほど申しましたように、地域によってふるいが違って、一回ふるいの下になったらふるい下米ということであれば、2.0のふるいでふるって、1.95のふるい目の上のものもふるい下米ということになる。そういう基準をつくるかどうかは別にして、そういうこともあり得る。そういう面からすると、ふるいの下か上かという問題ではなくて、実際の味の問題を考えるべき面もあるのではないか。精選だけで議論をする問題ではないと考えられます、という御意見です。
 砕粒に関しては、全ての精米について発生します。どんなことをやっても多少は出ますという御意見。そうすると、一個一個に実態として表示するのはなかなか難しいのではないか、という御意見をちょうだいしております。
 次は、何%かという基準をつくると、それまで入れる方がいるのではないかという御意見。もう一つ、端的には、今、袋が透明になっているものがあるので、見ればわかるのではないか、表示までは要らないのではないか、という御意見があったところを前回も御紹介したところです。
 食品表示部会での御議論をここに書かせていただいた中で、ふるい下米をどう扱うかという御意見と、砕粒について、調査結果を踏まえて砕粒の表示は何らかのことをするべきではないかという御意見を、前回、ここの場でちょうだいしたところです。
 当方で論点として考える面を、(5)で書かせていただいております。ふるい下米を表示対象にするときには、そういうお米がどのぐらい消費者のところに行っているのかということが、消費者が選択するための情報として必要かどうかという判断をしなければいけないこと。では、どういうふるい下米が食味に影響するのかということを考えなければいけません。それを議論したり調査をするときには、表示なので、表示の対象となるふるい下米というのは何にしましょうかという議論をまず始めないと、ふるい下米が何かということで議論がかみ合わなくなってしまうことは、余り意味がない。ふるい下米について表示をどうするかということについては、どういうものがふるい下米として、今回、表示として規制をかけるべきか、ということを考えなければいけないのではないかと思います。そういうことを書かせていただいております。それがないと、なかなか表示をするのは難しいということを5ページの最初に書かせていただきました。
 一方、砕粒については、前回もデータを示すように明確な定義もありますし、砕粒が食味に影響するというデータもあります。そういう中で、食味、品質に関する形で、必要な情報を提供するというやり方はあるのではないかと思っております。
 ただ、どういう表示にするかというのを、事業者がすべて実態を表示しなさいというのはなかなか難しい面がある。ほかの品質表示基準のように、例えばぎょうざの皮の率がある程度高くなったら表示の義務を課す、消費者の選択の情報にするものとか、反対に、乾めんのそばなどは、そば粉が通常よりも極端に低いものがあれば、そういう場合には表示させて消費者の選択の情報にするというやり方をとっておりますので、そういう形で何らかの一定の基準を設けて、今回の場合は高い場合となると思いますが、高い場合に表示をさせたらどうかというのが、1番の論点となっております。
 その後ろに、前回お示ししました、砕粒と価格の関連について再掲しています。
 2番、3番とございますが、時間が余りないということなので、簡単に御説明させていただきます。
 2番は、証明によらない品種・産年の表示をどうするか。前回もお示しした閣議決定の部分に関してという形であります。ヒアリングの実態の意見についても整理させていただいて、それぞれ、農産物検査の証明を基本にすべき、農産物証明にかかわらず表示すべき、農産物検査の証明以外は根拠にならないのではないかという御意見を既にちょうだいしていたところで、8ページの(2)で、部会の中でも両論あったということが前回での御議論になっております。
 前回、米トレーサビリティ法を拡充して、こちらの方でやったらどうかという御意見で、部会の最後のとりまとめのところも、米トレーサビリティ法の活用という話になったところです。9ページに論点として書いてあります。前回、この場では、米トレーサビリティ法で何らかの手立てがということがございましたが、米トレーサビリティ法は、法律の規定上、産地情報の伝達が明文化されていますが、品種・産年については書かれておりません。これは、事故米の事件で、消費者の信頼回復のためには産地情報の伝達が重要だという判断で行われた。それに対して品種・産年というものが、そういう同様な事情はなかったとされています。
 品種・産年というのは、消費者が商品を選ぶ際の重要な情報だということは変わりございません。ですから、米トレーサビリティ法でどうこうというよりも、消費者庁の担当としては、この食品表示部会の中で、消費者の選択のための表示のルールとして、JAS法の中でやっていただければと思っております。
 具体的な検討の中では、農産物の証明が偽装防止にどうつながるかという観点から考えて、御議論になる場合があると思っております。今は農産物検査は第三者が実施している証明という形になっていて、第三者機関が証明する場合がいいのではないかという御意見もあれば、そうではないという御意見もあります。そういう面からすると、観点としては、情報の信頼性をどう確保していくか。生産者から消費者に、品種・産年が間違いなくどういうふうに伝わっているかということをはっきりさせていくことが大事かと思っております。そのためには、その点について具体的な検討をこれから進めていく必要があるのではないかと思っております。
 次に10ページ、もう一つの議論として、複数原料米に都道府県名等産地、品種・産年を表示すべきではないかという点で論点をまとめさせていただきました。これもパブリックコメントにいろいろ御意見が出た上で、肯定的な意見、否定的な意見、やるべきという御意見や、なかなか難しいのではないかという御意見をちょうだいしたところです。
 11ページの(2)で、食品表示部会での前回の御議論の中では、議論が深まったという印象を当方では持っていなかったわけです。米トレーサビリティ法でという方向で話がまとまった感じがしていまして、ここのところは余り御意見が出ていなかったかなという印象を持っております。
 当方としての論点を、下にまとめて書かせていただいております。現状の仕組みとしては、単一原料米には義務表示、複数原料米については任意の表示をさせている。その中で産地や品種、産年が知りたいという方に対しては、一定のニーズに応える仕組みの中で進めております。そういう中で、複数原料米に品種・産年、都道府県名産地を表示させることについては、それも含めて、今の制度をどう改善していくかというところがポイントになるかと思っております。
 ただ、多数の御意見の中で、全部表示するのは印刷の関係で難しいという御意見もあれば、すべての品種を義務化して表示することができるのかという点もございました。はっきりはわからないのですが、品種登録という形で登録されているのが500以上あると聞いていますし、登録はされていないのですが、銘柄として流通しているお米もあると聞いています。それから古代米のようなものもあります。そういうものについて果たして義務表示ができるのかという点も、仕組みをどうしていくかということの中では検討せざるを得ないのではないかと思っております。
 雑駁なところで、以上でございます。

○田島部会長 御説明、ありがとうございました。
 会議の進行は、当初、12時までと予定しておりましたけれども、若干延長して12時30分までとさせていただきたいのですが、よろしゅうございますか。

(「はい」と声あり)

○田島部会長 それでは、ただいまの御説明につきまして御意見をいただくのですが、1、2、3とございますので、まず、1について御議論をしたいと思います。
 どなたでも結構でございます。品位の表示に関する論点について、具体的にはふるい下米、砕粒についてでございます。この表示についての御意見、よろしくお願いいたします。
 森委員、どうぞ。

○森(修三)委員 ただいま御説明いただいたのですが、最初の論点のところの、砕粒米、ふるい下米と言ったらよろしいのでしょうか、砕粒米ということにさせていただきますけれども、ここのところの調査の報告等を前回もいただいておりますけれども、これをやる目的そのものがよくわからないと思っております。確かに最初のページに、砕粒米等が品質や食味の低下を招いているということが書いてございますけれども、これで具体的な被害とかそういうものが出ているのでしょうか。
 個人的な経験で大変恐縮ですけれども、かつて、日本で米がとれなかった年がございました。冷害ということだったと思います。そのときに輸入米ということで、インディカ米というのでしょうか、タイ米というのでしょうか、そういうものが入ってきて、私もそれを2、3割混ぜた米を食べた経験がございます。さすがに数か月食べるというのは結構苦痛だった時期があって、そういった意味からいきますと、日本の米というのはかなりおいしいのではないかと思っております。確かに品質的には多少差がありますけれども、価格的に高い安いといった場合の、比較的安価で入手しやすい国産米があってもいいのではないかというふうに考えております。
 そういった意味から言いますと、砕粒米が影響しているということが、ここで大がかりに調査をやって、場合によっては義務化の話まで進めるというのはなかなか理解できないところでありまして、消費者庁は、どのようにお考えになっているのかということをまず質問したいと思います。

○田島部会長 投げかけたいと思いますので、消費者庁からお願いいたします。

○増田食品表示課長 今回の議論というか、前回もお出ししたふるい下米あるいは砕粒に関する議論というのは、その前に玄米及び精米品質表示基準の都道府県名の産地表示に関する議論を行ったときの、パブリックコメントで出された意見を踏まえて調査をしたものでございます。そういった意味で、これについて、そもそも表示をすることありきというか、前提で議論をするかどうかというのは、まさに今、森委員がおっしゃられましたとおり、多分そこから議論はスタートすると思っています。逆に言うと、これについては例えば閣議決定でこういう指摘が出たとか、どこかで例えば健康被害が発生したとか、そういう状況は少なくとも、ない。スタートはパブリックコメントの意見で、かつ、それを踏まえて実態調査をまずしてみようというところまでは進んで、前回お出ししたというところが事実経過でございます。

○田島部会長 ということで、この委員会として、目的あるいは方向性を決めていけばよろしいというふうに私は認識しております。奮って御意見をどうぞ。
 山浦委員。

○山浦委員 ふるい下米の問題は、消費者の被害の一つの形態ではないかと思っておりまして、一種の優良誤認表示といいますか、本来店頭に置いていた米ではないものが実際には入っていて、値段的にも通常のお米と同じ形で公認せざるを得ない。そういう一種の消費者被害があって、やはりその中身をしっかりと確定させることは、消費者保護につながるという意味で必要ではないかと考えています。

○田島部会長 ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 山根委員。

○山根委員 私も、例えばコシヒカリという名称で売っているものでも、かなりふるい下米が入っていれば、味としては品位が低いという実態があって、それは、やはり消費者の立場から見てよくないことだというふうに思っています。
 それで、確認ですけれども、「ふるい下米とは」という紙をいただきましたが、これで見ますと、ふるいの上に残った玄米が主食用となり、それが1等から3等というランクに分かれる。その下に落ちた玄米は、規格外ということでほかの用途に充てられるということだと思います。そうしたことが、消費者が米を買うときには表示や何かという形では全く情報として伝えられない。そういうことが私は改善されるべき問題だと思っていますので、そこをよい方向へということで議論をしていきたいと思っています。

○田島部会長 ありがとうございました。
 森委員、どうぞ。

○森(修三)委員 ただいまの、ふるい下米というか、砕粒米というか、そこの問題は、私の感じているところでは、基本的に消費者の方が精米を購入されるときに外部から確認できると思うのです。前回も、購入した精米の中で分析したら、何%入っていますという御報告をいただいております。仮に表示をして、消費者の方に御選択いただくという方法も一つあるかと思いますけれども、やはり米というのは、加工食品ではあっても比較的生鮮食品に近い性質があると思うのです。一般の消費者の方は魚なり野菜を買うとき、できるだけ新鮮なものを選んで購入することをおやりになっていると思います。ですから、同じ棚に並んでいても、少しでも新しいもの、あるいは、生きのいいものを選んで買っておられると思います。
 そういった意味では現物をよく見て購入する。確かに透明な袋であれば、下に砕粒があればわかるのではないかなといった意味から言えば、事業者の方は、そういった袋の透明化に努めるとか、食味にも影響しますということを含めて、もっと広報活動をやる。あるいは、先ほど御紹介がありましたように、何%ぐらい入っているかということを、米穀の品質表示ガイドラインを、業界、消費者団体の方、関係者で協議して、せっかくおつくりになっているのですから、そういった制度を更に取組をしっかりしていくことがまず基本にあって、それからの話ではないかというふうに感じています。私の意見でございます。

○田島部会長 ありがとうございました。
 山浦委員。

○山浦委員 米の流通が非常に複雑なことが、問題の一つの原因ではないかと思っております。農産物検査法で一等米、二等米、三等米、あるいは等外、そういうもので集荷されて、それが売買されておりますけれども、最終的には精米されて、消費者には白米が出てくるわけです。その時には農産物検査法の等級といったものは全く表示されておらず、わからないわけです。その途中で一種のブラックボックスがあり、その中でさまざまな作業があって、ふるい下米などもそこで活用されて、等外のものを入れる形で事業者が利益を得るとか、いろいろな問題が起きてくると思いますので、やはりその透明性がないというところが一番大きな問題であり、その中でふるい下米が果たしている機能があるわけです。ここをわかりやすくして、消費者が選択する際にどういった米かということがわかるような、そういうトレーサビリティを効かせることが必要だというふうに私は思っています。
 それから、外食になりますと、炊飯されて出されたお米を食べるわけです。そうなりますと、なかなかわからなくなってしまうということもありまして、そういう意味でも消費者は不要なお金を出している、そういうことにつながるのではないかと思っています。

○田島部会長 ありがとうございました。
 ほかに御意見はございますか。
 立石委員。

○立石委員 森委員から、今、米は加工食品だという御意見でしたけれども、私はそれはちょっと違っているのではないかと思います。米はやはり生鮮品だということです。実際袋で見てみて、細かい砕粒が入っているかどうかというのはわからないと思います。判別が非常に難しい。例えば、先ほどの資料に出ている5%だとか、こういったものが見抜けるかというと、とても見抜けないと思います。それは後で検査をして調べないと、どのぐらいの砕粒含有量が入っているかというのはわからない。これはまさに消費者を欺いている。実際そういった例があって、そのことによって全体が混乱していることはきちっと踏まえるべきだと思います。
 論点整理の中で出ていたように、ふるい下米のところを義務化するのは確かに難しいと、これは私も同感です。ただ、砕粒のところはやはり何らかの基準を設けるべきだというこの論点整理は、そのとおりだと思います。では、基準をどの程度で切るかというところは、ここはちょっと難しいだろう。いろいろな実態を踏まえながら、ここは、きちっと考え方を整理していく必要があるのではないかと思います。

○田島部会長 ありがとうございました。
 青柳委員。

○青柳委員 私も立石委員と同じ意見ですけれども、6ページのグラフを見ますと、砕粒の情報がない中で、消費者がきちっと選択して購買行動を起こしているというグラフではないのではないかなという気がしています。したがって、表示を義務化するかどうかは別として、消費者がわかっているということには実態としてはなっていないのではないかというふうに思っています。

○田島部会長 ありがとうございました。確かにスーパーなどでも、透明な袋に入っているものばかりではなくて、クラフト紙に入っていたり、不透明な袋に入っている。そうすると、消費者の判別は実情不可能。買って袋を開けてみて初めて、砕粒米がどれぐらいかというのがわかる程度で、それもなかなかわからないですね。
 ほかに、御意見ございますでしょうか。
 前回、鬼武委員から指摘がありましたように、消費者庁からの具体的な提案がなくて議論をするというのはなかなか難しいです。最初に森委員が、消費者庁にその点を質したところ、パブリックコメントで出された意見をもとに少し調査をしてみたということで、茫漠としたものでは御意見は出にくいと思います。
 続きまして、2番の農産物検査法の証明によらない品種・産年の表示に関する論点と、続いて、3番の複数原料米の都道府県名等産地・品種・産年の表示に関する論点について、これは併せて御議論したいと思います。御意見、よろしくお願いします。
 山浦委員。

○山浦委員 9ページの論点のところでまとめられた品種・産年のところですけれども、米トレーサビリティ法でそこまでなかなか義務づけられないから無理ではないか、JAS法の表示基準が検討されるべきだというお話です。これはやはり、米トレーサビリティ法の産地情報、あるいはその他の情報についての議論をこれからしなければいけない、そういうことではないかと思っておりますので、現行の米トレーサビリティ法では対象となっていないからできないのではなくて、そこを改正するとか、新たな手法を考えていくこともこの際必要ではないかと思いますので、その点、消費者の選択権を確保するツールとして、是非考えていただきたいと思っています。

○田島部会長 ほかにございますか。
 立石委員。

○立石委員 前回も申し上げましたけれども、流通の複雑さと米が持っている特性、やはりなかなか見抜けないという中で、米トレーサビリティ法での限界があり、そのため、ここをきちっと守っていくというか、担保する仕組みが、この場合は第三者による証明、客観的にはそういった証明がなければ、流通の中で、偽装なりそういったことが起こる可能性が高い。これは、米トレーサビリティ法では、限界があるのではないかというこのまとめ方は、私は正しいのではないかと思います。

○田島部会長 ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 そういたしますと、余り論点が深まらないので、消費者庁の方でもう少し実態調査を進めていただいて、消費者からすれば、ふるい下米あるいは砕粒米にしろ混合割合を表示していただきたい。あるいは品種・産年、複数原料米、これも表示していただければいいなというふうに当然考えると思いますが、それがどこまで実行可能性としてあるかということは、事業者側からのヒアリング等を少し進めていただいて、どこまでならできる、どこまでなら義務化できるということを整理していただいて、また改めて御提案いただきたいと思います。せっかく2回にわたって御議論したので、余り遅くない時間に御報告いただくことを期待しております。
 どうぞ、山浦委員。

○山浦委員 調査していただけるということなので、農産物検査の実態についても是非詳しく調べていただきたいと思います。これは、農家の自主的な申請に基づいて、実際にはその3点セットが決まっていくという実態があるようにも聞いておりますので、どこまでそれが証明されているのかということも含めて、是非、調査をしていただきたいと思います。

○田島部会長 基本的には農産物検査法といっても自主申告で、担保するかどうかということは、DNA検査か何かをしないとわからないという話だというふうに理解しております。
 消費者庁の方から。

○中村課長補佐 今の山浦委員の意見の中で、確認したいのですけれども、前回、カントリーエレベーターにおける農産物検査法の実態や、今回も、どのぐらいきちんとなっているかという資料をお付けしているところです。前回、資料の内容を皆様に御説明したところだったのですけれども、具体的にもう少し農産物検査法の信頼性を確認すべきという御意見ということで、よろしいでしょうか。

○山浦委員 チェック機能がどのように働いているか、あるいは働いていないのか。その辺について特に調べていただきたいと思います。

○田島部会長 ほかに御意見ございますか。
 消費者庁、どうぞ。

○増田食品表示課長 今までの議論を整理させていただきたいと思います。今のお話で、論点で出した最初の1の部分について、ふるい下米についての意見はそれなりにあったわけですけれども、方向性としては、ここで言う砕粒の割合で表示を考えていくというところまでは、皆さんの御意見のほぼ集約を見たと思っていてよろしいでしょうか。

○田島部会長 私もそういうふうに理解しております。

○増田食品表示課長 そういう意味では砕粒についてどうするかということで、次は進めたいと思います。
 もう一つ、ここは我々の仕事の範囲という意味でもなかなか難しいところがありますが、2の部分は、農産物検査法に基づく証明書以外の方法により証明を行うことができれば、可能となるようなことについて検討しろということが閣議決定で示されていて、それに向けての検討ということになっていて、こちらはそういう意味では検討の土俵が決められた中で検討しているものでございます。前回も、米トレーサビリティ法である程度のことができるのではないかという御議論をいただいたのですが、米トレーサビリティ法には、産地情報伝達については規定がありますが、品種・産年には規定がないので、仮に米トレーサビリティ法で品種・産年について何かやるとなれば、これは法律から直す必要がございます。
 そういった意味で、今あるものを活用して品質表示基準に組み込むことは、勿論、品質表示基準の範疇の話ですけれども、そもそも米トレーサビリティ法の法律を改正するということは、その法律の性格などを検討し直して改正するということですが、そうなると、消費者庁でできる範囲を超えてくるので、なかなか難しいかなという議論と、少なくとも私どもが考えているこの部会での議論の所掌は、JAS法に基づく品質表示基準と食衛法に基づく品質表示基準をどうするかという議論です。勿論、消費者委員会は、それ以外のあらゆる部分について御議論をいただく権能を持っていると思いますが、そうすると、私どもが受けるのか、もうちょっと適切なところが受けるのかという議論になるので、少なくとも私どもからは、この議論はJASの品質表示基準で何ができるのか、あるいはできないのかということを、基本的に議論の対象としていただきたいということだけは申し上げたいというふうに思っております。
 以上です。

○田島部会長 米トレーサビリティ法の改正までを視野に入れますと、それは親委員会の消費者委員会での建議というか、提言にかかってくるといったお話でございます。ここの部会では、所掌外というふうなお話になりますが、山浦委員、どうぞ。

○山浦委員 消費者庁の所掌外ということでしょうけれども、こちらは消費者委員会の食品表示部会なので、親委員会を通して、農水省をはじめとして他の省庁においても、米トレーサビリティ法でいいのかどうかということを問題提起をしていくという方針を、私は提案したいと思います。

○田島部会長 承りました。消費者委員会から3人も委員が出ておりますので、承りました。
 それでは、その他、報告事項として、食品表示一元化検討会の中間論点整理について、消費者庁から御報告をお願いいたします。

○増田食品表示課長 参考資料10をごらんいただきたいと思います。
 食品表示につきましては、来年の国会への法案提出を目指すということで、今、新しい一元的な法律についての議論を食品表示一元化検討会の中で行っているところでございます。前回まで6回御議論をいただいて、このときも種々さまざまな御意見をいただきました。まず、どういう方向かを示す前に、皆さんの御意見を一度お聞きしたいということで、3月5日から中間論点整理にかかるパブリックコメントを実施しております。これが4月4日までの期限になっております。
 その際、お示ししている中間論点整理がお手元の資料の4ページ以降にあるものでございます。具体的には、大きく5つの論点について、複数の考え方を示した上で、広く国民の皆様の、こういった問題についてあなたはどう考えますか、ということの御意見募集をしているものでございます。
 論点1として、これまで共同会議等での共通的な議論は勿論あるわけですけれども、3つの法律がそれぞれの目的に沿って表示事項を定めている現状に対し、新しい一つの法律の下で定める場合の食品表示について、基本的にどういう表示をねらいとしていくべきかを、1点目の論点として挙げております。
 次に論点2として、具体的な義務表示事項を念頭に置き、義務表示事項はどういったものを対象としていくべきかということで、論点2-1で、健康危害に直接関係するものを中心として義務表示としていくべきといった御意見。もう一つ、消費者が関心を持っている表示項目について、幅広く情報提供するべきではないかという、極端という言い方は不適切かもしれませんが、ある程度対極的な御意見を並べた上で、皆さんの御意見を聞いているところでございます。
 論点2-2は若干各論になりますが、今回の議論の一つとして、表示する、させるということとともに、表示した事項を消費者にしっかり理解していただくというか、伝わるということにも重点を置きたい。表示をわかりやすくするためにはどのようなことに取り組むべきかということで、この中では、文字を大きくすること、あるいは用語の定義の統一を進めていくといったことを挙げております。
 もう一つ、現行は容器包装に表示をすることがルールになっているわけですが、容器包装以外の媒体の活用について、どう考えるかということも論点として挙げております。
 論点3は、実際に義務表示を設定する適用範囲の問題でございます。現行制度では、生鮮食品と容器包装された加工食品を基本的に表示の対象にしているところでございますが、それ以外の、例えばインストアで加工される食品ですとか、外食についての表示の在り方についてどう考えるか。あるいは、商品自体に表示はついていますけれども、例えばインターネットで商品を買う場合には、その表示を見ないまま購買の決定をすることがありますので、そういった場合についてはどう考えるのか。考え方としては、義務表示の対象としていくといったものから、ガイドライン等、自主的な取組を促すといったものまで、複数の考え方を示して皆さんの御意見を聞いております。
 論点4と論点5は各論の部分です。論点4は、食品表示部会から、原料原産地の要件についての見直し、あるいは原料原産地の表示の在り方について、一元化に際して検討すべきということをいただいていますので、これを論点にしております。
 論点についての主な考え方も、このステージでは一個に絞り込むということではなく、複数の考え方を示して、皆さんの御意見を聞いております。
 もう一つ、論点5が最後の部分ですが、栄養表示については、現行、任意表示となっております。ただ、国民の健康という観点から栄養表示をどうすべきかという問題もありますし、国際的に見ると、表示を義務化する国も増えている状況の中で、我が国において栄養表示について義務化を進めるのかどうか、といったことについて論点で書いております。
 いずれも、こういった形で皆さんの御意見をいただいた上で、これを第7回以降の検討会にお示しして、今後、議論の集約等を行っていく予定でございます。
 以上でございます。

○田島部会長 ありがとうございました。
 何か御質問等ございますでしょうか。
 山浦委員、どうぞ。

○山浦委員 3月23日に、消費者庁が主催された意見交換会がありました。そこの概要をもし御報告いただけるなら、簡単にお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○田島部会長 3月23日に意見交換会が1日がかりで開催されております。わかる範囲で概要等の御報告をお願いいたします。

○増田食品表示課長 すみません、ちょっと手元に概要を持っていませんが、ホームページには、どういう方々に御意見を発表いただいたかを掲載しております。23人の消費者団体の方、事業者団体の方、あるいは一般の方と幅広く御意見をいただくとともに、今回の意見交換会では、消費者関係の方、事業者関係の方を含めて意見陳述をそれぞれいただいた後に、例えばほかの人の意見についてどう考えますかといったことを座長の方から聞いていただいて、議論を深めることを行っております。

○田島部会長 ほかにございますでしょうか。
 山根委員。

○山根委員 次回のこの検討会が4月18日に決まったと、数日前に御連絡をいただきました。個人的なことですみません、私は欠席になってしまうのですが、そこで、パブコメですとか、この間の意見交換会で出た意見とかをまとめたものが議題としてのせられて、それをもとに検討が進むのでしょうか。ちょっと教えていただければと思います。

○田島部会長 何かここの論点ではないような気がいたしますが、消費者庁で答えられる範囲で答えていただけますか。

○増田食品表示課長 公式には、検討会のスケジュールは調整中ということになっていると思いますが、4月には勿論第7回検討会を開催したいと思っております。第7回検討会の進め方は、今後、座長と相談する必要があるわけですけれども、パブリックコメントで寄せられた御意見については、ある程度カテゴリーごとにまとめた上でお示しすることを考えております。それと、例えば今後の議論のたたき台のようなものをどの程度お示しできるのかというのは、今後の作業次第です。少なくともパブリックコメントの御意見はある程度まとめてお見せすることを予定しております。

○田島部会長 ほかにございますでしょうか。
 立石委員。

○立石委員 この一元化の検討会はあと何回もないわけです。7月までですね。今、3月ですから、あと3か月くらいです。その中で本当に煮詰まるのかなというのが正直な印象です。この前も申し上げましたけれども、加工食品の原料原産地表示の拡大についても、基本的に閣議決定していることを広げていく、義務づけを拡大するということを決めて、その中で進めるということも確認されていますし、それから、長い間議論しましたね。調査会は私も出ましたけれども、そういったことの結論、それから消費者委員会からの意見、そういったものが全く反映されていないような感じの論点整理になっている。
 前から何度も申し上げていますけれども、今日のこういった論点整理を、具体的にどうするのかという意思がやはり行政側によって示されるべきだと思います。そういったたたき台があって初めて前に進むわけであります。議論すれば当然いろいろな意見が出て、そういった流れの中でさまざまな方向にまた変わっていくこともあるわけですが、引き継がれていくということ。私は、少なくともこの食品表示部会の中で調査会をつくって議論をしたことが、反映されていないというか、反映し切れていないということは許されないと思います。一元化の中の新しいメンバーでそういった議論をされているようでは、納得できないということを強く申し上げたいと思います。

○田島部会長 御意見、どうもありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。
 森委員。

○森(修三)委員 ただいまの一元化のことではないのですけれども、先ほどの乳児用食品のところで申し忘れたことがございますので、大変恐縮ですが、一言お伝えしておきたいと思います。
 経過措置のことについて、先ほど増田課長から、基本的には「○か月から」という食品について、経過措置について見直しを行うという御発言がございましたけれども、事業者の方から見ると紛らわしい表示の禁止ということもございます。パブコメの中にもありますけれども、「赤ちゃんからお年寄りまで」という表現をしている食品もあるわけです。それはどうなるんですかというのは、これからの話なのです。
 そうなりますと、そこの部分についてもこのままでは違反になるということであれば、当然、表現は見直さなければいけないことになりますので、経過措置については、単に乳児用食品だけではなくて、禁止事項に係るのかどうなのかといったことも含めて是非御検討いただきたい。そういった意味で私の方からは、1年程度は最低欲しいところですねというお話をしたつもりでいるのですけれども、是非、その辺は御考慮いただきたいというふうに思っています。ありがとうございました。

○田島部会長 よろしく確認して、仕事を進めていただきたいと思います。
 それでは、もう一点、報告事項がございます。
 当部会に設置しておりました「原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会」につきましては、昨日開催いたしました第84回消費者委員会におきまして、その廃止の同意がございました。これを踏まえ、当部会長として、原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会の廃止を決定しましたことを御報告いたします。
 以上でございます。
 事務局から、報告事項など、ございませんでしょうか。

○小田審議官 次回の日程でございますけれども、改めてまた御連絡を差し上げたいと思います。よろしくお願いします。

○田島部会長 それでは、本日はこれにて閉会させていただきます。時間を超過いたしまして、申し訳ございませんでした。
 お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

≪4.閉会≫

(以上)