第14回 食品表示部会 議事録

日時

2011年11月29日(火)13:30~15:15

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 田島部会長、夏目部会長代理、青柳委員、阿久澤委員、海老澤委員、鬼武委員、
 春日委員、川戸委員、栗山委員、迫委員、澁谷委員、宗林委員、立石委員、
 手島委員、中下委員、森(修三)委員、森(康益)委員、山浦委員、山根委員
【説明者】
消費者庁  増田食品表示課長、平山企画官、中村課長補佐、今川課長補佐
【消費者委員会事務局】
 消費者委員会  齋藤審議官、原事務局長

議事次第

1.開会
2.今後の審議予定について
3.その他
  ・生食用食肉の表示基準について
  ・遺伝子組換えパパイヤの表示義務化について
  ・食品表示に関する一元的な法体系のあり方の検討状況について
4.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第 (PDF形式:11KB)
【資料1】 今後の食品表示部会において審議が想定される案件 (PDF形式:23KB)
【参考資料1-1】 食品衛生法第19条第1項の規定に基づく表示の基準に関する内閣府令等の施行について (PDF形式:824KB)
【参考資料1-2】 食品衛生法第19条第1項の規定に基づく表示の基準に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令について (PDF形式:708KB)
【参考資料2-1】 食品表示に関する共通Q&A(第3集:遺伝子組換え食品に関する表示について) (PDF形式:290KB)
【参考資料2-2】 ハワイ州産の遺伝子組換え及び非遺伝子組換えパパイヤ確保のための流通マニュアル (PDF形式:269KB)
【参考資料3-1】 食品表示一元化検討会開催要領(案) (PDF形式:13KB)
【参考資料3-2】 食品表示一元化に向けた基本的な考え方について (PDF形式:687KB)
【参考資料3-3】 加工食品の原料原産地表示の拡大について (PDF形式:490KB)
【参考資料4】 消費者委員会食品表示部会委員名簿 (PDF形式:95KB)
【参考資料5】 消費者委員会食品表示部会設置・運営規程 (PDF形式:12KB)

≪1.開会≫

○原事務局長 それでは、時間がまいりましたので、始めさせていただきたいと思います。
 本日は皆様、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまから、「消費者委員会食品表示部会第14回」の会合を開催いたします。
 消費者委員会の事務局長を務めている原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 食品表示部会については、本日が、第2次消費者委員会発足後初めての会合となります。お手元の参考資料4に本部会の委員名簿をお付けしておりますので、お名前等の御確認をいただけたらと思います。
 なお、消費者委員会からは、田島委員、夏目委員、川戸委員が、本部会の調査審議に参画いたします。
 本日は、阿南委員が御欠席という御連絡をいただいておりますけれども、過半数に達しておりますので、本日の部会が成立いたしますことを御報告いたします。
 それから、本部会の部会長につきましては、去る11月11日に開催いたしました「第73回消費者委員会」において、河上委員長から指名を受けました田島眞委員に務めていただくことになっております。
 それでは、議事に入る前に配付資料の確認をさせていただきたいと思います。配付資料は、議事次第の裏の面に一覧を書いておりますが、資料1といたしまして、本日議題としております「今後の食品表示部会において審議が想定される案件」です。
 それ以降は参考資料になります。
 参考資料1といたしまして、食品衛生法第19条の関連の規定についての資料です。
 参考資料2といたしまして、「食品表示に関する共通Q&A(第3集:遺伝子組換え食品に関する表示について)」をお付けしております。
 参考資料3といたしまして、「食品表示一元化検討会」についての資料をお付けしております。
 不足がございましたら、事務局までお申し出いただけたらと思います。
 それでは、田島部会長、議事進行をどうぞよろしくお願いいたします。

○田島部会長 消費者委員会委員の田島でございます。消費者委員会の河上委員長から御指名を受け、食品表示部会の部会長を務めることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、第2次消費者委員会における最初の会合でございますので、最初に、本部会を消費者委員会に継続して置くことになった経緯につきまして、事務局より御報告をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○原事務局長 今日は、第2次消費者委員会の初回の食品表示部会ということなので、御説明させていただきたいと思います。
 消費者委員会においては、去る9月7日の第69回消費者委員会において、お手元の参考資料5にございます食品表示部会の設置・運営規程に沿って、消費者委員会の下の部会にて、今後も食品表示については継続して運営することを確認いただきまして、引き続き、設置・運営規程に書いてある所掌事務を調査審議いただくことにいたしました。
 このような経緯を踏まえ、本日お集まりの皆様の任命など所要の手続を進め、本日より具体的な審議を行うこととなった次第です。皆様におかれましては、今後、引き続き御審議に御協力をいただきますよう、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 事務局からは以上です。

○田島部会長 ありがとうございました。
 部会長代理につきましては、消費者委員会令によりまして、部会長が指名することになっております。私としましては、消費者委員会委員の夏目智子委員にお願いしたいと思います。
 それでは、初めての会合でございますので、部会委員の皆様に自己紹介をお願いいたしたいと思います。
 まず初めに、部会長代理から順に自己紹介をお願いいたします。

○夏目部会長代理 ただいま部会長代理に指名をいただきました、第2次消費者委員会から委員になりました夏目智子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、全国地域婦人団体連絡協議会という、全国の地方組織が加盟する団体の事務局を務めておりまして、食品というものは大変暮らしに密接なつながりがあるところから、強い関心を持っているわけでございます。委員の皆様方の真摯な御協議をいただき、よりよい食品行政にしてまいりたい、こんなふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○田島部会長 それでは、青柳委員から、よろしくお願いします。

○青柳委員 セブン&アイホールディングスの青柳でございます。引き続き、よろしくお願いいたします。

○阿久澤委員 日本獣医生命科学大学の阿久澤と申します。私も引き続きですが、よろしくお願いいたします。

○海老澤委員 国立病院機構相模原病院の海老澤です。引き続き、よろしくお願いします。

○鬼武委員 日本生活協同組合連合会の鬼武です。どうぞよろしくお願いいたします。

○春日委員 国立国際医療センターの春日でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○川戸委員 ジャーナリストで、消費者委員会委員の川戸でございます。引き続き、よろしくお願いいたします。

○栗山委員 NPO法人アレルギー児を支える全国ネット「アラジーポット」の栗山でございます。よろしくお願いします。

○迫委員 社団法人日本栄養士会の迫でございます。引き続き、よろしくどうぞお願いいたします。

○澁谷委員 愛知県半田保健所長の澁谷でございます。全国保健所長会の会長をしております。よろしくお願いいたします。

○宗林委員 国民生活センターの商品テスト部の宗林でございます。私も引き続きになります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○立石委員 全国農業協同組合連合会の立石でございます。引き続き、よろしくお願いします。

○手島委員 国立医薬品食品衛生研究所の手島でございます。引き続き、よろしくお願いいたします。

○中下委員 弁護士の中下裕子でございます。引き続き、よろしくお願いいたします。

○森(修三)委員 食品産業センターの森でございます。前任者の山本から代わりまして、今回初めてということです。よろしくお願い申し上げます。

○森(康益)委員 ニチレイの森でございます。引き続き、よろしくお願いいたします。

○山浦委員 日本消費者連盟の共同代表運営委員の山浦康明と申します。引き続き、よろしくお願いいたします。

○山根委員 主婦連合会の山根でございます。よろしくお願いいたします。

○田島部会長 どうもありがとうございました。
 本日は、消費者委員会事務局から、原事務局長のほか、齋藤審議官、消費者庁からも増田食品表示課長に御出席いただいております。
 なお、本日の会議につきましては公開で行います。議事録についても、後日、公開することといたします。
 それでは、本日の議題に入ります。本日は、「今後の審議予定について」、一つだけ議題として取り扱っております。議事次第に従いまして、今後の審議予定について、議論に入りたいと思います。
 消費者庁から御説明をお願いいたします。

≪2.今後の審議予定について≫

○増田食品表示課長 消費者庁食品表示課の増田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、私から、今後、食品表示部会に御審議をお願いしたいと思っている事項、1ページ目に全部で8点ございます。これをまず、御説明したいと思っております。
 1ページめくっていただきまして、最初に、23年度から御審議をお願いしたいものとして、「玄米及び精米品質表示基準」の改正がございます。玄米及び精米品質表示基準につきましては、昨年以来からの議論として、農産物検査の有無にかかわらず都道府県名を表示できるということを御審議いただき、御了解を得たところでございます。
 この御検討の中で、ふるい下米の扱いですとか、残っている産年、品種の表記について御意見をいただいております。これらにつきましては、今、実態調査、ヒアリング等を進めているところでございます。来年1月末を目途に実態調査等取りまとめますので、それを受けて、この表示部会でも御審議をお願いしたいと思っております。
 2番目以降は、時間的なものは今後の検討で決まっておりませんが、順次審議をお願いしたいというものでございます。
 最初に、「アレルギー物質の追加等」の関係がございます。食品のアレルギー表示につきましては、食品衛生法に基づきまして、現在、義務表示として7品目、表示することが望ましい推奨事項として18品目が規定されています。これについて、現時点で何か具体的なものを追加することを、こちらとして考えているわけではございませんが、アレルギーをめぐる今の知見等のデータを集めて御紹介し、追加の必要性等について御議論をいただくということを、本来、第1次の消費者委員会のときにちょっとできなくて申し訳なかったのですが、ある程度定期的にやっていく必要があるのではないかと思っております。
 2点目が、「チルドぎょうざ類品質表示基準」。これは、昨年12月の当部会においても、今後、消費者庁として必要な検討を行った上で、改正案を諮問する予定ということを説明していたところでございます。中身としては、調理冷凍食品との整合性等の問題がございます。これにつきましても、今、実態調査等を行っておりますので、これがまとまり次第、適宜審議をお願いしたいと思っております。
 次に、「パン類品質表示基準」。これにつきましては、平成23年1月に個別品表廃止ということで提案したところ、いろいろ御意見があったところでございます。この意見を踏まえまして、個々の事情をヒアリング・調査等を行っているところでございます。パブコメで出た意見を踏まえまして、今後の改正の方向について御審議をいただきたいと思っております。
 4点目が、生鮮食品、水産物、しいたけの各品質表示基準の関係でございます。これにつきましては、産地を示すときのいわゆる「長いところルール」、これが畜産物については明記してあるけれども、ほかには明記されていないということがございます。これを、例えば養殖の水産物、しいたけにも同様に明記するかといったことを論点の一つとして、表示すべき事項について意見を聞きたいと思っております。これにつきましても、特に長いところルールの関係で、関係者の方々の意見を聞いているところでございます。これも結果がまとまり次第、御審議をいただきたいと思っております。
 3番目からは、時期的に未定ではございますが、今後お願いしたいというものでございます。
 最初は、生肉の品質表示の基準についてでございます。生肉のうち、牛肉の内臓以外の部分については、今年の8月に表示基準について御審議をいただき、御了解いただいたところでございます。その過程でも、牛肉の内臓以外の部分とか、ほかの肉についての生肉の表示基準の在り方についても、いろいろ議論が出たところでございます。これにつきましては、食肉の規格基準、そういった検討の動きも踏まえる必要があるわけです。こういったものも踏まえながら、今後、表示の必要性について御議論していただく必要があるのではないかと思っております。
 次に、「遺伝子組換え表示基準」の関係でございます。遺伝子組換え作物として、ここに書いてあります「ステアリドン酸産生ダイズ」「低飽和脂肪酸・高オレイン酸及び除草剤グリホサート耐性ダイズ」、この2種類が食品安全委員会の健康影響評価の審議中でございます。この審議が今後どうなっていくかというのは、まさに今、審議中でございますが、仮に安全性に問題がないということになれば、これは遺伝子組換え作物のうち、いわゆる特定遺伝子組換え作物、従来のものと、組成・栄養素が著しく異なるものに当たりますので、その範疇のものとして、表示について部会の方で御審議いただくことになろうかと思っております。
 次に、果実飲料、炭酸飲料、にんじんジュース等の関係でございます。これにつきましては、表示の問題としては原料原産地の問題もありますし、一部、王冠に表示しているものもございます。そういったものの取扱いを含めて、見直しの必要があろうかと思っております。
 ただ、これについてはJAS規格の方も検討をしているようでございますので、この審議の動きも踏まえて、見直しをお願いしたいと思っております。
 最後に、状況が必ずしもはっきりしないので文にはしていないのですが、今、厚生労働省で、放射能について規制値の検討がされているところでございます。報道等によりますと、基本的には来年度の4月に新しい規制値を実施するというスケジュールで、議論が行われていると承知しております。これが必ず表示に影響を受けるかどうかというのは、現時点では不明ですが、場合によっては、こういうことを表示すべきという議論にならないとも限りません。ここは、もしかしたらそういうことがあり得るということを、御承知おきいただきたいと思っております。
 私からの説明は以上でございます。

○田島部会長 御説明、ありがとうございました。
 ただいまの説明について、御意見等ございますでしょうか。
 山浦委員。

○山浦委員 3点ほどあります。最初に、玄米・精米品質表示基準を今年度中に審議をするということでしたので、以前、私の方でも申し上げたと思いますが、ここに書いてあるふるい下米、産年・品種云々に加えて、農産物検査法での等級のつけ方と、実際の店頭で私たち消費者が見るこういった表示の仕方の矛盾といいますか、農産物検査法のルールがそのまま伝わってこない、そういう矛盾の問題を是非解決していただきたいということ。
 検査方法についても、実際どういうふうな検査が行われていて、それが実効性のあるものかどうかということも含めて、是非、検討していただきたいと思います。
 それから、しいたけ品質表示基準のところです。長いところルールを導入してはどうかという御提案はよろしいかと思いますけれども、それに加えて、今後、食品のトレーサビリティのシステムが拡大していくことも考えられますので、どういう生産方法で、どういうふうにしてつくられたものかということがわかる、そういったものになることが望ましいのではないかというふうに思います。
 最後におっしゃられた放射能汚染の問題ですけれども、やはり私どもとしては、これは早急に考えなければいけない問題であると思います。もしそういう諮問がない場合でも、この部会としてはきちんと、どういった汚染度であるかということがわかるような議論をしっかりして、制度の実施に結びつけていくことが必要ではないかというふうに思います。
 もう1点、今、食品表示の統一化の問題が引き続き消費者庁で議論されていると思います。その状況も踏まえて、私どももこれについて検討してまいったわけですから、そのフォローをすることも必要ではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。

○田島部会長 ありがとうございました。4点ほど御意見をいただいて、あとの2点は、消費者委員会食品表示部会に対する御注文だというふうに承ります。
 最初の2点につきまして、何か消費者庁からコメントはございますか。

○増田食品表示課長 個々についてどうというものではないですが、いずれにしろ品質表示基準を見直すに当たっては、勿論、幅広く検討していきたいというふうに思っております。

○田島部会長 ほかにございませんか。
 鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 1点、質問があります。第1期食品表示部会のときにアレルギー物質の追加の議題はなく、今期から再開されて出てくる可能性があると伺いました。アレルギー表示のことは非常に重要なテーマですが、現状ではリスク管理機関だけで決めているのでしょうか。例えば食品安全委員会のようなところで、リスク評価も含めて、臨床とかかなり専門的なことも含めて検討が必要であると思うのですが、どういう意思決定の仕方がアレルギー表示の追加でされているのか。今日わからなければ、次回の本部会以降でもいいのですが、個々だけで表示を単に追加、追加と言われても、我々はアレルギー領域の専門ではありませんし、どういう形で行政がアレルギー表示の追加について決められているか。どういう手順でやられているか、おわかりになれば教えていただければと思います。

○田島部会長 一つ、私から申しますと、少なくとも厚生労働省と農林水産省で共管していた「食品の表示に関する共同会議」では、アレルギー表示についても検討しておりました。栗山委員あるいは海老澤委員というのは、その関係でこの部会にも参画していただいているというふうに私は理解しております。

○鬼武委員 いわゆるリスク管理機関だけというか、例えば食品安全委員会みたいなところの評価、アレルギー物質自体の健康評価というか、リスク評価機関も関与した方がよいと思うのですが、食品安全委員会はかかわっていないのですか。

○田島部会長 評価自身にはかかわっていません。

○鬼武委員 要するにアレルギーの問題は管理の側ですね。

○田島部会長 そうです。管理にかかわることですと、やはりここの部会です。

○鬼武委員 やるということでいいのですか。

○田島部会長 はい。
 消費者庁から追加はございますか。

○増田食品表示課長 今、部会長がおっしゃったとおりで、安全委員会は評価等にはかかわらないということになろうかと思います。そういう意味では私どもも、知識量は必ずしも十分でないところもあるのかもしれませんが、厚生労働省なり各専門の委員の方々の意見をよく聞いて、データを集めていきたいと思っております。

○田島部会長 海老澤委員。

○海老澤委員 アレルギー物質を含む食品表示に最初からかかわってきているので、きちんと説明しておきますけれども、まず、前回のえび・かにの追加に関しては、部会長がおっしゃったとおり、共同会議の場で、私とあともう一人専門家が出席しまして検討しております。3年に一度、厚生労働省の研究班で、過去、2001~2002、2005、2008と、今年1年、また調査年度で全国の1,000名ぐらいのドクターを対象にして、2,500件ぐらいの全国の食物アレルギーの被害調査をしています。そのデータに基づいて、義務表示の対象と推奨表示の対象を一応毎回、専門家で評価はしています。
 今まで食品表示は、厚生労働省の食品安全部、基準審査課の方でやっていたわけですけれども、消費者庁に表示に関しての部門は移ったので、現在、消費者庁の、研究費はないのですが、そのサポートの下、今年の調査を行って、3月23日締切でその報告書を出すことになっています。
 ですから、今のところ、特にどういうことというのは全く決まっていないのですけれども、今までの調査例からすると、推奨表示にごまが入っていないのです。ごまというのは隠れた物質としてかなり健康被害が出ておりますので、アレルギーを持っている患者さんたちからの希望とか、全国の食物アレルギーの即時型症状の被害調査からすると、多分その辺が対象になるのかなという感覚は持っていますけれども、きちんとした議論、データに基づいて、本当に必要なものを、またお願いしていくような形になるのではないかというふうに思います。

○田島部会長 貴重な御発言をありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、議事を進めさせていただきます。議事次第3のその他、「生食用食肉の表示基準について」「遺伝子組換えパパイヤの表示義務化について」「食品表示に関する一元的な法体系のあり方の検討状況について」でございます。
 これも、消費者庁から併せて御報告をお願いいたします。

≪3.その他≫

○増田食品表示課長 今、お話のありました3点でございます。概要を私の方から御説明いたしますと、生食の関係につきましては、今年の8月に、この食品表示部会で生の牛肉の内臓以外の肉の品質表示基準について御了解をいただき、その後、内閣府令で食品衛生法に基づく表示の基準を定めておりますので、関係の内閣府令の改正を行い、10月1日から施行しているという状況でございます。施行に当たりましては、資料で付けておりますQ&A等を出して、着実な実施に努めているところでございます。内容については、後で担当から補足で説明させていただきたいと思います。
 2点目の遺伝子組換えパパイヤについては、安全性審査が終わり、表示についてこの部会で御議論をいただいたところでございます。遺伝子組換えパパイヤは今年の12月1日から施行することになっております。今回のパパイヤにつきましては、今までのように加工品としてもっぱら用いられるというのではなく、生の形で消費者の手に渡ることから、シールによる識別の取扱い等を予定しているところでございます。これにつきましても後に担当から補足で説明いたします。
 最後に、表示の一元化の関係でございます。食品表示につきましては、今年の7月の消費者基本計画の中で、「一元化に向けて検討すべき」ということで、具体的には、24年度内に国会に提出すべく議論を進めることが定められております。これを受けまして、消費者庁の中で一元化検討会というのを設けまして、今年の9月から議論を開始しているところでございます。昨日も3回目の検討会を開きましたので、その資料などを中心に今の議論の動きを説明したいと思います。
 それでは、随時、担当から補足をさせます。

○今川課長補佐 消費者庁食品表示課、今川と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私からは、生食用食肉について御報告を申し上げたいと思います。まず、参考資料1-1をごらんください。参考資料1-1は直接的には生食用食肉とは関係ございませんけれども、これまで、食品衛生法の表示基準を内閣府令にするという御審議をいただいていたところでございます。その施行通知でございます。まず、8月31日付で発出しておりまして、1ページ目の文章を若干読ませていただきますと、「下記1の内閣府令等が本日公布され、平成23年9月1日より施行されるので」ということでございます。
 記の1、「本日公布された内閣府令等」というところですけれども、(1)(2)が中心でございます。(1)は、食品衛生法19条1項、これは表示基準を定めることができるという規定ですけれども、これに基づいて、これまでは食品衛生法の施行規則21条だったものが、内閣府令45号に変わりました。
 (2)も、法の19条1項に基づきまして、これまではいわゆる乳等省令の7条に表示の基準がありましたが、この7条を内閣府令46号に変えましたということでございます。
 この改正が9月1日から施行されて、内閣府令になっているということの御報告でございます。
 これを踏まえまして、次に参考資料1-2、生食用食肉でございます。これも、今の内閣府令の御議論とは別の御議論ではございますけれども、9月22日付で施行通知を出しております。実際に御議論いただいたときには、まだ食品衛生法の施行規則21条で御議論をいただいていましたので、新旧対照表の案も施行規則21条で新旧をつくっておりました。実際の改正というか、先程ご説明いたしました内閣府令が既に9月1日から施行されておりますので、実際にはこの施行された内閣府令にはめ込んでおります。ページで申しますと、6ページに内閣府令に対する新旧対照表を付けてございます。中身は御議論いただいたときと変わりないのですけれども、内閣府令にはめ込んだということでございます。
 御審議いただいた中で、特に重要な部分について若干御説明申し上げます。参考資料1-2の3ページをごらんください。主に2点、御報告申し上げたいと思いますけれども、1点目は、リスクの定義なり説明をしっかり行うべきではないかと御意見をいただいた点、2点目は、生食用食肉の場合には、可能であれば、やはり消費期限に限定した方がいいのではないかと御意見をいただいた点でございます。
 3ページ目の「(4)注意喚起表示について」というところですけれども、4ページの「リスクの定義」につきまして、食品安全委員会とも相談しまして、最終的には食品安全委員会が出している用語集第4版の「リスクの定義」をそのまま引っ張ってございます。その観点として、4ページの一番上、「なお、食品のリスクは一般的には以下のとおり定義されているが、本表示基準における『一般的に食肉の生食は食中毒のリスクがある旨』の表示については、食肉の生食により重篤な食中毒になるおそれがあることを消費者に認識していただくことが主旨であること」ということで示してございます。リスクの定義は第4版をそのまま引用してございます。
 次に、消費期限でございますけれども、同じく4ページの一番下、「(7)その他」のところです。「マル1 生食用食肉の規格基準の調理基準において、『調理を行った生食用食肉は速やかに提供しなければならない』とされていることから、凍結させていない生食用食肉を小売店等において消費者に直接販売する場合には、消費者が速やかに消費するよう適切な消費期限を表示するよう指導されたい」というふうにお示ししてございます。
 消費期限に限定できなかった理由としましては、冷凍での販売実態もあるということで、現時点では、「冷凍させていないものは消費期限を表示する」という指導をされたいことの明記をさせていただいたところでございます。
 8ページが、実際の官報に載った告示でございます。
 10ページが、これまで、さまざまな質問を自治体あるいは事業者からいただいておりますので、それをQ&Aにして、同日、10月21日に発出しております。
 私からは以上でございます。

○中村課長補佐 食品表示課課長補佐の中村でございます。
 引き続き、遺伝子組換え表示関係の御報告を参考資料2-1と2-2を使って御説明いたします。
 参考資料2-1ですが、遺伝子組換えの表示に関するQ&Aの改正を行いましたということです。「23年○月」となっていますが、今、最終的な文章審査を行っておりまして、近々これを公表する予定になっております。
 まず、今回変わった部分を中心に御説明したいと思いますので、13ページをおあけいただければと思います。問I-6という形で、「23年8月に新たにパパイヤを表示義務の対象に追加した経緯について教えてください」という問に合わせて、今回の追加の経緯や今の状況について、次の14ページを含めて記載しております。ハワイでの状況も含めて記載されており、改正の公布が23年8月31日、施行は12月1日になろうかと思います。中に先ほど今川課長補佐から話がありました、内閣府令に伴う変更や、データの更新など、文言の修正を一部したところもございます。そこも赤字で示しております。
 次は16ページをごらんいただければと思います。これも、パパイヤが主原料になるもの、前のページにもパパイヤが作物として出てくる部分もありますが、こういう形で表に加えたということです。
 16ページの下、「追加されました。21年度からパパイヤを主な原材料」と次のページにつながるところで、追加された旨を改めて記載しております。
 次に、24ページを見ていただければと思います。問II-26という形で、基準別表第2第33号及び府令別表第1パパイヤの項の「『パパイヤを主な原材料とするもの』とは具体的にどのようなものが考えられますか」という問の中に、部会の中でも御議論いただいた、パパイヤの葉を原料にしたお茶も含む旨を明記させていただきました。現実的には、前に御議論があったように、遺伝子組換えの葉っぱが日本で流通するということはございませんが、消費者のための選択の表示というJAS法の趣旨も含めて、流通実態がないから義務から外すというわけではなく、今回、パパイヤ茶についても義務の対象にすることとしてここに記載しております。
 次に、30ページをごらんいただければと思います。4としてシール表示の部分をここに記載しています。この後、マニュアルの説明をさせていただきますけれども、「遺伝子組換えであるかの別を消費者に確実に伝えることを担保する観点から、ハワイ州現地でパパイヤを梱包する際に『ハワイ パパイヤ(遺伝子組換え)』等のシール表示をします」ということをここでも書き込んでおります。
 次のページにかけて、もう一回、具体的にマニュアルがどこにあるかということを明示しておりまして、マニュアルを参考に、具体的な分別生産流通管理の方法やシール表示のことについて案内をしているところです。
 では、ハワイ州産以外のパパイヤはどうするかという問題。これは従来から、国産のダイズはどうするかとかいう問題がありまして、パパイヤはどうなるかということを31ページの下に問III-2として起こして、34ページにその回答がございます。マル5として、「商業栽培のないものについては、混入がない状況であれば、『流通マニュアル』に準じた分別生産流通管理を実施する必要性はありません」と、ここにも書いてあります。
 以上が遺伝子組換えのQ&Aの改正です。多少の文言はこれから変わるかもしれませんけれども、近々にこれを公表したいと思っています。
 次に、資料2-2の「流通マニュアル」をごらんいただきたいと思います。こちらは既にホームページ等で公表していますし、印刷物を順次配布している最中です。
 遺伝子組換え表示に関する分別生産流通管理は、従来からIPハンドリングとしては証明書を伝達するという方法をとっております。このマニュアルについても、証明書を伝達する方法をベースにした上で、ハワイにおけるシール表示の取扱いを、国内事業者、ハワイの事業者の方に周知するためにその分を追加記載しております。今、英訳をしておりまして、ハワイの方でも使っていただけるように準備をしているところです。
 5ページに「基本的な考え方」を示しております。遺伝子組換えの表示が、しっかり分別生産流通管理が各段階で行われることが重要であるということと、遡及可能なシステムをつくっていくこと。現行の商取引を考慮してどうするかということで、次の6ページに「分別生産流通管理の指針」を明記しております。上の方に実態を書いておりまして、この指針におけるシール表示の取扱いというのも、ここの文章の中に記載しております。下から3番目のパラグラフ、「ハワイ州の遺伝子組換えパパイヤの輸入が解禁されたことに伴い」というところから、シールを直接貼ることがありますということを書き込んでおります。
 どういうふうにここの中に書かれているかというと、例として、8ページのように、分別生産流通管理の原則論を書きまして、その中でシール表示についてはこういう運用方法をとると、各生産流通の段階において運用方法を明記する形で記載しております。
 以下、ずっとそのようなものが続いて、14ページに、運用マニュアルの位置づけ、シール表示の位置づけ、実際のシール表示の取扱いについて、事業者の方に説明をする文章をつくって、管理や取扱いについて周知をするという文言を入れております。
 15ページに、具体的にどういう状況があるかとか、5として、具体的な管理項目をどう置くかということを記載しております。これまでマニュアル案の段階から、スーパーの関係の団体、小売りの団体、中間の卸の団体、輸入者の団体に対して周知を行って、必要なマニュアルを配布、送ることを進めております。今のところ、このマニュアルを必要と希望があったところで、3,495部を各団体を通して事業者の方に送ることにしております。送っただけではだめだと思っておりまして、パンフレットについての問合わせ先もここに明記して、これから事業者の方がシール表示を取り扱う際に戸惑うことがないように、御相談を受けていこうとしております。このような形でハワイにおけるパパイヤの表示が、適切に消費者の方にわかる仕組みをこれから運営していきたいと思っております。
 以上でございます。

○平山企画官 食品表示課の平山と申します。
 私から、引き続き、食品表示の一元化につきまして御説明申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 お手元に、参考資料3-1から3-3までをお配りさせていただいております。
 まず、参考資料3-1をごらんください。先ほど課長からも御説明申し上げたとおり、9月から「食品表示一元化検討会」を立ち上げてございまして、昨日まで3回、検討会を開催したところでございます。参考資料3-1は、第1回の検討会(9月)の際に「開催要領」ということでお示しした資料でございます。
 第2の「検討項目」でございますけれども、主に3点ほど例示してございます。一つは、まさに表示の一元化に向けた法律の体系の在り方、それから、消費者の方にとってわかりやすい表示とは何かというもの、一元化された法体系の中で表示事項をどうしたらいいのか、といったことを中心に御議論いただこうと思っております。
 第3は「スケジュール及び今後の進め方」ということでございます。現行の制度のいろいろな課題、更には、海外でも似たような制度がございますので、それらの現状を踏まえ、消費者の方、事業者の方、関係者から広くヒアリングなどを行いながら検討を進めて、来年の6月を目途に報告書を取りまとめられたらと思っております。
 今まで3回会議を開催したところでございますけれども、9月の1回目の会議では、最初ということでございましたので、委員の皆様に、まさに食品表示についてどういうことを考えられているかということをお伺いしたところでございます。10月、先月の2回目の会議から本格的な検討が始まったところでございまして、前回は、食品表示の目的とは何だろうか、消費者にとってわかりやすい表示というのはどのようなものだろうかということについて御議論いただきました。
 かなりいろいろな御意見等をちょうだいいたしまして、なかなか議論が尽きなかったものですから、昨日も引き続き、総論的なものでございますけれども、表示の考え方、更には個別の課題も、この検討会で検討するようにということがございましたので、いわゆる加工食品の原料原産地表示についても御議論をいただいたところでございます。参考資料3-2と3-3、これが昨日使った資料でございますので、かいつまんで私から御説明したいと思います。
 参考資料3-2をおあけいただきますと、「食品表示一元化に向けた基本的な考え方」ということでございます。これは、10月の2回目の検討会での御議論などを踏まえて、こちらで用意した資料でございます。ちょっと大部でございますので、関係するところをまず御説明申し上げます。
 8ページでございますが、「一元化後の法体系のイメージ(案)」という資料が載せてございます。2回目の検討会の中で、一元化された後、一体法律というのはどうなるのだろうということがだいぶ御議論になりました。事務局から口頭で御説明申し上げたのですけれども、やはり資料としてお示しした方がいいのではないかということでお示ししたものが、この資料でございます。そこに3本、食品衛生法、JAS法、健康増進法、これがいわゆる食品一般を対象とする食品表示に関する法律と思っております。中段辺りに点線で囲っているところでございますけれども、そこが、それぞれの法律の表示に関する規定でございます。右側に矢印がございますけれども、それぞれに関する規定を引き抜いて新しい法律をつくるということですので、一元化された後は、上に書いてある3法のほかに新しい法律ができる、こういったイメージを考えてございます。
 若干補足でございます。点線が2つありますのは、健康増進法の特別用途表示というのは、いわゆる特保というものが含まれるわけですけれども、ここはいわゆる食品一般というよりも、ある特定の方、例えば血圧の高い方といった方が摂られる。すべての方が一般的に摂るものではないということで、場合によっては健康増進法に残しておくというのもあるかなということもありましたので、一応2案、お示ししたところでございます。
 更に、11ページをおあけいただきたいと思います。「食品表示新法の目的(案)」でございます。これも2回目の検討会でいろいろ御議論いただきまして、大きく2つの案があったかと思って用意した資料でございます。
 案の1は、簡単に申しますと、いわゆる消費者の合理的な商品選択、これが第一目的である。商品の選択に当たっては、食品の安全性のために選択する、健康の増進のために選択するということで、一義的な目的は合理的な商品選択ではないかということ。案の2は、さはさりながら食品の安全は大事だということでありましたので、仮にでございますけれども、合理的な商品選択に加えて、それぞれの必要な目的を並列して位置づけてはどうかといった案でございます。勿論これ以外にも、更に案の3、案の4といったものがあるのではないかということでお示しした資料でございます。
 1ページおめくりいただきますと、IIとして、新たな制度における表示のあり方について御議論をいただいたところでございます。資料の14ページでございます。これも、若干時間がなかったのですけれども、2回目の検討会の中で御意見をちょうだいいたしまして、それを踏まえてつくった資料でございます。上の文章では、今の食品表示が適当なものとなっているかということについて検討する必要があるのではないかということを前提に置いた上で、では表示の考え方は2つあるのではないかということで、御議論をいただこうと思った次第でございます。
 左側の案Aは、「現在の表示事項を原則として維持した上で、更に消費者に関心のある事項を容器包装に記載する」ということですので、なるべくいろいろな事項を盛り沢山、容器包装に記載してはどうかという案です。
 案Bは、2回目の検討会でも、用語がわかりにくい、表示には書いてあるけれども、予備知識の少ない人が読むとわからない用語が多いといったこともございましたので、例えば、予備知識の少ない、どんな方が読んでも理解できる内容を中心に書く。しかも、現行よりも簡素化すること。健康面については重要でございますので、アレルギー表示といった大事なものを中心に載せて、一方、その他の事項は、パッケージ以外の媒体を活用できる。当然、袋が大きいものについてはパッケージに書けるわけですけれども、包装が小さいものについては書き切れないということで、それ以外も活用できるということを御提案したところでございます。
 なお書きでございますけれども、表示事項を増やすということはコストアップにつながるところがありますので、その点も若干留保させていただいたところでございます。
 15ページでございますけれども、文章だけではなかなか御議論にならないかと思いまして、「表示のイメージ(案)」を幾つか用意いたしました。左上が現行制度。まさに実際に売られている商品の表示をそのまま載せております。右側のマル1案は、そこに前提を置いてございますけれども、例えば原料原産地をなるべく書いてみようとか、ある一定の前提を置いて、なるべくいろいろなものを盛り沢山入れてみようといった案でございます。
 片や、マル2案は、なるべく重要なものだけをパッケージに載せて簡素化しようという案でございます。3つほど例を載せておりますけれども、1枚おめくりいただきまして、16ページは即席カップめんの表示の例でございます。左上は現行制度に基づく表示。これは、実際に売られている商品にこういうことが書いてある。右のマル1は、例えば原材料名でいきますと、小麦については、「小麦(オーストラリア産、カナダ産、その他)」と原料原産地を書いてみたということでございます。その分、表示事項が増えておりますので、若干全体として字数が多くなっているかなと思います。
 マル2案は、原材料名でも上位8品目に限ってございますので、そういう意味では字数も少なく、ある程度、余裕があるかなということでございます。やはりそれでも、それ以外の原材料も知りたいという声もございますので、例えばQRコードのようなものをかざして携帯をごらんになると、右のようにネットのサイトに飛んで原材料名が詳しくわかる。更には添加物名、物質名についてもわかる。そういうことを中心に御議論をいただきました。
 昨日はこの点だけでも御議論が尽きませんで、いろいろ意見をちょうだいしましたので、これを踏まえて更に検討を進めていきたいと思っております。
 続きまして、参考資料3-3でございます。「加工食品の原料原産地表示の拡大について」ということでございます。目次をごらんいただきますと、1ページから10ページまで、かなりの部分をこれまでの経緯について割いてございます。原料原産地表示が導入されたときの背景から、現在、22食品群4品目について、原料原産地表示が義務づけられているというところまでの経緯を丁寧に書いたものでございます。ですから、そこは割愛させていただきまして、資料11ページに飛んでいただきたいと思います。
 加工食品の原料原産地表示の拡大につきましては、御委員会におきましても御議論いただきまして、今はJAS法に基づいて対応していますけれども、JAS法では一定の限界がある。今後はJAS法にとらわれない議論をしてほしいということでございました。それを踏まえて、昨日、2つほど論点を設定してございます。まずは、対象品目の選定の考え方ということで、マル1~マル3の問いかけを御用意させていただきました。
 マル1は、消費者が原料原産地を見るのはどういうものだろうかということ。
 それから、マル1で、例えばこんな商品、あんな商品というものが出た場合に、それをカテゴライズする、それに共通するメルクマールがあるのではないか、ということを御議論いただこうと思っておりました。参考として、今まで加工食品の原料原産地の表示は、原材料の品質が製品の品質にかかわるもので、余り加工の程度が高くなく、生鮮食品に近いものが義務づけられてきたところでございます。
 マル3は、選定方法についても議論するようにということでございました。これまでパブリックコメント等を実施しても、消費者の声というのは十分まとめられていないのではないかということがございましたので、対象品目の選定について、パブリックコメント以外にも何かお知恵があればということで設定させていただいたところでございます。
 12ページでございます。平成21年、消費者庁ができる前、共同会議の時代にいろいろ御議論をいただいた際、原料原産地表示の表示方法ということで、3つほど案が提示されておりました。
 (ア)は、産地が切り替わっていくので、それらの産地をすべて列挙する可能性の表示というもの。(イ)は、外国産でもA国、B国と書くのではなく、「国産」「外国産」と大括りで表示するということ。(ウ)は、例えば輸入するジュースみたいなものは、例えばA国で生産されたけれども、それをB国で加工して日本に入ってくるといった場合、A国、実際の原産地を追いかけるのはなかなか難しい面があるということで、加工しているB国を原産地表示にしてはどうかといった案が示されております。
 これらについて更に御意見を賜り、更には、これ以外の案もあろうかと思いますので、御議論いただければと思っております。
 「なお」のところでございますけれども、原料原産地表示については事業者にとってはコストアップということがございますので、それについても留保させていただいたところでございます。
 13ページは、参考として、「対象品目を拡大するに当たっての課題」でございます。これも、原料原産地表示をした際に課題になりうることということで、主に2つ。原材料として輸入される中間加工品、ジュースの濃縮果汁のようなものは、実際の原産国を追うのが難しい面があるということ。それから、調達先の変更に伴って、いわゆるパッケージの切り替えがなかなか難しいということがあります。例えば、パッケージの切り替えが大変なので、いろいろな種類のパッケージを用意した際、使えなくなったものについては捨てなければいけない。そういった場合には環境負荷が増えるということもありますので、原料原産地表示を義務づけた場合もいろいろな課題があるといったことを整理させていただきました。
 前回は、こちらの課題をただ説明しただけで終わりまして、引き続き、次回の検討会で御議論いただきたいと思っております。更に、年明けぐらいには中間論点整理をして、それについての御意見をちょうだいしたり、実際に事業者の方、消費者の方をお呼びして意見交換をするといったことを考えて、来年の6月の報告書取りまとめに向けて、精力的に御議論いただきたいと思っております。
 駆け足でございますけれども、説明は以上でございます。

○田島部会長 いろいろ御説明、ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、御意見等ございますでしょうか。
 山浦委員、どうぞ。

○山浦委員 遺伝子組換えパパイヤの「流通マニュアル」、参考資料2-2の14ページのところで質問したいと思います。今回、遺伝子組換えパパイヤについては、現地でシールを貼るということが説明されております。そこでのシールがはがれた場合の扱いについて、以前も議論をしたと思いますけれども、ここでは、はがれた場合には分別生産流通管理のメリットはなくなるということが書いてあって、努力義務として、ラップの包装のシールがはがれないように努める必要があるということですが、私どもが懸念しているのは、はがれてしまったものが実際に日本において流通した場合、シールがついていない状態で販売されてしまう。そうすると消費者としては、これが遺伝子組換えかどうかわからないまま、実際には遺伝子組換えであるのに、それを非遺伝子組換えのものとして購入してしまうという懸念です。
 その問題が起きるので、これについて、例えばペナルティを課すなり、シールがない状態のものが販売できないようにする、そういったルールをもっと厳しくしてほしいという議論をしたと思います。任意で、努力義務としてラップで済むという程度では不十分だと思いますけれども、この点についてはどういうふうな扱いになるのでしょうか。

○田島部会長 消費者庁からお答えをお願いいたします。

○中村課長補佐 その御議論があったのは承知していますが、現行の表示制度に品目を追加する中で、消費者の方に適切な情報提供をするということで現行のものをつくっています。シールがはがれて、遺伝子組換えパパイヤが非遺伝子組換えパパイヤのごとく販売されることは表示違反になることも、前に御説明したところでございます。パパイヤについても、当然、監視の一環として調べるとすぐ遺伝子組換えパパイヤか否かわかるということがありますので、そのような中で適切なモニタリングの調査などで表示を監視していくことになろうかと思っております。

○山浦委員 シールがはがれたままの状態で販売している状況が続く、ということが予想されるわけですか。それはしてはいけないと思いますが。

○中村課長補佐 今も御説明したとおり、シールがはがれたことによって、遺伝子組換えでないパパイヤのように販売されることは表示違反ですから、それが継続しているお店は違反をしているお店ということになりますので、今の御懸念はないのではないかと思っております。

○田島部会長 森委員、どうぞ。

○森(康益)委員 食品表示の一元化の話でございます。最後のページにタイムスケジュールというのがございます。来年6月までにこの取りまとめを行うという、ここのイメージです。新しい法律なので、食品衛生法で言うと食品衛生法本体のところ、例えば第1条が何ですよ、第2条が何ですよというところなのか。それとも一歩踏み込んだ中で、例えば施行令とか施行規則等、かなり個別のところまで入ってくるのか。この事は、昨日の検討会を聞いていて、何となくごっちゃになっているような感じがしました。また、今の原料原産地の話というのは、かなり施行令とか施行規則に近い話ですね。昨日の「目的」というのは、どちらかというと法律そのものを議論をされているという感じがします。今回の中間取りまとめなり6月のまとめのところで、どういう話が出てくるのか。それがここの段階での施行令、施行規則の作成とどうリンクしてくるのか、というのがわからない。
 もう一つは、この食品表示部会との関連性です。このスケジュールの中で、新しい法律ができます、施行令ができます、施行規則ができますという話なのですけれども、食品表示部会とどこの段階でかかわってくるのか。それとも全くかかわらないのか、ということについて少し教えていただきたいと思います。

○増田食品表示課長 検討会の最終報告はまさにこれからの議論なので、確定的にこういう報告書になるということを現時点では申し上げられないのですが、担当のイメージとしては、例えば、ここに一元化の法体系のイメージを示しております。ですから、基本的にはこういう法律になりますとか、表示の基本的な今後の考え方としては、目的もそうですし、表示の在り方なども今はいろいろな案を示してありますけれども、その方向性を書いていけたらなというふうに思っております。
 それから、そういったレベルの話と原料原産地をどうするかという話は、議論のランクとして相当差があるだろうというのは、委員がおっしゃるとおりですけれども、それぞれ宿題として背負っているところもありますので、若干アンバラでも、ここで議論すべきことになっているものは書いていくのではないかというふうに思っております。そういう意味では報告書は必ずしも、法律がどうなるとか、施行令がどうなるとか、省令がどうなるという切り口ではなく、今後の表示の在り方としてこんな方向で行くべきという、定性的というか、事柄でまとまったものを書いていくのではないかというふうに思っています。
 その後、施行令なり施行規則がつくられていくわけですが、そのときに、施行令や施行規則に何を書くかというのも、勿論、法律を作成するときに決める問題なので、こういうものは施行規則に書くということは、現時点で決まっているものはないわけです。いずれにしろ、義務表示として食品表示を運用していく以上、どういう場合には表示をしろとか、特例としてはこういうときはしなくていいとか、こういうときはこう書いていいとかいうのは、相当細かいルールになりますので、一定のものは、施行規則なり、法律でない下位の法令のレベルで書いていかざるを得ないのではないかと思っております。
 更に、これも法律をつくるときのこれからの検討ですけれども、JASで言うと、告示である品質表示基準、内閣府令になりましたが、現行法上、食衛法では施行規則は消費者委員会の食品表示部会で御審議、答申をいただくというスキームになっておりますので、基本的にはこの枠組みは維持されていくのではないかと思っております。仮にそういう前提でお話をすれば、法律ができた後、施行規則等を定めていくに当たっては、部会での御審議をいただくことになろうかと思っています。いずれにしろこれは、法律のときにどう書くかとか、そういったことによりますので、確定の話ではないですけれども、そういうイメージを持っております。

○田島部会長 原事務局長、どうぞ。

○原事務局長 消費者委員会の事務局からもちょっとお話し申し上げたいと思います。この食品表示部会というのは、先ほど参考資料5で御説明したとおり、設置・運営規程に基づいてやっておりまして、基本的には諮問を受けてそれを答申するという、JAS法と食品衛生法の表示関係というのが主です。食品表示部会で食品表示の一元化をどう取り上げるかについては、まだ定まった意見というのを持っているわけではなく、今のところ、第1次消費者委員会の最後の回、それから、今日の第2次消費者委員会の1回目ですけれども、報告事項ということで消費者庁から御説明を受けているところです。
 消費者委員会本体につきましては、12月2日の消費者委員会の席上において、消費者基本計画の検証・評価の作業をやりまして、食品表示の一元化も消費者基本計画に入っているものですから、その場にまた消費者庁に来ていただいてヒアリングをお願いするということで、消費者委員会としての意見交換はしたいと考えております。
 それ以降につきましては、今後、消費者庁とも相談をしながら、どういうかかわり方ができるかというのは検討していきたいと考えております。
 事務局からは以上です。

○田島部会長 事務局としての考えをお示しいただいたと思っております。参考資料5の「食品表示部会設置・運営規程」に所掌が第3条に書かれていますが、「部会は、以下の事項について、調査審議する」と。1番は食品衛生法、2番はJAS法となっていて、新法というのは触れていないわけです。ですから、厳密なことを言えば、新法に基づく施行令、施行規則について審議をするというのはこの運営規程では読めないという話です。ですから、この運営規程自身を、改廃も含めて消費者委員会で消費者庁と協議しながら進めていく、というふうに私は理解しております。
 宗林委員、どうぞ。

○宗林委員 2点あります。一つは、今の表示一元化のことです。確かに食品表示部会の所掌の範囲はあるかと思います。しかし食品衛生法に基づく個々のものとか、JAS法に基づく個々のものを内閣府令で審議していくことは所掌の範囲かと思いますので、関係ない訳ではありません。例えば一元化検討会で「目的」というものが議論されているようですが、例えば食品衛生法の目的では「公衆衛生の見地から衛生上の危害の発生を防止」云々というものがあります。こういったものが新法の中できちんと書き込まれないということは、それに基づいて個別のものを審議していくこの部会とも大きな関係があります。食品衛生法とJAS法の中の「適正な表示で一般消費者の選択に資すると。」この2つのものについては、目的の中でそれが外されて、新しい表示の一元化のものができていくということについては意見を多少言わせていただきたいと思います。
 というのは、公衆衛生の見地から、衛生上の危害の発生を防止するという食品衛生法の目的はこれまでの長い歴史と背景があります。例えば案1だと、非常にざっくりとして、何の安全なのかわからないかなというふうに思うのですが、大事な、日本国民の安全を担う基本的な見地はしっかりと踏まえた上で、検討していっていただきたいと思います。目的のところだけはここもかかわってくると思いましたので、意見を述べさせていただきました。
 もう一点、先ほどのパパイヤの遺伝子組換えで、質問も含めてですが、最初は、POP表示でも良いような話がありました。今は個別シール表示になったので、大変ありがたいことだと思いますが、実際上、例えば同じカゴの中に混ざって販売ということもあり得るのですか。それから、シールの大きさも何か規定があるのかないのか。その2点を教えていただけませんでしょうか。義務表示になっているのは、マニュアルの3ページには「遺伝子組換えのものを分別」「遺伝子組換え」「不分別」、この3つだけで、ないものはそれ以外のものということになるのだろうと思いますが、その点を教えてください。

○田島部会長 それでは、パパイヤについてよろしくお願いします。

○中村課長補佐 実際どう売られるかは想定の範囲もあるのですが、ハワイのパパイヤは、前も御説明したように、遺伝子組換えのものについては「ハワイ産パパイヤ遺伝子組換え」という表示がされてシールが貼られます。シールの大きさはどのぐらいになるかは、各会社によって違う可能性があるのでわかりませんけれども、消費者が見て、遺伝子組換えという字が読めないような小さい字で書かれてしまうと困るので、一般的な容器包装の印刷で求められているポイント数以上で書いてくれ、というふうな話にはなっております。
 少なくともハワイ産のパパイヤについては、非遺伝子組換えのものについてもシールを貼ると聞いております。それには品種名等が書かれることになっているようです。ですから、ハワイ産パパイヤというものが一つのコーナーで売られているときに、片方には遺伝子組換えというシールが貼られたもの、片方にはハワイ産の品種名などが書かれたものが並んでいることはあり得ると思いますが、見れば、それが遺伝子組換えかそうでないかということはわかるようになっています。また、別のコーナーでフィリピン産のパパイヤを売っているとして、こっちの方が安いから、こっちの方が形がいいからということで消費者の方が運んだとしても、ハワイ産のパパイヤについてはその旨シール表示がされているので、明らかに他のものと分別されて流通することになろうかと思っております。

○宗林委員 今、ハワイ産パパイヤのお話がありました。ただ、遺伝子組換えという統一的な表示の規定で見ると、特段組換えでないものに関しては任意表示です。ですから、これから何年も運用していく間には、そこはしたい人が多いでしょうから、IPハンドリングをとってするのかもしれませんし、品種もしていくのかもしれませんが、食品表示課としては、別にそこは、例えばシールがないものと混在して販売するということも特段規定はしていないということですね、今の御説明では。

○中村課長補佐 ハワイ産パパイヤで、表示が遺伝子組換えでないものについても分別生産流通管理は必要になります。ですから、分別生産流通管理の一環としてハワイでシールを貼ってきて、非遺伝子組換えパパイヤについても、そのまま小売店まで流通するということが、今のハワイで行おうとしている現状をお伝えしたわけです。ですから、将来的にシール表示の徹底が不十分になることがあるとすれば、このマニュアルにも書いてありますが、従来のトウモロコシや大豆で行われる証明書を持った管理がないと、非遺伝子組換えパパイヤの表示義務が免除になることはあり得ないので、そこはしっかり管理されながら進むことになっています。

○田島部会長 海老澤委員、どうぞ。

○海老澤委員 「食品表示一元化に向けた基本的な考え方について」の、新たな制度における表示の考え方の案マル1・マル2というのがありましたけれども、アレルギー物質を含む食品表示の制度が、どういうふうにして始まったのかということをきちんと御存じなく進んでいくと、非常に困るなというふうに感じました。
 もともとアレルギー物質を含む食品表示というのは、当時、厚生労働省がJAS法で、5%より少ない原材料によって実際にはアレルギーが発生する、それを防ぐという観点からやったわけです。例えば、「アレルギーは原材料に付記することをやめ」と書いてありますけれども、患者さんたちというのは、どの程度原材料としてアレルギー物質が入っているかということを、並んでいる順番を見ながら考えて、それで選択しているわけです。例えば添加物とかに入っているものであれば、非常に少ないだろうという想定の下に、患者さんたちはそれぞれがどの程度のレベルで反応するかということを大体知っていますから、それによって選択の自由というのがあるわけです。でも、例えば今回のマル2案にして、一括で卵、牛乳、小麦、こういうふうにやられてしまうと、これは何に対して入っていてどうなのかという選択を、患者さんから奪うわけですね。こういうことをここでお考えになること自体、私としては非常に心配だなというふうに思いました。
 どうしてこの制度が始まって、どういう意味があって、患者さんたちがどういうつもりで使っているかということをわからず、額面だけ考えて、こういうふうに書けばいいだろうと。これは企業からしたらすごくやりやすくて、簡単で、ちょっとでも入っていればこういうふうに書けばいいと、そういう話になりますけれども、消費者のことを考えて、アレルギーを持っている人のことを考えたら、こんな案なんて出てくるはずがないです。食品表示一元化検討会の構成員のメンバーを見て、はっきり言って食物アレルギーのことをわかっている人は誰も入っていないですね。こういう状態でいろんな案を進めていかれるということに対して、私はアレルギー物質を含む食品表示に、もう10年以上前から、当時の食品安全部、保健部の時代からどうやってつくってきたかということは、すべて自分の頭の中に入っていますけれども、その私たちの努力と熱意、患者さんのためを思ってやってきたことをこういうことで壊されては本当に困ります。

○田島部会長 鬼武委員、どうぞ。

○鬼武委員 私は昨日の食品表示一元化検討会の会議に出席していまして、本日消費者庁事務局が、昨日の資料にもとづく説明をされました。しかし、その説明の仕方および作成した資料がまずいのではないですか。昨日の会議では、各委員からさまざまな意見が出されて、この資料では正確に意図が伝わらず、資料の作り方を工夫すべきであるという結論であったと思います。本日の説明では本部会の委員には正確に伝わらず、何人かの委員からやはり同じような疑義が出されています。やはり、事務局の人はきちんと説明しないといけないのではないでしょうか。私も黙っていようと思ったけれども、昨日の検討会に、この中の委員が4人ぐらい出席されていてさまざまなコメントを出して議論をしてきたわけです。昨日議論された経過を正確に報告しないため、今日、昨日と同じような蒸し返の議論になったのです。消費者庁の事務局は訂正して正確な説明をしないといけないのではないでしょうか。そうしないと本部会で議論にならないと思います。

○田島部会長 昨日、私も出ていましたけれども、この資料のつくり方自身にいろいろそごがある。「それは例示だから」ということで御説明をしていただいていますけれども、やはり検討会に参加していた委員の先生方も否定的な御意見が多かったので、そういうことを踏まえて御説明をいただきたかったですね。
 ほかにございましょうか。
 どうぞ、立石委員。

○立石委員 一元化の検討会内での協議に関して十分な説明がない中での話かもわかりませんけれども、原産地表示のこの案は極めて遺憾だなというのが私の印象です。というのは、「原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会」は、この部会の下で開いて議論をしてきた中身が、この中で反映されていないわけです。原案として示されたものはひどい中身でありまして、消費者委員会から消費者庁に今後の進め方についての考え方、根本的な意義についての検討を求めましたが、こういったところがなされず、このような資料をよくまとめられたなというのが感想で、私はあっけにとられてワケがわからない。この前の議論は何だったのか、というのが正直な印象です。
 まず、原産地表示を拡大するのが前提にあるのか、ないのかというところで、私は「ある」というふうにとらえていたのですけれども、この中の示された案では、再度議論しましょうよというような意向ではないでしょうか。選定の考え方も、資料の中で示されている原産地表示における対象品目の考え方についてのマル1、マル2にあるように、根本というのはやはり消費者が持つ多様な原産地に対するとらえ方なのです。そこのところが全く抜け落ちて、委員の方に共通するメルクマールを聞くだとかの議論をしているとか、それから、再度、拡大に向けての支障となるネガティブなことばかり書いてありますね。表示の方法については、切り替えだとか、中間加工品の問題とか書いてありますし、更に、調達先の切り替え困難だとか、こんなことはやる前提にあったとして、今必要なのはどのようにルールをつくるかというところですよ。そこのところをまず原案を固めてやるべきだと。仮説を立てて、進め方についての考え方をきちっと消費者庁で整理しないと、できませんよという話は、「原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会」の場でもしたと思います。
 そのことがなされないまま、また丸投げのように委員に意見を伺っておられ、どういう進め方なのか、私はわからないです。こんなことで原産地表示なんか進まないですよ。もう一度、また最初から同じようにやるのですか。この新しいメンバーでヒアリングを開いて、課題を整理してと。これを何年やってきたのですか。共同会議のときから四十何回開いて、その後、この部会、それから「原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会」は7回やりました。その中で議論をし続けてきて、またやるのですか。そこのところ、もう一度考え方を聞かせてください。

○田島部会長 昨日の会議でも、消費者委員会の原料原産地表示の検討会の報告書の取りまとめ方については、委員の方から、こういった資料の出し方は悪い、ちょっと遺憾であるというふうな御発言がありました。ということで、よくよく消費者庁の方はその点については理解していると判断いたしますが、何かコメントはありますか。

○増田食品表示課長 昨日の議論でも、そもそも報告書本体を議場にお示しして議論すべきというお話もあったので、次回はそれもやりたいと思っております。そういった今までの議論を前の部分も含めて資料としてお出しして、これを前提に議論をしていただくということを、こちらとしては進めていきたいというふうに思っております。

○田島部会長 海老澤委員、どうぞ。

○海老澤委員 先ほどの自分の質問に対して、どういうふうに考えていらっしゃるのかということと、あと、アレルギー物質を含む食品表示のどういうふうな経緯があって、どういうふうに患者さんたちが使っているかということを、きちんと調査、あるいは私に聞くなりしてからこういう案を考えたのか、そういうことをきちんと答えてほしいです。

○田島部会長 昨日の会合でも、中川委員から、添加物の表示について現状はどういうふうになっているのか、それについての経過を説明する資料を次回に用意するようにとやはり注文がありました。その答えが次回に出てくると思いますが、それに合わせて、海老澤委員のアレルギー表示のこれまでの経過についても、次回の検討会で提出いただくようにこの委員会から要望するということで、よろしいでしょうか。

○海老澤委員 勿論、そういうふうにしていただければいいのですけれども、ただ、こういうことを進めていく大前提のところに、そういうきちんとした仕事の上に進めていかなかったらどうしょうもないですね。

○田島部会長 どうぞ、迫委員。

○迫委員 食品表示一元化検討会に出させていただいております。そういう議論の中で、これは全体の流れの中でなのですが、目的とかそういう部分を整理するための一つのイメージづくりとして、これを提案されただけのものというふうに昨日は受け取っております。ですから、ここに書かれている内容がそのまま通る話でもなく、簡素化するために、こんな方法もあるのではないか、細かく書くにはこんな方法もあるのではないか、わかりやすい表示であって利用される表示のためにはどういうふうにあったらいいのかという、単なるイメージ図としての作りであったというふうに私は理解いたしました。なおかつ、食品表示の目指すものは、国民の安全、健康増進が最優先されていくというところも議論の中で出てきているところでございます。
 今後、海老澤先生からお話があった、特に国民の命に直結するアレルギーの問題、それ以外の食品安全の問題も含めて、非常に重要な視点になってくると思いますし、個別のところを整理するときに、きちっと伺いながら意見をいただいてそれを盛り込んでいくのではないかと思います。そういう意味で一元化検討会の流れが交錯している。どういうふうに流れを整理していったらいいのか、いろいろな議論がある中で、その整理をしている途上であるというところからして、今日は提出された資料の説明をされたというふうに理解していたものですから、私は先ほどまでお話し申し上げませんでしたけれども、議論としてはそういう方向で進んでいるということを追加させていただきます。
 以上です。

○海老澤委員 勿論、総論をきちんとまとめて各論を詰めていくことは必要かとは思いますけれども、ただ、どうしても押さえておかなければいけない各論というのがあります。そういうことがきちんと押さえられない上にのった総論的な議論というのは、私はないのではないかと思います。

○田島部会長 どうぞ、手島委員。

○手島委員 昨日の議論の中でも、表示制度というのがあるわけで、それぞれの表示がなぜ起きたのか、それぞれの経緯について調べて次の部会で提示してくださいという話がありました。添加物に限らずすべてにおいて、どうしてこういう表示制度が始まったのか。そういったことの整理がされて、次回に提出されるものというふうに理解しております。

○田島部会長 栗山委員、どうぞ。

○栗山委員 アレルギーというのは今回の検討の中で大きな課題だと、アレルギーにかかわっているせいかもしれませんが、とても強く思っておりました。手島先生とか皆さん、それなりに御理解をいただいていますが、アレルギーの直接の担当者はいないので、よろしくお願いしますというお願いをしつつおりましたが、やはりここにこのような形で出てくると、とてもとても不安になりました。委員会はそれなりの形で進んでいらっしゃるとは思いますが、私たちアレルギーにかかわっている者にとっては、今回出されたものは、表示がうまく進むというふうに信頼してお任せできる状況ではない。事情は、今、お話を聞いて少しはわかりましたが。なおかつ、私たちがこの委員会にかかわっての報告事項ということになると、ますますちょっと心配な感じになっているので、何か方策を講じていただけるとありがたいなと思いました。

○田島部会長 立石委員、どうぞ。

○立石委員 生食用の資料の5ページ目、「その他」の中で、「『調理を行った生食用食肉は、速やかに提供しなければならない』とされていることから、凍結させていない生食用食肉は小売店等において消費者に対して直接販売する場合には、消費者が速やかに消費するよう適切な消費期限を表示するよう指導されたい」となっていますが、適切な消費期限というのは具体的にはどういうことを言われているのでしょうか。適切な消費期限を指導ということですけれども、どういったところをきちっと指導しなさいと、具体的にどういうことを指しているのかというのを教えていただけませんか。

○今川課長補佐 消費期限、賞味期限につきましては、過去、ガイドラインというのを出していまして、実際それをつける企業の方なり業界を代表する団体なりが、例えば微生物検査、理化学検査、そういったものを実施して、それに基づいた科学的な消費期限、賞味期限を設定することとしております。その商品、その商品、あるいは流通形態に応じてもここは若干変わってくるかもしれませんけれども、そういったガイドラインに基づいて表示をお願いしますという趣旨でございます。

○立石委員 多分そうだと思ったのですが、その場合、例えば量販店、対面で売っている小売屋、そこのところで理化学的な官能検査なり微生物検査をやっていないという状況については、指導があるというふうに見たらよろしいのですか。

○今川課長補佐 生食用食肉に限りませんで、消費期限、賞味期限というのは、自分で実施しなくても、何らかのデータなりを使って科学的に設定することが大前提でございますので、科学的につけていただく、科学的なバックボーンがなければ、場合によっては違反になる可能性は勿論あるということでございます。

○立石委員 わかりました。

○田島部会長 山浦委員、どうぞ。

○山浦委員 先ほどの統一化の問題に戻らせていただきます。昨日の会合は私も傍聴しておりましたけれども、山根委員から参考資料が出されて、市民団体及び主婦連から提出された要綱案も出されておりました。先ほどの目的と絡めて私として要望したいことは、新しい法律をつくるということでありますから、目的と同時に、法的な構成・枠組みがどういうものになるかということもしっかり議論した上で、各論的な表示の在り方を検討することが必要だと思います。
 特に私としましては、目的規定の中に、消費者の選択権を確保する、消費者の権利をしっかり確保するということが書き込まれる必要があると思っております。そのためには法的構成をする際に、消費者の権能がどこにあるか、あるいは、消費者庁がどういった権能を持ってどういう仕事をされるのか。そして、事業者はどういった義務を負うかといったようなこともしっかり書き込まなければいけない。実効性を確保するためにはそういうことが必要ではないかと思います。また、ペナルティも法律では非常に重要ですから、違反した場合のペナルティがどういうものであるかということを最後にしっかり書き込む。そういう構成も含めて、目的と同時にしっかり中身を議論する。そういう構成が必要ではないかというふうに思いますので、消費者委員会としても、消費者庁のこういった検討会の議論の行方を見守りながら、逐一コメントを出していくことが必要ではないかというふうに思います。

○田島部会長 ありがとうございました。御意見として承りました。
 ほかにございますでしょうか。山根委員、どうぞ。

○山根委員 一元化のことですが、そもそも、表示に関する個別の課題や何かが大体整理がついたので、一元化に向けて検討を開始しますということで始まったわけですけれども、それぞれの法律とか、個別の課題とか経緯を含めて、問題点の抽出が十分でなく始まってしまったのかなというふうに思っています。そういったスタートであったから、たびたび今までの検討会の中でも、この検討会の10回で何を議論して、どこまで進めてまとめまで進むのかとか、検討会のスケジュールや何かをきちんと示してほしいと要望をしていたのですが、なかなか明快な答えが返ってこない。様子を見ながら進めていくというようなことになって、3回、ちょっと迷走している部分もあると思います。
 そんな中で、昨日でしたか、広く消費者の声を聞くために新たにアンケート調査をして、消費者が求めている表示というのは何だろうと、調査をするという話があったかと思いますけれども、今、それが必要なのかなというふうに思っています。そういうアンケート調査よりは、きちんと個別の課題や何かをもう一度整理して示して、議論のたたき台をきちんとつくっていただきたいというふうに思っています。

○田島部会長 ほかにございますか。
 食品表示一元化検討会は、いろいろ御指摘をいただきまして、今まで出された意見をもとに、消費者庁の方では十分に反映していただくように要望いたします。
 それでは、議事を終了させていただいてよろしゅうございますか。本日の議事は以上でございます。
 最後に、次回の日程について、事務局から説明をお願いいたします。

○原事務局長 どうもありがとうございました。
 先ほど私は途中で説明したので、言葉足らずだったのではないかと思いますので、もう少し丁寧に説明いたしますと、消費者委員会でこの食品表示一元化についてどう取り組むかについては、まだきちんとした討議をしておりません。食品表示部会におかれましては、第1次のときも、今日は第2次のスタートですが、そういう状況なので、一応今の段階では消費者庁から報告事項として報告をしていただいて、皆様に御意見があれば出していただくという形をとっております。
 今後、消費者委員会、食品表示部会でどのようにこの課題について取り組むかについては、消費者委員会の方でまたしっかり議論をさせていただいた上で、皆さんにいろいろとお願いをしたいと思っています。少なくとも消費者庁でも検討を進められる段階で、いろいろな方から御意見を聞きたいとか、それぞれのタイミングもございます。皆さん、食品表示については大変御見識をお持ちの方々ばかりですので、この食品表示部会の場も活用することは十分考えていきたいというふうに思っております。
 次回の日程につきましては、年が明けて、改めてまた御連絡をさせていただきたいと思います。
 事務局からは以上です。

○田島部会長 ありがとうございました。
 それでは、本日はこれにて閉会させていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

≪4.閉会≫

(以上)