第2回 公共料金等専門調査会 議事録

日時

2013年2月22日(金)17:00~18:41

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
古城座長、井手座長代理、古賀委員、白山委員、橋本委員、松村委員、矢野委員
【消費者委員会担当委員】
山口委員長代理、小幡委員、細川委員
【事務局】
消費者委員会 原事務局長、小田大臣官房審議官
消費者庁 長谷川消費生活情報課長
【説明者】
経済産業省 片岡電力市場整備課課長、竹谷ガス市場整備課課長
総務省 岡崎郵便課課長

議事次第

1.開会
2.消費者基本計画の検討・取組について
3.公共料金等所管省庁へのヒアリングについて
 (1)経済産業省(電気)
 (2)経済産業省(ガス)
 (3)総務省(郵便)
4.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:7KB)
【資料1-1】 消費者庁資料(消費者基本計画の検討・取組について)(PDF形式:12KB)
【資料1-2】 消費者庁資料(調査票)(PDF形式:14KB)
【資料2】 経済産業省資料(電気) 【資料3】 経済産業省資料(ガス)(PDF形式:740KB)
【資料4】 総務省資料(郵便)(PDF形式:107KB)
【参考資料】 公共料金に関する研究会報告書(PDF形式:442KB)

≪1.開会≫

○原事務局長 それでは、定刻になりましたので、始めさせていただきたいと思います。
 本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。
 ただいまから「消費者委員会公共料金等専門調査会」の第2回会合を開催いたします。
 本日は、所用により、専門委員の小塩委員、蟹瀬委員が御欠席ということで御連絡をいただいております。
 議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。
 配付資料一覧につきましては、議事次第の下に掲載しております。
 資料1-1 消費者庁資料(消費者基本計画の検討・取組について)
 資料1-2 消費者庁資料(調査票)
 資料2   経済産業省資料(電気)
 資料3   経済産業省資料(ガス)
 資料4   総務省資料(郵便)
 参考資料として、公共料金に関する研究会が消費者庁で検討されておりましたけれども、その報告書をおつけしております。
 席上ということで、消費者委員会が昨年2月に取りまとめました公共料金問題についての建議もお手元にお配りしております。
 不足がございましたら、審議の途中でお申し出いただければと思います。
 本日の会議につきましては、公開で行っております。議事録についても、後日公開とさせていただきます。
 それでは、座長、議事進行をどうぞよろしくお願いいたします。

○古城座長 それでは、議事に入らせていただきます。
 本日の議事は、お配りしたペーパーのとおりでございますので、最初の議事に入りたいと思います。

≪2.議事≫

○古城座長 消費者庁より、公共料金等に関する情報公開の実施状況のフォローアップ、公聴会や審議会における消費者参加の実質的な確保、料金の妥当性を検証する具体的な方法の進め方について御説明いただきたいと思います。

○長谷川消費生活情報課長 消費者庁でございます。
 それでは、資料1-1、資料1-2をごらんいただきたいと思います。
 まず、資料1-1でございますが、消費者基本計画の検討・取組につきまして検討事項ということです。先ほどお話がありましたが、昨年2月に消費者委員会より、公共料金問題についての建議がなされ、また、消費者庁におきましても研究会を設置し、参考資料で報告書をお手元にお配りしておりますが、公共料金のあり方について御審議いただきました。また、御案内のとおり、電気料金についても認可申請が行われたということで、いろいろな公共料金に関する動きがございました。
 そうした中、公共料金への取組の強化といった観点から、昨年、閣議決定で、消費者基本計画の一部改定に当たりまして、公共料金等の決定過程の透明性、消費者参画の機会及び料金の適正性の確保を保つ観点から、幾つかの事項について検討し、取り組むことになっております。
 別添に書いてございますように、担当省庁ということでは、消費者庁、消費者委員会、所管省庁が連携した形で推進していくことになっております。
 1つ目は、公共料金等に係る情報公開の実施状況のフォローアップ。
 2つ目は、公聴会や審議会における消費者参画の実質的な確保。
 3つ目は、料金の妥当性を検証する具体的方法。
 こうした問題につきまして、施策の検討、実施に資するべく、この基本計画にのっとりまして、関係省庁に対しましては、資料1-2にございますように、昨年12月に書面調査票を送付いたしまして、本日より、この調査票に対する回答、説明に対しまして、ヒアリングという形で実施いたしたいと思っております。このヒアリング等を踏まえまして、横断的あるいは汎用性の高い考え方、内容について御検討をいただければと思っております。
 今後の調査会の日程でございますが、本日、個別の公共料金のヒアリングを行って、調査審議をお願いします。また、次回におきましても、同様な調査審議をお願いしたいと思っております。
 できれば3月下旬に消費者基本計画におけます具体的な施策の項目に関する考え方の検討という調査会での考え方の御検討をお願いしたいと思っております。
 以上でございます。

○古城座長 ありがとうございました。
 それでは、ヒアリングに入りたいと思います。

(説明者入室)

≪3.公共料金等所管省庁へのヒアリングについて≫

 

(1)経済産業省(電気)

○古城座長 本日は、経済産業省、総務省においでいただき、経済産業省から電気料金及びガス料金、総務省から郵便料金の各分野における取組について御説明をいただき、その後、質疑応答をしたいと思います。
 経済産業省におかれましては、お忙しいところ御出席いただき、まことにありがとうございました。
 それでは、御説明に入りたいと思います。
 まずは、電気料金についてです。経済産業省から御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

○片岡電力市場整備課課長 電力市場整備課長の片岡です。どうぞよろしくお願いいたします。
 資料2「書面調査票記入シート(電気)」でございます。
 電気料金は、大きくいいますと2つの契機がありまして、1点目は、従来認可制だったものを平成12年に届出制に変えております。もう一点は、震災後、東京電力の問題も踏まえまして、認可のプロセスでありますとか、あるいは審査の基準を改めております。その大きく2点がこれまでの大きな変更であります。
 まず初めのページは、電気料金の情報公開ガイドラインでございますが、これはまさに1つ目の料金規制の変更の際につくったものであります。
 考え方としましては、当時、まさにこのときに大口については自由化を行ったものですから、規制料金につきましても、事前規制から事後チェックへという考え方で、そのために(1)(2)とありますが、行政としてもルールをあらかじめ明確化する。事業者についても、より自主的な説明が必要になるので、情報公開のガイドラインをつくりましょうということで、ガイドラインを設けたものでございます。
 その中身としましては、マル1 法令として公開される情報、マル2 積極的に公開する情報、これは事業者も規制も両方あります。それからマル3 求めに応じて開示するものと3分類しております。後ろに別添があります。
 その後、2つ目の大きな動きということで、一昨年でありますけれども、震災を踏まえまして、その後、東京電力の賠償支援という過程で、電気料金につきましても、自由化以降、10年以上手が入れられていなかったということもあり、見直すべきであるという指摘もありまして、この電気料金の制度・運用の見直しに係る有識者会議を開催いたしました。
 この中で情報公開の必要性が指摘されましたことを踏まえまして、去年3月に大幅な改正を行っています。例えば非常に分厚い認可申請書類は求めに応じて開示する情報となっていましたけれども、積極的に公開する情報と直しまして、申請の行われた電力会社につきましては、即日、ホームページに載せているということも行っております。
 2ページでございます。
 そのガイドラインの中で、ここに御指摘いただいておりますような料金の根拠でありますとか、セグメント別の情報でありますとか、そういうものを公開することになっているかということであります。これにつきましては、それぞれ項目に記載しておりますが、料金の設定変更時の説明資料でありますとか、その後、事業者の説明資料でありますとかという形で、それぞれ公開することにしております。
 ただ、特に料金認可の際には、後でも申し上げますけれども、電気料金の審査専門委員会というものを開催しておりまして、この中でここに書かれているような情報を含めて、それこそ縦横斜めにありとあらゆる情報の開示を求められますので、それに対しては全て公開で応じているということでございます。
 3ページは、審査要領であります。
 これは先ほど申しましたとおり、従来、東電の問題が起こる前は、審査要領というのも割と電気情報に書いてあることを引っ張った程度の、そんなに詳しいものはなかったわけですけれども、有識者会議で半年以上議論をしまして、非常に詳細なメルクマールといいますか、審査要領をつくっております。
 例えば抜粋が真ん中あたりにありますけれども、人件費でありますれば1.で、賃金構造統計基本調査における1,000人以上の企業平均値を基本に、ガス、鉄道等の平均値も比較して査定を行う。その際、地域間、賃金格差の差についても考慮することなどが定められております。
 ただ、これも実際に申請が行われますと、こういったメルクマールのとり方も、事業者によってはそれぞれまちまちに出てくる面がありまして、そうしたものの妥当性について、まさに今、審査専門委員会で御議論いただいているところでございます。
 その他の事業についても、非常に細かく書いてございますけれども、時間の関係で飛ばさせていただきます。
 5ページは、電気料金の妥当性の事後的・継続的検証であります。
 まず、料金の設定時にどういう情報が公表されるかということでありますけれども、これは先ほど申しましたとおり、設定時にはガイドラインにおいても積極的に公表することが求められる情報ということで、認可申請を行った各社が非常に詳細な資料を出しております。
 それから、繰り返しですけれども、その後、それ以上に物すごく膨大な量の情報が求められますので、これについて1個1個公開しているということであります。
 事後チェックの一環としまして、これも後でもう少し詳しく制度の中身を説明しますけれども、部門別、これは自由化部門と規制部門で分かれておりまして、その収支計算書も公表しております。後ほどもう少し詳しく御説明します。
 6ページは、料金の妥当性について、定量的なデータを用いた事後的な検証をどのような方法で行っているかということでありまして、これも段階として2段になっています。
 まずは審査基準と書いていますが、有識者会議の報告でも事後チェックは重要だということで、マル2の原価算定期間内におきましては、部門別収支につきまして毎年公開。これは、従来は自由化部門が赤字のときのみ公開だったのですけれども、東電の問題の過程で自由化部門の利益が規制部門に比べて非常に大きいという御指摘もあったものですから、毎年赤でも黒でも公開するように去年変更してございます。
 原価算定期間終了後、そのまま電気料金を維持してよろしいのかということが起こるわけでありますけれども、これにつきましても去年3月の有識者会議の報告におきましては、経営状況に照らして、必要以上の内部留保の積み増しや株主配当が確認され、需要家利益を阻害するおそれがあると認められる場合には、電気事業法第23条に基づく料金認可申請命令の発動の要否について検討することが適当であると提言されました。
 その後、東京電力の認可の過程もございまして、消費者委員会様から提言をいただき、その発動要点を明確化すべきということで、これも以前、この場でお示ししたかと思いますけれども、定量的な基準としまして、電気事業の利益率による基準、超過利潤が累積して一定の基準を上回った場合の基準という定量的な基準を今回新たに設定したところでございます。
 8ページであります。
 これはまだ制度ができたところですので、これから評価をしますけれども、結果につきましては、ホームページ等で必ず公開したいと考えてございます。
 9ページにつきましては、変更命令の要件です。先ほど申し上げましたとおりですので、省かせていただきます。
 10ページでございます。
 認可手続における消費者の参画ということで、公聴会等を行っているかということでございますけれども、電気事業法第108条に基づきまして、公聴会を開くことが規定されております。これにつきましては、これも我々が最後認可したときに公聴会を開いたのは平成10年が最後でしたので、手探りでいろいろな形でやってきたわけですが、東京電力の申請の際には、東京と埼玉で2日にわたりまして開催し、15名の方に参加をいただきました。
 これも消費者庁の公共料金の研究会の提言に基づきまして、質疑応答も行う。それから、議事運営、議事進行につきましても第三者に行っていただくということで、山口先生にもやっていただきまして、議事運営をしたところでございます。
 それに加えまして、新たな試みとしまして、インターネットを通じて意見募集ということをやりまして、東京電力のときには2,300件を超える御意見をいただきました。これにつきましても、公聴会の意見とあわせまして、審査専門委員会で審議の上で回答を公表しております。
 今回、関西及び九州電力の値上げに際しましては、東京電力のときに周知期間が短かったということで、参加人数が少なかったのではないかという御指摘もございましたので、時間を2カ月弱とりまして、かつこれまで消費者庁様、あるいは全国消費者団体連絡会様の御努力を得まして、累計1,200団体に周知を行いました。この結果、大阪で26名、福岡で36名と、陳述人としては東京を大きく上回りました。
 それに加えまして、この公聴会には審査専門委員会の委員の方々にも御出席をいただきましたことと、消費者委員会様からも山口先生に御出席いただきましたところでございます。
 12ページは、審議会等についての公開と消費者の利益を代弁できる者が構成員となっているかということでございます。
 有識者会議の報告を踏まえまして、先ほど申し上げました外部の専門による中立的・客観的な検討ということで、総合エネ庁という経産省のエネ庁の審議会のもとに電気料金審査専門委員会を設置しております。この審査内容につきましては、全面的に公開をしておりまして、かつ今回は地方の電力会社さんの申請であるということもありまして、ウエブサイトでリアルタイムで中継もしております。
 委員の構成につきましては、東京電力を審査した1回~10回におきましては、学識経験者及び会計の専門家等から構成しておりましたけれども、11回目、つまり関西電力、九州電力の申請以降は、消費者問題の専門家ということで、NACSの辰巳さんにも委員に入っていただいたところでございます。
 13ページは、認可等の手続に当たって、事業者から提供される情報に、セグメント情報でありますとか、子会社・関連会社の取引の情報等が含まれているかということでございます。
 まず、小売料金の申請は算定規則に基づいて算定されます。その際には、規制部門と自由化部門、託送といいますけれども、ネットワークといいますか、送電線を利用する部門とそれ以外ということで、部門別に費用を算定していくことになっていますので、こういったものがきちんと大臣には申請され、公表されることになっております。
 子会社との取引等につきましても、料金認可申請の過程で効率性を確認する観点から、例えば今般であれば、この子会社にどういう電力会社出身のOBの方、現役の方が行っているかということも含めて、それぞれの情報を出しているところでございます。
 14ページは、効率化の度合いの判断の仕方ということでありますが、これにつきましては、法律上はここに書いてありますように「能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤」としか書いてございません。それを具体化するために、先ほど申し上げました審査要領を具体に定めております。さらにそれに基づきまして、それを具体に判断していくということで、電気料金審査専門委員会で適正性を判断していただいているということであります。
 15ページは、高齢者等に対する情報提供ということで、事業者に確認しましたところ、全ての電力会社が全てやっているというわけではございませんけれども、点字版の供給約款を備え付けてあるとか、点字による検針票、領収書を御希望される方へ発行するでありますとか、耳や言葉の不自由なお客様からの問い合わせ方法として、専用のFAX窓口を設置しているということを確認しております。
 最後に16ページは、今後の取り組みということでありまして、先ほど申し上げましたとおり、電気料金の制度につきましては、平成24年3月に大幅に情報公開あるいはその審査要領等々を含めて見直しております。累次類似電力会社からの電気料金の値上げ申請が行われているということもありまして、可能な限り皆様の御意見を取り入れながら、そのたびごとに、可能な限りいい方向にということで変えていっているところだと思っております。
 今後、いずれ電力システム改革ということを今、政府として決めようとしておりまして、電力料金の自由化ということにもなってまいるかと思いますけれども、その重要性に鑑みまして、適切な制度設計、運用に努めてまいりたいと考えております。
 簡単ですけれども、以上です。

○古城座長 どうもありがとうございました。
 ただいまの御説明について、御意見、御質問をお願いしたいと思います。
 いつものように、御質問、御意見のある方は、札を立てて発言請求をしてください。いかがでしょうか。
 山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 御説明ありがとうございます。
 どこに書いてあるか、直ちにこの情報公開のガイドラインでよくわからないのですが、電気料金の問題を議論するに当たって非常に疑問に思ったところは、いわゆる一般的に言えば、取引業者との取引内容の開示の問題であります。
 つまり、電気料金の場合、電力会社が非常に高額な燃料を大量に購入するわけです。それから、どことは言いませんが、特にいわゆる自分の会社が社長や会長などが役員に転出している有力な会社に客観的には無駄ではないかと思われるような相当の金額を払っているという場合に、これは単なる私企業間の取引とは言えない。あるいは非常に大きな公共性を持つ燃料の輸入の内容とか、それについては、どういう基準で公表なり、開示なりをするのか。ここは非常に微妙なところだと思うのですが、そこについてはどういう考え方のもとにどういう内容になっているか御説明いただければと思います。

○片岡電力市場整備課課長 まず、原価の妥当性を確認するというのは、制度上は認可のときに行うことになってございます。これは法律がそうなっていますので、基本的にそのときしかチェックしないわけですが、認可の際に、おっしゃったように燃料費が高額過ぎるのではないかとか、あるいは社長なりが行っているものですから、甘い取引をしているのではないかという疑念は当然あるわけでありまして、それにつきましては、この審査専門委員会の中で可能な限り情報は出すように促し、出してもらってやっています。ただ、全て出せるかというと、多分そうではなくて、例えば燃料の調達価格が外に出れば、それは資源国あるいはメジャーとの関係で、この値段ならどうかという話で取引に悪影響があるということも考え得るかと思います。そういう情報につきましては、審査専門委員会の先生方、これは非常勤の国家公務員の扱いということで、守秘義務を持っておられるということから、その先生方には見ていただきつつ、その上で第三者の目ということで妥当性を確認した上で判断をしていくようにしたいと思います。
 ただ、その中でもどうしても出せないものはともかくとして、出し方の工夫でありますとか、やり方次第によっては出せるものがあると思いますので、それについては可能な限り出しながら判断していきましょうということは、委員長の安念先生もおっしゃっていますので、そういうことでやっていくということであります。

○山口委員長代理 別紙1、2でガイドラインあるいは審査基準が出ているのですが、ここのどのあたりの表現が、今、御説明になったようなことを書かれているのか。

○片岡電力市場整備課課長 これは正直申し上げますと、実態のガイドラインをはるかにオーバーラインしているというのが実態でありまして、具体的には情報公開ガイドラインの6ページに表がございます。「(1)供給約款」という一番左側の欄は、独占分野における規制需要家のための料金規制ということで、いわゆる小売料金なのですが、この左側にあります「マル2 妥当性値に必要な情報」で「説明資料等」と書いてございますけれども、こうしたものが当然情報を今まさにもらって審査しているわけですが、出せるものは出していっているということであります。
 ただし、先ほど申し上げましたように、それ以外の情報も当然もらっているのですが、それは全て出せるわけではなくて、それについては専門委員会等で見ていただいているということです。
 済みません。ざっくりとしか書いていなくて、この中ではこういう形になっているのですが、実際には可能な限りこれを出していく。しかしながら、それでもどうしても出せないものについては、専門委員の先生方に見ていただくことで妥当性を判断しているということであります。

○古城座長 細川委員、お願いします。

○細川委員 私は関西電力の大阪での公聴会を公聴しておりました。いろいろな意見がございましたけれども、その中でやはり人件費関係の関心が非常に高いなと思いました。総括原価の中で人件費はそんなに大きいものではないですが、ただ、非常に苦しい中で値上げされると、値上げの総括原価の中に人件費が入っていて、それが非常に生活者から比べれば高いとすると、これはやはり納得できないというのは当たり前だと思います。
 ただ、その中でも従業員の人件費についてはいろいろな意見があったり、公聴会の中で意見を言った方の中には元従業員の方もおりましたので、そこはいろいろ議論はあるかと思いましたけれども、多くの方が指摘したのは、関電で言えば、やはり取締役の給与等の高さというのは皆さん多く言っているのです。例えば元会長の退職金が10億円だという発言も何人かございまして、驚いているわけですけれども、例えば退職金が10億円、あるいは社長等を務めた人が顧問で行って、顧問料が1,000万円という話も出てきました。もしこれが事実でなければ御訂正いただきたいと思いますけれども、もしそれが事実であるとすれば、それは現行の総括原価の中で仕方ないというか、安定供給のためには必要なコストと経産省は考えておられるのか、そうではないのか。あるいは基準がきょうお示しいただいた審査要領の中で役員給与や福利厚生についても従業員の人件費と同様の考え方を適用するとありますけれども、こういったものに照らし合わせても、退職金が10億とか、顧問にまで1,000万払うというのは、今後も続けていっても仕方ないと考えられるのかどうか。これをお聞きしたいと思います。

○片岡電力市場整備課課長 最終的には認可の際にどうするかはまだ途中ですのであれですけれども、事実関係から言うと、役員に対する退職金は制度としてないと確認をしています。昔はあったのかもしれませんが、そういうことは今はないと聞いています。

○細川委員 払われないのですか。

○片岡電力市場整備課課長 はい。役員の退職金というのは、役員報酬に含まれていると。つまり、辞めたときに退職金を払うのではなくて、毎年毎年の年俸で払われていると関西電力からは聞いています。
 その役員報酬につきましては、原価にも入っております。単価としましていろいろ削減した結果だと思いますけれども、1人当たり4,100万円というのが、関西電力であれば原価の中に織り込まれて申請されております。
 これにつきましてどう考えるかということが御指摘のところでありまして、東京電力の申請のときには原価には入っていなかったのです。ゼロで出していたわけです。したがって、そのときには余り議論はなかったのですが、今回4,100万円ということで出しておられて、九州電力はたしか3,300万円だと思いますが、それにつきまして、この審査要領から考えますと妥当なのかどうかということをまさに今、御議論いただいているところであります。
 前回、おととい議論がありましたけれども、こういう一般企業の平均というよりも、もう少し厳しく考えて、例えば公務員の指定職の給料などもあるのではないかという御意見もそのときには委員会としてはあったところであります。最終的には、判断はまだ委員会としても出ていませんので、今後の議論だと思います。
 顧問もそういう意味では、今であれば、関西電力は3名で3,000万円だと思いますが、数字は今、必ずしもあれですが、原価に入っています。この妥当性についてもこれから御議論していくことになります。

○古城座長 次、井手委員、どうぞ。

○井手委員 先ほど出た情報公開ガイドラインで1点質問させていただきたいと思います。
 先ほど6ページという話がありましたけれども、そこで妥当性のチェックに必要な情報というものがあります。
 消費者庁でまとめたときに、料金の妥当性のフォローアップをいかにするかというものが非常に重要だという報告書も出たわけですけれども、8ページの「料金の妥当性の事後的評価(実績値)」と書いてあります。ここに書かれているどういう情報を出すかというと、事業年度ごとの財務諸表。ここで得られた情報を供給約款料金算定規則に当てはめて計算すれば、現行料金との乖離幅を知ることができると書かれていますけれども、これで本当に乖離幅が計算できる人がどのぐらいいるかということですね。だから、情報公開のあり方として、これで本当に親切な情報公開か。1つのやり方としては、情報公開のガイドラインをつくるときに、例えば資源エネルギー庁だけではなくて、消費者庁がこういう情報公開のガイドラインを作成するときに参画するといった方法もあっていいのではないのだろうかと思っているのです。ガイドラインというのが全体的に不親切ではないかという印象を受けました。
 感想です。

○片岡電力市場整備課課長 おっしゃるとおりでありまして、東京電力の認可の際にその御意見をいただきました。このガイドラインをつくったのが、その前の3月だったものですから、十分反映されていないことはあるのかもしれません。
 いただいた御意見を踏まえまして、フォローアップ調査といいますか、事後評価はなるべくセグメントごとにという御意見をいただいていますので、これについては具体的にどうするかということを考えていきたいと思います。
 ガイドラインをつくる際に、消費者庁さんがどう絡むかについては、全体の話だと思いますので、私からは特にコメントは差し控えたいと思います。

○古城座長 古賀委員、どうぞ。

○古賀委員 御説明ありがとうございました。
 私は消費者の立場から1つだけ申し上げたいのですが、昨年東京電力の値上げ申請のときに、公聴会で参考人として意見を言わせていただいて、その際に電気料金審査専門委員会に消費者代表が入っていないとか、料金査定決定の過程に参画していないということを申し上げたのですが、今回、関西電力、九州電力さんの申請の審査については、その辺が非常に改善されていて、消費者基本計画に基づいていろいろ改善されていることがよくわかるのですが、資料の3ページのところの関連でお尋ねしたいことがあります。このときの消費者としての立場からもそうですし、今回の関西電力、九州電力の公聴会で公聴人として陳述した方々の意見もそうだと思うのですが、一昨日(2月30日)の専門審査委員会を傍聴させていただきまして、強く思うことは、既にこの審査要領で一定の基準が決まっている部分については、議論がなされにくいということです。例えば人件費についていえば、1,000人以上の企業平均値を基準とするとか燃料費や購入電力料の原価への配分基準については、審査委員会でも絶対的な解釈として、いじれないという形で議論が進んでいて、私たちの仲間の消費者代表などが、非常にここのところでつまずいてしまうのです。原価の算定について考えるときに、この審査要領の規制の強さがなんとかならないか。審査要領、これは有識者会議の方が緻密な議論を重ねてつくられたものだとは思うのですが、ここのところをもう少し柔軟に解釈して、原価算定についてもう少し消費者の目線を入れたような改定というか、柔軟な解釈はできないのかということについてお尋ねしたいと思います。

○片岡電力市場整備課課長 御指摘のとおり、この審査要領自身が有識者会議やパブリックコメントを踏まえてつくっていますので、それを踏まえて申請されたものについては、尊重するといいますか、あらかじめ我々としては審査の要領を定めていますので、それに相当程度縛られるということは確かだと思います。
 他方で消費者の目線ということにつきましては、東電のときもそうですけれども、消費者庁さんとは協議もします。その上で政府として閣僚会議を経て決定しますので、そういう観点でも消費者の意見は反映されるものだと考えております。

○古城座長 小幡委員、どうぞ。

○小幡委員 いろいろ御説明をいただきまして、調査票にも記入シートということでいただいたのですが、今はもう電気料金は値上げという話になっているので、これは制度の問題で、ただせっかくつくってくださったので、7ページのところです。
 我々の消費者委員会の公共料金の建議のときの考え方は、幾らデフレがずっと続いた時代にも電気料金は全く下がらなかったと。こういうことを継続的にチェックして、下げさせるという仕組みが必要なのではないかということでお願いをしているわけです。
 7ページのところにございますように、例えば定量的な基準をつくって、きちんと発動できるようにしてくださるという指定は大変ありがたいと思うのですけれども、前にも申し上げたと思うのですが、マル1の電気事業利益率による基準というところで、電力会社の平均値ではかっているわけなのですが、問題意識としては、そもそもは電気料金全体が高止まっているという中で発動してもらえないかという意識が実はあったわけです。要するに電力会社みんなが高い料金で高止まっている場合には、なかなかこれは機能しない基準になっているというあたりが、今の時期が値上げという状況なので、なかなか関心の薄いところかもしれませんが、制度としては、このあたりは本来は考えていただきたいというところがございます。
 以上です。

○片岡電力市場整備課課長 毎回難しい御指摘ですが、以前申し上げたかもしれませんが、やはり法律が基本的には値上げと値下げで制度を変えていますし、今回ある意味でこれだけ赤字になっても値上げをしなくて済んでいるのは、ある一定の内部留保があったかもしれないです。
 もう一つは、これは松村先生がよくおっしゃるのですが、もし料金の原価を決めて、それを必ず使い切ろうなんてことになっても、それはそれで効率化には反する面もあるので、そのあたりの原価の適正性と効率化のインセンティブというのは極めて悩ましい、非常に難しい問題だと思います。そういう意味では、制度全般として考えていくしかないと思うのですが、そういう意味では、いずれ自由料金になれば、競争の結果、変わっていくのだと思いますが、規制料金としてどこまでできるかというのは非常に悩ましくて、これは精一杯考えた結果でございます。

○古城座長 ほかにも御意見はあるかと思うのですけれども、矢野さんを最後にしたいと思います。よろしくお願いします。

○矢野委員 質問と御意見をさせていただきたいと思います。
 6ページのところで、本当に事後評価というのは非常に注目をしているところです。特に実績との乖離が話題になっておりますから、6ページの一番下のところに、電気事業法23条に基づく料金認可審査命令の発動の要否というのがありますが、この検討自体は経産省が行うのか、それとも経産省が新たに委員会なりどこかに委ねてさらに審議をするのか、それが1つ質問です。
 それから、ガイドライン全体に関してですが、ガイドラインで一定の線引きはされていますが、この間、東電のとき、今は関電、九電と審査が行われていますが、新たに審査に入るたびごとに事業者側でかなり改善を事前にしてきていることが実際に起こっています。例えば関電、九電に関しては、遅収料金の改定がありましたし、今回申請をしている東北電力等は、いわゆる議員との兼職に関して給与を払わないという改善をしています。こういったことが実際に今後のガイドラインのさらに踏み込みのところにどう反映されていくのか。一つ一つの審査で改善がされている事項をさらにガイドラインの中に入れ込んでいくのか。その辺について少しお聞きしたいです。

○片岡電力市場整備課課長 まず1点目は、23条に基づく発動の要否、これは経産大臣の権限ですので、経産省で検討します。その際に客観的な基準をつくりましょうということで、次のページのような基準をつくったわけであります。
 2点目につきましては、毎回東電のときの査定方針でありますとか、今回出します査定方針を一種積上げていくことによって、それぞれまた改善されていって、それが積み上がることが、実は審査要領を補っているものになっていると思っています。
 加えまして、情報公開も既にデファクトとしてここまで東京電力は出しました、関西電力は出しましたということでどんどん進んできていると思うのですが、それについては一定の時期にまたこのガイドラインを見直す必要が出てきましたら、整理してやることはあってもいいかと思っていますけれども、今のところは目先のあれで目いっぱいで、出してもらっているものが事実上補完していっているということだと思います。

○古城座長 よろしいでしょうか。
 まだ質問もしたいと思うのですが、後の議題もありますので、これで終わりたいと思います。
 片岡課長、どうもありがとうございました。

(説明者交替)

 

(2)経済産業省(ガス)

○古城座長 続いて、ガス料金についてです。
 経済産業省から御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○竹谷ガス市場整備課課長 資源エネルギー庁のガス市場整備課長を拝命しております竹谷と申します。よろしくお願いいたします。
 お手元の資料3に基づきまして、ガスについての取組を御紹介し、御意見をいただければと思います。
 まず、調査1:情報公開ガイドラインの現状でございますが、私どもの情報公開ガイドラインは平成13年3月に策定をしております。中身としては、料金設定のプロセスと透明化ということと、事業者から十分な情報公開という2つのことを目的としたものでございます。
 中身としては、別紙1を13ページにおつけしております。非常に項目が多くなりますので、抜粋の概要版にしております。行政がやりますもの、事業者がやりますもの、法令として公開するもの、積極的に公開するもの、求めに応じて開示するものと中身を区分して示しているところでございます。
 行ったり来たりで恐縮ですが、また1ページ目に戻っていただきまして、これを簡単にかみ砕いて御説明いたしますと、行政としては法令の公開情報はもちろんですが、積極的に公開する情報として審査要領はもとより、規定通達類と事業者から提出された情報は当然行政情報でございますので、求めがあれば公開することにしています。
 あと、自主的な行政の取組といたしまして、14ページの別紙2を見ていただければと思います。ホームページでガス料金に関する情報公開というページを設けております。14、15ページがエネ庁の本体のホームページのところでございますけれども、最近料金改定として何をしたかということですとか、あるいは一般ガス事業者の料金の改定の状況。料金の改定の状況というのは、字が小さくて見づらくて恐縮ですが、次の16ページに設けております。16ページで申しますと、これはエネ庁のホームページですので、本省所管の東京、大阪、東北といった各ガス会社さんのいろいろな料金区分ですとか、その料金についてお示ししているものでございます。
 17ページ以降は、各局で、当然局が所管しております小さな事業者さんもあるものですから、これはますます見づらくて恐縮ですけれども、地域ごとに分けたり、これは局によって少し整理の様式が違いますが、LP事業者さんの価格、これは自由価格ですが、こういったものを含めて公表して、皆さんにわかりやすく開示する努力をしているところでございます。
 また行ったり来たりで恐縮ですが、2ページに戻っていただきます。
 2ページに戻っていただくと、事業者は何をしているかということなのですが、情報公開ガイドラインで当然各種約款などを店頭でちゃんと掲示をするようにということを私どもからお願いしております。あと、ホームページなどでも当然のことながら情報公開をしているということであります。
 御質問にあった公開内容の方法の改善や質ということについては、当然事業者のほうもいろいろお問い合わせいただきますので、わかりやすいページづくりに努めているということでございます。
 以上が情報公開ガイドラインの簡単な御説明です。
 3ページです。では、料金、加入金・負担金等の根拠、そういったセグメント別収支や比較対照情報は入っているかということでございます。
 1つ目の○は、余り繰り返しませんが、要するに料金の妥当性を皆さんにチェックしていただくことが非常に重要だと思っておりますので、料金等の根拠の情報を行政が求めに応じて出していく。あるいはセグメント情報については、特に大口と小口で利益が差が出ていないかという議論がございますので、大口で純損失が生じた場合に、その金額などを公開するということにしております。
 あと、情報公開ガイドラインをやや上回る内容のところでございますけれども、例えば設備投資計画の妥当性ということでございますが、19ページの別紙3を見ていただければと思います。
 これは東京ガスの例を引いてございますけれども、東京ガスなどにおいては自主的な取組として、20ページ以降ですが、供給計画の概要として、一体何件のお客様に普及する計画なのか、あるいは販売量はどれぐらい見込んでいるのかということを積極的に情報公開しているところでございます。
 また行ったり来たりで恐縮ですけれども、4ページです。
 料金やサービスの質は比較対照できるのかということですが、事業者においては各ホームページなどで、こんな選択約款がありますというメニューを出しておりますし、先ほど申し上げましたとおり、行政においてもいろいろな事業者さんの料金を一覧で見られるようなサービスは提供しているところでございます。
 同じルールに基づいて料金を算定しているものですから、格差がどれぐらいあるかなどというのは、一応建付としては、料金認可申請書のいろいろな項目を比較していけばおのずとわかるという構造になっているわけでございます。
 5ページです。
 お問い合わせの内容が料金の水準や内容の説明というのはどうしているか。審査要領と策定は公開しているかということでございますが、当然のことながら、その審査要領は規定しておりまして、それは当然のことながら、省令審査要領とも公開をしているところでございます。
 その審査要領の中身としてどうかということでございますけれども、2つ目の○のところでございますが、当然各事業者の営業費はどうなっているかということは個別に算定いたしますが、ガスの場合、同じような規模の事業者のグループに分けて、その中でどれぐらい効率化しているかということを点数化しまして、その効率化の度合い、努力の度合いに応じて査定をしていくという審査方法を定めてございます。
 5ページの下、調査3:料金認可や届出のときの定量的なデータについて、算出根拠が明確に公表されているかということですが、これは先ほどの答えとほぼ同じですけれども、私ども、求めに応じて公開していくという体制はつくっているということでございますし、料金改定時の需要予測については、ガスの供給計画などにいろいろな数値が載っておりますので、先ほどの事業者の自主的な公表とも相まって、皆様の問い合わせなどに対応する体制はできているということでございます。
 事後的な検証のところですけれども、正直なかなか悩んでいるところもございますが、1つ目の○のところですが、まず、事業者において、私どもはこれを促しておりますが、当然定期的に収支状況の見直しなどを行っておりまして、実態上のルールとして、ほぼ3年に1回原価の見直しを行って、料金改定をしているというのが実態でございます。
 これについて、当然事後評価もきちんとすべしという御指摘も各方面でいただいておりまして、下のほうに抜粋を載せておりますが、平成21年6月、これについて定期的評価を実施せよということが審議会の答申としてもいただいております。これの中身としては、一定期間の長期にわたり料金改定を実施していないもの、あるいはその規制部門で赤字が生じているものについて評価をしていくようにということをいただいているわけでございます。
 ただ、これについて申し上げれば、7ページ以降、対外的にどのように公表していくのかということなどを含めて議論させていただくと、事業者において当然やっているわけですけれども、このあり方については、先ほど片岡課長からも御説明がございましたが、電気において非常に厳しい議論、消費者の方々のいろいろな声が寄せられているのは、私どもは重々承知しております。平成21年の答申を踏まえたやり方だけで本当にいいのかどうかということを改めて、電気における議論も含めて、今、参照しているところでございまして、そういった公表の仕方も含めて検討しているところでございます。当然、その成果、定期的な評価をしていけば、今後、変更認可申請命令などをかけていくということにも活用できるのではないかと思っております。
 調査4:料金変更命令の具体的な基準などはどうなっているかということでございますけれども、これについては、一応条文上の規定としては、当然供給約款の変更をできるということにはなっていまして、要件としては、ガスの料金その他が著しく不適当な場合ということで定めているわけでございます。現時点では、定量的な基準を設けることは困難であるとしておりまして、ガス事業法の解説などを対外的に明らかにして、その要件というか、考え方をお示ししているところでございます。
 9ページ、公聴会であります。
 公聴会については、法律上の規定として公聴会を開いて、広く一般の意見を聞かなければいけないということでございまして、ルール上、3週間前までに期日や場所などを告示するということですので、ホームページへの掲載とか、そういったことをやっているということでございます。
 開催するに当たっては、関係行政機関の職員、その他の参考人に出席を求めることができるということでございますので、必要に応じて、消費者の方々にも公聴会に参加していただくことができる仕組みになっておりますし、実際、公聴会に募集をかけると、地方の場合ですが、消費者の方々が来られるという実態となっているわけでございます。
 10ページです。この料金改定案を決定する審議会等について公開しているかということでございますが、現行の制度上、今、ガス料金の改定案を決定する際、審議会などを開催するというプロセスにはなっていなくて、公聴会などで消費者の意見などをいただいてから判断するという建付になっているというのが現状の仕組みでございます。
 (3)料金の認可手続等に当たって、事業者から提供されるべき情報に、セグメント情報とか取引情報云々は入っているのかということでございますが、当然これは規則において、一般ガス事業者がそれぞれの部門においてどんな原価があるかということを提供することになっているので、一応セグメント情報は提供されることにはなっているわけであります。
 明示的に条文や規則のいろいろなところに子会社、関連会社の取引を出せということを書いているわけではございませんけれども、私どもはその求めに応じて提出させることはできておりますし、それは行政情報としても公開をするということは可能であるということであります。
 さらに非本業部門等の会計情報については、毎年毎年部門別収支を行政に提出することになっているということであります。
 ちょっと長くなってまいりましたので端折りますが、調査6の経営効率化の促進のところですけれども、どのような方法で経営効率化の度合いを判断しているかということについては、ヤードスティック的査定ということで、先ほど申し上げたとおり、グルーピングで査定をしておりますので、当然そのグループの中でできが悪い人たちについては厳しく査定されることになっているわけであります。
 あと、事業者においては、その効率化目標などを設定していますので、対処も可能だということであります。
 高齢者等へのサービスということでございますけれども、当然事業者において、高齢者、障害者の方々、非常にお問い合わせいただくのも事実でございますので、窓口を設けるなどといった対応はもとより、インターネット等を通じた情報提供などもしているところでございますし、別紙をおつけしておりますので、後で時間があればと思いますが、例えば目の不自由な方々に対して、点字の検針票をお届けするといったような取組をしているところでございます。
 調査8:今後の課題のところでございますが、ガイドライン等で見直すべき点はあるか、あるいは情報公開に関する今後の課題、やるべきこととしてどのような点が考えられるかということでございますが、先ほどの御説明の中でも一言申し上げましたとおり、やはり電気の料金審査など、改めてエネ庁として横の課が担当しているわけですが、横で見ておりまして、公共料金を審査することの重責というのを改めて痛感しているところでありまして、その過程で電気がいろいろと制度を変えたりという努力をしていることも非常に私どもとしては注視をしております。
 ここに書かせていただいたとおり、やはり十分な情報提供なり情報開示ができないと、私どもが査定だといって幾らルールをつくっても、皆さんに御理解いただけないだろうと考えておりますので、制度全体に対する皆さん国民の方々の信頼を保つということからも、きっちり情報公開をやっていきたいと思っておりますし、そういう意味で、きょう委員の方々から率直な御意見を賜れれば、今後参考にしていきたいと考えております。
 長くなりましたが、以上でございます。

○古城座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、御意見、御質問をお願いしたいと思います。
 矢野委員、どうぞ。

○矢野委員 御説明ありがとうございました。
 先ほども電気料金の説明で、席が隣で動きをいつも注視しているということですが、今回電気料金の認可に当たっては、1つは専門委員会が設置されたこと。それから、認可申請書類が即時公表された。公聴会の運営改善がされた。国民の声の募集もありますが、そういった大きな変化の動きを実際ガスの場合には、今、認可自体は審議会がないということと、認可申請書類等は求めに応じて提供されるということで、みずから即時公表はされていない。公聴会においても、情報自体が求めに応じてという中では、先ほど実際の公聴会では消費者の方も参加されているという話もありましたが、ほかのところで情報を得ていると、結果的にはほとんど陳述人がいない。そのこと自体は、情報があらかじめ公表されていないので、公聴会自体が21日前にありますよと知らせられても、そういった値上げ自体にもなかなか関心が向いていないという状況もあると思います。そういった状況を電気の審査の改善状況をどういうふうに積極的に受け止められて、ガイドラインの見直し等いろいろなところに反映させられていくのか。その辺の方向性をお聞かせ願いたいと思います。

○竹谷ガス市場整備課課長 ありがとうございます。
 まだ結論を決めているわけではありませんので、この場でこうします、ああします、こうしましたとなかなか御報告できない状況ではございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、非常に電気をめぐる皆様の御疑問の声ですとか、あるいは規制当局に寄せられている厳しい御意見というのは重々承知をしているところでありますので、ガスの制度において、できるところ、できないところをしっかりと今後議論していきたいと考えているところであります。
 あと、公聴会についても、今、御指摘いただいたとおり、実際地方で私どもは値上げ申請があって募集をしておりますけれども、実際に御応募いただいていないというのが実情でありまして、行政の立場として、皆さん津々浦々の方に御関心を持っていただいて、御意見をいただくというのは非常に難しいことだということを改めて感じておりますが、それもいろいろな御意見を参考にしながら、どういう情報提供をしていただければ、もっと皆さんの声をお寄せいただけるのかということは、改めて検討したいと考えております。

○古城座長 次、橋本委員、お願いします。

○橋本委員 私も矢野委員と大体同じようなことを疑問視していたのですけれども、私も地方におりまして、ある程度は、値上げ申請の公聴会を開くことになりましたということは、情報提供はいただくのですが、ただ、どの程度の方にその情報が行っているのか。消費者団体だけなのか、そういうところが不透明で、結局公聴会が開かれなかったですという話になるのは、最近非常に聞いているところではあります。
 あと、先ほどもおっしゃったように、認可に当たっての審議会等がないということから、認可に至ったプロセスというのが、やはりそのとおりになりましたとなるのか、その辺、認可に当たって、その申請内容が妥当でしたという判断をきちんと消費者のほうに提供するという努力というのがひとつ足りないかというところがありますので、たとえ公聴会が開かれなかった場合にも、きちんとその辺の申請の内容を、こういうような形で申請の内容は妥当であるということをぜひ出していただきたいと思いますし、ガスの場合には、ある程度選択肢というのもありますので、消費者としては、そこが嫌であれば別なところという、ある程度の選択肢はあるのですけれども、やはり都市ガス等に関しましては、そこを使い続けるしかないというところもありますので、ぜひ今後改善をしていただきたいですし、地方には多くのそういうガス事業者さんがいらっしゃるというところで、きちんとしたガイドラインといったものをもう少しつくっていただいて、申請に当たって誰が見ても妥当であるという内容で十分に審査できるような、そのような仕組みをつくっていただきたいと思っております。
 意見ということです。

○竹谷ガス市場整備課課長 承って、やはり冒頭に説明で申し上げたとおり、消費者の方から信頼していただける制度。したがって、査定をした場合にも、どうしてそういう査定になったのかとちゃんと検証できるようになっていないといけないということも思っておりますので、情報開示のあり方をもう一度きちんと検討したいと思っております。

○古城座長 次、細川委員、どうぞ。

○細川委員 先ほど公共料金、ガス料金については適切な料金であるべきというお話はもっともだと思いますけれども、何が適切かというのは、やはり公共料金で競争がないからこそ、公共料金として認可しているわけですから、そこではやはり原価が適切かどうかというところは大きなポイントだと思うのです。
 そういう意味でいうと、今、電気が問題になっていますけれども、同じ経産省ですし、今、お話を伺ったら隣なのですか。そうすると、それは判断基準とか考え方が違っていたらおかしいと思うのです。そういう意味でいうと、原価というのはいろいろなものがあるので、一番消費者にわかりやすいところは人件費なので、人件費でちょっと伺いたいと思うのですけれども、例えば人件費が適切かどうかということですね。電気でいろいろなひどいことが問題になってきて、ではガスはどうなのだと。例えば東京ガスとかの給与水準だとか役員報酬は一体どうなのか。本当に我々が払っているガス料金は適切な原価に基づいているのかどうかというのは、消費者は知りたいはずですね。その場合に、現行上、消費者はそういう自分が供給を受けているガス会社のそういった人件費を知ることができるのかどうか。また、そこら辺で経産省はそれを把握しているのかどうか。把握しているけれども情報提供しないということなのか。
 そこら辺を伺いたいですし、もう一つ、基準として、先ほど電力のほうは、算定要領のところで1,000人規模の企業ということがありましたね。これは先ほど古賀委員から、それが妥当かどうかということもありますけれども、一応、仮に1,000人規模でやると電力のほうはなっているわけですが、ガスのほうは25ページに算定方法があるわけですが、そういうことは一切書いていないですね。しかも、25ページの労務費の表を見ても、全然消費者には意味がわからないし、「原価算定期首」というのは誤字ではないのですか。これでいいのですか。

○竹谷ガス市場整備課課長 期の頭ということです。

○細川委員 本当に消費者から見てもわからない言葉であるわけですし、これから見てしても、電力と比べてはるかにあいまいな裁量行政が通るような形になっているのですけれども、人件費については、例えばもう値上げ申請してこなければ、それはもう開示されないものなのか。そこら辺のことを伺いたいと思います。

○竹谷ガス市場整備課課長 原則3年に1回の原価洗替などもあって、その際に労務費として幾らかということは書類の中に出てまいりますけれども、今、おっしゃったとおり、適正な額とするということがここに書かれているとおりでありまして、定量的基準がないではないかということについては、御指摘のとおりかと思います。
 したがいまして、我々は今、制度上、値上げのときには認可ですけれども、値下げのときには届出という制度になっていますので、法律上そういう建付になっていますので、いみじくも片岡が申し上げたとおり、値下げのときにどこまでできるかという問題は別途ありますが、少なくともここの御指摘いただいたとおり、適正な額というのが本当に定量的な基準を入れなくていいのかどうかとか、そういうことを今、改めて検討しているところでございます。

○細川委員 例えば今どういう水準に人件費があるかということは、消費者は知り得るわけですか。

○竹谷ガス市場整備課課長 済みません。今、手元で労務費の資料をどこまで細かく2年前に審査したときにとっていたのか確認をしますので、直ちに割戻してどこまでということがお答えできませんけれども、その御指摘を踏まえて、どこまで開示できるかということを考えたいと思います。

○古城座長 井手委員、どうぞ。

○井手座長代理 ガス事業の場合、二百数社あるわけで、東北の3.11の後、32社が値上げしているわけですね。大手はほとんど値上げする要因というのはないわけです。ほとんど原料費調整条項で、燃料が上がれば、それは自動的に消費者に転嫁できるようになっているわけですから、大手にとって値上げする要因というのはほとんどないと言ってもいいと思うのですよ。したがって、値下げというところで届出だけれども、きちんと厳しく見るというのが1つの方法だと思うのですが、それと同時に、これは情報公開というのが中小というのを念頭にしていないわけで、査定というのが地方の経産局でばらばらであって、非常に甘いところもあるし、非常に厳しいところもある。そういう中で、やはり本省として査定方針というのを地方にも同じような考え方で査定をするという、統一性というのをとらないといけないのではないかと思います。そうしないと、地方のガス料金というのは、先ほど言ったように公聴会というのがほとんど開かれていないという状況の中で、地方経産局がやはりきちんと見ないと、ガス料金の妥当性は評価できないという状況にある。その辺はやはり工夫してほしい。
 それから、中小のガス事業者にとって、こんな情報公開のガイドラインなんてほとんど意味もないです。1,000件ぐらいしか需要家がないようなところもあるわけで、その辺のことを中小と大手で違うというところを今後どういうふうに情報公開に差をつけていくかということも重要だと思います。

○竹谷ガス市場整備課課長 御指摘ありがとうございます。
 情報公開について、大手と中小でダブルスタンダードを設けるべきかというのは非常に悩んでいる論点の1つでありまして、情報公開は当然コストがかかりますので、実態問題として私がいろいろ話をしています零細事業者などを見ますと、今、御説明したのは、どちらかというと消費者庁に協議するような大手のものを念頭に置いて御説明していますので、ホームページがありますが、例えば零細の方になるとホームページすらないという事業者があって、例えば組合でホームページをつくっておられて、その中にページがあるという事業者もいるのが事実ですので、確かにおっしゃるとおり、大手と中小との間に差があるのは事実。
 ただ、本当にダブルスタンダードで運用していいかどうかということについては、やや迷いがございまして、当然消費者の方々一人一人にとって見れば、自分のところにガスを供給してくれる事業者ということであって、その供給者が大きいか小さいかということにもとより影響されるべきものでないということも思いますので、それは大手も中小もきちんと情報公開すべきという原則は貫きつつ、実際に本当にコスト面でできるのはどこまでなのかということを精査していかなければいけないだろうと思います。口で言うのはやさしいですが、実際には難しい課題かと思っていますが、取り組んでいきたいと考えております。
 あと、局でばらばらにやっているので査定がばらばらだという御批判については、実態としては、私は必ずしもそうではないと思っておりますけれども、もちろん細かい点について審査要領を定め、さらに私どもは定期的にテレビ会議などを開いたり、やはり置かれている地域が違うから、局が違うから査定に差があるという事態は、いやしくもあってはいけないと思っていますので、そういうことはないように統一したり、あるいはまさに統一されたかどうかを見ていただくために、きっちり情報公開していかなければいけないと思っておりますけれども、もし具体的な事例などでこういうふうに運用が違うとかいうことがあれば、積極的にいただければすぐに是正しますので、それはおっしゃっていただければと思っております。

○古城座長 まだほかに質問したいこともあるかと思いますけれども、時間の都合がございますので、これでガス料金についての質問を終わりたいと思います。
 追加の質問がございましたら、電力の場合も含めまして、文書にて事務局までお知らせください。その場合は、経済産業省のほうでも御協力をお願いしたいと思います。

○竹谷ガス市場整備課課長 どうもありがとうございました。

(説明者交替)

 

(3)総務省(郵便)

○古城座長 では、次に郵便料金についての御説明を受けたいと思います。
 総務省の情報流通行政局郵便行政部郵便課課長の岡崎さんから御説明を受けたいと思います。
 お忙しいところ、御出席をいただきまして、ありがとうございました。
 それでは、御説明をお願いいたします。

○岡崎郵便課課長 総務省情報流通行政局郵便課長の岡崎でございます。本日は、郵便料金に係る情報公開の実施状況について御説明させていただきたいと思います。
 まず、情報公開の実施状況の前提としまして、郵便料金がどのようになっているかということを御説明したいと思います。
 郵便料金は、現在、日本郵便株式会社が全国一律に提供しておりますけれども、これは郵便法という法律のもとに料金が決定されることになっております。郵便法に基づきまして、一部法定の上限がございますが、料金表のほうで日本郵便株式会社が決定しているとなっております。
 まず、原則ですけれども、郵便料金は総括原価方式、郵便事業の能率的な経営のもとにおける適正な原価を償い、かつ、適正な利潤を含むという水準に料金を定めるということで大きな原則がまず決まっております。これをもとに、現在は原則として郵便料金については上限の範囲内で届出制とされております。
 ただし、第三種郵便物、第四種郵便物、政策料金のある割安な郵便物がございますけれども、これについては低い料金を義務づけるということで、認可制になっております。
 あと、郵便法においては、そのほかの料金の原則として、全国一律料金であること。もちろん、定率または定額で明確に定められていること。特定のものに対して不当な差別的取扱いをするものでないことなどが条件として決まっております。
 最初のページに具体的な種類が書いてあります。
 第一種郵便物が封書です。通常の郵便です。その中で料金の上限が1つだけ決まっておりまして、25gまでの定形郵便物、通常の封筒が最高80円を超えないことが法律及び省令で決まっております。約款は現在80円になっております。これは通常に出した場合です。
 第二種郵便物がはがきでございます。このはがきは、上限が定額郵便物の料金の額のうち最も低いものより低いものであることということしかありません。つまり、80円より安ければ幾らでもいいということに法律上はなっておるのですけれども、現在は50円ということになっております。
 第三種郵便物が定期刊行物です。雑誌の類いが多いと思います。
 第四種郵便物が通信教育であるとか、学術刊行物などに使われておりますし、盲人用点字郵便物なら無料ですけれども、かなり安い料金になっております。これは細かいといっても、アバウトなものですが、ざっくりしたものは8ページに料金表が載っておりますので、後で見ていただければと思います。
 こういった郵便の料金になっているということを前提に、では情報公開はどんなふうに実施されているかということなのですけれども、郵便料金のもととなる会社の財務データについては、通常の会社と同じように、3月が事業年度の終わりですので、6月に財務諸表を公表することになっております。これは日本郵便株式会社法で決定されております。
 7月には、株式会社法に基づきまして、日本郵便株式会社は今、郵便局会社と合併しておりますので、銀行窓口業務や保険窓口業務などもやっていることになっています。したがって、そういったほかの業務との区分をした上での区分収支を出すというのが1つと、郵便事業の中で今、一種から四種までというものがございましたけれども、それぞれについて今どのような収支の状況になっているかというのを公表することになっております。
 そういったものは、実は区分収支はちょっと間に合わないので、本にはなっておりませんけれども、基本的に財務諸表と業務の運営状況というものは、ディスクロージャー誌で公表して、受取に来られる方には渡しているようですし、ホームページで全てのページが開示されております。
 そういった一般的なもののほかに、第三種、第四種、もしこれは認可が来れば、今まで民営化された後、来てはいないのですけれども、認可申請書に料金算出の根拠をきちんとつけるということが法律及び省令で義務づけられております。
 それから、定形郵便物の料金の上限を定める総務省令の80円のところを変えるときは、パブリックコメント、審議会資料で公表することが予定されております。
 では、郵便料金はそういった総括原価方式のもとで料金が定まっておりますので、実際にはどのような費用が原価として認められるかということが重要かと思いますけれども、一応、これは日本郵便株式会社法施行規則第16条と別表で営業費用の項目というのが定まっておりまして、この中で基本的に郵便に入ってくる料金というのはどういうものかというのが決まっております。しかも、それはどういうふうに割り振るかということも一応基準が決まっておりまして、それに基づいて定めております。
 また、この料金の妥当性の事後的・継続的検証ですけれども、基本的には料金認可や届出時に事前に出されるデータと、その後、出された、今、御説明したような仕組みに基づいて出されてくる財務諸表のデータを見て、大きな乖離がないかということで継続的に実施しております。仮にこれが大きな乖離があるということになりますと、法律上は料金変更命令という制度がございまして、これで料金を下げる、上げるといったことを命令することができる制度になっております。
 次に、料金認可手続における消費者の参画なのですけれども、例えば料金認可だけではないですが、料金の上限を定める総務省令、80円の省令を制定、改廃する場合であったり、あるいは第三種郵便物、第四種郵便物の料金の認可に当たっては、情報通信行政・郵政行政審議会に諮問することになっております。ここで必要があると認めるときは、広く意見を聞くことができるようになっておりますし、実質的に審議を行う郵政行政分科会は全部原則公開ですし、そこには消費者団体の代表者の方が構成員として参加しております。
 また、省令改廃に当たっては、パブリックコメントも行政の仕組みに基づいて実施することになっております。
 高齢者等に対する情報提供ですけれども、日本郵便株式会社においては、ここに書いてありますようなポストへ点字表示したり、点字の不在通知カードをつくったり、ホームページ上では音声で案内するようなシステムなど、いろいろシステムを整えて、なるべく多くの方に情報が行き渡るように努力しております。
 このような中、経営効率化の促進はどのようになっているのかということなのですけれども、経営効率化は、大きな料金改定というのは最近ございませんので、その中では特に判断はしておりませんが、ただ、後で御説明しますが、郵便物数ですね。これはIC化の進展や人口動態の影響もありまして、郵便物数というのは年に3%ずつ下がっております。それに伴って営業収益もどんどん減少してきております。それにもかかわらず、郵便というのはちょっと想像していただければわかりますように、基本的に最後は配達です。ここはどうしても人でやらざるを得ないので、人件費が非常に多くを占めていて、なかなか費用削減がしにくいわけです。そういう状況の中で各種の効率化をやって、何とか郵便に関して言うと多少の利益を出しているという状況になっておりまして、まさに収益が減る中、かなりの経営効率化を促進してきているという状況にあります。
 具体的に見ていただきますと、次の6ページを見ていただくと郵便物の推移が出ております。これを見ていただくと、平成15年時点では248億通、約250億通あった郵便物が、平成23年度は190億通まで減ってきております。このようになってきますと、次の7ページを見ていただきますと収支の状況が出ておりますが、収益が平成15年度は1兆7,000億円あったものが、平成23年度は1兆3,000億円まで下がってきております。本来でしたら、これですと非常に大きな赤字が出るところなのですが、そこを経営効率化で費用のほうを1兆6,500億円から1兆2,665億円に圧縮する経営効率化を進めることによって、何とか営業利益を確保してきているというのが現状です。
 このような状況ですので、現実には非常な努力を払って経営の効率化を進めていることが言えると思います。
 7ページの下の図を見ていただくとわかるかと思いますけれども、これは先ほど申し上げました第一種から第四種の利益の構造です。年によってでこぼこがあるのですが、三種、四種というのは基本的に赤字になるわけです。これは政策料金なので、政策的に赤字になる料金です。それを一種と二種で何とかプラスに持っていって、全体としては適切な利潤を確保するという構造になっております。
 8ページ、郵便料金なのですけれども、最初に申しました郵便料金、ちょっと復習になりますが、今現在、通常の封筒の一番安いものは大体80円。これが第一種郵便物の定形郵便物の25gまでのところです。
 第二種郵便物、これははがきですが50円です。
 第三種郵便物の「下記以外」と書いてありますが、これは通常の雑誌などです。50gですと、雑誌というよりも多分新聞などになると思いますが、大体これが60円ぐらいと通常より安くなっております。それから、低料というのは、月3回以上発行の新聞の場合と、心身障害者用の割安な料金を設定しております。
 第四種郵便物は法律で大分けしておりますので、それに基づいてそれぞれ妥当であろうと思われる料金を定めております。
 その次から、ずっと郵便法や郵便法施行規則などの関係の規則、あるいは報告書を参考資料としてつけておりますけれども、おおむね郵便料金の情報公開の実施状況というのは、今、御説明したとおりであるということで、御説明を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

○古城座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、御意見、御質問をお願いいたします。
 山内委員、どうぞ。

○山内委員 済みません。時間で出なければいけないので、先に質問させていただきますけれども、幾つか確認と質問をさせてください。
 まず確認ですけれども、先ほどの区分収支のところで、原価配賦の基準については何らかの形で公表されているということでよろしいのでしょうか。

○岡崎郵便課課長 はい。

○山内委員 それはどういうところでですか。

○岡崎郵便課課長 一応、大まかなところで言いますと、これの13~14ページにございます。このような形で、省令の別表という形で載せております。

○山内委員 わかりました。
 総括原価ですので、何らかの形の適正利潤というか、日常のコスト部分というのは積んでいるはずなのですが、それについてのお考えはどうなっているのかを伺いたいです。

○岡崎郵便課課長 適正利潤の考え方は、端的に申し上げますと、今の段階でははっきりしたものはございません。というのは、郵便料金が最後に大きな改定をされたのが平成6年でございまして、その段階で料金になっておった80円しか省令上は定めていないのです。その後、認可料金というのはなく、届け出料金しかなかったものですから、総括原価の具体的な利潤について、何パーセントであるべきという考え方はたしか出ていないです。

○山内委員 わかりました。
 もう一つ質問なのですけれども、たしか大口の割引をされていると思うのですが、それはどういう実態であって、どういう理由であって、どうやっているのかということを教えてください。

○岡崎郵便課課長 大口の割引については、現に届出で出されておるのですけれども、これについてアバウトにいいますと、言わば平均的な原価を下回らない。大口はいろいろな条件がついておりまして、例えば通常なららゆっくり運んでいいとか、出すときには事前にこういう区分をしてくださいとか、そういう条件がついおりまして、その結果、省かれる費用を割り引いていいという、狭い範囲内で損にならないということを証明して終わりになっております。

○山内委員 その基準みたいなものはどこかに載って公表されていると考えてよろしいですね。

○岡崎郵便課課長 この料金については、料金は届出になっていまして、そのときに総務省に資料は来ますけれども、資料自体は経営判断に関わるもので、実際に郵便物自体は郵便法で郵便会社しかやっていないのですが、現実問題としては似たようなサービスをやっている会社がありますので、競争条件に関わるということで公表していないと思います。

○山内委員 済みません、もう一つだけ。
 基本的に先ほどのお話ですと、原価で説明できるような形のものを届出として受理するという形になるという理解ですか。もしそうだとすると、何らかの形で原価みたいなものは、要するにそれによるコストの制約分みたいなものが明らかになって、それで受理されるという意識でよろしいですか。

○岡崎郵便課課長 資料自体はそういう形になっております。

○山内委員 三種と四種は、先ほど赤字になるのは政策的に当然であってというお話でしたけれども、逆に言うと、それは一種と二種の利用者が負担しているという理解でよろしいですか。

○岡崎郵便課課長 これは歴史的に郵便法、もとをたどりますと明治の郵便規則からあるのですけれども、その時代から弱者救済であるとか、文化振興であるという理由で政策的に抑えられてきたので、その分について赤字が出ることについては、旧郵政省であったり総務省からは特に文句は言わないということですね。実際出ているかどうかは、ここに収支で出ていますけれども、その分について一種、二種で賄うということは所与の前提として、法律上のつくりもそうなっておりますので、そこはもうやむを得ないということで運用しております。

○山内委員 ありがとうございました。

○古城座長 今、山内さんがおっしゃった大口割引を認めるための基準は、口頭で御説明があったのですけれども、それはどこかの基準で公表されているのですか。

○岡崎郵便課課長 まず、どういう条件かというのは、勿論約款とか料金にあるのですけれども、どういう場合に認めるかというものは、法律の総括原価主義、要するに適切な能率的な経営のもとに適正な原価を償って、かつ利潤という基準に従っているということ以外はないですね。

○古城座長 それ以上の説明はないと。

○岡崎郵便課課長 はい。

○山内委員 差別禁止になっているから、それは差別禁止ではないということを前提に受理されるという理解ですね。

○岡崎郵便課課長 そうですね。
 御心配は、大口の赤字を一般の料金で賄っているのではないかという御心配だと思いますけれども、まさにそういうことがないように、そこはきちんとチェックさせていただいているということになっています。

○古城座長 だけれども、具体的な基準は公表されていないのですね。

○岡崎郵便課課長 どれだけのパーセンデージの利潤でなければいけないということは公表されていないです。

○古城座長 ありがとうございます。
 白山委員、どうぞ。

○白山委員 今の御質問等にいろいろ関連するところでございますけれども、例えば適正利潤の問題を1つとりましても、電気とかガスとかと違いまして、郵便事業は労働集約型でございますので、どういう考え方をとるのかというのはなかなか難しい点があると思うのですが、それはそれとしてぜひ検討の方向というものを考えていただきたいところでございます。
 お聞きしたいのは、例えば、事前と事後の定量的数値の乖離状況等について、郵便料金は届出制なのですけれども、総務省の方で具体的な判断の基準、審査などの判断の基準は何か明確なものがあるのかどうかという点が1点目の確認点です。
 もう一点は、事後的な検証といいますか、ディスクロージャーのところに関する点で、業務区分別の収支とか郵便の種類別の収支状況が、営業収益と営業費用と営業利益がディスクローズされているだけで、それの内訳的なものの開示はどうなっているのか。競争上の制約条件などいろいろあるかもしれませんけれども、これだけ労働集約型の産業ということになりますと、例えば人件費がどのくらいなのかなど、このあたりは非常に消費者側にとっては知りたい情報で、現状の営業収益、営業費用、営業利益ベースのディスクロージャーで本当に十分なのかというところについては、何か総務省のほうでお考えはあるのかどうかということを確認したく思います。

○岡崎郵便課課長 まず、第1点の事後的に判断する基準があるのかという御質問ですけれども、今のところ、きちんと決まったものはございません。
 ただ、基本的にどの法律もそうだと思いますけれども、余りにも乖離が大きいということになれば、まさにチェックに入って、どうあるべきかということを、業務改善命令などもありますので、そこで判断していく。その判断の過程では、例えば審議会にお諮りするとか、そういったことが手続として行われるだろうと考えております。
 2番目の営業費用ベースでいいのかということなのですけれども、そもそも人件費とかそういった会社全体の人件費が幾らかかっているとかそういったことにつきましては、財務諸表で実際にディスクローズ誌の中で公表されておりますが、それが具体的に各郵便物別にどういうふうに割り付けられているかという数字については、公表しておりません。これはなかなか御説明が難しいのですが、1つはやはりそれによって競争上非常に不利になるのではないかという心配もございまして、今のところ公表はされておりません。

○白山委員 種類別の収支状況のところは、今の御説明でわかるのですけれども、今回の郵便事業会社と局会社が一緒になりまして、かんぽとゆうちょと郵便のそれぞれの窓口がまた一緒になって、またそれを3つの区分をしていかなければならないという話になりましすので、郵便事業のほうの内訳はどうなっているのかが再び課題となるわけです。種類別の収支のところは競争上の制約条件があるのかもしれませんけれども、各事業別のそのあたりの状況というのは、もう少しディスクローズがあってもいいのではないか。
 あと、財務諸表で開示されているとおっしゃられましたけれども、財務諸表は法人全体がわかるのみであって、それの内訳、セグメント情報のところは、財務諸表本体のみでは、全くわかりませんので、実際に事前と事後の定量的な乖離状況とかをチェックするときに、財務諸表全体を見ても、全体感はわかりますけれども、その情報のみでは、個別の料金算定がどうだこうだという話には多分ならないと思います。私が質問した趣旨は、このあたりについて総務省のほうで内部的に審査といいますか、判断をされるときに何か基準みたいなものがあるのかないのかというところを知りたかったわけです。

○岡崎郵便課課長 まず、おっしゃるように、郵便局会社が一緒になった後に、郵便と局会社がやっております銀行の窓口やかんぽの窓口、保険の窓口業務との細かい分計がどうなっているかというお話については、今回の法律改正ではそこは手当てされておりませんので、現在ではおっしゃるとおり、細かい数字は出ておりません。
 ただ、この分計について、では何のチェックもしていないかということが御心配かというと、この報告をするときに、あわせて総務省に関係の書類を提出することになっていまして、我々のほうでその妥当性については、分計がちゃんと行われているかどうかについては、一応チェックはしております。

○白山委員 分計の基準自体の見直しというのはやられないのですか。

○岡崎郵便課課長 分計の基準自体の見直しは、今のところは予定していないです。これは端的にいいますと、今までの別会社のまま、別会社でやっておったやり方をその基準をそのまま踏襲していると思いますし、多分、実際の業務が統合された部分については、まさにそれは比率が変わるという形で反映されるとは思いますけれども、今のところ、基準自体を変えるという話は聞いていないです。

○古城座長 次、細川委員、どうぞ。

○細川委員 時間がないのですけれども、公共料金というのは、基本的には選べないから公共料金認可があるわけですが、郵便というのは非常におもしろくて、もう選べる時代になってしまったわけです。ただ一方で、信書の問題だとか、社会的にどこでも格安に届くとか、あるいは四種の通信みたいな政策的なものもあって残っている部分もあり、一方で競争にさらされている部分もあって、これは非常におもしろい分野で、郵便法上の郵便というのではない、いわゆる郵便機能はいっぱいあって、佐川急便だ、ヤマト便だなどというのを我々は使っているわけですね。そうした中での公共料金としての郵便というのはどう考えるのかというのがほかと違うところだと思います。
 1つお伺いしたいのは、例えば郵便局であっても、郵便法上の郵便でないものもたくさん扱っていますね。ゆうパックとか。あれは郵便ではないですね。だけど、そうすると、先ほどのいわゆる営業収支とか営業費用というものの算定の仕方も、あれは配っている人は同じでしょう。はがきとゆうパックは違う人が配っていますか。だから、そういうところの関係、同じ郵便局から来ているのは事実なわけだから、ゆうパックでの利益とか費用と第一種から第四種等の郵便法上の郵便物のそういった収支みたいなものの関係というのはどういうふうに今、計算されているのでしょうか。

○岡崎郵便課課長 おっしゃるとおり、ゆうパックと郵便は大きさが違うので、一部全く違うシステムで運んでいる部分もありますし、大きさが近いものは、おっしゃるとおり全く同じ人が運んでいる場合もあります。
 その場合なのですけれども、全く違うシステムに乗っているものは、それぞれきちんとそのまま丸ごと分けていますし、たまたま同じ人が運んだときは、例えば通数ベースであるとか、物によるのですが、容積ベースであったり、重量ベースであったり、一番それぞれのコストの発生に近いというのですかね、最も妥当と思われるものでそれぞれ分けてあります。
 きょうは郵便のお話でしたので、これには載せておりませんけれども、そういうふうに言いますと、法律上はゆうパックやゆうメールというのは貨物事業ですので、郵便事業ではないものとして、その他の業務として分計されることになっていまして、分かれているのですが、これはまさに委員御指摘のように非常に難しくて、かなりの程度、オペレーションが一緒になっている部分があるので、ある程度の部分で、大きな意味では物流業務とか、郵便物流業務といった形で会社のほうでは1つに扱って、数字を出したりしている場合もございます。
 ただ、そういったものもありますけれども、最終的にはゆうパックのものと郵便については、まさに先ほど申し上げたとおり、それぞれの物数であったり、容積であったりというものに応じて、最終的には分計して、これはゆうパックの費用、こちらは郵便の費用ということで、分けてそれぞれ発表する状況であります。

○古城座長 時間も経過しておりますので、これで終わりたいと思います。
 追加の質問がございましたら、文書にて事務局までお知らせください。その場合には、総務省においてもまた御協力をお願いしたいと思います。
 ただいま御議論のあった論点等につきましては、当委員会としては3月下旬に予定している専門調査会としての考え方の検討に反映したいと考えております。
 総務省におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、ありがとうございました。
 それでは、議論は以上といたします。

≪4.閉会≫

○古城座長 次回、引き続き、関係する公共料金についてヒアリング及び質疑応答を行いたいと思います。
 事務局から、連絡事項などございますでしょうか。

○原事務局長 本日は、熱心な議論をどうもありがとうございました。
 次回の日程については、また改めて御案内したいと思います。

○古城座長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。
 お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)