第4回 新開発食品調査部会 議事録

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日時

2010年12月22日(水)14:00~16:38

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 田島部会長、川戸部会長代理、石綿委員、大野委員、久代委員、栗山委員、清水委員、
 田中委員、手島委員、寺本委員、徳留委員、戸部委員、中村委員、山田委員
【説明者】
 消費者庁 相本食品表示課長
 消費者庁 食品表示課
【事務局】
 原事務局長

議事次第

1.開会
2.「健康食品の表示に関する検討会」論点整理について(報告)
3.特定保健用食品の表示許可に係る調査審議
4.特定保健用食品の表示許可品目に係る報告(規格基準型・再許可)
5.閉会

その他

本部会の議事については、新開発食品調査部会設置・運営規程第6条第2項に基づき、個別品目の審査内容が許可申請を行っている事業者の権利または利益を侵害するおそれがあるため、非公開で開催されました。


≪1.開 会≫

○原事務局長 それでは、時間がまいりましたので、始めさせていただきたいと思います。
 皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、どうもありがとうございました。ただいまから、「消費者委員会新開発食品調査部会」の第4回の会合を開催いたします。
 本日は山添委員が御欠席ですけれども、過半数に達しており、本日の部会が成立いたしますことを御報告いたします。
 議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。
 お手元の資料ですが、配付資料一覧は議事次第の下の欄に掲げておりますけれども、まず、資料1として「健康食品の表示に関する検討会」の論点整理の概要と本文、これは後ほど御説明させていただきたいと思います。
 資料2として、「既許可類似品」の審議に係る関係資料といたしまして、本日、御審議をいただくこととしております、既許可類似品2品目の一覧表と各申請品の対比表及び製品見本を綴っております。
 資料3は「新開発食品調査部会報告書(案)」。
 資料4は「答申書(案)」。
 資料5は「報告案件一覧表」。
 資料6は「特定保健用食品一覧表」。
 席上にありますのは、以上となっております。
 続いて、後ろのテーブルになりますけれども、「からだすこやか茶W」の申請書と概要版、「ヘルシアコーヒー」の申請書と概要版と回答書、「キリン メッツ コーラ」の申請書と概要版を御用意しております。
 不足の資料がございましたら、事務局まで、審議の途中でもお願いしたいと思います。
 それでは、□□委員、議事進行をどうぞよろしくお願いいたします。

○□□委員 御指名によりまして、議事進行をさせていただきます。
 議事次第がお手元にございますが、2.の「健康食品の表示に関する検討会」の論点整理については後ほどにさせていただきまして、まず、3.の「特定保健用食品の表示許可に係る調査審議」から入りたいと思います。

≪3.特定保健用食品の表示許可に係る調査審議≫

○□□委員 今回は、新開発食品評価第一調査会において御審議をいただきました案件で、調査会としては了承されております。まず、1番が「からだすこやか茶W」、2番が「ヘルシアコーヒー」、3番が「キリン メッツ コーラ」、4番が「アラビスイート」、5番が「カテキン緑茶W」、5品目でございます。
 「からだすこやか茶W」と「ヘルシアコーヒー」は既存の関与成分ですが、保健の用途が既許可品とは異なっているものでございます。

○□□委員 済みません。今回、この最初の議題2を通過しなくても、その後の3番の「表示許可に係る調査審議」というのはできるということですか。

○□□委員 はい。2番の案件は御報告でございます。長らく消費者庁で行ってまいりました、検討会の御報告のとりまとめが消費者庁より出されるもので、その件につきましてはどうこうという話ではございませんので。

○□□委員 この中身と、今日、私たちが話すこととは一切関係ないということですね。

○□□委員 さようでございます。

○□□委員 わかりました。

○□□委員 「キリン メッツ コーラ」も既存の関与成分ですが、保健の用途と食品形態が既許可品とは異なっているものでございます。
 「アラビスイート」と「カテキン緑茶W」は、関与成分と保健の用途が既許可品と同一品目となっております。

 

○□□委員 それでは、まず、日本コカ・コーラ株式会社の「からだすこやか茶W」について、御審議をしていただきたいと思います。
 なお、申し合わせに基づいて、申請資料に対する委員の関与について事務局で確認したところ、該当なしということでございます。
 では、食品表示課より御説明をお願いいたします。

○消費者庁食品表示課 消費者庁食品表示課、横田です。よろしくお願いします。
 では、説明申し上げます。
 商品名は「からだすこやか茶W」、申請者は日本コカ・コーラ株式会社。
 保健の用途といたしましては、「本製品は難消化性デキストリン(食物繊維)の働きにより、脂肪の吸収を抑え、糖の吸収をおだやかにするので、血中中性脂肪が高めの方で脂肪の多い食事を摂りがちな方、食後の血糖値が気になり始めた方に適した飲料です」というものでございます。
 関与成分といたしましては、難消化性デキストリン。1日当たりの摂取目安量といたしましては、3本。1本が350mlでございますので、合計1,050mlとなっております。形態といたしましては、清涼飲料水でございます。
 既許可食品といたしましては、許可番号1095「からだすこやか茶」がございます。
 使用原料・関与成分ともに、同一量を配合したものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくお願いします。

○□□委員 ありがとうございました。
 まず、日本コカ・コーラ株式会社から出された「からだすこやか茶W」についての御審議をお願いいたします。関与成分は難消化性デキストリンでございます。「脂肪の吸収を抑え、糖の吸収をおだやかにするので、中性脂肪が高めで、脂肪の多い食事を摂りがちな方、食後の血糖値が気になりはじめた方に適した飲料です」というのが、求める表示内容でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
 難消化性デキストリンですので、既存で許可されている品目は多数ございます。アレルギーもあまり問題はないものと思っております。
 では、御意見がないようですので、当部会として了承するということで、御異存ございませんか。

(「はい」と声あり)

○□□委員 ありがとうございました。

 

○□□委員 続きまして、2番目の「ヘルシアコーヒー 微糖マイルド」「ヘルシアコーヒー 微糖ミルク」「ヘルシアコーヒー 無糖ブラック」、いずれも花王株式会社からの申請品でございます。
 これにつきまして、御説明を食品表示課よりお願いいたします。

○消費者庁食品表示課 では、御説明申し上げます。
 商品名は「ヘルシアコーヒー 微糖マイルド」、同時に申請されておりますシリーズ品といたしまして、「ヘルシアコーヒー 微糖ミルク」「ヘルシアコーヒー 無糖ブラック」がございます。申請者は花王株式会社。
 保健の用途といたしましては、「本品は、コーヒーポリフェノール(クロロゲン酸類)を豊富に含み、エネルギーとして脂肪を消費しやすくするので、体脂肪が気になる方に適しています」というものです。
 関与成分といたしましては、クロロゲン酸類、1日当たりの摂取目安量といたしましては1本185gとなっております。形態といたしましては、コーヒー飲料。
 既許可品といたしましては、許可番号1207「リズムライフコーヒー マイルドミルク」と1208「リズムライフコーヒー 無糖ブラック」と、保健の用途は異なりますが、関与成分量は同一となっている商品でございます。
 説明は以上でございます。よろしくお願いします。

○□□委員 御説明、ありがとうございました。
 関与成分がクロロゲン酸というもので、許可を受けようとする表示の内容は、「本品は、コーヒーポリフェノール(クロロゲン酸類)を豊富に含み、エネルギーとして脂肪を消費しやすくするので、体脂肪が気になる方に適しています」という表示を申請しています。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
 □□委員。

○□□委員 済みません、不勉強で。特保のコーヒーというのは、今までもこういうものの製品としてはあったものでしょうか。ほかにどんなものがあったのでしょうか。

○□□委員 前々回もクロロゲン酸につきまして、いろいろ問題がございましたけれども、審議をして、お認めいただいております。

○□□委員 ごめんなさい、ちょっと記憶があれで。それはコーヒーだったでしょうか。

○消費者庁食品表示課 許可番号1207と1208の「リズムライフコーヒー」が同じものでございます。

○□□委員 ありがとうございました。

○□□委員 ほかにございませんか。

○□□委員 有効性のところですけれども、今回のクレームは体重を減らすということだと思いますけれども、これを示したデータ、臨床試験の結果が、普通の解析だとほとんど有意差がないというデータなわけです。特殊な検定をして、Paired t-testというようなことでやって、それで有意差があるから、だから有効なんだというような評価をしていますけれども、こういう評価をしたことは私は今まで一度も見たことがないんですね。
 それから、100人を超える人を使って検査していますけれども、その中には男の人も含まれるし、女の人も含まれるということで、言い方は悪いですけれども、犬と猫を合わせて解析したような、そういうデータ解析なのです。個別のデータが出ていないので、例えばどのくらい増えた人がいるのかとか、増えた人が何人で、減った人が何人かということがわからないです。男性に多かったのか、女性に多かったのかもわからない。
 これはサマリーだと思って、ちょっと探してみたのですけれども、個別のデータが見当たらないので、その辺の判断ができなかったのですが、一般的な臨床試験の解析としては、私としては、とんでもないデータだなと思っています。

○□□委員 これは第一調査会で審議をいただいたのですか。あるいは、第二の方で審議をいただいたのですか。

○□□委員 これはうちですね。

○□□委員 では、よろしくお願いします。

○□□委員 私の記憶では、最初のところからのデルタ、要するに「差」で検定されていて、その差の検定で有効性が示されていたというふうに認識していますけれども、どうでしたかね。どの文献だったか、ちょっと覚えていないのですけれども。ですから、ペアードというよりはデルタで計算されていたものだと思いますが。

○□□委員 私が見ているのは「ヘルシアコーヒー 無糖ブラック」の資料1-1ですけれども、そこの説明だとPaired t-testと書いてあるんです。1%でも、0.1%でも、みんなが増えていたり減っていたりすれば、有意差は必ずつきますから、それがどれだけ意義があるかどうかもちょっとわからないですね。

○□□委員 この無糖ブラックの資料1-1で、確かにPaired t-testをやっているんですね。私の認識では、デルタで出していて、それはたしか有意差がついていたと思います。

○□□委員 先生、概要版の39ページです。

○□□委員 実数ですね。BMI。

○□□委員 私が見ているのと違うのかな。(ファイルを指して)これですよ、先生。

○□□委員 これですね。

○□□委員 そうです。それの39ページの表1-4が1番でしょうね。

○□□委員 そうですね。たしか表1-4で、前後でやっていると思いますけれども、その間のやつが表1-5で、4、8、12という形で出ているということで、あれしていると思うのです。効果というよりは、問題になったのは、機序があまり明確でないということがあって一回差し戻して、これは回答が来ていて、遺伝子的な発現等を見て、効果があるということで示されたケースだと思います。

○□□委員 「ヘルシアコーヒーマイルド」のデータの添付資料1-5に方法論が書いてあって、反復測定のANOVAで体脂肪面積を測っている。これを見ると、ANOVAでも多くなっていて、前値、あるいはプラセボ食品で、12週でVisceral fat areaと有意差が出てはいるんですね。大きな資料1-5の338ページです。統計については336ページです。

○□□委員 これはどういう意味ですか。アクティブが111.5で、スタンダードが3.7、プラセボが114.2で、SEが4だとすると、これは普通のt検定だと、有意差は出ないと思いますけれども。

○□□委員 これは、※印が群間比較で12週で、デルタでは有意差がマイナス4.4とプラス3.6ですか。これはどうやってやったのか。

○□□委員 ここは、差を見たということですね。

○□□委員 そうですね。実測値では出ていないけれども、差では出たということですか。

○□□委員 男と女というのは分けているんですか、データ解析のところも。

○□□委員 男女を分けたものはないですね。

○□□委員 □□委員がおっしゃるのは、前後の差デルタの検定でしょうか、あるいは実験群とプラセボ群の比較をPaired t-testでされるか、どちらですか。

○□□委員 「ヘルシアコーヒー 無糖ブラック」のこのファイルの、1番メインなデータとして出されている体重減少に関するデータ、これが資料の1-1ですけれども、それだとPaired t-testでやっているわけです。それで有意差があったということで、体重減少に対して科学的証拠があったというデータとして出したと思いますけれども、このデータについてはそういう問題があるということです。

○□□委員 先ほどお話があった概要版の39ページは、例えば、0ウィーク、12ウィークとの差デルタを見たもので、このデルタは独立でないので、Paired t-testがいいかと思いますけれども、先ほど問題になったのは、もちろん、皆さん御案内のとおりですけれども、ANOVAかあるいは多重tテストをやるべきではないかと思います。ですから、私の質問は、Paired t-testをされたのは、どれとどれの比較かということです。

○□□委員 差を見て、それで有意差が出たというのはいいのですが、ただ、男と女と分けていなかったというところが、何だかわけがわからないということと、無糖ブラックのデータに関しては、これがとても納得できるようなものではない。この無糖ブラックについて、同じように差で検定して、それで有意差があるということだったらまだいいと思いますが。もちろんその場合には、もとになる体重にコントロール群と対照群で差がある、それが前提としてあります。ただ、今、御紹介いただいた、厚いファイルの微糖マイルドの方の資料1-5ですと、若干アクティブ群の方が体重は高いですが、有意差はあるほどではないということで、差をとって有意差があったというのは、納得できると思うのです。

○□□委員 先生、そうすると、それは、無糖ブラックが問題だということになりますか。

○□□委員 こういうデータ解析をしたものを出されては困るというところなんですね。これが当たり前だという形になってしまうと、みんなこれからこういうデータを出されてしまうと困るのではないか。多くの評価が「これで通るのだったら」ということになってしまうと思います。

○□□委員 そうですね。

○□□委員 結論として、微糖マイルドと微糖ミルクはデータ的に問題はないと。

○□□委員 ただ、男性と女性と分けずに十把一からげでデータ整理をしているというのは、普通ではあり得ないことなので、それを食品安全委員会のこういった分野では許すのかどうかということなのです。

○□□委員 御見解はいかがでしょうか。

○□□委員 今まで、それを分けてやるというふうにしていたと思っていなくて、人数である程度していて、人数から推定値を出して、大体何人ぐらい必要ということでやっていたように思います。もしこれを男性と女性でやって、男性には効くけれども、女性には効かないというと、男性に適応があるということになりますね。

○□□委員 そうですね。

○□□委員 恐らく健康食品でそういうふうな形というのは、私はあまりなかったように思いますが、どうなんですか。今まで、これは男性用、これは女性用というのはありますか。

○□□委員 ちょっとお話が。

○□□委員 どうぞ、□□委員。

○□□委員 RCTですから、ベースラインの男女比が同じであれば、それはそれなりに意味があると思います。この一番もとになっている論文によりますと、投与健康食品群が男性29名・女性24名、プラセボ群は男性28名・女性28名。年齢については、49.±1歳に対して48.±1歳ということで、群間差は認められなかったということですから、無作為配置をしておってベースラインに大きな差がないので、それなりに評価できるRCTであると思います。

○□□委員 □□委員。

○□□委員 結果としてまとめるのはいいんですけれども、男女別々のデータを出してもらって、その上でやるべきだと思います。それを隠してあって、まとめただけだと、裏に何があるんだろうと、そういう疑いが出てしまうわけです。

○□□委員 例えば有意差を出そうという検定を考えるときは、基本的にどれぐらいの差が出るからということで人数設定をします。それを男女に分けるということになると、恐らくそれはパワーとして絶対落ちるわけです。両方とも恐らくポジティブにならない可能性があって、そういうものでも、要するに全体でオーケーであればいいと。ヘテロジェネイティを考えれば、ヘテロジェネイティがないということを認めればいいんだというふうなスタンスでやれば、私は、それでもいいのではないかと思いますけれども、今までは基本的には全員で審査をしていたような気がします。

○□□委員 だから、ポリシーとして男女別でやるということであれば、男は男でRCTをやらないと、ほかのデータは一致してきませんからね。それで、女は女でやっていく。今後、そういうことを要求するのだったら、それも一つのやり方だと思います。
 しかし、疫学の立場から言うと、もしも男女別にやれば、これは出てきません。ベースラインの男同士の比較性、女同士の比較性、それはこういうデザインでは出ません。それだったら、最初から男は男でRCTをやる、女は女でRCTをやる。今後、もしそれを特保に要求するならば、それはそれなりに意味はあると思います。ここでは、もし男女別に分析したら、うまくいかないと思います。

○□□委員 設計がそうなっているはずですから。

○□□委員 □□委員。

○□□委員 今、データのお話があったのですが、消費者の立場からは、データ上の有意差というのはそれはそれでわかるんですけれども、「体脂肪が気になる方に」というふうに商品に表示されたときに、本当に体脂肪の減少が実感できるのかというところで考えたら、このデータというのは、結局、体重減少のところで有意差があったということでしょうか。

○□□委員 そうです。

○□□委員 そうすると、BMIを求めれば有意差が出てくるという感じなんですか。BMIではその効果が表現できるけれども、最近、例えば消費者がよく使っている体脂肪計は、インピーダンスを測定するものが多い。それだと差が出てこないということになりますね。

○□□委員 それはだめだと思います。

○□□委員 例えばインピーダンスで測っている人が、いくら飲んでも効果が出ないみたいな話になってくると、どうなのか。消費者の実感として違いが感じられないということになるのではないかと、このデータを見ていて思ったのです。ですから、「体脂肪が気になる方に」と書くのであれば、ここであれば「体脂肪(BMI)」というふうに書いておいた方がいいのかなと思いました。

○□□委員 □□委員、どうぞ。

○□□委員 今、□□委員がおっしゃったことのある部分は重なるのですが、もしこういうことを消費者が飲んで実感するのであれば、要するに、この方々は医者に行く必要がないレベルの人ということですね。お医者さんに行っていて、例えばこれを飲んでこれだけ数値が変わった、なるほど、というのも一つの実感だと思います。しかし、そういう方は医療機関に行くべきであって、これは数値的な微妙な有意差があるというレベルの話でしかないものであるならば、ごめんなさい、根本的なところにかかって申し訳ないですが、20数人だか、40数人かの飲み比べの結果、効果があるとか、ないという議論をすること自体がおかしいのではないかと思います。
 それを言ってしまっては元も子もないということもよくわかりますが、疫学的何とかに基づいてとか、どうもその辺が、いわゆる皆さんのような専門委員ではなく、飲んでいる側あるいは飲むかもしれない側の人間としては、ここにいる議論がどうしても落ちてこないのです。疫学的調査とか、疫学的成果というのであれば、これで本当にいいのでしょうかということを、もうちょっときちんと話し合ってほしいなというのがあります。これは意見というか、ここで適切なのかどうかわからないのですが、微妙な有意差、0.01とか何とかという世界のことを議論することが適切なのでしょうか。特保という、ほかの製品の倍や3倍の値段で売られるものを許可する場として適切なのか、という疑問がどうしてもとれないのですが。

○□□委員 □□委員、どうぞ。

○□□委員 非常に重要な話ですので、□□委員も疫学専門家ですから、補充していただきたいのですけれども、「科学的根拠に基づいて」ということであればRCTにまさるものはありません。これは理論的にももう確立されたものです。そして、このサンプルサイズ、20人、30人という話は、これは仮説検証の話ですから、あらかじめサンプルサイズはいくらなければならないということを決めてやっているわけです。
 極端な話かもしれませんが、仮に1万人ぐらいやるとしたら、わずかの差でも、例えば血圧などは、皆さん方御存じのように目盛りは2ミリずつ打ってあるわけです。それの0.1ミリでも差があるというような話になってくるわけです。もしも少なかったら、仮に血圧ですと、10ミリ差が出てきても、あるいは20ミリ差が出てきても、差が出ないということになるわけです。したがって、研究する前にサンプルサイズをきちっと決めてやらないといけません。もしRCTを否定されるならば、科学の世界は全く否定することになりますから、それは私は認めるわけにいきません。□□委員、補充してください、RCTについて。

○□□委員 科学的根拠に基づくのであれば、0.1でも有意差という問題ではないと思います。有意差は有意差で、もう少し違う数字で出てくるものだと私は理解しているのですが、そういうものではないのですか。
 普通の人間が、2倍も3倍ものお金を払って実感できるようなものと、数字の上の有意差があるものとは違うのではないでしょうか。

○□□委員 □□委員が詳しく御説明されたので、特に追加することはございませんが、今、□□委員がおっしゃったように、通常の商品より2倍あるいはそれ以上値段をかけて購入していただくためには、やはり科学的エビデンスでもって証明して、その数値を示す必要があります。ですから、今、□□委員からお話がありましたが、ただ傾向があるだけでトクホを認めると、それはもう野放図になってしまいます。そういう意味ではRCTなどのエビデンスに基づいて判断すべきです。そして一般的に科学的エビデンスとしては、5%未満、あるいは1%未満で両群の間に差があるということを示す必要があります。それを示すことで、科学者が納得し、そして一般の方も納得されるのではないかと私は思います。

○□□委員 ちょっとよろしいですか。私が申し上げた理由は、□□委員のおっしゃることと非常に近いんですね。Paired t-testをやると、1%しか体重の変化がなくても、また、0.1%しか変化がなくても、例えば私なりが12時間飲んで110gしか減らなかったと。でも、大体の人がそうなったら、有意差はついてしまうわけです。それが特定保健用食品としての価値があるかどうか。その判断ができないので、やはり実際の数値で見て、これだけの大きさで変化するのだったらば有意差があるとか、科学的に一般的に認められている5%でなくても、10%であるならば、「傾向がある」として認めてもいいのではないかというような判断ができるわけです。その根拠がPaired t-testだとわからない。男と女と一緒に計算してやると、そこのところも非常に判断しにくいということで、分けてデータを出してほしいというところなのです。

○□□委員 ですから、先ほどから御質問しているのですが、どのグループとどのグループをPaired t-testされているのか。インディペンデントな両群間ですと、それはまずいと思います。

○□□委員 インディペンデントではないです。処置する前と処置した後。

○□□委員 それはPaired t-testで結構だと思います。

○□□委員 ただ、有意差がついたというときに、先ほど申し上げたように、本当に1グラムしか減らなくても、みんなが減っていたら有意差がついてしまうわけですね。

○□□委員 はい。それはそれでよろしいのではないかと思います。

○□□委員 それは、科学的には有意差がついたということになりますけれども、先ほど□□委員がおっしゃったように、その「重み」ですね。この試験でやっている、本当にこのものが飲んで意味があるのかどうか、そういうことの判断はできないということです。サイエンティフィックには差はあると言えますけれども、本当に意味のある差かどうかということです。

○□□委員 もしそれを特定保健用食品に求めるとすると、先ほど言った1万人レベルの仕事をしないと恐らく言えないと思います。要するにそれは何を言っているかというと、サイエンスの中では、例えば体重が減ることによってさまざまなサイトカインが動いて、最終的には血圧が下がり、最終的には心筋梗塞だ、狭心症だ、そういうものが減ってくるということが前提にあって体重を求めているわけです。
 そのことが実際に起こるかということを見るのが大規模臨床試験というもので、今、皆さんは大体1万例とか2万例でやっているわけです。1万例ぐらいやると、先ほど□□委員がおっしゃったように、血圧が2ミリ違うだけで死亡率に差が出るというのは実際見えていて、そういう試験はあるわけです。ですから、帰納的といいましょうか、それをずっと考えていくと、体重をちゃんと減らすというRCTが得られていれば、一応そこに持っていってもいいだろうというのが、こういうレベルの小さな試験の場合の考え方だと私は思います。ですから、それは意味があるのかと言われると、そこまでやらなければ意味があるかどうかということは表現できないと私は思います。

○□□委員 それは、差に対してある程度一定の幅があるということは、少なくとも推定できるわけですね。ただ、有意差があるかどうかという検定のためには、場合によっては1万例が必要かもしれない。でも、ある程度の幅があるだろうというような推定は、ここで出してほしいわけです。それで、その幅がPaired t-testだと理解しにくいということなのです。

○□□委員 男性とか女性とかいう数値を出すのを求めることは、いいと思うのです。求めることはいいけれども、有意差がそれぞれにないとだめだというふうに言うと、これは恐らく、設計上、相当難しくなってくるだろうと思います。

○□□委員 それは必ずしも求めているものではないですが。

○□□委員 データとして出せということですね。

○□□委員 ええ。その上で、場合によるとそこに大きな問題が隠れていることもあるんですね。

○□□委員 少しジェネラルな言葉になるかもしれないですけれども、一つのある介入臨床試験でデータがあって、その差が大きくて、かつ有意差があると、一般の人は「ああ、そうか、有効だ」というふうに思いやすいですね。それは私たちも含めて皆さんそうですけれども、今、実際に日本で行われている特保のリスクリダクションで、葉酸の問題とカルシウムの問題。カルシウムを若いうちにたくさん食べていると、年取って骨粗鬆症にならないというのは、一つひとつの試験ではそういうものではなくて、それこそ疫学的にいろんなサンプルを採ってきて調べて、これはそうであろうということが言われる。一つのドーズレスポンスがきれいにあるわけではありません。それを否定すれば、いろんな栄養成分と疾病の問題の関係というのは意外と見つかりにくいし、言いにくい言葉だろうと思います。それに対して葉酸の問題というのは、一つの量を食すれば神経管の症状が減るというのは、動物実験でもあるし、ヒトの状態でもあるし、ドーズレスポンスがきちんとあります。
 そのところを、ある一定の臨床試験でないとこうは言えないというふうにしてしまうと、私たちがごく普通に食事をしながら、長い期間かけてその影響が出ることについては、何も言えなくなってしまう。私が言いたいのは、疫学というものは大切な判定基準になるものであって、それはここの皆さんだれでも同じ考えだと思います。ただ、その差がどの程度かというのは、私たちも含めて、目に見えてすごく効いたということではなく、データが物語っているのを受けとめるということは大切なことだろうと考えます。

○□□委員 □□委員、どうぞ。

○□□委員 ありがとうございました。おっしゃっていることは、今のが多分一番わかりやすかったと思うのですが、例えばカルシウムの骨粗鬆症とか、葉酸とかいうのは私のような者でも理解できる。というか、歴史上の積み重ねがあると思いますが、そういうレベルで、こういうものにも効果があるのでしょうかと伺わせていただいてもよろしいですか。

○□□委員 逆に言うと、カルシウムをきちっととったからといって、それだから本当に骨折が減ったのかというデータは、そう多くはないです。ですから、それが当たり前だと考えるのも、それはある意味で言うと問題があるわけです。そういう意味で言うと、例えば血圧を下げると何かが減るとか、コレステロールを下げると何かが減るとかいうのは、もうはっきりしているわけです。それから、体重が増えるとこうなっていくということもある程度はっきりしている。カルシウムというのは概念的に非常にわかっているけれども、骨粗鬆症の問題ではなく、では、本当に骨折が減るのかという話になってくると、なかなか難しい問題がここで生じてくるわけです。その辺が、物事の見方の難しさがあると私は思います。すごく概念的な話になってしまうということです。

○□□委員 そうすると、私がここにいる意味というか、「ちょっとここはわからないんですけれども」と言うことは差し置いて、というか、悪い意味ではなくて、ここで議論することは、サイエンティストのおっしゃることについていくというのが役割でしょうか。

○□□委員 よろしいですか。話が、効果を科学的に検証する方法論と、どれだけ減ったら意味があるかという□□委員の御意見と、ちょっとごちゃごちゃになっているように思うので、科学的な方法論は、きちんと成績を踏まれていれば否定することはできないと思います。それが、例えば100グラム体重が減ったらいいのか、2キロ減らなければいけないのかということを論議し始めたら、これはこの場ではなかなか難しい論議になると思います。ある程度きちんと科学的な方法で、こっちのコーヒーを飲むよりはこっちのコーヒーを飲んだ方が、体重が減ることが統計的・科学的に示されていますと。そうしたら、特保食品としては効果があるだろうということを結論することには、それほど大きな問題はない。□□委員のように、100グラムしか減っていないとすればほとんど意味はないのではないかと言うかもしれませんけれども、それは統計的にきちんと根拠が出ていれば、私はこの場ではいいのではないかという気がします。

○□□委員 ほかに、よろしゅうございますか。
 それでは、いろいろ御議論いただきましたが、第一調査会の御審議をこの場では尊重して、この3品を委員会として了承したいと思いますが、よろしゅうございますか。

○□□委員 ただ、データは、今、これを出せというのが無理だったら、今後は男と女別々にデータを出して、それで集計してほしいということと、Paired t-testみたいなことで有意差があると、そういう証明の仕方はしないでほしいというようなことは、これからやっていただきたいと思います。

○□□委員 それでは、申請企業あてに、とりあえず認めるけれども、不足データを用意しなさいというふうにまとめますか。

○□□委員 もし、この3つで込みになっているということであれば、特保というのは、その製品がそういうデータを持っているということが今の方法では大切なので、3つのうち2つはきちっと見られるのであれば、1つはペンディングにする。今までは、味だけが違う、香料だけが違うというのは、主のデータを同一に使って同等であるというふうな形でオーケーだった。これは、それぞれ3つ、関与する成分は同じであるけれども、主の成分であるものについてはきちっとデータを持っています、もう1つのデータも持っていると。先ほど□□委員が言われたように、3つ目のデータに関しては社内報告でもあって、レビュアーのある印刷物になっていない。今のところ、なっていないと思っておりますけれども、そういうものであれば、このものに関しては許可しない、あとの2つは許可する。そういう形の方がいいのではないでしょうか。

○□□委員 私も、そうしていただけるといいと思います。

○□□委員 それは私も結構でございます。そのようにしていただいて、2つはオーケーだけれども、1つは、もしやるとすればもう一回きちっとした試験をやるという形で、よろしいのではないかと思います。

○□□委員 □□委員からそういうお話がございました。事務局の方で何か御発言はありますか。

○事務局 今ご審議いただいた部分ですけれども、この品目の有効性試験として資料1-1の社内報告をごらんいただいていたかと思いますが、有効性試験としては資料1-5になります。「ヘルシアコーヒー 微糖マイルド」という太いファイルの資料1-5に論文化されているものがございます。こちらが有効性の試験というふうになっております。

○□□委員 微糖マイルドと微糖ミルクはオーケーです。今、問題になっているのは無糖ブラックについてです。

○事務局 マイルドミルク・微糖ミルクと、ブラックとの同等性が確認できない、ということでしょうか。

○□□委員 そうです。

○事務局 わかりました。

○□□委員 □□委員、何か御発言を。

○□□委員 今更ながら、済みません。2ページにリズムライフコーヒーとヘルシアコーヒーの対比表がありますが、両方とも、もともとは同じもの。ヘルシアコーヒーの方は、甘味料アセスルファムKがつけ加えられただけという感じで、下の成分もほとんど同じ。なおかつ7ページ目に、降圧作用を明らかにした段階で体重低下作用も有することを示唆されて、これの新しいのができたというふうになっています。でも、もともとはほぼ同じものである。
 それで、表示の関係ですけれども、リズムライフコーヒーは、「血圧が高めの方に適しています。飲み過ぎないでください」と別のあれがありますが、これは全然書いていない。この辺はどうなのでしょうか。これはほぼ同じものですね。血圧に関して何か差異があるのですか。どなたか教えていただけますか。

○□□委員 この試験は血圧について注目していない。このヘルスクレームを言いたいために行った試験なので。

○□□委員 そうなんだけれども、逆に言えば、同じものだったら、やはり血圧に関しても注意しなければいけないわけですね。

○□□委員 資料1-5では、血圧がシストリックで一応有意差では出ていますね。ですから、それをヘルスクレームとしてつけ加えた方がいいのではないかという意味ですか。

○□□委員 そうです。同じものだから、同じ表示はつけ加えた上で、体脂肪は下がりますというのでないと。これを見たら同じものですから。

○□□委員 多分、会社の方としては、血圧を入れなければ血圧が高くない人も対象になると。脂肪だけの人と、ということがあると思います。

○□□委員 そこはいいのですが、「高血圧の治療を受けている方は医師などに御相談の上飲用してください」と注意書きがついているわけです、リズムライフコーヒーは。やはりそれはつけるべきではないですか、同じものだったら。

○□□委員 降圧効果が確認されていますからね。確かにそうかもしれません。

○□□委員 そうです。

○□□委員 よろしいですか。私もちょっと記憶がないのですが、血圧を下げるやつはヒドロキシヒドロキノンという成分を低減化していますね。今回はどうなんですか。内容は同じですか。

○消費者庁食品表示課 中身は全く同じものです。

○□□委員 そうすると、やはりそこは注意する必要があるのかもしれません。

○□□委員 多分、そういうのが誇大広告につながるのではないかという気がします。飲む方にとってはやはりそれで飲んでしまう。

○□□委員 血圧の試験は血圧の高めの人だけを対象にして、それで効果を見ています。今回は肥満の人を対象にしていますので。

○□□委員 でも、同じものでしょう。

○□□委員 同じものですけれども、血圧が低い人も高い人も入って見ていますので、血圧の高めの人がこれを飲めば血圧は下がる可能性は十分にある。血圧が高くない人が飲んだときに下がるかどうかは、この試験ではわからない。

○□□委員 わかりませんけれども、やはり注意はしておかなければいけない。血圧で売る必要はないけれども、同じ成分が入っているのだったら、万が一、飲み過ぎとか、血圧高めの人がこれを知らないで、やせるからいいわといって飲んでしまっては、同じような症状が起きる可能性はあるわけですね。

○□□委員 でも、起きないかもしれない。

○□□委員 そうです。だから、注意書きは必要だと思います。

○□□委員 □□委員、どうぞ。

○□□委員 私はぜひ必要だと思います。

○□□委員 今までも、難消化性デキストリンは、血糖、脂肪、いろんな有効性が同じ関与成分でうたわれています。それぞれ全部出ていれば、それを全部うたわなければいけないということにもなりますね。

○□□委員 そうじゃないですか。だって、これだけ買うわけですから。

○消費者庁食品表示課 済みません、御議論の腰を折るようで申し訳ないのですが、血圧が高めの方のときの注意喚起の意図は、対象者が血圧が高めの方ですので、血圧が高めの方が特保に頼って病院に行かないということがないように、適切な医療を受けるように、という意味での注意喚起表示という御趣旨が多かったように認識していますけれども、いかがでしょうか。

○□□委員 そうです。3倍量以上の過剰摂取試験で下がり過ぎはないということは一応確認されているので、これを飲んだら高血圧が解決されることはないという注意喚起はされていますけれども、下がり過ぎでどうのこうのというのは今まではなかったと思います。過量摂取して下がり過ぎるということは、今までのデータからはそれほど心配ないと思います。

○□□委員 血圧の表示が書いていないから、それは書かなくても大丈夫と。メインは、医療行動に移るのが遅くなるというところだとは思いますが、全く書かなくても問題ないというものですか。要するに、そこには書いていないけれども、読む人は同じ成分だと思うかもしれないですね。消費者が気がつかない、注意表示をうたっていなければ、書かなくてもいいということになるのでしょうか。

○□□委員 □□委員、どうぞ。

○□□委員 今の血圧の話に関しては、ヒドロキシヒドロキノンを低減しているという前提がある。現在、3項目については特段それがないので、血圧に関しては影響してこないというふうに私は理解しています。リズムライフの方は、ヒドロキシヒドロキノンを低減しているからということで、プラスであれマイナスであれ、血圧の高い方に適していますということであって、現在のヘルシアの方に関してはそのことに言及していないので、影響は、直接的には関係がないというふうに理解しました。

○□□委員 ということは、成分は全く同じではないということですか。

○□□委員 そういうことです。

○□□委員 ただ、今後も、同じ関与成分で複数の効果を持ったものが出る可能性があるので、そのときにどう対応するか。一般的にこの食品は、過量摂取することによって効果が出過ぎるとか、それによって大きな副作用が出るということは、一応安全性は検証されていると私自身は理解していますので、あえて違った効能に対してまで書かなければいけないということは、必要ないのではないかという気がします。

○□□委員 それに関しては、前に、例えばデキストリンとかそういったものでは、血糖に関して効果があるとうたっているけれども、おなかに対してよく作用しますというのが別のものであるからというので、それはたしか注意喚起でしています。恐らくそういった問題が起こる、というと変ですけれども、そちらの方に働きそうなものに関しては書かなければいけない。今回の場合は、全く血圧とは関係のない話で、しかも、下げ過ぎることはまずないということが証明されていますので、その必要性はないだろうというふうに思います。重要なことは、このことによって病気が治るとか、そういうことを思っていただくのが一番いけない、ということを注意喚起しておけばよろしいのではないかなと思います。

○□□委員 それでは、議論を前に戻しまして、3品の申請をしているわけですが、「ヘルシアコーヒー 微糖マイルド」「ヘルシアコーヒー 微糖ミルク」、この2点につきましては、部会として了承するということでよろしゅうございますか。それで、「ヘルシアコーヒー 無糖ブラック」については、データが不足であると、もう一度申請企業にその旨お伝えすることを結論にしたいのですが、よろしゅうございますか。

○□□委員 よろしいでしょうか。関与成分は、ポリフェノール270mgはブラックも同じ。カロリーはむしろブラックの方が少なくて、マイルドの方で、資料1-5で効果が検証されているので、ある程度検証されていると考えていいのではないかという気がします。

○□□委員 でも、データだけは出していただくというスタンスの方がよろしいのではないでしょうか。ほとんど同じようなもので特保になっていないものもいくつもあるわけです。それもみんな特保と認めろという話になっていくと大変なことになるので、やはりデータがきちっとついているものを特保として認めるというスタンスは、崩さない方がいいのではないかと思います。

○□□委員 ありがとうございました。それでは、そのように結論させていただきます。

 

○□□委員 続きまして、キリンビバレッジ株式会社から申請のありました、「キリン メッツ コーラ」についてでございます。
 申し合わせに基づいて、申請資料に対する委員の関与について事務局で確認したところ、該当なしということでございますので、食品表示課より御説明をお願いいたします。

○消費者庁食品表示課 では、御説明申し上げます。
 商品名は「キリン メッツ コーラ」、申請者はキリンビバレッジ株式会社。
 保健の用途といたしましては、「本品は、食事から摂取した脂肪の吸収を抑えて排出を増加させる難消化性デキストリン(食物繊維)の働きにより、食後の中性脂肪の上昇を抑制するので、脂肪の多い食事を摂りがちな方、食後の中性脂肪が気になる方の食生活の改善に役立ちます」というものです。
 関与成分といたしましては、難消化性デキストリン。1日当たりの摂取目安量といたしましては、1本・480mlとなっております。形態といたしましては、炭酸飲料となっております。
 なお、この商品は、表示はされておりませんが、カフェイン量は一般的なコーラとほぼ同量ということを申請者から聞いております。
 説明は以上でございます。よろしくお願いします。

○□□委員 ありがとうございました。
 関与成分が難消化性デキストリンでございます。許可を受けようとする表示の内容は、「本品は、食事から摂取した脂肪の吸収を抑えて排出を増加させる難消化性デキストリン(食物繊維)の働きにより、食後の中性脂肪の上昇を抑制するので、脂肪の多い食事を摂りがちな方、食後の中性脂肪が気になる方の食生活の改善に役立ちます」というものでございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
 最初に御審議いただきました「からだすこやか茶W」と同じ、難消化性デキストリンが関与成分でございますので、特に問題はないように思われますが。
 □□委員、どうぞ。

○□□委員 よくわからなくて、今、ちょっと確かめてみたのですけれども、難消化性デキストリンというのは、食物繊維の働きでおなかの調子を整えるとか、糖の吸収を何とかというのが今までだったと思います。それイコール、脂肪の多い食事をとりがちな方の中性脂肪、脂肪の吸収を抑えるということと、それは何の変わりもない効果なのでしょうか。私は同じ難消化性デキストリンの違う効果をうたっているような気がするのですが、教えてください。

○□□委員 □□委員、どうぞ。

○□□委員 第二調査会では、難消化性デキストリンでおなかの調子をととのえるというのはもう100個ぐらい出ております。主な作用機序としては、難消化性デキストリンが高分子になって、腸管の中で、糖の場合はそれが血液の中にどんどん広がっていくのを抑える。それから、ごはんを食べたときの胃から腸の中に行くのを遅い時間にするために、食後の高血糖が有意差を持って、若干ですが、下げる。そういう理屈があります。
 脂肪の方も基本的には同じ機序で、脂を食した場合、それが胃や膵臓のリパーゼで分解されるのですが、出てきた脂肪酸、あるいはモノアシルグリセロールといって、脂肪酸が1つついたグリセロールの消化管の中への拡散を抑えるために、食後にすぐ高い中性脂肪の状態にはならない。それともう一つ、そのものをある程度キープしたまま大腸の中に入っていって脂肪の消化吸収を低くする、そのプラスアルファの作用も加えられていると思います。そういう話で、大きな作用機序はほぼ似ているだろうと考えています。

○□□委員 ありがとうございます。ということは、今まで「おなかの調子をととのえる」しか書いていなかった難消化性デキストリンに、こういう同じ効果があるということですか。同じ効果なり、同じ影響なり、同じ副作用というか、うたっていない作用を起こすことがあるということですか。

○□□委員 さようでございますね。データをとっていないので表示の許可を求めていないというだけで、とる側にとっては同じ効果が期待できるといったことです。

○□□委員 ただ、量的な問題で、本当に中性脂肪を減らすだけの量が入っているかどうかとか、そういうこともありますので、やはりその製品ごとに検査しないとわからないと思います。そういう作用があっても有意差は出ないかもしれません、あまり少ない場合は。

○□□委員 私のような科学的センスのない者がこういうところで発言すると、皆様には大変失礼なのかもしれないですが、それぞれのものは試験をしていないから有意差が出ないかもしれないというのは、多分効果としての面だと思います。ただ、副作用としての面は、効果はあるけれども、害になるほどの激しい効果はないというか、反対の効果はない、というふうに考えていればいいということでしょうか。

○□□委員 安全性の試験で、その中に入っている3倍量ぐらいまでをヒトの臨床試験でやって、特段、例えばおなかがゆるくなるとか、あるいは、それ以外の臨床検査的、あるいは体重とか、そういった変化が見られないというところでの安全性は個々の食品で検査をされているということで、私たちは、この程度であれば安全だというふうに考えられる、そう言っていいと思います。

○□□委員 ありがとうございました。

○□□委員 ほかにございますでしょうか。

○□□委員 この食品は、食物繊維自身が中性脂肪とかそういったものを下げるというのは昔からずっと言われていることで、それをきちっと製品化したということなので、機序の面からすればそれは問題はないだろうと私は思います。これも、今、御心配のように、摂取上の注意というところに、おなかがゆるくなることがありますという注意書きは必ずされているということで、実際に体にあらわれるものとしては可能性はあるということなので、そういう注意書きはこれから要求されるだろうというふうに思います。
 ただ、これで気になっているのは、むしろ消費者の方に聞く方がいいだろうと思いますが、コーラという形でこういうものが出てくることが私はちょっと違和感があって、例えばこれも試験は、ハンバーグとかああいうのを使ってやっているわけです。そういうものを食べるときに使うならいいけれども、毎日、例えばごはんを食べるときにコーラを飲むのかという話になると非常に違和感を感じて、それはどうなんでしょうとむしろお聞きしたい。

○□□委員 ありがとうございます。実は私の質問のメインはそこだったのですが、その前に、ほかの条件は整っているのかなというのをまずは確認させていただきました。まさに先生のおっしゃったハンバーグとの食べ合わせでどうのこうのと、そこもあるのですが、もう一つ、コーラと名のついたものを健康食品にする違和感というのはあるんです。ただ、さっきから、サイエンスとしての問題がないから許可しない理由がない、みたいに言われると、それを言っていいのかなと悩みながらあれしたんですが、コーラというのは、私たち親とかおばあちゃんからすると、できるだけ子どもにとらせないことに一生懸命になっているものなんですね。
 もちろん、それはこれとは違うもので、糖分が多過ぎるとか、炭酸と糖分とか、アメリカなんかでは、学校の校内で売られるものから、コーラ類とか甘過ぎるジュース類は外されているところもあると。コーラというイメージと健康食品というイメージが全く一致しないのですが、やはりこれは、ほかに理由がなければ通さなければいけないものでしょうか。

○□□委員 今の議論は難しい議論ですね。コーラだから悪いというふうには言えませんのでね。どなたか御発言はございますか。□□委員がおっしゃっているとおり、サイエンティフィックな点からでコーラを否定するわけにはいかないですね。

○□□委員 だから、サイエンティフィックな面からではなく、今、申し上げたのは、母親とかおばあちゃんとか、できることなら子どもにコーラ類や甘いジュースを飲ませたくないという一消費者としての希望です。だから、サイエンティフィックなところは押さえた上で、こういう異議をあえて申し上げたいというところです。

○□□委員 御意見としては承りますけれども、この部会で議論するのはちょっと難しいと思います。
 □□委員、どうぞ。

○□□委員 今まで、ビールの例は却下されました。それは調査会のレベルで、部会には上がってこなかったのですけれども、ビールにいろいろなものを入れて出したいというのがあったのは却下しました。食を通して健康増進に資するものかどうかということはやはり大切なことですが、その範囲というのは議論があるところだと思います。

○□□委員 どうぞ。

○□□委員 ありがとうございます。ビールにつないでぜひ議論していただければと思います。何回も私はこういう場で申し上げているのですが、これが消費者庁に移った理由というのはやはりそこにあると思うので、ほかの条件が整っているからということではなくて、ぜひぜひ御検討いただくように部会長様にもお願いを申し上げたいと存じます。

○□□委員 □□委員。

○□□委員 このコーラの場合、1日1回を目安にするということで、その条件としては、例えば脂肪の多い食事をするときなどにおすすめと書かれていまして、最初のお茶のように、毎食後とるようにという形の特保とはとり方が違うのかなと思います。特に脂肪の食事をとったときなどにというふうなことでのとり方で、1日1回ということでの安全性とか有効性をデータとして確かめていますので、そういう条件の中での特保というとらえ方かなというふうに思います。

○消費者庁食品表示課 消費者庁からの御発言をお許しいただきたいと思います。
 今、御議論をいただいていることに関して、消費者庁の方から、追加の情報と、こういった食品表示をめぐる世界的な議論の様子をお知らせさせていただければと思います。
 例えばコーラが持たれているイメージというのは、WHOが言っているのは、糖類が多い飲み物ですとか、栄養成分として、例えば栄養素プロファイリングという考え方が、今、徐々にいろいろなところで議論されております。その食品がそもそも栄養組成の特性として、健康に資する食品であるかということに加えて、関与成分の機能性も考えるという考え方があるというのは、WHOが栄養素プロファイリングの考え方として出していますし、EUは、食品規制に関して議論の最中ですけれども、新しい法制度の中で取り上げる予定になっていると聞いております。
 そういった意味では消費者庁といたしましては、栄養表示の検討等も始めましたので、栄養成分上の特性としてその食品を捉えるという観点はあろうかと思います。現在、むしろ御議論いただけるとすれば、資料にも書いてありますけれども、この製品はカフェインが入っています。そこの取扱いに関して、調査会で御議論はいただいていますけれども、部会の方としてその点に関しても了承していただけるかというのが、もう一つ、コーラとしての観点とすればあるかと思います。
 以上です。

○□□委員 □□委員。

○□□委員 今、御説明があったようなことを私も申し上げたかったのですけれども、海外で特保の話をすると、いろんな議論が出ます。その中に、機能性食品をデザインするときに、有用成分を加える、あるいは有害成分を除くという考え方もありますが、それ以外に、ベースとなる食品の栄養的な評価というものがやはり重要で、糖質が非常に多い食品とか、塩分が非常に多い食品とか、そういったものを認めていいのかどうかという意見がよく出るんですね。今、WHOの話がありましたけれども、先ほどのアルコールは別として、しょうゆに対してもかなり厳しい目が向けられるわけです、ナトリウムが多いということで。
 そういうことはやはり一つ考えなくてはいけない点であって、コーラの場合は、私のイメージでは、例えばリンの摂取としても多くて、リンの過剰摂取は多くの場合、非常に問題がある。この製品にリンがどのくらい入っているのかはわかりませんが、そういうこともあるので、一般的な栄養という点から見て問題になりそうなファクターがある場合は、きちんと議論すべきであるというのが、海外でもいろんな方から聞く意見です。コーラの場合は、私もまずその辺はちょっと気になったんですね。今後、その辺のことを議論して、コーラという特保をどう考えるかというのは、それなりのコンセンサスを取っておいた方がいいのかなというふうに思います。

○□□委員 これは第一調査会、第二調査会、どちらで御審議いただいたのですか。

○事務局 第一です。

○□□委員 では、□□委員。

○□□委員 調査会のレベルというのは、どうしてもサイエンティフィックにどうかという辺りを中心に議論するのと、安全性の問題、その辺を非常に議論していて、これは確かにそういう面ではクリアーしているということで、拒否する理由が見当たらないということになったわけです。
 私自身の認識からすると、先ほどおっしゃったように、消費者庁に移ったときから考えていることは、消費者の意見がきちっとあらわれるのはこの場になってきてしまうわけですね。ですから、ここで消費者の方々の御意見をちゃんと合わせて、全体として認めるというふうにしないと、調査会の意味とこの部会の意味とはそこに違いがあるのではないかと思いますので、あえて私は調査会の方から、このコーラという形態がどうであるかということをむしろお聞きしたという経緯でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○□□委員 ありがとうございました。重い責任を負わされて、コーラを果たして認可してよろしいものかどうかというのは、この製品自身で言えば、甘味料としてアスパルテームを使っていますので、糖分のとり過ぎというのはいいのですが、イメージとして、コーラはやはり糖分が多い、リン酸塩が多いといったことがある。特保として認証するのはどうかといった議論もあり得るとは思いますけれども、御意見をお伺いいたしましょうか。
 □□委員、どうぞ。

○□□委員 一般論ですけれども、私は、消費者の選択の範囲が広がるという意味で、こういうものもあっていいのではないかと思います。例えば私個人の食生活のことで言えば、私はもう少し太りたいので、むしろ砂糖の入っているものを、これは使いませんが、逆の人もいる。そういう人も選択の範囲を広げておけばいいかと思います。これは、特保という観点ではなく、一般の消費者の選択の幅を広げるという意味で。
 ただ、その分消費者は、食品安全基本法ではないですけれども、勉強しなければならない。選択の幅が広がれば広がるほど、どれをとったらいいのかという個人個人のきちんとした考えを持たなければいけなくなってくるという面もあると思います。ですから、これを認可することによって、安全性、衛生性の問題ではなく、一般社会的な面でメリットもあるし、デメリットもある。その選択の幅を、自分がどっちをとるかという点で非常に結構なことではないかと考えています。

○□□委員 □□委員、どうぞ。

○□□委員 私も今の御意見と同じで、個人的には、食事のときにこれを飲むというのはすごく違和感がありました。ただ、先ほどからコーラが特保としてどうかという話がありましたけれども、今の世の中の傾向を考えると、コーラばかり飲んでいる人こそ健康ということを考える必要があるのではないか。コーラが悪いというわけではないですけれども、自分が飲みたいものを飲みたいときにたくさん飲んでしまうような人に、今、自分が飲もうとしているものがどうなのかという関心というか、自分の健康に対して関心を持っていただく、その材料の一つとしてあるのかなと。ですから、市場の原理に任せる、といったら変な言い方ですけれども、それも一つあるのかなという気がしました。

○□□委員 □□委員、どうぞ。

○□□委員 今、□□委員がおっしゃったように、また□□委員がおっしゃったように、選択の幅が広がるということはそうだと思います。ただ、それはこれが市場に出ればいいだけのことであって、これを特保として市場に出すこと。コーラというものからイメージする、私たちのように、子どもにどういうものをとらせたいと。血糖値を上げるとか下げるとかいうことはもちろんついてくる要素ではありますし、これが市場に出ることはウェルカムなのですが、特保という健康のために飲むことをあえて勧めるようなものではない、というふうに私は思います。
 例えば牛乳とか、ヨーグルトとか、乳酸菌とか、そういうものであれば、いろんな付加価値がついて、より選択の幅が広がるという健康面でのプラスを感じなくはないですが、コーラであるということは、別にコーラも悪くないのではないかと。まあ、悪くないのかもしれないですが、選択してほしくない身としては、コーラの中にもいいものがあるというものをあえてつくる必要はないような気がします。ただ、それをここの場で、これは反対です、みんなも反対してくださいと言うだけのものであるかどうかというのは、ちょっと自信がないので、あくまで個人の意見です。

○□□委員 今まで調査会では、このコーラを飲むのだったらこちらのコーラの方がいいですよという形で、おせんべいについても、難消化性デキストリンをまぶしたおせんべいの方が血糖は上がりにくいと、認可されてきた。でも、ヨーグルトであれ何であれ、原材料の食品はきちんとしている。原材料の食品がはっきりしているので、それについては安全性は問わないという形で認可されてきたと思いますけれども、コーラというのは人間が全くつくったものです。こういうのを特保として認めるかどうか、どこまで認めるかということになると、おっしゃったように、人間がつくった食品について、しかも、原材料を含めていろんな成分は、秘密になっている部分もかなりあるのではないかと思います。そこに対してどう考えるかという問題になるのではないかと思います。そうすると、やはり違和感は出るかなという気はします。

○□□委員 ほかにございませんか。
 どうぞ、□□委員。

○□□委員 我々は、栄養指導を担当している専門家と世間では言われていますが、私も人前でコーラが飲めない。何で飲めないのかというので、よく、わざと飲んでしまったりするのですが、私たちの認識は、世の中には完全にいい食品も完全に悪い食品もないというスタンスを持っているわけです。というのは、食品だから絶対安全でなければいけないという食品をつくれといったら、それは無理な話で、必ずリスクを多少とも持っております。では、なぜ私たちが食品と言ったのかというと、急性毒性に関しては判断できたのですが、慢性毒性、それを20年、30年食べ続けたらどういう健康被害が起こるかということは検証できなかったのです。だから、お砂糖もお酒も、ある種の発がん性物質も、食品の中に許容しています。例えば山菜類なんて、すごく高い発がん性を持っていますが、山菜類はがんになるから食べるなとは一般的には言わないだろうと思います。
 食品は薬物と違って、ある種の複合体であるという宿命を背負っていて、ある成分の有効性を言ったとしても、逆に健康に悪いものを一緒に含んでしまう宿命を背負っています。これは食品であるからしょうがないので、それが薬物との違いだろうと思います。
 特保の認定をされるときに、ある有効成分を特保で評価していって、そのほかのリスクになる成分を、その過程の中で人工的に添加するとか、強化するということは認めてはならないと思いますが、そういう作業がなくて、自然に既に存在する食品に対して、ほかのものは何もいじらないで有効成分を添加していったのだったら、それは認めてもいいのではないかというふうに私は判断しております。

○□□委員 ありがとうございました。
 □□委員、どうぞ。

○□□委員 たびたびで申し訳ございません。今、□□委員がおっしゃったのは、ある種というか、専門家であられるからのお言葉だと理解しております。一般消費者は、それを同じように理解しているのか。そういう前提の下に特保を評価しているかどうかというのは、そうではないのではないかということを強く思うんですね。要するにテレビの中の宣伝では、厚生労働省あるいは消費者庁が、国が効能効果を保証した製品として売られているわけです。だから、私たちがここで審査している中身のそこのエクスキューズも、いいものもある、悪いものもある、いい成分を添加していたらそれを認めるべきだというふうに理解されていないものを、そういう基準で認可していくのは、かなり危険なような気がするのですが、いかがでしょうか。

○□□委員 だから、私たちは表示をすごく議論しているのだろうと思います。例えばニンジン、ダイコンには、それが体に入ってどうだこうだという表示は一切なくて、私たちはダイコン、ニンジンを食べています。でも、この食品はこういう条件の下でお使いくださいという表示をしているわけで、それを私たちは議論しているわけですね。その表示も、役に立たない、普通に食べてしまうという前提に立ったら、この制度そのものがおかしくなっていくので、私たちは、その表示を見て有効に使ってくださいという教育をしているわけです。もしそれが問題があるのだったら、それは製品そのものが問題ではなく、教育が足りないというところが問題だろうと私は思っています。

○□□委員 先生のおっしゃるとおり、教育が足りないのだと思います。でも、絶対的に教育が足りないという事実がありながら、何かの方法で教育をしているという事実が、消費者庁なり我々の委員としての責任であるならいいのですが、それはないわけですね。ですから、やはりそこも含めて、本当に認可していいのか、国が認可したものとして、ああいう形で宣伝されて流通していいものかどうかというのは、コーラについてはちょっと考えていただければなというふうには思います。
 先生のおっしゃるとおりだと思います。何でもかんでも許可しているのではないことは、私たちの中では当然の共通理解だと思いますが、それがまだ十分に理解されていない以上、ちょっと御配慮いただければなというのと、それから、ニンジンとかいうのとは別なものだと思うのです。ニンジンやダイコンは、コーラのあれにはなじまないような気がします。

○□□委員 □□委員がおっしゃるのは私も同感ですが、この表示が、教育に使われないで宣伝に使われているというところに、この保健食品のある種の悲劇があるだろうと私は思うのです。だから、これは教育にもっと使うのだということを、国の方もちゃんと教育しないといけないだろうと思います。

○□□委員 消費者教育問題にまで話が及んでしまいましたが。

○□□委員 済みません。先生、話が及んだというよりは、これは一環だと思っていただければなと思います。

○□□委員 消費者教育も切っては切り離せない問題ではありますが、当面、この「キリン メッツ コーラ」をどうするかということに議論を集中したいと思います。
 □□委員、どうぞ。

○□□委員 本論の方ですが、目的が期待できる表示の内容の一番最後のところ、「食生活の改善に役立ちます」というのは、食事の際に脂肪の吸収を抑えることが、体の改善ならわかるけれども、食生活の改善につながっているのかどうか。砂糖の入ったコーラから砂糖の入っていないコーラに食生活の改善、というならわかります。そういう解釈でよろしいでしょうか。私は、これだけの文章だと、食生活の改善には役立たないのではないかという気がします。

○□□委員 そういう御意見がございましたが、消費者委員会から出ているのは私と□□委員なんですね。消費者委員会としての御意見はございますか。

○□□委員 委員会そのものに聞いた方がいいと思います。コーラというイメージはありますけれども、「キリン メッツ コーラ」は、「糖類ゼロ」「きれのあるすっきりした味わいです」と、糖類ゼロは一応はうたっていますね。

○□□委員 同じコーラを飲むのだったら「キリン メッツ コーラ」を選んでください、といったイメージなんですね。

○□□委員 そういう解釈ならば、食生活の改善ということでいいと思いますが。

○□□委員 言いたいことはそうだと思います。同じコーラが並んでいるのだったらば、「キリン メッツ コーラ」を選んでくださいと。

○□□委員 そういうことなんでしょうね。

○□□委員 私が思うのは、これはやはり人がつくったものであって、自然界にはない食品からつくられたものであって、本当に何が入っているのかよくわかっていない。これを長期に飲んだらどうなるかということも、コカ・コーラとこれは多分違うでしょうけれども、一部秘密の成分があったりするのが、特保としてはちょっと違和感があるのではないかという気がします。

○□□委員 ただ、これはコカ・コーラと違って、ちゃんと原材料の配合割合と。

○□□委員 原材料の配合というのは。

○□□委員 このほかにプラスアルファがあるんですか。

○□□委員 例えば香料と書いてあって、香料は一体何を使っているかはわからないわけです。香料は一括表示ですので。甘味料、アスパルテームとか、そういうのははっきりわかるのですが。

○□□委員 要するに調査会の議論というのは、先ほども言いましたけれども、有効性と安全性の問題を議論してきて、これを大量に摂った場合にどうかと。先ほど□□委員がおっしゃったように、長期的な問題がどうなっているかということまで議論すると、これはすごく難しいのですけれども、短期的な議論で言う限りにおいては、毒性とかそういったものが認められないということで、ちょっと形式的で申し訳ないですが、基準は満たしている。もう一つは、コーラという形態を別に否定はしていなかったということがあって、そういったことから一応調査としては通るということなんですね。
 今、お話を伺っていて私も思うのは、コーラというものに対するイメージはもちろんあるわけですけれども、本来コーラを大分飲まれる方がこれに切りかえることによって、かなり改善することを期待されるということであれば、それはそれで、食生活の改善という意味ではいいのかなと思います。
 先ほどおっしゃったような教育の問題というのは、これはまたありますけれども、下の方に書いてある食生活は云々という文章、この字画をもっと大きくしろということはずっと前から申し上げているわけです。それをした上でこういったものを考えるというのが本来の姿なので、やはり特保というものに対する教育を一回、きちっと国としてもやった方がよろしいのではないかという気がします。

○□□委員 特保制度をどうこうしようというのは後ほど消費者庁から御報告がございますが、特保の過渡期なんですね。
 どうぞ、□□委員。

○□□委員 人が調合しただけの食品が、特保ということでちょっと気になる。これは事実なのですが、ガムでは特保が結構出ています。ガムも、一部天然物がありますが、あれもほとんど、天然系の既存添加物を含めた添加物だけではなかったかと思います。そういうものも現に出ています。天然物がいいか合成品がいいかというのは、それは全くここの範疇外ですので、一言お断りしておきます。

○消費者庁食品表示課 済みません。申請資料の中身ですけれども、コーラフレーバーとして詳細が示されておりまして、申請資料、タグの8の後ろの1の(1)で、ページは打っていないのですが、原料規格書として示しております。

○□□委員 何ページですか。

○消費者庁食品表示課 タグ8の中に、更に緑の仕切りの紙が入っておりまして、そちらの3枚目になります。

○□□委員 リン酸と書いてありますね。一応リン酸は入っているので、既存のコーラとそれに関しては同じことですね。

○□□委員 成分的にはある程度は納得できましても、肝心なのはコーラというイメージですね。コーラというイメージを特保として国が推奨、と言っていいかどうかわかりませんけれども、認めてしまうというと、何か国としてコーラ飲料というものをお勧めしているというイメージを受けかねない、そういう疑念が消費者側にはあるといったことでございます。いかがしましょうか。もうそろそろ議論は堂々めぐりな感じがしますが。一度、親委員会で議論しますか。

○□□委員 やった方がいいと思います。

○□□委員 私と□□委員、二人しかいませんので、消費者委員会で少し話題にさせていただいて、ほかの委員の先生の御意見を伺うということで、保留にさせていただきたいのですが、よろしゅうございますか。

(「はい」と声あり)

○□□委員 ありがとうございました。

○□□委員 質問をさせていただきたいのですが。

○□□委員 どうぞ。

○□□委員 この目的は、中性脂肪を下げるということですね。

○□□委員 吸収を抑える。

○□□委員 血中の脂肪の含量が低下するということですけれども、それ自体は栄養学的に意味があることなのでしょうか。トータルの脂肪の吸収をもし同じだとしたときの場合ですが。

○□□委員 それは、いろいろな実験がございます。食後の、中性脂肪が含まれるようなリポ蛋白等が動脈硬化性疾患を引き起こすという科学的な根拠はもちろんあるわけで、それを抑えることがいいということは、一応言われています。ただ、先ほど言いましたように、その検証というのはまだ十分されていないということです。

○□□委員 ありがとうございました。血糖値の場合には、糖そのものが悪さをするので、血中レベルを下げるというのは非常に意味がある。例えばアンニトール分解酵素みたいなもので、トータルなカロリー摂取量は変わらなくても、血中濃度が低下するということは意味があるということで、これはどうなのかなと思ったので質問したのですが。

○□□委員 これも、そういうちょっと異常なリポ蛋白が出るのを抑えるということになっていますので、いいだろうということは実験的には認められています。

○□□委員 ありがとうございます。

○□□委員 一言、よろしいですか。

○□□委員 どうぞ。

○□□委員 調査会では、こちらのコーラよりはこちらのコーラの方がいいという形で検証していきますけれども、実際にこれが世に出ると、このコーラはいいかもしれないからと、今までコーラを飲んでいない人が飲み始めることもあり得るのではないかと思うので、そこを含めて検討しておく必要があるのではないかと思います。

○□□委員 ありがとうございます。

 

○□□委員 それでは、次の議題に移らせていただきます。
 続いて、既許可類似品でございます。お手元の資料2「既許可類似品」ということで、「アラビスイート」と「カテキン緑茶W」の2品目でございます。
 まず最初に、「アラビスイート」、これは味の素株式会社からの申請品でございます。食品表示課より御説明をお願いいたします。

○消費者庁食品表示課 御説明申し上げます。
 商品名は「アラビスイート」、申請者は味の素株式会社。
 保健の用途といたしましては、「本品は砂糖の消化・吸収をおだやかにする働きを持つL-アラビノースを含みます。消化・吸収がおだやかな砂糖ですので、血糖値が気になる方が通常ご使用になる砂糖の代わりにお使いいただくことをおすすめします」というものです。
 関与成分といたしましては、L-アラビノース。1日当たりの摂取目安量といたしましては、「コーヒー・紅茶等1杯あたりスティック1本、上限として1日あたり2~3本を目安にお使いください」となっております。形態といたしましては、卓上甘味料となっております。既許可食品といたしましては、許可番号1084「アラビノシュガー」がございます。
 説明は以上でございます。よろしくお願いします。

○□□委員 ありがとうございました。
 資料2の1ページ目の裏側に既許可品との対比表がございます。既許可品は日清オイリオグループの製品で、申請品は味の素株式会社です。
 関与成分はL-アラビノース3gと、同じです。
 表示の中身がちょっと違っていまして、既許可品は「血糖値が気になる方」という話ですけれども、それプラス、「アラビスイート」は「消化・吸収がおだやかな砂糖」というふうに表示が強調されています。よろしく御審議のほどお願いいたします。

○□□委員 先ほど申し上げた点ですけれども、6ページの原寸のところで、下の「食生活は」云々という例の文章ですが、これは最近の規格に合っているのですか。すごく見づらいと思います。

○消費者庁食品表示課 こちらは申請者に確認をとっておりまして、規定の8ポイントは満たしていると確認しております。

○□□委員 ちょっと見えないですね。

○□□委員 ぜひ改正していただきたいですね。8ポイントでいいというふうに言われて8ポイントというのは、私は非常に抵抗があります。

○□□委員 これは、私もぜひ改正指導をしてほしいですね。
 ほかにございますか。

○□□委員 アラビノースが3%入ったいわゆるスクロースというものは、これを飲んだ場合の血糖値は上がらないというので、私はいい製品だと思います。ただ、表現が、許可表示の2行目、「アラビノースを含みます」、その次、「消化・吸収がおだやかな砂糖です」と言い切るのは、これは違うだろうなと思います。ですから、ここのところをもう少し申請者に考えていただく。3%入ったものを砂糖と言うかどうかというのは、規則的にそれが許されるかどうか知らないのですが。
 そしてフロントページ、「アラビスイート」はいいですが、ここで大きく「消化・吸収がおだやかな砂糖」と言っていますので、これはその本体をあらわしていないと思います。砂糖の消化・吸収がおだやかですとか、主語と述語が違うような形で表現し直した方が本体をあらわしていると思います。製品的には、アカルボースのような、ある意味薬に使われているようなものと同等か、本当にいい製品だと個人的には思っています。

○□□委員 砂糖といったら、化学的に言えば、グルコースとフルクトースの結合体で、商品分類で砂糖というのをどういうふうに分類しているかというのは、消費者庁がお詳しいけれども、確かに砂糖と言い切ってしまうのは、場合によっては景品表示法違反になるのではないかと思います。消費者庁はその辺の御見解はありますか。

○□□委員 昔は、こういう代替品はみんな甘味料と。

○□□委員 消化・吸収がおだやかな甘味料というのだったら、問題ないと思いますが、砂糖と言い切ってしまうのは。

○□□委員 ちょっと違う。

○□□委員 これは砂糖も入っているわけですね。だから、甘味料と言ってしまうと、うそになってしまうんです。

○□□委員 アラビノースは3%ですね。

○消費者庁食品表示課 品名が砂糖加工品となっていて、それ以外のところに砂糖と書くことに関してはJAS法での規定になりますので、今、急いで確認に行きます。

○□□委員 品名を砂糖加工品としていれば、砂糖と言ってもいいのか。まあ、法律的なことを云々する前に、やはり□□委員が言ったように、砂糖と言い切るのはいかがなものかと思いますが、ほかの委員の先生、御意見はおありでしょうか。

○□□委員 ここの部分は、「消化・吸収がおだやかな甘味料を含む砂糖」とか、そういう言い方の方がいいのではないかと思います。法的な分類云々より、許可表示の意味がわからない。本品は砂糖の消化・吸収をおだやかにすると書いておいて、また、何とかの砂糖ですのでというのは、日本語としておかしい気がします。

○□□委員 どうぞ、□□委員。

○□□委員 要するにこれは、既許可品に「消化・吸収がおだやかな砂糖です」というのを加えているわけです。ですから、これは要らないのではないかと思います。最初の文章の「本品は砂糖の消化・吸収をおだやかにする働きを持つL-アラビノースを含みます」、これですべての内容が述べられているので。

○□□委員 ここの表示に書いてあるんですね。「消化・吸収のおだやかな砂糖」というのがバッと出ていますから、これをどうするのか。

○□□委員 我々が読むと、アラビノースが「消化・吸収がおだやか」みたいな読み方をしてしまいますけれども、アラビノースは吸収されませんので。我々は研究者として見てしまうから、そう見てしまうのかもしれないですけれども、やはりちょっと誤解を生みやすいので、あえてこの辺の追加表現は消してしまってもいいのではないかと思います。

○□□委員 ちょっとよろしいでしょうか。アラビノースを加えるからといって糖分の吸収がゼロになることはあり得なくて、それは少なくなるだけだと思います。このものについては、砂糖が入っているということが重要で、それを完全に無視した表現になると、気がつかないで、本当は砂糖をとってはいけない人、控えなくてはいけない人が、とり過ぎてしまう可能性があると思うのです。ですから、砂糖が入っているということは明確に述べておかないといけないのではないかなと思っています。

○□□委員 ほかに御意見は。どうぞ、□□委員。

○□□委員 「砂糖の代わりにお使いいただくことをおすすめします」という表現は問題ないのでしょうか。□□委員がおっしゃったように、本当に砂糖に代わるものではなくて、砂糖と同じ成分というか、砂糖をとってはいけない人が代わりに使っていいという、誤解のもとにならないでしょうか。

○□□委員 既許可品も、「通常ご使用になる砂糖に替えてお使いいただくことをおすすめします」と。新製品は「砂糖の代わりにお使いいただくこと」と。片一方は「替えて」、片一方は「代わりに」、用語として同じですか、違いますか。

○□□委員 そこが、気がついたときに直すとか、表示を統一するとか、表示について考え直すという部分だと思うのですが。

○□□委員 御議論をいただきましたけれども、根本的に許可表示の表現が、日本語的にも少しあやふやだという御意見もございました。それから、砂糖の代わりにお使いいただくことを推奨するような表現がよろしくない、という御意見もいただきました。
 そういうことで、許可表示の表現を、もう一度申請企業に考え直すようにしていただきたいということで、この部会では了承しないということでよろしゅうございますか。

(「はい」と声あり)

○□□委員 それでは、申請企業に差し戻すことにさせていただきたいと思います。

○消費者庁食品表示課 済みません、先ほどの法令の件です。今、確認いたしましたところ、JAS法上は、品名に砂糖加工品と書いてあれば、ここが合っていれば、その他の表示に砂糖と書いてあって直ちに違反にはならないが、誤認させるような可能性があるかどうかということで、その表示全体で見ていく可能性はあるということでございます。
 御議論いただいているのと同じことです。一応確認させていただきました。

○□□委員 はい。許可しないというふうに判断しましたので、参考意見としてお伺いしておきます。

 

○□□委員 続いて、「カテキン緑茶W」につきまして、伊藤園の申請品でございます。御説明を表示課からお願いいたします。

○消費者庁食品表示課 御説明申し上げます。
 商品名は「カテキン緑茶W」、申請者は株式会社伊藤園。
 保健の用途といたしましては、「本品は茶カテキンを含みますので、体脂肪が気になる体に適しています。また、本品はコレステロールの吸収を抑制する茶カテキンの働きにより、血清コレステロール、特にLDL(悪玉)コレステロールを低下させるのが特長です。コレステロールが高めの方の食生活の改善に役立ちます」というものでございます。
 関与成分といたしましては、茶カテキン。1日当たりの摂取目安量といたしましては、内容量350mlの製品につきましては、1日2本。1.05L・1.5L製品については1日700mlとなっております。食品形態といたしましては、清涼飲料水となっております。
 既許可品といたしましては、許可番号1080「引き締った味 カテキン緑茶」、許可番号1206「カテキン緑茶プラス」がございます。
 説明は以上でございます。よろしくお願いします。

○□□委員 資料2の9ページに既許可品目との対比表がございます。本品の許可を受けようとする表示の内容が、既許可品目を足したような形になっています。ということで、よろしく御審議のほどお願いいたします。
関与成分はカテキンですので、問題はないと。
よろしゅうございますか。

(「はい」と声あり)

○□□委員 それでは、「カテキン緑茶W」につきましては、本部会で了承したものとして取り扱わせていただきます。

≪2.「健康食品の表示に関する検討会」論点整理について(報告)≫

○□□委員 それでは、議題2.に入ります。消費者庁から、長らくやっておりました「健康食品の表示に関する検討会」の御報告をいただきたいと思います。
 「健康食品の表示に関する検討会」については、消費者基本計画におきましても、「特定保健用食品等、健康増進法に基づく特別用途食品の表示制度の在り方、健康食品の表示の適正化を図るための表示基準及び執行の在り方等について、論点整理を行い、消費者委員会へ報告し、その意見を踏まえ、所要の措置を講ずる」となっております。平成22年夏をめどに、論点整理を消費者委員会に報告することになっております。
 この論点整理につきましては、8月27日に消費者委員会へ御報告をいただいたところでございますが、改めて、当部会におきましても報告をいただくことといたします。
 それでは、消費者庁食品表示課より御説明をお願いいたします。

○消費者庁相本食品表示課長 
 資料1に基づき、「健康食品の表示に関する検討会」の論点整理について、御報告申し上げます。
 本検討会の経緯については、昨年の9月にいわゆるエコナの問題が発生し、特定保健用食品の制度の在り方について、消費者の方々から非常に関心を集めたということがございました。エコナの問題に関しましては、昨年の9月に消費者庁内に「食品SOS対応プロジェクト」を発足させ、当時の福島消費者担当大臣の御指示の下に検討を行ったところです。このプロジェクトの報告が10月に出され、特定保健用食品の表示制度の在り方について消費者委員会での御検討をいただきたい、という内容の報告が出されたところです。
 これに関し、消費者庁において、消費者委員会における御検討の前段として、健康食品の表示に関する検討の論点整理を行い、その上で消費者委員会としての御検討をいただくということで、昨年11月に消費者庁の中に「健康食品の表示に関する検討会」を設置し、本年7月まで延べ11回にわたる検討会を実施したところです。
 本検討会に関しては、お手元の論点整理の本文の最後のページの裏側、ここに掲げているような各方面の委員の御参画をいただき、特に座長については、本部会の委員も務めておられます田中平三先生に座長をお願いし、検討を行ったところです。各11回の検討の議題に関しては、最後のページのスケジュールに書いてあるとおりです。
 この検討会で延べ11回にわたる検討を行い、本年8月に、お手元の論点整理を消費者委員会に御報告したところです。論点整理の内容につきましては、お手元の資料1に即して御説明します。
 この検討会ですけれども、消費者庁において、健康食品の表示の現状の把握、課題の整理、特定保健用食品等健康増進法に基づく特別用途食品の表示制度の在り方、更に、特別用途食品以外のさまざまな健康食品の表示の適正化を図るための表示基準や執行の在り方などを、検討項目として議論したところです。
 当初、消費者庁におけるこの検討会に関しては、論点整理を行い、更に消費者委員会における御議論の材料にしていただきたいということで発足しましたけれども、11回にわたる検討の過程において、特に運用の改善等で消費者庁において早急に対応すべき内容に関しては、論点整理の中で消費者庁として検討を進めるとともに、制度設計にかかわる根本的な問題に関しては、消費者委員会において更に御議論いただきたいという、2つの内容の整理となっているところです。
 概要ペーパーは、消費者庁において早急に対応すべき方策については、左側の青い色で色づけしている部分、消費者委員会において更に御議論いただきたい項目については、右側の黄色い色で色づけしている部分に、それぞれ概要を記載しているところです。
 まず、青い部分の、「消費者庁において早急に対応すべき方策」ですけれども、2つ、大きな論点を整理しております。1点目が、特定保健用食品の表示許可制度について、2点目が、それ以外のいわゆる健康食品の表示・広告規制についての方策ということになっております。
 まず、1点目の特保の表示許可制度に関しては、これまで、多くの特定保健用食品の表示許可がなされてきたところですけれども、必ずしも審査に必要なデータ等の提出に関して、その試験デザインが統一化されていなかった、枠組みが十分提示されていなかったということで、個別の申請者ごとにいろいろな形での試験結果が提出されたといったようなことがあります。事業者の負担、審査する側の負担をできるだけ軽減できるようにということから、試験デザインについて枠組みを整理し、それを提示していきたいという内容です。
 2点目として、特定保健用食品の表示許可に関しては、消費者委員会における審議、食品安全委員会における審議等、いろいろな段階がありますけれども、これら各審議の過程において公表される情報の範囲は、必ずしも一致していない部分もあろうかと考えております。そのようなものに関して、審査の過程において開示される情報の範囲や審査の基準を整理していきたいという課題を挙げております。
 3点目として、いわゆる規格基準型に関しては、これまで100件程度の許可がなされ、関与成分に関する知見が十分蓄積されたものについて規格基準型を定めていくということで、これまで対応を行ってきたところです。特保の表示許可にあたって、その審査に関して簡便に対応できそうなものに関しましては、今後、積極的に規格基準を策定していくことを検討していきたいということです。
 2点目ですけれども、昨年のエコナの問題等も考慮に入れ、特定保健用食品の表示の許可がなされた後に、関与成分の有効性、安全性に関して科学的知見が得られるといったことが想定されますけれども、従来、このような科学的知見について、表示許可がなされた後にシステムとして情報収集を行うという仕組みが、必ずしもうまく機能していなかったという反省がありました。
 今後、許可を受けた事業者に対しては、科学的知見、例えば論文等の発表があった場合に、それを定期的に消費者庁に報告してもらう。その結果を踏まえて、例えば一回許可なされた表示内容について、新たな科学知見を踏まえて見直すことが必要であるということになれば、その表示内容の変更を求めることができるルールを導入していってはどうかということです。
 3点目です。保健の機能を適切に伝える表示・広告の方法に関して、特定保健用食品の表示に関しては、表示の内容自体についても許可表示という形で許可の対象とする。消費者委員会においても、本日も議論がありましたけれども、御審議をいただくということです。これに関し、消費者にとってわかりにくい表現になっているのではないかといった御指摘もあるところです。これに関しては、薬事法上の表示の制約もありますので、そういったことも十分に調整しながら、摂取対象者あるいは期間などに関しまして、表示方法が改善できないかということを検討してまいりたいと考えております。
 もう1点です。特定保健用食品に関し、パッケージの表示以外に、テレビコマーシャル、新聞広告等で特定保健用食品の広告・宣伝がなされることがありますけれども、これまでの私どもの経験から申し上げましても、パッケージに書かれている許可表示と宣伝・広告に書かれている表現が必ずしも一致しない。場合によっては、許可表示の内容を超える効能効果をうたっているかのように受け取られかねない文言も使用されている例が散見されます。これらについて、その広告の表示の変更を求めるなど、特定保健用食品の広告に関してもガイドラインを作成して、それに従った広告を行ってもらえるようにしていきたいということです。
 特定保健用食品以外のいわゆる健康食品に関しても、健康増進法に基づいて、虚偽・誇大な表示・広告について規制がなされているところですが、このような問題につきまして、例えば違反となり得る具体例を明らかにするなどのガイドラインを作成していく。
 インターネットの健康食品の販売広告に関しては、これまで、インターネットの監視・指導を行ってきておりますけれども、更に、監視を行う回数、あるいは指導を強化する取組みを進めていきたいと考えております。
 健康食品の表示に関しては、健康増進法のみならず、消費者庁が所管している景品表示法においても、違法となる広告表示というのがあり得ますので、両制度間の連携も強化する。事業者名の公表を含めた、厳正な対処を進めていきたいということです。
 2点目として、消費者庁以外の関係部局・団体とも連携を促進する。1点目に関しましては、薬事法を所管する厚生労働省と連携を進める。あるいは、地方レベルでも地方厚生局、都道府県保健所等の担当部局との連携も促進して、問題となり得るような健康食品の広告表示に対して規制を行うということ。
 それから、事業者団体、あるいは新聞・テレビCM等のメディアの広告に関して、自主的に審査する団体がありますけれども、このような団体が健康食品の広告の審査を行うにあたって、参考となり得るモデル的な情報を消費者庁としてつくっていってはどうかということです。
 3点目ですが、このような健康食品の表示・広告規制を的確に推進することを前提として、現在、特定保健用食品の表示許可制度というのがありますけれども、これ以外に一定の機能性が認められる食品の成分に関して、保健の機能の表示を認めることができないかということを、来年度以降、研究していきたい。具体的には、平成23年度予算において、このような研究のための調査事業費を要求しているところです。これが平成23年度予算で認められれば、来年度においてこのような研究も進めていきたいと考えております。
 以上、消費者庁において早急に対応すべき方策として論点整理に記載した内容です。もう1点、消費者委員会において更に御議論いただきたい内容として、まず1点目が、特定保健用食品の表示許可制度に関する制度的な課題です。
 特定保健用食品の表示許可に関しては、その後、新たな科学的知見が得られた場合には再審査を行うことができる。この再審査の結果、その表示許可が適当でないということが判断されれば、その表示許可を取り消すことができることになっております。しかしながら、どのような科学的知見が得られれば、再審査手続を開始することになるのかということに関しましては、根拠となる法律あるいは省令上、必ずしも明確になっていないということがあります。したがって、今後、新たな科学的知見が得られた場合に、再審査手続を開始するのか否かといったことを、客観的に判断できないかということの判断基準を明確化することについて、御検討をいただきたいと考えております。
 2点目です。例えばこのような再審査手続が開始された場合に、再審査手続が行われている状況の下で、一度なされた表示の許可を一時的に停止する仕組みができないか。現行法上、一時停止の仕組みはありませんので、このような一時停止の仕組みも考えられないかという新たな制度設計の在り方について、御検討をいただきたいという整理をしております。
 特定保健用食品以外の健康食品に関しても、更に関係する法令、食品衛生法、景品表示法との連携による執行力を強化するために、どのような取組みが必要になるか。あるいは、消費者基本計画の中で消費者庁として検討を進めることになっておりますけれども、食品表示に関する一元的な法体系の在り方について検討を進める。これとの整合性もとりながら、食品の機能性表示をめぐる制度についても、見直しを進めていってはどうかということです。
 3点目ですけれども、健康食品に関して消費者から相談を受ける体制がございますが、これが十分に機能しているかどうかといった問題提起がなされているところです。消費者からの相談を受け付ける体制について整備を進めていくには、どうしたらよいか。あるいは、消費者に健康食品に関してアドバイスできる専門家の養成、消費者からの情報を集約・提供する体制を、今後、どのように整備していったらよいかといった仕組みについて、御検討をいただきたいという整理をしております。

○□□委員 ありがとうございました。
 ただいまの御報告につきまして、御意見、御質問はございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 ないようでございますので、消費者庁、御説明をどうもありがとうございました。

 

○□□委員 それでは、先ほどの審議結果を報告書と答申書にまとめなければいけません。資料3と資料4を御確認ください。
 資料3が、消費者委員会委員長の松本恒雄宛ての私からの報告書になります。かなり変更がございます。読み上げますので、御確認のほどお願いいたします。
 「新開発食品調査部会報告書・平成22年2月5日付け消食表第28号をもって諮問された『からだすこやか茶W』、平成22年5月11日付け消食表第137号をもって諮問された『ヘルシアコーヒー 微糖マイルド』『ヘルシアコーヒー 微糖ミルク』、及び平成22年度10月15日付け消食表第347号をもって諮問された『カテキン緑茶W』について審議し、別記のとおり議決したので報告します」ということで、議決文がございます。
 裏でございますが、「審議経過・平成22年2月5日付け消食表第28号をもって諮問された『からだすこやか茶W』、平成22年5月11日付け消食表第137号をもって諮問された『ヘルシアコーヒー 微糖マイルド』『ヘルシアコーヒー 微糖ミルク』、及び平成22年10月15日付け消食表第347号をもって諮問された『カテキン緑茶W』の安全性及び効果について、別添のとおり新開発食品評価第一調査会において審議を行い、その結果を踏まえ、更に平成22年12月22日に開催された新開発食品調査部会において審議を行い、『2.審議結果』のとおり議決した」。
 審議結果でございますが、「『からだすこやか茶W』『ヘルシアコーヒー 微糖マイルド』『ヘルシアコーヒー 微糖ミルク』」、ここまでは生きですが、その後、「ヘルシアコーヒー 無糖ブラック」「キリン メッツ コーラ」「アラビスイート」、この3つを削除していただきたいと思います。「『カテキン緑茶W』については、特定保健用食品として認めることとして差し支えないこととされた」ということでございます。
 御確認、よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○□□委員 ありがとうございます。
 それを受けまして、答申書が資料4でございます。答申書につきましては、事務局から御説明のほどお願いいたします。

○事務局 資料4の答申書案について、確認をさせていただきたいと思います。
 「答申書、平成22年2月5日付け消食表第28号、平成22年5月11日付け消食表第137号、及び平成22年10月15日付け消食表第347号をもって諮問された品目のうち別添記載の7品目」とございますが、こちらが「4品目」になります。「4品目の安全性及び効果の審査について、下記のとおり答申します」。
 「記」としまして、「平成22年2月5日付け消食表第28号をもって諮問された『からだすこやか茶W』、平成22年5月11日付け消食表第137号をもって諮問された『ヘルシアコーヒー 微糖マイルド』『ヘルシアコーヒー 微糖ミルク』、及び平成22年10月15日付け消食表第347号をもって諮問された『カテキン緑茶W』について、その安全性及び効果につき審査を行った結果、特定保健用食品として認めることとして差し支えない」という内容で、いかがでしょうか。

○□□委員 答申書につきまして、御確認のほどお願いいたします。
 ありがとうございました。

≪4.特定保健用食品の表示許可品目に係る報告(規格基準型・再許可)≫

○□□委員 それでは、議題4.でございます、報告品目でございます。資料5になります。
 食品表示課より御説明をお願いいたします。

○消費者庁食品表示課 では、説明申し上げます。
 前回の部会以降、8月23日、9月30日及び11月25日に許可しました品目のうち、規格基準型及び再許可等の品目について、報告いたします。
 まず、1番目。申請者はオルビス株式会社。製品名は「おなかいきいきオリゴ」。キシロオリゴ糖を関与成分とした規格基準型でございます。形態といたしましては、錠菓でございます。
 続きまして、2番目。申請者はビーンスターク・スノー株式会社。製品名は「ミルクからのカルシウム」。許可番号□・□□会社「□□□」の再許可品でございます。相違点といたしましては、製品名。形態といたしましては、粉末乳飲料でございます。
 続きまして、3番目。申請者は株式会社東洋新薬。製品名は「天使のファイバー」。難消化性デキストリンを関与成分とした規格基準型でございます。保健の用途といたしましては、おなかの調子でございます。形態といたしましては、粉末清涼飲料でございます。
 続きまして、4番目。申請者は東洋新薬。製品名は「明日のあなたにあしたば生活」。許可番号652「あしたば青汁コレステリン」の再許可品でございます。相違点といたしましては、製品名でございます。形態といたしましては、粉末清涼飲料でございます。
 続きまして、5番目。申請者はキッコーマン食品株式会社。製品名は「京優茶 緑茶」。許可番号1152・キッコーマン株式会社「京優茶 緑茶」の再許可品でございます。こちらは、会社分割に伴い許可を引き継ぐための再申請でございまして、形態といたしましては、清涼飲料水でございます。
 続きまして、6番目。申請者は株式会社佐藤園。製品名は「ナチュラルケア 緑茶<GABA>」、許可番号1115「プレスケアティー280」の再許可品でございます。相違点といたしましては、製品名。形態といたしましては、清涼飲料水でございます。
 続きまして、7番目。申請者は株式会社大日堂。製品名は「デキストエース」。難消化性デキストリンを関与成分とした規格基準型でございます。保健の用途は血糖値でございます。形態といたしましては、粉末清涼飲料でございます。
 続きまして、8~11番目。申請者は株式会社マンナンライフ。製品名は「クラッシュタイプの蒟蒻畑ライトリンゴ味」「オレンジ味」「ライチ味」「マンゴー味」でございます。難消化性デキストリンを関与成分とした規格基準型でございます。保健の用途はおなかの調子。形態といたしましては、ゼリー飲料でございます。
 続きまして、12番目。申請者は株式会社ヤクルト本社。製品名は「ヤクルト蕃爽麗茶 香ばし風味」。許可番号262「ヤクルト蕃爽麗茶」の再許可品でございます。相違点といたしましては、製品名及びフレーバーの追加でございます。形態といたしましては、茶系飲料でございます。
 続きまして、13番目。申請者は森永製菓株式会社。製品名は「清祥茶房VVYP」。許可番号520「ティープラス」の再許可品でございます。相違点といたしましては、製品名。形態といたしましては、茶系飲料でございます。
 続きまして、14番目。申請者は株式会社東洋新薬。製品名は「桃色小町」。難消化性デキストリンを関与成分とした規格基準型でございます。保健の用途といたしましては、おなかの調子でございます。形態といたしましては、粉末清涼飲料でございます。
 続きまして、15番目。申請者はよつ葉乳業株式会社。製品名「よつ葉プレーンヨーグルト」。許可番号703「よつ葉北海道十勝プレーンヨーグルト生乳100」の再許可品でございます。相違点は製品名。形態といたしましては、発酵乳でございます。
 続きまして、16番目。申請者は株式会社ヤクルト本社。製品名は「ジョア 期間限定 ゆず風味」。許可番号199「ジョアライト」の再許可品でございます。相違点といたしましては、製品名及びフレーバーの追加でございます。形態といたしましては、発酵乳でございます。
 続きまして、17・18番目。申請者は株式会社ロッテ。製品名は「キシリトール・タブレット<グレープ>」「<ストロベリー>」となっております。許可番号855「キシリトール・タブレット<オレンジ>」の再許可品でございます。相違点といたしましては、製品名及びフレーバーの追加でございます。形態といたしましては、錠菓でございます。
 続きまして、19番目。申請者、株式会社えがお。製品名は「えがおのコレステール」、許可番号523・フィブロ製薬株式会社「イサゴール・グレープフルーツ味」の再許可品でございます。相違点といたしましては、製品名。形態といたしましては、粉末ゼリー飲料でございます。
 続きまして、20番目。申請者はダイドードリンコ株式会社。製品名は「スマートショットブラック」。難消化性デキストリンを関与成分とした規格基準型でございます。保健の用途は血糖値でございます。形態といたしましては、清涼飲料水でございます。
 最後になりますが、21番目。申請者はピジョン株式会社。製品名は「お願いオリゴ」。許可番号□・□□会社「□□□」の再許可品でございます。相違点といたしましては、製品名。形態といたしましては、清涼飲料水でございます。
 報告品目は、以上、21品目でございます。
 以上です。

○□□委員 ありがとうございました。
 以上、規格基準型及び再許可品目の御報告でありました。何か御意見等、ございますでしょうか。

≪5.閉会≫

○□□委員 それでは、議事は以上でございます。次回の予定等を、事務局から御連絡のほどよろしくお願いいたします。

○原事務局長 長時間の審議、ありがとうございました。
 次回、第5回の新開発食品調査部会ですが、来年3月14日(月)の14時からを予定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 事務局からは以上です。

○□□委員 ありがとうございました。
 本日は、これにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)