地方分権改革シンポジウム~地方の提案で国の制度が変わる~

概要

 

1.開催概要

開催日 : 平成31年3月22日(金) 13時30分~16時30分

開催地 : 大手町サンケイプラザ(4階ホール)

 

2.開催状況

 当日は、多くの方々に御参加いただき、シンポジウムは盛会のうちに終了しました。基調講演、取組事例紹介、パネルディスカッションに関する概要については、配布資料等を御参照ください。

 

プログラム

1.主催者挨拶

片山 さつき  内閣府特命担当大臣(地方創生、規制改革、男女共同参画)、女性活躍担当、まち・ひと・しごと創生担当
大臣写真 これからの地方分権改革は、「個性を活かし自立した地域をつくる」という大きな目標のもとに、国、都道府県、市区町村、住民が、それぞれ主体的に関わることが求められていると考えています。このシンポジウムを契機として、地方分権への関心を高めて頂くとともに、ぜひ、住民のお立場からの声を上げて頂きたい。それらの声が地域課題を解決するための地方からの提案の新たな芽となり、改革の一層の推進によって、地域の未来が確かなものとなっていくことを、強く願う。

 

2.基調講演

神野 直彦  地方分権改革有識者会議 座長/日本社会事業大学 学長/東京大学 名誉教授
神野座長写真 提案募集方式を5年間やってきて、離陸期から定着期に入った。提案募集方式のサイクルを有効に機能させていくことで、岩のように非常に個性豊かだけれども、持続可能な自立した地域社会を形成していくということが重要。このようにしていわば危機の海に浮かぶ希望の島を創っていくことが私たちの今後の地域社会と地方分権改革の方向性である。

 

3.取組事例紹介

<鳥取県:病児保育の要件明確化による仕事と子育ての両立支援>
木本 美喜  鳥取県福祉保健部子育て王国推進局長
局長写真 提案の実現により、医療機関併設型の病児保育施設が開設するなど、働きながら子育てできる環境の充実、女性活躍の推進に寄与できた。
<萩市:住民に身近な薬局の存続に向け、へき地の薬局の管理薬剤師の兼務許可について提案>
藤道 健二  萩市長
萩市長写真 へき地における薬局の管理薬剤師の兼務許可要件が緩和されることを提案。この実現により、住民に身近な薬局の閉店が回避され、地域医療の確保がなされることを期待。

 

4.パネルディスカッション

テーマ:提案募集方式と住民の声を生かした地域の課題解決そして活性化

パネルディスカッション風景

 

<パネリスト>

浦崎 太郎  大正大学 地域構想研究所 教授
浦崎教授写真 高校等と地域の協働による人材回帰を研究しており、対話や実際の現場経験により、モチベーションと能力を持った若者が育ちつつある。地域と学校、さらに行政といった、立場を越えた対話を拡張していくことで、提案募集方式の活用の可能性が見えてきた。
桑原 悠  津南町長
津南町長写真 大変なプレッシャーの中で仕事をしている小規模自治体の職員は、それぞれの職員が「もっとこうしたい」といった思いを持っており、提案募集方式などを活用し、その思いを実現することでモチベーションの維持につなげていきたい。仕事の量も質も整理しながら、時代に合わせた政策を打ち出していきたい。
佐藤 克也  西予市消防本部 消防長
消防庁写真 提案により、救急隊編成基準の緩和による地域の救急業務の二四時間体制の確保を実現し、住民の安心、安全に貢献できた。できない理由を考えるのではなく、できる方法を生み出す改革の姿勢こそが、その組織を活性化させる。提案募集方式はそのための手助けとなる。
勢一 智子  西南学院大学 法学部教授
勢一教授写真 地域を幸せにする知恵はどこにあるのか、地方から制度改革として発信していくことで、これができるようになったのが提案募集方式の大きな成果。近い将来、我々は若者たちに何を残すことができるのか。若者の意見を聞き、その声、希望を実現するために、やるべきことを本気で考える。制度に支障があれば変えればいい、その時「とりあえず分権室」の人たちに相談をするということが、今、できる体制になっている。
玉沖 仁美  株式会社紡 代表取締役
玉沖代表取締役写真 現場での経験から問題解決をするためには「知っている」と「知らない」では大きく違う。提案募集方式はそのための武器として、いつも皆さんの傍にある。壁にぶつかっても、関係する人を増やし、役割分担を小さくしていくことで、うまく回っていくので、そのコーディネートをしていくことも一つのキーワード。

 

<コーディネーター>

丸山 実子 時事通信社 内政部長
丸山内政部長写真 人口減少や少子高齢化で地域社会が多様化する中、住民の方達がいきいき暮らしていくためには、地域の実情にあったボトムアップ型の制度改善がますます求められてくる。そういう意味で本日の議論となった地方分権改革の提案募集方式は重要な役割を果たしていくだろう。

 

地方分権改革推進 MVP


地方分権改革に関する提案募集において、提案の掘り起こしや提案実現後の取組など、地域の実情を踏まえた独自の工夫に努め、他の地方公共団体等の模範となるような功労が認められた者を対象にMVPを授与し、広く周知することにより、提案募集方式の 一層の普及や改革の参加者の拡大に資することを目的として実施。
 ~ 今回のMVP対象者 ~ 萩市、鳥取県福祉保健部子育て王国推進局子育て応援課、西予市消防本部消防総務課

MVP

 

 

配布資料

  講演者・パネリスト 所属・役職 標題・資料
基調講演 神野 直彦     地方分権改革有識者会議 座長/日本社会事業大学 学長/東京大学 名誉教授 これからの地域社会と地方分権改革(PDF形式:154KB)PDFを別ウィンドウで開きます
取組事例紹介 木本 美喜     鳥取県福祉保健部 子育て王国推進局長 病児保育の要件明確化による仕事と子育ての両立支援(PDF形式:827KB)PDFを別ウィンドウで開きます
藤道 健二     萩市長 住民に身近な薬局の存続に向け、へき地の薬局の管理薬剤師の兼務許可について提案(PDF形式:741KB)PDFを別ウィンドウで開きます
パネルディスカッション 浦崎 太郎     大正大学 地域構想研究所 教授 地域の定住促進のための大学・高校等と行政との連携の取り組み(PDF形式:453KB)PDFを別ウィンドウで開きます
勢一 智子     西南学院大学 法学部教授 提案募集方式による地方分権改革の5年間の成果・提案募集方式の今後の課題(PDF形式:497KB)PDFを別ウィンドウで開きます