諮問・答申・報告書等
| 一 平成13年度税制改正を取り巻く状況 |
| |
1. |
最近の経済情勢
わが国経済は、平成9年秋以降の金融機関の相次ぐ破綻による金融システムへの信頼低下やアジアにおける通貨・経済危機などにより極めて厳しい状況に陥りましたが、その後の各般の政策効果もあって、昨年春頃を底に、緩やかながらも改善が続いています。
最近の経済情勢は、一昨年、昨年とは異なり、企業収益が大幅に改善するなど、企業部門を中心に景気の自律的回復に向けた動きが続き、明るい兆しが見えています。一方、家計部門の改善は遅れており、雇用情勢は依然として厳しく、個人消費も概ね横ばいの状態が続いています。
こうした経済情勢の下、公需から民需への円滑なバトンタッチに万全を尽くし、景気の自律的回復に向けた動きを本格的回復軌道に確実につなげるとともに、わが国経済の21世紀における新たな発展基盤を確立することが求められています。このため、本年10月には、「日本新生のための新発展政策」が取りまとめられ、11月22日にこの経済対策を具体化するための平成12年度補正予算が成立したところです。
|
|
2. |
財政の状況
わが国財政の現状を見ると、近年の景気回復に向けた諸施策に伴う歳出の増大や恒久的な減税の実施などもあって、公債依存度が依然として4割に近い水準(平成12年度補正後38.5%)にあり、国債残高は平成12年度末約365兆円に、国及び地方の長期債務残高は同約642兆円に、それぞれ達すると見込まれています。このように、わが国財政は危機的な状況が続いており、主要国との比較で見ても最悪です。国税収入(一般会計)の水準は50兆円程度(平成12年度補正後49.9兆円)であり、昭和63年度の水準(50.8兆円)をなお下回っています。
財政運営については、引き続き景気回復に軸足を置きながらも、先般の平成12年度補正予算編成においては財源面での工夫等により国債の追加発行は極力抑制されたところです。平成13年度予算編成についても、施策の大胆な見直しと効率化を進め、公債発行額をできる限り圧縮し、新世紀のスタートにふさわしい予算となるよう全力を尽くす必要があります。
既に累次の答申で指摘しているように、現在の歳出と歳入の大幅なギャップをいつまでも放置することができないことは明らかです。財政構造改革については、まず、財政の透明性の確保を図り、効率化と質的改善を進めながら、明るい兆しの見えてきたわが国の景気回復を一層確かなものとし、その上で、21世紀のわが国経済社会のあるべき姿を展望し、幅広い観点から必ずや取り組まなければならない課題です。また、行政改革についての一層の取組みが求められます。
地方財政については、平成12年度末における借入金残高が約184兆円に達する見込みであり、公債費負担比率が警戒ラインを超える団体が6割以上となるなど、極めて厳しい状況が続いています。地方公共団体の財政面における自己決定権と自己責任をより拡充することを基本とし、引き続き歳出削減などの行財政改革を積極的に推進することが求められます。また、地方における歳出規模と地方税収入との乖離をできるだけ縮小するとの観点に立って、課税自主権を尊重しつつ、地方税の充実確保を図るとともに、地方公共団体の安定的な財政基盤を確立するために、税源の偏在性が少なく、税収の安定性を備えた地方税体系を構築することが重要であると考えます。地方税財源の充実確保については、自主財源である地方税の充実を基本としつつ、国からの財源への依存度をできるだけ縮減し、地方公共団体がより自主的な財政運営を行えるようにすることが必要です。 |
「次へ」
「目次へ戻る」 |
| |
|