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諮問・答申・報告書等

平成12年7月

わが国税制の現状と課題
-21世紀に向けた国民の参加と選択-


はじめに

 21世紀における日本を展望するとき、経済社会の構造変化に税制がどのように対応していくのか、財政のあり方との関連において租税の果たすべき機能をどのように考えるのか、といったことを改めて検討し、税制全体を21世紀にふさわしいものに改革していくことが求められています。このような検討に当たっては、国民一人一人の参加と選択が従来にも増して重要になっています。
 当調査会は、税制論議への国民の参加と選択のために必要となる判断材料を幅広く提供するという考え方の下、税制と経済社会の関わり、税制についての検討の視点、各税の現状と課題などについて検討を行い、ここに答申をとりまとめました。答申においては、なるべく多くの方々に税制に関する諸論点を理解していただけるよう、基礎的な事項を含めて、幅広く盛り込むこととしました。
 この答申により、税制の現状と課題についての国民の理解が深まり、国民参加の下に、21世紀を展望した今後の税制改革論議が行われることを期待してやみません。

当調査会では従来から広く国民の皆様の御意見をお伺いしております。
(御意見の提出先)
郵送の場合
電子メールの場合
  〒100-8694 東京中央郵便局私書箱1666号
  i.zeicho_goiken@cao.go.jp

序説-税制のあり方の選択に当たって-

.シャウプ勧告から50年が経過し、20世紀の最終年を迎え、わが国はあらゆる面で節目を迎えています。21世紀を展望すれば、少子・高齢化の進展はまもなく人口の減少という新たな局面に入ります。また、情報化を伴う国際化の進展とともに企業活動が多様化し、金融取引の多様化、経済のストック化、ライフスタイルの多様化など様々な構造変化が見込まれます。こうした構造変化の中で、バブル崩壊後、わが国経済は低迷を続け、同時に膨大な財政赤字の累積が進行しつつあります。1980年代後半以降、世界の多くの国々・地域が深刻な経済危機を克服して力強い回復を示す中で、わが国経済は貴重な10年間足踏みを続けたとの見方もありますが、21世紀に向けて明るい展望を拓き、「公正で活力ある社会」を実現するため経済社会のシステム全体の根本的な改革が求められています。
 税制については、これまでも、少子・高齢化の進展への対応や経済の活性化などの観点から、消費税の創設をはじめ税制全般にわたる改革に取り組んできました。今後の経済社会を展望するとき、政府の役割や行政の手法を見直し、個人や企業の創意工夫をより尊重するための諸改革を進めるとともに、税制については、所得課税をはじめ、消費課税、資産課税等を含めた税制全般について抜本的な見直しを行い、税制全体を21世紀にふさわしいものに改革していくことが求められています。


.近年の経済状況を振り返ると、わが国経済は、アジア通貨危機の影響や金融機関の相次ぐ破綻などにより、平成9年秋以降極めて厳しい状況に陥りました。このため、税制面では、特別減税を実施したほか、過去最大規模の個人所得課税及び法人課税の恒久的な減税が実施されています。また、歳出面では、公共事業の大幅な追加などの景気対策が実施されました。
 わが国経済の現状を見ると、厳しい状況をなお脱してはいませんが、これらの政策効果もあって景気は緩やかに改善を続けており、今後、民需中心の本格的な景気回復が期待される状況になっています。
 反面、わが国財政は、これらの景気対策の実施もあって、多額の公債発行に依存せざるを得ず、租税が果たすべき財源調達機能が極めて不十分となり、財政事情は極端に悪化しています。地方財政も厳しい状況にあります。まずはわが国経済が民需中心の本格的な回復軌道に乗ることが確認されることが必要ですが、経済の持続的成長の観点からも財政構造改革は必ず実現しなければならない課題です。財政構造改革を検討する際には、社会保障のあり方、中央と地方との関係や経済社会のあり方まで視野に入れて取り組む必要がありますが、歳出のあり方についての徹底した見直し論議と併せて、税制についても国民的な議論を避けて通ることができないものと考えます。


.税制は国民生活、経済活動、そして社会のあり方と密接に関連するものです。税制のあり方を考えることは、国のあり方をどのように考えていくかということでもあります。このため、国民一人一人が今後の税制論議に参加し、その上で、あるべき税制について選択していくことが重要です。
 私たち国民は、今後のわが国税制のあり方について、どのような視点から議論を行い、そして、何を選択していかなければならないのでしょうか。
 この答申では、まず、改めて租税の意義と役割を考えた上で、次のような様々な課題について検討を行っていくこととしています。

(1

) 税制を考える場合、「公平・中立・簡素」という原則を常に念頭に置かなければなりませんが、具体的にはどういうことなのでしょうか。

(2

) 先に述べたような様々な経済社会の構造変化が進む中、税制はどのような課題を抱えているのでしょうか。

(3

) 今後の国・地方を通じたわが国財政のあり方をどのように考えればよいのでしょうか。財政構造改革が課題とされていますが、どのように取り組むことが適当なのでしょうか。また、このことと租税負担を含む国民負担の水準や税制のあり方の論議はどのように関わってくるのでしょうか。

(4

) 地方分権の推進に伴い、国と地方の役割分担の見直しや地方税財源の充実確保など自立的な財政運営の確立が課題とされていますが、どのように検討していくことが適当なのでしょうか。

(5

) 近年、所得課税の抜本的な見直しをはじめ、消費課税、資産課税等を含めた税制全般についての見直しが検討課題とされてきています。租税を国民皆が広く公平に分かち合いつつ、21世紀の経済社会の構造変化や今後の財政状況に対応していくためには、具体的にどのような見直しが必要なのでしょうか。
1)  個人所得課税は、従来から、各種の租税の中でも大きな規模の課税対象を持ち国民一人一人の負担能力に応じた分担を実現できる税として、税体系の中で基幹的な役割を担っていますが、わが国の個人所得課税は、今、どのような負担状況となっているのでしょうか。21世紀における個人所得課税の意義・役割をどのように考えていくべきなのでしょうか。
2)  法人課税については、税率が既に国際的に見て遜色ない水準にまで引き下げられました。今後のあり方について、国際化の進展など経済社会の構造変化の中で、どのようなことが課題となっているのでしょうか。また、地方税である法人事業税への外形標準課税の導入が課題となっていますが、どのように進めていけばよいのでしょうか。
3)  消費税は、少子・高齢化の進展に伴う国民福祉の充実等に必要な歳入構造の安定化などに資するために平成元年から実施され、その後、平成6年の税制改革による税率引上げ・地方消費税の創設等(平成9年4月実施)を経て、税体系の中で重要な地位を占めるようになりましたが、今後、その役割やあり方をどのように考えていくべきなのでしょうか。
4)  これらの税を含めて様々な税がありますが、先に述べたような経済社会の構造変化や財政状況の中で、各税がどのような課題を抱え、どのような観点から検討を行っていく必要があるのでしょうか。

 以上のような諸課題について、以下、「第一 基本的考え方」、「第二 個別税目の現状と課題」に分けて、それぞれ論じていくこととします。

[続きがあります]

 

 
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