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諮問・答申・報告書等

3.税と社会保障

(1 ) 租税と社会保険料
 社会保障制度は、国民に生涯健やかで安心できる生活を保障するため、国民の生活の安定が損なわれた場合に生活を支える給付を行うものです。生活上の不安を取り除くための方策は、自助、共助、公助と区分することができますが、社会保障制度は、年金・医療といった共助を中心とする分野と生活保護などの公助の分野とを含んでいます。
 社会保障給付は、多かれ少なかれ、租税によっても賄われています。公助については基本的には租税で賄われ、共助については社会保険料を基本としつつ制度の安定的運営を確保する観点から租税も組み合わされています。これらの財源によって給付を行うことにより、社会保障制度は所得再分配を行っています。
 租税と社会保険料とは、法律に基づいて国民に負担を求めるものであるという点において共通の性格を有していることから、両者を合わせた負担の水準が国民負担率と捉えられています。このため、税制を検討する際には、社会保険料の負担をも勘案することが必要であり、臨時行政調査会・臨時行政改革推進審議会以来、国民負担率を一つの政策的な目安としてきているのもこのためです。一方、後ほど述べるとおり、社会保険料は、国民生活の安定を損なうリスクに対して、自立した個人が社会連帯の精神を基礎として支え合うもので、給付を受けるために納付が求められるなど、給付と負担が強く関連付けられている点で、租税とは異なる性格を有しています。
 高齢化の進展に伴い、引き続き年金・医療・介護といった社会保障給付は大幅な増大が見込まれます。
 このことを踏まえ、社会保障の給付の水準やこれに見合う負担の水準についてどのような選択を行っていくのか、社会保障の財源として社会保険料と租税の組合せについてどのような選択を行っていくのか、といった点について国民的な議論が必要となります。これらは、社会保障制度のあり方そのものの問題ですが、今後の税制のあり方に大きく関わる論点の一つでもあります。
(注 )厚生省が平成9年9月に行った推計においては、社会保障制度を現行制度のままとした場合には、年金・医療・介護に係る給付の増大から、2025年(平成37年)の社会保険料と租税を合わせた国民負担率は50%ないし56%(社会保障以外に係る国民負担率については不変との前提の下での試算。なお、財政赤字分は考慮されていません。)となるとされています。
(2 ) 基礎年金等の全額税方式化をめぐる議論
 年金制度においては、少子・高齢化の進展に対応し将来にわたり安定的で効率的な制度とするため累次にわたり保険料の引上げや給付の抑制が行われてきています。このような中で、制度に対する不安感や保険料の負担感が高まっているのではないか、実質的に賦課方式に近くなっており、現役世代から高齢者への所得移転が生じていることから、世代間で給付と負担の関係が不公平になっているのではないか、国民年金の未納・未加入が多くなっているのは問題ではないか、といった指摘があります。こうしたことを背景として、例えば基礎年金の財源として、保険料に代えて全額税を充ててはどうかとの議論(税方式化論)があります。
 社会保険方式か税方式かという議論については、単に財源をどう調達するかという問題ではなく、社会保障の理念や給付の性格も含めた社会保障制度の基本設計をどうするかという制度の根幹に関わる問題であり、次のような点についてどう考えるか、ということを含めて議論が行われなければなりません。
 社会保険制度は、「保険」という言葉が示すとおり、基本的には、加齢に伴う稼得能力の減退や疾病といった国民に共通するリスクに対し、各自があらかじめ保険料を負担しておき、実際に老齢になったり病気になったりした時に給付を行うことによって、そのリスクの分散を図る仕組みです。したがって、予防的性格が強く、自立した個人の自己責任を基礎とし、その社会連帯、相互扶助によって支え合うという考え方に適う制度です。このような仕組みにおいては、給付は保険料負担の見返りという位置付けとなりますので、税だけを財源にする場合と比べて、給付と負担の関係が明確で、給付における国民の権利性が明らかな仕組みといえます。また、このことを通じて、コスト意識に基づく制度改革インセンティブも期待できます。
(注 )現行の年金制度は、積立方式の要素を持ちつつも実質的に賦課方式に近くなっていることや、基礎年金の給付費の3分の1が国庫負担となっていることから、各人の保険料負担額と給付額との間には差があります。しかしながら、税だけを財源とする場合と異なり、負担が大きいほど給付も大きい、本来負担すべき保険料を負担しない人は給付を受けることができない、といった点で給付と負担が関連付けられており、社会保険方式としての特徴を備えています。国民年金の未納・未加入問題を議論する際には、こうした点を十分踏まえる必要があります。もちろん社会保険方式において未納・未加入を放置しておくことは適当でなく、その防止に向けた取組みを徹底することが求められます。
 これに対し、税だけを財源とする場合には、各自の負担と無関係に給付が行われることから、結果としての救済の性格が強くなり、社会保障給付の性格は現行の「共助」から「公助」に変わることとなります。その場合には、給付の要件として負担の有無が問われませんので、負担能力の乏しい人も含め必要性に応じたより確実な保障を行い得るのではないかという指摘もあります。一方、一般財源による場合には、生活保障という政策目的に照らした給付の必要性が問われることや他の歳出分野との優先度の問題が生じることから、税方式を採用しているカナダなどに見られるように、所得が少ないなど一定の要件に該当する人々のみを給付対象とする制度となるものと考えられます。
 社会保険方式か税方式かという問題は、上記のように、個人の自立を基本とする社会における自己責任のあり方についてどう考えるかといった問題でもあります。また、消費税を財源とする場合には現在事業主が負担している社会保険料が個人の租税負担に置き替わることになることをどう考えるか、社会保険料を廃止する分の税負担増のあり方をどうするのかなどの論点を含め幅広い観点から、国民的な議論が行われる必要があります。
(注 )平成12年3月に成立した年金改正法においては、基礎年金について、「平成16年までの間に、安定した財源を確保し、国庫負担の割合の2分の1への引上げを図るものとする」旨の附則が設けられています。基礎年金の国庫負担割合の引上げは、相当規模の財源(平成12年度において約2.3兆円)を要することから、安定した財源確保のための具体的な方法と一体として幅広い国民的な議論の中で検討する必要があります。

(参

考)消費税と社会保障
 先に述べたとおり、消費税の福祉目的化によって、消費税収(国分)の使途は基礎年金、老人医療及び介護とされていますが、消費税収(国分)ではこれらの経費の国庫負担分を賄いきれていません。
 税方式化論に関して、消費税を「福祉目的税化」し、その収入によって基礎年金等の社会保障給付を賄うべきとの議論があります。この点については、「第二 三 消費課税」で詳述しますが、消費税の「福祉目的税化」については、目的税化は財政の硬直化を招くおそれがあること、諸外国においても消費税等を目的税としている例は見当たらないことなどの問題点が指摘されています。
 仮に基礎年金、老人医療及び介護に係る給付の全額を消費税収によって賄う場合、先に述べた厚生省が平成9年9月に行った推計などを基に機械的に計算すれば、現行の消費税収(国分)に加えて消費税の税率引上げ分はすべてこれらの給付のみに充当したとしても、国・地方を合わせた消費税率は、平成12年度(2000年度)ベースで約13%、平成37年度(2025年度)ベースで約28%まで引き上げる必要があると試算されます。
 また、この税率引上げ分についても現行の地方交付税制度(国の消費税収の29.5%を配分)が適用されると仮定した場合には、国・地方を合わせた消費税率は、平成12年度ベースで約16%、平成37年度ベースで約37%まで引き上げる必要があると試算されます。さらに、現行の地方消費税制度(国の消費税額の100分の25が地方消費税額)も適用されると仮定した場合には、その分国・地方合わせた消費税率は高くなります。
 なお、追加的な消費税負担が社会保障給付に与え得る影響(年金額の物価スライド等)や国・地方の歳出に含まれる消費税負担の増加などを勘案した場合、必要な税率の引上げ幅は更に大きくなることに留意する必要があります。

(3

) 社会保障給付と控除をめぐる議論
 一定の政策目的のために、社会保障給付による方法と個人所得課税の控除により税負担を調整する方法との関係を検討する必要があるのではないかとの指摘があります。
 これに関連して、少子化対策の観点から、個人所得課税の児童に係る扶養控除を児童手当に代替させてはどうかという考え方があります。
 児童手当のあり方については、少子化対策としての効果や保育サービスなどの他の施策との関係、費用負担のあり方、さらに、給付費規模に見合う具体的な財源確保の方策などについてそれぞれ考える必要があります。
 他方、児童に係る扶養控除の部分のみを縮減する場合には、扶養親族の人数等の世帯構成に応じた税負担能力の調整機能を損なう、あるいは、他の基礎的な人的控除とのバランスを失するといった個人所得課税の基本に関わる問題があります。

4.地方分権と地方税財源の充実確保

(1 ) 地方分権の意義と地方税の役割
 地方公共団体は、地域住民のために、福祉、教育などの対人サービスや道路・上下水道をはじめとした社会資本の整備など、住民の毎日の生活に密着した行政サービスを提供し、また、経済社会の変化に応じて生じる地域社会での様々な課題に対応しています。
 地方税は、地方公共団体が、このような行政を行うために必要な経費を賄うものであり、地域の共通の経費をその地域の住民がその能力と受益に応じて負担し合うものと言えます。このため、地方税については、負担分任性(分かち合い)や応益性を有する税制が望ましいとされています。地方税の負担を求めるに当たって、地方公共団体が、どの程度の行政水準を、どれだけの経費で実現しているのか、住民に対して情報公開を行い、説明責任を果たし、住民の参加と選択を求めることにより、責任ある地方自治が構築されます。地方税は言わば、民主主義の学校である地方自治の存在証明とも言えるものです。
(注 )シャウプ勧告では、地方自治の確立のため、地方税収の充実と地方税制の自主性の強化が提言されました。これを受けた税制改正においては、税制の理念として、地方自治の進展を期するためには、財源を豊かにするとともに、地方公共団体自らの責任においてこれを確保させ、もって自治運営に対する住民の監視と批判とを求めていくことが必要であるとされました。
 地方分権の推進は、地方分権推進委員会において示されたように、個性豊かな地域社会の形成、少子・高齢社会への対応、国・地方を通ずる行財政改革などにも資するものであり、これまでに、様々な改革が行われています。こうした地方分権の潮流は、各国において歴史や国の成り立ちが異なりますが、日本だけでなく、諸外国でも見られます。例えば、ヨーロッパにおいては、「ヨーロッパ自治憲章」が合意され、地方公共団体における税制・財政を含めた基本的あり方が示されています。
 21世紀の日本を展望したとき、福祉、教育、環境対策、安全対策などますます増大する地域の行政サービスの需要に的確に対応するため、地方公共団体は、地域住民の理解を得て地方税の負担を分かち合いながら、その行政について責任を持って運営しなければなりません。そのためには、住民の身近なところで税を納め、その使途をチェックするという機能を十分に活用することが必要であることから、地方税財源の充実確保について、更なる取組みが求められています。
(2 ) 地方分権推進の経緯
 地方分権の推進については、平成7年5月に地方分権推進法が成立し、同年7月に地方分権推進委員会が発足して以来、大きな進展が見られます。地方分権推進委員会の累次にわたる勧告を受けて、平成10年5月には地方分権推進計画が、平成11年3月には第2次地方分権推進計画がそれぞれ閣議決定され、平成12年4月から「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」(地方分権一括法)が施行されました。これにより、従来の機関委任事務制度の廃止や、地方公共団体に対する国の関与・必置規制の整理合理化、地方公共団体への権限委譲など、地方分権推進に向けての抜本的な改革が行われました。
 地方分権推進計画において、「国庫補助負担金の整理合理化と地方税財源の充実確保」の中で、地方公共団体の自主性・自立性を高める見地から、国と地方の財政関係につき、事務の実施主体が費用を負担するという原則を踏まえつつ、国庫補助負担金の整理合理化、存続する国庫補助負担金の運用・関与の改革、地方税・地方交付税等の地方一般財源の充実確保の三点について基本的な見直しを行うこととされています。
 これまで、地方税財源の充実確保に関しては、既に、課税自主権の尊重の観点から、個人市町村民税の制限税率の廃止や、法定外普通税の許可制度から事前協議制度への移行、法定外目的税制度の創設などが行われてきました。
 また、地方分権一括法の附則では、「政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」とされており、さらに、地方分権推進法もこの5月に1年間延長されました。
 今後、地方税財源の充実確保の方策を検討していくことが必要であり、当調査会としても、こうした経緯を踏まえた上で、地方税財源の充実確保の方策についての考え方を明らかにしていく必要があると考えます。
(注1 )国庫補助負担金は、一般的に国庫負担金と国庫補助金に区分されます。国庫負担金とは、国と地方公共団体相互の利害に関係のある事務について国が義務的に支出すべき給付金を言うのに対して、国庫補助金とは、奨励的ないし財政援助的意図に基づいて国から支出される給付金を言うのが一般的です。
(注2 )地方交付税は、国税5税(所得税、法人税、酒税、消費税、たばこ税)の収入額の一定割合を交付することとされているもので、地方交付税法では、「地方団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能をそこなわずに、その財源の均衡化を図り、及び地方交付税の交付の基準の設定を通じて地方行政の計画的な運営を保障することによつて、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的とする。」とされています。
(3 ) 地方税財源の充実確保についての基本的な考え方
1)  地方財政における自主性の向上
 地方分権の進展の下、地方公共団体が地域住民の参加・参画を得て総合的に施策の選択を行い、活力のある地域社会の実現に責任を持って取り組めるようにすることが重要です。このためには、機関委任事務制度の廃止、国の関与・必置規制の整理合理化、権限委譲に併せて、地方公共団体の財政面における自己決定権と自己責任を確立することが必要です。その意味で、地方分権の進展に伴い、地方税の充実確保を図る重要性が高まる中で、国庫補助負担金、地方交付税などの地方財政制度も新たな局面を迎えていると言えます。
 現在、国と地方の歳出純計に占める地方の歳出の割合は約63%であるのに対し、租税総額に占める地方税の割合は約41%であり、地方の歳出規模と地方税収入には乖離があります。基本的に、この乖離をできるだけ縮小するという観点に立って、課税自主権を尊重しつつ、地方税の充実確保を図る必要があります。
 地方公共団体は、地域の事情が様々に異なる中で、住民の生活に身近で基礎的な行政サービスを広く担う必要があり、安定的な財政基盤を確立するためには、税源の偏在性が少なく、税収の安定性を備えた地方税体系が必要です。
2)  地方税の充実確保と行財政改革の推進
 地方税の充実確保を図る場合には、地方公共団体が自立的な行財政運営を行えるよう、国と地方の役割分担を踏まえつつ、国庫補助負担金の整理合理化や地方交付税の見直しを図るとともに、国と地方の税源配分のあり方について検討することが必要です。
 このように、自主財源である地方税を充実し、国からの移転財源への依存度をできるだけ少なくすることに加えて、課税自主権を活用することにより、地方公共団体の財政面における自立度が高まり、福祉・教育、社会資本整備など様々な行政サービスによる受益と負担の対応関係のより一層の明確化が図られ、国・地方を通ずる行政改革や財政構造改革の推進にもつながるものと考えます。
 国も地方もともに財政状況が極めて厳しい状況にあることを踏まえれば、国において行財政の改革を行うだけでなく、地方においてもまずは自ら汗をかいて行政改革に取り組み、民間委託の推進や資産の有効活用の観点からの総点検を行うとともに、超過課税や法定外普通税・目的税などの課税自主権の活用や、行政サービスの有料化等により歳入確保に努めることが必要です。市町村合併や広域行政の推進についても積極的に取り組んでいくことが求められますし、自ら行政評価を行うとともに情報公開を徹底して住民の監視機能を活用することも重要です。
3)  国・地方を通ずる行財政制度のあり方の検討
 地方公共団体の行財政運営については、国庫補助負担金を通じた地方への国の関与とこれに大幅に依存したコスト意識の希薄な行財政運営、法令などによる定数などの基準の設定、事務実施の義務付けなどを見直すべきではないかという意見や、税源の乏しい地方公共団体にも一定の行政水準を確保できるよう財源保障している現行地方財政制度の下で、地方公共団体がややもすると財政運営に緊張感を欠き、自ら財源を確保しようという意欲を損なうことにつながっているのではないかという意見もあります。
 これらは、国・地方公共団体の役割分担のあり方、国庫補助負担事業のあり方、定数などの地方公共団体に対する義務付けのあり方、公共投資や社会保障の水準、国・地方を通じた行政水準のあり方、さらには国の財政政策そのものにも関わるため、当調査会だけで結論が出せるものではありませんが、幅広い観点から取り組むべき課題であると考えます。
 いずれにせよ、地方税財源の充実確保については、国の財政・税制と深く関わるものであり、国庫補助負担金や地方交付税を含めた国・地方を通ずる行財政制度のあり方を見直し、改革することが必要となります。しかし、現在のような危機的な財政状況の下では、国と地方の税源配分のあり方について見直しを行うことは現実的ではないことから、今後景気が本格的な回復軌道に乗った段階において、国・地方を通ずる財政構造改革の議論の一環として、取り組むのが適当であると考えます。当調査会としては、関係方面との連携を図りつつ、地方税の充実確保の方策について、具体的な検討を進めていくこととします。
(4 ) 地方税財源の充実確保方策の方向
 上に述べた基本的な考え方に沿って地方税の充実確保を図る際には、所得・消費・資産等の間における均衡がとれた国・地方を通ずる税体系のあり方等を踏まえつつ、税源の偏在性が少なく税収の安定性を備えた地方税体系を構築することが重要です。
 地方税の基幹税目の中では、個人住民税や固定資産税は、安定的で税収の変動が少なく、どの地方公共団体にも税源が広く存在し、その偏在が少ないという性格を持っており、また、地方消費税は、清算を行うことにより、同様の特徴を有しています。個人住民税は地域住民が地域社会の費用の負担分任の原則の下に負担する税であり、受益と負担の明確化という観点や自治意識の涵養という点からその充実が望ましいと考えられます。地方消費税については、福祉・教育など幅広い行政需要を賄う税として重要な役割を果たしており、今後その役割がますます重要なものになっていくと考えられます。
 また、市町村の基幹税目である固定資産税についても、引き続きその安定的な確保に努める必要があります。

(資料14)地方の基幹税目

(単位:億円)
税  目 税    の    性    格 12年度
税収見込額
個人住民税
地域住民による地域社会の費用の負担分任
※ 安定的・普遍的
97,548
法人住民税 地域の構成員である法人による地域社会の費用の負担分任 24,518
法人事業税 事業活動と行政サービスとの受益関係に着目した事業に対する課税 36,528
地方消費税 消費に広く負担を求める地方消費課税                ※ 安定的・普遍的(清算後) 25,438
固定資産税
固定資産の保有と行政サービスとの受益関係に着目した資産価値に応じた課税
※ 安定的・普遍的
90,906
(注)1  個人住民税には利子割を含む。
 法人事業税については、税収安定化等の観点から、外形標準課税の導入を検討中。
 「安定的」とは、他の基幹税目と比較して対前年度伸び率の変動が小さいこと、「普遍的」とは、他の基幹税目と比較して各課税団体の収入の偏在が少ないことをいう。

 なお、都道府県の基幹税目である法人事業税への外形標準課税の導入は、地方分権を支える安定的な税源の確保、応益課税としての税の性格の明確化、税負担の公平の確保、経済の活性化、経済構造改革の促進等の重要な意義を有する改革です。このため、外形標準課税については、景気の状況等を踏まえつつ、早期に導入を図ることが必要です。
(5 ) 課税自主権の活用
 地方公共団体の課税自主権の尊重の観点から、現在、超過課税と法定外税(法定外普通税及び法定外目的税)が地方税法上認められています。
 超過課税は、地方税法上標準税率が定められている税目について、標準税率を超える税率で課税するものであり、平成11年4月1日現在で、都道府県で延べ53団体、市町村で延べ2,409団体が実施しています。
 法定外税については、地方分権推進の一環として、課税自主権の尊重、住民の受益と負担の関係の明確化、地方公共団体の課税の選択の幅の拡大などの観点から、法定外普通税については、許可制が自治大臣の同意を要する協議制に改められ、税源の所在や財政需要に関する事項が協議事項から外されるとともに、新たに法定外目的税の制度が創設されました。
 法定外普通税は、平成12年4月1日現在で、都道府県で14団体、市町村で4団体が課税しています。
 地方公共団体では、財政事情が大変厳しいということもあり、地方分権推進のための制度改正の趣旨も踏まえて、課税自主権の活用について積極的な検討が始まっています。地方公共団体が、地域住民の意向を踏まえ、自らの判断と責任において、課税自主権を活用することにより財源確保を図ることは地方分権の観点から望ましいものです。その際、公平・中立などの税の原則に則ることが必要です。
 また、国においてもできるだけこれらの動きを支援する必要があると考えます。
(注 )法定外普通税と法定外目的税について、地方公共団体からその新設又は変更に関する協議の申出を行ったときは、以下の(1)~(3)の場合を除き、自治大臣は、これに同意しなければならないとされています。
(1)  国税又は他の地方税と課税標準を同じくし、かつ、住民の負担が著しく過重となること。
(2)  地方団体間における物の流通に重大な障害を与えること。
(3)  国の経済施策に照らして適当でないこと。

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