諮問・答申・報告書等
一 個人所得課税
1.個人所得課税の特徴(P.70)
2.個人所得課税の現状(P.72)
3.個人所得課税の課題
(個人所得課税の基幹税としての役割と負担のあり方)(P.82)
(課税ベースとしての所得のあり方)(P.82)
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何らかの所得を得ているのであれば、それに応じて公平に負担するという考え方からは、所得から適切な理由なく除かれたり、漏れたりするものがないように、課税ベースとしての「所得」をできる限り広く、包括的に捉えることが必要です。
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現行の制度においては、各種の控除等によって課税ベースとしての所得から除かれているものが少なくありません。これらの仕組みにはそれぞれ設けられた趣旨がありますが、経済社会の構造変化の中で、改めて、これらの控除等のあり方について見直しの余地がないか検討を加える必要があります。
(所得再分配機能のあり方)(P.83)
(制度の簡素性)(P.84)
(個人住民税のあり方)(P.84)
4.課税ベースとしての所得
(所得の捉え方)(P.84)
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累進税率が適用されることとなる課税ベースとしての「所得」の範囲に、個人の税負担能力(担税力)を増加させる価値を得ているものがあれば、漏れなく、すべてを含め、「所得」をできる限り広く包括的に捉えるという考え方が基本です。
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非課税所得については、それぞれに制度創設の趣旨がありますが、所得を包括的に捉えるとの考え方を踏まえ、経済社会の構造変化の中でその意義が薄れてきていると見られるものがある場合には、そのあり方について検討を加えることが必要です。
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いわゆるフリンジベネフィットについては、個人の企業依存体質に変化が見られる中で、経済的利益の供与の仕方などの違いで税負担の公平を失することがないように、法人課税との関係にも留意しつつ、検討する必要があります。
(課税最低限)(P.88)
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課税最低限は、一般的に適用される基礎控除、配偶者控除、扶養控除等の基礎的な人的控除、社会保険料控除、給与所得控除の各控除額を積み上げた結果定まるものです。課税最低限は、納税者の大半を占める給与所得者について、その水準以下では課税されず、その水準を超えると課税が始まる給与収入の水準を示すものであり、個人所得課税の負担構造を示す重要な指標として使われています。
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個人所得課税は経済生活を通じて得る所得に応じて負担を求める税であり、社会の構成員である私たちにとって関わりの深い税です。このような個人所得課税の負担を累進性の下で広く分かち合うという観点からは、課税最低限があまり高いことは望ましくないものと考えます。
また、課税最低限は、個人所得課税の基本的な仕組み、負担水準全般に関わることから、税体系全体の中における個人所得課税の位置付けや役割などをも踏まえて総合的な検討が必要であるとの意見がありました。
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課税最低限は各種の基本的な控除の積重ねであることから、そのあり方を考える際には、控除一つ一つのあり方を検討する必要があります。
(主要な控除)(P.91)
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基礎控除、配偶者控除・配偶者特別控除、扶養控除を基礎的な人的控除と呼び、これらは世帯構成などといった納税者の税負担能力を減殺させる基本的な事情を斟酌するため設けられています。
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基礎的な人的控除については、世帯構成の変化、女性の社会進出、高齢化の進展などの社会の変化を踏まえ、公平・中立の観点などから、簡素化、集約化の余地がないか検討を加えていく必要があります。
なお、これらの人的控除は個々の納税者の税負担能力に関する諸事情を斟酌するための基本的な仕組みとして納税者に定着していることに留意すべきであるとの意見がありました。
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配偶者に係る控除について、世帯構成などに応じた税負担能力の調整の観点からは、配偶者控除と配偶者特別控除の二つの控除の適用を認めていることは、納税者本人や扶養親族に係る配慮と比較してかなり大きいものとなっています。配偶者に係る控除については、女性の社会進出、男女共同参画社会の進展などを踏まえ、税負担能力の減殺を調整するといった所得控除の趣旨や他の基礎的な人的控除とのバランス、制度の簡明性などの観点から、そのあり方について検討を加える必要があります。
なお、配偶者控除等は現実に多数の世帯に適用され、定着していることからも、慎重な検討を要するのではないかとの意見もありました。
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扶養控除については、各種の割増、加算によって、扶養親族の様々な特徴を考慮して、きめ細かな配慮を行うことが可能となっていますが、その反面、制度はかなり複雑なものとなっています。年金、医療、介護などの社会保障制度の整備状況などをも勘案すれば、税制として、扶養親族について細かな区分を設け、控除制度を細分化することが適当かどうか、基礎控除、配偶者控除等の他の人的控除とのバランス、扶養親族間におけるバランスなども踏まえながら、検討を加える必要があります。
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扶養控除をめぐっては、少子化対策の観点から、児童手当に代替させてはどうかという考え方があります。基礎的な人的控除のうち児童に係る扶養控除の部分のみを縮減する場合には、世帯構成に応じた税負担能力の調整機能を損なう、また、他の扶養親族に係る扶養控除や、基礎控除、配偶者控除等の他の基礎的な人的控除とのバランスを失するといった個人所得課税の基本に関わる問題点があります。
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現行の給与所得控除の水準は、給与所得者の必要経費に関する概算的な控除としては相当手厚いものとなっています。給与所得控除の性格については、従来、「勤務費用の概算控除」のほか、「他の所得との負担調整のための特別控除」の要素が含まれるものと整理してきました。この点については、給与所得者が社会の典型的な就業形態となっていること、雇用形態の多様化などが進み、被用者としてのサラリーマン特有の事情にも変化が見られること、手厚い水準の給与所得控除は職業選択など就業に対する中立性を損なうおそれがあるとも考えられること、主要国の概算控除の水準はわが国に比較して低いことなどを踏まえると、給与所得者に対して「他の所得との負担調整」といった一定の配慮を加える必要性があるとしても、その必要性は薄れてきていると考えられます。したがって給与所得控除については、今後、勤務費用の概算控除としての性格をより重視する方向で、そのあり方について検討を行っていく必要があると考えます。
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仮に、選択肢として、現行の給与所得控除を勤務費用の概算控除としての性格をより重視する方向で見直しを行うこととすれば、特定支出控除の選択的適用が増加し、給与所得者が確定申告を通じて自らの所得及び税額を確定させる途を広げることにつながります。
5.税率構造(P.103)
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税率構造については、これまで累進緩和が行われてきており、現在では、国際的に見ても、所得税の最低税率は主要国の中で最も低く、所得税、住民税を合わせた最高税率も遜色ない水準となっています。
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税率構造のあり方については、機会の平等か結果の平等かというような国民の平等に関する意識の状況、勤労意欲や事業意欲への配慮、個人所得課税の課税ベースのあり方や財政状況など、様々な観点から検討する必要があります。税制全体の所得再分配機能を維持していくことが必要であり、少なくとも今以上の累進緩和は適当ではなく、現行の税率構造は基本的に維持すべきであると考えます。
6.所得控除(P.106)
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老年者控除等の特別な人的控除については、各々の制度の趣旨などを踏まえつつ、経済社会の構造変化や社会保障制度の整備状況に照らし、制度創設時に比べて状況に変化が見られるのではないかとの観点などから、検討を加えていく必要があります。
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医療費控除等のその他の控除についても、経済社会の構造変化を考慮し、制度の趣旨を踏まえつつ、公平・中立・簡素の観点から、控除のあり方について検討を加えることが必要です。
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新規控除や既存の控除の上乗せなど、様々な国民の生活態様の中から特定の条件や家計支出(所得の処分)を抜き出して斟酌する種々の措置を講じることについては、制度がいたずらに複雑になりかねず、また、そもそも稼得された「所得」に負担を求める個人所得課税の性格から、基本的に適当でないと考えられます。
7.各種の所得
(退職所得)(P.110)
(事業所得)(P.110)
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事業所得を稼得する納税者が、適正に申告・納税するためには、正確な記帳が必要です。適正な記帳を奨励するため、シャウプ勧告を受けて、青色申告制度が設けられ、一般の記帳より水準の高い記帳を行う納税者に対して優遇措置が講じられています。青色申告が一層普及し、正確な記帳が行われることは今後とも重要です。
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事業所得と給与所得など各種の所得間の不均衡感の問題については、税務執行体制の充実を図りながら、納税環境の整備など、より一層の課税の公平の確保に努め、青色申告の一層の普及など、納税者の自覚と協力を得つつ、適正な申告水準の維持、向上を図ることが重要です。
8.課税単位と課税方式等
(個人所得課税の課税単位)(P.115)
(個人所得課税の課税方式)(P.117)
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個人所得課税に垂直的公平を確保する機能を期待し、累進的な税率構造を採用する以上、その課税ベースとなる所得はできる限り包括的に捉える必要があり、広く公平に税を負担する個人所得課税の理念として、総合累進課税が基本であると考えられます。
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退職所得、山林所得のように所得の性質上、累進課税の適用に当たって配慮が必要なものもあります。また、納税者番号制度の整備など、所得捕捉の体制の整備が十分ではない現状においては、直ちにすべての所得について総合課税を行うことは実質的公平を損ないます。したがって、個人所得課税の基本的な枠組みとしては、総合課税を原則としつつも、所得の性質、把握体制の整備状況などを踏まえ、所得の種類によっては分離課税を組み合わせることが適切と考えます。
9.年金税制(P.120)
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公的年金に係る税制については、本人が拠出する保険料の全額に社会保険料控除が適用され、また、その受給する年金に公的年金等控除や老年者控除等が適用され、その課税ベースからほとんどが除かれています。その結果、年金生活者の課税最低限は給与所得者の場合より高い水準になっており、また、税負担は主要国と比べても極めて低いものとなっています。高齢化の進展の下で年金受給者が増加し年金所得も増大していることや、高齢者の所得水準の上昇に伴い生活実態が多様化していることを勘案しながら、世代間の公平をはじめ、公平・中立・簡素の観点から、拠出、運用、給付を通じた負担の適正化に向けて検討を行っていく必要があります。
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企業年金等に係る税制のあり方についても、少子・高齢化の進展、高齢者の生活実態を勘案して、貯蓄課税との均衡、世代間の公平などの観点を踏まえながら、拠出、運用、給付を通じた負担の適正化に向けて検討を行っていく必要があります。
10.土地譲渡益課税(P.125)
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土地譲渡益に対する課税については、土地が公共性を有し、その価値が主として外部的要因により増加するものであることに鑑み、その譲渡益に対して、給与や事業等を通じて稼得される所得との間の税負担の公平の確保に配慮しつつ、適正な負担を求めることが必要です。
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土地譲渡益課税に係る特別控除等については、これにより譲渡益のかなりの部分が課税ベースから除かれていることから、土地の譲渡益の性格などを踏まえ、他の所得の税負担との公平に配意しつつ、相応の税負担を求めるという観点、また、税制の簡素化の観点から検討を加える必要があります。
11.金融税制(P.128)
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個人所得課税の理念として総合累進課税が基本であると考えますが、金融資産からの所得全般について総合課税を行うためには、各種の所得の性質の差異などに留意した上で、資料情報制度の充実、納税者番号制度の導入など、所得捕捉の体制の整備が不可欠であることから、現状においては、利子等について分離課税を維持することが現実的と考えられます。
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金融商品は、国内外における資産の移動が容易で、転々流通に伴いその保有者、所得の帰属者が頻繁に代わり得ることから、取引把握や保有者の確認が難しいといった特徴、いわゆる「足の速さ」を有しています。金融取引の多様化、複雑化、さらに取引の国際化、電子化に伴い、このような金融商品の「足の速さ」が著しくなるものと考えられ、金融資産からの所得に対する適正な課税の確保を図っていくことがより一層重要となります。
12.租税特別措置等(P.137)
13.納税を支える制度(P.139)
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納税者の税制に対する信頼を確保するためには、納税者がどのような形で、どの程度、納税過程に関与するかという納税者の立場から見たタックス・コンプライアンスの観点、また、常に適正・公平な執行を確保していくという行政庁側の観点をともども踏まえて、公正・簡素な納税過程を確立していく必要があります。
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申告納税を行うには、納税者が所得額と税額を計算するために必要な記録を保存し、取引を記帳することが重要です。したがって一般的な記録保存制度と記帳制度が設けられています。また、一般の記帳より水準の高い記帳を促進する青色申告制度が設けられており、こうした制度を通じてなお一層の記帳、申告水準の向上が望まれます。
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給与所得者については、年末調整により源泉徴収税額の過不足が精算されるので、一般には確定申告を要しないことになっています。給与の源泉徴収は、適正な課税を担保し、納付の便宜、平準化などに資するために必要な制度であり、主要国でも、年末調整の有無にかかわらず、適正で確実な課税を担保する観点から、源泉徴収が広く行われています。
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年末調整と確定申告の関係については、年末調整は、納税者の手続を簡便化し、納税に係る社会的な費用をできる限り最小化する仕組みとして評価でき、これに代えて確定申告の途を広げていくとすれば、納税者の申告事務負担や税務行政の定員・経費の増加に留意しなければなりません。他方、サラリーマン自らが申告によって税額の精算、確定を行うことは、社会の構成員として社会共通の費用を分かち合っていく意識を高める観点から重要であると指摘されています。仮に、選択肢として、現行の給与所得控除を勤務費用の概算控除としての性格をより重視する方向で見直すこととなれば、特定支出控除の選択的適用が増加し、確定申告により自ら税額の確定を行う途を広げることとなります。
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金融取引をはじめとして取引形態が多様化、複雑化している中で、適正・公平な課税の確保、税制への信頼の維持、向上のためには、主要国の制度も参考としつつ、支払調書制度、官公署等の協力義務など、資料情報制度を充実させる観点からの検討が必要であると考えます。
14.個人住民税関係(P.144)
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個人住民税については、地域社会の費用を住民がその能力に応じ広く負担を分任するという独自の性格(負担分任の性格)を有していることから、課税最低限は所得税よりも低く、税率も緩やかな累進構造となっています。
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地方分権の推進や少子・高齢化の進展に伴う個人住民税の充実確保については、地方分権推進計画に基づき地方税財源の充実確保について検討を行う中で、負担分任の性格や福祉等の対人行政サービスなどの受益に対する負担として対応関係が明確に認識できるという性格、税収入面での普遍性、安定性などを踏まえつつ、検討する必要があります。
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所得割の所得控除及び課税最低限のあり方については、個人住民税の負担分任の性格から所得税に比較してより広い範囲の納税義務者がその負担を分かち合うべきものであるため、所得税と一致させる必要はないと考えられます。
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現在個人住民税が非課税となっている割引債の償還差益や所得税で確定申告不要制度が採られている一定の少額配当については、適正化を図る必要があります。
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均等割については、地域社会の費用の一部を等しく分担するものであり、負担分任の性格を有する個人住民税の基礎的な部分として位置付けられるものです。
均等割の税率については、均等割税収の個人住民税収全体に占める割合や均等割の1人当たりの国民所得などに対する負担水準が大きく低下してきていることから、その負担水準の見直しを図る必要があると考えられます。
人口規模に応じて3段階に区分して設定されている市町村民税均等割の税率の格差縮小や均等割の納税義務を負う夫と生計を一にする妻に対する均等割の非課税措置のあり方の見直しが必要であると考えられます。
ニ 法人課税
1.法人税
(税率と課税ベースの適正化)(P.165)
(会社分割に係る税制)(P.171)
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会社分割法制の創設を踏まえ、当調査会は、法人課税小委員会において、平成13年度税制改正における会社分割に係る税制の整備に向けて検討を進めています。
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諸外国の例を見ると、会社分割により移転する資産については譲渡益課税を原則としつつ、分割の前後で経済実態に実質的な変更がない場合には、税制上も中立的な取扱いとするとの考え方から、特例として課税繰延べを行うものとされています。
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会社分割に係る税制について検討する際の主な論点としては、合併・現物出資などの資本等取引と整合性のある課税のあり方、株主における株式譲渡益課税やみなし配当課税に対する適正な取扱い、納税義務・各種引当金などの意義・趣旨を踏まえた適正な税制措置のあり方、租税回避の防止があります。各種の資本等取引と整合性のある課税のあり方を検討する際には、合併などに係る現行税制についても併せて広範な検討を行う必要があります。
(連結納税制度)(P.176)
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企業集団の一体的経営の傾向が強まり、企業組織の柔軟な再編成を可能とするための法整備が進められる中で、企業の経営形態に対する税制の中立性の観点から、21世紀のわが国経済のインフラとなる本格的な連結納税制度を構築する必要があり、法人課税小委員会においてその導入に向けた検討を進めています。
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連結納税制度については、納税義務者・連結対象子会社の範囲などの連結納税制度固有の問題のみならず、個々の法人に対する課税体系と企業集団に対する課税体系との間の整合性など、法人課税の全般にわたる広範な検討が必要です。また、租税回避行為や税収減などの問題への対応について検討しなければなりません。
(公益法人等・NPO法人)(P.186・P.188)
(その他の課題)(P.189)
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法人税の課税対象は基本的に法人格の有無により決定されています。金融の自由化や経済活動の国際化に伴い、投資や事業の主体が多様化する中で、これらの事業体に対する課税のあり方について、その事業や投資活動の内容、経済的意義、法的性格などを踏まえ、適切な課税を確保する観点から、検討する必要があります。
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赤字法人の割合が恒常的に高いということについて、所得課税である法人税としてどう考えていくか、という問題があります。この問題については、まずは執行面での対応が重要ですが、税制面においても、赤字法人となっている実態を十分見極めた上で、幅広い観点から検討を行っていくことが必要です。
2.法人事業税
(法人事業税への外形標準課税の導入意義)(P.204)
(望ましい外形基準のあり方)(P.206)
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事業活動価値は、法人の人的・物的活動量を客観的かつ公平に示し、各生産手段の選択に関して中立性が高いことから、外形基準としては理論的に最も優れていると考えられます。なお、当面の経過的な措置等として、所得基準による課税と併用することが適当と考えます。
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給与総額は、法人の人的活動量を示すとともに、事業活動価値のおおむね7割を占め事業活動の規模を相当程度反映しており、また、実務上の簡便性に優れています。事業活動価値における利潤のウェイトと同じように所得基準を併用すれば、事業活動価値の簡便な方式とも観念できます。
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給与総額に、事業活動価値の構成要素である支払利子や賃借料と一定程度相関性のある物的基準を組み合わせたもの(物的基準と人的基準の組合せ)は、事業活動規模を相当程度総合的に表す仕組みとなると考えられます。この場合、両基準の比重を事業活動価値に近似させるように検討し、事業活動価値における利潤のウェイトと同じように所得基準を併用すれば、事業活動価値の簡便な方式とも観念できます。
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資本等の金額(資本金と資本積立金の合計額)も、事業活動の規模をある程度表す簡素な課税の仕組みですが、法人の事業活動規模を適切に反映させるという観点からは、所得基準による課税や他の外形基準による課税と組み合わせて用いるよう検討すべきであると考えます。
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当調査会としては、事業活動価値が理論的に最も優れているとの考え方に留意しつつ、さらに事業活動価値を含めた各外形基準案について、納税・課税事務負担の観点から検討を進めていくことが適当であると考えます。
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各都道府県が税率設定について自由度を有する仕組みとすることが重要ですが、課税標準は全国共通のものとすることが適当です。
(改革に伴う諸課題)(P.213)
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外形標準課税の導入に伴う税負担の変動については、税負担能力に配慮するなどの観点から、所得基準による課税を併用して、負担の変動幅を縮小することが適当です。
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納税事務負担については、検討した四つの外形基準は、財務諸表や各種法定資料などを活用した簡素な納税手続の仕組みを整えることが可能と考えます。
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既存の地方税との関係については、外形基準の採用の仕方によって所要の調整を行う必要が生じる場合も考えられますが、そのような場合、個人・法人を通じた地方税全体の税体系について十分留意することが必要と考えられます。
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中小法人の取扱いについては、その担税力に配慮するため一定の配慮が必要ではないかと考えます。考えられる配慮方策としては、軽減税率方式、基礎控除方式、免税点方式、導入率変更方式などがありますが、外形標準課税の導入意義や各配慮方策の本来の趣旨などを踏まえ、薄く広く税負担を求めるという観点から検討することが適当と考えます。
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ベンチャー企業の取扱いについては、中小法人の税負担に配慮する措置によって対応することが可能ではないかと考えられますが、更なる政策的配慮が必要かどうか、今後具体的に検討する必要があります。
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雇用への配慮については、外形標準課税の導入に当たって、雇用への影響を極力少なくするよう十分留意し、具体的な課税の仕組みを検討することが必要と考えます。
(導入の時期)(P.216)
[続きがあります]
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