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諮問・答申・報告書等

1.経済活性化に向けた速やかな対応

(1)減価償却制度

減価償却制度は、償却資産の使用期間にわたって費用と収益を対応させるものであるが、国際的な競争条件を揃え、競争上のハンディキャップをなくすことが重要である。このため、主要国では設けられておらず、合理的な説明が困難な償却可能限度額取得価額の95%)については、これを撤廃すべきである。 また、設備投資を促進し、生産手段の新陳代謝を加速する観点から、新規取得資産について法定耐用年数内に取得価額全額を償却できるよう制度を見直し、残存価額(10%)を廃止するとともに、償却率についても国際的に遜色のない水準に設定すべきである。 法定耐用年数・設備区分については、使用実態を十分把握した上で、簡素化等の見直しをしていく必要がある。特に、技術革新のスピードが早く、実態としても使用年数の短いものについては、早急に法定耐用年数を短縮すべきである。 なお、固定資産税における償却資産については、資産課税として、課税対象の資産価値を評価するために減価を行っているものであり、法人税の減価償却とは趣旨が異なる。今後、その評価方法については、税の性格を踏まえ、検討していく必要がある。

(2)同族会社留保金課税

同族会社には、税制上特別の措置が講じられている。これは、少数の株主の支配の下で、家族への報酬・給与の支払い等による所得分割や恣意的な配当の繰延べ等が行われるおそれがあることを考慮した仕組みである。留保金課税制度もこうした一環として位置付けられる。 平成18年度税制改正においては、それまでに行われた法人税率と所得税率の改正や企業の実態を踏まえて留保金課税制度の抜本的見直しが行われた。しかしながら、依然として、同制度に対しては企業の財務基盤の強化を阻害する面が残っているとの指摘がある。一方で、経済活性化の観点から、資金調達面での制約を受ける中小企業の資本蓄積を促進していくことが重要になっており、さらに、ベンチャー等の技術革新を支援し、競争力強化を図るといった政策的要請がある。以上を踏まえ、留保金課税制度のさらなる見直しを検討すべきである。

(3)エンジェル税制

我が国の将来を支える産業を生み育てるため、ベンチャー企業への資金供給を促進していくことが重要である。こうした観点から、エンジェル税制について、対象となるベンチャー企業の範囲を広げるなど、より使いやすくする方策を検討する必要がある。

(4)事業承継関連税制

中小事業者の事業承継に関する相続税の特例措置については、拡充すべきとの意見がある一方で、経済活力の維持への有効性といった観点から再検討する必要があるとの指摘もある。また、一般的に相続税の負担が低下している中で格差の拡大を招くおそれがあるとの指摘もある。 こうした議論を受け、今後、中小事業者における事業承継の実態を把握し、課税の公平性に留意して、経済活力の維持を図るとの観点も踏まえ、事業活動の継続に対する支援の基本的な在り方についてさらに検討していく。他方で、会社法の施行により発行が容易になった株主総会での議決権がない株式等の種類株式に係る評価の明確化といった当面講ずべき措置については適切に対応する。

(5)国際課税

海外との経済交流を促進するためのインフラとして、各国の税制の間を橋渡しする租税条約ネットワークの果たす役割は大きく、引き続きその拡充に努めるべきである。 移転価格税制は、国際的な取引が関連者間で行われる際に、取引相手国との協議を通じた調整を含め、両国における適切な課税を確保するための制度である。近年、企業活動の国際化の進展を背景に、課税件数・金額が増加しており、国際的な二重課税による企業負担の問題が指摘されている。本税制については、グローバルに活動する企業の予測可能性を一層高める環境を整備するため、適用基準の明確化を引き続き推進するとともに、手続の改善や相互協議体制の強化を進めて事前確認制度の迅速化を図るべきである。さらに、移転価格税制の特質にかんがみ、二国間の協議で合意が得られるまでの間、二重課税に伴う負担を軽減するため、納税を猶予する制度を導入すべきである。 また、常に変化するグローバルな経済環境の中での企業の活動実態を踏まえ、公平な経済活動の環境を提供する必要がある。このため、外国子会社合算税制について、合算対象子会社の範囲を見直すなどの適切な対応を講ずべきである。

(6)外形標準課税

法人事業税の外形標準課税は、税負担の公平性の確保、応益課税としての税の性格の明確化、地方分権を支える基幹税の安定化、経済の活性化等の観点から、平成15年度税制改正において導入されたところである。しかし、資本金を減少することで、外形標準課税の対象外となる事例が生じている。今後、減資の状況等を踏まえつつ、税負担の公平性を確保する観点から、対象法人の見直しが課題となる。 外形標準課税は、多数の法人が法人事業税を負担していないという状況の是正を図るとともに、法人所得に対する税負担を軽減する一方、付加価値等に対して課税するものであり、今後、応益性の観点から、その定着に努めていくべきである。

(7)政策税制の集中・重点化

政策税制については、PDCA(計画・実施・評価・改善)サイクルの確立が不可欠であり、経済活性化等にとって真に有効な分野への集中・重点化を一層徹底する必要がある。このような観点から、平成15年度に導入された研究開発税制は高く評価できる。一方で、役割を終えた既存の租税特別措置等については、引き続き整理合理化を進めることが重要である。 事業税における社会保険診療報酬の実質的非課税措置については、累次の答申でも指摘してきたところであり、税負担の公平を図る観点から、速やかに撤廃すべきである。また、自由診療に係る医療法人の所得に対する軽減税率についても、確実に見直しを行うべきである。
 
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