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5.国際課税
本年3月に発効した新日米租税条約では、国際的な投資交流や技術移転をより一層促進する観点から投資所得に対する源泉地国の課税が大幅に軽減されるとともに、適正な課税を確保するための措置が講じられた。グローバル化が進行する中で、投資促進などの効果が期待できる国々との間の租税条約ネットワークの拡充は、わが国の持続的な経済社会の活性化を実現するための基盤強化に繋がる。今後とも国際的な投資交流や技術移転の促進のための重要なインフラである租税条約の改定を積極的に進めるべきである。
国際課税に関する国内法制度についても、国際的な経済活動の複雑化・多様化への対応が求められている。すなわち、国際的な投資交流や技術移転の促進の観点も踏まえると同時に、わが国の課税権を確保するための措置を講じるべきである。例えば、外国子会社合算税制や外国税額控除制度の見直しを行う場合には、合算対象となる外国子会社の範囲や税額控除の範囲等について所要の適正化措置をあわせて講じなければならない。また、構成員に直接課税される組合については、わが国の課税を確保するため、非居住者や外国法人である構成員に対して源泉徴収を含む制度的な対応を行う必要がある。さらに、各国の税制の相違や間隙を利用する国際的な租税回避行為を防止することや確実な執行が可能となるような制度の整備を行うことも重要な課題である。
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