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4.今後の税制改革の道筋
かかる公的部門の改革の全体像を提示しつつ、明確な道筋に沿って改革を進めることで、国民の安心を確保しながら活力ある経済社会を構築していかねばならない。
「平成16年度の税制改正に関する答申」で指摘したように、「あるべき税制」に向けての抜本的税制改革は、国・地方の三位一体改革、社会保障制度の改革と整合性をとって行う必要があり、2010年代初頭の基礎的財政収支の黒字化に取り組む上でも避けて通れない課題である。
国・地方の三位一体改革の中で、平成18年度までに、所得税から個人住民税への本格的な税源移譲の実施とあわせ、国・地方を通じた個人所得課税の抜本的見直しを行う必要がある。こうした中で、いわゆる定率減税については、平成11年度税制改正において、当時の著しく停滞した経済活動の回復のため、個人所得課税の抜本的見直しまでの間の緊急避難的な特例措置として導入された経緯を踏まえ、経済への影響も十分に考慮しつつ、平成18年度までに段階的に廃止すべきである。
基礎的財政収支の黒字化に向け、平成18年度までに、国と地方双方が歳出削減努力を積み重ねつつ、必要な税制上の措置を判断する必要がある。また、平成18年度までを目途に結論を得るべく、社会保障制度の総合的な改革とあわせ、税・社会保障負担のあり方についても検討を行うことが不可避である。社会共通の費用を広く公平に分かち合う観点から、抜本的な税制改革について、平成18年度までを目途に結論を得るべく検討を進めていかねばならない。その一環として、消費税についても国民的な議論を進めていくべきであろう。
消費税の創設から税率引上げに至る従来の税制改革は、個人所得課税の大幅な負担軽減とあわせ、消費課税の相対的なウェイトを高めることを主眼として行われてきた。今後の税制改革にあたっては、歳出改革の推進や民需主導の持続的な経済成長を実現していくこととあわせ、必要な公的サービスの費用を広く公平に分かち合うため、所得・消費・資産等の多様な課税ベースに適切な負担を求めつつ、全体としての税負担水準の引上げを図ることが必要となろう。個人所得課税の本来の機能を回復するとともに、消費税の税率を引き上げていくことが、今後の税体系構築の基本となる。経済社会の構造変化を踏まえつつ、資産課税、法人課税、国際課税のあり方、さらには地球温暖化をはじめとする環境問題への税制面からの対応などについても、早急に検討を行う必要がある。
当調査会としては、かかる基本的考え方の下、「あるべき税制」の具体化に向け、審議を進めている。
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