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1.わが国経済社会の構造変化と近年の税制改革
わが国は、歴史的な転機とも言うべき構造変化に直面している。
少子・高齢化が世界に類を見ないスピードで進んでいる。このため、わが国人口は、2006年をピークに継続的な減少局面に入る。今世紀半ばには、3人に1人が高齢者となる見込みである。家族のあり方や会社と個人との関係も急速に変容しつつある。冷戦の終結や情報化の進展などを背景に、国境を越えた経済活動が活発化し、世界規模の競争が進むとともに、各国間の相互依存関係が拡大・深化してきている。
このような中で、公正な社会を構築し、持続的な経済社会の活性化を実現するために、さまざまな分野の構造改革を急がねばならない。
かかる構造改革の一環として、税制面においても、近年、広範な改革を実現してきた。
少子・高齢化などに伴う貯蓄率の低下傾向に対応し、個人金融資産をはじめとする各種資産の有効活用を進めるため、金融・証券税制の軽減・簡素化、相続税・贈与税の一体化などを実施した。また、国際的な競争やモノ・資本・ノウハウの流れの変化も踏まえ、研究開発・設備投資減税の集中・重点化のほか、約30年ぶりに日米租税条約を全面的に改定した。これらの措置は、民間の努力とあいまって、着実に経済社会の活性化につながってきているものと考えられる。
これらの改革とあわせ、経済社会の構造変化に対応し、税負担の歪みを是正する観点から、配偶者特別控除(上乗せ部分)の廃止、年金課税の見直しなどを行った。さらに、消費税に対する信頼性・透明性を向上させるため、免税点制度などの改革を実現した。
こうした改革の流れを踏まえ、引き続き、「あるべき税制」の具体化に向けた取組みを進めていかねばならない。
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