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諮問・答申・報告書等



 資産課税等

 

.相続税・贈与税

 

 

(1

)相続税・贈与税の一体化措置
 高齢化の進展に伴って、相続による次世代への資産移転の時期が従来より大幅に遅れてきている。また、高齢者の保有する資産(住宅等の実物資産も含む)の有効活用を通じて経済社会の活性化にも資するといった社会的要請もある。かかる状況の下、相続税・贈与税の改革については、生前贈与の円滑化に資するため、生前贈与と相続との間で資産移転の時期の選択に対して税制の中立性を確保することが重要となってきている。こうした状況を踏まえ、相続税・贈与税の一体化措置を平成15年度税制改正において新たに導入する。この一体化措置は、従来の相続税と贈与税との関係を大きく見直すものであり、両税の抜本的改革として位置付けられるものである。
 相続時点でなければ各相続人別の正確な相続税額は確定しないというわが国の相続税制度の特徴(遺産取得課税方式と遺産課税方式のいわゆる併用方式)を踏まえ、この一体化措置は、相続時の累積課税方式とすることが適当であり、相続時精算課税制度(仮称)として具体化を図ることとする(参照 別紙)。
 一体化措置の具体化に当たっては、住宅投資の促進にも資するとの観点にも留意すべきである。その際、現行の相続税・贈与税を前提とする住宅取得資金に係る贈与税の特例については、民法上の遺留分侵害を助長するおそれもあり、この一体化措置との間で整理が必要である。

 

 

(2

)相続税の課税ベース及び税率構造

 

 

 

[1]

 課税ベース
 「基本方針」で指摘したように、相続税については、経済のストック化、社会保障の充実、高齢化の進展を踏まえ、従来より広い範囲に適切な負担を求める必要があり、基礎控除の引下げ等課税ベースの拡大を図る。

 

 

 

[2]

 税率構造
 相続税の最高税率については、個人所得課税の最高税率(50%)との較差が大きく、諸外国の例に比しても相当高いことに鑑み、現行の70%から引き下げることが適当である。
 累進構造については、個人所得課税を補完し、富の再配分を図るとの相続税の役割を踏まえれば、最高税率を引き下げるものの、全体として現行程度の累進が適切なものと考えられる。
 税率の刻み数については、簡素化の観点及び遺産額に応じたある程度滑らかな負担の変化を確保する観点を踏まえて見直す必要がある。

 

 

(3

)贈与税(暦年課税)
 一体化措置の対象とならない暦年課税の贈与税については存続することとなる。この場合、生前贈与による相続税の回避防止という性格は変わらないこと及び第三者に対する贈与についても課税対象となっていることを踏まえ、その累進構造については、相続税に比べて累進度の強い現状を維持すべきである。税率構造については、相続税に準じて見直すことが適当である。

 



.固定資産税

 

 

(1

) 固定資産税は、どの市町村にも広く存在する固定資産に課税しており、税源の偏りも小さく市町村税としてふさわしい基幹税目であり、今後も本税の安定的な確保が重要である。また、土地・家屋・償却資産を通じた適切な評価に引き続き取り組む必要がある。情報開示については、制度改正を踏まえて積極的に推進すべきである。

 

 

(2

) 土地については、全国的な評価の均衡化・適正化の観点から、地価公示価格の7割を目途とした評価水準を維持することとする。また、連年の地価下落の下で、平成9年度以降主として都市部の商業地等の税負担感に配慮した負担調整措置を講じてきた。その結果、負担水準の均衡化についてはある程度進展しつつあるが、依然として地域や土地によって相当のばらつきが残っている。平成15年度以降の固定資産税の税負担については、評価替えの動向等を踏まえ、これまでの負担調整措置を基本に、負担の均衡化・適正化を一層促進する必要がある。

 



.土地税制
 土地税制については、土地の公共性や資産としての特性を踏まえ、税負担の公平を確保する観点から、土地という資産の取得・保有・譲渡の各段階において適切な税負担を求めていくことが重要である。
 個人・法人を通じた土地譲渡益課税については、バブル期の対応として課税強化された部分は既に廃止・停止され、バブル以前の制度に戻っている。
 登録免許税・不動産取得税については、土地に関し、課税標準である固定資産税の評価が、平成6年度評価替えにより地価公示価格の7割を目途に引き上げられたことから、それ以降、累次の負担調整措置が採られてきた。しかしながら、今日、土地市場が個々の土地の利便性、収益性を重視する方向へと構造的に変化している中、都市再生等土地の有効利用の促進に資する観点から、登録免許税・不動産取得税の軽減が求められている。
 登録免許税については、上記の要請に応えるとともに、各種登記間の負担のバランスの是正を図る方向で、不動産に係る同税全般の見直しを検討する。
 また、不動産取得税については、住宅及び住宅用地について既に大幅な軽減措置が講じられていること、都道府県財政を支える主要税目であることに配慮し、必要な軽減策を検討する。
 特別土地保有税については、バブル期の対応として課税強化された部分は既に廃止されるなどそれ以前の水準まで戻っていることに留意し、申告手続など納税者負担の軽減策を検討する。

 



.金融・証券税制
 少子・高齢化と経済のストック化が進展する中、金融資産に対する課税は、今後、より重要性を高めることとなる。その際、広く公平に負担を分かち合い、簡素で分かりやすい税制を構築することを基本とすべきである。また、度重なる税制改正により課税関係が頻繁に変更されることは、決して望ましいことではない。今後の見直しに当たっては、制度の安定性にも配意すべきである。
 また、簡素で安定した金融税制を構築することにより、「貯蓄から投資へ」といった、わが国金融のあり方をめぐる現下の政策要請にも応えられると考える。
 こうした観点から、金融・証券税制については、今後、利子・配当・株式譲渡益に対する課税について、金融商品間の中立性を確保するとともに、できる限り一体化する方向を目指すべきである。この場合、将来の改革の方向として、金融所得の一元化、二元的所得税についても、総合課税とあわせ検討すべきである。
 平成15年度税制改正では、こうした方向性を視野に入れて、配当課税や株式投資信託に対する課税について、簡素化・合理化を図る。また、既存の株式譲渡益に係る優遇措置は複雑で分かりにくく、できる限り簡素化する方向で改善していく。同時に、特定口座制度についても、投資家利便の向上に資する観点での見直しを行う。

 
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