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二 平成15年度税制改正の実施に当たって
平成15年度税制改正を取り巻く経済情勢を見ると、景気は、持ち直しに向けた動きがみられるものの、デフレ傾向に改善がみられないことに加え、金融・経済情勢の不確実性が高まっている。かかる状況の下、政府は税制改革を含む構造改革の取組みを強化することが求められている。また、わが国の財政の現状を見ると、平成14年度予算では財政構造改革の第一歩として、歳出の思い切った見直しと重点的な配分に取り組んだ。しかし依然として歳出と歳入には大幅なギャップが生じており、政府は、平成15年度予算においても引き続き財政構造改革を推進することとしている。
このような状況の下、内閣総理大臣は第155回国会の冒頭で、「税制については、持続的な経済社会の活性化を実現するための「あるべき税制」の構築に向けて、抜本的な改革に取り組みます。現下の経済情勢を踏まえ、一兆円を超える、できる限りの規模を目指した減税を先行させます。公正かつ簡素で分かりやすい税制を目指し、多年度税収中立の枠組みの下で、全体を一括の法律案として次期通常国会に提出すべく検討を進めます。」との所信を表明した。
当調査会としては、先に述べた各税目の措置は、「あるべき税制」の構築の一環として、基本的には平成15年度において実施すべきであると考える。しかし、現下の経済情勢を踏まえ、その実施時期を調整することにより、全体として減税を先行させることも政策的判断としてやむを得ない。
これまでの累次にわたる減税の経験や「対話集会」の論議に鑑みれば、減税が投資や消費の活性化といった経済社会の活力回復に向けて本来期待される効果を発現させるには、財政の持続可能性について、安心できる将来展望を国民に示すことが不可欠である。したがって、減税を先行させるに当たっては、財政規律を維持することにより国民の将来不安を払拭し、改革を一体として進める必要がある。このため、内閣総理大臣の上記所信のように、一定期間での税収中立を図るとともに、全体を一括法とすべきである。このことは、言うまでもなく平成16年度以降において、更なる税制改革に取り組むことを妨げるものではない。
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