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諮問・答申・報告書等

 資産課税等
 

.相続税・贈与税
   
(1

) 改革の基本的考え方 -経済社会の構造変化への対応と負担の適正化-
 相続課税を取り巻く環境は、次のように大きく変わってきている。
     
[1]  経済のストック化の進展により、今後、相続による資産移転の増加が見込まれること
[2]  社会保障の充実により老後扶養における公的な負担の役割が高まっていることから、相続時に残された個人資産については、その一部を社会へ還元する必要があると考えられること
[3]  高齢化の進展により、相続による財産取得が相続人のライフサイクルのより後半にシフトしていく結果、相続財産が相続人の経済的基盤を形成する意味合いが相対的に薄れつつあること
       かかる状況を踏まえ、従来より広い範囲に適切な税負担を求める必要がある。
 その際、負担の適正化の観点から最高税率については引き下げる一方、累進は現行程度の水準を維持することが適当である。
 暦年で単一年の課税であるわが国の贈与税においては、相続税の課税回避を防止する観点から税負担は比較的高い水準に設定されている。高齢化の進展に伴って相続による次世代への資産移転の時期がより後半にシフトしていることから、資産移転の時期の選択に対する中立性を確保することが重要となってきている。高齢者の保有する資産(金融資産のみならず住宅等の実物資産も含む)が現在より早い時期に次世代に移転するようになれば、その有効活用を通じて経済社会の活性化に資するといった点も期待されよう。このような観点から、相続税・贈与税の調整のあり方(生前贈与の円滑化)を検討すべきである。
 事業承継関連の特例措置については、中小企業の事業の円滑な承継に貢献している点は認められるが、相続後の事業継続に対する過大なインセンティブは、新規の創業や新たな事業展開とのバランスを失わせることを踏まえ、そのあり方を見直していく必要がある。
 その際、高齢化の進展に伴い、相続人が被相続人と共に事業を行っていた場合の共に働いた期間も長期化していることから、生前における円滑な事業の移転を図ることや、相続までの財産形成への貢献に着目することが重要である。
   
(2

) 相続税の改革の方向性
     
[1]

 課税ベース
 基礎控除については、「基本的考え方」及び地価の下落等を踏まえ、「広く薄く」の観点から引下げの方向で検討すべきである。なお贈与税の基礎控除については、相続税と贈与税の調整の検討において、相続税の基礎控除との関係を考慮し見直す必要がある。
 死亡保険金・死亡退職金の非課税措置については、公的な社会保障制度の充実等を踏まえ、資産選択に対する中立性、簡素化などの観点から、廃止・縮減の方向で考えるべきである。
 小規模宅地等の課税の特例をはじめとした事業承継関連の特例措置については、長期にわたる地価の低下等を踏まえ、将来的には事業用資産全体に適用される特例措置への改組も含め、そのあり方について検討する必要がある。
     
[2]

 税率構造
 最高税率については、個人所得課税の最高税率(50%)との較差が大きく、諸外国の例に比しても相当高いことに鑑み、引き下げることが適当である。
 累進構造については、「基本的考え方」や、最高税率の引下げで高資産家の税負担は相当程度軽減され得ること等を勘案し、現行程度の累進を維持すべきである。
 税率の刻み数に関しては、相続税は臨時・偶発的に発生するものであるため、遺産額により税負担を大きく変動させるのは適当でなく、遺産額に応じたある程度滑らかな負担の変化を確保することが望ましい。
   
(3

) 贈与税の改革の方向性
     
[1]

 相続税・贈与税の一体化
 高齢化社会の到来につれ、生前贈与の社会的要請も根強い。かかる観点から、相続税・贈与税の累積課税化も含め、両者を一体化する方向で検討する。(補論参照)
 累積課税化の方法は、一生累積課税方式と一定期間累積課税方式の二つに大別されるが、いずれの方式も、納税者、執行当局の双方に財産の長期管理を要求する仕組みである。したがって適正な執行を確保する上では、その導入に当たり執行当局のより一層の機械化の推進、立証責任の転換や除斥期間・時効の延長等の検討、納税者番号制度の導入など、長期にわたる財産移転の記録、確認、名寄せ・突合等が可能となる環境整備が必要不可欠となる。
 それまでは、二つの累積課税方式のいずれについても完全な形で実施することはできない。生前贈与の必要性の程度、国民の財産保有のあり方等を踏まえ、今後、累積課税のための仕組みをどのように整備していくのかを検討すべきであろう。これにあわせ、次世代への資産移転の時期の選択に対して中立性を重視する観点等から贈与税を見直すことの必要性を踏まえれば、暫定的な措置の導入を検討すべきである。
 なお、相続税・贈与税の一体化や暫定的な措置の検討に当たっては、贈与を管理する期間が長期にわたること等により、一部の資産家を中心に計画的な租税回避行為を誘発するおそれや、執行の困難性に伴う課税の脱漏のおそれがあることを踏まえ、十分な方策を講じる必要がある。
     
[2]

 第三者に対する贈与の取扱い
 最終的に相続関係のない第三者に対する贈与の課税のあり方が問題となっている。これに関しては、贈与の実態を見極めた上、相続税の課税回避防止という機能をも踏まえ、所得課税へ移行させることも考え得る。
 

.固定資産税
   
(1

) 固定資産税の現状と課題
 固定資産税は、どの市町村にも広く存在する固定資産を課税客体としており、税源の偏りも小さく市町村税としてふさわしい基幹税目であり、今後も本税の安定的な確保が重要である。
   
(2

) 今後の改革の方向性
 地価公示価格の7割を目途とした評価水準については、全国的な評価の均衡化、適正化の観点からこれを維持することが適当である。
 負担水準の均衡化については平成9年度以降ある程度進展しつつあるが、依然として地域や土地によって相当のばらつきが残っており、今後、評価替えの動向、負担水準の状況や市町村財政の状況等を踏まえ、負担の均衡化・適正化を更に一層促進する措置を採る必要がある。
 

.土地税制・住宅税制のあり方
 土地税制については、地価の変動にあわせ見直しが図られてきた。バブル期の対応として課税強化された部分は、既に廃止されるなどそれ以前の水準まで戻っている。
 現在、地価については、二極化・個別化が進展し、バブル崩壊に伴う調整過程という見方のみならず、地域経済の動向や産業構造の変化の観点からの分析が必要となっている。こうした構造的な変化を踏まえ、土地基本法の基本理念の位置付けも含め、土地政策のあり方全般の見直しが求められている。
 土地税制については、土地政策の見直しとあわせ、地価の推移、土地の譲渡益に対する課税ベースが大きく浸食されている現状をも踏まえ、検討すべきである。
 住宅に関しては、政策的な見地から、特に持家の取得・保有・譲渡の各段階で税制上種々の軽減措置がとられてきた。しかしながら、持家比率が一定の水準に達した上、少子・高齢化の進展とともに住宅需要が量的に減少していかざるを得ない。その一方で、内容面でも借家や住替え等需要が多様化する中で、持家取得促進を中心とした住宅政策のあり方が問われている。住宅に関する税制については、住宅をめぐるこうした環境の変化を踏まえ、住宅ローン控除等従来の軽減措置のあり方を検討すべきである。
 

.金融税制のあり方
 金融資産からの所得に対する課税については、経済のストック化(金融資産の累増)が進展する一方、少子・高齢化に伴い勤労性所得の相対的減少が見込まれており、今後より重要性を高めることとなる。また、わが国金融をめぐっては、現在、そのあり方として「貯蓄から投資への切り替え」が指向されている。
 こうした中、金融商品の多様化・複雑化、市場の国際化・電子化、「足の速さ」といった取引の特徴及び事業体(集団投資スキーム)レベルにおける課税との関連に配慮しつつ、金融商品間の中立性や金融分野以外の所得との公平性の確保、更に、制度の簡素化等、現行制度の見直しを検討していく必要がある。なお、その際、納税者番号制度をはじめとする所得捕捉体制の整備があわせて検討されるべきである。
 また、「二元的所得税」の考え方や金融税制の「一元化」の是非については、総合課税への移行を目指すこととの関係、資産性所得と勤労性所得に対する課税のバランス等について検討を要する。(補論参照)
   

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