三 |
消費税 |
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.消費税の現状と課題 -安定的な基幹税目とするために-
消費税は、昭和63年の制度創設以来、その税収は安定的に推移し、国税収入の約2割を占めるなどわが国税制の基幹的な税目の一つとして定着してきた。しかし、その一方で、国民の間には、現行制度に対する不信感が依然として根強く残っていることも事実である。今後、少子・高齢化、グローバル化の一層の進展に伴って、消費税の役割がますます重要となっていく中で、制度の信頼感を高めるとともに、その税率水準の見直しを図ることが大きな課題となっている。しばしば指摘される消費税の所得に対する逆進性の問題については、消費税だけでなく、税制全体、更には、歳出面を含めた財政全体で判断することが必要である。 |
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.今後の改革の方向 |
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) 基本的考え方 -国民の信頼性の向上を図り消費税の役割を高める必要性-
消費税は、少子・高齢化社会において、勤労世代に過度の負担を求めず、経済活動に対し中立的である等の性格から、世代間の公平の確保、経済社会の活力の発揮、安定的な歳入構造の確保のため極めて重要な税である。
社会保障支出の増大や財政構造改革を展望すれば、今後、税率を引き上げ、消費税の役割を高めていく必要がある。このためには、徹底した行財政改革を進めるとともに、消費税制度に対する国民の信頼性、制度の透明性を向上させるための措置を講じる必要がある。
このような観点から、まずは、以下に述べるような中小事業者に対する特例制度や申告納付回数の見直しを行うとともに、消費税の滞納について、引き続きその未然防止、整理促進に取り組むべきである。また、消費者の便宜のため、価格の総額表示(含む税額明記)が促進されるよう関係機関において適切に対応していく必要がある。
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(2 |
) 信頼性、透明性の向上に向けた改革 -中小事業者に対する特例措置の抜本的な改革等- |
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中小事業者に対する特例措置
中小事業者に対する特例措置は、中小事業者の事務負担に配慮し、事務の簡素化を図るために設けられている措置であるが、制度創設から既に13年が経過しており、制度全体に対する国民の信頼性、制度の透明性を向上させる観点から、早急に抜本的な改革に取り組むべきである。 |
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イ |
.事業者免税点制度
事業者免税点の水準(課税売上高が3,000万円以下)は、制度創設以来据え置かれ、依然として6割強の事業者が免税事業者となっている。このため、消費者の支払った消費税相当額が国庫に入っていないのではないかとの疑念を呼び、これが消費税に対する国民の不信の大きな背景になっていると考えられる。
したがって、個人事業者と法人の相対的な事務処理能力の差異も念頭におきつつ、現行の免税点制度を大幅に縮小すべきである。
現行の高い免税点水準の下では、事業者間取引を行う免税事業者が多数存在することを踏まえ、免税事業者からの仕入税額控除が認められている。その結果、消費税制度の透明性が低くなっているという問題については、後述するインボイス制度の検討に先立ち、事業者免税点の水準を大幅に縮減することで対応が可能である。 |
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ロ |
.簡易課税制度
簡易課税制度は、これまでも見直しが行われてきており、その適用割合は低下してきている。しかしながら、消費税制度が定着し事業者が納税事務に習熟してきたと考えられること、また事務処理能力のある中小事業者が納税額の損得を計算した上で適用している実態が多数存在していると指摘されていることから、制度の廃止を含めた抜本的見直しを行うべきである。 |
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申告納付制度
消費税の申告納付制度については、これまでも、消費税の預り金的性格に鑑み、いわゆる運用益問題の解消に資する観点から改正が行われてきた。このような消費税の性格を考慮すれば、更に申告納付の回数を増やす方向で検討すべきである。申告納付回数について検討を行う場合には、納税者の事務負担や税務行政コスト、更には消費税の滞納問題との関係にも留意しつつ、幅広い観点から検討を行う必要がある。 |
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[3] |
総額表示方式(消費者に対する価格表示のあり方)
消費者に対し消費税を含めた価格の総額を表示すること(総額表示方式)は、消費者の便宜を図る観点から積極的に検討されるべきである。ヨーロッパ諸国と同様、今後、消費者保護行政等の中で早急に具体化が図られるよう、関係機関において適切に対応していく必要がある。 |
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インボイス制度
消費税制度の信頼性を向上させるためには、仕入税額控除の際に税額を明記した請求書等の保存を求めるいわゆる「インボイス方式」の採用が検討課題となる。しかしながら、現行消費税制度における請求書等保存方式は、単一税率や狭い非課税範囲の下では、適切な仕入税額控除に特段の支障はない。将来、複数税率が採用される場合には、軽減税率の対象となる範囲なども踏まえ、その採用について具体的な検討を行うべきである。 |
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(3 |
) 税率構造等
消費税の税率構造は、制度の簡素化、経済活動に対する中立性確保の観点から極力単一税率が望ましい。仮に、将来、消費税率の水準がヨーロッパ諸国並みである二桁税率となった場合には、所得に対する逆進性を緩和する観点から、食料品等に対する軽減税率の採用が検討課題となる。その場合においても、事業者の事務負担をはじめとする社会経済的コスト等に配慮する観点から、その範囲は極力限定する必要がある。
また、非課税範囲の拡大やゼロ税率の採用については、消費一般に対して広く公平に負担を求めるという消費税の特徴を大きく損なうなどの問題があることから適当でない。 |
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(4 |
) 地方消費税
地方消費税は、平成6年の税制改革において、地方分権の推進、地域福祉の充実等のため創設され、平成9年度から実施されて以来、清算を行うことにより税収の偏在性が少なく、安定的な基幹税目の一つとして大きな役割を果たしている。少子・高齢化等の進展に伴い、今後、福祉・教育等の幅広い行政需要を賄う税として、地方消費税の充実確保を図っていく必要がある。
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