税制調査会 内閣府
トップページ 諮問・答申・報告書等 議事録・提出資料 審議中継 委員名簿 意見募集 別ウィンドウが開きます。 税についての対話集会
内閣府  > 審議会・研究会等   > 税制調査会トップ   > 諮問・答申・報告書等

諮問・答申・報告書等

 法人課税
 

.法人税
   
(1

) 法人税の現状と課題 -財源調達機能と経済社会の活性化-
 累年にわたる法人税率の引下げと近年の企業収益の悪化等により、法人税収は著しく減少してきており、法人税収の国税収入に占める割合は20%台前半まで低下してきている。また、全法人の約7割が欠損法人となっている。
 今後、企業活動のグローバル化が進展する中で、法人税の財源調達機能を確保しつつ、経済社会の活性化の視点から法人税をどのように改革するかが課題である。
   
(2

) 今後の改革の方向
     
[1]

 基本的考え方 -歪みの少ない中立的な税制の構築と政策税制の重点化-
 法人税は、経済がグローバル化する中で、企業の創意工夫を尊重し、競争力を維持・強化するため、国際的に整合性がとれ、企業活動に対し歪みの少ない中立的な税制であることを基本とすべきである。
 このような観点から、平成10年度以降、課税ベースを拡大しつつ、税率を国際水準並みに引き下げるとともに、連結納税制度の導入等の大きな改革を行ってきた。今後とも、経済社会の活性化のために、このような基本方針で法人税の改革を行っていく必要がある。
 しかしながら、累次の税率引下げにより、国の法人税率は既に先進国並みの水準となっており、開発途上国の水準を念頭において、これ以上の税率引下げを行うことは適当ではない。
 今後の法人税率の水準については、わが国の租税負担全体の水準や税体系全体のあり方との関連、更には先進国との税率のバランスを踏まえて検討していくべきである。
 また、法人事業税に外形標準課税を導入すると、法人所得課税の実効税率は下がることとなる。
 一方、税制の簡素化、課税ベースの拡大の観点から、既存の租税特別措置の整理・合理化を大胆に進めるとともに、経済社会の活性化と構造改革のために、真に有効な政策措置を集中・重点的に講じる必要がある。併せて、事業活動が多様な形態で行われている等の経済社会の新しい動きに対応して、法人税の諸課題に取り組むべきである。
     
[2]

 政策税制の集中・重点化 -明確な国家戦略を前提とした重点的な措置-
 わが国企業の競争力強化や産業構造の改革を進めるためには、21世紀をリードする産業・技術を見据えた明確な国家戦略を前提に、規制改革や歳出措置も含めた総合的な政策の重点分野への集中投入が必要である。その一環として税制についても既存の租税特別措置の整理・合理化を大胆に行いつつ、新産業や技術革新の創出等を目指し、政策税制を研究開発分野等真に有効な分野に重点化すべきである。
     
[3]

 経済社会の新しい動きへの対応
 経済活動のグローバル化や金融の自由化等に伴い、様々な投資形態が出現するとともに、企業の事業形態や事業規模も多様化している。また少子・高齢化社会において、NPO法人等の行う民間非営利活動は、活力ある経済社会を構築していく上で、大きな役割を果たしていくことが期待される。
 こうした経済社会の新しい動きに対応して、法人の性格も踏まえつつ、次のような諸課題に取り組むべきである。(補論参照)
        .適正な課税を確保しつつ円滑な企業活動に資する観点から、同族会社の留保金課税、パートナーシップ等の多様な事業体に対する課税について見直すこと。
        .これまで課題としてきた公益法人等の収益事業課税や公益法人等及び協同組合等に係る軽減税率などについては、公益法人改革の動向を踏まえつつ、NPO法人や中間法人等の新たな法人等に対する課税のあり方も含め、非営利法人課税全体のあり方の中で幅広く見直すこと。
        .寄附金税制についても、諸外国の制度や民間非営利活動の実態を踏まえ、認定NPO法人制度等の各制度間の整合性を図りつつ、新たな公益活動の担い手としてのNPO法人等の円滑な活動に資するよう見直すこと。
 

.法人事業税 -外形標準課税の導入-
 法人事業税への外形標準課税の導入は、税負担の公平性の確保、応益課税としての税の性格の明確化、地方分権を支える基幹税の安定化、経済の活性化・経済構造改革の促進などの重要な意義を有する改革である。外形基準の導入により、約7割の法人が法人事業税を負担していないという「税の空洞化」の是正を図り、努力した企業が報われる税制を確立する。外形標準課税は、受益と負担の関係を明確にして真の地方分権の実現に資するため、早急に導入すべきである。




 消費税
 

.消費税の現状と課題 -安定的な基幹税目とするために-
 消費税は、昭和63年の制度創設以来、その税収は安定的に推移し、国税収入の約2割を占めるなどわが国税制の基幹的な税目の一つとして定着してきた。しかし、その一方で、国民の間には、現行制度に対する不信感が依然として根強く残っていることも事実である。今後、少子・高齢化、グローバル化の一層の進展に伴って、消費税の役割がますます重要となっていく中で、制度の信頼感を高めるとともに、その税率水準の見直しを図ることが大きな課題となっている。しばしば指摘される消費税の所得に対する逆進性の問題については、消費税だけでなく、税制全体、更には、歳出面を含めた財政全体で判断することが必要である。
 

.今後の改革の方向
   
(1

) 基本的考え方 -国民の信頼性の向上を図り消費税の役割を高める必要性-
 消費税は、少子・高齢化社会において、勤労世代に過度の負担を求めず、経済活動に対し中立的である等の性格から、世代間の公平の確保、経済社会の活力の発揮、安定的な歳入構造の確保のため極めて重要な税である。
 社会保障支出の増大や財政構造改革を展望すれば、今後、税率を引き上げ、消費税の役割を高めていく必要がある。このためには、徹底した行財政改革を進めるとともに、消費税制度に対する国民の信頼性、制度の透明性を向上させるための措置を講じる必要がある。
 このような観点から、まずは、以下に述べるような中小事業者に対する特例制度や申告納付回数の見直しを行うとともに、消費税の滞納について、引き続きその未然防止、整理促進に取り組むべきである。また、消費者の便宜のため、価格の総額表示(含む税額明記)が促進されるよう関係機関において適切に対応していく必要がある。
   
(2

) 信頼性、透明性の向上に向けた改革 -中小事業者に対する特例措置の抜本的な改革等-
     
[1]

 中小事業者に対する特例措置
 中小事業者に対する特例措置は、中小事業者の事務負担に配慮し、事務の簡素化を図るために設けられている措置であるが、制度創設から既に13年が経過しており、制度全体に対する国民の信頼性、制度の透明性を向上させる観点から、早急に抜本的な改革に取り組むべきである。
        .事業者免税点制度
 事業者免税点の水準(課税売上高が3,000万円以下)は、制度創設以来据え置かれ、依然として6割強の事業者が免税事業者となっている。このため、消費者の支払った消費税相当額が国庫に入っていないのではないかとの疑念を呼び、これが消費税に対する国民の不信の大きな背景になっていると考えられる。
 したがって、個人事業者と法人の相対的な事務処理能力の差異も念頭におきつつ、現行の免税点制度を大幅に縮小すべきである。
 現行の高い免税点水準の下では、事業者間取引を行う免税事業者が多数存在することを踏まえ、免税事業者からの仕入税額控除が認められている。その結果、消費税制度の透明性が低くなっているという問題については、後述するインボイス制度の検討に先立ち、事業者免税点の水準を大幅に縮減することで対応が可能である。
        .簡易課税制度
 簡易課税制度は、これまでも見直しが行われてきており、その適用割合は低下してきている。しかしながら、消費税制度が定着し事業者が納税事務に習熟してきたと考えられること、また事務処理能力のある中小事業者が納税額の損得を計算した上で適用している実態が多数存在していると指摘されていることから、制度の廃止を含めた抜本的見直しを行うべきである。
     
[2]

 申告納付制度
 消費税の申告納付制度については、これまでも、消費税の預り金的性格に鑑み、いわゆる運用益問題の解消に資する観点から改正が行われてきた。このような消費税の性格を考慮すれば、更に申告納付の回数を増やす方向で検討すべきである。申告納付回数について検討を行う場合には、納税者の事務負担や税務行政コスト、更には消費税の滞納問題との関係にも留意しつつ、幅広い観点から検討を行う必要がある。
     
[3]

 総額表示方式(消費者に対する価格表示のあり方)
 消費者に対し消費税を含めた価格の総額を表示すること(総額表示方式)は、消費者の便宜を図る観点から積極的に検討されるべきである。ヨーロッパ諸国と同様、今後、消費者保護行政等の中で早急に具体化が図られるよう、関係機関において適切に対応していく必要がある。
     
[4]

 インボイス制度
 消費税制度の信頼性を向上させるためには、仕入税額控除の際に税額を明記した請求書等の保存を求めるいわゆる「インボイス方式」の採用が検討課題となる。しかしながら、現行消費税制度における請求書等保存方式は、単一税率や狭い非課税範囲の下では、適切な仕入税額控除に特段の支障はない。将来、複数税率が採用される場合には、軽減税率の対象となる範囲なども踏まえ、その採用について具体的な検討を行うべきである。
   
(3

) 税率構造等
 消費税の税率構造は、制度の簡素化、経済活動に対する中立性確保の観点から極力単一税率が望ましい。仮に、将来、消費税率の水準がヨーロッパ諸国並みである二桁税率となった場合には、所得に対する逆進性を緩和する観点から、食料品等に対する軽減税率の採用が検討課題となる。その場合においても、事業者の事務負担をはじめとする社会経済的コスト等に配慮する観点から、その範囲は極力限定する必要がある。
 また、非課税範囲の拡大やゼロ税率の採用については、消費一般に対して広く公平に負担を求めるという消費税の特徴を大きく損なうなどの問題があることから適当でない。
   
(4

) 地方消費税
 地方消費税は、平成6年の税制改革において、地方分権の推進、地域福祉の充実等のため創設され、平成9年度から実施されて以来、清算を行うことにより税収の偏在性が少なく、安定的な基幹税目の一つとして大きな役割を果たしている。少子・高齢化等の進展に伴い、今後、福祉・教育等の幅広い行政需要を賄う税として、地方消費税の充実確保を図っていく必要がある。
   

[続きがあります]

[目次に戻る]

 

 
諮問・答申・報告書一覧
平成18年
平成17年
平成16年
平成15年
平成14年
平成13年
平成12年
平成11年
平成10年
平成 9年
平成 8年

財務省 総務省 更新履歴