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議事録・提出資料

税制調査会総会(第2回)終了後の本間会長記者会見録

日時:平成181122日(水)1720

場所:中央合同庁舎4号館・共用220会議室

 

○司会

 ただ今より、税制調査会総会後の本間会長による記者会見を行います。

 

○本間会長

 今日は第2回の総会を開催いたしました。皆さんご出席いただいていると思いますので、私のほうから細かい話はいたしませんけれども、質問という形でお答えさせていただきたいと思います。

 

○司会

 それでは、ご質問のある方、挙手をお願いしたいと思います。

 

○質問

 2点伺いたいのですけれども、1点目は、今日、官房長官のところに入られたと思います。どんな話をされて、どんな指示があったのか。今後、それがどんなふうに答申に反映されるのか。

 もう1点は、今日、途中で法人税の実効税率のあたりをめぐって、木さんから「反対である」というような意見が出たり、いろいろ意見の応酬がありました。その部分はこの前は、今度の答申で触れないといけないテーマだというお話がありましたけれども、そこに変わりがないのかどうか。その2点をお願いします。

 

○本間会長

 官房長官との話は、今、税調はどういう具合に審議をしているかということだけを報告に行ったわけです。そのことに関して官房長官から特段こうしろああしろという議論はなく、政府の税調としてしっかりやってくれ、こういう話であったということであります。

 税率の問題は、私が就任する前あたりの関係の中で、私が持論を申し上げた部分が一つあるということで、今日、木さんから、税調会長の発言だから慎重にやれと、こういうご指摘を受けたわけです。税調会長は、皆さんの意見を集約するという役回りはもちろんありますけれども、個人の考え方を表明する分野を全くなしとする、ということでは済まない部分もあると思いますので、私は、それをどうバランスをとっていくかということだろうと思っております。

 法人実効税率の問題は、成長、競争力強化という観点で言えば、今日も非常に議論が出ていましたけれども、租特との関係とか、減価償却との関係とか、全部絡んでくる問題で、安倍政権が我々に諮問されておられることから考えますと、当然のことながら、それを抜きにして議論をしていくことは私はあり得ないだろうと思います。各委員の方々も、木委員を除けば、そのこと自身に触れることについては反対ではない。

 ただ、イメージとして、それだけが突出しているようなイメージが、どうしても皆さんとのやり取りで、プレスの方々の関心が、そこのところで質問が多いということもありますし、「成長」という面でのウエートの高さもあるということで、突出した形でそこが表面化したことは私は幾分反省すべきだと思っております。先ほども申し上げたように、法人にどの段階でどのような課税をするかということは非常に重要なテーマですので、ぜひ起草委員ときちんと意見調整をしながら、また29日に皆さんの意見をお伺いしたい、こういう具合に思っております。

 

○質問

 大体の中長期的な方向性を何となく示したいと。そんなふうにお考えだととらえればいいのでしょうか。

 

○本間会長

 これも起草メンバーと、表現ぶり、そして、その方向性をどのくらいのトーンで出すかということは議論したいと思っています。

 

○質問

 1点目の確認ですけれども、官房長官に今やられていることを報告されて、それは大体了承をいただいたと。

 

○本間会長

 はい。特段どうあるべきだとか、審議に対してこれはちょっとまずいのではないかとか、こういうことは一切申されておられませんし、私も、そういうことをお伺いするために行ったわけでは全くないということです。

 

○質問

 留保金課税の問題ですが、前回のグループ・ディスカッションでは意見が二分されていて、こちらから見ているとどういうふうな方向なのかよくわからなかった。今回は全く触れられなかったのですけれども、今後の起草段階でどういうふうな集約を目指そうとされているのか。会長の考え方でも結構ですけれども、その辺をちょっと教えていただければと思います。

 

○本間会長

 これは、ご承知のとおり大変激論があったところでありまして、起草メンバーと相談しなければならないと思っているのですが、これまで留保金課税をしてきたというその租税原理の正当性と、中小企業を中心にしての財務体質の強化、それが成長にどの程度役立つかという部分の表現ぶりを、しっかり検討してみたいと思っております。

 

○司会

 ほかに、質問ございますでしょうか。

 

○質問

 法人税実効税率で、ちょっとくどいようですけれども、会長の個人的なお話とは別に、答申の表現ぶりとして、中長期的目標あるいは方向性を起草委員の方や他の委員との調整の中で表現ぶりを考えるというお話だったと思います。その方向性ということは、ここのところ引下げという形で、昨日も明確にはおっしゃっていなかったのですけれども、ベクトルとしてはそういうふうに言っていいのでしょうか。

 

○本間会長

 幾分トーンダウン的な要素を皆さんがお感じになっているということは、私自身もちょっと意識している部分がありまして、報道がそこのところに集中的になっておりますし、党の税調のお考え方があることも認識しておりますので、その点で意見をしっかり集約してみようということですが、これはやはり国際的中立性という観点がやはり重要でございます。

 何かインセンティブを与えるとか、減税をするというイメージよりも、むしろ、国際的な中立性の中でハンディを負わない状況をどうつくっていくか。こういう認識を成長力との関係の中では出していくべきだろうと思いますし、今までのご議論の中ではその方向性が強かった。今日、高木委員からあのようなご指摘がございましたので、そこをどのように勘案するかという問題はあるのだろうとは思います。

 

○質問

 2点ありまして、1点目が、公開されている会合ではほとんど議論のなかった消費税について、答申での取扱いをいかがするかということ。あと、今日の総会で、所得税について考え方を示すようにという声も幾つかあったと思いますが、その点については取扱いをどうされるのか。

 以上、2点についてお願いします。

 

○本間会長

 財政健全化、それから2011年のプライマリーバランスの黒字化、ここはしっかり押さえながら歳出をきちんと予算編成の中で実現してくれと、こういうことは、我々は今日の議論を踏まえて書きたいと思っています。ただ、歳出のカットの部分と歳入の部分をリンクして消費税はどうあるべきかということ、それだけを取り出して議論をすることは今年の年度改正では我々は触れない、こういうことだろうと思います。

 それから所得税の問題は、お聞きになっていて、伊藤委員の総合所得税的な考え方と、最近の特にヨーロッパあたりで資本移動を前提にしながら二元性所得--横山委員の言葉で言えば、私とか井堀委員は最適課税論というものに位置づけられておりまして、これは分離課税的な考え方をとっているわけですけれども、私は皆さんにそれを強要するつもりもありませんし、そのことが結果として効率と公平さにどうつながっていくかという議論を、今後はしっかりやらなければならないと思います。

 ただ、年度改正で、そこの理論的あるいは実際的な金の動きの部分、例えば法人税と所得税の関係がございます。したがって、その辺のところを詰めた形で議論することはできないわけですが、税制としての所得税の関連の問題について、触れるべきところについては、箇条書き的な形になるのかどうか、これはまた起草委員のメンバーと考えてみたいと思っておりますけれども、今日は、その点について触れるべきだというご議論がございましたから、工夫をしてみたいという具合に思っております。

 

○質問

 来年以降、検討すべき点を並べる、そういう理解でよろしいですね。

 

○本間会長

 そうですね。今年は皆さん就任して大変な思いで、しかも、出席率を見ていただいたらおわかりのとおり、非常に高いんですね。新税調委員、非常に意欲に燃えておりますので、そういう意欲とそれぞれのお立場の識見を最大限活用させていただきながら、今年表現できる部分については表現する、方向性について書けるものは書く、こういう形でやりたいと思っています。

 

○質問

 先ほどのやり取りの中で、少しトーンダウン的な要素を感じているかもしれないが、というお話がありましたけれども、それは、実効税率の部分の書き込み方について若干トーンダウンさせる必要があると思われている、ということなのでしょうか。

 

○本間会長

 いやいや、私と皆さんとの取材の中での会話とかそういうものについて、持論は持論として、そこだけを発言することは誤解を招く可能性がありますから、その点について控えると。もともと今年度の答申に、法人実効税率何%下げろなどということは全く考えておりませんでしたし、中長期の税制改正の方向性として、活性化や成長との関連、国際的な中立性の観点で、これは議論をしなければいけないというような書きぶりにしたかったわけですので、そこの反映ぶりについては全く変わっておりません。これは起草委員とこれから議論して表現ぶりを工夫したい、こういうことです。

 

○質問

 もう1点、昨日、いろいろやり取りがあった証券税制のところですけれども、スムーズなソフトランディングを考えたいというお話があって、今日も、軽減税率とかそういうことを考えているというような報道もありました。今考えていらっしゃるのは、廃止して軽減税率を設けるとか、そういうことなのでしょうか。どういうイメージで考えていらっしゃいますか。

 

○本間会長

 私は軽減税率なんかひと言も言ってないと思いますよ。皆さんのご意見の大半は、ご承知のとおり本則に戻すと。その際に起こり得べしリスクに対してどのような緩和措置をとっていくか。緩和措置というのは、税率を調整するというような書きぶりは答申の中には全く出てこないと思います。実務上の工夫であるとか、そういうような問題について一つの配慮をすべきことだろうと思いますし、皆さんがご指摘された懸念材料についてどのように書くか。もちろん、軽減税率をご主張された方もいらっしゃいますから、そういう部分をどう扱っていくか。これはまず起草段階で議論をして、企画会合でまたお諮りして最終的にまとめたいということです。

 ただ、何べんも申しておりますけれども、幾分月例的な形で表現ぶりが弱くなるとか、あるいは、下期の決算が幾分これまでよりも修正されずに弱いような状況、そういう2つの要因と税の問題が絡んで、テンポラリーに市場に対して悪影響を及ぼすということについては、リスクについて回避することができるかどうか。今、こういうことが私の頭の中にはある、こういうことであります。

 

○質問

 そうすると書き方としては、方針が変わったとかそういうことではないと。

 

○本間会長

 全くございません。

 

○質問

 例えば延長とか。

 

○本間会長

 いやいや、そういう表現ぶりは全くご議論も出ていませんし、我々としてはそこのところは原則的な形での表現ぶりをとり、懸念材料を言う。それから、例えば配当の二重課税の問題とか、リスクテイクするための税制はどうあるべきか、こういうことはご指摘の中にございましたから、所得税の根幹論との関係の中で、それは今後、我々が税調で議論しなければならないテーマになっていく。そこは留保条件として書く可能性は、起草委員のメンバーとの関係の中で出てくることは予想されますけれども。

 

○司会

 ほかにご質問ございますでしょうか。

 

○質問

 すみません、ちょっと今日の総会の話とは外れてしまうのですけれども、今日、尾身財務大臣が経済同友会の北城さんと会いまして、その中で同友会から、エンジェル税制の優遇について継続・拡充をお願いしたいという意見がありました。それに対して、エンジェル税制いろいろ種類があるのは認識しているのですが、どの点についてということは明確ではなかったのですけれども、「前向きに検討したい」というようなことをおっしゃられたんですね。エンジェル税制について、今回の税調ではあまり議論されていないかと思いますが……。

 

○本間会長

 今日、飯塚さんからもそのような発言がございました。あの発言の中には、今年の審議の内容からすれば、留保金課税の問題とかそういう問題がひっかかってくるだろうと思いますし、相続税の問題の事業継承の問題なども絡んでくるだろうと思います。そのコンテクストの中で、エンジェル税制について今の状態がいいかどうかということも含めて、これはおそらく皆さんご異論がないのではないか。起草の段階の中で、エンジェル税制についてさらに検討を深めるべきだと、こういうような盛り込み方を今年はすることになるのではないかと思っています。

 その具体策については、尾身大臣がどういうことを念頭に置かれているのかわかりませんけれども、おそらく今申し上げた2つのポイントの中で、エンジェル税制についての色彩の部分のところを引き伸ばすようなことを考えていらっしゃるのか--これは私の予想ですけれども、プラスアルファで何か独立的な提案が、党のほう、あるいは尾身財務大臣の中でどうなのか、ちょっと私は情報をつかんでおりません。

 

○質問

 そうすると、さらに検討を深めるべきだというのは、単にもっと議論して検討をしようよという意味なのか、もうちょっと……。

 

○本間会長

 もう少しポジティブという具合に。これは個人的な意見ですけれども、私自身はエンジェル税制はやはり必要になっていくと思います。今日、原さんが繰り返し述べられていた長期的な研究開発投資のところなども、いわゆる「死の谷」というのがありまして、あれを克服するためにどのような対応が税の中であり得るかとか、そういう問題は当然出るだろうと思います。

 ただ、今年、それを具体的にどこまで書けるかどうかということは、これはイントロ的な形で書いて、来年からの一つの大きなテーマとしなければならないと思っています。

 

○質問

 今年の答申に何か方向性を示すような感じになるのでしょうか。

 

○本間会長

 今日は、ご議論が出て、それは重要なテーマだということの理解はあったと思いますが、そこについてさらに深堀りした議論は当然触れられないという具合に思います。

 

○質問

 今日の総会の中で、何度か信託税制について意見を述べている委員の方が何人かいらっしゃったと思います。それに対して本間会長は、税の面でネガティブな扱いをすべきではない、その方針を踏まえて考えていく必要があるということですけれども、これは方向性としては、事業信託などに対する課税問題というのをどういう方向で考えていくのか。いまいち、やり取りで会長の発言の真意がよくわからなかったので、ひと言お願いします。

 

○本間会長

 企業再編等、あるいは公益的な活動の活性化という点で信託の問題は出てきているわけですから、それができたときに、悪い部分のところを事前に予想して使い勝手の悪い形にするというのは、これは本末転倒なわけで、そういう意味で、いわゆる租税回避的な側面を使わせないで活性化に結びつけていくことが非常に重要であると。しかもこの問題は、いろいろなケースが存在することが出口委員あたりからの問題提起であるわけで、これは考えてみますと本当にいろいろなバリエーションがあるんですね。

 ですから、今、つくるときに事前に網をかけて、信託レベル等でガーッとやるなどという話はやはり回避すべきだと思います。それから、徐々に徐々に税を整備していく、こういう流れの中で新しい装置としての信託の活用の有用性を社会の中に位置づける。そして、公益的な信託から非常にプライベートな信託までいろいろな要素がありますから、その両面においての公正な税の執行というものを勉強しながら、実務的にも進んでいかなければならないという認識にいるということであります。

 

○質問

 当初はパススルー課税の原則は維持しつつ、実態を見ながら考えていきたいと、そういうお立場でよろしいのですね。

 

○本間会長

 これは、実務当局も含めてまだ慣れていない話ですから、そのとおりでありまして、最初から性悪説に立って使い勝手の悪いものにしてしまったら元も子もない、こういう具合に考えています。

 

○司会

 恐縮ですが、本間会長は後にご予定が入っておりますので、あと1問、受け付けますけれども、どなたかございますか。

 どうぞ。これで最後にしたいと思います。

 

○質問

 先ほど財政審の「建議」がまとまりまして、財政審のトーンとしては、経済成長の前提は歳出削減なり財政再建だ、そういうことを前提にして安易な減税についての議論はすべきでないと。特に法人税率の減税の議論とか、道路特定財源の問題がかなり強調されていたようですけれども、そういった安易な減税というふうな指摘があります。この点について本間会長はどういうふうに考えていらっしゃいますか。

 

○本間会長

 私は実は財政審にもかかわっておりまして、ここのところ、ほとんど出席できないような状況で、こっちに精力を注ぎ込んでいる状況なんです。私の頭の中ではそこは全く矛盾していないことでありまして、表現ぶりがどっちを先に持っていくかということだろうと思います。したがって私の税調の立場からすると、税の部分に口を出していただくのは結構ですけれども、歳出のほうをしっかりやってくださいよね、と。これは私の半身で言っているわけですけれども、「量出制入」という言葉が財政の根本です。「出づるを量(はか)って入るを制す」、これが前提ですから、出るところをしっかりやっていただきたい。

 その上で、今、「活性化」ということが一つテーマになっておりますから、循環的に原因と結果が常にぐるぐる回っている部分があるわけで、その点で、中立的な税制をどう構想していくかということが我々の一つのミッションになっているわけですから、安易な税制では全くない。しっかりと歳出削減と、それから税における、いわば不公平感の除去も含めて、課税ベースの拡大も考えながら、活性化に対する方向性を税の中にどう入れ込んでいくか、こういうことであります。決してそれは私は対立するとは思っておりません。

 

○質問

 中立的な税制と今おっしゃっていました。法人税の話だと思いますが、それは、ヨーロッパとかアジアとか、実効税率の表みたいなものがありますよね。そういうのを見通したときにハンディを負わないと。いわゆるイコールフッティングとか、そういうことをイメージされているのですか。

 

○本間会長

 一つはそういうイメージです。ただ、わりと皆さんがあの表に依存して、状況が固定的にとらえられている部分がありますけれども、これからは、減価償却を入れたり、租特を入れたり、法人所得に対する実効税率というのは、これから我々はしっかり勉強したいと思っています。そういう点での中立性ということも念頭に置きたい、こういう具合に思っています。

 

○司会

 では、これで会見を終了いたします。ありがとうございました。

 

○本間会長

 どうもありがとうございました。(了)

 

 
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