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議事録・提出資料

 

 

税制調査会総会(第51回)・基礎問題小委員会(第60回)後の石会長記者会見の模様

(平成18年7月14日(金)16:06~16:30)

 

(石会長)

 いろいろな議論を重ねてまいりました。6月末から、個別の具体的な議論もいたしまして、一応夏休み前の議論は今日で終わりたいという趣旨のまとめをしてきたわけであります。

 過去にやりました主な論点を、再度調整した資料を出しました。お手元にあるかと思いますが、このような項目を具体的に取り上げて、中期答申の真ん中に据えたいと、このように考えておりまして、具体的には9月に入ってからと、このように考えております。

 今日、出されました意見、議論を幾つかこれから活かしていくわけでありますが、それにつきまして、どういうところが問題になるかということを少しまとめておきたいと思います。

 議論に先立ちまして、木さんから非常に興味のある、かつ有益な問題提起、データが出されたと思ってます。これは仮定さえ認めれば、このとおりの結果が出てくる。問題はその仮定等々に向けてどうするかでございますが、当然のこと、金融所得課税を入れれば累進度は落ちるというのが事実でございまして、課税の公平とか、所得税の再分配機能を高めるとか等々いったときに、金融所得課税のこれからの取り扱い方が重要になるという意味では、大変参考になったと思っています。

 内容の方ですが、第1点は骨太の方針、歳出・歳入一体改革とどう絡んでいくかという議論、これが何人かの方も出されまして、実はこれ非常に重要な問題意識だと思っています。と申しますのも、今回、我々の中期答申が後ろに延ばされたのも、ひとえに骨太の方針、あるいは歳出・歳入一体改革の議論とひっかけて議論しようという趣旨でございます。そこに盛り込まれております様々な考えを、我々の答申の最初の方にどう活かすかというような、そういう議論があってしかるべきだと思います。小さな政府論のこともございます。それから、骨太の方針には原則が七つあったと思いますが、そういうものの取り扱い方がどう緊密に我々の答申と結びつくかという議論が残るかと思っております。そういう意味で、大きなフレームとの関連で、骨太の方針との連携はやっぱり議論しなければいけないかなと考えております。

 それから第2点は、目指す方向が分かれて、今日また議論がまとまってこないなと思ってるのは、格差社会の取り扱い方だろうと思います。格差社会というものの定義をめぐりまして、随分議論があるというのは、今日各人の主観的判断もございますが、分かれたと思います。その中でどうやって是正するかといった視点のときに、所得税を活用しようというのは、ある方向としては重要だと思います。その中で再分配機能を高めるという視点から、最高税率をどうしようかという議論は残るし、あるいは金融所得課税、今、優遇措置で10%に株譲渡益と配当がなっていますが、それを戻すということは前提ですが、その後どうするかという議論は様々あると思います。つまり、総合課税に戻っていくのか、あるいは二分して勤労性所得と資産性所得をはっきり分けて、分離課税の方針でいくのか。あるいは分類所得税でいくのか、この辺のことはある程度議論としては煮詰まってはおりますが、再度確認はしたいと思います。

 いずれにいたしましても、格差社会というのは骨太の方針からも出ている話でございますので、それは第一点と絡めて、これからどういうふうな形で詰めていくかという議論は残ってこようかと思います。

 第3に、冒頭、地方分権に関しまして幾つか議論が出ましたが、ご存じのように3兆円の税源移譲が所得税から住民税に送られました。10%のフラット化というのが行われるわけでありまして、中央の側から言いますと、住民税が非常に重要になってきたと。したがって、課税もしっかりやらなければいけない。それから現年課税、この実現に向けてもうひとふんばりしなければいけないという問題意識、これは皆さん共有した議論であろうと考えております。ただ、現年課税はやはり聞けば聞くほど、技術的に難しい問題がありますので、この辺の問題をどうクリアするか。どこに今苦労しているかというような話は、9月早々の税調の会合で再度出してもらって、そう簡単にできるのを拒んでいるというスタイルの議論ではないということを、委員の皆さんの中で理解してもらう必要があろうかなと考えております。

 それから、第4点になりますが、高齢者というものの取り扱い方で、受益と負担の関係でどうすべきかというようなものを特に強調しているということもあり、これについて余り大きな相違点はなかったと思われます。ただ、税制の世界だけで考えるのか、あるいは社会保障まで入れて高齢者の扱い方を考えるのかによってかなり議論が分かれてくるんですよね。そういう意味で、少子化だけ日が当たっておりますが、高齢者の負担のあり方、受益との関係、これにつきましては、やはりこれから議論をかなり詰めていかなければいけないかなと、このように考えております。

 重要な点は、幾つか他にもあるんですが、例えば法人税については、活力との関係において、どういうふうに結びつけていくかということについて、必ずしも今日同じ方向で議論が行っているわけでもないとは思ってます。そういう意味で、これから夏休みに入りまして、起草的な資料が出ておりますので、その資料というのはこの「主な論点」ですけど、これをベースにいたしまして、素案なるものをいつかの段階でつくり、それをベースにして今日皆さんからいただいたような議論を、だんだん紙に落としていくという作業をいずれやらなければいけない。それは9月に入ってからだろうと思ってます。そういう意味で、いつ答申を出すのか出さないのかは決まってませんけれども、夏休み明けからはそういう作業に入らなければいけないかなというふうに考えております。

 今日は、大変活発なご議論をいただきまして、ほとんどの方々がご自分の主張をされたという意味において有意義な会合であったと、このように考えております。

 それから、ちょっと思いついた事項を申しますが、納税環境の整備というのは、納番も含めてかなりこれから大きな問題になってこようかと思います。課税の公平感達成のためにも、あるいはやはり税務行政というものがずさんでない、あるいは租税回避、あるいは脱税、そういうものを認める方向に行っていないんだというようなことも、納税者の皆さんには理解してもらわなければいけない。それからe-Taxの問題も改めて出てきたというようなことがありまして、納税環境整備なんていうのはしっかり将来の、言うなれば税負担のあり方とも絡めて議論しなければいけない問題かなと考えています。

 二つほど追加をいたしましたが、以上のような論点が、今日の議論を踏まえまして、今後固めていくべき論点じゃないかと思います。以上です。

 

(記者)

 幹事からお伺いします。格差社会なんですが、総裁選のテーマにもなり得る重要なテーマかと思いますが、今後このテーマについて何か集中的に議論されるようなお考えはあるのかということと、方向性が大きく異なっているということで、いつぐらいまでにある程度の方向性にしていかなければいけないとお考えか、お伺いしたいんですか。

 

(石会長)

 格差社会があるのかないのか、実態はどうかというのは、これは意見がかなり分かれているんですよ。国内で考えるだけでいいか、グローバルで考えればいいかも踏まえて、税調として格差社会の実態調査云々というところまで広げて議論というのはしにくいと思ってます。ただ、俗に言われます格差社会の是正については、税制をどう活用するかという視点からは議論ができるので、それはある意味では所得税の再分配機能の強化、あるいは相続税の言うなれば課税の強化等々も踏まえ、議論はできると思いますので、その辺に力点を置きたいと思ってます。

 

(記者)

 あと今日、日銀のゼロ金利解除というのが行われましたが、これが財政再建に与える影響等はどのようにお考えになりますか。

 

(石会長)

 今日も議論に出てきましたし、冒頭で書きたいと思ってますが、税収確保なり、プライマリーバランスの議論等々もございました。やはり税制の中の構造改革、つまり質的な面でいろんな歪み、ひずみ、不公正、あるいは複雑さ等々があるところをいかに是正するかという形で考えておりますので。日銀のゼロ金利解除、恐らく心配は長期金利が上がって、財政負担が云々の議論。これは我々税調の真正面から議論しなければいけないテーマとも考えておりません。そういうことでありまして、これはこれとして、委員の皆さんの頭の中に入るでしょうけれども、これが答申の中に影響を与えるとも思ってません。

 

(記者)

 今後の進め方ですけれども、前回のときは9月に入ってから何回か議論する中でその辺を考えたいとおっしゃっていましたけれども、今後はそうすると素案を夏の間につくってしまうということですか。それで、9月の頭に入ったらそれを提示しながら、文書に落とす作業というのを改めてしていくと。

 

(石会長)

 我々の任期は9月末ぐらいですから、議論を再開するにしても、1カ月ぐらいの話です。その初めの方からそういった文章化したものを、やはり具体的につくって議論していかなければいけないと思ってますから、それは9月に入りましたら、最初は総会だろうかと思いますけれども、早急にそういう作業に移りたいと考えてます。

 

(記者)

 金融課税なんですけれども、先ほどのおっしゃったことだと、優遇税制を元に戻すということはまだある程度前提として、その後をどうするかということについて、いろいろなことを考えていくということですか。

 

(石会長)

 金融所得課税のところにはっきり書いてございますように、ここは余り今日何か、皆さんいいと思ったせいで議論しなかったかもしれません。要するに勤労性所得との違いを金融所得に求めて、基本的に分離課税にしたいということをはっきりうたいたいと思ってます。これに皆さんご賛同いただければ。これは意味するところは非常に大きいんでありまして、従来どちらかといいますと、総合課税の果たす意味を考えつつ、現実的内容からいって、まあ分離課税でしようがないかなというような話で、戦後ずっと来たんです。それに対して、一区切りつけたいと。つまり、勤労性所得、金融性所得を分けて、各々の間で損益通算を認める等々というような、二つに分ける、二元的にやっていくというような話が、皆の賛同を得て書き込めれば、それはそれで一つの所得税改革の大きな方向づけになると思ってます。それに絡めて、恐らく納番等々の議論が出てくるでしょう。これが一つメッセージになるかなとは思っています。

 

(記者)

 今日、新しく加わった文章のところで、消費税で歳入増を図り、所得税は税収中立を原則とするというのが入っているんですけども、これは基本的にこの答申でもそういう考えでいくということですか。

 

(会長)

 そういう意見がこの間出たんです。これは、ご存じのように必ずしも一本化していない箇所が幾つかあるんですよ。そういう意味で、前回出た意見が全部共通するわけじゃありません。今のようなご意見について賛同の人もいたし、所得税というのはあくまで質的な面での改革、すぐさま税収増に結びつけるような改革は難しかろうという判断もある。つまり、消費税が表に出れば、あるいは先に出ればね。そういう発想で、とりあえず税収は消費税、それから所得税の方は今言った不公平だとか、歪みとかいう点から、控除を見直すとか税率見直すとか等々の方ということをやろうという趣旨の意見があったんで、これは紹介してありますが、一つの考え方ではあろうかと思ってます。

 

(記者)

 先ほどの金融所得課税の部分ですけれども、そうすると、さっき、最初にちょっとおっしゃってましたけれども、優遇税制についてはそれをそのままやめるのはもちろんのこととしてと。つまり、一方で分離課税の方をうたいたいと。

 

(会長)

 でも、今、既に分離課税でしょう。

 

(記者)

 ただ、総合課税を……。

 

(会長)

 分離課税を認めるということは、そこまでいかないということですよ、逆に言えば。分離課税を公式的に認めれば。つまり、分離課税はあくまで継子扱いにしてて、いずれは将来総合課税をという発想ではないということですよ、そこは。これは世界の税制改革の動きですからね。必ずしも、総合課税はそれほどいいもんじゃないということも、今、世界の学会のレベルでの議論でありますので。世界的な動向を踏まえれば、こういうふうに資産性所得と勤労性所得を分けてかけようという議論が大きな流れになっておりますので。そういう流れに日本の所得税制もなるだろうと、あるいは、そうすべきであるという発想があるということですね。

 

(記者)

 分離課税については、今の格差社会の議論の中でも関連してて、不労所得を優遇するものだというような批判もあるんですけども、それについては。

 

(会長)

 実はですね、支出税というタイプとると、資本所得あるいは金融所得は税率ゼロでいいんですよ。つまり、二次性所得ということを踏まえてね。それを言いつつも必ず、アメリカもそうだし、どこの国もそうですけど、配当とかキャピタルゲインで税をかけざるを得ないんですよ。15%とか20%、分離課税。それはそれで今おっしゃった、一般の納税者から言いますと、不労所得的な扱いを優遇するわけにはいかないだろうと。少なくとも課税しなさいと。ただ、金融所得というのはご存じのように、勤労所得みたいに定期的に出てくる所得ではないし、足の速い所得だし、それから所得の発生も操作できるんですね、株の譲渡益みたいな。そういう特殊性がありますから、別にくくれと。そして、比例税率をかけると、これはどこの国も大体そういう方向で来てますから、それを公に認めるか、あるいは継子扱いにしていずれはそれをなくして総合課税にするかという選択ですね。そこではっきり、皆の議論を聞いてでありますが、整理をつけたいというようなことになっていくと思います。

 アメリカというのは総合課税、これは事実だけど、あのアメリカでさえ配当とか株全部よけて分離課税なんですよ。だから、できないということなんですよ、総合課税、そこの所得は。不労所得とは言いつつも、そういう現実的ないろいろなシェアがあるということね。

 

(記者)

 今日の論点整理のところで、たばこ税なんですけど、要するに健康増進と絡めて考えるべきじゃないといったような意見が出てると。そういう場合は、新たな税をつくるべきではないかというような、要するに二つの相反する意見があるんですけど。会長、この間の会見では健康問題と絡めて考えることもというようなことをおっしゃってましたが、これは要するに意見なんか大分分かれているということでしょうか。

 

(会長)

 どうですかね、今日は時間もなかったせいか、酒、たばこの意見が出なかったので、議論がなかなか難しいんですが。従来から酒とたばこは、どっちかというと税収確保の点でペナルティー的な意味合いを持たせていないというのが伝統的なんで、これに健康志向とかですね、それからシンタックスという観点が入れば、新しい問題提起になるとは思います。しかし、税調の中で一本化できるかどうか、これからの議論ですが、こういう新しい見解、新しい質問が出てきたというのは、一つの特色じゃないかと思います。

 

(記者)

 消費税の目的税の話でちょっと伺いたいんですが、今日、目的税を余りはっきり出すべきじゃないという意見と、現実的にはやむを得ないという意見と両方あったと思うんですが、中期答申はどういう扱いになるんですか。

 

(会長)

 従来のトーンを言うならですね、仮に消費税の引き上げが起こるときには、納税者の理解を得るために社会保障との関係ですか、受益との関係を位置づけるという視点がありますから。今後増えていくのは歳出では社会保障給付ですよね。それから、仮に税収で言えば消費税でしょう。上がるもの同士のリンクというのは当然あるわけでありまして、それは説明がしやすいと。ただ、それを目的税というのか、目的税化というのか、この制度設計はなかなか一概に決めがたいでしょう。

 それと同時に、社会保障給付の中身、年金給付、医療、どこまでやるか、様々な問題が絡んでますよね。今日、触れなかったけど、地方消費税の話もこれに絡むような話でありますから、これは今の我々の答申の段階でイメージ的に、何か明確な方向が出るという問題じゃないと思ってます。ただ、今言った両者のリンケージを説明するというようなことで、納税者の理解を得るというのは当然あり得る話ですから、そういうことは最低限やっていきたいというところまでだと思いますけれどね。

 

(記者)

 骨太の方針と絡めて前文とか書いていきたいというお話だったんですが、我々のある種関心事の、いわゆる消費税率って、すごい関心だと思うんですけども、この11ページの税率の構造のところで、消費税率が欧米並みの2けた税率になった場合ということで、これぐらいしか税率に関しては文言がないんですけれども、どうでしょうか、上げ幅だったり、今後のあるべき税制でそういう幅というのは書き込む予定というか、お考えはありますか。

 

(会長)

 ないですね。その辺は骨太でも何も書いてないじゃないですか。我々のその辺のメッセージを酌み取っていただくには、欧米並みの先進国並みの2けたということが載ってますから、あの図を眺めてください、お配りした図を。これも人様々な解釈だから、我々としては一般的、観念的に中長期の視点から言っているのでありまして、これが次の2011年にすぐさまこのとおりになるかどうか全く考えてませんね、そういう意味ではね。

 

(記者)

 中長期の視点で言うと、やはり今までどおり会長のお考えは、大体欧米並み2けたぐらい……。

 

(会長)

 になれば、軽減税率を考えると言っているんですよ、一つは。それから、将来、長い目で見れば2けたにはなるでしょうと。二つ、我々は過去の答申で言ってますから、その看板は恐らく下げないでしょう。だけど、これを今、議論している中ですぐやるという話ではないですよ。いずれそうなるだろうということです。

 

(記者)

 あと一点だけ。控除の方で一点、改めてお伺いしますが、ニートやフリーターの割合が多くなっていると。ここにも、今回の論点の中にもありますが、彼らに対するいわゆる控除……。

 

(会長)

 ニート、フリーターは、大体所得税を払ってないですよ。

 

(記者)

 それに関して、どういうふうに考えていらっしゃるか。

 

(会長)

 これは、ちょっとそういう分配に関する意識の高まりで書いてあるんで、所得税の控除や何かの兼ね合いで書いているのではないですよ。つまり、分配面でジニ係数云々は、高齢者世代のウエートが増えたということと、ニート、フリーター、20歳代の世代がまた増えたというような話があるので、分配問題に関しては、ニート、フリーターの増加を念頭に置かなければいけないというので、これが即所得税改革の中の、所得控除の見直し等々には、僕はつながらないと思います。

 今、申し上げたように、大体所得税を支払っていない人の方が多いでしょう。

 

(記者)

 支払ってない人を家族に持っている世帯主が受けているであろう、扶養控除を廃止するという。

 

(会長)

 扶養控除の問題ですね。扶養控除の問題は、一つここにも書いてあるけど、年齢制限の問題と絡みますね。それは我々として、これは議論します。問題意識としては、日本ぐらいですから、年齢制限のない扶養控除を持っているのは。これはやはり議論の中に入り込むとは思います。

 

(記者)

 今の関連で、消費税の引き上げの時期についても、骨太でも時期も税率も書いてないわけですけれども、先ほど税率については今までの看板を下ろすことはないけれども、それ以上踏み込まないというような趣旨のお話をされていましたが、時期について何か。

 

(会長)

 時期と税率の上げ幅というのは、何度も言ってますように、政治的な決着の問題だと思ってますから、我々の権限の外であると思ってます。改めてそこに対して我々が明確に書くということはあり得ないと思ってます。

 

 

以上

 
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