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議事録・提出資料

税制調査会総会(第41回)・基礎問題小委員会(第50回)後の石会長記者会見の模様

平成18年3月28日(火)12:10~12:28

 

(石会長)

 税調の総会並びに基礎問題小委員会合同の会議が終わりました。それを受けて、今後どうするかというようなことも含めまして、私から二、三申し上げます。

  今日は二つテーマがございました。1つは、財審が出しました、例の歳出削減でやったら今後どうなるかということを主体とした歳入歳出一体改革の「試算」でございます。昨日は、ごく限られた人ですが、税調と財審の委員で議論いたしまして、それを受けて、税調全体にこの意見をという形で今日お話をいただいたわけであります。三つほど、印象を受けた点があります。最初は、やはり当然のリアクションの話。もうちょっと政府内部の改革の厳しさがあってもいいのではないか。とりわけ特別会計、あるいは資産処分、あるいは人件費等々、出ましたけれども、今回は技術的な推計をしたわけでございますから、いろいろな仮定がある中の一つだろうとは思っています。自然増収をもうちょっと高く見てというような話も、これまたあったわけでありますが、それはそれでまたいろいろな選択肢の中で議論すべきなのでありまして、今日出されたものは一つのスタンダードのタイプとして、我々として受けとめるべき。印象として、これを国民に対して出したときの、リアクションというか、これがどうなるかということについてのご心配を何人かの方が申されておりましたが、まあそうかなとは思います。

 第2点は、いろんな議論があって、例えば100兆円、資産を処分すればいいとか等々出ておりますが、今回のこの資産の一つの特色は、プライマリーバランスの均衡化、あるいはプライマリーバランスの2015年以降のGDP比率を1.5%にするなんていうときの財源調達と、やはり770兆円、あるいは国だけで言うと500兆円を超えるものの債務残高を減らすということは違うんですよね。だから、ストック対ストックベースで起こったら、例えば資産処分なんていうのも、これは当然国債償却に充てるべきで、そうでなくて、剰余金とか何か集めてきたものについて、例えば人件費のいろいろな削減によった効果等々は、それはプライマリーバランスの役に立つでしょう。でも、ここは混同されてますので、100兆円出てくるからもう何も要らないんじゃないかというような話ではないということを、今日再度確認したということだと思います。

 3番目が、これは今後広く国民各層に問うべき内容を持っていると思いますし、そういうことをこれからやらなきゃいけないと思っています。これは単なる脅しではないかとか、非常に奇想天外であるといったようなご意見もないことはないと思いますが、それに類した議論とは思いませんけれども、そういうご意見も今日はあったわけですね。ただ、あくまでこの種の計算をし、いろいろな質問に答える形で出たわけでありますから、やはり代替案をもって批判していただかないと、議論は建設的にならないと思います。相変わらず情報を隠してるんじゃないかとか、相変わらず計算が一方的であるとか等々、そういうご批判があるなら、この種のことを別途改めてやってご議論いただくという形が必要ではないか。私は、今回の歳入歳出一体改革の中で、歳出カットあるいは行革による「痛み」をどのぐらいにするかということを国民各層に諮る必要があると思いますし、それと増税の「痛み」を比較して受益と負担のバランスを考えるというのが、これが健全な姿であろうと考えております。恐らく政府内部も徹底的に改革した後、歳出カットの「痛み」と増税の「痛み」を比較して、どっちかをとるというような議論がこれから行われないと、健全な財政健全化のプランは出てこない、このように思ってます。

 第二の林さんのお話ですが、これは実は二つともセパレートの話かと思ってたんですが、そうじゃないですね。林さんのお話は、海外の動向も踏まえて、かつ、ある意味では財政再建の先輩国の事例を言っていただいた。これは、私は極めて説得的なご説明が多々あったと、このように考えております。特に必要なことは、プルーデントな目標を立てる、ルールをしっかりさせるという形で、対外的に情報公開と透明性を増すといったようなことが、何といっても重要であるということで、今後我が国としても学ばなければいけないと思っています。

今回の歳入歳出一体改革、これは6月にまた諮問会議をやると思いますけれども、まさに2011年までにプライマリーバランスを均衡させて、2015年GDP比率1.5%のプライマリー余剰を出そうと、こういうのはある意味ではプルーデントかもしれないし、ある意味ではルールかもしれない。ただ、これは単なる一部局なり一政府の機関がやっているだけでありまして、国としてやっているわけではないので、この種のフィスカルポリシーの、ある種の運営ルールを今後どうするかという議論があってしかるべきであると。それに対して一つの問いかけになったというふうに今回の議論は受けとめておりますし、林さんがそれを裏づけしてくれたというふうに理解をしております。

 それから今後の進め方について、かつ先進諸国の教訓という点から言えば、誰かのご質問に答えておりましたけれども、国民の中での危機感共有ということについて、もうちょっと理解を深めるべく議論をしなければいけない。長期金利上昇ということが見えてくれば大分違ってくるのかもしれませんが、それが一つと、第二はやっぱり、僕も前から思いますけれども、政治的なリーダーシップですよね。これがあって初めて痛みを伴う改革ができるわけでありまして、小泉改革によって大分痛みを伴うものも出てきましたけれども、さらにこの傾向は続かざるを得ないというふうに考えております。

 今日、基礎的な勉強なり、既に政府内部で出されておりましたけれども、歳出歳入一体改革の理解を深めるべく議論し、私は非常に有意義な会合ではなかったかと考えております。

 来月に入りまして二度ほど税調を開く予定であります。今と同じように、総会と基礎問題小委員会合同でやる予定でありますが、共にまだ詰めきれていない問題につきまして、例えば地方財政の専門家の話を聞いてみたいと思いますし、諮問会議で歳出歳入一体改革の中間報告が出るかもしれないという話がございましたのでそういう話も聞いてみたいと、このように思っています。連休明けはまだ固まってはおりませんが、しかるべき時期から個別の税について、少なくとも総論的な話から始めたいということと、中長期の視点で我々は議論するわけでありますから、過去にどういう議論をし、その中から何を中長期の中で我々として再度意見を整理していくかという視点からの議論を始めてみたいと思っていますが、まだ詳細は決まっておりません。

 以上です。

 

(記者)

 昨日、予算の成立とともに来年度の税制改正関連の法案、整理したわけですけれども、定率減税の廃止、あるいは3兆円の税源移譲等々が正式に決まったわけですが、改めてその所感といいますか、この近年の税制改正の中での位置づけといいますか、その辺についてお聞かせいただきたいと思います。

 

(石会長)

 今日、財務省と総務省の税担当の局長から、税制改正法案が通ったという形で御礼とご報告がありましたけど、スムーズに法案に盛り込まれたものが通ったということは、私どもとしても、評価すべきだと思ってます。税源移譲につきましては、これ三位一体改革の中で、外側から決まった話でありまして、我々としては、どういう移し方をするかという形で一つ案をつくって後で確認するわけですが、ただ、あれを受けて、所得税の中あるいは住民税の中、これやっぱり今後、まだ修正というか、その整形が必要。今回は全ての納税者に負担が不均等にならないという視点のみでやってますから、例えば所得税の世界で言うと、あの累進税制の体系でいいか等々、あのような話がいろいろ議論があると思います。定率減税のことに関しては、ここ数年来、我々が主張しておりまして、幸い日本経済も上向きになっておりますから、まあ秋にもう一回チェックは入れるにしても、全て廃止になるというのは、今後の税制改革の流れの中で、ひとつ非常に重要なことかなと、このように考えております。つまり新たな増税ではない、減税を戻したという意味と、それから、税額控除でやってますから、定率減税があっては、極めて税の姿としては、ある種困るんですよ。ああいうふうにすべて計算した後に、あれだけの巨額な税額控除をやってしまうということは。所得税の抜本的な議論をするときに、あれを直しておかないとどうしようもなかったと思ってますんで、個人的には私は一つの成果かなと思ってます。

 ほかにもいろいろ、これから非営利法人についての寄附金税制等々の議論も起こるんでしょう。それから法人税についてR&A等、それから設備投資減税等々の3年の時限が切れて、これも日本経済の動向から言えば、当然廃止でもいいと、このように考えております。今後の本格的な税制改正に向けての基礎的な準備態勢の中の幾つかの重要なものは、今回の税制改正の法案の通過によって、ある程度実現したと思います。ただ、これからさまざまな問題を抱えた個々の税につきましては、これからの議論だと思ってます。

 

(記者)

 これから、歳出歳入一体改革といいますか、消費税を含む抜本的な税制改正の議論が本格化するわけですが、国民の関心事は、法案の提出時期等についてですね、まあ来年の通常国会提出を目指すべきだとおっしゃってるのは谷垣大臣ぐらいで、なかなかそこはまだ見えてこない部分なんですが、そのスケジュール感についてですね、今、何かお考えは。

 

(石会長)

 法案をいつ出す等々の話しはまさに政治マターでありますから、税調としてはちょっと関知し得ないと思ってます。我々の今後の予定は、いつになるかまだはっきりしてないんですけれど、3年経ちますから、9月をめどにとりあえず中期答申をまとめたいと思ってます。ただ、小泉さんはおやめになると言ってますから、それをどっちの首相に出すのか。その議論は残るでしょう。それから、その中期答申を出した後に、また来年度、税制改正の議論が始まるわけでありまして、それとの絡みで、その中期答申と年度改正の議論がどうつながっていくのか。これもちょっとわかりませんね、政治的な情勢もあるし。それから、3年ごとの税調の委員の交代時期もありますし、不確定要素が多々ございますが、我々としては9月をめどに、その中身につきまして、連休明けぐらいから固めていきたいと、今のところこのように考えてます。

 

(記者)

昨日の財審との合同意見交換会では、歳出をカットした場合にはこれだけの影響があると試算も出されたこともさることながらですね、もしも増収に頼った場合には、2015年度には22%の消費税率が必要であるというような試算も出ました。これに関してはどういう感想を持ったでしょうか。

 

(石会長)

 極めて限られた想定、あるいは仮定でやったわけですから、あの数字がそのまま出るかどうかもわからないですよね。あれは財審でおやりになった仕事であります。我々としては、もしある仮定の下歳出カットゼロでやるなら、ああいう数字になるねという試算で、その数字自体に感想があるというのではなく、まあそうかなというだけの話。これからあれをターゲットにして、どんどんやっていくという話では当然ないでしょう。まあ6月に歳出歳入一体改革の案が恐らく出るけど、これは複数の案が出てくるんでしょう。僕はよくわからないけど、2案か3案かわからないけど、その中には両極端の話があって、その真ん中にいろいろ組み合わせがあるとかというイメージで言うなら、財審がやってくれたのも、その中の一つの例を出したということでありますから、税調としては、これをどうとるのかという話ではないですね。

 

(記者)

 22%、まあ現実的ではない数字だと思うんですが、かねてから石会長、まあ2桁ぐらい、最終的にはそういう姿になるのではとおっしゃっていました。その歳出削減も含めて、大体最終的にどのぐらいのところに意見が集約されると考えますか。

 

(石会長)

 消費税ですか。消費税だけ話してるわけにはいかないんですよ。いろんな税も話さなきゃいけない。他の税の組み合わせもいろいろあるからね。だから、ある税調委員が言ってましたけど、そういう消費税換算はけしからんと言ってますよ。そういうのはわかりやすいですからね。2.2兆円を掛け算すれば必要な税率が何%かと出ますから。それをやると、全て   消費税でやるようなイメージで、消費税先行になりますけど、実際の税制改革はいろんな税で抜本的に考えなきゃいけない。それは前後ありますよ、何でやっていくかというのはありますけどね。そういう意味で何%って全くわからないですよ、今の段階では。それから、受益のほうを削っても増収しなくていいというほうに話がいけば、当然のこと、税収の増収幅は狭く小さくなるわけだし、これからの議論ですよ。

 

(記者)

 これからの議論だと思うんですが、その幅というのは、大体どうでしょうか。

 

(石会長)

 幅って、何を聞きたいの。

 

(記者)

 石会長、何度も聞いてますが…。

 

(石会長)

 2桁の意味か。

 

(記者)

 そうです。

 

(石会長)

 2桁の意味っていうのは10から始まるということ。それからあと何%必要かという議論は、これからのさまざまな受益との関係、あるいは財政再建をどうするかによって決まるわけでありましょう。おそらく、皆さん考えていることは2桁、10%といってもそんな大幅に、10から増えていくという話じゃないでしょ、きっと。またそれは、今言ったようにほかの条件も含めて決まる話だろうと思いますよ。それから、あと何年先かにもよるでしょうね。

 

(記者)

 続いて、ほかの条件によっていろいろ変わってくると、これから歳出削減に関しても議論がどうしても必要だということで、こういうふうに財審と一緒に意見交換会を設けていますが、具体的には、石会長はどういうところの歳出削減が必要だと具体的に考えてらっしゃいますか。

 

(石会長)

 税調会長で今日は出てきているので、歳出のほうに注文するのは越権行為ですよ。財審の委員でもあるけど。大体今日出てきたような項目じゃないですか。一律にやるということが問題であれば、あそこで出たものを、ただ根拠をもってやってもいいじゃないかという議論もあるでしょう。はたまた社会保障費は必然に伸びるんだから、その伸び方を抑える努力をする必要がある等々あるでしょう。これについて、最後どういうふうにやっていくということは。国民の負担のあり方の問題で、全くもって政治家の判断だと思いますよ。そのメニューを恐らく財審等々の案の中で出しただけであって、それを我々がどうこうしろという話ではないですね。わかったでしょうか。

 

(記者)

 今日、最後のほうに出てきたんですけど、財政ルールをつくるときの税収の扱い、歳入の扱いというのは、なんか最後のほうに、あまり意識してないという話でしたけど。

 

(石会長)

 例えば国民負担が50%を超えちゃいけないなんていうのは、ある種の暗黙のルールだよね。ただ、あれには社会保障負担が入っているから何とも言えませんけど、租税負担について何%超えちゃいけない云々というのは、ヨーロッパではないと言ってましたよね、林さんは。恐らくそれは財政のサスナビリティからの議論が来てですね、それから負担感、あるいは負担率、これがどれだけ国民の生活なりマクロ経済にダメージを与えるかというのも試算は恐らくあるんでしょうけども、僕はそれをつくるのは難しいと思いますよ。例えば、50%ぐらいといった場合に、その中身は、何対何、つまり社会保険料と増税でどれだけやるかというのも、議論はあってもいいかもしれませんが、インフレターゲットじゃないけど、あんまりリジッドなターゲットをつくっちゃうと、いつまでたってもいけませんからね。そういう意味で無理だと思いますね、議論は。

 

(以  上)

 

 
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