税制調査会総会(第39回)・基礎問題小委員会(第48回)後の石会長記者会見の模様
平成18年2月28日(火)17:04~17:15
(石会長)
今日の総会・基礎問題小委員会の合同の委員会が終わりました。どういう成果があったかというあたりから、私からまとめて話をしたいと思います。財政制度等審議会と政府税調が、時間はずらしましたが、同一のテーマで同一のスピーカーで問題提起してもらって議論したというのは初めてだろうと思います。若干盛り沢山な内容になってしまったので、財制審は議論の時間がちょっと足りなかったのですが、税調ではそこそこいろいろな意見が出て、今日は我々としては非常に成果があったというふうに考えております。今日の資料は、ある意味では非常に豊富なデータが入っておりまして、過去そして今後の展望等々を議論するときに非常に重要になると思いますので、今後またこれに立ち戻って議論したい。大げさに言えば、宝の山が入っているかもしれません。そういう印象を持ちました。
今日のねらいは、財政悪化が過去どういう理由で起こったかということを、歳出と歳入両面でやったわけです。そして明らかなことは、歳出面では社会保障というのが非常に伸び、これを他の歳出で切っても間に合わなかったということだろうと思います。税収のほうは、過去の減税政策あるいは景気低迷、これによって60兆円ぐらいまで膨らんだ国税のレベルが、40数兆円になっちゃったというあたりの分析を、おのおのの学者にしてもらったということです。
この分析は、大体これまで人々、あるいは我々税調のメンバーが頭に描いていたことの復習だと思いますけれども、今日整理してもらったというのは非常に有益だったと思います。問題は、これを受けて今後どういう形で議論を展開していくかということだろうと思います。最後のほうで河野委員がいみじくもまとめられましたように、現在立場は二つあって、まあどちらに与してという議論は現段階ではできないし、すべきではないだろうというのはそのとおりだと思います。ただ、今日のお二人の議論というのは、どちらかといいますと、自然増収、景気楽観論でやっていく、あるいは無駄を省く、あるいは政府の持っている資産を売却する、そういうことで問題が解決するのじゃないかということに関しましては、かなり懐疑的であるし、そういうことだけではないということを事実として出されたのだと思います。今後、我々としてはこれをもう少し客観的に深めていくということがどうしても必要になってこようかなと、このように思っています。
1998年以降、国債費と自然増収による増収のウェイトが変わってきたということを富田さんはおっしゃっていました。これはある意味では新しい要素であって、風頼みの政策運営、要するに景気を刺激して自然増収で税収を確保して、それで財政再建につなげるのは、極めて狭まったという印象だろうと思っています。まあ何分にも、借換債と新発債で百数十兆円があるのに対して税収は40数兆円ですから、ロットから見ても、これは非常に説得力のある考え方であろうと考えています。
ただ、今日は非常に論点として対立したのは、国と地方の関係だろうと思います。プライマリーバランスも、国と地方合わせて一本で2010年代にバランスを回復したいと言っています。あれはまだ国が赤字で、地方の黒字で消すといったような格好になっているのではないかと思いますけれども、果たしてそれでいいかどうか、これから議論があろうかと思います。そういう意味で今後、財政再建が進むに連れて歳出の見直し、あるいは税収確保等々になると、再度、国と地方の間の関係というのは慎重に議論しなきゃいけない様々な問題があるという感じを持ちました。トータルの意味で、かなり大がかりな議論がこれから必要かなと、このように思っています。
それから次回以降、最初に手がけたいのは、審議の最後でちょっとお話しいたしましたけれども、社会保障制度は、厚労省、あるいは政治主導で年金・医療・介護の改革が進められておりますので、それを実際にやっている担当者からいろいろ聞いてみたい。あるいは研究者の中でも、この辺の問題につきましては非常に大きな問題があると指摘されている方もいらっしゃいますので、その面をぜひやってみたいと思っています。
何分にも財政を取り巻く環境は、将来を展望すればするほど、どうも有利ではない風が吹いていると思っています。言うなればアゲインストの風ですね。一つに少子・高齢化、これは社会保障の経費が自動的に増える要素としてどうしても立ちふさがってきますし、それと金利ですね。この金利の問題というのは、これからいろいろな意味で大きな問題になってくると思っていますので、このアゲインストの中で景気をにらみつつ、財政の健全化をどう進めていくか、その中で税の役割はどうか、社会保障の役割がどうか、それがこれから非常に大きな問題になるという形で今日は受けとめました。
二つの会議を時差をつけてやりましたのは、非常に大きな成果があったのではないかと思っております。
以上です。