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税制調査会総会(第36回)後の石会長記者会見の模様

        税制調査会総会(第36回)後の石会長記者会見の模様       
           平成14年11月15日(金)15:58~16:21

 
(石会長)
 それでは、36回目の総会が終わりましたので簡単に報告いたします。         
 実は、今日、答申の作成に当たっての一任を私と上野代理で取り付けましたので、まとめられる目処がつきました。そして、19日に総会を開きまして、そこで最終的に総会の承認をいただいて、首相官邸で総理にお渡ししたいと、こういう段取りを考えております。と同時
に、今日この後、経済財政諮問会議に行きまして、今日の段階で完全にまとめ切ってきませんし、まだ公表していませんから渡せませんが、審議の状況という形でこれまでやってきたことを踏まえて、こういう方向でまとめたいということを経済財政諮問会議で報告してきたいと、こういうことを考えています。
 今日は、本文が大体16ページぐらいの、そう大部なものじゃないんですが、その内容につきまして幾つか議論をいたしました。これは、起草会合でかなり詰めた後でございますので、内容については全文をすべて議論するという段階は通り過ぎておりまして、修文をした箇所、それから修文要求がどこにあるかという点をめぐりまして、もっぱら文章上の議論として大半の時間を使いましたが、ただ、そもそも論のところまで議論が戻ってご意見を開陳される委員もありましたので、2時間たっぷりかかったということであります。
 5つ6つ、われわれとしてどうしようかという形で、かなり議論した箇所がありますので、ご説明したいと思います。
 連結付加税のアンケート結果、入ってますね。最初にやはり、連結付加税の書き振りをどうしようかという形で、実はそのために主税局が連結納税についてのアンケートをしました。その結果が出ております。ただ、そこに出ておりますように、連結付加税の是非をめぐって、そのアンケート結果が決定的な役割を果たすということではなさそうだということで、一応アンケートはアンケートとして受け止めましたが、それをベースにして、入れるべき、入れないべき、1年でやめるべき、延ばすべきという議論はしませんでした。そこで、はっきり申しまして、この問題は政府税調の中でも真っ二つに分かれているのでしょうかね、しかし、連結納税の問題というのは非常に重要なので、無視するわけには到底いきませんので、一応そもそも論のあり方をめぐって議論をしなきゃいかんというような調子の書き方になると思いますが、連結付加税の問題性を指摘するという形で書き込む予定でございます。
 それから2番目は、ベンチャーとかエンジェル税制とかという中小企業税制のところで幾つか要求がございまして、要求というか、かねて問題意識をお持ちの委員もいらっしゃいますので、まして今の日本経済にあっては中小企業の活性化は非常に重要であるという視点で、従来のようなやり方をより超えた形で何かやれないかという問題提起があり、それをこれから少し考えてみたいと考えています。
 それから、前から問題になっているんですが、NPO、それから寄附金税制、これもそもそもNPOの認定のあり方自体から問題であるというご指摘もあるように、NPOが認定NPOになって、寄附金税制の恩恵を受けられるというところのあたりがもうちょっと議論をしっかりしたいということもあり、その議論を何回か、何人かの間で繰り返し、修文を少し図る場所が出てこようと思います。
 それから、道路特定財源、それから例の暫定税率の取り扱い方ですね。これも非常に難しいんですが、加藤寛前会長以来、われわれ一般財源化ということは強く言っておりますので、その基本方針は譲るつもりはございません。が、暫定税制については、何分急に迫った段階で道路特定財源の結びつきもあり、その税源確保という意味もあり、一刀両断的に、あれも含めて一般財源となかなか言いにくいので、この辺ちょっと歯切れが悪くなるかもしれませんが、当面、現状の維持ということにならざるを得ないだろうというような、そういう書き方にならざるを得ないと考えています。
 それから、最後にかなり時間を割いて、たばこと酒について議論いたしました。そこでご存じのように、この2つは担税物資か財政物資とか言って、他の一般的な商品なり消費財とは違うという意識において毎年議論になるんですが、今年も財源確保という点において恐らく今後、たばこ税、酒税の問題は浮上するであろうと。しかし、税調で決めればいい話でありますから、そこはしっかり書き込もうという形で議論をいたしましたが、これも連結付加税と同じように、やはり右、左、意見がほぼ割れたような形になっておりますので、この
辺はどういうふうに書き込むかということは、少し工夫を要するかと思っております。
 それから最後に、金融機関の不良債権処理と税制という項目を立てまして、案文も書き込んでございますけれども、それについては既に随分議論もしたということもありまして、改めて議論にはならなかったということだけご報告すると同時に、不良債権処理についてもわれわれ問題意識を持って、その結果がどうなるか分かりませんが、とりあえず今出されている問題を受け止めて議論したいというふうには考えております。
 というわけで、今日、現物をお見せするわけにいきませんので、途中の経過、議論の紹介だけで終わりますが、いずれにいたしましても、全て修文等々も一任されましたので、皆さんの今日の議論を踏まえて整理したものを19日にお出ししたいと、このように考えています。
  以上です。

 
(記者)
 まず連結付加税ですが、問題性を指摘する形で書く方向というお話でありますが、問題性を指摘するところにとどまるのか、いかにあるべきかというところまで踏み込んで書くのか。その場合はどういう方向性で書くのか。

 
(石会長)
 いかにあるべきかと書けば、1年でやめる、あるいは2年延ばすというところの価値判断まで含めましてね、結局、そもそも連結がなぜ入ったか、あるいは、連結付加税は何のためにやったのか等々の議論を根っこに置いて、かつ、昨年の今頃の議論では、かなり慎重だったんですね、連結付加税の導入。もう一回答申を読んでいただければ分かりますが。それがまあ、いろんな事情で入ったということも踏まえて、そこから議論をしなきゃいけないという人もいました。
 それから、国として決まって、税法としてスタートしたので、それを2年やるべき約束を1年でやめるには相当の理由がなきゃいかんじゃないかということもございまして、そこで一目読んで、どっちかにどうすべきかということは書きにくい状態でありますので、「あり方を慎重に検討する」というような書き方にならざるを得ないと思います。

 
(記者)
 連結納税のアンケートの関連ですが、税収的に課税ベースの拡大と、それから付加税による増える分、出ると入るで、増収、減収はどういう見通しになりそうかというご報告は事務方からはありましたでしょうか。

 
(石会長)
 ありませんでした。それで、今言ったように、当初 8,000億円ぐらい減収になるという見込みをつけて、そのうちの 1,000億円ぐらいを連結付加税やりたいという、その見込み、まだ私、精査できないんだろうと思いますが、これだけ具体的に連結をやるよというデータが
出ましたから、これから積み上げ計算なり、積算をやってもらえば、ある程度の目処がつくと思いますし、来年度の税制の見積もり等々には役立つ資料になるかと思っています。今日の段階ではその情報は受けておりません。

 
(記者)
 このところずっと話題になっている不良債権処理の関連の税制のところですが、問題意識を持って出されて、いろいろな問題を議論していくというのは当然だと思うんですが、答申の中においては、10行ぐらいということでありますけれども、何か明確な方向みたいなものが入ってくる予定でしょうか。

 
(石会長)
 加速化しようという議論が出ていますし、それに対しては、われわれも当然の方向であるというふうに考えております。ただ、税だけが突出して飛び出ていて何かできるかというと、そうでもなかろうという意識はありますね。
 それから、今日あたりで非常に議論が、今日改まって出てきておりませんが、私の印象では、やはり税務行政とのタイアップというのが非常に重要なんですね。無税償却という形で各企業の判断、あるいは金融庁の判断等々ですべからくすっぽり落とせるのかどうか。そこは税務行政上、その認定も含めて、その後のフォローも含めていろいろなことをやらなきゃいけないんでしょうが、それはそれとして、政策判断といて一歩踏み込んで、エンジェル税制も含めてもう一歩やれることもあるんじゃないかという意見もあり、この辺は問題意識としては、例の3点セットについて時間を割いて議論して、できるできないの論点を整理して、ここで議論するだけの問題意識を持っているというような書き方にならざるを得ないと思っています。

 
(記者)
 今の時点で方向性をはっきりさせて書くという前提のもとに文章が作られていくんだと思いますが、補論に収容せざるを得ない項目というのは、どんなものが具体的にあるんでしょうか。

 
(石会長)
 今言ったあれですか、はっきりしないで、あり方を検討する等々の話になるもの。今言った5つぐらいですよ。まあ、NPO、寄附税制はもっと書けるかな。それから、中小企業等々についてはもっと書けるかもしれません。一番問題は連結、道路、たばこ、酒あたりがや
はりわれわれの問題意識としても、持っている問題をこれからどう処理するかというのは、今後のわれわれの議論の中で…。ただ、各委員の価値観に根ざす問題でありますからね。まして酒、たばこになると、「私は酒もたばこもやりません」という人達から「両方やる」と
いう人もいっぱいいるから、なかなか難しい面もありますけど、議論としてはそんなところが問題かと思っていますが、他はほとんど一本化した問題として取り上げられると思います。

 
(記者)
 ちょっと復習になるかもしれないんですが、金融証券税制のところなんですけれども、改革の方向ということで、今日出された資料にも何点か書かれているんですが、イメージとして、来年度税制改革で取りかかるものと、それから、引き続き検討していく課題にあるテー
マというところの仕分けというのは、ここに、4ページにいろいろ書いてあるんですが、そこら辺の仕分けはどういうふうに整理すればよろしいでしょうか。

 
(石会長)
 4ページの「基本的な考え方」のところに3つあって、「改革の方向」で5つほど並んでいますね。できるだけ早く議論しなきゃいけないという意味においては、この「改革の方向」の中の配当課税、この辺の簡素合理化、それから、特定口座見直し、それから、キャピタル
ゲインの優遇措置の簡素化がどれだけできるかということですが、それ以外の中立性の確保であるとか将来の一体化に向けたというのは、これはより長期的な話ですね。金融所得の総合課税化とか一体化というのを考えている中で。したがって、下の3つあたりがより直近的な課題になるだろうし、上2つがこれからの将来のあり方論とひっかけて、今後金融小などを立ち上げて議論すべき問題と思っています。

 
(記者)
 それでちょっと確認なんですけど、配当課税、投資信託課税の簡素化・合理化とありますよね。これはイメージとして、株式譲渡益課税と配当課税、投資信託課税の税率の一本化と損益通算ということを指していると考えればよろしいですか。

 
(石会長)
 配当課税については、ご存じのように20%ぐらいで統一し、選択性を広げたいと考えています。それから、投資信託というのはなかなか、キャピタルゲインが入っている部分もあるし、こみ入っていますから、その辺の損益通算等々まで踏み込んで議論するかどうか、方向としてはそれを考えたいと思いますが、今のところまだそこは、私個人的にはまだはっきりしたところまでいってないような気がいたします。

 
(記者)
 税収の問題で、政府税調の立場と絡むのかどうかなんですけれども、現時点で今年度の税収については土台とか還付とか含めて2兆を超すような要因があると。非常に大きな税収不足になると。まあ、2兆 8,000億円というふうに大臣は言われていますけど、これだけ巨額の税収不足が発生するというのは本当に尋常じゃないと思いますし、もともとの見積もりからどうだったのかということが問われかねないと思うんですけれども、どうご覧になりますでしょうか。

 
(石会長)
 えーと、どうですかね、過去に何%なのか分からないけど、2兆ぐらいのオーダーで出たことあるでしょう。これより大きいのがあるでしょう。私の感覚から言うと、40数兆円、50兆円近い中で、仮に2兆円、まあ3兆円出ても、10%未満の誤差だよね。起きるんじゃないですか。ただ、ある意味では経済の見通しで思ったより冷え込んだということもあるでしょう。それから、過去の制度改正で、まさに僕らの言う「空洞化」という現象がここで出てきているということもあり得ましょう。そういう意味で、僕はこれは計算上出てくるやむを得ない、見積もりの失敗というよりは、誤差なんでしょうね。誤差が2兆何ぼでは多過ぎるという議論もあるかもしれませんが、過去の経緯から言いますと、そういう見積もりは十分これまでありましたし、もっと税収全体が低い時に何兆というオーダーもございましたからね。ただ、今後見積もりを固くするとか、それから、より精度を上げるべく見積もりをやるといったような議論が残っておりますが、今後の課題だと思います。
 ただ、昔からわれわれ学者として何かエコノメトリックスのモデルを使ってやった方が、近代的な方法がうまくいくだろうということを随分議論したことがあるんですけれども、かえってそっちの方がうまくいかないですね。積み上げ計算の方がかなり精度が高いというの
が過去の実績で出てきましたので、積み上げ計算が、今言った思わぬ景気の後退の程度、あるいは精度の読み込み方のいかんによって出てきたということでありまして、そこは分かりません、政治的にどういう問題になるかもしれませんが、税調としては、そこは今日ご説明を受けましたけれども、それについてとかく当局を追求するとか、責任を問うとかという議論はございませんでしたし、私もそのつもりはございません。

 
(記者)
 先ほど連結の問題もございますけれども、減収がこれだけたつから付加税という話になって、結局それがかなり違った形になっているという問題もございます。この 8,000億円の問題もそうですし、付加税の問題もそうですし、それから今年度税収を考える際のいろいろな前提を考える時に、やはり小泉総理が言っている30兆円枠というものとの辻褄を合わせるためのいろいろな策だったんじゃないかというふうにも思えなくもないという問題意識なんですけどね。

 
(石会長)
連結付加税ですか。

 
(記者)
連結付加税の問題もそうですし、税収の見積もりそのものについても適切に経済を見たと言っても、まあ技術論もございますけれども。                    
 
(石会長)
過大に見積もった咎が、今出てきているんじゃないかと、こういう問題意識ですね。うん、それは分からんなあ。いや、これはよくある話と言ってはそれまででありますけれども、ピシャッとあった年ってないでしょう、今まで。(事務局に向かって)どっちに振れるんだ、いつも。最近はマイナスに振れてるのね。その背後にある政治的ビヘイビアを読み込むなんていうのは、判断を皆さんにお任せします。

 
(記者)
 お酒の税金なんですけれども、今日もビール会社の社長達が反対のアクションを起こし始めたんですが、酒税の格差是正というあるべき姿とは別のところで、増税のところで困ると、すぐにお酒、たばこに来るというような不満があると思うんです。こうしたあたりをどういうふうにお考えになりますか。

 
(石会長)
 「あるべき税制」の姿から言えば、担税物資は担税力があるわけですからね、当然かけていいんですよ。財政学のテキストブック的に言うならば。しかし、安易に、何か税がなくなるからといってすぐ飛び込むというのはよくないって、その通りだと思いますが、しかし、「あるべき税制」の姿と言えば、まさに酒税の世界で言うならば、同種・同等のものには同様の負担がいいというのは、ある意味では課税の公平とか中立とかいう視点からは当然認められる議論だと思います。したがって、格差是正でありますから、上の方はそのままに置いて下をぽんと上げるというのも格差是正でしょうし、上と下と両方接近させて格差是正ということもあるでしょうし、上をもろに下に下げるということは今の時世では多分ないのかもしれませんけれども、いろいろやり方がありますので、これからその辺の具体的な本格的議論になれば、そこで議論が起きてくると思います。
 何かたばこの方も反対が何百万人集まったとかいう話が出ておりましたが、当然のことながら、消費者、愛飲者なり、その人だけ尋ねれば当然みんな反対ですよね。一般国民全体のアンケートから出てきた結果ならば、もっと説得力があると思いますけどね。
                                         
 
(記者)
 さっきの金融証券税制のところなんですが、改革の方向として特定口座制度の見直しと書いていますよね。これについては、この間主税局の方で、特定口座の見直し案が出たんですよね。これは、さらにもっと、特定口座そのもののあり方を含めて見直すべきだと、そういうことなんですか。

 
(石会長)
 いや、この間何かプロジェクトチームをつくりましたよね。それで、例のみなしのところじゃなくて、もっと取得価格の方をどうしようかとか、いろいろ案が出ましたよね。そういうことを踏まえて、とりあえず制度をスタートさせて、走り出して考えるという面もあるのかもしれませんけれども、特定口座自体を今の段階で廃止の方向等々という議論をまだしておりませんから。それより、制度が、この間説明したように発足しちゃったら、2005年ぐらいまでは優遇税制等々、残るわけですからね。なかなかそれを改正するといったって限度があると思うんですよ。
 私は、それの後をにらんで、この辺の問題を解決すべく金融所得の一元化とか何かという議論の方が、より建設的だと思っているんですよ。その時は本格的に、申告納税制度というものが定着した後の話かもしれませんし、それがあれば横、縦の通算はできますからね。その世界で議論するのが筋と思っていますので、それまで特定口座みたいな制度を、言うなれば源泉分離をなくした後の、慣れるまでの手段としてお手伝いする形の制度かなと、そういう意味では、これをパーマネントに固定するとは僕個人的には思っていませんけどね。
  (以上)   

 
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