2月17日から22日まで,ウェレ博士は日本に滞在し,数々の行事を行いました。18日は,外務省を訪れ菊田真紀子大臣政務官を表敬しました(写真上)。菊田政務官はウェレ博士に対し,野口英世アフリカ賞の精神普及,同賞の活性化のために活動されていることについて,敬意と感謝の気持ちを伝えると共に,今後とも野口英世アフリカ賞関連の行事等の開催につきウェレ博士の協力を求めました。これに対し,ウェレ博士よりは,日本政府よりアフリカへの支援に感謝しており,日本政府の期待に応えられるように頑張りたい旨述べました。その他,菊田政務官よりは,ウェレ博士が公衆トイレの建設に取り組まれていると承知しており,昨年日本において「トイレの神様」という歌がヒットした旨述べ,記念として英語の歌詞と共にCDを贈呈したところ,ウェレ博士は,ケニアでもこの歌を広めたい旨答えました。
21日は,お茶ノ水女子大学において,ウェレ博士に名誉博士称号が授与されました(写真次ページ)。今回の名誉博士称号の授与は,ウェレ博士の業績,社会活動への貢献を讃え,お茶ノ水女子大学の活動の一つのモデルとして顕彰しました。
本授与式は,お茶の水女子大学グローバル協力センターが実施している「グローバル社会における平和構築のネットワーク形成」事業の一環として行われ,授与式後に記念講演会『共に生きる―ミリアム・ウェレ博士に聞く』が開催されました。ウェレ博士からは,紛争の多いアフリカの平和を実現するために,コミュニティや市民の連帯を通じた,日本をはじめとするグローバルなネットワークの構築が不可欠であることが講演されました。学生からは女性としての役割,コミュニティからの活動の重要性等に関する数々の質問がなされ,活発な議論が行われました。最後には,ウェレ博士とともに参加者が立ち上がって,手拍子をしながらケニアの歌を歌いながら締めくくられました。 「共に生きる」社会の実現の第一歩として,アフリカと日本の間の温かい連帯を感じさせる講演会となりました。
更に22日,公開セミナー「アフリカのコミュニティ・ヘルス -母子保健、保健システム、コミュニティ・エンパワメント-」(英:Open Seminar “Community Health in Africa -MCH, Health Systems, Community Empowerment-”)が,JICA地球ひろばで開催され,ウェレ博士が,アフリカのコミュニティにおける保健医療システムについて,なぜコミュニティで人々のエンパワーメント(能力強化)が必要なのか,そのためのマインドセット・チェンジ(意識改革)の効果と方法などについて,長年に亘る経験や技術から一般の方々にも分かりやすく講義を行いました。
この講演会後,JICA本部で緒方理事長と会談を行い,ウェレ博士からJICAに対し,アフリカにおける妊産婦,新生児及び子どもの健康のためのコミュニティ保健の重要性とJICA保健医療協力との政策面での連携の強化が提言されました。さらにその実践方法として,人間の安全保障に沿った形でコミュニティ・ヘルスワーカーによる現場の視点に基づいた対策をとること,また今後は新生児・母子保健だけでなく,学校保健を通じた衛生活動,更にはコミュニティの高齢者ケアなどを含めた,包括的なコミュニティ保健アプローチをとることが提案され,その考え方について両者合意しました。
その他,ウェレ博士は,母子手帳関係の会議や国際ボランティア学会等にも出席されました。