マハマ副大統領閣下、黒川清野口英世アフリカ賞委員長、ご列席の皆様,
黄熱病研究に心血を注がれた野口英世博士の最後の研究の地となったここアクラ市で,世界中から多くの著名な医療・保健関係者の方々の参加を得て、野口英世アフリカ賞の第一回記念シンポジウムが開催されることを大変嬉しく思います。
野口英世アフリカ賞は、アフリカに住む人々、ひいては人類全体の保健と福祉向上を図ることを目的として,アフリカにおける感染症などの疾病対策のため、医学研究及び医学活動分野において顕著な功績を挙げた方を表彰すべく創設されたと伺っております。第一回授賞式は、天皇皇后両陛下ご臨席の下、クフォー・ガーナ前大統領をはじめ多数のアフリカ元首のご参加を得て,2008年5月,アフリカ開発会議(TICAD IV)の機会に横浜で行われました。私は,国連「水と衛生に関する諮問委員会」名誉総裁として,世界各国が抱える衛生に関する問題につき深い関心をもっており,第一回受賞者であるグリーンウッド博士とウェレ博士による記念講演を興味深く拝聴致したいと思います。
昨日、私は、野口博士が83年前に志なかばで51歳でなくなられるまで研究を続けた研究室を訪れ,博士の感染症研究への思いを偲びました。博士の志を引き継いだ多くの関係者の努力もあり,博士が研究された時代と比べれば,ワクチンも発見され,黄熱病への対策は格段に進みました。しかしながら,21世紀に入った今日でも,アフリカは引き続きマラリアをはじめ多くの感染症に苦しんでおり,世界で最も深刻な問題を抱えている地域であることに変わりはありません。
例えば,HIV/エイズに関しては、アフリカには全世界のHIV感染者の約67%にあたる2240万人がいて、2008年には140万人もの人がエイズにより命を落としており,国際社会が一つになって,こうした深刻な問題に行動を起こしていくことが求められています。
本日のシンポジウムを通じて、この賞の使命であるアフリカの感染症分野における研究や保健システム強化の重要性について認識が深まり,アフリカの感染症と闘っている医学研究者や医学従事者の皆さんの方々が,改めてそれぞれの活動に励まれることを心より期待しております。
終わりに、副大統領閣下、本日御臨席の皆さまを始め、国際社会が力を合わせることにより、アフリカの感染症の状況が改善されることを強く願い、本シンポジウムに寄せる言葉といたします。