第2回野口英世アフリカ賞委員会 議事要旨

  1. 日 時:平成24年2月20日(月)17:00~18:00
  2. 場 所:総理官邸
  3. 参加者:
    (委員側;50音順)安西委員,尾身委員,黒川委員,杉村委員,高添委員,原中委員,米倉委員
    (政府側)野田内閣総理大臣(途中退席),藤村官房長官(途中入室),齋藤内閣官房副長官,長浜内閣官房副長官,園田内閣府大臣政務官,竹歳内閣官房副長官,  佐々木官房副長官補,河相官房副長官補,松元内閣府事務次官,阪本内閣府官房長,堀内内閣府野口英世アフリカ賞担当室室長
  4. 概要は以下の通りです。
    • 冒頭,野田総理より挨拶を行い,委員の方々に野口英世アフリカ賞委員会(以下,委員会)委員への就任に感謝を述べると共に,第1回受賞者の活躍状況を讃え,第2回においても野口英世アフリカ賞に相応しい方を推挙頂くよう委員にお願いしました。更に,国際社会の共通課題であるミレニアム開発目標(MDGs)の保健分野の達成状況は十分ではなく,その点からも野口英世アフリカ賞の意義は大きい旨述べました。
    • 園田大臣政務官が,座長互選まで議事進行を行い,その後座長には委員の互選により,黒川清 政策研究大学院大学教授が再任されました。黒川座長より挨拶が行われ,第1回受賞者のグリーンウッド博士とウェレ博士の活動,2010年3月ガーナで行われた野口英世アフリカ賞記念シンポジウムについても触れられ,第2回野口英世アフリカ賞においても,第1回同様,素晴らしい方を選び,来年6月実施予定の授賞式を迎えたい旨述べられました。
    • 事務局(内閣府)より,日程,推薦基準・選考基準,第1回受賞者の活動状況,募金・寄附の状況について資料に基づき説明しました。
    • 関係各省(外務省・文部科学省・厚生労働省)より,TICAD V(第5回アフリカ開発会議),医学研究・医療活動分野それぞれの推薦委員会の状況につき説明が行われました。
    • 最後に,藤村官房長官より挨拶を行い,先般,来年6月横浜でTICAD Vを開催し,併せて第2回野口英世アフリカ賞授賞式を行うことを発表した点に言及しつつ,授賞式に向けて,野口英世アフリカ賞の精神を体現する立派な方を総理に推挙頂くよう重ねて委員にお願いしました。藤村官房長官は,2010年8月,外務副大臣在任時,TICAD IV表明された貿易・投資促進ミッションの団長として,南アフリカ,ナミビア及びアンゴラを訪問したことに言及しつつ,様々な試練と課題を抱えつつも,21世紀はアフリカの時代になるのではないかと直感し,アフリカの発展を日本ならではの方法で支援していくことが大切であると強く感じたと述べました。
  5. 事務局等より説明した概要は以下の通りです。
    (1) 日程等
      ア  委員会(堀内 内閣府 野口英世アフリカ賞担当室室長)
      来年の授賞式に向けて,来年1月か2月,委員会を開催し,医学研究,医療活動の両分野の最終候補者各1名を総理に推挙頂き,来年3月頃授賞者を発表する予定です。更に,必要に応じ,本年夏頃,委員会を別途開催する可能性もあります。
      イ  医学研究分野 推薦委員会(吉田 文部科学省 研究振興局長)
      委員について,国内委員19名は既に内諾を得ております。第1回目の推薦委員会を3月21日に開催する予定です。その後,外国人委員も加えて,候補者の絞り込みを行い,本年12月頃に3名の候補者を委員会に推薦する予定です。
      ウ  医療活動分野 推薦委員会(麦谷 厚生労働省 大臣官房審議官)
      委員について,第1回野口英世アフリカ賞の委員名簿をもとに,世界保健機関アフリカ地域事務局(WHO/AFRO)の意見などを参考にして,12名の委員を人選済みです。更にAFROとの覚書の締結に向けて,文面等につき年度内の合意を目指して,調整中です。
    (2) TICAD V(第5回アフリカ開発会議)(草賀外務省アフリカ審議官,別添資料2)
      野口英世アフリカ賞授賞者の発表及び授賞式は,総理大臣決定に基づき,5年に1度のアフリカ開発会議(TICAD)の開催にあわせて行うことになっています。第1回野口英世アフリカ賞授賞式には,天皇皇后両陛下ご臨席の下,41名のアフリカの元首・首脳等が参加しました。授賞式は我が国にとって,アフリカでの感染症等の疾病対策をはじめとする我が国のアフリカに対する国際保健分野における協力を最も効果的にアピールする場となりました。外務省としてはTICAD V成功のためにも本授賞式を盛り上げていきたいと思います。
    (3) 第1回受賞者の受賞後の活動状況(黒川委員会座長,堀内室長他)
      ア  ブライアン・グリーンウッド博士(医学研究分野)(別添資料3)
      野口英世アフリカ賞の賞金1億円を使い,「アフリカ-ロンドン-ナガサキ奨学金(ALN)」を創設しました。長崎大学熱帯医学研究所 有吉紅也教授等と協力中です。奨学生は年5名程で,合計5年で終了予定ですが,グリーンウッド博士は,ALNを継続することを希望しています。

      イ  ミリアム・ウェレ博士(医療活動分野)(別添資料4)
      賞金を活用し,地域レベルでの医療サービスの提供を引き続き推進しています。また,野口英世アフリカ賞を受賞後,大阪大学中村安秀教授より母子手帳の知見を得,本年10月ケニアに於いて,第8回国際母子健康手帳会議を開催し,ケニアだけでなくアフリカ全体に母子手帳を広めるべく尽力中です。
      また,昨年10月,未曽有の大震災に見舞われた野口英世博士の故郷である福島を訪問し,被災者の方々を励まされました。
      (委員会中,各委員の方々にウェレ博士が普及を目指しているケニア版の母子手帳を回覧しました。)
    (4) 基金(募金)(堀内室長,別添資料5)
      JICA(国際協力機構)に,野口英世アフリカ賞基金の管理を委託しております。現在迄のところ(2011年12月31日現在),493,472,742円の募金・寄附がありました。第1回野口英世アフリカ賞の賞金計2億円の内,1億円は国庫より,残りの1億円を野口英世アフリカ賞基金より拠出したため,現在,393,472,742円が,野口英世アフリカ賞基金残高としてあります。残高の内,323,000,000円を定期預金としています。

      * 別添資料1 野口英世アフリカ賞関連基本文書(閣議決定・総理大臣決定等)
           同  2 アフリカ開発会議(TICAD V)
          同  3 第1回野口英世アフリカ賞医学研究分野授賞者(ブライアン・グリーンウッド博士)活動状況
          同  4 第1回野口英世アフリカ賞医療活動分野授賞者(ミリアム・ウェレ博士)活動状況
           同  5 野口英世アフリカ賞基金の状況

      〔参考〕今後の予定は以下の通りです。                          

      2012年3月

      第2回野口英世アフリカ賞推薦依頼状の発出。

      2013年1月または2月

      野口英世アフリカ賞委員会の開催 (最終候補者の選定)。

      2013年3月頃

      内閣総理大臣による第2回野口英世アフリカ賞授賞者の決定。対外発表。

      2013年6月1日から3日
      (於:横浜)  

      TICAD V(第5回アフリカ開発会議)の際,
      第2回野口英世アフリカ賞授賞式典を実施予定。