募金趣意書

「野口英世アフリカ賞」基金のための御寄付の御願い

 野口英世博士は、天性の忍耐力で世界的に名声をあげた、日本が世界に誇る医学者です。博士は晩年ガーナに渡り、黄熱病の研究に身を捧げる途上、黄熱病にかかり1928年かの地で亡くなりました。このたび日本政府は、2006年5月の小泉総理大臣(当時)のアフリカ訪問を機に、こうした野口英世博士の功績にあらためて光をあて、アフリカの医学研究または医療活動の分野での卓越した業績を顕彰する国際賞を創設しました。 今日、開発途上国における感染症の問題は、人類の生命への脅威であり、また、発展を妨げる原因にもなっています。特に、アフリカにおける感染症の蔓延は、野口英世博士逝去後80年を経た今も当時に劣らぬ惨状を呈しており、国境を越えて影響を及ぼす国際社会全体の問題として、私たち日本人も傍観が許されない深刻な状況にあります。

 こうした事態に直面するアフリカの人々が、国際社会の力を借りつつ、最終的には自らの力で感染症の問題を克服することは、容易なことではありません。科学の力に加え、一歩一歩困難を乗り越えていく忍耐と、死を恐れぬ勇気、こうした野口英世博士の精神が求められています。この精神を、新たな国際賞を通じ世界に広めることは、アフリカにとどまらず全世界の医学・医療の向上と、更には、現地アフリカで活躍されている多くの人々や研究者の活動を支え、勇気づけることができるものと確信します。

 野口英世博士の志を21世紀に引き継ぐことが、私たち一人一人、そして私たちの将来世代が健康で幸せな日々を送るための礎をなすとの「野口英世アフリカ賞」の趣旨に対し改めてご理解とご賛同を頂きますとともに、本賞が末永くアフリカと世界に対し野口英世博士の精神を伝導する灯火であり続けますよう皆様からのご協力を賜りたく、何分のご支援をお願い申し上げます。皆様からのご支援は、賞金の原資に加えられ、受賞者に授与されます。

2007年6月