第一回野口英世アフリカ賞受賞記念講演 閉会挨拶 日本学術会議副会長 浅島誠2008年5月29日

ご紹介にあずかりました日本学術会議副会長の浅島誠でございます。「第一回野口英世アフリカ賞記念講演」閉会にあたりまして、心からの御礼を申し上げると共に、ひとことご挨拶を申し上げます。

まずはじめに、本記念講演においてご講演いただきましたブライアン・グリーンウッド博士、ミリアム・ウィレ博士には、輝かしいご経歴とアフリカの人々との実践的な関わりから培われたご経験を元にお話しいただきましたことに厚く御礼申し上げます。ご講演は国際社会の主要な関心を集めるにふさわしい示唆に富み、時宜を得たものであると拝聴いたしました。

科学の世紀ともいわれました20世紀の爆発的な科学技術の発展は、人類にさまざまな恩恵をもたらしましたが、21世紀に至った今も尚、人類にとって共通の脅威である感染症の根絶には至っておりません。折しも野口英世没後80年の本年、生涯にわたって冷めることのない情熱を胸に、国際的視野の下、感染症研究に人生を捧げ、自ら黄熱病で亡くなられた野口英世博士の想いを継承して創設された本賞が、現代に生きるわたくしたちのアフリカへの関心を呼び起こす糸口となり、アフリカの病に苦しんでいる人たちの助けになることを念願するものであります。

両博士のご受賞は、今後のアフリカ開発協力の実践に大きなインパクトを与えるであろうことは疑う余地がございません。本日を契機といたしまして、アフリカで、今この瞬間も苦しんでいる人々、ひいては人類全体の感染症等疫病対策・保健と福祉の推進に資し、人類の繁栄と世界の平和に貢献する為の一歩となることを祈念しております。

最後に本賞記念講演開催にあたりまして、さまざまな協力をいただきました方々に改めまして心から感謝申し上げるとともに、今後とも皆様方の一層のご支援・ご協力をお願い申し上げまして、閉会のご挨拶とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。