新藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年4月23日

(令和6年4月23日(火) 18:43~18:49  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 月例経済報告等に関する関係閣僚会議の概要を報告いたします。
 今月は、景気はこのところ足踏みもみられるが緩やかに回復していると、判断を維持しています。これは、企業部門は引き続き好調であり、今年度の設備投資計画にも力強さがみられる一方で、賃金上昇が物価上昇に追い付いておらず、個人消費は力強さを欠いていることなどを踏まえたものです。
 先行きにつきましては、33年ぶりの高水準となった春闘の賃上げなど、雇用・所得環境が改善する下で緩やかな回復が続くことが期待されます。ただし、中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れリスクや原油価格上昇など、中東情勢の影響には注意が必要です。
 加えて、私から閣僚会議で説明した内容のうち雇用の動向について申し上げます。就業者数は最近、中高年を中心に増加傾向にあります。また、長期的に見ると中高年の労働参加率は男女ともに上昇し、65歳から74歳では、男性は52%、女性は34%となっています。主要先進国と比較すると日本の高齢者の労働参加率は非常に高く、先進国共通の課題である高齢化に対し、課題先進国として世界をリードしている状態です。
 日本人の寿命の最頻値、つまり何歳で亡くなる人が最も多いかを見ますと、男性は88歳、女性は93歳と長く、男性の4分の1、また女性の半分が90歳以上まで生きる状況でございます。文字どおり人生100年時代になっているわけです。
 日本の76歳は世界の65歳の健康レベルと同等であり、健康寿命は世界1位というデータがございます。日本の高齢者の就労意欲は高く、意欲ある高齢者が能力を発揮して働くことができる環境、これを引き続き整備することが重要と考えています。
 この他、会議の詳細については後ほど事務方から説明をさせていただきます。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今回の月例経済報告で能登半島地震による被災3県のGDPの押し下げ効果についての試算が示されました。この試算についての大臣の受け止めを教えてください。
(答)まず、今回の地震で被害に見舞われて、今なお厳しい生活を送っておられる被災者の方々に改めてお見舞いを申し上げたいと思います。また、亡くなられた方のご冥福を祈りたいと思います。
 そして、今回の月例経済報告等に関する閣僚会議におきましては、地震による経済的影響につきまして一定の仮定を置いて試算を行い、石川県、富山県、新潟県、この3県で1-3月期に1,000億円程度の直接的なGDPの損失があったとの試算をお示ししました。特に能登地域では経済活動に大きな影響があったというふうに認識をしております。
 例えば3月末に実施した景気ウォッチャー調査におけるコメントを見ると、能登地域では復旧工事業者のマンパワーが不足しており、元に戻るまで想定以上に時間がかかっているといったコメントも出ております。いまだ経済活動に影響が残っているものと承知しています。
 一方で、3月16日に金沢と敦賀間で北陸新幹線が延伸をいたしました。開業1か月で72万人、1日平均2.3万人が利用するなど、北陸経済の活性化に向けて前向きな動きも出てきております。
 私たちとすれば引き続き被災地の復旧・復興の状況、北陸経済の動向を注視しつつ、総理を本部長とする復旧・復興支援本部を司令塔に被災地の声にしっかり寄り添い、政府一丸となって被災地の復旧・復興に全面的にバックアップをしてまいりたいと考えております。
(問)月例経済報告について、今回基調判断を維持されたということですけれども、先日の日銀短観、もしくは内閣府の景気動向調査などでは、「先行きに厳しさ」など下方修正の動きもありまして、その主な原因が一部自動車メーカーの一時的な生産停止の影響ということだったのですが、今回、月例経済報告の基調判断を維持されたというのは、やはり一部自動車メーカーの生産停止の影響は一時的なものにとどまるということで政府としては理解しているということでしょうか。
(答)製造業の一部において、一部自動車メーカーの不正問題に伴う生産・出荷停止の影響、これによって業況判断DIが低下している一方で、売上高の7割を占める非製造業、ここにおきましては業況判断DIがバブル期以降の最高水準を維持しており、こういった改善基調が続いていることを踏まえたわけです。
 ですから、実態として一部の製造業の中で影響が出ていると、ここについてはコメントいたしましたが、全体とすれば改善基調が続いているということを踏まえて表現をしたものです。

(以上)