新藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和6年4月16日

(令和6年4月16日(火) 9:46~9:54  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 (冒頭発言なし)

2.質疑応答

(問)総務省が先週、2023年10月1日時点の人口推計を公表しました。日本の総人口は13年連続で減少していて、減少幅は過去最大となりました。高齢化が進んでいることも確認されましたが、骨太方針の策定に向けて経済・財政・社会保障の持続性確保のためにどういう観点が特に重要か、大臣のお考えを教えてください。
(答)まず、これはまさに国難とも言うべきこの国の構造的大問題であります。そして、私たちは少子高齢化とともに人口減少、そういった流れがある中で、これを乗り越えて、それでも成長していける、それでも維持できる社会、こういったものを目指さなければならないと思います。
 一義的には、まず人口減少の減少カーブをできるだけ緩やかにするという意味においての出生率の改善、将来人口の確保、こういったものを目指さなければなりませんし、それを可能とするような「こども未来戦略」、そして、「全世代型社会保障」というものをそういう中でしっかりと打ち出していきたいと思っているわけです。
 人口減少がさらに加速していく中で、それでも高い成長を実現する。そのために必要な要素は幾つかあると思っています。生産性の向上、それから、労働参加の拡大、そして、将来人口の確保。こうしたものに政策を総動員してまいりますし、その観点から経済対策にいろいろと盛り込んでおり、これから行われる今年の骨太方針等においても、さらにそうしたことを強化していきたいと考えています。
 4月2日に経済財政諮問会議で長期推計を出しました。その中で長期の経済・財政・社会保障、この持続可能性を確保するためには、人口減少が深刻化する2030年代以降であっても、実質1%を上回る成長を継続することが望ましいと示されています。
 また、医療・介護給付費の対GDP比の上昇基調に対する改革が必要だということ。さらには、一定幅でのPBの黒字基調を維持すること。こういったことが重要だということは長期推計の中でも示されているわけです。
 こうした内容を踏まえまして、人口減少が加速する2030年までには、こうした持続可能な経済社会、これを軌道に乗せるための方針を出したいと思いますし、今後の3年程度の集中的な取組、これを骨太の方針に盛り込むべく検討を進めていきたいと考えています。
(問)日銀が保有するETFについてお聞きします。国会で日銀が保有するETFを子ども・子育ての財源に活用すべきという提案がなされましたが、日銀が保有するETFの扱いについて大臣はどうお考えでしょうか。お聞かせください。
(答)今の国会での議論は詳細に承知をしておりませんが、まずETFの分配金収入、これは日銀法に基づき日銀から国への国庫納付金の一部として、一般会計の歳入に既に計上されているものです。ですから、既に国の一般財源として活用されているものでございます。それを別のところに振り分けるということは、その一般財源に活用されている部分に不足が生じるということになります。
 穴埋めするとすれば、では、その分を国債を発行するのかとか、そういう議論になってしまうとなれば、そもそもが既に使われているものを付け替えたところで、大元のところの税が足りなくなるという構造には問題があるのではないかと思いますし、子ども・子育てのための追加の財源として、そういった提案は、われわれとすれば考える余地はないのかなと、このように考えます。
(問)前回の会見でも話題になりましたが、円相場で円安が昨晩、また一段と進みましたが、前回の会見で「過度な為替相場の変動は望ましくない」と大臣がおっしゃられていました。現状これは過度な変動だとお考えかどうかというのを教えてください。
(答)それは、今、私が申し上げることではないと思っております。それぞれの中で、私たちはどのような事態になっても経済が安定して運営できるような、そういう努力を続けていかなければならないし、一日一日の話ではなくて、やはり私たちの経済のトレンドというものをしっかりつくっていく。これが重要だと思います。
(問)分かりました。前回もそういったお考えを披露していただきましたけれども、現状、日本経済、為替変動に対して弱い構造にあるという問題意識があるということでしょうか。
(答)そうではなくて、私たちが行うべきことは、まず実体経済を強くして、それは構造的な賃上げ、さらには、それを実現するための価格転嫁対策、また、労働の流動性、ジョブ型だとか、そういった新しい働き方、そして、それらを行うためにもリスキリング、こういったものが必要だと。そして、何よりもこういう少子高齢化・人口減少時代に経営的な体質を高めていくためには、省力化投資、こういったものが必要だと思いますし、それらを含めたイノベーション、そういったものでまた新しい経済を盛り上げていく、実体経済を強くしていくことが一番重要だと考えております。

(以上)