平井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和元年9月3日

(令和元年9月3日(火) 11:14~11:24  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 私から、まず3点。
 IT政策担当大臣として、本日、閣議前に、「デジタル・ガバメント閣僚会議」を開催し、マイナンバーカードの普及等に向けた全体スケジュールや各施策の取組方針を了承するとともに、
 私から、6月に決定した、政府情報システムの一元的なプロジェクト管理の強化に向けた取組状況を報告しました。
 具体的には、政府情報システムについて、特別会計も含む、全ての情報システムを対象とした、年間を通じたプロジェクト管理の第一弾として、政府共通プラットフォームを指定し、政府におけるクラウドサービスの利用促進に向けた検討を開始すること、令和2年度予算要求において、政府情報システム予算の一般会計分約4,000億円のうち、複数の府省で共用する情報システムに係る約700億円を、内閣官房IT総合戦略室にて初めて一括要求をしたことを報告しました。
 なお、プロジェクト管理の対象、一括要求・一括計上の対象については、順次拡大を図ってまいります。
 これらの取組を通じて、重複要求・重複投資の回避、情報システムの共用・集約化の進展による効率化、徹底的なユーザ目線に立ったシステム設計による、国民の利便性向上、統一的なセキュリティ水準の確保、スケールメリットの享受、新技術の活用といった経済成長に資する分野への投資等につなげてまいります。
 次に、クールジャパン戦略担当大臣として報告します。
 先ほど、安倍総理ご出席の下、知的財産戦略本部会合を開催し、「クールジャパン戦略」を決定しました。
 「EUREKA!懇談会」や「Create Japan WG」等の議論を踏まえ、本戦略においては、世界の共感を得ることを通じ、日本への愛情を有する日本ファンである外国人を増やすことで日本のソフトパワーを強化することを目的として、今後取り組むべき内容をまとめております。
 具体的に取り組む事項としましては、国全体の整合性を図るために、クールジャパン戦略担当大臣と各関係府省の副大臣による「CJ戦略会議(仮称)」を設置します。幅広い連携を図るためのネットワーク作り、地方や中小企業へのクールジャパンの考え方の浸透による、効果的な魅力の深掘りなどを盛り込んでおります。
 今後は、総理の発言にもあったとおり、クールジャパン戦略担当大臣を中心として関係省庁が連携しつつ、戦略に基づく取組を進め、クールジャパンを力強く推進してまいります。
 そして最後に、科学技術政策担当大臣として報告します。
 昨日2日に、原子力委員会において、「平成30年度版原子力白書」を取りまとめ、本日の閣議にて資料配布いたしました。
 白書では、一昨年、原子力委員会が策定した「原子力利用に関する基本的考え方」を踏まえ、原子力政策に関する現状や取組等を俯瞰的に説明しています。
 また、本年は、今後、我が国の原子力施設の廃止措置が本格化していく観点から、「原子力施設の廃止措置とマネジメント」について特集をしています。
 この白書等を通じて、国民の皆様への説明をしっかりと果たしてまいりたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今日のデジタル・ガバメント閣議会議で、情報システムの一元化について700億円が対象になったと。それで、IT室で予算は一元化しましたけども、今後、業務の見直し、いわゆるBPRについては各省一元的に進めるようなお考えはあるんでしょうか。
(答)以前にもご質問があったと思いますが、この一元化をして予算を要求する段階で、BPRは必須条件で、やることが前提です。BPRをやらずしてクラウドなんかも導入できませんし、そういう意味で、既存のルールとか仕事の手法とかを前提にしないで、ゼロベースで業務や制度そのものを見直すという意味で、正にBPRをやるということです。
 BPRを実施する際には、利便性と効率化の双方を追及することになるんですが、行政サービスである以上、国民・企業等に使ってもらえなければ全く意味がないので、国民・企業にとって使いやすいものをいかに提供するか、という観点、それを以前より強化しないと、今までどうもサプライサイドの発想で全部作って、結果、使いづらかったり使われなかったりしている、そこを見直すということも必要だと思います。
 ご指摘のとおり、BPRとかユニバーサルデザイン、これはもうシステムを見直す上での大前提だと考えています。
(問)来年度の概算要求に、創発的研究支援として20億円盛り込まれましたけども、以前、大臣、ムーンショットビジョナリー会議で、既に確保している1,000億円のほかに基礎研究、創発的研究の支援に同額程度用意していくという方向の旨述べられましたけども、それを踏まえて、今回の事業の趣旨、その狙いについて伺えますでしょうか。
(答)内閣府で20億円、文科省で30億円という要求になっていると思いますが、「創発的研究支援事業」は、破壊的なイノベーションにつながるシーズの更なる創出を目指すという意味で、特定の課題や短期目標を設定せず、多様性と融合によって、全く新しい挑戦的・革新的な研究構想を有する研究者を支援しようというものです。
 ご指摘の7月31日に開催された「ムーンショット型研究開発制度に係るビジョナリー会議」で、北野委員より、「破壊的イノベーション創出のためには、ムーンショット型研究開発制度と並び、目標を限定しない創発的研究を可能とする研究費並びに研究環境の改善に、ムーンショット・プロジェクトに投入するのと同額以上の資金投入を多様な資金源から実現する政策が必要」との指摘がありまして、私もその指摘のとおり、創発的研究をしっかりと支援していくことが重要だと考えています。
 ただ、これから具体的な制度内容等について、関係省と連携しながら、これは、どうやって配分するかというのが難しい話で、有識者の方々からご助言をいただきながら進めていきたいと、そのように考えています。
(問)今、文部科学省でも同様の事業に30億円要求されているということでしたけども、役割分担としては、どういった形になってくるんでしょうか。
(答)一緒に取りあえず考えなきゃいかんなというふうに思います。これは100人いたら100人違う意見になるので。ただし、そういうような研究費が必要だということだけは合意できてるんですが、その先はこれからということですが、一緒にやっていきたいと思います。
(問)この創発的研究ということですけども、これは、いわゆる基礎研究の支援の一環という捉え方をしても良いのでしょうか。
(答)特定の課題とか短期目標を設定しない、だから、多様性と融合によって破壊的イノベーション創出を目指す研究というのが言葉での説明になると思うんですが、何をして基礎研究というのかということも難しいので、そういう意味では、科研費とかの違いを明確にしてからじゃないとスタートできないなというふうに考えています。

(以上)