平井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成30年10月12日

(平成30年10月12日(金) 10:48~11:02  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 皆さん、おはようございます。
 まずは私から報告をさせていただきます。
 10月15日からエストニアに出張いたしまして、タリン・デジタルサミット2018に参加してまいります。
 本サミットは今年の1月に安倍総理がエストニアを訪問した際に、参加の要請がなされたところで、私が代理で出席をするものであります。
 会合においては、世界各国の首脳やデジタル担当大臣とAIやIoTなど、デジタル技術の社会実装のあり方等について議論をしてまいります。
 また、エストニアのタンミストIT大臣とバイの会談を行う予定であります。
 また、そのほかにも、参加する各国の閣僚とも時間は非常に限定的ですが、できるだけ意見交換をさせていただこうと考えています。
 私からの報告は以上です。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 二つ教えてください。
 一つ目は、昨日の本庶先生の訪問でいろいろお話しされたかと思うんですけれども、科学技術政策についての示唆をどのように受けたのかというのと、今後の政策にどう活かしたいのかについて、まず一つ、お願いします。
(答)一つずつですね。昨日、本庶特別教授の訪問を受けました。私は、一緒にCSTIの議員の先生方と出迎えもさせていただいたわけですが、本庶先生とは前にもお話ししましたが、私が小泉政権の大臣政務官を務めていた時に、総合科学技術会議の有識者をやっておられました。そんな御縁もありまして、話はいろいろとさせていただきました。
 意見交換では、科学技術には基礎も出口も重要で、特に、その間をつなぐ橋渡し役が日本にはまだまだ十分ではないのではないかというような議論をしました。
 大学院を修了したばかりの若い研究者が優秀な研究者に成長していくためには、これは私から話したんですが、やっぱりメンターみたいな立場が絶対要るだろうと、そのとおりだということで、本庶先生も、メンター中のメンターではないかというふうに思いました。
 若い研究者のサポートというのは、いろいろなことがやっぱり必要だと思っています。今、政府としては、統合イノベーション戦略に基づいて、基礎研究の支援、そのための環境整備の推進などに取り組んでいるところですが、本庶先生の話を聞いて、改めて、大学と企業の橋渡しの仕組み、若手研究者のモチベーションを上げる取組が重要だと感じました。
(問)もう一つは、エストニアの出張に関連してなんですけども、エストニアというと、国政選挙で初めてインターネット選挙をやった国だと思うんですけども、そこで担当大臣とお話するということで、例えば、インターネット選挙の日本への導入について、大臣としては今後、政府のIT化の計画の中でどういうふうに盛り込んでいくのか、考え方についてちょっと教えてください。
(答)私は、内閣委員長をしたとき、ほか、既に4回ほど、私はエストニアに出張させていただいたことがありまして、与党、野党、私の後任の委員長も行かれたと思います。多くの政治家、また、官僚組織の方々がエストニアに行って、いろいろな確認もしてきたと思うんですが、確かに、国政、地方選挙も含めて、インターネット、モバイルを使って投票できるのは、どこに居てでも投票できるのは、エストニアだけです。
 エストニアは、九州ぐらいの面積に人口は大分県ぐらいです。冬は相当寒いし、投票所に行くのが結構大変なんですね。投票率は特に高齢者の方々はやっぱり大変だったようで、インターネット投票によって、投票率、投票環境が更に充実したということで、いささかなりとも、投票する方にとっては便利になったと思います。
 ただし、あそこは要するに、投票日前の期日前投票の期間がそのインターネット投票で、最後の1日は紙による投票も行うんです。そうしますと、インターネット投票の上書きをして、紙が有効になるというような組合せ技で、ある意味では、インターネットだけで投票できるというものではありません。
 日本が参考にすべきというのは、彼らの本人確認、彼らの、エストニアのマイナンバーカードみたいなものによる本人確認と投票の秘密みたいなものがちゃんと守られる仕組み等々は非常に参考になるだろうと。
 今、政府の方では、インターネットの選挙ということの検討の前に、海外におられる日本人の方々にとって、現状では、マイナンバーカードの公的個人認証が使えないということなんかを使えるようにすることがまず先だろうと。もし、そういうことができるようになれば、今まで、海外で投票しようという方々は、大変手間がかかったわけですね。登録であるとか、領事館、また大使館に出向くとか、そういう方々にとっては、まずメリットがあるんではないかということで、検討しているということを承知をしています。
(問)まだまだ先ですか。
(答)そんなに先じゃないと思います。ただ、マイナンバーカードの普及が、要するに、本人確認と投票環境の問題等々は、カードさえ普及すれば、これは行けると思うんですよね。それと、カードが海外でも使えるような状況にすると、この二つだと思います。
(問)共同通信の須江と申します。
 宇宙の政策の関係でお伺いします。
 昨日、宇宙飛行士をステーションに運ぶロシアのソユーズロケットが事故を起こして、宇宙飛行士が2人戻ってまいりました。直接はロシアと米国の宇宙飛行士ですけれども、ロシア側は当面、ソユーズの運航を見合わせるということで、日本人ですと、来年末に野口聡一さんの飛行も計画されており、影響も懸念されるところですけれども、大臣として、今回の事故、日本の特に宇宙計画、ステーションの運営への影響など、お考え、見通し等あれば、お聞かせください。
(答)昨日、ロシアのソユーズ宇宙船が、国際ステーション、ISSですね、に向けられて打ち上げられて、そして、打上げ直後にロケットの異常が発生して、米国とロシアの宇宙飛行士2名が緊急帰還を行ったと承知しています。
 まずは、2名の搭乗員がカザフスタンに無事着陸するとともに、健康状態が良好であるということに安堵しているところです。また、この脱出の技術というのは相当にすごいものだなというふうにも思いました。
 御指摘のとおり、来年以降、日本人の宇宙飛行士もステーションの方に行く予定になっておりますし、そういう意味では、今回やっぱり、何と言っても、原因究明が非常に重要だと思います。なぜ、このような事故が起きたのかと。これは、米国やロシアをはじめとする関係各国と密接に連携をして、この問題について、一緒に取り組んでいきたいと思います。
 安全確認ということなしには、なかなか前に進めない状況だと思っていますので、ある程度、今後のスケジュールとか、向こうの要員が今、6名のところ、3名でやっているというような状況ですから、ステーションの運用にも多少なりとも影響があるというふうには思っています。
 まずは、安全性を確認して、次の対策を考えるということではないかと思います。
(問)NHKの柳生と言います。
 海賊版サイトの対策についてですが、これまでも、特にブロッキングの法制化をめぐり議論が続いてこられたと思うんですが、来週15日にも検討会、今回も開催されますが、政府としての方針をまとめられる見通しなのでしょうか。その辺り、御見解をお願いします。
(答)私は、(10月)15日、ちょうどエストニアに行って、いないわけでございますが、15日でしたっけ、発表が。最終的にこの間の19日に行われた会合では、具体的な制度設計の議論に入るべきという意見と、ブロッキングに関する法律は一旦見合わせるべきとの意見が分かれて、両論併記になるのかなというふうには思っています。
 ただ、最後の最後まで、ぎりぎりの調整を今している段階だと思いますので、そのことに関しましては、結論が出てから、私なりにやっぱり考えたいと思います。
(問)テレビ朝日の柊と申します。
 17日から秋の例大祭ということで、靖国参拝される方も非常に多いと思うんですけれども、大臣は、過去には、超党派の会で靖国参拝ということでしたが、この靖国に対する、参拝に対する考え方、そしてまた、例大祭には行くのかどうかというところをお願いします。
(答)それはもう、どの閣僚もそうだと思いますが、やっぱりそれぞれ個人として適切に判断するということだと思います。
 また、政府としての立場は、やっぱり総理及び官房長官に是非聞いていただきたいというふうに思います。
(問)大臣は行かれるということなんでしょうか。
(答)個人として適切に判断をするという以外のお答えは今できません。
(問)重ねてすみません、共同の須江です。
 先程のお答えで1点ちょっとお聞きしたいんですけれども、原因究明、米ロ、各国連携して取り組んでいきたいということですけれども、例えば、日本として、JAXAからどなたか派遣するとか、より積極的に原因究明に加わるような、そういったお考えとかはあったりしますでしょうか。
(答)そのことについては、今、存じ上げませんが、日本もやろうとしていた研究材料等々を今回のソユーズで送り込もうというようなことも計画していたはずです。そういうものにも影響があると思いますし、ISSもこれから先、ずっとあるわけじゃなくて、運用期間が限られる中で、どれだけの成果を上げられるかということ、いわば、時間を最大限有効に使わなきゃいけない。一方で、安全性も確保しなきゃいけないというようなことで、大きな意味ではやっぱり関わっていくというふうには思いますが、まずは、今回、その原因究明に当たっては、アメリカ、ロシア等々が先行して、今、一生懸命やっているところで、その様子をと言いますか、情報共有をしながら、日本も協力できる分野があれば、協力するということではないかと思います。
 ただ、まだ、それはこれから検討する話ではないかなと思います。

(以上)