平井内閣府特命担当大臣繰下げ閣議後記者会見要旨 平成30年10月10日

(平成30年10月10日(水) 10:20~10:35  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 まず、私の方から御報告をさせていただきたいと思います。
 科学技術政策担当大臣として、10月7日に京都で開催されました第15回国際科学技術関係大臣会合及び第15回STSフォーラム年次総会に出席させていただきました。
 大臣会合では、私が議長を務めさせていただきまして、「SDGs達成に向けた科学技術イノベーションの役割―STI for SDGs推進に伴う光と影―」をテーマに22か国の科学技術担当大臣と意見交換を行いました。
 会合では、STI for SDGsについて、各国の様々な社会経済的背景に応じて、科学技術イノベーションの更なる投資、産学官の連携、人材育成や国際協力の強化などが重要との認識が共有されました。
 このほか、STSフォーラム開会式に出席するとともに、参加大臣等との間で会談も行わせていただきました。
 STSフォーラム開会式では、安倍総理によるスピーチにおいて、ImPACTの成果について取り上げていただきました。今回の成果を踏まえて、科学技術イノベーション分野における国際連携を更に推進してまいります。
 私からの報告は以上です。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 今回、STSフォーラムの年次総会と科学技術大臣会合の中で、各国のリーダーとディスカッションをしたかと思うんですけれども、その中で、大臣として、これが各国共通の課題だなというのがありましたら、教えてください。
(答)科学成長、科学技術イノベーションにより、いかに実現していくのかと、また、その経済成長をいかに持続可能なものとするのかというのが、これは共通認識、どなたも持っていました。
 そういう意味で、大臣会合では、Science,Technology and Innovationですね、STI for SDGsをテーマとして、我が国からは、STI for SDGsに係るロードマップやプラットフォームの取組について紹介させていただいて、科学技術担当大臣等との意見交換を通じて、共通課題への対応のあり方について意見交換を深めることができました。
 全員発言されるというようなことで、結構時間はかかったんですが、その辺りが共通だということは、私も直接確認できたのはよかったのかなと思います。
 また、バイでは、ナミビア、キューバ等々の代表の方々と割と時間をとってお話を聞かせていただきました。また、協力できる分野があるのではないかということで、これからまた検討もさせていただこうというふうに思っています。
(問)NHKの柳生と申します。
 STSフォーラムの会場には、先日のノーベル医学生理学賞の本庶さんも見られたということですけど、改めて、本庶さんの基礎研究の振興というのも力を入れてほしいという発言を繰り返されていますが、改めて大臣として、この点、政府としてどのように今お考えかというのを教えてください。
(答)朝食会というものも実はございまして、その場で本庶先生からも御意見をいただきました。時間は限られているんですが、やっぱり、今後も同様に日本がいろいろな分野で若い研究者が成果を上げていくためには、やっぱり予算や研究費等々について、また、いろいろな御配慮もいただきたいというようなお話もありまして、これはやっぱり我々、きっちり受け止めた上で考えていく必要があろうかと思います。
 山中先生等々も今回の本庶先生の受賞に関して、大変喜んでおられまして、同様の趣旨のお話もされていたと思います。
(問)NHKの鈴木と申します。
 STSフォーラムの話をまたお伺いしたいんですけど、各国共通の課題を認識されたということですけれども、こういったことを解決していく上での国際協力の重要性というのはどのように受け止めていらっしゃるのかをお願いします。
(答)日本もいろいろな形で海外との協力はあるんですが、それを更に、科学技術等々の方へシフトしていくというのがあると思います。インフラの協力とか、いろいろな浄化とかいろいろなことをやっていますが、やっぱりそこには新しいテクノロジーみたいなものも使えるように、そして、ただ、やっぱり次につながるような協力というものが必要ではないかというふうに私は認識しました。
(問)日本はやはり、科学技術外交というところでもかなり重要となってくると思うんですけれども、ナミビアとキューバとバイ会談したように、日本の科学技術力というのはどのように国際展開していくんですか。
(答)海外から見ると、やっぱり日本の科学技術力というのは、あらゆる分野で相当高く評価されているということを、我々が思っている以上に期待感もあるので、これからは本当にそこは知恵を出して、日本の科学技術等が海外にとってどれだけ協力するツールになっていくのか、また、人材育成のことも含めて、ここはやっぱり考えていく必要があろうと思っています。
 総理からはImPACTの話がありましたけど、やっぱりその次、我々がやっぱりうまくいった部分、また、足りなかった部分等々も考えて、更に前に進んでいけるように、これからまた考えていかなければならないと思います。
 特に、アフリカとかキューバというと、やっぱりインフラも十分じゃありませんし、抱えている問題は、先進国とは少し違う。干ばつ対策であったり、キューバなんかは台風なんかも一緒ですよね、その問題であったり、例えば、農業に関しても、水の問題、塩分が浸透してしまうというようなこと、キューバなんかはまだ米がつくれていないんですよね。そして、新鮮な野菜がなかなかつくれないというようなこともあるし、ナミビアも干ばつの問題や教育の問題、ここは相当やっぱり大きい問題だなというふうに思いました。
 これから必要な人材をどのように育てていくかというのは、日本も各国も一緒で、特にデジタルテクノロジーに対応できるような人材をどのようにこれから確保していくかというのは共通だと思っています。
 どのような教育が一番その国にとって効果的なのかというようなことも含めて考えていく必要があるのではないかと思います。
(問)毎日の酒造です。
 先週も伺ったんですが、EM菌のことについてなんですけれども、EM菌は、科学的根拠がないという指摘がありまして、環境大臣も国会でそういうふうに答弁をしたことがあります。それで、科学技術担当大臣として、こうした科学的根拠が本当にあるかどうか分からないものに関わっていらっしゃることについては、一部批判もあるんですが、そこについてはどうお考えでいらっしゃるかを教えてください。
(答)やっぱり一般論として申し上げれば、科学的な検証データを踏まえて、適切に判断すべきことだというふうに思います。
 また、同様に、一般論として、有用な微生物の働きを利用して、汚染物質を分解することにより、土壌の地下水等の環境汚染の浄化を図る技術というものもあるということも知っています。
 私は、科学的な検証データというものを持ち合わせておりません。ただ、使っておられる方々がおるというような段階で、これはやっぱり適切に判断していくことだろうというふうに思います。
(問)大臣御自身、今後、積極的に関わっていくおつもりというのはあるんでしょうか。
(答)私、この議連の活動というものについて問合せもしましたけれども、既にやっていないんですね、議連としての活動がなくて、活動停止状態になっているというふうに聞いています。この問題は、私、議連というのがまだ解散しておりませんので、ほかの議連の方々、会長含めて、御相談申し上げて、今後どうするかを考えるんだと思います。
(問)化学工業日報の伊地知と申します。
 先程の質問の関連なんですけど、日本の科学技術が高い評価をされているということなんですが、今後も継続的にそのポジション、それから、科学技術力というのを維持するためには、国として何をすべきかということをお聞きしたいんですけども、例えば、どういう形で資金を増やしていくか、増やさなくてもいいよということがあるのか、あとは、役割の政策的なものとして、今、ちょうど予算編成の最終段階に来ているのかなと、政府案、来年度の、それも踏まえて、ちょっとお話を聞かせていただければと思います。
(答)御存じのとおり、日本の財政の状況からいって、予算にはシーリングもかかっておりますし、大幅に研究開発に回す予算を増やすというのは難しいなというふうに思います。ただし、後退させることは絶対にあってはならんと思っておりますので、頑張っていきたいと。
 それと、もう民間の資金の活用というものも、海外の大学等々を見ますと、予算の大半、多くは民間の資金を使っているというケースもあります。ここは、方向性が一致し、あとは、工程表というかタイムスパンの問題、成果を急ぐ民間企業等々とじっくり研究したい方々、そういうところで折り合えるところは折り合って進めていくべきだと私自身は思っています。
 ですから、どっちにしろ、次の時代を拓いていくためには、科学技術、情報技術等も含めて、やっぱり相当、各国、人材育成の面からも力を入れていくと思うんですね。そこで、日本は今までの実績もあり、更にその上で、次の時代の人材をつくっていくために何ができるかと。総合的な対策が必要なんだろうというふうに思います。
 社会情勢といいますか、世界は今、デジタル化とグローバル化で、本当に情報共有のあり方とか、いろいろなビジネスモデルが変わってしまっているので、そういう時代にふさわしい研究のあり方みたいなものもあるのではないかなというふうに思っています。

(以上)