茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成30年10月2日

(平成30年10月2日(火) 12:06~12:11  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

  今後のことはまた改めてということになりますが、いずれにしても昨年の8月3日に大臣に就任をいたしました。今日が10月2日、ちょうど1年と2カ月になりますが、皆さんにはこの1年2カ月、大変お世話になりましたことを改めて御礼申し上げます。
 ありがとうございました。

2.質疑応答

(問)アメリカ時間の26日に開催をされました日米首脳会談では、日米の新たな通商協定、日米物品貿易協定の締結に向けた交渉を開始することで合意しました。交渉の開始の時期につきましては、アメリカ側のTPAを踏まえて、国内の所要手続後というふうなことでしたけれども、改めまして現時点での交渉開始時期の見通しがありましたらお願いいたします。
(答)現地でも申し上げましたとおり、米側は議会の手続、TPAを通ると、こういったことがありまして、物品貿易協定、TAGに関する具体的な交渉開始までは少し時間を要すると思います。
 先日のこれはあくまでスタートでありまして、具体的な交渉はこれからということになります。米国側は年明け以降、この交渉開始ということを想定しているようでありますが、いずれにせよ、米国側が国内手続を終了次第、具体的な交渉に入っていくことになると、このように考えております。
(問)関連しまして、TAGの共同声明についてお伺いします。成果としている農林水産分野ですが、TPPを念頭に、過去の経済連携協定で約束した内容が最大限だと記載されました。大臣や安倍総理も念押しされたとのことですが、農業関係者の中にはそれでもTPP以上に攻め込まれるのではとの不安の声があります。共同声明に明記されたことが農林水産品のピン止めとなる根拠について、分かりやすくお願いいたします。
(答)この協定は、日米双方の利益となることを目指すものでありまして、両国が交渉を行うに当たってはしっかりとピン止めをすると。すなわち、日本としては農林水産品について過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限であると、明確にこのことは明記をされたと。これまで繰り返し述べてきた立場を米側も尊重すること、これが首脳の共同声明に明記をされたわけであります。
 この種の声明文でリスペクトという言葉、非常に重たい意味を持ちまして、これが首脳間の文書で確認された意義というのは、非常に大きいと思っております。なかなかここまで交渉、これからスタートです。その段階で、具体的に日本のポジションといいますか、ここまでですよということを明記をするというのは実際難しかったと思います、私は。そこまでとることができたと思っております。
 ただ、これはスタートですから、我が国としては最終的にもこの立場を維持すると、この旨は明確に米国にも伝えているところでありまして、農業者の方々にもご懸念がない形で今後の交渉を行える環境を整えることができたと考えております。
(問)NAFTAの再交渉についてお尋ねしたいと思っておりますが、再交渉の中にはカナダがアメリカ向けの自動車の輸出の事実上の上限に合意しました。日本にも同じ要求はされる可能性はあると思いますか。その場合には大臣はどういうふうに対応されるつもりでしょうか。
(答)正に申し上げたとおり、TAGの交渉、これからスタートということでありますし、今後スタートするに当たって、どういう形で進めていくかということについては、共同声明に書かれていることが全てだと考えております。
 NAFTA、新たにUSMCAと新しい形になると。その具体的な内容については、少なくとも報道ベースでは承知を致しておりますが、他国間の様々な外交交渉、これについてコメントすることは控えたいと思います。
(問)今の質問に関連して、カナダがアメリカの要求はある意味、飲んだといいますか、そういった形で合意したということで、日本企業への影響というのはどういうふうにあるというふうに見ていらっしゃるんでしょうか。
(答)確かに、日本の自動車メーカーもカナダに進出して現地生産をいたしております。その車が米国に輸出されると、こういう現状もあるわけでありまして、当然、今後、実際に新しいUSMCA、これがどういうものになっていくのかと、こういったことを把握をし、それが日本のメーカーに対してどういう影響が出る可能性があるのかと、これはスタートの時点も2025年、もしくは発行してから5年のどちらか遅いほうということに多分なるんだと思いますので、明日から直ぐにということではないにしても、当然、それぞれの日本の企業も今後、グローバルなサプライチェーンをどう構築していくかについての検討はされると思いますし、当然政府としてもそういった日本企業の国際展開、こういったもののあり方というのはしっかりと収集していきたいとそんなふうに思っています。

(以上)