茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成30年7月20日

(平成30年7月20日(金) 8:49~8:58  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

  特になし

2.質疑応答

(問)通商関係について伺います。
 まず、昨日まで行われていたTPPの首席交渉官会合ですけれども、早期発効や発行後の加盟国の拡大に向けた議論が行われました。会合の成果について大臣の評価を教えてください。
 それと、日本政府としては日米のFFRを間近に控えているわけですけども、アメリカとの協議に臨むに当たって、今回のTPPですとか、さきに署名されました日EU・EPAといった大型の自由貿易協定を早期に発効させることの意義についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)一昨日、昨日と箱根で首席交渉官会合が開かれまして、それが終わった後、首席交渉官が東京に戻ってきまして、夕食を一緒にさせていただいたんですけれど、非常に和やかでTPP11カ国の結束、そして、信頼というものが非常に深まっているな、こういう印象を受けた会議であったと思っております。
 交渉官会合では、各国の国内手続に関する情報交換が行われて、協定発効後の新規加入の方針であったりとか、発効しますと、TPP委員会、これを立ち上げるわけですけど、この運営等について各国と具体的な議論を行い、基本的な認識を共有することができた、議論を深めることもできたと考えております。
 まず、国内手続につきましては、御案内のとおり、日本、メキシコに続いてシンガポールも昨日、国内手続を終えたということでありまして、非常にシンガポールは今日終わったんだという話で喜んでおりましたが、また、他のTPP参加国においても国内手続がかなり加速をしている、年内にも終わるところが出てくる、このように思っておりますけれど、改めて早期発効に向けたモメンタムというものが高まっていることを感じたところであります。来年の早い時期に発効させる、こういったことを期待をいたしております。
 また、これまでも各国・地域から新規加入の希望があるわけでありますが、11カ国としてこの希望、そういった意向を歓迎をして、これらの国・地域に対して積極的に情報提供と協力を行うことを確認をしたところであります。
 できるだけ、発効したら早期にそういった具体的な手続といいますか、協議に入れるように、事前にも様々な予備的なことも行いたいなという議論もあったようでありまして、更に発効後の対応について今後細かく詰めていきたい、引き続き協議をしたいと思っておりますが、いずれについても、新規加入についても具体的な議論、これを進展させることができたと考えているところであります。
 今、世界的に保護主義、こういった動きが強まる中で、TPPにつきましても、正に早期の発効というのが視野に見えてきたわけでありますし、また、今週は日EU・EPA、これも署名が行われまして、来年には発効ということになってくるわけでありまして、そういったTPP、更には日EU・EPA、21世紀型の新しい共通ルール、こういったものをつくっていく。我が国が自由貿易の旗手として、こういった自由貿易を力強く前進させていくという揺るぎない政治的意思を改めて世界に対しても示すものであったと考えております。
 こういった観点から、FFR、まだ日程については決まっておりませんが、この中でも自由貿易の重要性であったりとか多角的貿易体制の意義について米国に対して訴えていきたい、こう思っております。
(問)そのFFRに関連してですけれども、昨日、自民党の対策本部が今回の協議が日米FTA交渉やその予備協議とならないようにということを求める申入れを取りまとめました。大臣のお手元に渡ったかと思いますけれども、その受け止めと、改めてこの日米FTA、自民党の中で警戒感も強いわけですけども、交渉入りすることの是非については、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)昨日、自民党のTPP・日EU等経済連携協定対策本部の森山本部長、そしてまた、吉川事務総長を始め出席メンバーが、会議が終わった後、大臣室の方までお越しをいただきまして、政府への申入れを受けたところであります。申入れの背景にある様々な懸念を、私としても十分承知しているつもりでありまして、私からは国益に反する合意は絶対に行わない、そのように説明をさせていただきました。
 これは既に4月の日米首脳会談でこういった新たな協議を立ち上げるということは決まっているわけでありまして、協議を行うことについては異論があるとは思っておりません。そういった中で、いかに日米双方にとってウイン・ウインとなる協議になるかということを目指して、協議を進めたいと思っております。
(問)ちょっと貿易でまた重なってしまうんですけれども、今、米国で自動車に関する公聴会をやっておりまして、ほとんどの意見が反対だったというふうに聞いているんですけれども、改めて大臣の受け止めをお願いいたします。
(答)米国における公聴会で、それはメーカーだけではなくてディーラー等も含めて、232、自動車、自動車部品について非常に慎重な意見が多く出された、このことは承知をいたしております。
 正に今、アメリカにおきましては、この232の調査ということを行っているわけでありますが、御案内のとおり日本で言いますと、今、日本の自動車メーカーのアメリカへの輸出が大体170万台に対して、米国での現地生産が380万台、2倍以上になっているわけであります。正にそれは部品メーカーであったり、また、ディーラーであったり、関連の産業も含めると150万人の雇用を生み出しているわけであります。
 さらに、日本企業は、自動車以外でも多くの企業がアメリカに投資、進出をしておりまして、日本とアメリカの貿易収支、こういったものを見てみますと、アメリカから見て大体680億ドルの貿易赤字があるわけでありますが、一方、こういったアメリカに進出をしている日本の企業が第三国に輸出をしている額、これは700億ドルを超えていると。トータルしてみますと、日本の企業の様々な取引は、アメリカの貿易にとってもプラスになっているのではないかな、こんなふうに考えておりまして、恐らくアメリカの国内でも80年代、90年代、日米の貿易摩擦が言われた時代と今の現状が違うというのは、実際にビジネスをされている方はよく御存じなんじゃないかな、そんなふうに思っておりまして、アメリカの政府においても、そういった現場の声をしっかり聞いて、今後のことを検討してほしいと思っております。

(以上)