茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成30年3月23日

(平成30年3月23日(金) 8:40~8:48  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 どうぞ。

2.質疑応答

(問)私のほうから1問、アメリカのFRBが21日のFOMCで3か月ぶりの利上げを決めたわけですけれども、利上げ幅0.25%で、年3回ペースと。ただ今後、利上げペースが早まるという可能性も指摘されているのですが、こういった利上げのペース感を含め、今後日本経済とか金融資本市場への影響、どういったあたりに注意していけばいいのか、御所見よろしくお願いいたします。
(答)今回の利上げについては、米国で労働市場の引き締まりが続いて経済活動が緩やかな速度で拡大しているという現状判断に加えまして、景気の先行きについて最近数か月で経済見通しは強まったと上方修正したことから、政策金利の誘導目標、御指摘のように0.25%引き上げたと承知をいたしております。
 マーケットの参加者が注目していましたのは、あと何回利上げをやるかということでありますが、連邦公開市場委員会メンバーによります18年の政策金利の見通しについては、前回と変わらず、今回も含めて年3回ペース、つまりあと2回の利上げが中央値となっております。
 アメリカの景気は着実な回復が続いていると、このように認識をしておりまして、金融政策の動向については、世界の金融資本市場等を通じて日本経済にも影響を及ぼすと考えられていることから、引き続き注視してまいりたいと思っております。
(問)USTRのライトハイザー代表が下院議会で日本とのFTA交渉を希望すると日本に伝えていると発言したという報道がありましたけれども、これは事実でしょうか。
 TPPが先日署名されて、茂木大臣はアメリカにTPPの加入を求めていくお考えだと思いますけれども、日本としては、アメリカとのFTA交渉というのは行うつもりなのでしょうか。お願いいたします。
(答)正確に申し上げますと、3月21日、米国の下院の歳入委員会で行われた公聴会で、ライトハイザー米通商代表はこういうふうに言っていると思うのですけれども、日本とのFTAについて、日本はTPPの施行に向けたプロセスにあり、今はその時期ではないと考えるとして、あくまで将来的な可能性について言及したと、そういうものだと承知をいたしております。
 いずれにしても我が国としては、アジア太平洋地域におけるハイスタンダードな貿易・投資の枠組みの早期確立を図る観点から、TPP11の早期発効に全力を挙げたいと思っておりますし、米国に対しても、引き続きTPPの持つ経済的、戦略的重要性であったり、また、米国の経済であったり雇用にもプラスに働くということを改めて訴えかけていきたいと思っております。
(問)貿易関係ですけれども、米国が中国への制裁措置を発動し、今日のお昼には鉄鋼などの関税も発動される見通しとなっております。日本は除外をされておりませんで、その点も含めてどのように受けとめていらっしゃるか。今後の除外、日本の除外に向けて、今どういう状況にあるかというのをお願いいたします。
(答)我が国としては、本件措置にかかわる我が国の懸念、これを様々なレベルで米国に対してしっかりと説明してきており、本件措置の国別除外についても引き続き働きかけていく考えであります。  いずれにせよ、この問題の本質は世界的な生産過剰と第三国による市場歪曲的措置の是正の問題でありまして、主要国が連携してこうした問題にどう対処していくかということだと私は考えております。
(問)2点あるのですけれども、先ほども出ました、トランプ政権が決めた知的財産の侵害を理由にした通商法301条に基づいての中国への制裁措置ですけれども、中国が対抗措置などをとりますと、結構対抗措置の応酬になる懸念が出されています。
 これ、日本経済も含めて世界経済にどういう影響が及ぶというふうにお考えでしょうか。
(答)技術情報の開示であったり、外国企業に差別的なライセンシングなど、知的財産権の侵害に繋がる市場歪曲的措置は日本にとっても深刻な懸念でありまして、これまでも日米で様々な協力を行ってきているところであります。
 今般の米国の通商法301条に基づきます措置については、WTO協定と整合的な運用となることを期待したいと思っております。
 世界経済、我が国経済にどのような影響を与えるかということについても、米国の株価も動いているようでありますし、しっかりと注視をしていきたいと思っております。
(問)まだちょっと影響がどのようにこう出るかということは見通せないということでしょうか。
(答)現地時間22日ですから、今後だと思います。
(問)あと、すみません。2点目というのは、ちょっと毎回お答えにくいと思うのですけれども、今回の米国の措置によって、株価も700ドル以上下げたということですし、あと今朝方も、為替市場も結構反応していまして、104円台と1年数か月ぶりの水準なんですけれども、こちらの影響を、どのように日本経済に与える影響あるか、述べていただいてもいいでしょうか。
(答)為替、株価の短期的な動向につきましてはコメントは差し控えたいと思っておりますが、いずれにしても、こういった動き、国際金融資本市場の動き等々が日本経済にどのような影響を与えるのか、こういったことについて引き続き注視をしていきたいと思っております。

(以上)