茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成30年1月12日

(平成30年1月12日(金) 10:04~10:13  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 特になし

2.質疑応答

(問)メキシコ出張、どうもお疲れ様でございました。出張を踏まえまして、TPP、11か国での署名に向けた環境が整っていると見ておられるかどうか、カナダが慎重姿勢であることも含めて今後の課題について認識をお聞かせください。
(答)今朝、メキシコの方から戻ってまいりました。メキシコでグアハルド大臣とダナンで残された課題について最終的な調整を行うとともに、本年早い時期の署名を目指すことで合意をいたしました。署名に向けた環境、整いつつあると、このように考えております。
 カナダについては、文化例外を含め現実的な対応を期待しております。メキシコともTPP11の早期署名が実現できるよう、日本、メキシコが連携をして、カナダを含めた関係国に働きかけを行っていくということで一致をいたしました。
 現在、日本やメキシコを含む各国が早期署名に向けた最終的な調整を行っているところでありますが、各国との会談や電話会談、メキシコでも他の国のカウンターパートとも連絡をとったりしておりますが、その真剣さ、各国の真剣さ、ひしひしと伝わってきております。このモメンタムを失わないように、今月の下旬に我が国で開催予定の首席交渉官会合で最終調整に全力を挙げたい、このように思っております。
(問)中長期試算の関連ですけれども、二つのラインを引くということで、一部報道で二つのラインを引いた結果、黒字化が27年ごろになりそうだという、2年ほどずれ込みそうだというような報道もありましたけれども、現状どの辺りまで作業が進んでいて、その報道の時期というのは、そのころだと思っていいのかということをよろしくお願いします。
(答)まず、この中長期試算、内閣府の試算でありますけれど、これは社会保障等歳出改革、これを織り込まない自然体での試算ということになりますので、必ずしもこれがPBの黒字化にダイレクトに結びつくものではない、こういう前提でお答えをしたいと思うのですが、中長期試算につきましては、1月で日程調整中の経済財政諮問会議においてお示しできるように内閣府において作成中でありまして、確かに最終調整の段階に入っておりますけれど、今の段階で内容を固めたと、こういうことではありません。
 作成に当たっては、昨年の12月の経済財政諮問会議において民間議員より、今回の中長期試算はPB黒字化の道筋を議論するための土台となる、これをベースにしながら、最終的には6月の骨太で具体的に示していくということになるわけですが、内閣府には、過去の実績であったりとか足元の経済トレンドを踏まえて現実的な試算をお願いしたい、こういう発言もあったところでありまして、こういった指摘も踏まえてしっかり検討し、公表に向けた準備を進めたいと、こんなふうに考えております。
(問)メキシコ出張、お疲れ様でした。先程とちょっと関連するのですけれども、TPPの関係で、ベトナムが要求していた労働分野の凍結項目の部分があったと思うのですけれども、それについてメキシコの反応は如何でしたでしょうかということと、あと、米国がNAFTAを離脱する意向があるような報道が一部ありますけれども、そのことによるTPPへの影響はどういったことが考えられるのかという見解をお願いいたします。
(答)残された課題の中の一つが労働の分野であるということは間違いありません。当初この労働の問題につきましては、かなり意見の隔たり、各国間でありましたが、ダナン以降、様々な調整、年末、そして、年明け以降の日本も入った形でのいろんな協議によりまして、相当その溝は埋まってきたと考えております。埋められない溝ではない、こんな見方をいたしております。
 一方、NAFTAについては、今月恐らく28日ぐらいまで次のNAFTAの会合があるということで、その当事国でありませんので、それがどうなるかという見通しについてコメントは差し控えたいと思いますが、NAFTAはNAFTAとして関係国はしっかり議論されるでしょうし、同時にTPPも重要でありますから、TPPの参加国、これはTPPについてもしっかり取り組んでもらえると、このように期待をいたしております。
(問)先日、厚労省が発表した勤労統計で、昨年の11月の実質賃金が0.1%増で11か月ぶりに増加しまして、今後の賃上げの流れにはいい流れなのかと思いますけれども、物価上昇につながることが期待できると思うのですが、ただ一方で、足元の消費者物価はなかなか伸びない一方で日銀は2%に物価目標を掲げていると。今後、仮にデフレ脱却宣言をするような局面になってきた場合に、この物価水準を必ずしも2%まで行っていなきゃいけないのか、ちょっとその辺りの物価をどう政府として捉えていくのか。
(答)デフレ脱却の判断、確かに何%と、これも一つの要素であると思いますが、このデフレ脱却の判断に当たっては、以前から申し上げておりますように、足元の物価の状況に加えて再び後戻りをしない、こういう持続可能性を確認することが必要でありまして、その際、単一の指標で判断するのではなくて、確かに消費者物価もあるわけでありますが、同時に名目GDPと、それから、実質GDPの関係、つまりGDPデフレーター等の物価の動向を総合的に考慮して、慎重に判断する必要があると思っております。
 昨年末に申し上げたと思うのですが、デフレ脱却に向けた局面変化はあると、このように思っておりまして、足元の物価の動向の背景を見てみると、長期にわたる景気回復によって、リーマンショック後、大半の時期でマイナスであったGDPギャップと、これはプラスに転じて需給が引き締まってきているわけであります。
 また、二つ目に企業収益、これも2013年度以降、過去最高を更新していると。そして、人手不足感、これも1992年以降、バブル崩壊以降ですね、四半世紀ぶりの高水準になっている、こういったことからデフレ脱却に向けた局面変化と、そういったものが見られると考えております。
 政府としては、今後3年間を「生産性革命・集中投資期間」として、年末に決定しました大胆な税制であったり、予算、更には規制改革等の施策を総動員することによりまして、過去最高の企業収益を更なる賃上げや設備投資につなげ、デフレからの早期脱却と、こういったものを目指してまいりたいと思っております。

(以上)