松山内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成30年9月11日

(平成30年9月11日(火) 10:37~10:48  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 私から3点御報告がございます。
 まず、少子化対策担当及び科学技術政策担当として、北海道胆振東部地震への対応について御報告いたします。
 地震によりお亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈りいたしますとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。
 まず、子育て支援ですが、この地震によって企業主導型保育施設、あるいは認定こども園への被害状況につきまして、現在、関係省庁と協力しながら、把握に努めているところですが、現状、人的被害は0件、9月10日現在ですが、物的被害は11件という状況ですが、引き続き把握に努めているところであります。
 また、地震によって幼稚園・保育園等の保育料の負担でございますが、困難な方々については保育料の減免ができる仕組みを地方自治体に改めて周知をし、被災者の方々に特段の配慮を要請するなど対応を行っているところでございます。
 また、科学技術政策に関連しまして、今回の災害におきまして、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)で開発された防災情報共有システム(SIP4D)によって、道路の不通情報、避難所情報、あるいは医療機関の情報を電子地図上に取りまとめて、被災地の保健医療活動や避難所へのプッシュ型物資支援活動に活用いただいておるところであります。
 また、SNS情報要約システム、これもSIPで開発されたものですが、D-SUMM、これは日本で交わされるツイッター、一日に約800万ツイートあるそうですが、この中から災害関連情報を自動抽出して、救命活動を行う消防庁や警察庁等により9月6日に850回活用されております。
 引き続き、早急な被害状況の把握に努めるとともに、被災地のニーズを踏まえて、関係省庁とも連携の上、必要な対応を行ってまいります。
 2点目ですが、少子化対策担当として御報告します。
 企業主導型保育事業ですが、今年度2万人の受皿を確保すべく募集をかけておりましたけれども、5万人分を超える応募がございました。こうした企業からのニーズの高さに鑑み、2万人分としておりましたけれども、今年度の整備量を3万人分程度に上積みするということにいたしました。
 今後、事業の実務を担う公益財団法人児童育成協会に設置しています審査会におきまして、速やかに助成決定に向けた審査・選定の作業を引き続き進めていきたいと思っております。
 3点目ですが、科学技術政策担当として報告します。
 本日から13日まで、東方経済フォーラム2018に出席いたします。ロシア政府要人との会談等を行い、ロシア・ウラジオストクに出張に行ってまいります。極東地域の経済開発を目的に開催されております、安倍総理、ロシアのプーチン大統領が昨日は首脳会談、今日からスピーチ等々、フォーラム全体会合も行われますので、それに出席させていただきます。
 フォーラムでは、投資などの経済活動のほか、科学、教育、エネルギー、あるいは医療関係のさまざまなテーマが取り扱われまして、各国の政府、産業界、アカデミアを代表するリーダーが多数参加するため、これらの参加者との間で意見交換を行ってまいります。
 これらにより、日ロの科学技術・イノベーション分野における協力を引き続き推進してまいりたいと考えております。
 私からは3点、以上でございます。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 先週、統合イノベーション推進会議のもとにAIの有識者会合が設置されて、開かれたんですけれども、今後同様な有識者会合が開かれると思うんですけれども、今後どういう分野の有識者会合を設置していく予定なのか、教えてください。
(答)7月に開催された第1回の「統合イノベーション戦略推進会議」、これでこの会議の実効性を高めるために、「有識者会議」を課題毎に設置するということにしております。
 これに基づいて、「AI戦略」を課題とする「有識者会議」、御指摘のように「AI戦略実行会議」の初会合を9月5日に開催しました。
 「有識者会議」の具体的な課題については、司令塔会議の間で調整・推進が必要になる事項を対象とする予定ですが、現在のところAI戦略以外の課題については、検討、調整中でございまして、これからであります。
 いずれにしましても、本推進会議を中心として、関連の司令塔会議、関係府省と連携しながら、「統合イノベーション戦略」の着実な実行を図ってまいりたいと思います。
(問)NHKの鈴木です。
 クールジャパン分野でお伺いします。
 現在、国立新美術館でマンガの「ジョジョの奇妙な冒険」の原画展が開かれています。これは現役のマンガとしては、初めて国立の美術館で開かれたということなんですけれども、マンガが芸術と認識されつつあることについて、まず大臣の受け止めをお願いします。
 それと、今後ヨーロッパなどでも日本のマンガは物すごい人気ですけれども、こういったメディア芸術の発信であるとか、クールジャパン戦略について、どのようにお考えか、それもお願いします。
(答)私もクールジャパン担当として、海外でマンガについて大分PRしてきましたけれども、日本のマンガは、これまでに主に日本人を対象として展開されてきましたけれども、現在は海外の多くの外国人から人気があるという状況で、今や日本を代表する芸術の一つになっています。マンガやアニメは、クールジャパンの主力コンテンツでありまして、日本の成長戦略を支える「文化資源」でございます。
 マンガについて過去をさかのぼると、19世紀の中頃、日本の北斎、あるいは歌麿といった「浮世絵」が、フランスの絵画に大きな影響を与えて、当時のフランス絵画に「ジャポニスム」という大きな流れを生み出しました。それから約1世紀半を経た今日において、国立新美術館で開催される「ジョジョの奇妙な冒険」、この個展についても、日本人だけでなくて、外国人の方々が多く来館されていると伺っております。マンガに関する我が国の文化・芸術が連綿と海外においても広く受け入れられているということは、大変喜ばしいことだと思います。
 今年の6月に総理を本部長として、知的財産戦略本部が開催され、改めてマンガを始めとして、クールジャパン戦略について、日本の様々な魅力が一層効果的、一体的に発信、また展開されるように取り組むということを決定いたしましたので、引き続き関係省庁とも連携をしながら、クールジャパン戦略、特にマンガの分野をしっかりと海外にも発信していきたいと思っております。
(問)共同通信の山本です。
 今ほど大臣の方から御紹介のありました企業主導型保育施設の整備について伺います。
 今年夏まで2万人の募集をかけていたところ、5万人の応募ということで、募集の2.5倍を超える応募があったということについての受け止め、この多さについて受け止めを新たに伺いたいのと。
 今年度分の応募を3万人程度に上積みするということですけれども、これは子育て安心プランで20年度までに3か年で6万人分というプラン自体の数字に影響があるのかどうかも教えてください。
(答)企業主導型については、かなり周知という意味では徐々に皆さんに知れ渡っていって、非常に人気が出てきたというか、やってくださるところが多くなってきたという状況でした。
 それで、今回2万人分を募集したところ、5万1499人分という大変多くの募集がございまして、1万人増やしたのは、予算内でプラス1万をして、合計で3万人分やるということでありますので、しっかり進めていきたいと思います。
(問)子育て安心プランの全体の整備量への変更というのは、特にないということでいいでしょうか。
(答)そうです。予定どおりに進んでいるということで、むしろ1万人プラスしておいた方がスムーズだと思いますので。

(以上)