松山内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成30年8月10日

(平成30年8月10日(金) 10:32~10:41  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 私の方から1点御報告がございます。
 宇宙政策担当として、また少子化対策担当として報告いたします。
 一昨日、8日から昨日、9日にかけまして、小型ロケット開発のベンチャー企業でありますインターステラテクノロジズ社及び地元の北海道大樹町と、独自の財源で充実した子育て支援策を行い、一時減少していた、半世紀減少していた人口を増加に転じさせている上士幌町を視察してまいりました。
 まず大樹町ですが、インターステラテクノロジズ社の工場において、小型ロケットの開発現場を視察してまいりました。また、若手の経営者、宇宙航空による地域振興策に取り組む大樹町の町長や市議会の議長さんはじめ、皆さん方と直接お会いし、意見交換をさせていただきました。
 上士幌町ですが、ふるさと納税を活用した独自の子育て支援というものを実施しておりまして、町長をはじめ町の職員の方々、また上士幌町の子育て支援策に惹かれて移住された子育て世代の町民の皆さんと、直接意見交換もさせていただく機会を頂きました。幼保連携型認定こども園も視察してきたところです。
 今回の出張の成果を踏まえて、引き続き民間の宇宙開発事業の促進、また少子化対策、子育て支援策の更なる充実に向けて力を尽くしてまいりたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 今回の視察を踏まえて、宇宙ベンチャーの持つ課題についてどのようにお感じになったのか。それで、その課題を解決するために政府としてどのような支援ができるのかについて大臣のお考えを教えてください。
(答)今回のインターステラテクノロジズ社のロケット開発の現場を視察しまして、大変若い稲川社長からも直接様々なお話を聞くことができました。
 課題という点では、一から事業を立ち上げていく過程の中で、人材でありますとか、あるいは技術・資金面、様々に苦労されておられまして、工夫、また努力をされておられるという状況をお聞きいたしました。
 政府としましても、引き続き技術実証のための支援を行うこととしておりまして、資金的な助成金も、今年度も経産省の方から支出する予定になっておりますし、宇宙関連人材を円滑に供給するための供給サイトの立上げも予定いたしておりますので、いろんな形で協力をしていきたいというふうに思っているとこであります。
(問)関連して、NHKの鈴木です。
 宇宙ベンチャーは、やはり海外と比べるとまだまだ数も少なくて、やはりリスクマネー、いろいろ政府も支援しているところですけども、まだまだその立ち上がりが、その動きが鈍いような気がします。その点について、今後宇宙ベンチャー、宇宙産業をどう盛り上げていくのか、そこについての考え方もお願いします。
(答)そうですね。やっぱりかなりコストを下げるという意味では工夫をされておりまして、ロケットの打上げも、縦向きにつくればいいものを、あえて横向きしかつくれないとか、つくった後立てる。縦向きにつくる建屋だけでも大変な金がかかるので、そういうところからとにかくコストを下げながら、JAXAなんかに比べると非常に厳しい予算の中で苦労をしておりますので、できる限り、JAXAなんかも技術協力をしたり、あるいは人材的な協力をしたり、何か工夫、知恵を出せないのかというふうに感じましたので、資金面もさることながら、そういった人材的なものとか、あるいは技術的なところ、もう少し国の方でも今まで長年培ってきたものを共有できるようなシステムができないかどうか。これはこれからですけど、JAXAにも相談をしてみたいというふうに思っておりますし、いずれにしましても、民間が宇宙産業、今1.2兆円と言われるところを、この10年辺りで倍の2.4兆円まで広げていこうという目標もございますので、しっかり政府としても支援していきたいと思います。
(問)毎日の酒造です。
 リニアコライダーについて伺いたいんですが、大臣、先日、ノーベル賞学者のグラショウさんと、バリ-・バリッシュさんから直接親書を受け取って建設の要望を受けたと思います。率直に、この計画についてどうお考えなのか、まず教えてください。
(答)先般、ノーベル物理学賞の受賞者、バリー・バリッシュ博士とシェルドン・グラショウ博士がILCを誘致する意義ということで御説明に来ていただきました。また、親書というのも頂いたところでありますが、国際リニアコライダー計画ですけれども、文部科学省の中で有識者会議を設置して、科学的意義、あるいは技術的実現性について検証を重ねて、7月に議論を取りまとめたというふうに承知いたしております。
 この有識者会議における取りまとめを踏まえて、文科省から日本学術会議に対してILC計画の学術研究全体における位置づけ。また我が国で実施することの国民、また社会に対する意義。またILC計画の実施に向けた準備状況、あるいは建設及び運営に必要な予算、あるいは人的資源の確保等の諸条件。これらについて審議を依頼したというところでありまして、本日、日本学術会議において第1回の検討委員会が開催される予定になっております。
 内閣府としては、文科省と日本学術会議における検討状況、今後注視をしていきたいと思っています。
(問)この計画なんですけど、全体の事業費で8000億円という非常に巨額なお金がかかる計画でして、大臣、まず、現行の科学技術予算でこれが建設できるとお考えなんでしょうか。
 で、要請の中では、科学技術予算の外で、別の予算を使って建設してくれというふうに要望する動きもあるんですけど、ここら辺の考えについてはどうお考えですか。
(答)8000億円ですので、これだけの投資は、やっぱり我が国だけで実現するというのも不可能ですし、国際的な経費分担というのが必要不可欠になってくるだろうと思いますし、この実施計画の可否につきましても、国民や科学コミュニティーの理解が重要でありまして、学術会議による審議の中で様々議論いただいて示していただくことを期待しているんですけど。
 随分前から、このことについては、どこでやるかなんていう話も党の中でも議論されていて、私の地元の福岡と岩手と随分張り合って、結局岩手になったという経緯もあるんですけど、それは地元の地域振興という観点からも地元でみんな盛り上がっていたわけですが、意義については、この学術会議の中での議論を見守りたいと思っています。

(以上)