松山内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成30年2月16日

(平成30年2月16日(金) 9:16~9:29  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 高齢社会対策担当として報告いたします。本日、高齢社会対策会議を開催いたしました。その後の閣議におきまして、新たな高齢社会対策大綱を閣議決定いたしました。
 この大綱は、高齢社会対策基本法に基づきまして、政府の高齢社会対策の基本的かつ総合的な指針として、今後の5年程度を見据え、新たに策定するものでございます。
 今後、高齢化がますます進展する中で、高齢者のみならず、若年層も含めた全ての世代が満ち足りた人生を送ることができる環境をつくる必要がございます。そのため、新たな大綱では、基本的な考え方として、全ての年代の人々が希望に応じて意欲・能力をいかして活躍できるエイジレス社会の構築、そして、高齢期の暮らしを具体的に描ける地域コミュニティづくり、また、高齢社会対策における技術革新の成果の活用、この3点を掲げているところでございます。
 こうした考えの下に、新たな大綱で盛り込まれた六つの分野における施策を政府一丸となって推進してまいります。高齢化の進展する我が国社会が持続可能で豊かなものであり続けるよう、しっかりと取り組んでまいります。
 2点目ですが、科学技術・イノベーションカンファレンスにつきまして、科学技術担当として報告します。
 お手元に配っておろうかと思います、2月23日金曜日の13時30分から、科学技術・イノベーションカンファレンス、社会への実用化に向けた提案を、時事通信ホールにて開催いたします。
 内閣府では、科学技術・イノベーション政策の司令塔として、戦略的イノベーション創造プログラム、SIPを始めとして、我が国科学技術・イノベーションの成果を2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会で世界へ発信していく、そのための取組を進めているところでございますが、このカンファレンスにて、特に社会実装を強く意識し、元陸上競技選手の為末大さんのトークセッションも交えながら、これまでの研究開発の成果と2020年の社会を展望いたします。記者クラブの皆様方におかれましては、是非お顔を出していただき、広く発信していただきたいと存じます。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 二つ教えていただきたいんですが、一つが、アメリカなんかではベンチャー企業がどんどん育っていると。その要因の一つが、公共調達でベンチャーを育てるような環境がある。対して、日本というのはなかなか公共調達にベンチャーが入りにくいという状況があるんですけれども、そのときに日本でもベンチャーが育つような公共調達の在り方について、これからどういうふうに政府全体として取り組んでいくのか、そこら辺について教えてください。
(答)第5期科学技術基本計画では、中小・ベンチャー企業等の新規事業の立ち上げに関して、初期需要を確保するための方策の一つとして、公共調達の活用というものが掲げておられます。また、昨年12月に閣議決定した、新しい経済政策パッケージにおいても、科学技術イノベーション転換に関する取組として、公共事業分野等における先進技術の積極的な導入、AIとかIoT等々が挙げられていますが、こうした背景を踏まえて、中小・ベンチャー企業に公共調達分野の参画を促す取組として、去年の10月、内閣府オープンイノベーションチャレンジ2017を開始しまして、今年の1月に15件認定・公表いたしました。
 警察庁、消防庁、海上保安庁のニーズに対するアイデアについて認定をしたところですが、公共調達における中小・ベンチャー企業の活用などを加速させるために、具体的な課題の設定や研究開発から調達、事業化までの仕組みの整備を念頭に置いたガイドラインを策定する検討を今行っているところでございまして、昨日の政策討議においても議論を行ったところであります。
 このガイドラインにつきましては、今年の夏を目途に策定する予定の統合イノベーション戦略に盛り込むことを考えておりまして、引き続き、関係省庁と連携・協力しながら、公共調達分野のイノベーション化を進めていきたいと思っております。
(問)もう一つなんですけれども、ちょうど高齢社会の大綱を閣議決定されたんですけれども、例えば介護の現場とか医療の現場で新しい技術を入れようとしても、いろんな規制があって、それでなかなか新しい技術を入れられないという現状があるんですけれども、それについて今後どういうふうに規制改革に取り組むのか教えてください。
(答)今回の方針の中に、高齢社会対策における技術革新の成果の活用というのも挙げておりまして、身体や認知能力等の問題に対して、新技術が新たな視点で解決策をもたらす可能性が出てきているというところから、例えば、介護ロボットの活用による自立支援、介護者の負担の軽減をやる。また、無人自動運転移動サービスの実現で高齢運転者の事故の防止、これもかなりの人数に上がっていますので、目標設定をしております。また、医療・介護機器の研究開発、そして実用化までやっていくと。いろいろ目標も今回設定をして、こういう科学技術を使って解決策を進めていきたいと具体的に考えているところであります。
(問)NHKの小泉です。
 先程閣議決定された高齢社会対策大綱の件で2点お伺いしたいと思います。
 まず、今回、人生100年時代というふうに政府でもいろいろ議論がなされる中であり、今回閣議決定されたということ。また、今回、年金の受給開始年齢についても非常に注目が集まった中での閣議決定となりました。そういう中で、今回の閣議決定の意義をどのようにお考えか、一言お願いします。
 それと併せて、今回、年金の支給開始年齢というのがすごく注目が高まっているんですけれども、この議論は厚労省の方に移っていくかと思うんですが、内閣府としても何か今後、高齢社会の分野で一緒に年金の件については取り組んでいかれるところがあるかどうかもお伺いしたいと思います。
(答)今回の新しい大綱については、現在、我が国も急激な高齢化が進んでおりますので、4人に1人が65歳以上となっておりますし、今後一層の高齢化が見込まれるという状況の中、65歳以上を一律に高齢者とみる、この一般的な傾向は、もはや現実的なものではないというふうに思いますし、年齢にかかわらず、意欲・能力に応じた力を発揮できる時代が到来していると認識を示しているところでございます。
 高齢化に伴う社会的課題に対して、いわゆる、全ての世代が満ち足りた人生を送ることができる環境をつくると、そういった意味で、この大綱に掲げた各般の施策を一丸となって推進していかなければならないと。高齢化に進展する我が国社会が持続可能である、そして豊かなものであり続けるよう取り組んでいこうと思っているところでございます。
 年金につきましては、受給開始時期は60歳から70歳の間で個人が自由に選べる仕組みとなっています。他方、現在の高齢者の就業状況を見ますと、70歳以上でも就業する人が増加をしております。こうした中、新たな大綱では、年金受給開始時期の選択肢の拡大の検討を盛り込みました。具体的な内容は厚労省において、これから次回の年金制度改正に向けた議論の中で検討を進めていくということになろうかと思っております。
(問)日経新聞の猪俣です。
 宇宙政策についてお伺いしたいんですけれども、トランプ大統領が予算教書の中で、2025年以降の国際宇宙ステーションへの予算の打ち切りをする方針を示しましたけれども、これについての受け止めと、日本がこれを受けてどうするのか、アメリカに倣うのか、別の方針をとるのかということについて見通しをお願いします。
(答)国際宇宙ステーション、ISSに関する予算について、国から直接支援は2025年までに終えて、その後の運用については民間企業主体へと移行する方針を先般示されたことを承知いたしております。
 ISSの参加各国におきましては、2025年以降のISSの在り方について技術的な議論を進めているというふうに聞いておりまして、この議論の進展を注視しながら、ISSで培った技術力、あるいは国際協力の枠組を今後どのようにいかしていくのか、国際宇宙探査との関係も含めて、検討を進めてまいりたいと思っております。
 2025年に直接的な支援を終えるということでおりますが、今後の体制について不明な点もかなり多く、まだよく理解できていないところがありますので、これから米国議会も審議が行われていくのではないかと認識をしていますので、その動向を見守りながら対応していきたいというふうに思っておりますし、また、今年開会されますISEF2においても、様々こういう議論も行われるというふうに承知しておるところでございます。
(問)毎日の酒造です。
 ISEF2ですが、大臣、御出席予定はございますか。
(答)もちろん出席の予定にしております。
(問)最後まで、記者会見までなさるということですか。
(答)今のところその予定です。

(以上)