松山内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成30年1月16日

(平成30年1月16日(火) 10:25~10:38  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。私の方から2点御報告がございます。
 まず、IT政策担当の大臣として御報告申し上げます。本日、閣議前にeガバメント閣僚会議の第4回会合を開催いたしました。
 今後、今回の会合で決定しましたデジタル・ガバメント実行計画に基づきまして、次の4点を推進してまいります。
 まず、登記事項証明書や戸籍謄抄本など、添付書類を一括して撤廃する法案を作成いたします。次に、行政手続のオンライン化を徹底させるため、押印や対面原則などの制度、あるいは慣習を徹底して見直す、業務改革を実施いたします。さらには、引っ越し、介護、死亡・相続といった主要なライフイベントの際に必要となる、もろもろの手続、これをワンストップ化をしてまいります。最後に、民間ニーズに対応したオープンデータを推進するため、官民ラウンドテーブルを開催いたします。
 IT政策担当大臣として、こうした取組を着実に推進し、行政サービスの更なる利便性向上を図ってまいる所存です。
 もう一点ですが、米国出張につきまして、科学技術政策・宇宙政策・クールジャパン戦略担当の大臣として御報告をさせていただきます。1月5日から15日にかけて、米国政府要人との会談等のため、出張いたしました。
 ワシントンでは、クレイチオス大統領副補佐官との間で、日米間の科学技術協力推進について会談を行いました。
 私からは、閣僚級会合であります、日米科学技術協力合同高級委員会について、大統領補佐官が任命をされ次第開催すべく、外交ルートで今後検討することを提案し、同意を得ました。また、コルドヴァ全米科学財団長官との会談を行いまして、日米科学技術協力合同委員会に向けて、量子技術分野での協力拡大を検討するということについて提案し、賛意を得ました。
 また、シャナハン国防副長官との会談ですが、日米間の宇宙安全保障協力強化について意見交換を行いまして、その重要性について双方で確認することができました。先方から、具体的な協力分野として、既に進捗している宇宙状況監視-SSAの協力を始め、ホステッド・ペイロード、衛星通信、また、シュリーバー演習への日本の参加などが挙げられまして、今後一層、密接に連携をしていくことで意見が一致をいたしました。また、ペース国家宇宙会議事務局長との会談におきまして、3月に東京で開催します国際宇宙探査フォーラム―ISEF2に向けて意見交換を行いました。ISEF2の重要性に鑑み、ペース事務局長自らこの会議に出席をしたいという意向も示されております。
 また、これらの米国政府要人との会談のほか、ベンチャー企業支援施策の検討に資するために、オービタル・インサイト社やプラネット社といった宇宙ベンチャー企業、ファイブ・ハンドレッド・スタートアップス社などのベンチャー支援機関等を訪問して意見交換をさせていただきました。
 また、大学改革、研究力向上に資するために、カリフォルニア大学バークレー校、スタンフォード大学、ハワイ大学及び国立天文台ハワイ観測所すばる望遠鏡を視察し、関係者との間で意見交換を行いました。
 加えて、クールジャパン戦略推進を目的に、昨年12月に一部開館したジャパン・ハウス・ロサンゼルスを視察したほか、ニューヨークにおきまして、関係機関との間で意見交換等を行ってまいりました。
 今回の出張の成果を科学技術政策、宇宙政策、クールジャパン戦略の更なる推進に役立ててまいりたいと思います。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 今回の出張でベンチャー企業とか、あるいはベンチャー支援機関、あるいは大学とか、現場を見てこられたかと思うんですけれども、その現場を見た感想として、日米の違いをどのように感じられたのか、そして、今後、政策にどのように具体的に生かしていこうとお考えなのか教えてください。
(答)担当も幅広かったので10日間、先程申し上げたような分野で視察をしてまいりましたけれども、やはり科学技術あるいは宇宙政策といった観点からは、これからの日本の若手人材をしっかり育成する支援をしていかないと、研究という意味では、今ではそんなにまだまだ遅れをとっていないのだと思いますけれども、大学などの研究部門やベンチャー企業支援機関が既に大学の中にあったわけですけど、ほとんど日本の企業が採択されていなかったり、日本の学生、日本の出身者、日本人がいないという状況も目の当たりにしまして、やはり海外、特にアメリカに向けて様々な人材育成に、留学生も含めて、しっかりと共同した研究連携みたいなものもやっていかなければならないのではないかというふうに思いましたし、ハワイにおいても、かなり世界の先端をいく技術で、すばる望遠鏡も取り組んでおりますし、また、今、TMTといった30メートル級の天体望遠鏡についても、正に今から着工になるわけでありますけれども、そういったすばらしい日本の技術が利用された各国との共同事業が進んでいるところを見て、それゆえにやっぱり人材育成といいますか、今後の日本の若手人材というものをしっかり育成するための支援というものを、正に大学改革も含めて、やっていかなければならないのではないかというふうに思いました。
 クールジャパンについてはニューヨーク、ロサンゼルス、さすがに多くの世界中からの人が集まるところでの視察でありましたので、日本のいいものをしっかり発信すれば非常にプラス面が多いということもよく分かりましたので、戦略をいかに組み立てるかと、いかに企業の支援にもなるかも分かりませんけれど、いろいろな形で日本のすばらしいものをしっかり発信できれば、それを求めている人はたくさんいるのだということもよく分かりましたし、また、ニューヨークで非常に活躍しているミュージカル関係の方も、日本人として活躍をしている方もおられまして、いろいろな形で日本が世界で活躍しているなということも同時に理解することもできた次第であります。
(問)NHKの鈴木です。
 ベンチャー企業に関連してなんですけれども、海外の宇宙のベンチャー企業を見てきたと思うんですけれども、その勢いといいますか、どんなことを現場で感じられたか、日本のベンチャー企業と比較してどうだったかということもお願いします。
(答)印象に残ったのは、人工衛星からの映像をとっているところです。数十メートル単位での地球の状況がすぐに細かく分かるという映像を見て、大変すばらしい技術だと思いますし、当然、アメリカの国防省にもそのデータは行っているわけですし、我が国の防衛省とも連携を一応とってはいるとは思うのですけれど、しっかり今後もそういうところと世界の情勢を把握していく。それは、正にベンチャー企業としてアメリカでは既にスタートしているというところがすごいなと驚いたところでありまして、また、そのデータを利用して分析をする会社というところにも行ったのですけれど、これまた、農林水産業を始め企業の戦略を組み立てるために重要なデータがそこから取れるという、タンクの量であったり、海上の温度であったり、漁場の状況であったり、様々な地球上のことが、宇宙という、人工衛星という様々な技術の進歩でこれだけのものが分析されているのかということに改めて感銘を受けたところですが、当然、日本もこういったことについて、より工夫した努力をすれば、日本の技術をもってすれば様々なことがまた連携できるのではないかと。特にシリコンバレーでは、二度三度失敗しているのが普通で、それが勲章のような、それだけ乗り越えてきているという、日本の社会の状況とは全くそういった面では違って、正に一億総活躍、一度失敗した人であっても本当に活躍できる、そんな土壌を作っていかなければならないし、それが当たり前の状況にしなければならないなということも、改めて感じた次第であります。
(問)もう一点、ペースさんと会われて、ISEF2で御自身が出席するという話、御意向を伺ったということですけども、ISEF2に向けてはどんなことを話し合いたいか、どんな方向性に持っていきたいかなどの具体的な話合いはされたんでしょうか。
(答)いろいろな観点から会談をしましたけれども、具体的なことについては、実際3月に向けてこれから協議をしていこうということで、非常に中身の濃い会談ができたということだけは御報告申し上げたいと思います。
(問)NHKの小泉です。
 話題変わります。成年後見人制度の件なんですけれども、先日、知的障害の30歳の男性が成年後見人制度を利用し、欠格条項の件で仕事を失ったということで、国に賠償を求める訴えを起こしました。今、政府でも欠格条項の件についていろいろ法改正の方を進めていると思うんですけれども、受け止めをお願いいたします。
(答)現在、法改正に向けて取り組んでいるところでありまして、今国会中に、この辺についても進めていくべく、今やっているところであります。

(以上)