松山内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成29年12月22日

(平成29年12月22日(金) 11:11~11:26  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。私の方からは、今日は4件御報告がございます。
 まず、IT政策担当として御報告します。
 本日、閣議後に総理を本部長とするIT総合戦略本部を開催いたしました。副本部長である私の方から、来年夏をめどに策定するIT新戦略につきまして、基本的な方向性を説明し、本部決定をいたしました。
 総理からは、次の2点御指示がございました。まず1点目、電子申請に係る添付書類の全廃を目指す、必要な法案の作成に着手をするということ。2点目に、官民ラウンドテーブルの開催などによって、可能な限り、行政保有データのオープン化を進めるということでございます。
 これらの総理指示を踏まえて、来年夏のIT新戦略の策定に向けて、経済界、関係省庁との連携を更に加速をし、調整していきたいと思っております。
 2点目ですが、本日の閣議におきまして、平成29年度補正予算案並びに平成30年度予算案及び平成30年度税制改正の大綱を閣議決定いたしました。まず、そのうち、少子化対策、子供の貧困対策に関する部分について御報告をいたします。
 子ども・子育て支援につきましては、平成30年度予算案で、事業主拠出金率を0.23%から0.29%まで引き上げまして、企業主導型保育事業のほかに、0歳から2歳児の保育の運営費に新たに充てるために、約1000億確保いたしました。合計で2兆5885億円を計上しております。
 また、企業主導型保育事業を更に活用するために、企業主導型保育施設の建物や遊戯具の取得に係る割増償却の優遇措置を設けることにいたしました。こうした措置を活用して、来年度は、今年度までの7万人分に加えて、新たに2万人分の受け皿整備を行います。そして、合計9万人分の受け皿を企業主導型保育事業で確保していきたいと思っております。
 次に、地域少子化対策重点推進交付金ですが、平成29年度の補正で20億円、そして、30年度の予算案では10億円を計上しております。当初予算で見ると、対前年度比で、ほぼ倍増となっております。
 また、地域子供の未来応援交付金、貧困対策の方につきましては、平成29年度補正予算案で6.1億円、平成30年度予算案では1.5億円を計上しております。初めての当初予算化を達成いたしまして、地域の実情と課題に即した取組を継続的に、また、安定的にこれからも支援できる形ができました。
 交付金ですが、これは全国の知事会から強い要請が上がっておりまして、充実すべきとの提言がなされておりました。こうした地方の皆様の要望に応えて、所要の予算が確保できたものと考えております。さらに、この交付金を活用して、少子化対策、そして、子供の貧困対策に取り組んでいただく地方公共団体への支援をしっかり強化をしてまいりたいと思っております。
 それから、科学技術政策担当として御報告申し上げます。
 新たな経済政策パッケージにも盛り込まれましたが、生産性革命を実現する上で、科学技術イノベーションは最も重要な柱となるものですが、これを踏まえて、CSTIの関連の予算として、平成29年度補正予算で、平成31年度に開始予定であったSIPの次期課題を前倒しして開始するため325億円を計上しました。また、平成30年度の政府予算案において、新たに創設するPRISMに係る経費100億円を含め、SIP/PRISMに係る経費として、55億円増額の555億円を計上したところでございます。
 CSTIとして、Society5.0の技術基盤、農業や建設あるいはものづくり等、生産性の抜本的向上が必要な分野を中心に、SIP/PRISMを一体的に活用することによって、Society5.0、また、生産性革命の実現に科学技術イノベーションの創出を通じて貢献してまいりたいと思っております。
 政府全体の科学技術関係予算につきまして、本年4月に政府研究開発投資目標でありますGDPの1%の達成に向けて具体的に取組方針を決定するとともに、決定に基づいて、予算編成過程において、私から麻生財務大臣に予算確保に向けた申入れを行うなど、財務省と緊密な連携の下、これまで進めてきたところでございます。
 なお、政府全体の科学技術関係予算については、現在、集計作業を進めているところでございまして、年明け早々にも取りまとめた上で、また正式に公表したいと思っております。
 今後とも、新しい政策パッケージを踏まえて、生産性革命、あるいは経済成長の鍵である科学技術イノベーションに係る取組を加速してまいりたいと思っております。
 最後に4点目ですが、知財戦略担当の大臣として報告します。
 本日、総理を本部長とする知的財産戦略本部の下に、知的財産戦略ビジョンに関する専門調査会を設置しました。お手元の配付資料のとおり、幅広い分野から、そしてまた、幅広い世代からメンバーを選定しております。
 約5年ぶりに検討する知財戦略ビジョンでは、知財システム、あるいはクールジャパン戦略の在り方について、2025年から2030年頃の社会像を見据えて、中長期の展望、施策の方向性を示していきたいと考えております。
 第1回の専門調査会は、26日火曜日に開催をいたします。まずは、現在世の中に起こっている様々な変化などから、将来の社会像などについて議論を行う予定でございます。詳細につきましては、知財の事務局にお問合せいただきたいと思います。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 ITについてお聞きしたいんですけども、今回のIT本部でも出たかと思うんですけども、棚卸しをしたら、地方自治体とか市区町村のオープンデータがなかなか進んでいないという現状が明らかになったと思うんですけども、市区町村のオープンデータを進めるために今後どのように取り組んでいくのか、そこら辺について教えてください。
(答)自治体に関してですが、平成32年度までに全ての自治体がオープンデータに取り組むという目標を設定しておりますが、現時点で取組済みの自治体は306となっておりまして、これはまだ全自治体の17%になっておりまして、都道府県は42、市区町村は264という状況です。
 本日のIT総合戦略本部での総理指示も踏まえて、自治体におけるオープンデータを促進するために、ガイドライン、また、手引書、公開することが望ましい推奨データセットを提供してまいりたいと思っておりまして、オープンデータ伝道師として自治体に派遣をしたり、また、活用事例集などを提供したり、自治体による取組をこれからも積極的に支援してまいりたいと思いますし、既に100か所以上、内閣府の方から説明に上がっているところでございまして、引き続きしっかり頑張っていきたいと思っています。
(問)日本経済新聞の白岩と申します。
 電子申請に係る紙の添付書類の全廃についてお伺いしたいんですが、これに関わる関連法、改正法案等の提出ですとか施行、それから、行政機関同士での書類の共有システムの稼働、こういったスケジュールについて、今どのような見通しを持っていらっしゃるかというのが1点と、今回、住民票ですとか登記事項証明書等の提出廃止を念頭に置かれているかと思うんですが、特にどのような分野で、この全廃による効果を期待されるか、この2点を伺えますでしょうか。
(答)まず、電子申請に係る添付書類の撤廃の法案でありますが、行政手続の電子化というものは、20年近くこれまで進められてきましたが、いまだ電子申請であっても紙の書類の取得や添付が必要だと、国民にとって時間と労力の無駄となっております。そういったことから、全廃を目指して、ネットでの申請をしやすくしていくわけでありますが、特に、法人設立など多くの手続で求められる、戸籍抄謄本、また登記事項証明書など、添付を不要とするために法案の改正が必要でございまして、可能な限り速やかに国会に提出したいと思っておりますが、次期の通常国会には間に合いそうにない状況でございますが、次の次ぐらいには何とか提出を目指して頑張っていきたいと思っておるところであります。
 法改正の時期はそういうことでありますが、詳細の内容についてはIT戦略室にお聞きいただきたいと思うのですが。
(事務方)例えば、代表的な申請の手続といいますのは、旅券・パスポートの交付の申請の際に、戸籍の添付が必要であるという辺り、また、児童扶養手当の申請、ひとり親家庭の生活支援を目的とされる手当を申請する際に、戸籍謄本の提出が必要になってございます。その紙を取得して添付することを廃止する方向で取り組んでいきたいということでございます。
(問)大臣、1点だけ確認ですが、次の次というのは、19年の通常国会という意味合いでよろしいでしょうか。
(答)若しくは、早ければ来年度臨時国会などあれば、通常国会にはちょっと間に合いそうにないという状況です。
(問)日経新聞の猪俣と申します。
 宇宙関係の予算について受け止めをお伺いしたいんですけれども、準天頂衛星ですね、平成35年度をめどに7基体制を目指しているということですが、どのような折衝の結果になったのかという受け止めと、それを受けて計画どおりできそうかどうかということについてちょっと改めてお聞かせください。
(答)まず、準天頂衛星の関連予算ですが、平成30年度の政府予算案では153.3億でありまして、対前年度比で約1%増ということになっております。補正で84.7億円と合わせると238億円となっておりまして、必要な予算額を予算面では確保することができました。
 具体的に申し上げますと、平成35年度をめどに持続測位を可能とする7機体制の確立に向けた5号機の開発、平成32年度に寿命を迎える初号機の後継機の開発、三つ目に来年度からサービスを開始する4機体制での準天頂衛星システムの運用、こういったところに取り組んでいく予定でございまして、引き続き、準天頂衛星システムの開発等に着実に取り組むとともに、幅広い分野での活用、官民連携して進めていく予定でございます。
(問)化学工業日報の伊地知と申します。
 科技の予算絡みでお話を聞かせていただきたいんですけど、PRISMも含めて100億を確保されたということなんですけれども、それと、来年早々に集計ということなんですけども、全体の科技の予算の感触というのはどういう形になっているか、もし今お話ができれば聞かせていただきたいと思います。
 それから、冒頭にPRISMの件に関して、改めて今後の期待も含めてお話を聞かせていただければと思います。
(答)予算面では、先ほど申し上げましたように、PRISMも含めて555億ということでございまして、100億しっかりPRISM分は確保できたということもございますし、補正で325億、前倒しで予算も付きましたので、非常にそういった意味では、来年度はしっかりと取り組んでいける状況が出来上がったと思っております。
 全体の詳細はまた年明けに発表させてもらいたいと思いますが、今3兆5000億ぐらい科学技術予算はあると思うのですけれども、GDPの1%を目指すということですので、増額は麻生大臣にかなりお願い申し上げてきましたので、その辺は増額にはなっておりますが、詳細な数字については整理して改めて御報告したいと思います。
(問)いわゆる3000億の増額ということに関しては。
(答)ええ、それはクリアしていると思います。
(問)クリアできているというふうな感触ということですね。
(答)クリアできています。
(事務方)そこは集計してから、また改めて。

(以上)