茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年8月8日

(平成29年8月8日(火) 10:50~11:02  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。私の方から1点御報告を申し上げます。
 私が担当することになりました人づくり革命に関しまして、政策のグランドデザインを検討する「構想会議」を立ち上げるという話を大臣就任時に申し上げたと思います。その名称につきまして、総理とも相談の上、「人生100年時代構想会議」とすることにいたしました。
 また、本日付で、人づくり革命や人生100年時代構想を支える事務局として、内閣官房に人生100年時代構想推進室を設置をいたしました。内閣府、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、財務省及び法務省から優れた職員、そして、やる気に溢れた職員を迎えて、30名規模の陣容となっております。
 なお、この人生100年時代構想会議のメンバーについて、これにつきましては今、人選中ということでありますが、人生100年という視点から、関係する施策を見直すことを想定しておりますので、多くの省庁にまたがる事項が出てまいると考えております。このため、文部科学大臣、そして、厚生労働大臣など、関係閣僚にも会議に加わっていただき、議論を進めていきたいと、このように考えております。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)まずマクロ経済のことを伺いたいのですけれども、先週末、アメリカの雇用統計が発表されまして、7月、非農業部門の就業者数が20万9,000人増で市場予想を上回る状態と、あと失業率も4.3%と歴史的な水準ということで、今後のアメリカ経済の先行きとか、あるいはあり得るリスクをどうお考えになるかということと、あと日本経済の影響と、ちょっとこれは実体経済ではないかもしれませんが、トランプ政権って前々から保護主義的なものがちょっと悪影響があるのではないかと言われていましたけれども、そのリスクというのはまだあると御覧になっているか、ちょっとそのあたりについて伺いたいと思います。
(答)4日にアメリカの雇用統計が発表されまして、御案内のとおり、先進国の中でも一番雇用の情勢について重視しているのがアメリカだと、このように考えているわけでありますが、非農業部門の雇用者数、御指摘のとおり、前月差という言い方を基本的にするわけですが、プラス20.9万人と、6月に引き続いて、堅調に増加をしておるわけであります。米国経済につきましては、雇用・所得環境の改善を背景とした個人消費の増加等に支えられまして、景気が着実に回復が続いていると。さらに、先行きについても着実な回復が続くと見込まれております。こういった米国経済の動向は、日本経済であったりとか、世界経済全体にも影響を及ぼすと考えられるところであります。そういった中で、今後のトランプ政権の経済政策、そして、FRBの金融政策、こういった政策の動向、影響等については、引き続き注視をしてまいりたいと、このように考えております。
 ちなみに、大体、アメリカは大統領選直前、その失業率のベクトルが上になっているか、下になっているかということで、大統領選の趨勢も影響される、こんなふうにも言われております。
(問)大臣、人づくり革命に関係するのですけれども、先日の会見で挙げておられたグラットン教授の本を拝見しますと、三つの世代ごとに想定を分けて論じておられて、働き方とか学び方の課題を論じておられて、非常に多岐にわたるなという印象なんですけれども、これまでのいわゆる、僕がイメージしているような、我々がイメージするような政策会議といいますか、有識者会議の在り方で対応できるのかなという気もするんですが、そこら辺も含めて、進め方についての課題があれば教えてください。
(答)ライフシフトの本を御覧をいただきましても、具体的に三つの世代の違った人間、一番若いジェーンを初め、その生き方がどうなっていくか、エクスプローラーの時代であったりとか、様々な時代、こういうのを映しながら、恐らく既にある程度の中年を迎えている年代、そして、今、働き盛りの年代、それから正にこれから働き始める、こういった年代について、当然、途中まで行った人と、これから働き始める人、相当、人生設計というのは変わっていくのだと、こんなふうにも考えているところでありますが、あの本を御覧いただいても、最後の40ページぐらいが終章で、今後の課題といったものが出てまいります。そこの中で個人がどうあるべきか、さらには企業がどうあるべきか、教育機関がどうあるべきか、国がどうあるべきか、こういったことについて、課題を投げかけていると、このように考えております。
 もちろんその本の課題に答えることだけではありませんが、正にこれまでにないような大きな課題、テーマというものを、この構想会議ということで扱うことになりまして、従来の発想にとらわれずに大胆な改革を進めていきたい。そして、広い視野に立って、様々な分野の制度の見直し等々も進めていきたいと、こんなふうに考えております。
(問)私の方からも人づくり革命について追加で御質問したいと思います。一つは人生100年時代構想会議と名前が決まりましたけれども、みんなにチャンスというのは、この名前に変わるということになるのか、一度、総理もおっしゃっていた名前でどんな議論があったのかというのが1点と、あと、やはりとても幅広い分野を扱う革命になるのかと思います。先日の日曜討論でも質問がありましたけれども、これまでの一億総活躍とのすみ分け、また、松山大臣とのすみ分け並びに連携というのはどのようにお考えでしょうか。
(答)まず、一億総活躍と、それから人づくり革命の関係でありますけれども、一億総活躍、これは女性も男性もお年寄りも若い人も、一度失敗した方も、障がいや病気の方も、あらゆる場面で活躍ができる社会をつくる、こういった安倍政権全体の基本的な考え方であり、ある意味、誰にでもチャンスがあると、こういった基本的な発想であると思っております。
 そこの中で、今回の人づくり革命、その本丸として、人生100年時代を見据えて、年齢に関わらず、こういう年齢軸を強調して、ただ、年齢軸は強調するわけでありますけれども、これまでのように、30歳だったらこう、50歳だったらこう、60歳だったらこうという、一斉の形ではない、個々人の年齢軸と、これを強調して、年齢を問わずに、誰もが人生を再設計できる社会をつくる構想ということでありまして、恐らく、誰でもチャンスということについては、基本的な、この一億総活躍であったりとか、人づくり、これも含めた概念として、総理は発言をされた。
 構想会議につきましては、先週も総理と御相談申し上げ、今日、正式に、その上で、人生100年時代構想会議、総理も、これがいいね、こういうふうにお話をされていました。
(問)靖国参拝についてお伺いしたいんですけれども、8月15日の終戦の日が近づいてきておりますが、終戦の日やその前後に靖国神社を参拝するお考えはありますでしょうか。
(答)個人として参拝をする予定はありません。
(問)江崎大臣が取材の中で、国会答弁では役所の答弁書を朗読するというような旨の御発言があったかと思うのですけれども、この発言についての大臣の受止めの方をお願いします。
(答)それぞれ、大臣ごとに丁寧に国会で答弁をしていくと、こういう思いは共有していると思います。もちろん、いろいろスタイルはあると、それぞれやはり個性というものはあるのだと思っておりますけれども、大切なことは、きちんと、正確に、そして、国民に対して丁寧に、今、政府が進めている政策等々を説明していくと、このことに尽きるんじゃないかなと思っております。
 私は、このスタイルでやりたいと、こんなふうに思っています。
(問)先程の方の話とちょっとかぶってしまうのですけれども、みんなにチャンス構想会議はなくなるという認識でいいんでしょうか。
(答)みんなにチャンス構想会議というのは立ち上がっておりません。正確に言いますと、この人づくり革命に関連する構想会議、これを立ち上げる。そして、正式なネーミング、名称を、今日、人生100年時代構想会議ということで決めさせていただき、事務局も今日、発足をしたという形であります。
(問)すみません、ちょっと漠とした質問になってしまうんですけれども、改造内閣が発足して、直後の世論調査では多少持ち直したという形で、先程、大臣からもあったように、新しい構想会議が立ち上がったりと、走り出しているというような状況かなと思っておりますが、一方で、江崎大臣の発言があったり、全体として、改造内閣の滑り出しをどのように感じておりますか。
(答)世論調査等々の数字につきましては、常に謙虚に受け止めなければいけないと思っております。そういった中で、我々は一つ一つの政策課題について、しっかり結果、成果を出すことで、さらに国民の皆さんの期待に応えてまいりたいと、このように思っております。
 政権が発足して4年半が経つわけであります。2012年の12月26日が組閣であったと思いますが、そのとき、やはり、我々が今回改めて国民の負託を受けて、政権に復帰をした。日本を取り戻す、こういった思いで政権復帰した。そのときの緊張感、責任感、これを忘れずに、今後の政権運営に当たっていきたいと、そのように思っております。

(以上)