松山内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成29年9月12日

(平成29年9月12日(火) 9:56~10:09  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 まず、私の方から2点御報告がございます。
 1点は、少子化対策担当及び科学技術政策担当として御報告を申し上げます。
 今週の14日木曜日、株式会社ワークスアプリケーションズが運営する、港区赤坂の企業主導型保育施設「WithKids」を視察する予定でございます。この施設は、フレックス制を導入した従業員の勤務時間に応じて、保育時間を自由に選択できる。また、おむつや着替えなどを施設側で用意することで、手ぶらで通勤が可能だということで、特色ある保育に取り組んでいる好事例として伺っていますので、視察予定をしています。
 また、同じ日の午後に、都内にある人工知能、AIの開発を進める研究機関と民間企業を訪問する予定でございます。まずは国立研究開発法人理化学研究所革新知能総合研究センターでは、理化学研究所松本理事長、杉山センター長などと意見交換を行う予定にしています。また、国立研究開発法人産総研の臨界センターでは、人工衛星画像からの大規模太陽光発電施設の検出など、AIを使った研究を視察する予定にしております。
 さらに、富士通を訪問しまして、同社が進める最先端のAI技術、この活用事例などについて意見交換をさせていただく予定にしております。
 2点目ですけれども、クールジャパンの戦略担当として報告申し上げます。
 我が国の魅力あるコンテンツ等を軸として異業種が連携し、新たな商品・サービスなどを創出していくことを後押しするため、12月4日に「クールジャパン・マッチングフォーラム2017」を開会いたします。マッチングフォーラムでは、異業種が連携した優良な事例を表彰するとともに、異業種連携によるビジネス組成のための商談会、これを実施することによって連携事例の創出を加速させてまいりたいと思っています。本日12日よりウェブサイトを立ち上げまして、表彰の候補となる事例と商談会への出展の希望企業の募集を行いますので、積極的に応募を頂きたいと思っております。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です、おはようございます。
 先週、タイムズ・ハイアー・エデュケーションが世界大学ランキングを発表して、日本の大学がかなり低下したと。イノベーションの現場とか人材育成を担う大学を活性化しないと、なかなか科学技術イノベーションを進めるのも難しいと思うんですけれども、これを活性化するために大臣としてどのように取り組まれるのか教えてください。
(答)タイムズ・ハイアー・エデュケーションが世界大学ランキングを発表されて、東京大学が昨年の39位から46位へと順位を落とす結果になったということで承知をいたしております。
 この大学ランキングには多様なものがあって、評価指標も様々でございますし、その順位については一概に評価はできないと思いますけれども、我が国の大学の課題等をしっかりと把握して改善にいかしていくことが重要だと考えます。
 政府として、2023年までに世界大学ランキングトップ100に我が国の大学が10校以上、という目標を成長戦略の中で掲げております。大学の国際競争力を高めるべく大学改革を進めるなど取り組んでいるところでございますが、このために与党、関係府省と連携・協力の下に、例えば国立大学が株式を戦略的に運用するといった制度改革、環境整備を進める、いわゆる研究開発力強化法の改正等にも取組ながら、科学技術イノベーション活動の主要な実行主体の一つである大学の改革あるいは機能強化というものに一層取り組んでまいりたいと思います。
(問)NHKの鈴木です。
 冒頭あった人工知能研究関連施設の視察についてお伺いします。人工知能、人材も揃っていなくて、日本も世界で遅れている印象がありますけれども、今回の視察でどのようなところを見ていきたいか、今後の政策でもどのようにいかしていきたいか、それをお願いします。
(答)今回の視察は、私自身も初めてのことでありまして、まず、理研の山本リーダーにもお会いをしまして、実際に自分がこれはちょっと肌で感じて、今後の研究開発にどのようにいかせるかということを実質意見交換をしっかりと具体的に、この際詰めていきたいと思っております。
 今回、AI関係に絞ってこのような形で視察をまずして、意見交換をまずやってみたいと思っております。
(問)大臣の御認識としては、今AI研究というのは、日本はどのように位置にあるというふうにお考えなどありますでしょうか。
(答)そうですね、かなり先端を行っていると思っておりますので、これを商品化あるいはサービスに組み込んでいくということがどのように展開できていくのかということを自分自身確かめて、いろいろな形で意見交換をし、今後の会議等々にもいかしていきたいと思っております。
(問)日経新聞の猪俣です。
 先週、太陽フレア現象があって、その後も何度か再発しているようなんですけれども、その後の政府の取組状況について経過を教えてください。また、それを踏まえて、宇宙の衛星システムを守る政策を議論する内閣府の担当大臣として、宇宙の安全保障にどのように取り組んでいきたいか今後の意気込みを教えてください。
(答)確かに11日にもそのような現象があったというふうに承知をいたしております。現状、具体的なトラブルについては特段の報告がございませんで、我々としては、情報通信研究機構、総務省のNICTからの情報を元に、今後もしっかりと省庁・機関で連携をとりながら監視を行っていく予定でございます。
 仮にいろいろな被害が及ぶ事態となった場合につきましても、政府全体として連携をしっかり、測位衛星であれば内閣府、あるいは通信衛星であれば総務省、そして電力の送電関係であれば資源エネルギー庁といった具合にしっかり政府間で連携をとって即座に対応していくということを考えておりまして、機能回復等に向けた対応をしっかりやっていきたいというふうに思っております。
(問)朝日新聞の杉本と申します。
 太陽フレアのところで教えていただきたいんですけれども、先週あった太陽フレアの規模も当然大きいのは大きいんですけれども、過去で比べて28番目ぐらいで、歴史的に見るとそんなにたくさん大きいものが起きているということは、今後も更に起きてくる可能性があるとは思うんですけれども、例えば対策として、政府として施策として今後考えていくべきことがあるのかどうか、その辺りを聞かせてください。
(答)そうですね、この4月に宇宙システム安定性強化に関する関係府省庁連絡会議というものを立ち上げました。最近の宇宙システムに対する脅威やリスクの増大に伴って立ち上げたものでございますけど、今回はトラブルもなくこの会議を開会するまでもなかったわけですけれども、今後、様々な事象に応じて中長期的な取組につきましても、この連絡会議の場を活用して対応してまいりたいというふうに思います。
(問)中長期的な取組というのは事態が起こってからの対策ではなくて、いわゆる事前に備えという趣旨でよろしいですか。
(答)はい。
(問)フジテレビ、和田でございます。
 人工知能関連で少し大きな大臣の御見識をお伺いしたいのですが、場合によっては総理や文科大臣にお伺いするようなことかもしれないんですが、先程の大学のランキングなんかとも少し、私関係があるのではと思っているんですが、人工知能が現在もどんどんレベルが上がってきている、今後も上がっていくであろうと、家庭生活の中にも入ってくるかもしれないという状況の中にあっては、私常々思っておりますのは、それこそ人工知能が取って代われるような部分というのは、もしかすると小学校から大学まで少しカリキュラムを改めるぐらいの必要があるのではないか。つまり、簡単に申し上げると、詰め込みだとか暗記のような教育というのは、もしかするとかなりこれから違和感のあるものになってくるのではないかと常々思っているんですが、大臣はそういった点についてどのような御見識、教育ですね小学生から大学まで、これはカリキュラムそのものを変える必要がそろそろあるのではなかと思っているんですが如何でしょうか。
(答)確かに、こういった開発が進んでくることによって教育現場もかなり変わってくるのではないかと予想はされますけれども、インターネット、パソコン自体は既に今昔と違って、机に全て設置されたり、いろいろなことが進んでおりますので、AIということもある意味、教育現場にいろいろな形で反映される可能性はあろうかと思うのですが、いずれにしても、これをプラスにして教育面でも一緒にプラスになるように、子どもたちのためにも、これがあるからといって全く脳の活性化につながらないのでは話になりませんので、いい形で今後の教育現場にもこういうAIというものをいかしていければいいのではないかと思いますけれども。

(以上)