小此木内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成29年9月26日

(平成29年9月26日(火) 11:09~11:25  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 私から2つ、南海トラフ沿いの地震観測と、ワーキンググループの報告についてと、フィリピンに出張してまいりましたので、その話をいたします。
 まずは、本日、「南海トラフ沿いの地震観測・評価に基づく防災対応検討ワーキンググループ」の報告書を平田主査より受け取りました。直ちに、「防災対策実行会議」を開催し、ワーキンググループの報告書を受けた政府の対応として、菅官房長官より、以下3点について、指示がございました。
 1点目は、「検討体制の早期確立と防災対応の速やかな取りまとめ」であります。関係自治体や事業者の協力を得て、早期に検討体制を確立し、新たな防災対応の具体化と実施に必要な仕組みの構築のための検討を、できる限り速やかに進めること。
 2点目、「間隙を作らない政府対応の実施」であります。新たな防災対応の検討をしている間にも、南海トラフで異常な現象が発生する可能性があることから、対応に間隙を作ることのないよう、政府が対応すべき事項については、全体の取りまとめに先行して検討を進めること。
 3点目、「国民に対する迅速な情報提供の実施」であります。防災対応には、正確な情報が不可欠であることから、南海トラフ沿いで大規模地震の発生可能性がある異常な現象を観測した場合には、迅速、適切な情報提供を行うこと。この3点がございました。
 この指示を受けて、1点目の「検討体制の早期確立と防災対応の速やかな取りまとめ」については、今後、地域と一緒に具体化を図っていくため、まずは、静岡県、高知県、中部経済界などに御協力いただいて、モデル地区での具体的な検討を進めていく予定であります。
 また、それに先立ち、関係府県などにワーキンググループの報告書の内容などを説明する場を設ける予定であります。また、2点目の「間隙を作らない政府対応の実施」については、本日、山下内閣府大臣政務官を会長とする関係省庁局長級の中央防災会議幹事会を開催し、当面の対応について確認する予定です。
 3点目の「国民に対する迅速な情報提供」については、気象庁と連携しながら、対応してまいります。
 2つ目のフィリピン出張についてですが、9月20日から9月22日にかけて、フィリピンに出張し、第8回ASEAN+3国際犯罪閣僚会議及び第3回日・ASEAN国際犯罪閣僚会議に出席してまいりました。このうち、日・ASEANの会議においては、ブルネイ代表とともに、共同議長を務めました。
 両閣僚会議では、国際テロ、サイバー犯罪等に関して、活発な意見交換がなされました。
 私からは、日本政府の取組を説明するとともに、これらの問題に対処するための国際協力を更に強化していく所存である旨述べました。
 今回の訪問の成果も踏まえ、2020年に東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた治安対策等を見据え、ASEAN各国との治安分野における一層の連携強化を図ってまいる所存です。
 まずは、私から以上です。

2.質疑応答

(問)読売新聞の長島と申します。
 安倍総理が25日、臨時国会の冒頭での衆院解散を表明いたしました。ただ、熊本地震の被災地などの首長から、仮設住宅の入居延長などについて、国の方針の決定に遅れが出ないかなど政治空白による復興の遅れを懸念する声が上がっております。この点について大臣のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)この時期の解散について、いろいろなコメント、あるいはお考えがそれぞれのところで発信されているのは承知しておりますが、正に昨日、総理が自らの思いを会見等で申されました。
 一つは、消費税等々についての引上げ時について、そして、その消費税の税収分の使い方について、北朝鮮についての脅威に対する対応、こういったものの説明がありました。
 今、言われました災害、あるいは救助、あるいはこれからの復旧、復興について、あるいは生活そのものに対する対応というのは、いかなる状況であっても、政府が一丸となって皆さんの支援をしていく考えに一切変わりはありませんので、そこのところは御安心を頂きたいという発信も含めて、この選挙戦、あるいは政府として強く、更に発信して、その心配が取り除かれるように発信していかなければならないと思っておりますので、そのつもりで行動してまいりたいと思います。
(問)読売新聞の出水と申します。
 先ほど南海トラフの関係で静岡、高知、中部経済界をモデル地区に指定する考えを示されましたが、もう一度、モデル地区で具体的に何を検討していくのか。大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
(答)南海トラフで想定される被害の甚大さということを考えれば、大規模地震の発生の可能性が高まった場合、防災対応を行っていく意義というものは、今回の報告を聞いて改めて感じております。
 今後、南海トラフ地震に対する防災対応を更にレベルアップさせていくということ、ワーキンググループの報告を踏まえ、新たな防災対応の具体化を静岡、高知県、中部経済界などに御協力を頂きながら、検討していきたいというふうに考えております。
(問)静岡新聞の八木です。
 関連してですが、モデル地区での検討ですけれども、いつ頃始まっていつ頃までに検討を終えるかというスケジュール感と、検討に当たって、どのようなメンバーでその検討がなされるのか教えてください。
(答)ワーキンググループの報告を踏まえて、地域の実情を考慮して、具体的な防災対応を検討していきたいと、こういうふうに考えております。
 具体的には、まず、現行の大震法に基づく防災対策を実施することとしている事業者等が、防災対応の見直しに向けて、地震の発生可能性や、対策を実施した場合のメリット・デメリットを考慮し、地震発生の可能性に応じて、どのような防災対応を行うことが適切かについて、言ってまいりました静岡県、高知県、中部経済界などと連携して検討していきたいというふうに考えているということであります。
 モデル地区での検討も踏まえて、計画策定の考え方や、防災対応の実施のための仕組み等を整理し、必要に応じて制度を見直し、新たな防災対応をしっかり構築してまいりたいと考えています。
(問)スケジュールに関してはまだ未定ということでしょうか。
(答)静岡県、高知県、中部経済界などと、今後、検討内容などの調整を行う必要があるので、現時点で開始時期、検討期間を申し上げることはできませんが、調整が整い次第、検討を進めていきたいと考えています。
(問)共同通信の三吉と申します。
 先だって、小池知事が、新党の希望の党というのを立ち上げて、代表に就任されました。これについての受け止めと、あと、先ほども出ましたが、安倍首相が衆院解散を表明されたことについての大臣としての受け止めはどのようなふうにお考えをお持ちかという2点についてお伺いさせてください。
(答)まずは、小池知事が発表された政党でありますが、そのことよりも、選挙を闘う身とすれば、その選挙を闘うということが大きいのですけれども、特に関心がないというと冷た過ぎるから、選挙には、最近は選挙があるたびに何か新しい政党ができてきて、いろいろな政治家が右行ったり左行ったりするということを、表現が適切かどうか分かりませんけれども、私もずっと20年以上、この世界におりまして見てまいりました。
 多くの国民の皆さんがその状況に飽き飽きとしているという声も聞いてまいりましたので、ただ、お互いに切磋琢磨して、このことについては、自分がしっかりしなければいけないということに結局は思い付くのです。ですから、更に身を引き締める。特にこういう防災担当あるいは警察にも責任を持っておりますので、危機管理については、万全を期していきたいと、この間であっても、そういうふうな思いを、私は新たにしました。
 これは小池知事がその政党を発表されたこと、あるいは昨日、総理が記者会見を行って、この解散の意味合いを話されましたけれども、これについては、結局、思い当たる、思い付くことは今、私がお話をしたように、自分の身を引き締めるということになります。
(問)共同通信の井澤です。
 福田峰之議員の自民党離党と、あと内閣府副大臣の辞任について、大臣の受け止めをお願いします。
(答)まず、非常に残念なことだと思います。彼とは、2009年に自民党が大敗をしたときから、いろいろな意味で助け合ってきました。これは個人的な思いですけれども、そういった意味で残念でありますし、先ほどちょっと触れましたけれども、ともに防災対応について責任を持つ役職についているわけでありますから、そういう意味でも残念であります。
 政治家としての様々な個人の判断は、あったとは思いますけれども、私は今、申し上げたとおりの気持ちを持っております。なお、1人、副大臣という立場が欠けたわけでありますけれども、先ほども申し上げましたが、この防災体制には万全を期してまいります。
(問)福田さんの離党表明後に何らかの会話とか、やりとりというのはされたのでしょうか。また、今、お話しあったように、福田さんとの接点、多かったと思うのですけれども、離党した理由については、大臣御自身、どのようにお考えになっていますか。
(答)理由について、よく僕は聞いておりませんけれども、昨日、まず離党される前に連絡がありました。一昨日もありました。
(問)どういったやり取りですか。
(答)離党いたしますと、報告のようなものでありました。神奈川県では県連の会長という立場でもありますので、謝罪もありました。
(問)信濃毎日新聞の記者の前野と申します。
 明日27日で御嶽山の噴火災害から3年を迎えるのですけれども、この3年間、火山防災がどのように変わってきたのか、内閣府の取組ですとか、今後の課題、あるいは内閣府として果たしていく役割ですとか、大臣の所感をお聞かせください。
(答)平成26年9月27日に発生した御嶽山の噴火災害、これは死者・行方不明者が63名を出すという戦後最悪の噴火災害となりました。この災害で亡くなられた方々に対して、心から哀悼の意を表するとともに、御遺族の皆様や災害に遭われた皆様に心より改めてお見舞い申し上げます。
 御嶽山噴火災害の教訓を踏まえ、「活動火山対策特別措置法」、活火山法を改正して、火山活動が活発化した際の避難計画作成を義務化するなど、火山地域の関係者とともに、火山防災対策を進めてきたところであります。我が国は、火山国であり、今後も国民の生命と財産を守るため、関係機関が一体となって、地域における火山防災の取組を支援してまいりたいと思います。

(以上)